JP2005265567A - 二次元x線検出データの処理方法、二次元x線検出装置、およびx線回折装置 - Google Patents

二次元x線検出データの処理方法、二次元x線検出装置、およびx線回折装置 Download PDF

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Abstract

【課題】 二次元X線検出装置のX線検出部に入射したX線の強度データからピーク値を示すバックグラウンドデータを有効に削除し、高精度な検出結果を得る。
【解決手段】 X線検出部を多数の微小領域に分割し、当該X線検出部に入射したX線の強度を各微小領域ごとに求め、X線検出部の各微小領域ごとに求められたX線強度に着目して、当該微小領域に入射したX線が検出対象であるか否かを判別する。すなわち、微小領域に入射したX線が検出対象であるか否かの判別基準となるX線強度をあらかじめ設定しておき、微小領域に入射したX線の強度が、判別基準に設定したX線強度よりも大きな値を示すとき、当該微小領域に入射したX線は検出対象でないと判別し、このX線データを取り除く。
【選択図】 図6

Description

この発明は、X線検出部に入射したX線の強度データからピーク値を示すバックグラウンドデータを有効に削除し、高精度な検出結果を得られるようにした二次元X線検出データの処理方法と、同処理方法を用いた二次元X線検出装置、および同検出装置を主要部に組み込んだX線回折装置に関する。
物質の結晶構造等の解析に用いられるX線回折装置は、試料表面にX線を照射したとき、試料表面から現れる回折X線の強度をX線検出装置で検出する構成を備えていることは周知のとおりである。
この種のX線回折装置に組み込まれるX線検出装置として、特許文献1にも記載されているように、イメージングプレート(IP)等を用いた二次元X線検出器が知られている。かかる二次元X線検出器は、二次元で構成された面状のX線検出部を有しており、試料表面から放射状に現れる回折X線を、この面状のX線検出部に一括して記録することができる。したがって、比例計数管(PC)やシンチレーションカウンタ(SC)等の一次元X線検出器と比較して、測定に要する時間を短縮できるという特徴を有している。
さて、X線回折測定においては、試料表面で回折してきたX線(回折X線)を検出対象としてその強度を求めるが、X線検出装置には、検出対象である試料からの回折X線の他に、試料表面で反射してきた散乱X線や、自然界に存在するX線等も同時に入射する。これら検出対象以外のX線(以下、非検査対象X線ということもある)の強度は、検出対象である回折X線の強度データにバックグラウンドとして重畳されてしまう。このバックグラウンドは、X線検出装置の精度を低下させる大きな要因となっている。
このため、従来より、X線検出装置により検出されたX線の強度データをコンピュータ処理して、バックグラウンドを除去する手法が採られていた。しかし、大きな強度を有する非検査対象X線がX線検出装置に入射したとき、その強度データは回折X線のピークデータと区別することがきわめて困難であり、従来のコンピュータ処理によるバックグラウンド除去の手法では、その種のピーク値を示すバックグラウンドデータを有効に除去することができなかった。
特開2000−35407号公報
本発明は上述した事情に鑑みてなされたもので、二次元X線検出装置のX線検出部に入射したX線の強度データからピーク値を示すバックグラウンドデータを有効に削除し、高精度な検出結果を得ることを目的とする。
上記目的を達成するために、本発明に係る二次元X線検出データの処理方法は、二次元のX線検出部を有し、当該X線検出部に入射したX線の強度と入射位置を求める機能を備えた二次元X線検出装置において、
X線検出部を多数の微小領域に分割し、当該X線検出部に入射したX線の強度を各微小領域ごとに求め、
X線検出部の各微小領域ごとに求められたX線強度に着目して、当該微小領域に入射したX線が検出対象であるか否かを判別することを特徴とする。
さて、X線回折測定では、入射角(θ)の角度から試料表面にX線を照射したとき、回折角(2θ)の方向へ放射状に現れるX線強度の積算データ(積分強度)を算出し、当該積分強度のピーク値に着目して試料分析が実施される。したがって、従来のイメージングプレート等の二次元X線検出装置では、X線検出部に入射した個々のX線を捉えてその強度を検出することは想定されていなかった。
一方、二次元X線検出装置のX線検出部に記録された入射X線のデータから、大きな強度を有する非検査対象X線を選別するには、X線検出部に入射した個々のX線を捉えてその強度を検出する必要がある。
そこで、本発明者らは鋭意検討を重ね、X線検出部を多数の微小領域に分割し、当該X線検出部に入射したX線の強度を各微小領域ごとに求める新規な手法を開発した。これにより、X線検出部の各微小領域ごとに求められたX線強度に着目して、当該微小領域に入射したX線が検出対象であるか否かを判別可能となり、その判別結果から非検出対象X線を特定し、検出データから削除することができる。
上記本発明は、例えば、微小領域に入射したX線が検出対象であるか否かの判別基準となるX線強度をあらかじめ設定しておき、
微小領域に入射したX線の強度が、判別基準に設定したX線強度よりも大きな値を示すとき、当該微小領域に入射したX線は検出対象でないと判別する方法とすることができる。
上記判別基準となるX線強度は、画一的に設定できるものではなく、実験の積み重ねにより、X線回折測定の実施条件や試料の種類等に応じた好適な値を探索することが好ましい。例えば、回折X線の強度データが既知の標準試料を用いてX線回折測定を実施し、回折角2θに対応しない微小領域に入射したX線(非検出対象X線)の強度を検出し、かかる非検出対象X線強度よりも小さく、回折X線の強度よりも大きい値を、判別基準とすればよい。
また、上記本発明は、同一試料に対し同一の測定条件をもってX線回折測定を少なくとも2回実施し、
同一の微小領域につき、各X線回折測定において求められたX線強度を比較し、各X線強度に相関関係がないとき、当該微小領域に入射したX線は、検出対象でないと判別する方法としてもよい。
試料表面で反射してきた散乱X線や、自然界に存在するX線等の非検出対象X線は、X線検出部にランダムに入射したり、突発的に入射することが多い。一方、同一試料に対し同一の測定条件のもとで複数回のX線回折測定を実施した場合、試料表面からは同じ回折角度(2θ)の方向へ回折X線が現れる。したがって、検出対象である個々の回折X線は、X線検出部の略同じ微小領域に入射する。
この点に着目し、同一の微小領域につき、各X線回折測定において求められたX線強度を比較し、各X線強度の間の相関関係の有無をもって、検出対象である回折X線と非検出対象X線とを選別することができる。すなわち、各X線回折測定について得られた微小領域のX線強度が安定している場合(例えば、常に一定の値より大きいか、又は小さい場合)は、相関関係があり、当該微小領域に入射したX線は検出対象であると判別することができる。
具体的には、微小領域に入射したX線が検出対象であるか否かの判別基準となるX線強度をあらかじめ設定しておき、
同一の微小領域につき、各X線回折測定において求められたX線強度のうち、いずれかのX線強度が判別基準に設定したX線強度よりも大きな値を示し、他のX線強度が判別基準に設定したX線強度よりも小さな値を示すとき、それら各X線強度に相関関係がないとして、当該微小領域に入射したX線は検出対象でないと判別する方法とすることが好ましい。
上述した二次元X線検出データ処理方法の原理を利用して、X線検出部に入射したX線の強度データからピーク値を示すバックグラウンドデータを有効に削除し、高精度な検出結果を得ることができる二次元X線検出装置を構成することができる。
すなわち、本発明に係る二次元X線検出装置は、二次元のX線検出部を有し、当該X線検出部に入射したX線の強度と入射位置を求める機能を備えた二次元X線検出装置において、
X線検出部を多数の微小領域に分割し、当該X線検出部に入射したX線の強度を各微小領域ごとに求める微小領域検出手段と、
X線検出部の各微小領域ごとに求められたX線強度に着目して、当該微小領域に入射したX線が検出対象であるか否かを判別する判別手段とを備えたことを特徴とする。
また、本発明に係る二次元X線検出装置は、微小領域に入射したX線が検出対象であるか否かの判別基準となるX線強度を記憶する基準値記憶手段を備え、
判別手段は、微小領域に入射したX線の強度が、基準値記憶手段に記憶されたX線強度よりも大きな値を示すとき、当該微小領域に入射したX線は検出対象でないと判別することを特徴とする。
さらに、本発明に係る二次元X線検出装置は、微小領域検出手段が、同一試料に対し同一の測定条件をもって少なくとも2回実施されたX線回折測定につき、それぞれX線検出部を多数の微小領域に分割し、当該X線検出部に入射したX線の強度を各微小領域ごとに求める機能を有し、
更に、微小領域検出手段により求められた各X線回折測定についての各微小領域ごとのX線強度データを記憶する検出データ記憶手段を備え、
判別手段が、検出データ記憶手段に記憶されたX線強度データから、同一の微小領域につき、各X線回折測定において求められたX線強度を比較し、各X線強度に相関関係がないとき、当該微小領域に入射したX線は、検出対象でないと判別することを特徴とする。
さらに、本発明に係る二次元X線検出装置は、微小領域に入射したX線が検出対象であるか否かの判別基準となるX線強度を記憶する基準値記憶手段を備え、
判別手段が、同一の微小領域につき、各X線回折測定において求められたX線強度のうち、いずれかのX線強度が判別基準に設定したX線強度よりも大きな値を示し、その他のX線強度が判別基準に設定したX線強度よりも大きな値を示すとき、それら各X線強度に相関関係がないとして、当該微小領域に入射したX線は検出対象でないと判別することを特徴とする。
また、X線回折装置に係る本発明は、試料を配置する試料台と、この試料台に配置された試料に対しX線を照射するX線発生手段と、試料からの回折X線を検出するX線検出手段とを備えたX線回折装置において、
X線検出手段に、上記構成の二次元X線検出装置を用いたことを特徴とする。
本発明によれば、二次元X線検出装置のX線検出部に入射したX線の強度データからピーク値を示すバックグラウンドデータを有効に削除し、高精度な検出結果を得ることができる。
以下、この発明の実施の形態について図面を参照して詳細に説明する。
〔第1実施形態〕
図1は本発明が適用されるX線回折装置の構成例を示す図である。同図に示すX線回折装置は、試料台1と、X線源2と、二次元X線検出装置3とを備えている。試料台1には、測定対象となる試料Sが装着される。X線源2からは、試料Sに向かってX線aが照射される。試料Sの表面に対するX線aの入射角θを変化させていくと、この入射角θがブラッグの回折条件を満たす角度となったとき、試料Sから回折X線b(検出対象)が現れる。ここで、回折X線bは、入射X線aの光軸を中心として2θの角度方向に円環状に現れる(図2参照)。このように円環状に現れる回折X線bを、二次元X線検出装置3によって二次元的に検出する。
二次元X線検出装置3は、X線検出部と、X線読取部32と、データ処理ユニット33とを含んでいる。本実施形態では、X線検出部にイメージングプレート(IP)31を用いている。イメージングプレート31は、基板の表面に輝尽性蛍光材料を塗布したもので、この表面に入射してきたX線を二次元的に記録できる機能を有している。
ここで、イメージングプレート31の表面に入射するX線には、検出対象である試料Sからの回折X線bと、それ以外のX線(非検出対象X線)とが含まれる。このうち、回折角2θの方向に現れる試料Sからの回折X線b(検出対象)は、イメージングプレート31の表面へ円環状に入射して記録される。
X線読取部32は、イメージングプレート31に記録された回折X線bの強度および位置を読み取るための構成部である。このX線読取部32には、レーザ光源32aと蛍光検出器32bとが装備されている。イメージングプレート31の表面にレーザ光を照射すると、X線が記録された部分からX線強度に応じた蛍光が発せられる。この蛍光の強度を蛍光検出器32bが検出して電気信号に変換して出力する。
データ処理ユニット33は、パーソナルコンピュータで構成され、図3に示すように、データ処理部34と、記憶部35と、判別部36とを含んでおり、あらかじめインストールされたデータ処理プログラムにしたがって、X線のデータ処理を実行する。
データ処理部34は、図4に示すように、イメージングプレート31の表面に形成されたX線の記録領域100を、マトリクス状の微小領域101に分割し、各微小領域101ごとに入射X線cの強度を求める微小領域検出手段を構成している。
すなわち、データ処理部34は、レーザ光源32aによる走査位置情報から微小領域101の位置を認識し、当該微小領域101に入射したX線cの強度を求める。X線cの強度は、蛍光検出器32bから出力された電気信号のレベルに基づいて求めることができる。
記憶部35は、ハードディスク等の外部記憶媒体やメモリ等の内部記憶媒体で構成されており、データ処理プログラムや各種データを保存しておく構成部である。データ処理部34によって求められたX線cの強度データも、この記憶部35に保存される。
また、記憶部35は、微小領域101に入射したX線cが検査対象であるか否かの判別基準となるX線の強度(以下、判別基準値ということもある)を記憶する基準値記憶手段としても機能している。すなわち、記憶部35には、実験結果等に基づき設定された判別基準値が記憶されている。
判別部36は、データ処理部34で各微小領域101ごとに求められた入射X線cの強度を、上記記憶部35に記憶してある判別基準値と比較する。そして、微小領域101のX線強度が判別基準値よりも大きい場合には、当該微小領域101に入射したX線cは非検査対象X線であると判別する。一方、微小領域101のX線強度が判別基準値よりも小さい場合には、当該微小領域101に入射したX線cは検査対象となる試料Sからの回折X線bであると判別する。
X線回折測定では、得られた回折X線bの強度データを同一の回折角2θごとに積算して積分強度を求め、この積分強度のピーク値から試料Sの結晶構造等を分析する。
図5は横軸を回折角2θ、縦軸をX線の積分強度として表示した測定データである。同図には、非検査対象X線の強度データを削除していない測定データ(同図のデータA)と、非検出対象X線の強度データを削除した測定データ(同図のデータB)とが表示されている。
さて、判別基準値より大きな強度を有する非検出対象X線がイメージングプレート31へ入射した場合、当該X線の強度は測定データ上にてピーク値を示すことがある(図5のP1,P2参照)。このようなピーク値が測定データ上に現れると、試料Sからの回折X線bによる積分強度のピーク値と混在してしまい、正確な分析ができなくなってしまう。
そこで、データ処理部34は、判別部36の判別結果に基づいて、非検査対象X線と判別された微小領域101への入射X線の強度データを削除する。
これにより、非検出対象X線によるピーク値が測定データから取り除かれるので、正確な分析が可能となる(図5のデータB参照)
図6は上述した二次元X線検出装置3を用いた本実施形態に係る二次元X線データ処理方法を示すフローチャートである。
まず、イメージングプレート31に入射したX線cを、X線読取部32によって微小領域101ごとに走査し、当該微小領域101に入射したX線の強度を検出し、当該X線強度を記憶部35に保存する(ステップS1,S2)。
すべての微小領域101について入射X線cの強度を検出し、そのデータを記憶部35に保存した後、次のステップに進む(ステップS3)。
次に、微小領域101ごとに、入射X線cの強度をあらかじめ設定してある判別基準値と比較する(ステップS4)。そして、入射X線cの強度が判別基準値よりも大きい場合、当該微小領域101に入射したX線cは、非検出対象X線であると判別し、当該微小領域101の入射X線cにかかる強度データを削除する(ステップS5,S6,S7)。一方、入射X線cの強度が判別基準値によりも小さい場合は、当該微小領域101に入射したX線cは、検出対象である試料Sからの回折X線bと判別し、当該微小領域101の入射X線cにかかる強度データを保存したままとする(ステップS5,S8,S9)。
このようにして、すべての微小領域101について入射X線cの強度を判別基準値と比較した後、記憶部35に保存された入射X線cに関し、回折角2θごとに積分強度を算出する(ステップS10、S11)。この積分強度データには、図5のデータBに示すように、非検出対象X線によるピーク値が削除されているため、試料Sからの回折X線によるピーク値を、正確に求めることが可能となる。
〔第2実施形態〕
次に、本発明の第2実施形態について説明する。
本実施形態では、同一試料Sに対し、同一の測定条件をもって2回のX線回折測定を実施する。そして、図7(a)(b)に示すように、イメージングプレート31の表面に形成されたX線の記録領域100を、マトリクス状の微小領域101に分割し、X線回折測定ごとに、各微小領域101の入射X線cの強度を求めている。なお、図7(a)は1回目のX線回折測定によって得られたX線データ、同図(b)は2回目のX線回折測定によって得れたX線データとする。
本実施形態で用いる二次元X線検出装置3は、第1実施形態で用いたものと同様、イメージングプレート31からなるX線検出部と、X線読取部32と、データ処理ユニット33とを含んでいる(図1参照)。さらに、データ処理ユニット33は、データ処理部34と、記憶部35と、判別部36とを含んでいる(図3参照)。
データ処理ユニット33にあらかじめインストールされたデータ処理プログラムは、後述する本実施形態に係る二次元X線データ処理方法を実行するように組まれている。このため、データ処理部34、記憶部35、判別部36の機能が、第1実施形態のものと一部異なっている。
データ処理部34は、イメージングプレート31の表面に形成されたX線の記録領域100を、マトリクス状の微小領域101に分割し、各微小領域101ごとに入射X線の強度を求める微小領域検出手段を構成している。ここで、データ処理部34は、図7(a),(b)に示すように、各X線回折測定でイメージングプレート31に入射したX線cに関し、それぞれ各微小領域101ごとに入射X線cの強度を求めている。
記憶部35は、データ処理部34により求められた各X線回折測定についての各微小領域101ごとの入射X線強度を記憶する検出データ記憶手段を構成している。さらに、記憶部35は、微小領域101に入射したX線cが検出対象であるか否かの判別基準となるX線強度(以下、判別基準値ということもある)を記憶する基準値記憶手段としても機能している。
判別部36は、同一の微小領域101につき、各X線回折測定において求められたX線強度を、判別基準値と比較する。そして、一方のX線回折測定で得られたX線強度が判別基準値よりも大きな値を示し、他方のX線回折測定で得られたX線強度が判別基準値よりも小さな値を示すとき、それら各X線強度に相関関係がないとして、当該微小領域101に入射したX線cは検出対象でないと判別する。
例えば、図7(a)に示す一方のX線回折測定データでは、微小領域101a,101b,101c,101d,101eに、判別基準値を越える大きな強度のX線cが記録されているが、図7(b)に示す他方のX線回折測定データでは、同一の微小領域101a,101b,101c,101d,101eに、X線cが記録されていない。したがって、当該微小領域101a,101b,101c,101d,101eに一方のX線回折測定で記録されたX線cは、非検出対象X線と判別される。また、図7(b)に示す他方のX線回折測定データでは、微小領域101f,101g,101hに、判別基準値を越える大きな強度のX線cが記録されているが、図7(a)に示す一方のX線回折測定データでは、同一の微小領域101f,101g,101hに、X線cが記録されていない。したがって、当該微小領域101f,101g,101hに他方のX線回折測定で記録されたX線cは、非検出対象X線と判別される。
データ処理部34は、判別部36の判別結果に基づいて、非検査対象X線と判別された微小領域101への入射X線cの強度データを削除する。
図8,図9は本実施形態に係る二次元X線データ処理方法を示すフローチャートである。
まず、
まず、1回目のX線回折測定により得られたX線データについて、次の処理を実行する(ステップS21)。すなわち、イメージングプレート31に入射したX線cを、X線読取部32によって微小領域101ごとに走査し、当該微小領域101に入射したX線の強度を検出し、当該X線強度を記憶部35に保存する(ステップS22,S23)。これらの処理を、すべての微小領域101について実行する(ステップS24)。
すべての微小領域101について入射X線cの強度を検出し、そのデータを記憶部35に保存した後、次に2回目のX線回折測定により得られたX線データについて、同様に、イメージングプレート31に入射したX線cを、X線読取部32によって微小領域101ごとに走査し、当該微小領域101に入射したX線の強度を検出し、当該X線強度を記憶部35に保存する(ステップS25,S26,S27)。これらの処理を、すべての微小領域101について実行する(ステップS28)。
各X線回折測定により得られたX線データについて、各微小領域について入射X線cの強度を検出し、記憶部35に保存した後、図9のステップS29に進む。
ステップS29では、同一微小領域101ごとに、各X線回折測定で得られた入射X線cの強度を、あらかじめ設定してある判別基準値と比較する。そして、各X線回折測定で得られた入射X線cの強度がいずれも判別基準値より大きい場合、それら各入射X線の間に相関関係があるため、当該微小領域101に入射したX線cは、検出対象である試料Sからの回折X線bと判別し、当該微小領域101の入射X線cにかかる強度データを保存したままとする(ステップS30,S31,S32)。
さらに、各X線回折測定で得られた入射X線cの強度がいずれも判別基準値より小さい場合も、それら各入射X線の間に相関関係があるため、当該微小領域101に入射したX線cは、検出対象である試料Sからの回折X線bと判別し、当該微小領域101の入射X線cにかかる強度データを保存したままとする(ステップS33,S31,S32)。
一方、各X線回折測定で得られた入射X線cの強度がいずれも判別基準値より大きいものと、小さいものに分かれている場合は、それら各入射X線の間に相関関係がない(ステップS30,S33)。この場合、当該微小領域101に入射したX線cは、非検出対象X線と判別し、当該微小領域101の入射X線cにかかる強度データを削除する(ステップS34,S35)。
このようにして、すべての微小領域101について、各X線回折測定で得られた入射X線cの強度を判別基準値と比較した後、記憶部35に保存された入射X線cに関し、回折角2θごとに積分強度を算出する(ステップS36、S37)。この積分強度データには、図5のデータBに示すように、非検出対象X線によるピーク値が削除されているため、試料Sからの回折X線によるピーク値を、正確に求めることが可能となる。
なお、本発明は上述した実施形態に限定されるものではない。
例えば、上記実施形態では、イメージングプレート(IP)を用いた構成の二次元X線検出装置に本発明を適用したが、本発明はこれに限定されるものではなく、試料からの回折X線を面(すなわち、二次元)で検出又は記録することができる各種の二次元X線検出装置に適用することができる。
また、上記第2実施形態では、同一試料に対し、同一の測定条件をもって2回のX線回折測定を実施したが、3回以上のX線回折測定を実施し、同一の微小領域につき、各X線回折測定において求められたX線強度を比較し、各X線強度に相関関係がないとき、当該微小領域に入射したX線は、検出対象でないと判別することもできる。
上記第2実施形態では、同一試料に対し、同一の測定条件をもって2回のX線回折測定によるX線データを得ているが、X線の積分強度は、このうちいずれか一方のX線データを用いて算出すればよい。
本発明が適用されるX線回折装置の構成例を示す図である。 試料から回折X線が現れる方向を模式的に示す図である。 データ処理ユニットの構成を示すブロック図である。 イメージングプレートの表面に形成されたX線の記録領域を、マトリクス状の微小領域に分割して示す図である。 X線回折測定により検出されたX線の積分強度データを示す図である。 第1実施形態に係る二次元X線データ処理方法を示すフローチャートである。 イメージングプレートの表面に形成されたX線の記録領域を、マトリクス状の微小領域に分割して示す図である。 第2実施形態に係る二次元X線データ処理方法を示すフローチャートである。 図8に続く、第2実施形態に係る二次元X線データ処理方法を示すフローチャートである。
符号の説明
1:試料台、2:X線源、3:二次元X線検出装置、31:イメージングプレート(X線検出部)、32:X線読取部、32a:レーザ光源、32b:蛍光検出器、33:データ処理ユニット、34:データ処理部、35:記憶部、36:判別部、100:イメージングプレートのX線記録領域、101:微小領域

Claims (9)

  1. 二次元のX線検出部を有し、当該X線検出部に入射したX線の強度と入射位置を求める機能を備えた二次元X線検出装置において、
    前記X線検出部を多数の微小領域に分割し、当該X線検出部に入射したX線の強度を各微小領域ごとに求め、
    前記X線検出部の各微小領域ごとに求められたX線強度に着目して、当該微小領域に入射したX線が検出対象であるか否かを判別することを特徴とした二次元X線データ処理方法。
  2. 前記微小領域に入射したX線が検出対象であるか否かの判別基準となるX線強度をあらかじめ設定しておき、
    前記微小領域に入射したX線の強度が、前記判別基準に設定したX線強度よりも大きな値を示すとき、当該微小領域に入射したX線は検出対象でないと判別することを特徴とした請求項1の二次元X線データ処理方法。
  3. 同一試料に対し同一の測定条件をもってX線回折測定を少なくとも2回実施し、
    同一の前記微小領域につき、前記各X線回折測定において求められたX線強度を比較し、各X線強度に相関関係がないとき、当該微小領域に入射したX線は、検出対象でないと判別することを特徴とした請求項1の二次元X線データ処理方法。
  4. 前記微小領域に入射したX線が検出対象であるか否かの判別基準となるX線強度をあらかじめ設定しておき、
    同一の前記微小領域につき、前記各X線回折測定において求められたX線強度のうち、いずれかのX線強度が前記判別基準に設定したX線強度よりも大きな値を示し、その他のX線強度が前記判別基準に設定したX線強度よりも小さな値を示すとき、それら各X線強度に相関関係がないとして、当該微小領域に入射したX線は検出対象でないと判別することを特徴とした請求項3の二次元X線データ処理方法。
  5. 二次元のX線検出部を有し、当該X線検出部に入射したX線の強度と入射位置を求める機能を備えた二次元X線検出装置において、
    前記X線検出部を多数の微小領域に分割し、当該X線検出部に入射したX線の強度を各微小領域ごとに求める微小領域検出手段と、
    前記X線検出部の各微小領域ごとに求められたX線強度に着目して、当該微小領域に入射したX線が検出対象であるか否かを判別する判別手段とを備えたことを特徴とする二次元X線検出装置。
  6. 前記微小領域に入射したX線が検出対象であるか否かの判別基準となるX線強度を記憶する基準値記憶手段を備え、
    前記判別手段は、前記微小領域に入射したX線の強度が、前記基準値記憶手段に記憶されたX線強度よりも大きな値を示すとき、当該微小領域に入射したX線は検出対象でないと判別することを特徴とした請求項5の二次元X線検出装置。
  7. 前記微小領域検出手段は、前記同一試料に対し同一の測定条件をもって少なくとも2回実施されたX線回折測定につき、それぞれ前記X線検出部を多数の微小領域に分割し、当該X線検出部に入射したX線の強度を各微小領域ごとに求める機能を有し、
    更に、前記微小領域検出手段により求められた各X線回折測定についての前記各微小領域ごとのX線強度データを記憶する検出データ記憶手段を備え、
    前記判別手段は、前記検出データ記憶手段に記憶されたX線強度データから、同一の前記微小領域につき、前記各X線回折測定において求められたX線強度を比較し、各X線強度に相関関係がないとき、当該微小領域に入射したX線は、検出対象でないと判別することを特徴とした請求項5の二次元X線検出装置。
  8. 前記微小領域に入射したX線が検出対象であるか否かの判別基準となるX線強度を記憶する基準値記憶手段を備え、
    前記判別手段は、同一の前記微小領域につき、前記各X線回折測定において求められたX線強度のうち、いずれかのX線強度が前記判別基準に設定したX線強度よりも大きな値を示し、その他のX線強度が前記判別基準に設定したX線強度よりも小さな値を示すとき、それら各X線強度に相関関係がないとして、当該微小領域に入射したX線は検出対象でないと判別することを特徴とした請求項7の二次元X線検出装置。
  9. 試料を配置する試料台と、この試料台に配置された試料に対しX線を照射するX線発生手段と、試料からの回折X線を検出するX線検出手段とを備えたX線回折装置において、
    前記X線検出手段に、前記請求項5乃至8のいずれか一項に記載の二次元X線検出装置を用いたことを特徴とするX線回折装置。
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