JP2005264387A - 鉱物繊維バインダー用樹脂組成物 - Google Patents
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Abstract
【課題】 低温保管しても塩の結晶が析出せず、また、尿素等の添加剤を配合した場合においても塩の結晶析出せずに保存安定性が良好で、耐吸湿性に優れる鉱物繊維を得ることのできる鉱物繊維バインダー用樹脂組成物を提供すること。
【解決手段】 フェノール類とアルデヒド類水溶液とを水酸化リチウムを触媒として反応して得られるレゾール型フェノール樹脂水溶液と好ましくは尿素を含有することを特徴とする鉱物繊維バインダー用樹脂組成物。
【選択図】 なし
【解決手段】 フェノール類とアルデヒド類水溶液とを水酸化リチウムを触媒として反応して得られるレゾール型フェノール樹脂水溶液と好ましくは尿素を含有することを特徴とする鉱物繊維バインダー用樹脂組成物。
【選択図】 なし
Description
本発明は、グラスウール、ロックウールなどの鉱物繊維からなる断熱材、吸音材として使用される鉱物繊維のマット、ボード等を製造する際に有用な鉱物繊維バインダー用樹脂組成物に関する。
グラスウールやロックウール等の鉱物繊維からなる断熱材、吸音材として使用される鉱物繊維のマット、ボード等には、レゾール型フェノール樹脂水溶液やレゾール型フェノール樹脂水溶液と尿素の混合水溶液を主体とした樹脂組成物がバインダーとして用いられている。鉱物繊維のマット、ボード等は、例えば、グラスウールやロックウールなどの鉱物繊維の原料であるガラスやスラグが溶融状態からスピンナーにより紡糸繊維化された後、スプレー等により前記バインダーを吹き付け、その後付着したバインダーを加熱硬化させることにより製造される。
前記バインダーとして用いるレゾール型フェノール樹脂水溶液は例えば、フェノール類とアルデヒド類とを水酸化ナトリウム、水酸化カリウム等のアルカリ性物質を触媒として用い反応させて得られる。また、この得られたレゾール型フェノール樹脂に希硫酸、希塩酸等を加えて前記アルカリ性物質を中和する場合もある。
前記フェノール類とアルデヒド類とを水酸化ナトリウム、水酸化カリウム等のアルカリ性物質を触媒として用い反応させて得られるレゾール型フェノール樹脂水溶液は残存するアルカリ性物質がフェノール類との塩を作るため、樹脂硬化物の耐水性が著しく低下する。そのため、通常はアルカリ性物質を中和する。
しかしながら、中和により得られた硫酸ナトリウム、硫酸カリウム、塩化ナトリウム、塩化カリウム等の中和塩がレゾール型フェノール樹脂水溶液中に存在しており、これらの中和塩は吸湿性が高く、これらの塩を含有するレゾール樹脂水溶液をバインダーとした鉱物繊維のマット、ボード、成形品等は、雨水や結露により吸湿して断熱性能や吸音性能が低下し易い欠点がある。
また、前記レゾール樹脂型フェノール樹脂水溶液は、通常使用時に水にて希釈して使用されるため、水に対する高い溶解性が必要とされるが、経時的に水に対する溶解性が低下し易いため、通常3〜5℃の低温で保管する。このような低温で保管した場合、前記塩化ナトリウム、硫酸ナトリウム等の中和塩の結晶が析出する。この結晶が析出すると配管内やストレーナーなどの目詰まり発生し、生産を止めざるを得ず、連続生産される鉱物繊維マットやボードの生産性を著しく阻害する。
前記の問題を解決するために、例えば、フェノール類とアルデヒド類水溶液とをアルカリ土類金属である水酸化バリウムを触媒として用いて反応させた後、希硫酸を使用し中和塩として硫酸バリウムを含有するレゾール型フェノール樹脂水溶液が使用されている(例えば、特許文献1参照。)。硫酸バリウムは0.1μm以下の微粒子でレゾール樹脂水溶液中に分散しており、この微粒子はスプレーノズルやフィルターを詰まらせるほどの大きさでは無く、また、硫酸バリウム非水溶性、非吸湿性の塩であり、前記硫酸バリウムを含有するレゾール樹脂水溶液をバインダーとして用いた鉱物繊維のマット、ボード、成型品自体も吸湿性が少ない。しかしながら、尿素等の、バインダーの性能を向上させるための添加剤を配合するとバインダー中に含有されるレゾール型フェノール樹脂水溶液中の2核体成分の溶解度が低下し、2核体成分が前記硫酸バリウムの塩を結晶核として結晶化し、数10μm程度の大きさの粒子となり、配管、スプレーノズルやフィルターを詰まらせる問題がある。また、バインダーを調合する際にレゾール型フェノール樹脂中に含まれる非水溶性のフェノール樹脂2核体成分の結晶も析出し易くなり、配管、フィルター、スプレーノズルなどを詰まらせる問題もある。
本発明の課題は、低温保管しても塩の結晶が析出せず、また、尿素等の添加剤を配合した場合においても塩の結晶や2核体等が析出せずに保存安定性に優れること、更に、耐吸湿性に優れる鉱物繊維を得ることのできる鉱物繊維バインダー用樹脂組成物を提供することである。
本発明者等は、鋭意検討の結果、フェノール類とアルデヒド類水溶液とを反応させてレゾール型フェノール樹脂水溶液を製造する際にアルカリ性触媒として水酸化リチウムを用いると、反応後更に中和を行っても中和塩が結晶化して析出せず、低音でも保管安定性に優れること、該レゾール型フェノール樹脂水溶液に尿素などの添加剤を加えても中和塩の析出や非水溶性のフェノール樹脂2核体成分の結晶の析出がないこと、該レゾール型フェノール樹脂水溶液を鉱物繊維バインダー用樹脂組成物として用いることにより耐吸湿性に優れる鉱物繊維が得られること等を見出し、本発明を完成するに至った。
即ち、本発明は、フェノール類とアルデヒド類水溶液とを水酸化リチウムを触媒として反応して得られるレゾール型フェノール樹脂水溶液を含有することを特徴とする鉱物繊維バインダー用樹脂組成物を提供するものである。
本発明によれば、低温保存しても塩の析出がなく、また、尿素等の添加剤を添加しても塩が析出がない鉱物繊維バインダー用樹脂組成物を提供できる。また、本発明の鉱物繊維バインダー用樹脂組成物を用いることにより、耐体湿性に優れる鉱物繊維が得られる。
本発明で用いるレゾール型フェノール樹脂水溶液は、フェノール類とホルムアルデヒド類水溶液とを水酸化リチウムを触媒として反応させて得られるものである。ここで用いるフェノール類としては、例えば、フェノール;クレゾール、キシレノール、エチルフェノール、ブチルフェノール、オクチルフェノール等のアルキルフェノール類;レゾルシン、カテコールなどの多価フェノール類;ハロゲン化フェノール、フェニルフェノール、アミノフェノール等が挙げられる。フェノール類としては、レゾルシン、フェノールが好ましく、安価なことからフェノールがより好ましい。また、フェノール類は、単独で使用してもよいし、2種以上のものを併用してもよい。
本発明で用いるレゾール型フェノール樹脂水溶液を製造するのに用いるアルデヒド類水溶液としては、例えば、ホルマリン、パラホルムアルデヒド、トリオキサン、アセトアルデヒド、グリオキザール、ウロトロピン等が挙げられる。アルデヒド水溶液類としてはホルマリン、パラホルムアルデヒド、トリオキサンが好ましく、安価なことからホルマリン、パラホルムアルデヒドがより好ましい。また、アルデヒド水溶液類は、単独で使用してもよいし、2種以上のものを併用してもよい。ここで、前記ホルマリンとはホルムアルデヒドの40重量%水溶液である。
本発明で用いるレゾール型フェノール樹脂水溶液を製造するのに用いる水酸化リチウムとしては、例えば、水酸化リチウム、水酸化リチウム・1水和物等が挙げられる。水酸化リチウムは単独で使用してもよいし、2種以上のものを併用してもよい。
本発明で用いるレゾール型フェノール樹脂水溶液は、例えば、前記フェノール類、前記アルデヒド類水溶液及び水酸化リチウムとをコンデンサー、温度計及び攪拌装置等を備えた反応装置に仕込み加熱することにより得られ、製造方法には制限はない。ここで、加熱する温度としては分子量分布が狭いレゾール型フェノール樹脂水溶液が得られること、レゾール型フェノール樹脂水溶液に残存するフェノール類が少なくなること、反応効率が良好なことから50〜80℃が好ましく、好ましくは60〜70℃がより好ましい。加熱する時間(反応時間)としては、で1〜8時間が好ましく、2〜6時間がより好ましい。
ここで前記フェノール類とホルムアルデヒド類水溶液との反応割合(〔ホルムアルデヒド類〕/〔フェノール類水溶液〕)は、残留するフェノールモノマーが少ないレゾール型フェノール樹脂水溶液が得られ、また、本発明の鉱物繊維バインダー用樹脂組成物が加熱硬化するときにも排ガス中にフェノール類の量が少なく、環境衛生上好ましいのでモル比で2.0〜4.0が好ましく2.3〜3.5がより好ましい。
水酸化リチウムの添加量は、フェノール類とホルムアルデヒド類水溶性の反応性が良好で反応時間が長くならないこと、未反応のフェノール類、ホルムアルデヒド類が少量であることからフェノール類に対して0.5重量%が好ましい。また、後述するフェノール類とホルムアルデヒド類水溶性との反応後に行ってもよい水酸化リチウムの中和により得られる塩(溶存塩)も少なく、水に対する希釈性が良好なレゾール型フェノール樹脂水溶液が得られることから、フェノール類に対して20重量%以下が好ましい。これらの知見より、水酸化リチウムの添加量はフェノール類に対して0.5〜20重量%が好ましく、2〜10重量%がより好ましい。
本発明で用いるレゾール型アルデヒド樹脂水溶液はアルカリ性触媒である水酸化リチウムを用いて得られるためにpHが高く塩基性を呈する。このpHが高い状態のレゾール型アルデヒド樹脂水溶液でも本発明では使用可能であるが、更に中和したレゾール型アルデヒド樹脂水溶液が好ましい。中和することによりレゾール型アルデヒド樹脂の反応性が抑制され、保存安定性が良好となるからである。中和するには、例えば、フェノール類とアルデヒド類水溶液とを反応させた後、温度を40℃以下、好ましくは25〜35℃に降温し、その後、酸(中和酸)を滴下することにより行うことができる。前記中和酸の滴下は、レゾール型アルデヒド樹脂水溶液のpHが6.5〜8.0になるように調整しながら行うのが好ましく、pHが6.5〜7.5になるように調整しながら行うのがより好ましい。
前記中和酸としては、例えば、塩酸、硫酸、燐酸などの無機酸、フェノールスルホン酸、トルエンスルホン酸、蟻酸などの有機酸が使用可能である。中でも、硫酸、塩酸が安価なので好ましい。
本発明で用いるレゾール型アルデヒド樹脂水溶液中のレゾール型アルデヒド樹脂は、フェノール類、ホルムアルデヒド類の残存量が少なく、本発明の鉱物繊維バインダー用樹脂組成物が加熱硬化する際に揮発する成分が少ないこと、水に対する希釈性が良好なことから数平均分子量(Mn)で100〜500が好ましく、150〜400がより好ましい。また、同様の理由から重量平均分子量(Mw)は200〜750が好ましく、300〜500がより好ましい。更に、前記Mnに対するMw(Mw/Mn)の値は、水への希釈性が良好で、かつ、本発明の鉱物繊維バインダー用樹脂組成物を鉱物繊維にスプレーした後も流動性が良好で、繊維交点へ樹脂の流入が良好となり繊維交点での接着性にも優れることから1.0〜1.5が好ましく、1.2〜1.4がより好ましい。
本発明の鉱物繊維バインダー用樹脂組成物は前記したレゾール型フェノール樹脂水溶液を含有することを特徴としているが、更に尿素を配合した鉱物繊維バインダー用樹脂組成物が好ましい。この尿素を配合した鉱物繊維バインダー用樹脂組成物の中でも、レゾール型フェノール樹脂水溶液として未反応のアルデヒド樹脂類を含有するレゾール型フェノール樹脂水溶液を含有する鉱物繊維バインダー用樹脂組成物が好ましく、未反応のアルデヒド樹脂類を前記レゾール型フェノール樹脂に対して3〜12重量%含有しているレゾール型フェノール樹脂水溶液を含有する鉱物繊維バインダー用樹脂組成物がより好ましい。なぜなら、アルデヒド類が含有されていると、尿素と配合してメチロール化し尿素樹脂を形成し強固な樹脂ができるからである。
前記のようにレゾール型フェノール樹脂水溶液と尿素を配合させる際には、レゾール型フェノール樹脂固形分100重量部に対して尿素を10〜100重量部配合するのが好ましく、43〜67重量配合するのがより好ましい。ここで用いるレゾール型フェノール樹脂水溶液は不揮発分が30〜70重量%のものが通常使用される。また尿素も通常30〜70%重量%との濃度になるように水希釈して使用する。
レゾール型フェノール樹脂水溶液と尿素を配合させる際の条件としては、20〜50℃にて1〜4時間混合し未反応のアルデヒド樹脂類を前記レゾール型フェノール樹脂に対して1重量%以下になるまで配合されるのが一般的である。また、混合にはラインミキサーを用いて行ってもよい。
前記レゾール型フェノール樹脂水溶液と尿素との配合は、レゾール型フェノール樹脂水溶液を合成する際、尿素の一部もしくは全量を、フェノール類とアルデヒド類水溶液とを水酸化リチウムとともに混合し、反応することによってもなされる。この場合、レゾール型フェノール樹脂水溶液を合成時の最終段階である中和工程前もしくは中和工程後で尿素を更に添加することが好ましい。
前記のように、レゾール型フェノール樹脂水溶液と尿素とを配合した後は、アンモニア水を残存するアルデヒド類の捕集剤として添加することもできる。アンモニア水の添加量は、25%アンモニア水として、レゾール型フェノール樹脂固形分に対して、5〜20重量部が好ましい。
本発明の鉱物繊維バインダー用樹脂組成物には更に、鉱物繊維の飛散を抑えるため、防塵オイルとして鉱油ベースのオイルエマルジョンを加えることが一般的である。また、必要に応じて、ワックス系の撥水剤を添加することもできる。
また、本発明の鉱物繊維バインダー用樹脂組成物をグラスウールのバインダーとして使用するときはアミノシランなどのシランカップリング剤を添加し、レゾール型フェノール樹脂とガラス繊維の接着性を向上させるのが一般的である。アミノシラン等のシランカップリング剤の添加量は、レゾール型フェノール樹脂に対して、0.1〜0.5重量部添加するのが好ましい。
以下に実施例を挙げて本発明を具体的に説明する。例中「部」「%」と表示しているものはそれぞれ重量部、重量%を表す。また、数平均分子量とはGPC(ゲルパーミエイションクロマトグラフィー)法により、分子量既知のポリスチレンに換算した分子量を示す。残留フェノールの測定は、残留フェノール1%以上の場合はGPCで測定し、これ以下の場合はガスクロマトグラフィーでの測定に依った。
実施例1
コンデンサー、温度計、攪拌装置を備えた反応装置にフェノール941gと37%ホルマリン243gを仕込み、更に水酸化リチウム・1水和物47.1gを添加し、65℃まで昇温した。65℃で3時間反応した後、50℃まで降温し、50℃にて減圧蒸留を行った。その後20℃になるまでで冷却し、レゾール型フェノール樹脂水溶液(1)を得た。レゾール型フェノール樹脂水溶液(1)は、数平均分子量(Mn)が320、重量平均分子量(Mw)が416、Mw/Mnが1.3不揮発分40%、pH8.9、遊離ホルムアルデヒド8.2%、遊離フェノール1%、水希釈能2000%以上であった。
コンデンサー、温度計、攪拌装置を備えた反応装置にフェノール941gと37%ホルマリン243gを仕込み、更に水酸化リチウム・1水和物47.1gを添加し、65℃まで昇温した。65℃で3時間反応した後、50℃まで降温し、50℃にて減圧蒸留を行った。その後20℃になるまでで冷却し、レゾール型フェノール樹脂水溶液(1)を得た。レゾール型フェノール樹脂水溶液(1)は、数平均分子量(Mn)が320、重量平均分子量(Mw)が416、Mw/Mnが1.3不揮発分40%、pH8.9、遊離ホルムアルデヒド8.2%、遊離フェノール1%、水希釈能2000%以上であった。
前記レゾール型フェノール樹脂水溶液(1)150部に40%尿素水溶液100部を加え、25℃にて3時間攪拌し、その後25%アンモニア水を10部添加した。ついで、30%硫酸アンモニウム10部、アミノシラン0.3部、50%濃度のオイルエマルジョン20部を加え、均一に混合し、これに水3053部を加え、本発明の鉱物繊維バインダー用樹脂組成物(1)を調合した。溶融ガラスを遠心紡糸して得た、紡糸直後のグラスウールに本発明の鉱物繊維バインダー用樹脂組成物(1)をバインダー組成物の付着量がグラスウールの重量に対して4%になるようにスプレーした。このバインダー組成物(1)が噴霧されたグラスウールを積層して、最終的な厚さが50mm、見かけ比重が32kg/m3となるように圧縮して、硬化炉の中で230℃で5分間加熱硬化させ、板状の鉱物繊維シート(1)を得た。
得られたレゾール型フェノール樹脂水溶液(1)、鉱物繊維バインダー用樹脂組成物(1)の低温安定性と鉱物繊維シート(1)の耐吸湿性試験を以下の方法により行った。
<レゾール型フェノール樹脂水溶液(1)の低温安定性試験>
レゾール型フェノール樹脂水溶液(1)を0℃の恒温槽に3日間いれた後、目視にて結晶の析出の有無等を観察した。観察の結果を以下の判定に従って評価した。結果を第1表に示す。
×:容器の底に結晶の沈殿物が確認できる。
△:容器の底に結晶の沈殿物が確認できないが、溶液中に分散した微粒子が確認できる。
○:結晶の沈殿物も分散した微粒子も確認できない。
レゾール型フェノール樹脂水溶液(1)を0℃の恒温槽に3日間いれた後、目視にて結晶の析出の有無等を観察した。観察の結果を以下の判定に従って評価した。結果を第1表に示す。
×:容器の底に結晶の沈殿物が確認できる。
△:容器の底に結晶の沈殿物が確認できないが、溶液中に分散した微粒子が確認できる。
○:結晶の沈殿物も分散した微粒子も確認できない。
<鉱物繊維バインダー用樹脂組成物(1)の低温安定性試験>
鉱物繊維バインダー用樹脂組成物(1)を0℃の恒温槽に3日間いれた後、目視にて結晶の析出の有無を観察した。観察の結果を以下の判定に従って評価した。結果を第2表に示す。
×:容器の底に結晶の沈殿物が確認できる。
△:容器の底に結晶の沈殿物が確認できないが、溶液中に分散した微粒子が確認できる。
○:結晶の沈殿物も分散した微粒子も確認できない。
鉱物繊維バインダー用樹脂組成物(1)を0℃の恒温槽に3日間いれた後、目視にて結晶の析出の有無を観察した。観察の結果を以下の判定に従って評価した。結果を第2表に示す。
×:容器の底に結晶の沈殿物が確認できる。
△:容器の底に結晶の沈殿物が確認できないが、溶液中に分散した微粒子が確認できる。
○:結晶の沈殿物も分散した微粒子も確認できない。
<鉱物繊維シート(1)の低温安定性試験>
鉱物繊維シート(1)の重量(X)を測定した後、50℃、湿度95%の恒温恒湿槽に96時間入れた。その後、恒温恒湿槽から取り出して、もう一度鉱物繊維シート(1)の重量(Y)を測定した。重量(X)から重量(Y)への増加分〔(Y)−(X)〕が鉱物繊維シート(1)が吸収した水分量とし、重量(X)に対するこの水分量を百分率(%)で表したものを鉱物繊維シート(1)の吸湿率とした。この吸湿率が小さいほど耐湿性に優れる。結果を第3表に示す。
鉱物繊維シート(1)の重量(X)を測定した後、50℃、湿度95%の恒温恒湿槽に96時間入れた。その後、恒温恒湿槽から取り出して、もう一度鉱物繊維シート(1)の重量(Y)を測定した。重量(X)から重量(Y)への増加分〔(Y)−(X)〕が鉱物繊維シート(1)が吸収した水分量とし、重量(X)に対するこの水分量を百分率(%)で表したものを鉱物繊維シート(1)の吸湿率とした。この吸湿率が小さいほど耐湿性に優れる。結果を第3表に示す。
実施例2
実施例1と同様の反応装置にフェノール941gと37%ホルマリン243gを仕込み、更に水酸化リチウム47.1gを添加し、65℃まで昇温した。65℃で3時間反応した後、50℃まで降温し、50℃にて減圧蒸留を行った。その後20℃になるまでで冷却し、更に20%希硫酸を滴下して中和しpHが7.2になったところで滴下をやめ
レゾール型フェノール樹脂水溶液(2)を得た。レゾール型フェノール樹脂水溶液(2)は、数平均分子量(Mn)が313、重量平均分子量(Mw)が407、Mw/Mnが1.3、不揮発分40%、遊離ホルムアルデヒド8.4%、遊離フェノール0.9%、水希釈能2000%以上であった。
実施例1と同様の反応装置にフェノール941gと37%ホルマリン243gを仕込み、更に水酸化リチウム47.1gを添加し、65℃まで昇温した。65℃で3時間反応した後、50℃まで降温し、50℃にて減圧蒸留を行った。その後20℃になるまでで冷却し、更に20%希硫酸を滴下して中和しpHが7.2になったところで滴下をやめ
レゾール型フェノール樹脂水溶液(2)を得た。レゾール型フェノール樹脂水溶液(2)は、数平均分子量(Mn)が313、重量平均分子量(Mw)が407、Mw/Mnが1.3、不揮発分40%、遊離ホルムアルデヒド8.4%、遊離フェノール0.9%、水希釈能2000%以上であった。
レゾール型フェノール樹脂水溶液(2)を用いる以外は実施例1と同様にして鉱物繊維バインダー用樹脂組成物(2)を調製し、更に鉱物繊維バインダー用樹脂組成物(2)を用いる以外は実施例1と同様にして鉱物繊維シート(2)を調製した。実施例1と同様にしてレゾール型フェノール樹脂水溶液(2)、鉱物繊維バインダー用樹脂組成物(2)の低温安定性と鉱物繊維シート(2)の耐吸湿性試験を行った。結果をそれぞれ第1表、第2表、第3表に示す。
実施例3
実施例1と同様の反応装置にフェノール941gと37%ホルマリン243gを仕込み、更に水酸化リチウム94.1gを添加し、65℃まで昇温した。65℃で2時間反応した後、50℃まで降温し、50℃にて減圧蒸留を行った。その後20℃になるまでで冷却し、更に20%希硫酸を滴下して中和しpHが7.3になったところで滴下をやめ
レゾール型フェノール樹脂水溶液(3)を得た。レゾール型フェノール樹脂水溶液(3)は、数平均分子量(Mn)が335、重量平均分子量(Mw)が469、Mw/Mnが1.4、不揮発分40%、遊離ホルムアルデヒド8.4%、遊離フェノール0.9%、水希釈能2000%以上であった。
実施例1と同様の反応装置にフェノール941gと37%ホルマリン243gを仕込み、更に水酸化リチウム94.1gを添加し、65℃まで昇温した。65℃で2時間反応した後、50℃まで降温し、50℃にて減圧蒸留を行った。その後20℃になるまでで冷却し、更に20%希硫酸を滴下して中和しpHが7.3になったところで滴下をやめ
レゾール型フェノール樹脂水溶液(3)を得た。レゾール型フェノール樹脂水溶液(3)は、数平均分子量(Mn)が335、重量平均分子量(Mw)が469、Mw/Mnが1.4、不揮発分40%、遊離ホルムアルデヒド8.4%、遊離フェノール0.9%、水希釈能2000%以上であった。
レゾール型フェノール樹脂水溶液(3)を用いる以外は実施例1と同様にして鉱物繊維バインダー用樹脂組成物(3)を調製し、更に鉱物繊維バインダー用樹脂組成物(3)を用いる以外は実施例1と同様にして鉱物繊維シート(3)を調製した。実施例1と同様にしてレゾール型フェノール樹脂水溶液(3)、鉱物繊維バインダー用樹脂組成物(3)の低温安定性と鉱物繊維シート(3)の耐吸湿性試験を行った。結果をそれぞれ第1表、第2表、第3表に示す。
比較例1
水酸化リチウム・1を水和物47.1g用いる代わりに水酸化ナトリウムを47.1g用いた以外は実施例1と同様にしてレゾール型フェノール樹脂水溶液(1´)を得た。レゾール型フェノール樹脂水溶液(1´)は、数平均分子量(Mn)が330、重量平均分子量(Mw)が429、Mw/Mnが1.3、不揮発分40%、pH8.9、遊離ホルムアルデヒド8.2%、遊離フェノール1.0%、水希釈能2000%以上であった。
水酸化リチウム・1を水和物47.1g用いる代わりに水酸化ナトリウムを47.1g用いた以外は実施例1と同様にしてレゾール型フェノール樹脂水溶液(1´)を得た。レゾール型フェノール樹脂水溶液(1´)は、数平均分子量(Mn)が330、重量平均分子量(Mw)が429、Mw/Mnが1.3、不揮発分40%、pH8.9、遊離ホルムアルデヒド8.2%、遊離フェノール1.0%、水希釈能2000%以上であった。
レゾール型フェノール樹脂水溶液(1´)を用いる以外は実施例1と同様にして鉱物繊維バインダー用樹脂組成物(1´)を調製し、更に鉱物繊維バインダー用樹脂組成物(1´)を用いる以外は実施例1と同様にして鉱物繊維シート(1´)を調製した。実施例1と同様にしてレゾール型フェノール樹脂水溶液(1´)、鉱物繊維バインダー用樹脂組成物(1´)の低温安定性と鉱物繊維シート(1´)の耐吸湿性試験を行った。結果をそれぞれ第1表、第2表、第3表に示す。
比較例2
水酸化リチウムを47.1gを用いる代わりに水酸化ナトリウムを47.1g用いた以外は実施例2と同様にしてレゾール型フェノール樹脂水溶液(2´)を得た。レゾール型フェノール樹脂水溶液(2´)は、数平均分子量(Mn)が334、重量平均分子量(Mw)が434、Mw/Mnが1.3、不揮発分40%、pH7.3、遊離ホルムアルデヒド8.4%、遊離フェノール0.9%、水希釈能2000%以上であった。
水酸化リチウムを47.1gを用いる代わりに水酸化ナトリウムを47.1g用いた以外は実施例2と同様にしてレゾール型フェノール樹脂水溶液(2´)を得た。レゾール型フェノール樹脂水溶液(2´)は、数平均分子量(Mn)が334、重量平均分子量(Mw)が434、Mw/Mnが1.3、不揮発分40%、pH7.3、遊離ホルムアルデヒド8.4%、遊離フェノール0.9%、水希釈能2000%以上であった。
レゾール型フェノール樹脂水溶液(2´)を用いる以外は実施例1と同様にして鉱物繊維バインダー用樹脂組成物(2´)を調製し、更に鉱物繊維バインダー用樹脂組成物(2´)を用いる以外は実施例1と同様にして鉱物繊維シート(2´)を調製した。実施例1と同様にしてレゾール型フェノール樹脂水溶液(2´)、鉱物繊維バインダー用樹脂組成物(2´)の低温安定性と鉱物繊維シート(2´)の耐吸湿性試験を行った。結果をそれぞれ第1表、第2表、第3表に示す。
比較例3
水酸化リチウムを94.1gを用いる代わりに水酸化バリウムを160g用いた以外は実施例2と同様にしてレゾール型フェノール樹脂水溶液(3´)を得た。レゾール型フェノール樹脂水溶液(3´)は、数平均分子量(Mn)が336、重量平均分子量(Mw)が437、Mw/Mnが1.3、不揮発分40%、pH7.3、遊離ホルムアルデヒド8.1%、遊離フェノール0.9%、水希釈能2000%以上であった。
水酸化リチウムを94.1gを用いる代わりに水酸化バリウムを160g用いた以外は実施例2と同様にしてレゾール型フェノール樹脂水溶液(3´)を得た。レゾール型フェノール樹脂水溶液(3´)は、数平均分子量(Mn)が336、重量平均分子量(Mw)が437、Mw/Mnが1.3、不揮発分40%、pH7.3、遊離ホルムアルデヒド8.1%、遊離フェノール0.9%、水希釈能2000%以上であった。
レゾール型フェノール樹脂水溶液(3´)を用いる以外は実施例1と同様にして鉱物繊維バインダー用樹脂組成物(3´)を調製し、更に鉱物繊維バインダー用樹脂組成物(3´)を用いる以外は実施例1と同様にして鉱物繊維シート(3´)を調製した。実施例1と同様にしてレゾール型フェノール樹脂水溶液(3´)、鉱物繊維バインダー用樹脂組成物(3´)の低温安定性と鉱物繊維シート(3´)の耐吸湿性試験を行った。結果をそれぞれ第1表、第2表、第3表に示す。
Claims (5)
- フェノール類とアルデヒド類水溶液とを水酸化リチウムを触媒として反応して得られるレゾール型フェノール樹脂水溶液を含有することを特徴とする鉱物繊維バインダー用樹脂組成物。
- 前記レゾール型フェノール樹脂水溶液中のレゾール型フェノール樹脂の数平均分子量が150〜400で、且つ、重量平均分子量と数平均分子量との比(Mw/Mn)が1.0〜1.5である請求項1記載の鉱物繊維バインダー用樹脂組成物。
- 前記レゾール型フェノール樹脂水溶液を、硫酸でpH6.5〜8.0に調整したものである請求項1記載の鉱物繊維バインダー用樹脂組成物。
- 更に、尿素を配合した請求項1、2又は3記載の鉱物繊維バインダー用樹脂組成物。
- 前記レゾール型フェノール樹脂水溶液中に、未反応アルデヒド類が、レゾール型フェノール樹脂に対して、3〜12重量%含有している請求項4記載の鉱物繊維バインダー樹脂組成物。
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JP2004080234A JP2005264387A (ja) | 2004-03-19 | 2004-03-19 | 鉱物繊維バインダー用樹脂組成物 |
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JP2007204624A (ja) * | 2006-02-02 | 2007-08-16 | Dainippon Ink & Chem Inc | 水性フェノール樹脂組成物及びバインダー |
WO2019189410A1 (ja) * | 2018-03-29 | 2019-10-03 | 群栄化学工業株式会社 | 無機繊維製品用バインダー及びその製造方法、無機繊維製品の製造方法 |
-
2004
- 2004-03-19 JP JP2004080234A patent/JP2005264387A/ja active Pending
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