JP2005265586A - 干渉計 - Google Patents

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Abstract

【課題】 被検物の位置調整を高精度に行うことによって、測定再現性と生産効率の向上を図ることができる干渉計を提供すること。
【解決手段】 干渉計1は,レーザ光源ユニット3と、測定基準とされる基準面2aと、レーザ光源ユニット3からの光を基準面2a方向に反射及び基準面2aからの反射光を透過させるビームスプリッタ7と、基準面2aからの反射光と測定対象とされる被検レンズ5からの反射光との間で生じる干渉縞を撮像する干渉縞撮像ユニット6と、干渉縞を解析する干渉縞解析装置8とを備えて光学部品の面形状や透過波面特性を測定する干渉計であって、被検レンズ5をXYZの3軸方向に移動させる粗動機構13と、干渉縞解析装置の解析結果に基づき、粗動機構13よりも高精度に被検レンズ5をXYZの3軸方向に移動させる微動機構15とを有する被検レンズ保持ステージ10を備えている。
【選択図】 図1

Description

本発明は、干渉計に関する。
干渉計の構成として、図3に示すように、同一の光軸C上に配置された、基準レンズ101、コリメータレンズ102、ビームスプリッタ103、及び、干渉縞観察手段104と、ビームスプリッタ103の側方に光軸Cと直交する位置に配されたレーザ光源系105とを備えるものが提案されている(例えば、特許文献1参照。)。
このような干渉計を用いて被検レンズ107の面形状や透過波面特性を測定する場合、まず、被検面107aを基準レンズ101側にし、レンズ保持機構108にて3点で保持する。この状態で、基準レンズ101の焦点位置と被検レンズ107の被検面107aとの局率中心とが一致するように位置調整する。
この状態で、レーザ光源系105より出射した可干渉光をビームスプリッタ103、コリメータレンズ102を通過させ、基準レンズ101に照射する。ここで、一部の可干渉光は基準レンズ101面で反射し、その他は、基準レンズ101を通過して、被検レンズ107の被検面107aに照射される。被検面107aによる反射光と基準レンズ101による反射光によって、被検面107aの面形状に応じた干渉縞が発生する。発生した干渉縞を干渉縞観察手段104を通じて観察者が観察する。
この干渉計によれば、被検レンズ107をレンズ保持機構108で3点保持することで、被検レンズ107の自重でレンズ位置を安定させることができる。したがって、被検レンズ107と基準レンズ101との相対位置を一度調整しておくことによって、その後は位置調整する必要がなく、同一種の被検レンズ107を連続的に測定することができる。
特開平6−3219号公報(第1図)
しかしながら、近年、被検レンズの高精度化やレンズ系や曲率の小径化に伴い、被検レンズの位置調整バラツキによる測定誤差が増加してきたために、より精密な位置調整をする必要が生じている。にもかかわらず、上記従来の干渉計では、熟練作業者が測定結果に含まれる位置調整誤差の値を見て位置調整した後、再度測定をするという作業を何度も繰り返すことになり、位置調整に要する時間が増加して、実質的な測定時間よりも位置調整に要する時間のほうが長くなってしまい、作業効率が上がらないという問題がある。また、多品種の被検レンズを測定する場合に品種変更毎に被検レンズの位置調整を行う必要がある。
本発明は上記事情に鑑みて成されたものであり、被検物の位置調整を高精度に行うことによって、測定再現性と生産効率との向上を図ることができる干渉計を提供することを目的とする。
本発明は、上記課題を解決するため、以下の手段を採用する。
本発明に係る干渉計は、可干渉光源系と、測定基準とされる基準面と、前記可干渉光源系からの光を前記基準面方向に反射及び基準面からの反射光を透過させる光路分岐手段と、前記基準面からの反射光と測定対象とされる被検物からの反射光との間で生じる干渉縞を撮像する干渉縞撮像手段と、前記干渉縞を解析する干渉縞解析手段とを備えて光学部品の面形状や透過波面特性を測定する干渉計であって、前記被検物をXYZの3軸方向に移動させる粗動機構と、前記干渉縞解析手段の解析結果に基づき、前記粗動機構よりも高精度に前記被検物をXYZの3軸方向に移動させる微動機構とを有する被検物保持機構を備えていることを特徴とする。
この干渉計は、被検物保持機構の粗動機構によって干渉縞が観察できるように被検物の位置をある程度調整して、基準面と被検物との干渉縞を観察することができる。そして、これによって基準面と被検物との位置ずれ量を定量的に算出することができ、干渉縞解析手段と連動した微動機構によって、位置ずれ量をなくす方向に被検物を高精度に移動することができる。
また、本発明に係る干渉計は、前記干渉計であって、前記微動機構が、圧電素子を備え、所定時間以上の間前記干渉縞解析手段からの動作指令がない場合に、前記圧電素子への印加電圧を停止、若しくは、圧電素子の定格電圧よりも低い電圧とする電圧制御手段を備えていることを特徴とする。
また、本発明に係る干渉計は、前記干渉計であって、前記印加電圧が、前記定格電圧の20%以下であることが好ましい。
この干渉計は、圧電素子によって被検物を移動させるので、印加電圧の調整によって高精度に移動させることができる。また、所定時間で電圧供給を停止、若しくは、定格電圧よりも十分低い電圧とすることによって、圧電素子を長寿命として干渉計の寿命を長くすることができる。
本発明によれば、熟練作業者が行っている位置調整と測定との繰り返し作業を大幅に削減することができ、測定再現性と生産効率とを向上させることができる。
本発明に係る第1の実施形態について、図1を参照して説明する。
本実施形態に係る干渉計1は、干渉縞測定の基準となる基準面2aを有する参照レンズ2と、可干渉性の高いレーザ光源から出射される光から収差分を取り除いて所定の光束径の可干渉光を出射するレーザ光源ユニット(可干渉光源系)3と、基準面2aと測定対象となる被検レンズ(被検物)5の被検面5aとによって発生する干渉縞を画像データに変換する干渉縞撮像ユニット(干渉縞撮像手段)6と、レーザ光源ユニット3から出射されたレーザ光を参照レンズ2方向に折り曲げて反射するとともに、参照レンズ2方向からの反射光(干渉縞)を干渉縞撮像ユニット6方向に透過するビームスプリッタ(光路分岐手段)7と、干渉縞を解析する計算処理部8aを有する干渉縞解析装置(干渉縞解析手段)8と、被検レンズ5を保持してXYZの3軸方向に移動させる被検レンズ保持ステージ(被検物保持機構)10と、干渉縞解析装置8の解析結果及び指示に連動して参照レンズ2を移動させる参照レンズ微動ユニット11とを備えている。
被検レンズ5と参照レンズ2とビームスプリッタ7と干渉縞解析装置8とは、光軸C上に配設されている。
なお、光軸C方向をZ軸とし、Z方向に直交する平面を形成する軸をXY軸とする。
レーザ光源ユニット3は、光源であるレーザ発振器3aと、レーザ発振器3aの出射光束から収差分を除去するスペーシャルフィルタユニット3bと、スペーシャルフィルタユニット3bからの発散光を平行光にするコリメータレンズ3cとを備えている。
干渉縞撮像ユニット6は、結像レンズ6aと、CCDカメラ6bとを備えている。
干渉縞解析装置8はパソコン等で構成され、干渉計全体の制御と干渉縞解析動作を行うとともに、測定対象となる被検レンズ5の曲率等のレンズデータを予め格納し、作業者が簡便に選択できるようにされている。
被検レンズ保持ステージ10は、被検レンズ5を保持してXY軸方向に移動させるXYステージ11と、光軸C方向に移動させるZステージ12と、各ステージ11、12をXYZの3軸方向に移動させる粗動機構13と、干渉縞解析装置8の解析結果及び指示に基づき、粗動機構13よりも高精度に各ステージ11、12をXYZの3軸方向に移動させる微動機構15とを備えている。
粗動機構13は、XYステージ11と接続されてこれをX軸方向に手動で移動させるX軸マイクロメータヘッド13aと、XYステージ11と接続されてこれをY軸方向に移動させるY軸マイクロメータヘッド13bと、Zステージ12と接続されてこれをZ軸方向に移動させるZ軸マイクロメータヘッド13cとを備えている。
微動機構15は、XYステージ11と接続されてこれをX軸方向に手動で移動させるX軸用圧電素子15aと、XYステージ11と接続されてこれをY軸方向に手動で移動させるY軸用圧電素子15bと、Zステージ12と接続されてこれをZ軸方向に手動で移動させるZ軸用圧電素子15cと、各圧電素子15a、15b、15cに印加電圧を供給する圧電素子用電源16とを備えている。
参照レンズ微動ユニット11も、微動機構15と同様の構成とされている。
次に、本実施形態に係る干渉計1の操作方法、及び、作用・効果について説明する。
まず、測定作業者は、干渉縞解析装置8でこれから測定を実施する被検レンズ5の図番、又は、型式を選択した後に、被検レンズ保持ステージ10に被検レンズ5を設置・保持する。
干渉縞解析装置8は、この選択結果に基づき、予め格納されている被検レンズ5のレンズデータ(曲率等)を取得することで、被検レンズ5の解析結果から位置ずれ量を算出することが可能になる。
上記の状態で、レーザ発振器3aからレーザ光を出射する。
出射されたレーザ光は、スペーシャルフィルタユニット3bで収差分が除去された発散光になり、コリメータレンズ3cによって所定の光束径の平行光となる。レーザ光源ユニット3から出射した平行光は、ビームスプリッタ7で出射方向と直角方向とに反射して参照レンズ2に照射される。照射されたレーザ光の一部は、さらに参照レンズ2で反射され、その他は参照レンズ2を透過して、被検レンズ5に照射される。
このとき、測定作業者は、被検レンズ保持ステージ10のX軸マイクロメータヘッド13a、Y軸マイクロメータヘッド13b、及び、Z軸マイクロメータヘッド13cをそれぞれ手動操作してXYステージ11及びZステージ12の位置移動を行って、被検レンズ5による反射光と参照レンズ2による反射光とによって干渉縞が発生するように、参照レンズ2と被検レンズ5との相対的な位置を調整する。
発生した干渉縞は、ビームスプリッタ7を直進透過して干渉縞撮像ユニット6の結像レンズ6aでCCDカメラ6bのCCD上に結像し、電気信号に変換されて干渉縞解析装置8に画像データとして取り込まれる。
この状態で、干渉縞解析装置8は、参照レンズ2と被検レンズ5との間の光路差が、レーザ発振器3aのレーザ波長の1/4、2/4、3/4、4/4と変化するように、動作指令を参照レンズ微動ユニット11に送出して参照レンズ2を光軸C上に移動して、それぞれの位置での干渉縞画像データを取り込む。
こうして、5箇所の画像データに対して、計算処理部8aにて所定の演算処理を行うことで被検レンズ5の形状を算出するとともに、予め取得した被検レンズ5のレンズデータと比較することによって、参照レンズ2と被検レンズ5との位置ずれ量を算出する。
そして、計算処理部8aは、この位置ずれ量が0になるように被検レンズ保持ステージ10の各ステージ11、12の移動方向と移動量を算出し、圧電素子用電源16に動作指令を送出して各圧電素子15a、15b、15cを所定量、動作させる。
その後、再び上述した干渉縞解析動作を実施し、干渉縞の解析動作と参照レンズ2と被検レンズ5との位置ずれ量が予め設定された範囲内になるように被検レンズ保持ステージ10の位置制御とを繰り返す。
この干渉計1によれば、粗動機構13による位置決め後は、被検レンズ5の精密な位置調整を自動で高精度に行うことができる。また、測定作業者が、予め被検レンズ5の図番、又は、型式を選択するようにされているので、位置調整に必要なレンズデータを個別に入力する必要がなく予め設定されたデータから選択できるため、パラメータの入力間違いを抑えて簡単に取扱うことができる。
次に、第2の実施形態について図2を参照しながら説明する。
なお、上述した第1の実施形態と同様の構成要素には同一符号を付すとともに説明を省略する。
第2の実施形態と第1の実施形態との異なる点は、本実施形態に係る干渉計20が、所定時間以上の間干渉縞解析装置8からの動作指令がない場合に、各圧電素子15a、15b、15cへの印加電圧を停止、若しくは、圧電素子の定格電圧よりも低い電圧とする電圧制御手段21を備えているとした点である。
電圧制御手段21は、各圧電素子15a、15b、15cに電圧が印加された時間を計測する駆動時間監視タイマ22と、この駆動時間を積算する駆動時間積算計23とを備えており、圧電素子用電源25に配されている。
なお、電圧制御手段21は、干渉縞解析装置に設けても構わない。
この干渉計20の操作方法、及び作用・効果について説明する。
本実施形態に係る干渉計20においても、第1の実施形態と同様に、測定作業者は、被検レンズ保持ステージ10の位置移動を行って、被検レンズ5による反射光と参照レンズ2による反射光とによって干渉縞が発生するように、参照レンズ2と被検レンズ5との相対的な位置を調整する。
干渉縞の測定前に、干渉縞解析装置8に対して測定開始コマンドを入力する。これによって、干渉縞解析装置8は圧電素子用電源25に対して、各圧電素子15a、15b、15cが全動作量の半分の位置になるように動作指令を送出する。この状態で、駆動時間監視タイマ22が駆動時間の計測を開始し、駆動時間積算計23が駆動時間の積算を開始する。
そして、被検レンズ5と参照レンズ2との間で干渉縞を発生させ、5箇所それぞれの位置での干渉縞画像データを干渉縞解析装置8に取り込み、さらに微動機構15によって被検レンズ5と参照レンズ2との位置ずれを調整する。
この際、干渉縞解析装置8から位置調整のための動作指令が圧電素子用電源25に送出されるたびに、駆動時間監視タイマ22が測定値を0にリセットした後に駆動時間の計測を開始する。そして、駆動時間積算計の積算時間が予め設定した時間を越えた場合には、圧電素子の寿命に達したと判断して測定作業者にアラームを出す。
X軸圧電素子15a、Y軸圧電素子15b、Z軸圧電素子15cのそれぞれの駆動状態で、干渉縞解析装置8からの動作指令がなく、駆動時間監視タイマ22の計測時間が所定の時間を超えた場合には、印加電圧を0、又は、圧電素子の定格電圧の20%以下の低電圧にする。
この干渉計20によれば、圧電素子の長寿命化を介して干渉計全体の長寿命化を図ることができる。また、交換必要部品である圧電素子の適正な交換時期を把握することができ、使い勝手をより向上させることができる。
なお、本発明の技術範囲は上記実施の形態に限定されるものではなく、本発明の趣旨を逸脱しない範囲において種々の変更を加えることが可能である。
例えば、上記実施形態では、一般的にフィゾー型干渉計と呼ばれる構成としているが、マッハツェンダ型干渉計やトワイマングリン型干渉計としても同様の効果を得ることができる。
また、測定値を得るために、基準面2aを参照レンズ微動ユニット11によって微小動作させるフリンジスキャン法をベースとしているが、フーリエ変換法等の他の手段を用いても同様の効果を得ることができる。
本発明の第1の実施形態に係る干渉計の構成を示す説明図である。 本発明の第2の実施形態に係る干渉計の構成を示す説明図である。 従来の干渉計の構成を示す説明図である。
符号の説明
1、20 干渉計
2a 基準面
3 レーザ光源ユニット(可干渉光源系)
5 被検レンズ(被検物)
6 干渉縞撮像ユニット(干渉縞撮像手段)
7 ビームスプリッタ(光路分岐手段)
8 干渉縞解析装置(干渉縞解析手段)
10 被検レンズ保持ステージ(被検物保持機構)
21 電圧制御手段


Claims (3)

  1. 可干渉光源系と、
    測定基準とされる基準面と、
    前記可干渉光源系からの光を前記基準面方向に反射及び基準面からの反射光を透過させる光路分岐手段と、
    前記基準面からの反射光と測定対象とされる被検物からの反射光との間で生じる干渉縞を撮像する干渉縞撮像手段と、
    前記干渉縞を解析する干渉縞解析手段とを備えて光学部品の面形状や透過波面特性を測定する干渉計であって、
    前記被検物をXYZの3軸方向に移動させる粗動機構と、前記干渉縞解析手段の解析結果に基づき、前記粗動機構よりも高精度に前記被検物をXYZの3軸方向に移動させる微動機構とを有する被検物保持機構を備えていることを特徴とする干渉計。
  2. 前記微動機構が、圧電素子を備え、
    所定時間以上の間前記干渉縞解析手段からの動作指令がない場合に、前記圧電素子への印加電圧を停止、若しくは、圧電素子の定格電圧よりも低い電圧とする電圧制御手段を備えていることを特徴とする請求項1に記載の干渉計。
  3. 前記印加電圧が、前記定格電圧の20%以下であることを特徴とする請求項2に記載の干渉計。


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