JP2005267927A - 発光装置 - Google Patents

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Abstract

【課題】 蛍光体の自己発熱を抑制し、高出力な発光装置とする。
【解決手段】 本発明は、発光素子201と、該発光素子201からの光の少なくとも一部を吸収し異なる波長を有する光を発する蛍光物質を含有する光変換部材101と、放熱部材とを備える発光装置であって、放熱部材は、冷媒の流路を有し、発光素子201が載置される側にて第1の流路103を有する第1の放熱部材106と、発光素子201からの光が照射される側にて第2の流路104を有する第2の放熱部材109とからなり、該第2の放熱部材109は、上記光変換部材101を有することを特徴とする発光装置である。
【選択図】 図1

Description

本発明は、レーザダイオード(LD)、発光ダイオード(LED)のような発光素子が実装されてなる発光装置に関するものであり、特に、発光素子とともに該発光素子からの光を励起光として異なる波長を有する光を発光する蛍光物質を備える発光装置に関する。
発光ダイオードを利用した照明装置として、多数の発光ダイオードを導電性プレートの上に実装させた照明装置が提案されている。例えば、特許文献1に開示される照明装置は、発光ダイオードが実装されていない側の導電性プレートが冷却体に接続されており、冷却体にて発光ダイオードの放熱を促すことによって、高出力な発光が可能な照明装置とされている。また、放熱性の更なる改善のために、冷却体には冷却液が還流される。
また、例えば特許文献2に開示される真空蛍光管は、導体に蛍光体層が被着された陽極と、その陽極に対向する陰極とが、真空容器内に配設されたファクシミリ光源用真空蛍光管である。ここで、蛍光体層が被着された陽極の一部は、真空容器の外へ延伸する延伸部となり、該延伸部が外気に接する冷却部とされている。この蛍光管は、蛍光体層が被着された陽極を熱伝導性のよい金属材料とし、上記冷却部による放熱を促すことで、被着された蛍光体層の発熱を下げることができる。これにより、真空蛍光管は、蛍光体の劣化を防ぎ、発光効率の向上および高輝度発光を維持することができる。
特表2002−544673号公報。
特開昭59−161966号公報。
一般に、光変換部材に含有される蛍光体の光変換効率は、蛍光体の周囲温度が高くなるにしたがって低下することが知られている。上述の技術は、このような問題を解決する為に発光装置における光変換部材の外部的発熱要因を取り除く方法として考案されたものである。すなわち、発光ダイオードの実装基板を冷却し、また蛍光体が被着された電極の他端に冷却部を設けることにより、外部から熱を受けて発熱する光変換部材の熱を取り除くものである。
ところで、従来までに蛍光体を紫外領域で励起する光源として選択されていたものとして、高圧水銀ランプなどが挙げられるが、熱を多量に発生するばかりか、可視光スペクトルを有しており、紫外光のみを取り出す為のフィルタ等が必要であった。本出願人等は、高出力な紫外光を発する窒化物半導体素子を発表し(JJAP Vol.41(2002)L1434-1436)、このような発光素子を蛍光物質の励起光源として利用することを考案した。これにより、従来選択されていた紫外領域で励起する光源と比べ、熱の発生が少なく、フィルタ等を要しなくとも高出力な紫外光スペクトルのみが取り出すことが可能となった。すなわち、発光装置における光変換部材の外部的発熱要因を限りなく無視できるようになった。
しかしながら、そのような短波長領域にスペクトルを有する光半導体発光素子を蛍光体の励起光源としても、スペクトルによる光変換部材部の発熱は無視できるものの、蛍光体の発熱が無視できなくなることがわかってきた。すなわち,高エネルギーの励起光に曝される蛍光体は、蛍光体のストークスフォトルミネッセンス機構のロス(以降、「ストークスロス」と呼ぶ。)に起因する自己発熱を起こす。これは、外部的に熱を加えられることによる光変換部材全体の温度上昇とは異なり、光変換部材に含有される蛍光体自身の発熱を起源として光変換効率を自ら低下させているのである。
そこで、本発明は、蛍光体の自己発熱を抑制し、光変換部材の劣化を阻止するとともに、蛍光体の発光効率を向上させ、高出力な発光装置を実現させることを目的とする。
以上の目的を達成するために本発明に係る発光装置は、発光素子と、該発光素子からの光の少なくとも一部を吸収し異なる波長を有する光を発する蛍光物質を含有する光変換部材と、放熱部材とを備える発光装置であって、上記放熱部材は、冷媒の流路を有し、上記発光素子が載置される側にて第1の流路を有する第1の放熱部材と、上記発光素子からの光が照射される側にて第2の流路を有する第2の放熱部材とからなり、該第2の放熱部材は、上記光変換部材を有することを特徴とする。このように構成すると、蛍光体の放熱が従来と比較して効率よく行えるため、蛍光体の自己発熱を抑制し、蛍光体の劣化を防止することにより、蛍光体の光変換効率を向上させ、さらに高出力な発光装置とすることができる。
また、上記流路は、上記第1の流路および前記第2の流路を連絡する第3の流路を有する。このように構成すると、発光装置に供給された冷媒を第1の流路および第2の流路において並流させることができ、発光素子の放熱と蛍光体の放熱が同じ放熱系統で行えるため、発光装置の放熱部材の構造を簡略化することができる。
また、第1の放熱部材あるいは第2の放熱部材は、冷媒が導入される供給口と、流路を還流される冷媒が放出される排出口とを少なくとも一対有する。このように構成し連続して冷媒を供給・排出すると、発光装置の放熱性が向上し、高出力な発光装置とすることができる。
また、第1の放熱部材と、絶縁性部材と、支持基板と、第2の放熱部材とが積層されてなる。このように構成すると、より簡単な構成で放熱性に優れた発光装置とすることができる。
また、放熱部材は、供給口あるいは排出口を、少なくとも一方の主面側に有し、絶縁性部材と支持基板は、第3の流路の一部となるような貫通孔を有する。このように構成すると、発光装置の主面方向に一対の供給口および排出口を形成させることができ、発光装置の光学特性に悪影響を及ぼさない方向から冷媒の還流を行うことができる。
また、絶縁部材の少なくとも一方の主面にAu、Ag、Alから選択される少なくとも一種を含む導電性部材が被着されている。このように構成すると、発光素子に電力を供給することが容易にできる。
また、発光素子の一方の電極は、導電性ワイヤを介して絶縁性基板の少なくとも一方の主面に被着された導電性部材と電気的に接続され、他方の電極は、第1の放熱部材とにそれぞれ電気的に接続される。このように構成すると、発光素子に電力を供給することが容易にできる。
また、第2の放熱部材は、少なくとも発光素子からの光を透過する材料、または、発光素子からの光と光変換部材が発する光の両方の光を透過させることのできる材料からなる。これにより、第2の放熱部材に光変換部材を配置させるとき、発光観測面側の主面だけでなく、発光素子からの光が照射される側の主面にも光変換部材を配置させることができる。
また、上記光変換部材に入射される光の密度が3W/cm以上とされる。このように構成すると、従来技術ではなし得なかった光密度が3W/cm以上の高密度で高出力な光を光変換部材に入射させることが可能な発光装置とすることができる。
また、上記光変換部材の温度が200℃以下とされる。このように構成すると、信頼性の高い高出力な発光装置とすることができる。
本発明は、蛍光体の自己発熱による発光装置の温度上昇を抑制し、蛍光体の劣化を防止することにより、蛍光体の光変換効率を向上させ、高出力な発光装置とすることができる。
本発明を実施するための最良の形態を、以下に図面を参照しながら説明する。ただし、以下に示す形態は、本発明の技術思想を具体化するための発光装置を例示するものであって、本発明は発光装置を以下に限定するものではない。また、各図面に示す部材の大きさや位置関係などは説明を明確にするために誇張しているところがある。
発光素子と、該発光素子からの光の少なくとも一部を吸収し異なる波長を有する光を発する蛍光物質を含有する光変換部材と、放熱部材とを備える発光装置において、本発明者は、放熱部材が、冷媒の流路を有し、発光素子が載置される側にて第1の流路を有する第1の放熱部材と、発光素子からの光が照射される側にて第2の流路を有する第2の放熱部材とからなり、該第2の放熱部材は、光変換部材を有することを特徴とすることにより、上述したような問題を解決するに至った。
すなわち、本発明は、発光装置からの発熱を緩和させる水冷式の放熱部材を備え、その放熱部材に、蛍光体を含有する光変換部材が載置されている発光装置である。これにより、蛍光体の自己発熱が抑制され、蛍光体の劣化が防止できるため、発光装置の出力低下が生じることなく、さらに高出力な光、例えば白色系等の光を発光することができる。
より具体的には、本形態にかかる発光装置は、発光素子からの放熱を促進させる第1の放熱部材と、光変換部材からの放熱を促進させる第2の放熱部材とを有する。光変換部材は、第2の放熱部材のうち、発光素子からの光が照射される領域に載置されている。第2の放熱部材は、光変換部材が載置される側に第2の流路を有し、該第2の流路は、光変換部材からの放熱を促進させる冷媒を有する。これにより、高出力かつ高エネルギーの励起光に曝される蛍光体の自己発熱を抑制することができる。また、第1の放熱部材は、第2の放熱部材と同様に冷媒の流路を有し、高出力な光を発する発光素子からの放熱を促進させる。したがって、発光装置全体としての放熱性が向上し、高出力な光を照射する発光装置とすることができる。なお、本明細書における「冷媒」とは、例えば、冷却水、冷却ガス、低沸点不活性液体のような熱冷却媒体をいう。また、冷媒は、循環させることで発光装置からの放熱が促進されるが、循環させる形態に限定されることはない。
本形態の放熱部材が有する流路は、上記第1の流路と上記第2の流路とを連絡する第3の流路を有することが好ましい。これにより、本形態にかかる発光装置は、第1および第2の流路に共通する供給口および排出口を一対有し、発光素子の冷却と光変換部材の冷却が同一系統で行えるため、発光素子と光変換部材とを別系統で冷却する他の冷却機構と比較して、発光装置を小型化でき、また、発光装置の冷却機構を簡略化させることができる。
本形態の放熱部材は、その放熱部材の外壁面に対して冷媒が導入される供給口と、放熱部材の流路を還流される冷媒が放出される排出口とを少なくとも一対有する。発光装置に供給口および排出口が形成される位置、数およびそれらの形状は、発光装置の大きさおよび形状を考慮して冷却効果が向上するように選択され、本形態に限定されない。これにより、放熱部材の中に冷媒を還流させることができる。
本形態の発光装置は、発光素子を実装する側において、冷媒の第1の流路を有する第1の放熱部材と、電気的絶縁性部材と、支持基板と、光変換部材が配設される側にて、冷媒の第2の流路を有する第2の放熱部材とが少なくとも積層されてなる。このようにすることにより、本発明にかかる発光装置を容易に実現することができる。
供給口あるいは排出口は、放熱部材に形成されており、絶縁性部材と支持基板は、第3の流路の一部となるような貫通孔を有する。これにより、発光装置の実装面側から冷却液の供給および放出を行うことができ、発光装置に冷媒を供給する装置などが発光装置の光学特性に悪影響を及ぼさないようにすることができる。
絶縁部材の少なくとも一方の主面にAu、Ag、Alから選択される少なくとも一種を含む導電性部材が被着されている。さらに、発光素子の一方の電極は、導電性ワイヤおよび上記導電性部材を介して上記絶縁性部材の少なくとも一方の主面に被着された導電性部材と電気的に接続され、他方の電極は、第1の放熱部材とにそれぞれ電気的に接続される。すなわち、支持基板および第1の放熱部材の極性が異なり、発光素子の正負一対の電極は、該支持基板と該第1の放熱部材とにそれぞれ電気的に接続される。これにより発光素子に電力を供給することが容易にできる。
光変換部材に入射される光の密度が3W/cm以上、また、光変換部材の温度が200℃以下、好ましくは120℃以下、さらに好ましくは100℃以下とされる。これにより、放熱性が向上された本形態にかかる発光装置は、高出力な発光装置とすることができる。以下、本形態の各構成について詳述する。
[放熱部材]
本形態の発光装置における放熱部材は、発光素子が載置される側において、第1の流路を有する第1の放熱部材と、発光素子からの光が照射される側において、第2の流路を有する第2の放熱部材とからなる。本形態の発光素子は、第1の放熱部材に載置されるが、本発明がこれに限定されないことは言うまでもない。すなわち、発光素子と第1の放熱部材との間に熱伝導性のよい他の部材、例えば、発光素子がフリップチップ実装される補助素子としてサブマウントを有してもよい。以下、第1の放熱部材および第2の放熱部材について、より詳細に説明する。
本形態における第1の放熱部材とは、発光素子を冷却する冷媒の流路を有し、発光素子が直接あるいは導電性接着剤を介して載置され、発光素子から発生する熱を発光装置の外部へ伝達させる部材である。また、本形態における第2の放熱部材とは、蛍光体を冷却する冷媒の流路を有し、蛍光体を含有する光変換部材が載置され、蛍光体から発生する熱を光変換部材の外部へ伝達させる部材でもある。ここで、第2の放熱部材は、少なくとも発光素子からの光を透過させることのできる材料、または、発光素子からの光と光変換部材が発する光の両方の光を透過させることのできる材料からなる。これにより、光変換部材は、第2の放熱部材の発光観測面側主面および発光素子からの光が照射される主面の少なくとも一方に載置される。なお、光変換部材は、第2の放熱部材に直接固着される形態に限定されることなく、他の透光性部材を介して第2の放熱部材に実装されてもよいことはいうまでもない。また、光変換部材の発光観測面側の形状は、発光装置からの光の光学特性を考慮してレンズ形状とすることもできる。放熱部材の一部を透光性とし、その透光性の部分に蛍光体を含有させることで、光変換部材とすることもできる。また、光変換部材の内に蛍光体を冷却する冷媒の流路を形成させることもできる。
本発明において、冷媒の流路は、発光装置の外部に対して閉鎖系、開放系を問わない。開放形の流路を有する放熱部材の一例として、例えば、銅やアルミニウム等の金属を材料とし、内部に冷媒を導通させるための流路を形成させた平板とすることができる。ここで、放熱部材の一部を透過性とし、第2の放熱部材とするとき、その透光性の部分には、透光性樹脂、石英等の材料を選択する。さらに、放熱部材は、その外壁面に放熱部材内に冷媒を循環させるため、冷媒の供給口と排出口を少なくとも一対有する。図2に示されるように、流路は、複数の平板状とされた材料の少なくとも一方、例えば、第2の板状部材106b、109bに溝、凹凸形状および上記供給口・排出口とするための貫通孔を形成し、第1の板状部材106a、109bと第2の板状部材106b、109bとの対向する面同士を接着させることにより放熱部材106、109とし、該放熱部材に形成することができる。ここで、本形態において、流路の形状は、図2に示されるものに限定されないことは言うまでもない。例えば、図5に示されるように、放熱部材の材料の一部である第1の板状部材106b、109bにおいて、一方の開口部(供給口あるいは排出口)が形成された位置から、他方の開口部まで、流路が徐々に広くなり、さらに流路が徐々に狭くなるように、凹部を形成する。これにより、冷媒が流路内を円滑に循環するようにすることができる。さらに、その凹部の内壁面は、細かい溝や凹凸形状が形成されていることが好ましい。これにより、冷媒と放熱部材との接触面積を大きくし、発光装置の放熱効果を向上させることができる。
閉鎖系の流路を有する放熱部材の一例として、例えば、銅やアルミニウム等の金属を材料とし、内部に冷媒を封入させたヒートパイプとすることができる。特に、別の形態において、放熱部材として使用することができるヒートパイプは、例えば、銅やアルミニウム等の金属材料からなる金属管の中に、水、フロン、代替フロン、フロリナート等の熱輸送用の作動液を封入したものであって、入熱部(高温部)で作動液が加熱されて蒸気となり、その蒸気が放熱部(低温側)に移動して液化することによって放熱し、その液化した作動液が毛細管現象により入熱部に戻るという動作を繰り返すことにより、極めて高い熱伝導性を実現した熱伝達部材である。
放熱部材の形状は、放熱される方向や放熱効果を考慮して種々の形状および大きさとすることができる。例えば、図4に示されるように、発光素子の裏面に対向する第1の流路の内壁面に凹凸形状を形成する。これにより、上記内壁面と冷媒との接触面積は、凹凸形状を形成しないときと比較して大きくなるため、発光素子からの放熱性が向上する。さらに、光変換部材に対向する第2の流路の内壁面に凹凸形状を形成する。これにより、上記内壁面と冷媒との接触面積は、凹凸形状を形成しないときと比較して大きくなるため、光変換物質からの放熱性が向上する。ここで、第1の流路と第2の流路とを第3の流路で連絡させ、第1の流路と第2の流路を並流させる発光装置としたとき、第1および第2の流路の内壁面は、同じ形状とすることが好ましい。これにより、発光装置内の冷媒の圧力を均一にできるため、信頼性の高い発光装置とすることができる。
平板状とされた第1の放熱部材は、放熱部材を形成する板材の熱伝導率をC[W/mK]としたとき、発光素子を実装する面と第1の流路の内壁面との最短距離d[mm]は、以下の関係式を満たすことが好ましい。
0.05<d<(C/800)・・・(式1)
例えば、無酸素銅を材料として第1の放熱部材を形成するとき、d[mm]は、以下の範囲とすることが好ましい。
0.05<d<0.5 ・・・(式2)
また、アルミナや窒化アルミニウムのようなセラミックスを材料として第1の放熱部材を形成するとき、d[mm]は、以下の範囲とすることが好ましい。
0.05<d<0.25 ・・・(式3)
ここで、dの値を上限値より大きくすると、放熱部材の熱抵抗が大きくなり、隣接する発光素子同士の熱干渉が顕著に現れてしまうため、発光素子を高密度に実装することができない。また、dの値を下限値より小さくすると、放熱部材の板材を加工することが容易でなくなる。
[支持基板]
支持基板は、発光素子に電力を供給し、他の構成部材の支持体となり、発光装置の機械的強度を維持するためのものである。支持基板は、放熱性、発光装置の出力などを考慮して種々の大きさに形成させ、発光装置の形状に合わせて種々の形状とされる。また、支持基板は、光の配光特性を制御するため、その一部にリフレクタを有していてもよい。
支持基板は、例えば図1に示されるように、発光装置の外部に延伸する延伸部を設け、その延伸部に発光装置100を外部の実装基板や、例えば、水流ポンプのような冷媒の供給装置に固定するための貫通孔を有することができる。さらに、図2に示されるように、テーパー状の貫通孔を形成し、その貫通孔の内壁面を第1の放熱部材に実装される発光素子に対向させ、発光素子からの光を発光観測面方向に反射させる傾壁としてもよい。また、その傾壁に、発光素子からの光を好適に反射させる反射層を形成してもよい。支持基板は、発光素子から放出された熱を放熱部材側に効率よく放熱させるため熱伝導性がよいことが好ましい。このような熱伝導性のよい材料の例としては、セラミックス、銅、アルミニウムやりん青銅板が単独で用いられる他、それらの表面に銀、パラジュウム或いは銀、金などの金属メッキや半田メッキなどを施したものが好適に用いられる。
[絶縁性部材]
本形態における絶縁性部材とは、第1の放熱部材と支持基板を絶縁するように両者の間に配置される部材である。また、絶縁性部材は、導電性の支持基板および/または第1の放熱部材との対向面に対し、Au、AgおよびAlのような金属が被着される。支持基板との対向面に被着された金属により、発光素子に電力を供給するための配線がなされ、第1の放熱部材との対向面に被着された金属は、第1の放熱部材と絶縁性部材とを良好に接合するための層となる。
絶縁性部材の形状は、第1の放熱部材および支持基板の形状に対応させ、例えば、図1および図2に示されるように、平板状とされる。絶縁性部材の材料は、樹脂、アルミナ、窒化アルミのような電気的に絶縁性のある材料とされる。絶縁性材料の第1の放熱部材と支持基板に対向する面のうち少なくとも一方には、Au、AgおよびAlの少なくとも一種を含む金属が形成されていることが好ましい。これにより、発光素子と電気的接続を図ることが容易にできる。あるいは、発光素子に電力を供給するワイヤをボンディングするための配線をすることができる。
さらに、図2に示されるように、テーパー状の貫通孔を形成し、その貫通孔の内壁面を第1の放熱部材に実装される発光素子に対向する傾壁としてもよい。また、その傾壁に、発光素子からの光を好適に反射させる反射層を形成してもよい。
上述の支持基板および絶縁性部材に対して、放熱部材の流路に繋がる開口部に対応させて、一対の貫通孔を設け、第3の流路とすることができる。また、それらの貫通孔は、第1、第2および第3の流路の各流路が接続されている部分において、冷媒の漏れを防止する目的で、オーリングがされていることが好ましい。オーリングの材料は、例えば、シリコーン樹脂とすることが好ましい。
[半導体発光素子]
本形態における半導体発光素子は、蛍光体を励起することができる波長の光を発するレーザダイオードや発光ダイオードである。特に、半導体発光素子は、蛍光体を効率よく励起することができる特定の発光波長を発光する発光層を有することが好ましい。
半導体発光素子の材料として、BN、SiC、ZnSeやGaN、InGaN、InAlGaN、AlGaN、BAlGaN、BInAlGaNなど種々の半導体を挙げることができる。同様に、これらの元素に不純物元素としてSiやZnなどを含有させ発光中心とすることもできる。蛍光体を効率良く励起できる紫外領域から可視光の短波長を効率よく発光することが可能な発光層の材料として特に、窒化物半導体(例えば、AlやGaを含む窒化物半導体、InやGaを含む窒化物半導体としてInAlGa1−X−YN、0≦X、0≦Y、X+Y≦1)が挙げられる。半導体の構造としては、MIS接合、PIN接合やpn接合などを有するホモ構造、ヘテロ構造あるいはダブルへテロ構成のものが挙げられる。半導体層の材料やその混晶度によって発光波長を種々選択することができる。また、半導体活性層を量子効果が生ずる薄膜に形成させた単一量子井戸構造や多重量子井戸構造とすることもできる。
窒化物半導体を使用した場合、半導体用基板にはサファイヤ、スピネル、SiC、Si、ZnO等の材料が好適に用いられる。結晶性の良い窒化物半導体を量産性よく形成させるためにはサファイヤ基板を用いることが好ましい。このサファイア基板上にMOCVD法などを用いて窒化物半導体を形成させることができる。サファイア基板上にGaN、AlN、GaAlN等のバッファ層を形成し、その上にpn接合を有する窒化物半導体を形成させる。
窒化物半導体を使用したpn接合を有する発光素子の例として、バッファ層上に、n型窒化ガリウムで形成した第1のコンタクト層、n型窒化アルミニウム・ガリウムで形成させた第1のクラッド層、窒化インジウム・ガリウムで形成した活性層、p型窒化アルミニウム・ガリウムで形成した第2のクラッド層、p型窒化ガリウムで形成した第2のコンタクト層を順に積層させたダブルへテロ構成などが挙げられる。
窒化物半導体は、不純物をドープしない状態でn型導電性を示す。発光効率を向上させるなど所望のn型窒化物半導体を形成させる場合は、n型ドーパントとしてSi、Ge、Se、Te、C等を適宜導入することが好ましい。一方、p型窒化物半導体を形成させる場合は、p型ドーパントであるZn、Mg、Be、Ca、Sr、Ba等をドープさせる。窒化物半導体は、p型ドーパントをドープしただけではp型化しにくいためp型ドーパント導入後に、炉による加熱やプラズマ照射等により低抵抗化させることが好ましい。
p型半導体には、発光素子に投入された電流をp型半導体の全領域に広げるための拡散電極が設けられる。さらに、拡散電極およびn型半導体には、バンプや導電性ワイヤのような導電部材と接続するp側台座電極およびn側台座電極がそれぞれ設けられる。
半導体発光素子のp側およびn側台座電極は、導電性ワイヤにより絶縁性部材に配される導電性部材や放熱部材と電気的に接続される。あるいは、半導体発光素子は、半田、バンプによりフリップチップ実装され、支持基板や放熱部材と電気的に接続される。
また、別の形態に係る半導体発光素子は、窒化物半導体層のみからなるものであって、半導体層の上面と下面に対向電極が形成されている。このような対向電極を有する半導体発光素子は、一方の電極が本形態にかかる放熱部材に対向するように、導電性接着剤を介して固定される。本形態にかかる絶縁性部材は、支持基板との対向面から凹部内にかけて導電性部材が被着されている。したがって、発光素子の一方の電極は、放熱部材と電気的に接続し、他方の電極は、上記導電性部材に対し導電性ワイヤを介して接続される。導電性接着剤の材料として、例えば、銀ペースト、Au−SnやAg−Snのような共晶材が挙げられる。
以下、このような対向電極構造を有する半導体発光素子の形成方法を説明する。まずn型窒化物半導体層およびp型窒化物半導体層を上述の半導体素子と同様にして積層後、第1の電極であるp電極とp電極以外のp型窒化物半導体層上に絶縁膜を形成する。他方、この半導体層に貼り合わせる支持基板を準備する。支持基板の具体的な材料としては、Cu−W、Cu−Mo、AlN、Si、SiC等である。貼り合わせ面には密着層、バリア層、共晶層を備えた構造が好ましい。例えばTi−Pt−Au、又はTi−Pt−AuSn等の金属膜を形成する。このような金属膜は共晶により合金化され、後工程で導通層となる。
次に支持基板の金属膜を形成した面と窒化物半導体層の表面とを向かい合わせて、プレスをしながら熱を加え合金化した後、異種基板側からエキシマレーザを照射するか、又は研削により異種基板を取り除く。その後、窒化物半導体素子を形成するためRIE等で外周エッチングを行い、外周の窒化物半導体層を除去した状態の窒化物半導体素子とする。また、光の取りだし効果を向上させるために窒化物半導体の露出面をRIE等で凹凸(ディンプル加工)を施してもよい。凹凸の断面形状はメサ型、逆メサ型があり、平面形状は、島状形状、格子状、矩形状、円状、多角形状などがある。次に、第2の電極であるn電極を前記窒化物半導体層の露出面に形成する。電極材料としては、Ti/Al/Ni/Au、W/Al/WPt/Auなどが挙げられる。
[光変換部材]
本形態における光変換部材とは、半導体発光素子からの光を吸収し、その光とは異なる波長を有する光を発する蛍光物質を含有する部材である。特に、粒子状の蛍光体は、透光性樹脂や透光性無機物を結着剤として互いに固着され、光変換部材とされる。また、蛍光体は、透光性とされた放熱部材に含有させることもできる。以下、本形態の光変換部材に含有させることができる蛍光体について詳述する。
(アルミニウム・ガーネット系蛍光体)
本実施の形態に用いられるアルミニウム・ガーネット系蛍光体とは、Alを含み、かつY、Lu、Sc、La、Gd、Tb、Eu及びSmから選択された少なくとも一つの元素と、Ga及びInから選択された一つの元素とを含み、希土類元素から選択された少なくとも一つの元素で付活された蛍光体であり、LEDチップから発光された可視光や紫外線で励起されて発光する蛍光体である。
例えば、YAlO:Ce、YAl12:Ce、YAl:Ce、(Y0.8Gd0.2Al12:Ce、Y(Al0.8Ga0.212:Ce、Tb2.95Ce0.05Al12、Y2.90Ce0.05Tb0.05Al12、Y2.94Ce0.05Pr0.01Al12、Y2.90Ce0.05Pr0.05Al12等が挙げられる。さらに、本実施の形態において、特にYを含み、かつCeあるいはPrで付活され組成の異なる二種類以上のイットリウム・アルミニウム酸化物系蛍光体(イットリウム・アルミニウム・ガーネット系蛍光体(以下、「YAG系蛍光体」と呼ぶ。))が利用される。特に、高輝度且つ長時間の使用時においては(Re1-xSmx3(Al1-yGay512:Ce(0≦x<1、0≦y≦1、但し、Reは、Y,Gd,Laからなる群より選択される少なくとも一種の元素である。)などが好ましい。
(Re1-xSmx3(Al1-yGay512:Ce蛍光体は、ガーネット構造のため、熱、光及び水分に強く、励起スペクトルのピークが470nm付近などにさせることができる。また、発光ピークも530nm付近にあり720nmまで裾を引くブロードな発光スペクトルを持たせることができる。
本発明の発光装置において、蛍光体は、2種類以上の蛍光体を混合させてもよい。即ち、上述したYAG系蛍光体について言えば、Al、Ga、Y、La及びGdやSmの含有量が異なる2種類以上の(Re1-xSmx3(Al1-yGay512:Ce蛍光体を混合させてRGBの波長成分を増やすことができる。また、現在のところ半導体発光素子の発光波長には、バラツキが生ずるものがあるため2種類以上の蛍光体を混合調整させて所望の白色系の混色光などを得ることができる。具体的には、発光素子の発光波長に合わせて色度点の異なる蛍光体の量を調整し含有させることでその蛍光体間と発光素子で結ばれる色度図上の任意の点を発光させることができる。
発光層に窒化物系化合物半導体を用いた発光素子から発光した青色系の光と、青色光を吸収させるためボディーカラーが黄色である蛍光体から発光する緑色系の光と、赤色系の光とを混色表示させると所望の白色系発光色表示を行うことができる。そこで、発光装置は、蛍光体の粉体やバルクをエポキシ樹脂、アクリル樹脂或いはシリコーン樹脂などの各種樹脂や酸化珪素、酸化アルミニウムなどの透光性無機物中に含有させることもできる。このように蛍光体が含有されたものは、発光素子からの光が透過する程度に薄く形成させたドット状のものや層状ものなど用途に応じて種々用いることができる。蛍光体と透光性無機物との比率や塗布、充填量を種々調整すること及び発光素子の発光波長を選択することにより白色を含め電球色など任意の色調を提供させることができる。
また、2種類以上の蛍光体をそれぞれ発光素子からの入射光に対して順に配置させることによって効率よく発光可能な発光装置とすることができる。即ち、反射部材を有する発光素子上には、長波長側に吸収波長があり長波長に発光可能な蛍光体が含有された色変換部材と、それよりも長波長側に吸収波長がありより長波長に発光可能な色変換部材とを積層などさせることで反射光を有効利用することができる。
YAG系蛍光体を使用すると、放射照度として(Ee)=0.1W・cm−2以上1000W・cm−2以下の発光素子と接する或いは近接して配置された場合においても高効率に十分な耐光性を有する発光装置とすることができる。
本実施の形態に用いられるセリウムで付活された緑色系が発光可能なYAG系蛍光体では、ガーネット構造のため、熱、光及び水分に強く、励起吸収スペクトルのピーク波長が420nmから470nm付近にさせることができる。また、発光ピーク波長λpも510nm付近にあり700nm付近まで裾を引くブロードな発光スペクトルを持つ。一方、セリウムで付活されたイットリウム・アルミニウム酸化物系蛍光体である赤色系が発光可能なYAG系蛍光体でも、ガーネット構造であり熱、光及び水分に強く、励起吸収スペクトルのピーク波長が420nmから470nm付近にさせることができる。また、発光ピーク波長λpが600nm付近にあり750nm付近まで裾を引くブロードな発光スペクトルを持つ。
ガーネット構造を持ったYAG系蛍光体の組成の内、Alの一部をGaで置換することで発光スペクトルが短波長側にシフトし、また組成のYの一部をGd及び/又はLaで置換することで、発光スペクトルが長波長側へシフトする。このように組成を変化することで発光色を連続的に調節することが可能である。したがって、長波長側の強度がGdの組成比で連続的に変えられるなど窒化物半導体の青色系発光を利用して白色系発光に変換するための理想条件を備えている。Yの置換が2割未満では、緑色成分が大きく赤色成分が少なくなり、8割以上では、赤み成分が増えるものの輝度が急激に低下する。また、励起吸収スペクトルについても同様に、ガーネット構造を持ったYAG系蛍光体の組成の内、Alの一部をGaで置換することで励起吸収スペクトルが短波長側にシフトし、また組成のYの一部をGd及び/又はLaで置換することで、励起吸収スペクトルが長波長側へシフトする。YAG系蛍光体の励起吸収スペクトルのピーク波長は、発光素子の発光スペクトルのピーク波長より短波長側にあることが好ましい。このように構成すると、発光素子に投入する電流を増加させた場合、励起吸収スペクトルのピーク波長は、発光素子の発光スペクトルのピーク波長にほぼ一致するため、蛍光体の励起効率を低下させることなく、色度ズレの発生を抑えた発光装置を形成することができる。
アルミニウム・ガーネット系蛍光体は、以下のような方法で製造することができる。まず、蛍光体は、Y、Gd、Ce、La、Al、Sm、Pr、Tb及びGaの原料として酸化物、又は高温で容易に酸化物になる化合物を使用し、それらを化学量論比で十分に混合して原料を得る。又は、Y、Gd、Ce、La、Sm、Pr、Tbの希土類元素を化学量論比で酸に溶解した溶解液を蓚酸で共沈したものを焼成して得られる共沈酸化物と、酸化アルミニウム、酸化ガリウムとを混合して混合原料を得る。これにフラックスとしてフッ化アンモニウム等のフッ化物を適量混合して坩堝に詰め、空気中1350〜1450°Cの温度範囲で2〜5時間焼成して焼成品を得、次に焼成品を水中でボールミルして、洗浄、分離、乾燥、最後に篩を通すことで得ることができる。また、別の実施の形態の蛍光体の製造方法では、蛍光体の原料を混合した混合原料とフラックスからなる混合物を、大気中又は弱還元雰囲気中にて行う第一焼成工程と、還元雰囲気中にて行う第二焼成工程とからなる、二段階で焼成することが好ましい。ここで、弱還元雰囲気とは、混合原料から所望の蛍光体を形成する反応過程において必要な酸素量は少なくとも含むように設定された弱い還元雰囲気のことをいい、この弱還元雰囲気中において所望とする蛍光体の構造形成が完了するまで第一焼成工程を行うことにより、蛍光体の黒変を防止し、かつ光の吸収効率の低下を防止できる。また、第二焼成工程における還元雰囲気とは、弱還元雰囲気より強い還元雰囲気をいう。このように二段階で焼成すると、励起波長の吸収効率の高い蛍光体が得られる。従って、このように形成された蛍光体にて発光装置を形成した場合に、所望とする色調を得るために必要な蛍光体量を減らすことができ、光取り出し効率の高い発光装置を形成することができる。
組成の異なる2種類以上のセリウムで付活されたアルミニウム・ガーネット系蛍光体は、混合させて用いても良いし、それぞれ独立して配置させても良い。蛍光体をそれぞれ独立して配置させる場合、発光素子から光をより短波長側で吸収発光しやすい蛍光体、それよりも長波長側で吸収発光しやすい蛍光体の順に配置させることが好ましい。これによって効率よく吸収及び発光させることができる。
(窒化物系蛍光体)
本発明で使用される蛍光体は、Nを含み、かつBe、Mg、Ca、Sr、Ba、及びZnから選択された少なくとも一つの元素と、C、Si、Ge、Sn、Ti、Zr、及びHfから選択された少なくとも一つの元素とを含み、希土類元素から選択された少なくとも一つの元素で付活された窒化物系蛍光体も使用することができる。また、本実施の形態に用いられる窒化物系蛍光体としては、LEDチップから発光された可視光、紫外線、及びYAG系蛍光体からの発光を吸収することによって励起され発光する蛍光体をいう。例えば、SrSi:Eu,Pr、BaSi:Eu,Pr、MgSi:Eu,Pr、ZnSi:Eu,Pr、SrSi10:Eu,Pr、BaSi10:Eu,Ce、MgSi10:Eu,Ce、ZnSi10:Eu,Ce、SrGe:Eu,Ce、BaGe:Eu,Pr、MgGe:Eu,Pr、ZnGe:Eu,Pr、SrGe10:Eu,Ce、BaGe10:Eu,Pr、MgGe10:Eu,Pr、ZnGe10:Eu,Ce、Sr1.8Ca0.2Si:Eu,Pr、Ba1.8Ca0.2Si:Eu,Ce、Mg1.8Ca0.2Si:Eu,Pr、Zn1.8Ca0.2Si:Eu,Ce、Sr0.8Ca0.2Si10:Eu,La、Ba0.8Ca0.2Si10:Eu,La、Mg0.8Ca0.2Si10:Eu,Nd、Zn0.8Ca0.2Si10:Eu,Nd、Sr0.8Ca0.2Ge10:Eu,Tb、Ba0.8Ca0.2Ge10:Eu,Tb、Mg0.8Ca0.2Ge10:Eu,Pr、Zn0.8Ca0.2Ge10:Eu,Pr、Sr0.8Ca0.2SiGeN10:Eu,Pr、Ba0.8Ca0.2SiGeN10:Eu,Pr、Mg0.8Ca0.2SiGeN10:Eu,Y、Zn0.8Ca0.2SiGeN10:Eu,Y、SrSi:Pr、BaSi:Pr、SrSi:Tb、BaGe10:Ceなどが挙げられるがこれに限定されない。窒化物蛍光体に含有される希土類元素は、Y、La、Ce、Pr、Nd、Gd、Tb、Dy、Ho、Er、Luのうち少なくとも1種以上が含有されていることが好ましいが、Sc、Sm、Tm、Ybが含有されていてもよい。これらの希土類元素は、単体の他、酸化物、イミド、アミド等の状態で原料中に混合する。Mnを用いると粒径を大きくすることができ、発光輝度の向上を図ることができる。
特に本蛍光体は、Mnが添加されたSr−Ca−Si−N:Eu、Ca−Si−N:Eu、Sr−Si−N:Eu、Sr−Ca−Si−O−N:Eu、Ca−Si−O−N:Eu、Sr−Si−O−N:Eu系シリコンナイトライドである。この蛍光体の基本構成元素は、一般式LSi(2/3X+4/3Y):Eu若しくはLSi(2/3X+4/3Y−2/3Z):Eu(Lは、Sr、Ca、SrとCaのいずれか。)で表される。一般式中、X及びYは、X=2、Y=5又は、X=1、Y=7であることが好ましいが、任意のものも使用できる。具体的には、基本構成元素は、Mnが添加された(SrCa1−XSi:Eu、SrSi:Eu、CaSi:Eu、SrCa1−XSi10:Eu、SrSi10:Eu、CaSi10:Euで表される蛍光体を使用することが好ましいが、この蛍光体の組成中には、Mg、Sr、Ca、Ba、Zn、B、Al、Cu、Mn、Cr及びNiからなる群より選ばれる少なくとも1種以上が含有されていてもよい。Lは、Sr、Ca、SrとCaのいずれかである。SrとCaは、所望により配合比を変えることができる。蛍光体の組成にSiを用いることにより安価で結晶性の良好な蛍光体を提供することができる。
本蛍光体は、母体のアルカリ土類金属系窒化ケイ素に対して、Eu2+を付活剤として用いる。添加物であるMnは、Eu2+の拡散を促進し、発光輝度、エネルギー効率、量子効率等の発光効率の向上を図る。Mnは、原料中に含有させるか、又は、製造工程中にMn単体若しくはMn化合物を含有させ、原料と共に焼成する。
蛍光体には、基本構成元素中に、若しくは、基本構成元素とともに、Mg、Ga,In,Li、Na,K、Re、Mo、Fe,Sr、Ca、Ba、Zn、B、Al、Cu、Mn、Cr、O及びNiからなる群より選ばれる少なくとも1種以上を含有する。これらの元素は、粒径を大きくしたり、発光輝度を高めたりする等の作用を有している。また、B、Al、Mg、Cr及びNiは、残光を抑えることができるという作用を有している。
このような窒化物系蛍光体は、発光素子によって発光された光の一部を吸収して黄から赤色領域の光を発光する。窒化物系蛍光体をYAG系蛍光体と共に使用して、発光素子により発光された光と、窒化物系蛍光体による黄色から赤色光とが混色により暖色系の白色系の混色光を発光する発光装置を提供する。窒化物系蛍光体の他に加える蛍光体には、アルミニウム・ガーネット系蛍光体が含有されていることが好ましい。アルミニウム・ガーネット系蛍光体を含有することにより、所望の色度に調節することができるからである。例えば、セリウムで付活されたイットリウム・アルミニウム酸化物蛍光物質は、発光素子光の一部を吸収して黄色領域の光を発光する。ここで、発光素子により発光された光と、イットリウム・アルミニウム酸化物蛍光物質の黄色光とが混色により白色系の混色光を発する。従って、このイットリウム・アルミニウム酸化物蛍光物質と赤色発光する蛍光体とを、透光性を有する光変換部材中に一緒に混合し、発光素子により発光された青色光、あるいは蛍光体により波長変換された青色光とを組み合わせることにより白色系の光を発光する発光装置を提供することができる。特に好ましいのは、色度が色度図における黒体放射の軌跡上に位置する白色系の発光装置である。但し、所望の色温度の発光装置を提供するため、イットリウム・アルミニウム酸化物蛍光物質の蛍光体量と、赤色発光の蛍光体量を適宜変更することもできる。この白色系の混色光を発光する発光装置は、特殊演色評価数R9の改善を図っている。従来の青色発光素子とセリウムで付活されたイットリウム・アルミニウム酸化物蛍光物質との組合せのみの白色系発光装置は、色温度Tcp=4600K付近において特殊演色評価数R9がほぼ0に近く、赤み成分が不足していた。そのため特殊演色評価数R9を高めることが解決課題となっていたが、本発明において赤色発光の蛍光体をイットリウム・アルミニウム酸化物蛍光物質と共に用いることにより、色温度Tcp=4600K付近において特殊演色評価数R9を40付近まで高めることができる。
次に、本発明に係る蛍光体((SrCa1−XSi:Eu)の製造方法を説明するが、本製造方法に限定されない。上記蛍光体には、Mn、Oが含有されている。
原料のSr、Caは、単体を使用することが好ましいが、イミド化合物、アミド化合物などの化合物を使用することもできる。また原料Sr、Caには、B、Al、Cu、Mg、Mn、MnO、Mn、Alなどを含有するものでもよい。原料のSr、Caは、アルゴン雰囲気中、グローブボックス内で粉砕を行う。粉砕により得られたSr、Caは、平均粒径が約0.1μmから15μmであることが好ましいが、この範囲に限定されない。より混合状態を良くするため、金属Ca、金属Sr、金属Euのうち少なくとも1以上を合金状態としたのち、窒化し、粉砕後、原料として用いることもできる。
原料のSiは、単体を使用することが好ましいが、窒化物化合物、イミド化合物、アミド化合物などを使用することもできる。例えば、Si、Si(NH、MgSiなどである。原料のSiの純度は、3N以上のものが好ましいが、Al、Mg、金属ホウ化物(CoB、NiB、CrB)、酸化マンガン、HBO、B、CuO、CuOなどの化合物が含有されていてもよい。Siも、原料のSr、Caと同様に、アルゴン雰囲気中、若しくは、窒素雰囲気中、グローブボックス内で粉砕を行う。Si化合物の平均粒径は、約0.1μmから15μmであることが好ましい。
次に、Sr、Caを、窒素雰囲気中で窒化する。Sr、Caは、混合して窒化しても良いし、それぞれ個々に窒化しても良い。これにより、Sr、Caの窒化物を得ることができる。また、原料のSiを、窒素雰囲気中で窒化する。これにより、窒化ケイ素を得る。
Sr、Ca若しくはSr−Caの窒化物を粉砕する。Sr、Ca、Sr−Caの窒化物を、アルゴン雰囲気中、若しくは、窒素雰囲気中、グローブボックス内で粉砕を行う。
同様に、Siの窒化物を粉砕する。また、同様に、Euの化合物Euを粉砕する。Euの化合物として、酸化ユウロピウムを使用するが、金属ユウロピウム、窒化ユウロピウムなども使用可能である。このほか、原料のZは、イミド化合物、アミド化合物を用いることもできる。酸化ユウロピウムは、高純度のものが好ましいが、市販のものも使用することができる。粉砕後のアルカリ土類金属の窒化物、窒化ケイ素及び酸化ユウロピウムの平均粒径は、約0.1μmから15μmであることが好ましい。
上記原料中には、Mg、Sr、Ca、Ba、Zn、B、Al、Cu、Mn、Cr、O及びNiからなる群より選ばれる少なくとも1種以上が含有されていてもよい。また、Mg、Zn、B等の上記元素を以下の混合工程において、配合量を調節して混合することもできる。これらの化合物は、単独で原料中に添加することもできるが、通常、化合物の形態で添加される。この種の化合物には、HBO、Cu、MgCl、MgO・CaO、Al、金属ホウ化物(CrB、Mg、AlB、MnB)、B、CuO、CuOなどがある。
上記粉砕を行った後、Sr、Ca、Sr−Caの窒化物、Siの窒化物、Euの化合物Euを混合し、Mnを添加する。これらの混合物は、酸化されやすいため、Ar雰囲気中、又は、窒素雰囲気中、グローブボックス内で、混合を行う。
最後に、Sr、Ca、Sr−Caの窒化物、Siの窒化物、Euの化合物Euの混合物をアンモニア雰囲気中で、焼成する。焼成により、Mnが添加された(SrCa1−XSi:Euで表される蛍光体を得ることができる。ただし、各原料の配合比率を変更することにより、目的とする蛍光体の組成を変更することができる。
焼成は、管状炉、小型炉、高周波炉、メタル炉などを使用することができる。焼成温度は、1200から1700℃の範囲で焼成を行うことができるが、1400から1700℃の焼成温度が好ましい。焼成は、徐々に昇温を行い1200から1500℃で数時間焼成を行う一段階焼成を使用することが好ましいが、800から1000℃で一段階目の焼成を行い、徐々に加熱して1200から1500℃で二段階目の焼成を行う二段階焼成(多段階焼成)を使用することもできる。蛍光体の原料は、窒化ホウ素(BN)材質のるつぼ、ボートを用いて焼成を行うことが好ましい。窒化ホウ素材質のるつぼの他に、アルミナ(Al)材質のるつぼを使用することもできる。
以上の製造方法を使用することにより、目的とする蛍光体を得ることが可能である。本発明の実施例において、赤味を帯びた光を発光する蛍光体として、特に窒化物系蛍光体を使用するが、本発明においては、上述したYAG系蛍光体と赤色系の光を発光可能な蛍光体とを備える発光装置とすることも可能である。このような赤色系の光を発光可能な蛍光体は、波長が400〜600nmの光によって励起されて発光する蛍光体であり、例えば、YS:Eu、LaS:Eu、CaS:Eu、SrS:Eu、ZnS:Mn、ZnCdS:Ag,Al、ZnCdS:Cu,Al等が挙げられる。このようにYAG系蛍光体とともに赤色系の光を発光可能な蛍光体を使用することにより発光装置の演色性を向上させることが可能である。
以上のようにして形成されるアルミニウム・ガーネット系蛍光体、および窒化物系蛍光体に代表される赤色系の光を発光可能な蛍光体は、発光素子の周辺において一層からなる波長変換部材中に二種類以上存在してもよいし、二層からなる波長変換部材中にそれぞれ一種類あるいは二種類以上存在してもよい。このような構成にすると、異なる種類の蛍光体からの光の混色による混色光が得られる。この場合、各蛍光物質から発光される光をより良く混色しかつ色ムラを減少させるために、各蛍光体の平均粒径及び形状は類似していることが好ましい。また、窒化物系蛍光体は、YAG系蛍光体により波長変換された光の一部を吸収してしまうことを考慮して、窒化系蛍光体がYAG系蛍光体より発光素子に近い位置に配置されるように波長変換部材を形成することが好ましい。このように構成することによって、YAG蛍光体により波長変換された光の一部が窒化物系蛍光体に吸収されてしまうことがなくなり、YAG系蛍光体と窒化物系蛍光体とを混合して含有させた場合と比較して、混色光の演色性を向上させることができる。
(アルカリ土類金属珪酸塩)
本実施の形態における発光装置は、発光素子が発光した光の一部を吸収し、その吸収した光の波長と異なる波長を有する光を発光する蛍光体として、ユウロピウムで付活されたアルカリ土類金属珪酸塩を有することもできる。アルカリ土類金属珪酸塩は、青色領域の光を励起光とし、暖色系の混色光を発光する発光装置とすることができる。該アルカリ土類金属珪酸塩は、以下のような一般式で表されるアルカリ土類金属オルト珪酸塩が好ましい。
(2−x−y)SrO・x(Ba,Ca)O・(1−a−b−c−d)SiO・aPbAlcBdGeO:yEu2+(式中、0<x<1.6、0.005<y<0.5、0<a、b、c、d<0.5である。)
(2−x−y)BaO・x(Sr,Ca)O・(1−a−b−c−d)SiO・aPbAlcBdGeO:yEu2+(式中、0.01<x<1.6、0.005<y<0.5、0<a、b、c、d<0.5である。)
ここで、好ましくは、a、b、cおよびdの値のうち、少なくとも一つが0.01より大きい。
本実施の形態における発光装置は、アルカリ土類金属塩からなる蛍光体として、上述したアルカリ土類金属珪酸塩の他、ユウロピウムおよび/またはマンガンで付活されたアルカリ土類金属アルミン酸塩やY(V,P,Si)O:Eu、または次式で示されるアルカリ土類金属−マグネシウム−二珪酸塩を有することもできる。
Me(3−x−y)MgSi:xEu,yMn(式中、0.005<x<0.5、0.005<y<0.5、Meは、Baおよび/またはSrおよび/またはCaを示す。)
次に、本実施の形態におけるアルカリ土類金属珪酸塩からなる蛍光体の製造工程を説明する。
アルカリ土類金属珪酸塩の製造のために、選択した組成に応じて出発物質アルカリ土類金属炭酸塩、二酸化珪素ならびに酸化ユウロピウムの化学量論的量を密に混合し、かつ、蛍光体の製造に常用の固体反応で、還元性雰囲気のもと、温度1100℃および1400℃で所望の蛍光体に変換する。この際、0.2モル未満の塩化アンモニウムまたは他のハロゲン化物を添加することが好ましい。また、必要に応じて珪素の一部をゲルマニウム、ホウ素、アルミニウム、リンで置換することもできるし、ユウロピウムの一部をマンガンで置換することもできる。
上述したような蛍光体、即ち、ユウロピウムおよび/またはマンガンで付活されたアルカリ土類金属アルミン酸塩やY(V,P,Si)O:Eu、YS:Eu3+の一つまたはこれらの蛍光体を組み合わせることによって、所望の色温度を有する発光色および高い色再現性を得ることができる。
(その他の蛍光体)
本実施の形態において、蛍光体として紫外から可視領域の光により励起されて発光する蛍光体も用いることができ、具体例として、以下の蛍光体が挙げられる。
(1)Eu、MnまたはEuとMnで付活されたアルカリ土類ハロゲンアパタイト蛍光体;例えば、M(PO(Cl、Br):Eu(但し、MはSr、Ca、Ba、Mgから選択される少なくとも一種)、Ca10(POClBr:Mn、Euなどの蛍光体。
(2)Eu、MnまたはEuとMnで付活されたアルカリ土類アルミン酸塩蛍光体;例えば、BaMgAl1627:Eu、BaMgAl1627:Eu,Mn、SrAl1425:Eu、SrAl:Eu、CaAl:Eu、BaMgAl1017:Eu、BaMgAl1017:Eu,Mnなどの蛍光体。
(3)Euで付活された希土類酸硫化物蛍光体;例えば、LaS:Eu、YS:Eu、GdS:Euなどの蛍光体。
(4)(Zn、Cd)S:Cu、ZnGeO:Mn、3.5MgO・0.5MgF・GeO:Mn、MgAs11:Mn、(Mg、Ca、Sr、Ba)Ga:Eu、Ca10(POFCl:Sb,Mn
以下、本発明に係る実施例について詳述する。なお、本発明は以下に示す実施例のみに限定されないことは言うまでもない。また、各図面に示す部材の大きさや位置関係などは説明を明確にするために誇張しているところがある。
図1は、本実施例にかかる発光装置の模式的な斜視図および部分断面図を示す。また、図2は、本実施例にかかる発光装置の各構成部材を示す模式的な斜視図であり、図3は、図1のX−Xにおける発光装置の断面図である。
本実施例にかかる発光装置100は、第1の流路103を有する第1の放熱部材106と、発光素子201に電力を供給する支持基板108とが絶縁性部材107を介して積層されており、さらに、上記支持基板108に対して、第2の流路104を有する第2の放熱部材109が積層されている。第2の放熱部材109は、その発光観測面側主面に、蛍光体を含有する光変換部材101が被着されている。また、上記流路に冷媒を流入させるための供給口、および上記流路から発光装置の外部へ冷媒を放出させるための排出口が、第1の放熱部材106の主面側、すなわち発光装置100の実装面側に形成されている。絶縁性部材107と支持基板108は、主面方向に貫通孔を有し、その貫通孔が上記供給口および排出口と対向され、上記第1の流路103と第2の流路104を連絡する第3の流路110とされている。また、支持基板108は、載置された半導体発光素子を包囲するような貫通孔が形成されおり、貫通孔の内壁面は、発光素子からの光を発光観測面方向に反射させるようにテーパー形状とされている。
複数の発光素子201は、マトリクス状に凹部内の第1の放熱部材に配列され、白色系を発光するように蛍光物質が含有された光変換部材部を第2の放熱部材に載置する。本実施例における発光素子の発光ピーク波長は、365nmとし、また蛍光体は、白色系の光を発するように、上述した蛍光体から適宜選択し、混合させた。第2の放熱部材の材料は、石英ガラスとし、光変換部材は石英ガラスの発光観測面側表面に塗布する。以下、本実施例にかかる発光装置の形成方法について詳述する。
まず、発光素子を冷却するための第1の放熱部材106を形成する。無酸素銅からなる板材に加工を施し、図2に示すように、第1の板状部材106a及び第2の板状部材106bとする。第1及び第2の板状部材の板厚は、それぞれ200μmとする。また、第1の板状部材106aは、固定のための螺子穴が四方に形成され、半導体発光素子を載置する主面に対向する側の面に、第3の流路の側壁となる貫通孔を形成する。一方、第2の板状部材106bには、図2に示されるように、螺子穴を四方向に形成した後、第1の流路103を形成する凹凸形状および冷媒を発光装置内へ導入するための供給口と、発光装置外へ冷媒を放出させるための排出口を形成する。さらに、第1および第2の板状部材の対向する主面に、Au及び/又はAuとSnの合金層を形成する。その後、窒素ガス雰囲気中にて300〜400℃の熱処理を施し、第1および第2の板状部材を貼り合わせ、板材が積層された第1の放熱部材106とする。なお、第1の流路は、第1の板状部材と第2の板状部材の間隙に上記凹凸形状により形成される。
次に、光変換部材が被着され、該光変換部材を冷却する第2の放熱部材109を形成する。第2の放熱部材109の材料は、少なくとも半導体発光素子の発光の主波長に対して透光性を有する材料、好ましくは半導体発光素子の光と蛍光体の光に対して透光性を有する材料である。例えば、合成石英、透光性樹脂を二枚の板材109a、109bとし、該板材の少なくとも一方の主面に凹凸形状、供給口および排出口を形成する。その後、溶着等により板材同士を貼り合わせ、第2の放熱部材109とする。
さらに、実装される発光素子を冷却する第1の放熱部材106と、絶縁性部材107と、支持基板108と、光変換部材が被着される第2の部材109とを順に積層する。このとき、絶縁性部材107には、予め貫通孔が形成されており、第1および第2の放熱部材の供給口と排出口がそれぞれ対応するように、各部材の開口部の位置決めを行う。また、絶縁性部材107は上面と下面とが電気的に絶縁されており、上記螺子穴と対応する螺子穴が設けられている。さらに、絶縁性部材107に設けられた貫通孔の開口部の口径は、第1あるいは第2の放熱部材に形成された供給口および排出口の口径より若干大きくされ、開口部は、オーリングがされていることが好ましい。オーリングは、ゴム、シリコーン樹脂のような弾性体がリング状に形成された部材を貫通孔に嵌め込むことによりなされる。これにより、発光装置から冷媒が漏れ出すことを防止することができる。以上のようにして、半導体発光素子が載置される支持体が形成される。
半導体発光素子は、導電性接着剤介して第1の放熱部材106に実装される。第2の放熱部材109は、発光観測面側上面に、蛍光体が透光性樹脂にて固着された光変換部材101が被着される。半導体発光素子は、Au−Snを接着剤として、第1の放熱部材106と支持基板108により形成される凹部102内に実装される。このとき、上述の銅を主成分とする板材の接合に使用されるAu−Snの共晶温度と比較して、半導体発光素子を実装する際に使用されるAu−Snの共晶温度が低くなるようにする。これにより、板材の剥離を防止することができる。
以上のように形成された発光装置100を水冷冶具に実装し、冷媒として純水を供給口から発光装置内の流路へ導入する。例えば、図3中に矢印として示されるように、供給口から発光装置に連続して供給される純水は、第1の流路103と、第3の流路110を経由して第2の流路に流入するものとに分流され、分流された純水は、排出口付近で再び合流して発光装置100の外部に排出される。このように発光装置内に純水を循環させても、上述したように、本実施例にかかる発光装置は、Au−Snを接着剤として部材同士を接合し、オーリングを有することにより、ヒートシンクから冷媒が漏れることはない。
本実施例にかかわる発光装置に冷却水を循環させ、60秒電力を供給し、発光素子が発する光密度を4.9W/cmとしたところ、出力の減少は確認されない。
次に、第2の放熱部材を取り除き、発光素子の光密度に対する光変換部材の温度、発光装置の光出力を測定した。光変換部材の温度は、光変換部材にサーミスタを挿入して測定した。その結果を表1に示す。ここで、図6(a)は、発光装置に電力を60秒だけ供給したことを模式的に示す。また、図6(b)は、本実施例にかかる発光装置の相対的な出力の経時変化を模式的に示す。本実施例により、発光素子からの光密度は、3.0W/cm以上とすることができ、光変換部材の温度は、少なくとも200℃以下、好ましくは120℃以下、さらに好ましくは100℃以下に抑えられることが明らかになる。
本実施例のような発光装置とすることで、蛍光体を励起する発光素子からの光が短波長でかつ高密度な励起光であっても、蛍光体の自己発熱を無視できる程度に抑制し、光変換効率を最適に維持できる。したがって、本発明は、高輝度な発光をする発光装置とすることができる。
(比較例)
流路に冷媒を供給しない他は、実施例1と同様に発光装置を形成する。この発光装置において、紫外線を発光する発光素子をマトリクス状に凹部内の第1の放熱部材に配列させ、その発光素子の約2mm直上に白色系を発光するように蛍光物質が含有された光変換部材部を載置する。発光素子の発光ピーク波長は、365nmとし、また蛍光体は、白色系の光を発するように、上述の蛍光体から適宜選択し、混合させた。第2の放熱部材の材料は、石英ガラスとし、光変換部材は石英ガラスの発光観測面側表面に塗布した。光変換部材にサーミスタを挿入し、光変換部材部の温度を測定した。発光素子の光密度、発光素子への電力に対する光変換部材の温度、発光装置の光出力を測定し、その結果を以下の表に示す。また、図6(a)は、発光装置に電力を時間60秒だけ供給したことを模式的に示す。また、図6(b)は、発光素子からの各光密度について、発光装置の相対的な光出力の経時変化を模式的に示す。また、図6(c)は、発光素子からの各光密度について、光変換部材の温度の経時変化を模式的に示す。
Figure 2005267927
比較例1のとき、光変換部材の温度は約60℃であるが、図6(b)に示されるように、光出力は十分安定した。比較例2のとき、光変換部材の温度は約85℃であるが、第2の光である白色光の出力は初期に若干減少するが十分安定した。比較例3のとき、光変換部材の温度は、電力投入して60秒後に約120℃にまで達し、発光装置の出力光は、電力投入して60秒後、初期の75%程度の出力にまで減少したが、その後ある出力で安定する兆候を示した。
本発明は、放熱性に優れ、蛍光体の劣化もないため、信頼性高く高出力な光を発する照明装置として利用可能である。
図1は、本発明の一実施例にかかる発光装置の模式的な斜視図および断面図である。 図2は、本発明の一実施例にかかる発光装置の各構成部材を示す模式的な斜視図である。 図3は、本発明の一実施例にかかる発光装置の模式的な断面図である。 図4は、本発明の一実施例にかかる発光装置の模式的な断面図である。 図5は、本発明の一実施例にかかる構成部材の模式的な斜視図である。 図6は、本発明の実施例および比較例にかかる図である。
符号の説明
100・・・発光装置
101・・・光変換部材
102・・・凹部
103・・・第1の流路
104・・・第2の流路
105・・・オーリング
106・・・第1の放熱部材
106a、109a・・・第1の板状部材
106b、109b・・・第2の板状部材
107・・・絶縁性部材
108・・・支持基板
109・・・第2の放熱部材
110・・・第3の流路
201・・・半導体発光素子
202・・・導電性部材

Claims (10)

  1. 発光素子と、該発光素子からの光の少なくとも一部を吸収し異なる波長を有する光を発する蛍光物質を含有する光変換部材と、放熱部材とを備える発光装置であって、
    前記放熱部材は、冷媒の流路を有し、前記発光素子が載置される側にて第1の流路を有する第1の放熱部材と、前記発光素子からの光が照射される側にて第2の流路を有する第2の放熱部材とからなり、該第2の放熱部材は、前記光変換部材を有することを特徴とする発光装置。
  2. 前記流路は、前記第1の流路と前記第2の流路とを連絡する第3の流路を有する請求項1に記載の発光装置。
  3. 前記第1の放熱部材あるいは前記第2の放熱部材は、前記冷媒が導入される供給口と、前記流路を還流される冷媒が放出される排出口とを少なくとも一対有する請求項1または2に記載の発光装置。
  4. 前記第1の放熱部材と、絶縁性部材と、支持基板と、前記第2の放熱部材とが積層されてなる請求項1乃至3に記載の発光装置。
  5. 前記放熱部材は、前記供給口あるいは排出口を、少なくとも一方の主面側に有し、前記絶縁性部材と前記支持基板は、前記第3の流路の一部となるような貫通孔を有する請求項1乃至4に記載の発光装置。
  6. 前記絶縁部材の少なくとも一方の主面にAu、Ag、Alから選択される少なくとも一種を含む導電性部材が被着されている請求項5に記載の発光装置。
  7. 前記発光素子の一方の電極は、導電性ワイヤを介して前記絶縁性基板の少なくとも一方の主面に被着された導電性部材と電気的に接続され、他方の電極は、前記第1の放熱部材とにそれぞれ電気的に接続される請求項6に記載の発光装置。
  8. 前記第2の放熱部材は、少なくとも前記発光素子からの光を透過する材料、または、前記発光素子からの光と前記光変換部材が発する光の両方の光を透過させることのできる材料からなる請求項1乃至7に記載の発光装置。
  9. 前記光変換部材に入射される光の密度が3W/cm以上とされる請求項1乃至8に記載の発光装置。
  10. 前記光変換部材の温度が200℃以下とされる請求項1乃至9に記載の発光装置。

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