JP2005264727A - 圧縮機 - Google Patents

圧縮機 Download PDF

Info

Publication number
JP2005264727A
JP2005264727A JP2004073637A JP2004073637A JP2005264727A JP 2005264727 A JP2005264727 A JP 2005264727A JP 2004073637 A JP2004073637 A JP 2004073637A JP 2004073637 A JP2004073637 A JP 2004073637A JP 2005264727 A JP2005264727 A JP 2005264727A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
discharge
space
passage
compressor
valve
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Pending
Application number
JP2004073637A
Other languages
English (en)
Inventor
Tetsuhiko Fukanuma
哲彦 深沼
Tatsuya Koide
達也 小出
Masakazu Murase
正和 村瀬
Masaki Ota
太田  雅樹
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Toyota Industries Corp
Original Assignee
Toyota Industries Corp
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Toyota Industries Corp filed Critical Toyota Industries Corp
Priority to JP2004073637A priority Critical patent/JP2005264727A/ja
Publication of JP2005264727A publication Critical patent/JP2005264727A/ja
Pending legal-status Critical Current

Links

Images

Landscapes

  • Compressor (AREA)
  • Compressors, Vaccum Pumps And Other Relevant Systems (AREA)

Abstract

【課題】吐出通路の容積拡大に基づく再膨張損失量の低減効果が、吐出弁の抵抗により抑制されることのないように、吐出弁の吐出通路の形状を最適とし、圧縮機の吐出効率を最大限向上させることができる圧縮機の提供にある。
【解決手段】低圧の圧縮性流体を圧縮する作動室31と、圧縮された高圧の圧縮性流体を収容する吐出室14bと、作動室31と吐出室14bとの間に設けられる弁板34と、作動室31と吐出室14bとを連通する吐出通路39と、吐出通路39の下流側開口面39aを開閉する吐出弁36aとを備え、吐出通路39の吐出通路空間が、上流側開口面39aを断面とする主通路空間41と拡張空間42からなり、下流側開口面39bを最大開度の吐出弁36aに投影させて得られる投影面44と下流側開口面39bとを含む投影空間43が形成され、投影空間43の側面44の面積S3と上流側開口面39aの面積S1とがほぼ一致する。
【選択図】 図3

Description

この発明は、圧縮性流体の圧縮に適した圧縮機に係り、特に、作動室において圧縮した高圧の圧縮性流体を吐出する吐出通路と、吐出通路を開閉する吐出弁を備えた圧縮機に関する。
一般的に、車両用空調装置等に用いられる圧縮機として斜板式と称される圧縮機が知られている。この種の圧縮機は、例えば、特開平6−2654号公報に記載されるように、シリンダブロックの内部に円筒状の作動室(圧縮室)が設けられ、この作動室に収容されたピストンにより圧縮性流体である冷媒を作動室に吸入・圧縮するようにしている。また、この圧縮機はシリンダブロックの作動室を覆うハウジングを備えており、このハウジングとシリンダブロックとの間には、弁板(バルブプレート)が介装されている。そして、この弁板には、ハウジング内に形成された吸入室から作動室に低圧の冷媒を吸入する吸入通路(吸入ポート)と、ピストンにより圧縮された高圧の冷媒をハウジング内に形成された吐出室へ吐出する吐出通路(吐出ポート)が形成されている。
この圧縮機には、弁板とハウジングとの間に薄い金属製の吐出弁形成板が備えられ、吐出弁形成板には、前記弁板の吐出通路を閉塞するように片持ち状の複数の吐出弁が吐出弁形成板として一体的に形成されており、常時は吐出弁が吐出通路を閉塞しており、作動室内の圧力が上昇する過程で、吐出口の面積に作動室内の圧力を乗じた値の開弁力が吐出弁を開弁側に曲げ変形させ得る大きさに達したときに吐出弁が撓んで急激に吐出口を開き開弁状態となる。その際に作動室内で圧縮された冷媒が破裂するように吐出室へ噴出するので、これが騒音の原因になるとともに吐出弁が吐出弁形成板の弾性限度を越えて変形することがある。このため、この圧縮機では吐出弁を挟んで吐出通路と対向する側にリテーナを設け、このリテーナにより吐出弁の最大開度を規制し、吐出弁の開度を吐出弁形成板の弾性範囲内に収めるようにしている。
このような吐出弁が開弁するときは、常時閉弁している吐出弁を開弁させるのであるから、作動室の圧力が吐出室の圧力と同じ値に達しただけでは吐出弁は開弁せず、吐出圧よりも更に高い圧力により開弁される。つまり、作動室の圧力が主として吐出弁の剛性によって決まる開弁圧並びに吐出弁と弁板との油膜等を介しての密着力に勝る圧力に達したとき吐出弁を撓ませて開弁させる。この過分の圧力を一般に過圧縮量と呼んでおり、圧縮した冷媒を吐出室へ吐出するためには、圧縮機はその分だけ余分に冷媒を圧縮する必要がある。過圧縮量が増加すると騒音、振動、トルク変動等が増加するだけではなく、吐出される冷媒温度(吐出温度)が上昇し、圧縮機を駆動するのに必要な動力も増加するというように、多くの悪影響が生じることは良く知られている。
そのため、この過圧縮量を低減させるための手段として特開平6−2654号公報に開示された発明では、吐出口の下流側端面における吐出弁の接触面の範囲内に、吐出口内の空間に連通している切り欠きが設けられている。この発明により、作動室内の流体の圧力は吐出口の断面積だけでなく、切り欠きの面積にも作用するため、吐出弁を開弁させるための力が大きくなり、過圧縮量が低減されている。
また、これらの技術に関連する別の従来技術としては、例えば、特開2003−139063号公報に示されるように、吐出通路の吐出室側口を漏斗形状にして通路抵抗を少なくする技術が知られている。
特開平6−2654号公報(第2−5頁、図1−図5) 特開2003−139063号公報(第2−3頁、図1−図2)
しかしながら、特許文献1に記載される従来の圧縮機では、切り欠きを設けて吐出弁を開き易くして過圧縮量の低減を図っているものの、吐出通路内のデッドボリュームが増大し再膨張損失が増加するという問題を十分に解消する技術とは言えない。つまり、切り欠きの大きさによっては、過圧縮量の低減量より再膨張損失の増加量が上回り、逆に吐出効率が低下するおそれがある。また、特許文献2においても、拡径部を設けることでポートを通るガスの流路抵抗と乱流を低減できるが、拡径部を大きくとると、ポートを通るガスの流路抵抗の低減量より吐出弁による抵抗が大きくなるため吐出効率の向上を見込めなくなる上、再膨張損失の増大により逆に吐出効率が低下するおそれがある。
本発明は上記の問題点に鑑みてなされたもので、本発明の目的は、吐出通路の容積拡大に基づく再膨張損失量の低減効果が、吐出弁の抵抗により抑制されることのないように、吐出弁の吐出通路の形状を最適とし、圧縮機の吐出効率を最大限向上させることができる圧縮機の提供にある。
上記課題を達成するため、請求項1記載の発明は、低圧の圧縮性流体を圧縮する作動室と、圧縮された高圧の圧縮性流体を収容する吐出室と、前記作動室と前記吐出室との間に設けられる弁板と、前記作動室と前記吐出室とを連通する吐出通路と、前記吐出通路の下流側開口面を開閉する吐出弁とを備えた圧縮機において、前記吐出通路を形成する吐出通路空間が、前記吐出通路の上流側開口面を断面とする主通路空間と、前記吐出通路の上流側開口面よりも前記下流側開口面の面積を大きくする拡張空間との組み合わせからなり、前記下流側開口面を最大開度の前記吐出弁に投影させて得られる投影面と下流側開口面とを含む投影空間が形成され、前記投影空間の側面の面積と上流側開口面の面積とがほぼ一致することを特徴とする。
請求項1記載の発明によれば、吐出弁の開弁時において圧縮性流体は、吐出通路の上流側開口面を断面とする主通路空間と吐出通路の上流側開口面よりも下流側開口面の面積を大きくする拡張空間との組み合わせからなる吐出通路空間を通過する。そして、圧縮性流体は、下流側開口面を最大開度の吐出弁に投影させて得られる投影面と吐出室側開口面とを含む投影空間を通じて吐出室へ吐出される。投影空間の側面の面積と上流側開口面の面積とがほぼ一致することから、吐出通路を開閉する吐出弁の最大開度を大きく設定することなく吐出弁を開放し、吐出弁の閉弁時においてデッドボリューム内に残存する圧縮性流体の圧力が低減され、再膨張損失量が低減されるほか、再膨張損失量の低減効果が、吐出弁の抵抗により抑制されることがなく、圧縮機の吐出効率は最大限に向上される。
請求項2記載の発明は、請求項1記載の圧縮機において、前記主通路空間と前記拡張空間との間で通路方向と一致する吐出通路側共通面が設定されるとともに、前記投影空間にて前記共通面と同一面となる投影空間側共通面が設定され、投影空間の側面が投影空間側共通面により主通路側側面と拡張側側面とに区画設定され、前記吐出通路側共通面と前記投影空間側共通面との面積の和が、拡張側側面の面積とほぼ一致することを特徴とする。請求項2記載の発明によれば、主通路空間と拡張空間との間で通路方向と一致する吐出通路側共通面と、吐出通路側共通面と同一面となる投影空間側共通面とにおいて、圧縮性流体の一部が通過するが、吐出弁の閉弁時においてデッドボリューム内に残存する圧縮性流体の圧力がより確実に低減される。
請求項3記載の発明は、請求項1又は2記載の圧縮機において、前記下流側開口面が円形であるとともに、前記上流側開口面が下流側開口面と同心同径の円弧を有し、前記拡張空間が半截円錐状であることを特徴とする。請求項3記載の発明によれば、下流側開口面が円形であって、拡張空間が半截円錐状であることから、圧縮性流体が主通路空間から拡張空間を通じて下流側開口面へ円滑に通過することができる。
請求項4記載の発明は、請求項2又は3記載の圧縮機において、前記吐出通路側共通面と前記下流側開口面の中心との距離が、前記投影空間の側面の面積に基づき設定されることを特徴とする。請求項4記載の発明によれば、吐出通路側共通面と下流側開口面の中心との距離が、投影空間の側面の面積に基づいて設定されるから、再膨張損失量の低減効果が吐出弁の抵抗により抑制されることのないように、最適な吐出通路を形成するための拡張空間を設定することができる。
この発明によれば、吐出通路の容積拡大に基づく再膨張損失量の低減効果が、吐出弁の抵抗により抑制されることのないように、吐出弁の吐出通路の形状を最適とし、圧縮機の吐出効率を最大限向上させることができる。
(第1の実施形態)
以下、第1の実施形態に係る圧縮機を図1〜図4に基づいて説明する。この実施形態の圧縮機は、圧縮性流体として冷媒を用いる可変容量型圧縮機であり、図1においてその一例を示している。図1に示される圧縮機10は、圧縮機10の外殻であるハウジング11が形成されているが、このハウジング11は、複数のシリンダボア12aが形成されたシリンダブロック12と、そのシリンダブロック12の前部側に接合されるフロントハウジング13と、シリンダブロック12の後部側に接合されるリヤハウジング14とから構成されている。この実施形態では、ハウジング11を構成するフロントハウジング13、シリンダブロック12及びリヤハウジング14は、軽量化を図るためにアルミ系金属材料により形成されている。そして、フロントハウジング13からリヤハウジング14まで通される通しボルト16の前後方向の締め付けにより、フロントハウジング13、シリンダブロック12及びリヤハウジング14が一体的に固定され、ハウジング11が形成される。
フロントハウジング13には、クランク室17が後部側をシリンダブロック12により閉鎖した状態にて形成されている。そして、回転自在の駆動軸18がそのクランク室17を中央付近を貫通するように備えられており、この駆動軸18はフロントハウジング13に設けられるラジアル軸受19と、シリンダブロック12に設けられる別のラジアル軸受20により支持されている。この駆動軸18の前部を支持するラジアル軸受19の前方に、駆動軸18の周面に亘って摺接する軸封機構33が備えられている。この軸封機構33は、リップシール部材及びリップシール部材を保持する保持金具とから構成され、クランク室17内の冷媒がフロントハウジング13と駆動軸18の間から漏れ出すことを防止するものとなっている。
前記クランク室17における駆動軸18には、ラグプレート21が一体回転可能に固着されている。ラグプレート21の後方における駆動軸18には、容量変更機構22を構成する斜板23が、駆動軸18の軸線方向へスライド可能及び傾動可能に支持されている。斜板23とラグプレート21との間にはヒンジ機構24が介在され、このヒンジ機構24を介して斜板23がラグプレート21および駆動軸18に対して、同期回転可能及び傾動可能に連結されている。
駆動軸18におけるラグプレート21と斜板23との間にはコイルスプリング25が巻装されているほか、コイルスプリング25の押圧により後方へ付勢される摺動自在の筒状体26が駆動軸18に嵌挿されている。斜板23は、コイルスプリング25の付勢力を受けた筒状体26により常に後方、すなわち、斜板23の傾斜角度が減少する方向へ向けて押圧される。なお、斜板23の傾斜角度とは、ここでは駆動軸18と直交する面と斜板22の面により成す角度を意味している。斜板23の前部にはストッパ部23aが突設され、図1に示すように、このストッパ部23aがラグプレート21に当接することにより、斜板23の最大傾斜位置が規制されるようになっている。斜板23の後方における駆動軸18には止め輪27が取り付けられ、この止め輪27の前方においてコイルスプリング28が駆動軸18に巻装されている。このコイルスプリング28の前部に当接することにより斜板23の最小傾斜位置が規制されるようになっている。
前記シリンダブロック12の各シリンダボア12aには、片頭型のピストン29が夫々往復移動可能に収容され、これらのピストン29の首部がシュー30を介して斜板23の外周に係留されている。そして、駆動軸18の回転に伴って斜板23が回転運動されるとき、シュー30を介して各ピストン29が往復移動される。
一方、図1に示されるように、リヤハウジング14の前部側とシリンダブロック12の後部側は接合されているが、両者14、12との間には弁板34と、弁体形成板35、36と、リテーナ37が介装されている。リヤハウジング14は、シリンダブロック12に接合される後部側のハウジングであるが、このリヤハウジング14内の中心側には、吸入室14aが形成されており、吸入室14aは弁板34に設けられる吸入通路38によりシリンダボア12a内の作動室31と連通されている。また、リヤハウジング14の外周側には、吐出室14bが形成されており、この吐出室14bと吸入室14aは隔壁14cにより隔絶されている。このため、各ピストン29が上死点位置から下死点位置へ移動されるときには、吸入室14a内の冷媒が吸入通路38を通じてシリンダボア12a内の作動室31に吸入される。
弁板34はシリンダボア12aにおいてピストン29とともに作動室31を形成するためのものであるが、リヤハウジング14側の吸入室14aと連通する吸入通路38と、吐出室14bと連通する吐出通路39を有している。このため、各ピストン29が下死点位置から上死点位置へ移動されるときには、作動室31内の冷媒が所定の圧力まで圧縮され、吐出通路39を通じて吐出室14bへ吐出されるようになっている。弁体形成板35は、作動室31及び吸入通路38との間に介在される吸入弁(図示せず)を形成する吸入弁形成板であり、一方、弁体形成板36は、吐出通路39及び吐出室14bとの間に介在されるリード式の吐出弁36aを形成する吐出弁形成板である。また、リテーナ37は吐出弁36aの最大開度を規制するためのものである。なお、この圧縮機10では、斜板23の傾斜角度を変更させてピストン29のストロークすなわち圧縮機10の吐出容量を調整するために、リヤハウジング14に容量制御弁32が配設されている。
この実施形態では、図2に示されるように、弁板34における吐出通路39には作動室31を臨む上流側開口面39aと、吐出室14bを臨む下流側開口面39bとが夫々形成されている。図3に示されるように、下流側開口面39bの輪郭は完全な円Cであり、上流側開口面39aの輪郭は下流側開口面39bの輪郭を形成する円Cと同径同芯の円弧Aと円弧Aの円弧端を結ぶ直線Lにより形成される。従って、下流側開口面39aの面積は上流側開口面39bの面積よりも大きく設定されていることになる。吐出通路39を形成する吐出通路空間は、上流側開口面39aを断面とする主通路空間41と、下流側開口面39bの面積を大きく設定する拡張空間42との組み合わせから構成されていると言える。なお、図3は主通路空間41と拡張空間42とから構成される吐出通路空間と、後述する投影空間43を説明するための図であり、図3においては説明の便宜上、必要に応じて各空間毎に分離して示されている。
主通路空間41は弁板34を上流側から下流側へ貫通しており、その断面は上流側開口面39aと一致している。このため、主通路空間41には弁板34の円弧面34aと平坦面34bが存在することになる。また、拡張空間42は主通路空間41の途中から下流側において形成される空間であり半截円錐状となっている。拡張空間42は半截円錐状となるように、平坦面34bの中心付近から下流側へ向けて末広がる一対の端線部42aが形成されている。そして、両端線部42a、42aから平坦部34bの外側へ向けて張り出すように扇状面42bが形成されている。このため、主通路空間41と拡張空間42との関係から見ると、両空間41、42との間で通路方向と一致する吐出通路側共通面F1が設定される。また、下流側開口面39bは、主通路空間41及び拡張空間42において下流側を臨む夫々の面の組み合わせにより形成されていると言える。
次に、弁体形成板36及び吐出弁36aについて説明する。図1に示される弁体形成板36は金属製の薄板であり、弁板34に形成された吐出通路39を開閉するためのリード式の吐出弁36aを形成している。この吐出弁36aは各シリンダボア12aの吐出通路39に対応するものであり、この吐出弁36aにおいてリヤハウジング14の中心側に位置する基端部はリテーナ37により押圧されることにより、弁板34に対して固定されている状態にある。そして、吐出弁36aは前後方向に揺動可能であり、吐出弁36aとしての最大開度はリテーナ37に吐出弁36aの前面が当接することにより規制される。この吐出弁36aは下流側開口面39bを完全に塞ぐことができ、また、吐出通路39からの一定圧を越える冷媒圧力を受けて下流側開口面39bを開放することが可能となっている。この実施形態では、図2及び図3に示されるように吐出弁36aに対して拡張空間42が吐出弁36aの基端部側に位置し、吐出弁36aの先端部側に主通路空間41が位置している。
この実施形態では、吐出弁36aが最大開度の状態にあるとき、図3に示されるように下流側開口面39bを吐出通路39から吐出弁36aへ向けて投影させて得られる投影面44を便宜的に設定する。さらに、吐出弁36aの内側面に投影される投影面44と下流側開口面39bを含む投影空間43を設定することにより、投影空間43において通路方向と一致する投影空間43の側面45が設定されることになる。そして、この実施形態では、上流側開口面39aの面積をS1、下流側開口面39bの面積をS2、投影空間43の側面45の面積をS3とするが、投影空間43における側面45の面積S3と上流側開口面39bの面積S1がほぼ一致するように、吐出弁36aの最大開度がリテーナ37により設定されている。
さらに、この実施形態では、投影空間43において吐出通路側共通面F1と同一面となる投影空間側共通面F2が設定される。この投影空間側共通面F2の設定により、投影空間43の側面45が主通路側側面45aと拡張側側面45bに分割することができる。ここでは、主通路側側面45aの面積をS4、拡張側側面45bの面積をS5、吐出通路側共通面F1の面積をS6、投影空間側共通面F2の面積をS7としている。この実施形態では、吐出通路側共通面F1の面積S6と投影空間側共通面F2との面積S7の和が、拡張側側面45bの面積S5とほぼ一致するとしている。
因みに、投影空間43の側面45の面積S3は、下流側開口面39bを描く円Cの直径(又は半径)と、この円Cの中心における弁板34の吐出側表面と吐出弁36aの内側面との高さに基いて近似的に求められる。また、上流側開口面39bの面積S1は、投影空間43における側面45の面積S3とほぼ一致することから、吐出通路側共通面F1と下流側側開口面39aの中心Pとの距離dを算出することができ、この距離dに基いて拡張空間42の吐出通路側共通面F1における頂点Qと下流側開口面39b(弁板34の吐出側表面)との距離Hを算出することができる。これにより、拡張空間42の空間的特定が確保される。従って、吐出弁36aの最大開度と、上流側開口面39a及び拡張空間42の設定条件とが互いに関連付けられている。
このように、この実施形態では、吐出弁36aの開弁しやすく過圧縮量の低減を図るために、吐出通路39の容積を大きく設定する拡張空間42を設けているが、過圧縮量の低減に基づく再膨張損失量の低減効果が吐出弁36aの抵抗により抑制されないように、上流側開口面39aの面積S1と投影空間43の側面45の面積S3がほぼ一致するように設定されている。
さらに、吐出通路側共通面F1の面積S6と投影空間側共通面F2との面積S7の和が、拡張側側面45dの面積S5とほぼ一致することにより、吐出弁36aの抵抗により抑制されることなく、過圧縮量の低減に基づく再膨張損失量の低減効果を維持することができる最適な吐出通路39が設定されている。
ここで、各面積S1〜S7の関係について、図4に示される具体例に基づき説明する。図5に示される具体例では、下流側開口面と吐出弁との関係が以下のとおりとする。
(条件1)下流側開口面39bの直径を10mmとする
(条件2)下流側開口面39bの中心において最大開度にある吐出弁35aの内側面と弁板34の吐出側表面との距離を1.4mmとする
(条件3)吐出弁36aに投影される投影面44における最基端部側と弁板34の吐出側表面との距離を1.0mmとする
(条件4)吐出弁36に投影される投影面44における最先端部側と弁板34の吐出側表面との距離を1.8mmとする
(条件5)吐出弁36aにおける投影面44がほぼ平坦とする
このとき、投影空間の側面S3の面積は、
S3=10×π×1.4=43.98mm
となる。
一方、上流側開口面39aの面積S1は、
S1=10×π×1/4−10×π×((2cos−1(d/5))+
5sin(cos−1(d/5))×d
により算出されるから、前述のS3の値から距離dは、
d=0.47
と算出され、拡張空間側側面45bの面積S5は、
S5=16.69mm
となり、S5=S1とするためには、
H=0.58mm
となり、距離Hが求められる。このように、各面積S1〜S7のうちの面積S1、S3、S5〜S7とは互いに関連付けされており、これらの面積S1、S3、S5〜S7に関係する距離d及び距離Hが設定され、吐出弁36aの最大開度と上流側開口面39aの面積S1に対して最適な拡張空間42を特定することができる。
次に、この実施形態に係る圧縮機10の作用について説明する。駆動軸18の回転に伴って斜板23が回転運動されるとき、シュー30を介して各ピストン29が往復移動される。これにより、各ピストン29が上死点位置から下死点位置へ移動されるときには、吸入室14a内の冷媒が吸入弁を介してシリンダボア12a内の作動室31に吸入される。その後に、各ピストン29が下死点位置から上死点位置へ移動されるときには、作動室31内の冷媒が所定の圧力まで圧縮される。このとき、高圧状態にある冷媒は作動室31から吐出通路39へ導入され、冷媒が吐出通路39の上流側開口面39aから下流側開口面39bへ向けて通過する。このとき、冷媒が主通路空間41を通過すると、冷媒の一部は拡張空間42へ流れ込む。下流側開口面39bにおいて冷媒の圧力により吐出弁36aが最大開度まで開放される。吐出弁36aが開放される状態になると、冷媒は下流側開口面39bから吐出室14bへ吐出される。そして、リヤハウジング14の吐出室14bに吐出された冷媒は外部冷媒回路等に接続される吐出配管へ吐出される。
因みに、吐出弁36aを臨む下流側開口面39bが上流側開口面39aと比較して広く設定されていることから、吐出弁36aにおいて冷媒の圧力が作用する有効面積が増加され、吐出弁36の開放する力を増大させることが可能となり、吐出弁36aが開きやすくなる。また、下流側開口面39bから吐出室14bへ吐出されるとき、上流側開口面39aの面積S1と、投影空間43の側面45の面積S3とは面積がほぼ同じであることから、吐出弁36aの閉弁時において吐出通路39内に残存する冷媒の圧力が低減され、再膨張損失量が低減されるほか、再膨張損失量の低減効果が吐出弁36aの抵抗により抑制されることがない。さらに言うと、吐出通路側共通面F1の面積S6と投影空間側共通面F2の面積S7との和と、拡張側側面45bの面積S5がほぼ同じであることから、再膨張損失量の低減効果を抑制する吐出弁36aの抵抗が抑制される。
この実施形態の圧縮機10による圧縮効率の改善については、図5のPV線図に示される。このPV線図では、実施形態に係る圧縮機10と従来の圧縮機について、横軸を作動室の体積V、縦軸を作動室内の圧力Pとして、作動室の体積変化及び圧力変化を示している。PV線図によれば、本発明では従来例(点線で示す線)よりも吸入工程における吸入容積が約25%向上しており、本発明の圧縮機における圧縮効率が改善されていることが理解できる。
この実施形態に係る圧縮機10によれば以下の効果を奏する。
(1)吐出通路39を開閉する吐出弁36aの最大開度を大きく設定することなく、吐出弁36aを開放しやすくすることができるほか、吐出弁36aの閉弁時において吐出通路39内に残存する冷媒の圧力が低減され、再膨張損失量が低減されるほか、再膨張損失量の低減効果が吐出弁36aの抵抗により抑制されることがない。
(2)吐出通路側共通面F1の面積S6と投影空間側共通面F2の面積S7との和と、拡張側側面45bの面積S5がほぼ同じであることから、再膨張損失量の低減効果を抑制する吐出弁36aの抵抗が抑制される。
(3)下流側開口面39bが円形であって、拡張空間42が半截円錐状であることから、冷媒が主通路空間41から拡張空間42を通じて下流側開口面39bへ円滑に通過することができる。
(4)吐出通路側共通面F1と下流側開口面39bの中心Pとの距離dと、頂点Qと下流側開口面39b(弁板34の吐出側表面)との距離Hが、投影空間43の側面45の面積S3に基づいて設定されるから、再膨張損失量の低減効果が吐出弁36aの抵抗により抑制されることのないように、最適な吐出通路を形成するための拡張空間43を設定することができる。
なお、本発明は、上記した実施形態に限定されるものではなく発明の趣旨の範囲内で種々の変更が可能であり、例えば、次のように変更してもよい。
○ 上記の実施形態では、容量可変型斜板圧縮機を例として示したが、本発明は、例えば、容量固定式斜板圧縮機やスクロール式圧縮機に適用することができ、少なくとも作動室と吐出室を連通する吐出通路を備え、吐出通路を吐出弁により開閉する構造の圧縮機であれば本発明の適用に好適であり、圧縮機の種類は特に限定されない。
○ 上記の実施形態では、リヤハウジングの外周側に吐出室が備えられるとしたが、リヤハウジングの中心側に吐出室を備え、外周側に吸入室を備えるとしてもよい。
○ 上記の実施形態では、圧縮性流体を冷媒としたが、圧縮機に用いられる圧縮性流体はフロン系ガスや二酸化炭素等の冷媒に限定されず、例えば、燃料電池に用いられる水素や空気等を適用することもでき、圧縮機における圧縮性流体の種類は問われない。
この発明の実施形態に係る圧縮機の概要を示す断面図である。 実施形態に係る圧縮機の吐出通路付近を示す拡大断面図である。 圧縮機における吐出通路空間及び投影空間を説明する斜視図である。 圧縮機の吐出通路の具体例を説明する拡大断面図である。 圧縮機の作用効果を示すPV線図である。
符号の説明
10 圧縮機
11 ハウジング
14 リヤハウジング
14a 吸入室
14b 吐出室
22 容量変更機構
29 ピストン
31 作動室
34 弁板
35、36 弁体形成板
37 リテーナ
38 吸入通路
39 吐出通路
39a 上流側開口面
39b 下流側開口面
41 主通路空間
42 拡張空間
43 投影空間
44 投影面
45 投影空間の側面
45a 主通路側側面
45b 拡張側側面
F1 吐出通路側共通面
F2 拡張空間側共通面

Claims (4)

  1. 低圧の圧縮性流体を圧縮する作動室と、圧縮された高圧の圧縮性流体を収容する吐出室と、前記作動室と前記吐出室との間に設けられる弁板と、前記作動室と前記吐出室とを連通する吐出通路と、前記吐出通路の下流側開口面を開閉する吐出弁とを備えた圧縮機において、
    前記吐出通路を形成する吐出通路空間が、前記吐出通路の上流側開口面を断面とする主通路空間と、前記吐出通路の上流側開口面よりも前記下流側開口面の面積を大きくする拡張空間との組み合わせからなり、前記下流側開口面を最大開度の前記吐出弁に投影させて得られる投影面と下流側開口面とを含む投影空間が形成され、前記投影空間の側面の面積と上流側開口面の面積とがほぼ一致することを特徴とする圧縮機。
  2. 前記主通路空間と前記拡張空間との間で通路方向と一致する吐出通路側共通面が設定されるとともに、前記投影空間にて前記共通面と同一面となる投影空間側共通面が設定され、投影空間の側面が投影空間側共通面により主通路側側面と拡張側側面とに区画設定され、前記吐出通路側共通面と前記投影空間側共通面との面積の和が、拡張側側面の面積とほぼ一致することを特徴とする請求項1記載の圧縮機。
  3. 前記下流側開口面が円形であるとともに、前記上流側開口面が下流側開口面と同心同径の円弧を有し、前記拡張空間が半截円錐状であることを特徴とする請求項1又は2記載の圧縮機。
  4. 前記吐出通路側共通面と前記下流側開口面の中心との距離が、前記投影空間の側面の面積に基づき設定されることを特徴とする請求項2又は3記載の圧縮機。
JP2004073637A 2004-03-16 2004-03-16 圧縮機 Pending JP2005264727A (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2004073637A JP2005264727A (ja) 2004-03-16 2004-03-16 圧縮機

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2004073637A JP2005264727A (ja) 2004-03-16 2004-03-16 圧縮機

Publications (1)

Publication Number Publication Date
JP2005264727A true JP2005264727A (ja) 2005-09-29

Family

ID=35089559

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2004073637A Pending JP2005264727A (ja) 2004-03-16 2004-03-16 圧縮機

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP2005264727A (ja)

Cited By (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2012140908A (ja) * 2010-12-29 2012-07-26 Daikin Industries Ltd 圧縮機

Cited By (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2012140908A (ja) * 2010-12-29 2012-07-26 Daikin Industries Ltd 圧縮機

Similar Documents

Publication Publication Date Title
AU2010214779B2 (en) Scroll fluid machine
US9157438B2 (en) Scroll compressor with bypass hole
JP4911260B1 (ja) スクリュー圧縮機
JP2008115762A (ja) 圧縮機の吸入絞り弁
EP1818541A1 (en) Horizontally-mounted scroll compressor
JP2006299806A (ja) スクロール圧縮機
JPH05321855A (ja) スクロール型圧縮機におけるシール構造
JP2005264727A (ja) 圧縮機
JP2003120563A (ja) 気体圧縮機
JP6874331B2 (ja) 圧縮機
CN113474559B (zh) 旋转活塞式压缩机以及制冷循环装置
KR101718033B1 (ko) 압축기
JP3882343B2 (ja) スクロール型圧縮機
JPH08261170A (ja) スクロール圧縮機
JP3961176B2 (ja) スクロール圧縮機
JP5338275B2 (ja) 吐出弁機構及び回転式圧縮機
JP6618343B2 (ja) 圧縮機
JP6913842B2 (ja) スクロール圧縮機
JP2005180317A (ja) 回転式圧縮機
US11460025B2 (en) Scroll compressor
US6419470B2 (en) Scroll compressor
US6893234B2 (en) Non-circular centered seal for back pressure chamber
JPH062654A (ja) 圧縮機
JP2017082842A (ja) 軸受構造、及びスクロール型圧縮機
JP4573165B2 (ja) コンプレッサ用ガスケット