JP2005266039A - 光学バンドパスフィルタ - Google Patents

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Abstract

【課題】単一の光学バンドパスフィルタにより、1.49um帯を透過し、1.31um帯と1.55um帯の光を優れた性能で分離することができる光学バンドパスフィルタの構造を提供すること。
【解決手段】光学基板1上にキャビティ8をN段備え、前記キャビティ8は高屈折率膜5と低屈折率膜4の屈折率の異なる光学薄膜を積層したミラー層6をスペーサ層2の両側に交互に配置してなり、透過帯域の中心波長をλとしたときに、前記スペーサ層2の厚みがλ/2の整数倍であり、前記各キャビティ8間には低屈折率膜からなる結合層3を有し、前記高屈折率の光学薄膜の屈折率をn、前記低屈折率の光学薄膜の屈折率をnとしたとき、1.35≦n/n≦1.76であり、前記ミラー層6の層数をM、前記スペーサ層2の厚みをSとしたとき、前記光学基板1から数えて3〜N−2段目キャビティのうちの少なくとも1つを、2≦M≦5、かつ、0.5λ≦S≦1.5λとした。
【選択図】図1

Description

本発明は、誘電体多層膜からなる光学バンドパスフィルタにおいて、広い反射帯域と良好な透過帯域の特性を実現できるマルチキャビティフィルタの構造に関する。
光通信等に用いられる誘電体多層膜からなる光学バンドパスフィルタは、例えば、下記非特許文献1のp.288に記載されている全誘電体ファブリーペローエタロンを多重に結合した構成をとる。その構造は、図1に示すように光学基板1上に光学路長がλ/2の整数倍のスペーサ層2の両側に光学路長がλ/4の屈折率の異なる層4、5を交互に積層したミラー層6を重ねた構造のキャビティ8を基本構造とし、このキャビティ8間に結合層3を配置し、これを複数段重ねたものからなる。
ここで、スペーサ層2の上下のミラー層6において、各屈折率膜は対称になるように配置されているため、スペーサ層3を高屈折率膜とする場合には、それに隣接する層は低屈折率膜を、スペーサ層2を低屈折率膜とする場合には、それに隣接する層は高屈折率膜を用いて積層している。またミラー層6の構成としては、隣接する層を含めて高屈折率膜と低屈折率膜の対とするか、ミラー層6に隣接する層は一層分多めに配置して残りの層について対とした、積層数2n層もしくは2n+1層(nは0以上の整数であり、各屈折率膜を意味する)としているため、前記スペーサ層32の屈折率膜の種類と合わせて、膜構造としては4種の形態が考えられる。なお、透過帯域幅が広いバンドパスフィルタにおいては、ミラー層を0層としたキャビティ、すなわちスペーサ1層のみにより構成されるキャビティが使用される場合がある。そして、フィルタの最上層には1ないし複数層からなる入射媒質への整合層7を配置している。
近年、家庭でのインターネット接続方式ではブロードバンド化が進み、一般家庭の加入者とサービス提供側を高速な光ファイバで結ぶFTTH(Fiber To The Home)の普及が進んでいる。従来のFTTHでは、上り回線に1.31μm帯(1260〜1360nm)、下り回線に1.49μm帯(1480〜1500nm)の2波長を使用した双方向データ通信方式が使われてきたが、下り回線用に1.55μm帯(1550〜1560nm)の波長を追加し、この帯域を使用して放送の配信を行うことができる通信方式であるB-PON(Broadband Passive Optical Network)の普及が始まってきている。ここで使用されるFTTH用の送受信機は、一般家庭への普及促進の理由で低コストな機器構成であること強く望まれているため、それぞれの帯域の光を分離するために使用する光学フィルタも低コストにする必要がある。
H.A.Macleod著、小倉繁太郎等訳「光学薄膜」1989年11月30日、日刊工業新聞社発行、p.288
従来の2波長を使用するFTTHの通信方式では、上り回線用の1.31μm帯と下り回線用の1.49μm帯の光は、1つの光学エッジフィルタでそれぞれを帯域の光を分離することが可能であった。特に1.31μm帯と1.49μm帯の光は波長が離れているためそれほど急峻な特性は必要ないため、層数が比較的少ないエッジフィルタで実現できたため、送受信機で使用する光学フィルタを低コストに抑えることができた。
しかし、3波長を使用するB-PONに対応した送受信機では、1.31μm帯と1.49μm帯の他に1.55μm帯の波長の光を分離する必要がある。特に1.49μm帯と1.55μm帯の波長間隔は1.31μm帯より接近しているため、従来よりも急峻な特性の光学フィルタが必要になる。このような急峻な特性をエッジフィルタで実現するには積層数を増やす必要があるが、その場合成膜時間が増加すると共に、リップルの少ない平坦な透過帯域の実現は難しくなるため、高コストのフィルタにならざるを得なかった。更に1.49μm帯の光を他の帯域から分離する場合、2つのエッジフィルタを組み合わせて使わなければならないため、更にコスト上昇の要因となっている。
通常、接近した2波長や中央の帯域の光を分離する場合、光学バンドパスフィルタの使用が適している。しかし、光学バンドパスフィルタはエッジフィルタよりも反射帯域の範囲が狭いため、B-PONで使用する帯域のうちの1.49μm帯の光を分離する場合、透過帯域である1.49μm帯から波長が離れている1.31μm帯の光が反射帯域からはずれてしまうため、1.49μm帯に1.31μm帯の光が混入してしまう現象が発生してしまう。これにより1.49μm帯の光が十分な性能で分離できなくなるため、従来の光学バンドパスフィルタをB-PON用の送受信機に使用することは難しかった。
本発明は、以上のような問題点を解決するためになされたものであり、単一のフィルタにより1.49μm帯を透過し、1.31μm帯と1.55μm帯を優れた性能で分離できる光学バンドパスフィルタの構造を提供することにある。これにより、性能が優れ、かつ、低コストのB-PON用送受信機向けの光学フィルタを提供することが可能となる。
光学基板上にキャビティをN段備え、前記キャビティは(少なくとも0層以上の)高屈折率と低屈折率の屈折率の異なる光学薄膜を積層したミラー層をスペーサ層の両側に交互に配置してなり、透過帯域の中心波長をλとしたときに、前記スペーサ層の厚みがλ/2の整数倍であり、前記各キャビティ間には低屈折率膜からなる結合層を有し、1480nm〜1500nmの波長の光を透過し、1260nm〜1360nmの波長の光、および、1550nm〜1560nmの波長の光を反射する光学バンドパスフィルタにおいて、前記高屈折率の光学薄膜の屈折率をn、前記低屈折率の光学薄膜の屈折率をnとしたとき、1.35≦n/n≦1.76であり、前記ミラー層の層数をM、前記スペーサ層の厚みをSとしたとき、前記光学基板から数えて3〜N−2段目キャビティの少なくとも1つが、2≦M≦5、かつ、0.5λ≦S≦1.5λとすることを特徴とするものである。
好適な実施の形態において、上記光学基板から数えて3〜N−2段目のキャビティの少なくとも1つにおいて、上記Mは3または4であり、かつ、上記Sは0.5λまたは1.0λであることを特徴とするものである。
また、上記λは1440nm〜1480nmとしても良い。
本発明によれば、単一の光学フィルタにより、1.49μm帯の光を透過し、1.31μm帯と1.55μm帯の光を優れた性能で分離することができる光学バンドパスフィルタを得ることができる。
以下、本発明を具体的に説明する。
(実施の形態1)
図1は本発明の光学バンドパスフィルタの一例を示すものであり、N段のキャビティ構成による光学バンドパスフィルタの基本構造を示す図であり、屈折率がnである低屈折率膜4と屈折率がnの高屈折率膜5の少なくとも2種類の屈折率を有する薄膜を積層した構成となっている。
キャビティ8は、スペーサ層2と、その両側にλ/4の奇数倍の膜厚を有する高屈折率膜5と低屈折率膜4をM層交互に配置したミラー層6を対称に組み合わせた構造を基本とする。ここでスペーサ層2の光学膜厚Sはλ/2の整数倍の単位で厚さを異ならせることを基本とする。なお、図1は本発明を分かりやすくするために表した模式図であり、そのサイズ等は実際とは異なったものとしている。
この光学バンドパスフィルタは、光学基板1上にN個のキャビティ8を低屈折率膜からなるN−1個の結合層3を用いて連結して構成されている。そして、図1に示すようにキャビティ8は、光学基板1の直上を1段目キャビティ、その上を2段目キャビティ、最終段をN段目キャビティが積層されて構成されている。なお、N段目キャビティの直上には、1ないし複数層からなる入射媒質への整合層7を含んでいても良い。また、ここでは図示しないが、基板1と1段目キャビティの間に1ないし複数層からなる基板への整合層を含んでいても良い。
上記において、Mは0以上の整数である。すなわち、Mが0の場合、キャビティ8は1層のスペーサ層2のみで構成され、ミラー層6を含まない構造とすることも可能である。
本発明のミラー層6は、上記のように低屈折率膜からなるスペーサ層2の両側に高屈折率膜4を隣接させ、各キャビティ8の最上層及び最下層も高屈折率膜4としている。従って、最下層のキャビティ8の基板に接する層は高屈折率膜となっていて、各ミラー層6の片側において積層数Mは2a+1層(aは0以上の整数)となっている。そして結合層3には低屈折率膜を配置した形態としていて、結合層3に隣接する層には高屈折率膜4が配置されている。また、結合層3を低屈折率膜とするため、ミラー層6の積層数を2a層とし、スペーサ層2に高屈折率膜とする形態も可能である。
本発明のフィルタは上記の構造を基本とするが、これは従来のように高屈折率膜をスペーサ層2に用いて、2m+1層の積層形態をとると結合層3も高屈折率膜となるが、この場合にはキャビティ8の対称性が崩れるため挿入損失が発生し、狭帯域で利用される光学バンドパスフィルタには適さないことが分かっている。
なお、本発明のフィルタを構成する各屈折率膜の光学膜厚は、ミラー層6ではλ/4の奇数倍、スペーサ層2ではλ/2の整数倍を基本とするが、他の特性との関係でこれらを変更することも可能である。特に整合層7と接するキャビティ8最上部の複数層のミラー層6の膜厚はλ/4の奇数倍からずらすことにより調整を図ることも可能である。更にミラー層6の層数が少ない場合には、スペーサ層の膜厚をλ/2の整数倍からずらすこともできる。
上述の構造を基本とする光学バンドパスフィルタにおいて、反射帯域の広さは、使用する膜材料や膜構成により変化する。検討の結果、光学バンドパスフィルタの反射帯域の広さは、n / nの大きさ、キャビティのミラー層の層数Mおよびスペーサ層の膜厚Sにより大きく変化することがわかった。そこで本発明者らは、これらの値の組み合わせの中に、効果的に反射帯域を拡げる構成が存在し、それを見出すことができれば、1つのフィルタでも1480〜1500nmでの高い透過率と、1260〜1360nmと1550〜1560nmを高い反射率を実現する光学バンドパスフィルタを構成できるのではないかと考えた。
具体的に検討を進めた結果、本発明者らは膜材料の屈折率を1.35≦n/n≦1.76とし、ミラー層の層数Mを2≦M≦5とし、スペーサ層の膜厚Sを0.5λ≦S≦1.5λとなるキャビティを光学基板から数えて3〜N−2段目のキャビティに少なくとも1つ有するときに良好な特性が得られることを見出した。Mは1層以下とすると透過帯域が広がることにより1360nmまたは1550nmにおいて十分な反射率が得られないため2層以上とするのが良く、6層以上とすると反射帯域が狭くなるため1260nmで十分な反射率が得られなくなるとともに透過帯域が狭くなり過ぎるため5層以下とするのが良く、好ましくは3または4層である。スペーサ層の膜厚を2.0λ以上にすると反射帯域が狭くなり1260nmで十分な反射率が得られなくなるため0.5λ〜1.5λするのが良く、好ましくは0.5λまたは1.0λである。n/nは1.35より小さくすると反射帯域が狭くなるため1260nmで十分な反射率が得られなくなるため1.35以上とするのが良く、1.76より大きくすると透過帯域幅が狭くなるために1480〜1500nmの透過帯域幅の確保が難しくなるとともに一般的な膜材料を使用できなくなるため1.76以下とするのが良く、好ましくは1.36〜1.64であり、より好ましくは1.37〜1.58である。
さらに、バンドパスフィルタの透過帯域幅が40nm以上ある場合、透過帯域の中心波長λを1480nmより短い1440〜1480nmのいずれかの波長とすることにより、反射帯域を短波長側に移動することができるため1260nmの反射率を上げることができるため好ましい。
ここでキャビティ数は、4段以下とすると反射帯域の反射率が低下するため5段以上とするのが良く、14段以上にすると透過帯域のリップルを抑制するのが難しくするため13段以下とするのが良く、好ましくは5〜10段であり、より好ましくは6〜8段である。
なお、3〜N−2段目のキャビティについては、全てのキャビティのミラー層数Mとスペーサ層膜厚Sを同じにした同じ構造のキャビティを使用すると透過帯域のリップルが抑制されたフィルタが実現し易くなるため好ましいが、異なった構造のキャビティを組み合わせて使用しても良い。
本発明に用いられるフィルタは基板上に高屈折率膜と低屈折率膜を積層した構造からなる。高屈折率膜の材料としては、酸化Ta、酸化Ti、酸化Ce、酸化Hf、酸化Zr、酸化Nb、酸化Y、酸化Crなどの酸化物、窒化Si、窒化Ge等の窒化物、炭化Siなどの炭化物、ZnS、ZnSe、GaP、InP、GaAs、GaAl、GaNなどの半導体およびこれらの混合材から選ばれる少なくとも1種が、低屈折率膜の材料としては酸化Si、酸化Al、酸化Mg、酸化Geなどの酸化物、フッ化Ca、フッ化Ba、フッ化Ce、フッ化Mg、フッ化Na、フッ化Nd、Na5Al3F14、Na3AlF6などのフッ化物、およびこれらの混合材から選ばれる少なくとも1種がある。なお、各屈折率膜は同種のものを用いることが好ましいが、屈折率が近似した材料であれば、一部を他の材料からなる屈折率膜に置換することも可能である。この意味で、本発明のミラー層6は3種類上の屈折率膜にも適用することができる。また、高温高湿環境下での保存特性向上のためには、酸化物、窒化物、炭化物、フッ化物を用いることが望ましい。
スペーサ層2、ミラー層6、結合層3のそれぞれの材料は異なっていても良い。光学基板1としては、ガラスが主に用いられるが、透明プラスチックも使用できる。
本発明の光学フィルタは、例えば真空成膜法で作製される。真空成膜法には、真空蒸着法、スパッタ法、化学気相成長法、レーザブレイション法など各種成膜法を用いることができる。真空蒸着法を用いる場合、膜質を改善するため蒸気流の一部をイオン化するとともに基板側にバイアスを印加するイオンプレーティング法、クラスタイオンビーム法、別イオン銃を用いて基板にイオンを照射するイオンアシスト蒸着法を用いると有効である。スパッタ法としては、DC反応性スパッタ法、RFスパッタ法、イオンビームスパッタ法などがある。また、化学的気相法としては、プラズマ重合法、光アシスト気相法、熱分解法、有機金属化学気相法などがある。なお、各屈折率膜の膜厚は膜形成時の蒸着時間等を変えることで、所望の膜厚とすることができる。
また、基板には石英ガラス、硼珪酸ガラス、などの光学ガラス、結晶化ガラス以外にも、Siウエハー、GaAsウエハー、GaInウエハー、SiCウエハーなどの半導体基板、LiNbO3、LiTaO3、TiO2、SrTiO3、Al2O3、MgOなどの酸化物単結晶、多結晶基板、CaF2、MgF2、BaF2、LiFなどのフッ化物単結晶基板、多結晶基板、NaCl、KBr、KClなどの塩化物、臭化物単結晶、他結晶基板、アクリル、アモルファスポリオレフィン、ポリカーボネイトなどのプラスチックなど使用帯域で透明な基板であれば何れでも適用できる。
(実施例)
以下実施例を挙げて本発明を説明するが、本発明はこれら実施例に何ら限定されるものではない。なお、Hは光学膜原λ/4の高屈折率膜、Lは光学膜厚λ/4の低屈折率膜を示す。実施例および比較例で説明するフィルタに用いる材料の屈折率には、空気=1、基板=1.5を用いた。また、本実施例においてバンドパスフィルタは、表1に示す要求特性を満たしているかを判断の基準とした。
Figure 2005266039
構造式1は、本発明による8段のキャビティからなるバンドパスフィルタの構造式である。
構造式1:空気 | 1.309L 1.327H 4L H L HLH 2L HLH L (HLH 4L HLH L)^4 HLH 2L HLH L H 4L H
| 基板
入射角0度における中心波長は1464nmとした。本高屈折率膜の屈折率nは2.1、低屈折率膜の屈折率nは1.44としているため、n/nは1.458となっている。また3〜6段目のキャビティの構造は、表1に示すように、ミラー層数Mが3、スペーサ層膜厚Sが1.0λとなっている。
Figure 2005266039
本フィルタの分光特性のグラフを図2に示す。グラフの太線は左側に位置する第1軸のスケールによる透過率の分光特性を示し、細線は右側に位置する第2軸のスケールによる0〜−0.5dBの範囲を拡大した場合の透過率の分光特性を示す。また、グラフの破線は表1の要求特性を示す。
図2において、1.35≦n/n≦1.76とし、3〜6段目キャビティの少なくとも1つを2≦M≦5、かつ、0.5λ≦S≦1.5λとした本実施例によるバンドパスフィルタは、全ての帯域において破線で示す表1の要求特性を上回っており、良好な特性を有していることがわかる。
構造式2は、本発明による8段のキャビティからなるバンドパスフィルタの構造式である。
構造式2:空気 | 1.274L 1.283H 2L H L H 6L H L (HLH 2L HLH L)^4 H 6L H L H 2L H | 基板
入射角0度における中心波長は1457nmとした。本高屈折率膜の屈折率nは2.25、低屈折率膜の屈折率nは1.44としているため、n/nは1.563となっている。また3〜6段目のキャビティの構造は、表3に示すように、ミラー層数Mが3、スペーサ層膜厚Sが0.5λとなっている。
Figure 2005266039
本フィルタの分光特性のグラフを図3に示す。グラフの太線は第1軸、細線は第2軸のスケールによる透過率の分光特性を示し、破線は表1の要求特性を示す。
図3において、1.35≦n/n≦1.76とし、3〜6段目キャビティの少なくとも1つを2≦M≦5、かつ、0.5λ≦S≦1.5λとした本実施例によるバンドパスフィルタは、全ての帯域において破線で示す表1の要求特性を上回っており、良好な特性を有していることがわかる。
構造式3は、本発明による8段のキャビティからなるバンドパスフィルタの構造式である。
構造式3:空気 | 1.317L 1.379H L 2H LH L HL 6H LH L ((HL)^2 2H (LH)^2 L)^4 HL 6H LH L HL 2H LH
| 基板
入射角0度における中心波長は1449.5nmとした。本高屈折率膜の屈折率nは1.95、低屈折率膜の屈折率nは1.44としているため、n/nは1.354となっている。また3〜6段目のキャビティの構造は、表4に示すように、ミラー層数Mが4、スペーサ層膜厚Sが0.5λとなっている。
Figure 2005266039
本フィルタの分光特性のグラフを図4に示す。グラフの太線は第1軸、細線は第2軸のスケールによる透過率の分光特性を示し、破線は表1の要求特性を示す。
図4において、1.35≦n/n≦1.76とし、3〜6段目キャビティの少なくとも1つを2≦M≦5、かつ、0.5λ≦S≦1.5λとした本実施例によるバンドパスフィルタは、全ての帯域において破線で示す表1の要求特性を上回っており、良好な特性を有していることがわかる。
構造式4は、本発明による6段のキャビティからなるバンドパスフィルタの構造式である。
構造式4:空気 | 1.364L 1.190H L 4H LH L (HL)^2 2H (LH)^2 L ((HL)^2 4H (LH)^2 L)^2 (HL)^2 2H (LH)^2 L HL 4H LH | 基板
入射角0度における中心波長は1490nmとした。本高屈折率膜の屈折率nは2.4、低屈折率膜の屈折率nは1.38としているため、n/nは1.739となっている。また3・4段目のキャビティの構造は、表5に示すように、ミラー層数Mが4、スペーサ層膜厚Sが1.0λとなっている。
Figure 2005266039
本フィルタの分光特性のグラフを図5に示す。グラフの太線は第1軸、細線は第2軸のスケールによる透過率の分光特性を示し、破線は表1の要求特性を示す。
図5において、1.35≦n/n≦1.76とし、3・4段目キャビティの少なくとも1つを2≦M≦5、かつ、0.5λ≦S≦1.5λとした本実施例によるバンドパスフィルタは、全ての帯域において破線で示す表1の要求特性を上回っており、良好な特性を有していることがわかる。
構造式5は、本発明による8段のキャビティからなるバンドパスフィルタの構造式である。
構造式5:空気 | 1.210L 6.300H L HL 2H LH L (HL 6H LH L)^4 HL 4H LH L 6H | 基板
入射角0度における中心波長は1451nmとした。本高屈折率膜の屈折率nは2.1、低屈折率膜の屈折率nは1.44としているため、n/nは1.458となっている。また3〜6段目のキャビティの構造は、表5に示すように、ミラー層数Mが2、スペーサ層膜厚Sが1.5λとなっている。なお、8段目キャビティの最上層はスペーサ層であるため、入射媒質である空気へ整合させるため、スペーサ層の膜厚を1.5λから1.58λ(6.300H)へと調整している。
Figure 2005266039
本フィルタの分光特性のグラフを図5に示す。グラフの太線は第1軸、細線は第2軸のスケールによる透過率の分光特性を示し、破線は表1の要求特性を示す。
図5において、1.35≦n/n≦1.76とし、3〜6段目キャビティの少なくとも1つを2≦M≦5、かつ、0.5λ≦S≦1.5λとした本実施例によるバンドパスフィルタは、全ての帯域において破線で示す表1の要求特性を上回っており、良好な特性を有していることがわかる。
構造式6は、本発明による7段のキャビティからなるバンドパスフィルタの構造式である。
構造式6:空気 | 1.418L 1.194H LH 2L HLH L (HL)^2 4H (LH)^2 L ((HL)^2 H 2L H (LH)^2 L)^3 (HL)^2 2H (LH)^2 L HLH 2L HLH | 基板
入射角0度における中心波長は1490nmとした。本高屈折率膜の屈折率nは2.25、低屈折率膜の屈折率nは1.38としているため、n/nは1.630となっている。また3〜5段目のキャビティの構造は、表6に示すように、ミラー層数Mが5、スペーサ層膜厚Sが0.5λとなっている。
Figure 2005266039
本フィルタの分光特性のグラフを図5に示す。グラフの太線は第1軸、細線は第2軸のスケールによる透過率の分光特性を示し、破線は表1の要求特性を示す。
図6において、1.35≦n/n≦1.76とし、3〜5段目キャビティの少なくとも1つを2≦M≦5、かつ、0.5λ≦S≦1.5λとした本実施例によるバンドパスフィルタは、全ての帯域において破線で示す表1の要求特性を上回っており、良好な特性を有していることがわかる。
(比較例1)
構造式7は、本発明に従わない構成による8段のキャビティからなるバンドパスフィルタの構造式である。
構造式7:空気 | 1.326L 8.185H L HL 4H LH L (HL 8H LH L)^4 HL 4H LH L 8H | 基板
入射角0度における中心波長は1475nmとした。本高屈折率膜の屈折率nは2.4、低屈折率膜の屈折率nは1.38としているため、n/nは1.739となっている。また3〜6段目のキャビティの構造は、表8に示すように、ミラー層数Mが2、スペーサ層膜厚Sが2.0λとなっている。なお、8段目キャビティの最上層はスペーサ層であるため、入射媒質である空気へ整合させるため、スペーサ層の膜厚を2.0λから2.05λ(6.185H)へと調整している。
Figure 2005266039
本フィルタの分光特性のグラフを図8に示す。グラフの太線は第1軸、細線は第2軸のスケールによる透過率の分光特性を示し、破線は表1の要求特性を示す。
本比較例では3〜6段目キャビティのスペーサ層はすべて2.0λとなっているため、3〜6段目キャビティの中に2≦M≦5、かつ、0.5λ≦S≦1.5λとなるキャビティを含まない構成となっている。図8において、本比較例によるバンドパスフィルタは、1260〜1360nmの帯域において透過率が−25dB以上となる帯域が存在するため、破線で示す表1の要求特性を満たすことができず、十分な特性が得られていないことがわかる。
(比較例2)
構造式8は、本発明に従わない構成による8段のキャビティからなるバンドパスフィルタの構造式である。
構造式8:空気 | 1.444L 1.229H LH 8L HLH L (HL)^2 H 6L H (LH)^2 L ((HL)^2 H 8L H (LH)^2 L)^4 (HL)^2 H 6L H (LH)^2 L HLH 8L HLH | 基板
入射角0度における中心波長は1490nmとした。本高屈折率膜の屈折率nは2.25、低屈折率膜の屈折率nは1.44としているため、n/nは1.563となっている。また3〜6段目のキャビティの構造は、表9に示すように、ミラー層数Mが5、スペーサ層膜厚Sが2.0λとなっている。
Figure 2005266039
本フィルタの分光特性のグラフを図9に示す。グラフの太線は第1軸、細線は第2軸のスケールによる透過率の分光特性を示し、破線は表1の要求特性を示す。
本比較例では、3〜6段目キャビティのスペーサ層はすべて2.0λとなっているため、3〜6段目キャビティに2≦M≦5、かつ、0.5λ≦S≦1.5λを満たすキャビティを含まない構成となっている。図9において、本比較例によるバンドパスフィルタは、1260〜1360nmの帯域において透過率が−25dB以上となる帯域が存在するため、破線で示す表1の要求特性を満たすことができず、十分な特性が得られていないことがわかる。
(比較例3)
構造式9は、本発明に従わない構成による8段のキャビティからなるバンドパスフィルタの構造式である。
構造式9:空気 | 1.318L 1.217H L (HL)^1 2H (LH)^2 L (HL)^2 6H (LH)^2 L ((HL)^3 2H (LH)^3 L)^4 (HL)^2 6H (LH)^2 L (HL)^2 2H (LH)^2 | 基板
入射角0度における中心波長は1490nmとした。本高屈折率膜の屈折率nは2.25、低屈折率膜の屈折率nは1.38としているため、n/nは1.630となっている。また3〜6段目のキャビティの構造は、表10に示すように、ミラー層数Mが6、スペーサ層膜厚Sが0.5λとなっている。
Figure 2005266039
本フィルタの分光特性のグラフを図10に示す。グラフの太線は第1軸、細線は第2軸のスケールによる透過率の分光特性を示し、破線は表1の要求特性を示す。
本比較例では、3〜6段目キャビティのミラー層数Mはすべて6であり、3〜6段目キャビティに2≦M≦5、かつ、0.5λ≦S≦1.5λを満たすキャビティは含まれない構成となっている。図10において、本比較例によるバンドパスフィルタは、1260〜1360nmの帯域の短波長端に透過率が−25dB以上となる帯域が存在するため、破線で示す表1の要求特性を満たすことができず、十分な特性が得られていないことがわかる。
本発明における光学バンドパスフィルタを示す断面図である。 本発明の実施の形態における光学バンドパスフィルタの透過帯域での分光特性を示すグラフである。 本発明の実施の形態における光学バンドパスフィルタの透過帯域での分光特性を 本発明の実施の形態における光学バンドパスフィルタの透過帯域での分光特性を示すグラフである。 本発明の実施の形態における光学バンドパスフィルタの透過帯域での分光特性を示すグラフである。 本発明の実施の形態における光学バンドパスフィルタの透過帯域での分光特性を示すグラフである。 本発明の実施の形態における光学バンドパスフィルタの透過帯域での分光特性を示すグラフである。 本発明の実施の形態における光学バンドパスフィルタの透過帯域での分光特性を示すグラフである。 本発明の実施の形態における光学バンドパスフィルタの透過帯域での分光特性を示すグラフである。 本発明の実施の形態における光学バンドパスフィルタの透過帯域での分光特性を示すグラフである。
符号の説明
1 光学基板
2 スペーサ層
3 結合層
4 低屈折率膜
5 高屈折率膜
6 ミラー層
7 整合層
8 キャビティ

Claims (4)

  1. 光学基板上にキャビティをN段備え、
    前記キャビティは(少なくとも0層以上の)高屈折率と低屈折率の屈折率の異なる光学薄膜を積層したミラー層をスペーサ層の両側に交互に配置してなり、
    透過帯域の中心波長をλとしたときに、前記スペーサ層の厚みがλ/2の整数倍であり、
    前記各キャビティ間には低屈折率膜からなる結合層を有し、
    1480nm〜1500nmの波長の光を透過し、
    1260nm〜1360nmの波長の光、および、1550nm〜1560nmの波長の光を反射する光学バンドパスフィルタにおいて、
    前記高屈折率の光学薄膜の屈折率をn、前記低屈折率の光学薄膜の屈折率をnとしたとき
    1.35≦n/n≦1.76
    であり、
    前記ミラー層の層数をM、前記スペーサ層の厚みをSとしたとき、
    前記光学基板から数えて3〜N−2段目のキャビティの少なくとも1つが、
    2≦M≦5、かつ、0.5λ≦S≦1.5λ
    であることを特徴とする光学バンドパスフィルタ。
  2. 請求項1記載の光学バンドパスフィルタにおいて、
    前記光学基板から数えて3〜N−2段目のキャビティの少なくとも1つが、
    Mは3または4であり、かつ、Sは0.5λまたは1.0λであることを特徴とした請求項1記載の光学バンドパスフィルタ。
  3. 請求項1または2に記載の光学バンドパスフィルタにおいて、
    前記λが1440nm〜1480nmであることを特徴とする請求項1または2記載の光学バンドパスフィルタ。
  4. 請求項1〜3に記載の光学バンドパスフィルタにおいて、
    前記結合層の厚さをCとし、PおよびQを0以上の整数としたとき、少なくとも2層の前記結合層の厚さが0.1λ+0.5・P≦C≦0.24λ+0.5・P、または、0.26λ+0.5・Q≦C≦0.4λ+0.5・Qであることを特徴とする光学バンドパスフィルタ。
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