JP2005262567A - 射出成形型および射出成形体の製造方法 - Google Patents

射出成形型および射出成形体の製造方法 Download PDF

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Abstract

【課題】本発明では、スライド量(スライド距離)が低減されたスライド駒を備える射出成形型を提供する。
【解決手段】射出成形型1は、固定型と可動型4とを備え、固定型と可動型4との突き合せによって常に形成される第1キャビティ10と、第1キャビティ10に連通して形成される第2キャビティ14とを備え、第1キャビティ10と第2キャビティ14との連通面18に沿って互いに異なる方向にスライド可能な複数のスライド駒21〜23が設けられ、スライド駒21〜23は、連通面18を遮断する第1成形位置と、第2キャビティ14を第1キャビティ10に連通した状態に形成する第2成形位置との間をスライドする。複数のスライド駒21〜23は、それぞれ、連通面に沿って互いに異なる方向にスライド可能であり、それぞれがより少ないスライド量で遮断状態と連通状態とに位置切替できるようにされる。
【選択図】 図3

Description

本発明は、射出成形において二色成形など2以上の樹脂系材料を順次射出して成形するための成形型および成形方法、ないし異なる樹脂系材料より形成される部位を複数備える射出成形体の製造方法に関する。
異なる樹脂系材料を連続的に射出し、成形して異なる樹脂系材料部分を備える成形体を成形する方法、いわゆる多色成形(二色成形を含む。)は、種々の部品の成形で利用されている。この方法で成形するための型としては、対を成す型を有し、これらが型締めされた状態でスライド可能なスライド駒が設けられているものが種々存在する。例えば、スライド駒が、2番目に射出される樹脂を成形するためのキャビティ(以下、第2キャビティという。)を備えており、スライド駒のスライドによって1番目の樹脂によって射出成形するキャビティ部分(以下、第1キャビティという。)から第2キャビティが隔絶されて第1キャビティの連通面を遮断する状態と、第2キャビティが第1キャビティに連通する状態とが形成される成形型がある(例えば、特許文献1参照。)。あるいは、スライド駒が第2キャビティの一部を構成しており、スライドによって第2キャビティとなる空間内に侵入して第1キャビティとの連通部分を塞いで第1キャビティの連通面を遮断する状態と、対を成す型との協働によって第1キャビティに連通する第2キャビティを形成する状態とが形成される成形型がある(例えば、特許文献2参照。)。このようなスライド駒を備える成形型では、1番目の樹脂系材料の射出成形と2番目の樹脂系材料の射出成形とを1つの成形型で行えるため、設備や製造工程数を低減でき、また、1番目の成形と2番目の成形の間は型締め状態を保持するため、2番目の成形時の温度低下が抑制されて、一体成形しやすい。なお、本明細書において「樹脂系材料」には射出可能な樹脂およびエラストマーを含むものとする。
特開平10−278076号公報 特開昭62−273815号公報
ところで、これらの成形型におけるスライド駒のスライド距離は、第2キャビティの形状、特に第2キャビティの第1キャビティとの連通面の形状に依存する。すなわち、スライド駒は、第1キャビティから第2キャビティを遮断しなければならないため、例えば、図6に示す射出成形体100のように、第1キャビティ71と第2キャビティ73の連通面75が略U字形状の場合、図8に示すように、スライド駒77は、スライド方向に少なくとも連通面75と同じあるいはそれより大きい遮断部79を必要とする。また、第1キャビティ71と第2キャビティ73を連通可能にするためには、スライド駒77は、遮断部79が連通面75から完全に離れる程度のスライド量(図8に示す距離l)が必要となる。なお、図8では、スライド駒77は連通面75で第1キャビティ71に連通する第2キャビティ73を備えており、遮断部79が連通面75から離れるのと同時に第2キャビティ73が第1キャビティ71と完全に連通する。したがって、このような連通面形状の場合、スライド駒のスライド量が大きいことにより、スライド駒の駆動装置も大型となり、占有スペースが大きくなってしまう。また、従来の射出成形機では、型締め圧力は取り付けられる成形型の大きさ、すなわちキャビティの大きさに合わせて設定されている。このため、スライド駒の影響で大きく形成されている成形型では、キャビティの容積に比して過大な型締め圧力を出力し得る成形機を用いざるを得なくなるときがある。
そこで、本発明では、スライド量(スライド距離)が低減されたスライド駒を備える射出成形型を提供することを課題とする。
また、本発明では、併せて、異なる樹脂系材料より成る部分を備える射出成形体を、スライド駒を備える射出成形型を用いて製造する方法において、スライド駒のスライド量を低減した射出成形体製造方法を提供することを課題とする。
上記課題を解決するための手段である本発明の第1発明は、互いに突き合わされてキャビティを形成する固定型と可動型とを備える射出成形型であって、前記キャビティは、前記固定型と可動型との突き合せによって常に形成される第1キャビティと、この第1キャビティに連通して形成される第2キャビティとを備え、前記第1キャビティと前記第2キャビティとの連通面に沿って互いに異なる方向にスライド可能な複数のスライド駒が設けられ、前記複数のスライド駒は、連通面を遮断する第1成形位置と、第2キャビティを第1キャビティに連通した状態に形成する第2成形位置との間をスライドすることを特徴とする射出成形型を提供する。
この発明によれば、成形型は、第1キャビティと第2キャビティとの連通面を遮断および連通可能な複数のスライド駒を備えている。複数のスライド駒は、それぞれ、連通面に沿って互いに異なる方向にスライド可能であり、それぞれがより少ないスライド量で遮断状態と連通状態とに位置切替できるようにされる。すなわち、連通面は、それぞれ第1成形位置と第2成形位置との間のスライド量がより小さくなるように分割した複数のスライド駒によって遮断状態と連通状態とに切り替えられる。したがって、本発明の射出成形型は、各スライド駒の大きさおよびスライド量が小さくなり、また、適宜、スライド駒の駆動手段、例えば、シリンダも小型でよく、全体が小型である。
また、本発明の第2発明は、第1発明において、複数のスライド駒は第1成形位置と第2成形位置との間を互いに連動してスライド可能である射出成形型を提供する。
この発明によれば、複数のスライド駒は互いに連動して第1成形位置と第2成形位置との間をスライドするため、より短時間で効率よくスライド駒がスライドする射出成形型となっている。
また、本発明の第3発明は、第2発明において、複数のスライド駒は、互いに接触して設けられ、少なくとも1つのスライド駒は当該スライド駒をスライドさせるシリンダを備え、他のスライド駒は第1成形位置または第2成形位置に向かって付勢されている射出成形型を提供する。
この発明によれば、付勢によって第1成形位置または第2成形位置に配置された状態の他のスライド駒は、シリンダを備えるスライド駒と直接、または他のスライド駒を介して間接に接している。このため、シリンダを備えるスライド駒がシリンダによって駆動されると、他のスライド駒に駆動力が伝達されて、全てのスライド駒が第2成形位置または第1成形位置にスライドする。したがって、本発明の射出成形型は、簡単な構成でより容易に小型化されており、複数のスライド駒を容易に位置切替できる。
本発明の第4発明は、異なる樹脂部分を備える射出成形体を製造する方法であって、固定型と可動型とを突き合せて第1キャビティを形成するとともに、第1キャビティに連通して形成される第2キャビティとの連通面を当該連通面に沿って互いに異なる方向にスライド可能な複数のスライド駒で遮断して、第1成形材料を第1キャビティに射出して第1樹脂部分を成形する第1成形工程と、前記第1成形工程後に前記複数のスライド駒をスライドさせて第2キャビティを第1キャビティに連通させて、第2キャビティに第2成形材料を射出して第2樹脂部分を第1樹脂部分に一体に成形する第2成形工程とを備える、射出成形体の製造方法を提供する。
この発明によれば、複数のスライド駒が設けられることによってスライド駒のスライド距離が小さくなっており、スライド駒のスライド時間、すなわち第1樹脂部分の成形後から第2成形材料を射出するまでの時間が短くなる。これにより、第1樹脂部分の温度がより高い状態を保持して第2樹脂部分を成形できるため、より良好に一体化することができる。したがって、本発明の製造方法によれば、成形時間を短縮して、良好な射出成形体(多色成形体)を得ることができる。また、より小さいスライド量のスライド駒を備える成形型はより小さく、且つシリンダ等も小さいため、スペースおよび/または動力を低減して射出成形体を製造することができる。なお、第1成形材料および第2成形材料は、それぞれ樹脂系材料から任意に選択される材料とすることができる。
本発明では、スライド量が低減されたスライド駒を備える射出成形型を提供することにより、射出成形型を小型化することができ、成形設備を小型化することができる。
また、異なる樹脂系材料より成る部分を備える射出成形体をスライド駒を備える射出成形型を用いて製造する方法において、スライド駒のスライド量を低減した射出成形体製造方法を提供することにより、より小型の設備を用いてより短時間で効率よく射出成形体を製造することができる。
以下、本発明を実施するための最良の形態を図面を用いて説明する。
図1に本発明の一実施形態に係る成形型1を示す。成形型1は、図1において左側に位置する固定型2と、右側に位置する可動型4と、可動型4に設けられたスライド駒群6とを備えている。固定型2と可動型4とは、図2に示すように型締めされることで、第1成形材料を成形するための第1キャビティ10と第1成形材料を第1キャビティ10へ供給するための第1樹脂供給部12とを形成する。また、スライド駒群6は、後で詳述するが、第2成形材料を成形するための第2キャビティ14を構成するように形成されている。また、固定型2とスライド駒群6(第1スライド駒21)とは、固定型2と可動型4とが型締めされ、且つスライド駒群6が後述する第2成形位置にあるとき(図4参照)に、第2樹脂供給部16を形成する。
固定型2は、第1キャビティ10の外側面を形成するキャビティ面10aと、第1樹脂供給部12および第2樹脂供給部16の一部を構成する。すなわち、第1成形材料及び第2成形材料の射出成形機が装着される開口部12a,16a(各図では、射出成形機の射出口部分が装着されている状態を示す)と、開口部12a,16aに連通して突き合せ面側に向かって伸びる管状のスプルー12b,16bとを備えている。また、第1樹脂供給部12として、スプルー12bの先端とキャビティ面10aまでの面が、図2に示すように可動型4との突き合せによってランナ12cおよびゲート12dを形成するように構成されている。
可動型4は、第1キャビティ10の内側面を形成するキャビティ面10bと、第1樹脂供給部12の一部を構成する。すなわち、スプルー16bの先端に対向する位置からキャビティ面10bまでの面が、図2に示すように固定型2に突き合わされると、ランナー16c及びゲート16dを形成するように構成されている。可動型4は、第1キャビティ10が第2キャビティ14に連通される位置(図1,2,4では上側)に、固定型2側に開放された形状の凹部4aを備えている。凹部4aは、スライド駒群6がスライド可能に配置される部分で、突き合せ面から見て逆T字状(図3の上下を基準として)に形成されており、本実施形態ではスライド駒群6のガイドの役割をも果たす。また、凹部4aの中心には、立方体状の凸部4bが設けられている。凸部4bは、後述する第2スライド駒22及び第3スライド駒23を付勢に抗して抑止する部分である。
スライド駒群6は、図3に示すように、第1スライド駒21と、その両側に設けられた第2スライド駒22と第3スライド駒23の計3個のスライド部材を備えている。第1スライド駒21は、凹部4aの図3において上下に延びる部分に、第2スライド駒22は、凹部4aの図3において凸部4bより左側の左右に延びる部分に、また、第3スライド駒23は、凹部4aの図3において凸部4bより右側の左右に延びる部分に、それぞれ配置されている。第1スライド駒21、第2スライド駒22、第3スライド駒23は、凹部4aの内周面に接触する形状に形成されており、凹部4aの延びる方向に、凹部4a内面にガイドされてスライド可能である。ここで、各駒のスライド方向は、それぞれ第1キャビティ10と第2キャビティ14との連通面18と平行となっている。
また、第1スライド駒21と第2スライド駒22とは、それぞれのスライド面に平行且つ各駒のスライド方向に対して所定の角度で延びる端面21b,22bで、互いにスライド可能に接触している。また、第1スライド駒21と第3スライド駒23とは、それぞれスライド面に平行且つ各駒のスライド方向に対して所定の角度で延びる端面21c,23bで、互いにスライド可能に接触している。
第1スライド駒21、第2スライド駒22、第3スライド駒23は、それぞれ第1キャビティ10と第2キャビティ14との連通面18と同一平面上に端面を有しており、この端面の一部が連通面18を遮断しうる遮断部21a,22a,23aに形成されている。遮断部21a,22a,23aは、後述する第1成形位置(図2,3参照)において第2キャビティ14を第1キャビティ10から遮断するとともに、第1キャビティ10の第2キャビティ14との連通部分の面を成形する部分を構成する。
また、本実施形態では、第1スライド駒21、第2スライド駒22および第3スライド駒23は、それぞれ第2キャビティ14を分割した形状のキャビティ部分14a,14b,14cを備えている。これらのキャビティ部分14a,14b,14cは、それぞれ第1キャビティ10との連通面18部分を有する。キャビティ部分14a,14b,14cは、後述する第2成形位置(図5参照)において互いに連通してキャビティを形成する面が連続面となるとともに、固定型2および可動型4のキャビティ面10a,10bとも連続して第2キャビティ14を構成する。
スライド駒群6のスライドのための駆動機構は、公知の構成であり、特に限定されない。例えば、各駒にエアシリンダや油圧シリンダを装着することができる。好ましくは、スライド駒群6を連動させられる駆動機構であると、成形型の大型化の一因である動力発生手段が減少するため、好ましい。本実施形態の成形型1は、図3に示すように、動力源としてのシリンダ31を1つと、連動機構の一部としての2つの付勢手段41,46とを備えている。また、上述のようにスライド駒どうしをスライド可能に接触させることによってスライド駒を動力伝達に利用している。
シリンダ31は、本実施形態では、第1スライド駒21のスライド方向外側、すなわち図1〜3において上側に設けられており、可動型4に固定されている。シリンダ31のロッド32は図3において上下方向に移動するように設けられており、先端に第1スライド駒21が接続されている。
付勢手段41,46は、第2スライド駒22および第3スライド駒23に接続されており、各スライド駒のスライド方向外側、すなわち図3において第2スライド駒22の左側及び第3スライド駒23の右側に設けられている。本実施形態では、各付勢手段41,46は、可動型4に固定されるストッパ42,47と、ストッパ42,47を貫通するロッド43,48とコイルばね44,49とを備えている。ストッパ42,47は、それぞれ、第2スライド駒22及び第3スライド駒23のスライド方向に垂直に延びる板部材であり、可動型4に固定されている。ストッパ42,47は、ロッド43,48が挿通自在な孔を備えている。ロッド43,48は、それぞれ一端で第2スライド駒22または第3スライド駒23に接続されており、ストッパ42,47の孔に通されて他端に抜け止43a,48aを有している。コイルばね44,49は、それぞれロッド43,48に通されて、第2スライド駒22または第3スライド駒23とストッパ42,47との間に設けられており、ストッパ42,47に付与されている押さえ42a,47aと第2スライド駒22または第3スライド駒23とに圧接されている。
スライド駒群6は、図2,3に示すようにシリンダ31のロッド32が上にあるときに第1キャビティ10と第2キャビティとの連通面18を遮断する第1成形位置に配置される。このとき、第1スライド駒21は、ロッド32によって図3における上方に位置しており、キャビティ部分14aは、第1キャビティ10の連通面18より上方(外側)にあり、遮断部21aが連通面18を遮断している。また、第2スライド駒22は、付勢手段41による図3における右方向への付勢によってより中央に位置しており、キャビティ部分14bは第1キャビティ10の連通面18より右方(内側)にあり、遮断部22aが連通面18を遮断している。第3スライド駒23は、付勢手段46による図3における左方への付勢によってより中央に位置しており、キャビティ部分14cは第1キャビティ10との連通面より左方(内側)に有り、遮断部23aが連通面18を遮断している。このとき、第1スライド駒21の端面21bと第2スライド駒22の端面22bとは密着し、第1スライド駒21の端面21cと第3スライド駒23の端面23bとは密着しており、連通面18は、3つの遮断部21a,22a,23aによって完全に遮断される。
また、スライド駒群6は、図4,5に示すように、シリンダ31のロッド32が下まで移動されたときに、第1キャビティ10と第2キャビティ14とを連通面18で連通させる第2成形位置に配置される。このとき、第1スライド駒21は、本実施形態では、可動型4の凸部4bとその下端で接しており、図3における最下位置に位置している。第1スライド駒21のキャビティ部分14aは、このとき、第1キャビティ10との連通面18に完全に一致している。また、第2スライド駒22は、第1スライド駒21の端面21bによって端面22bが押圧されて付勢手段41の付勢に抗して図3における左方に位置しており、キャビティ部分14bが第1キャビティ10との連通面18に完全に一致している。第3スライド駒23は、第2スライド駒22と同様にして、第1スライド駒21の端面21cによって端面23bが押圧されて、付勢手段46の付勢に抗して図3における右方に位置しており、キャビティ部分14cが第1キャビティ10との連通面18に完全に一致している。このとき、第1スライド駒21の端面21b及び第2スライド駒22の端面22b、第1スライド駒21の端面21c及び第3スライド駒23の端面23bは、それぞれ密着しており、キャビティ部分14aとキャビティ部分14b及びキャビティ部分14aとキャビティ部分14cとが完全に一致して第2キャビティ14を構成する。そして、第1キャビティ10の連通面全体に連通する第2キャビティ14が形成される。
このように、成形型1のスライド駒群6は、各スライド駒、すなわち第1〜第3スライド駒21〜23が有するキャビティ部分14a〜14cが連通面18と重ならない位置までスライドすることで遮断部21a〜23aによって連通面18を遮断することができるようになっている。このため、図3に示す連通面18を遮断し得る単一のスライド駒を設けた場合と比較して、各スライド駒のスライド量は、格段に小さくなっている。このように、スライド量が小さく且つ駒自体がより小さいため、各スライド駒のスライド領域は、より小さくなっており、成形型1が大型になることを効率よく回避することができる。さらに、このようなスライド駒は、より小型の駆動手段でスライドさせることができ、駆動手段がより小さいものとなり、成形型1の大型化を合理的に回避することができる。さらに、第1スライド駒21、第2スライド駒22及び第3スライド駒23を連動させる構成としたことにより、駆動手段としてのシリンダ31が1つとなり、成形型1の大型化および重量の増加が良好に軽減されている。
次に、本実施形態の成形型1を用いて射出成形体100を製造する方法について説明する。
まず、製造方法に先立って、成形型1によって得られる射出成形体100について、図6を参照して簡単に説明する。射出成形体100は、車両用シートにおけるシートバックの回動軸およびリクライニング機構等を外部から保護するカバーである。射出成形体100は硬質プラスチック、例えば、ポリプロピレンによって形成されており、シートバックの回動軌道上に位置する部位のみが熱可塑性エラストマー、例えばTPO(オレフィン系熱可塑性エラストマー)によって形成されている。以下の製造方法の説明においては、硬質プラスチック部分を第1樹脂部分102、熱可塑性エラストマー部分を第2樹脂部分103と呼ぶこととし、さらに硬質プラスチックを第1成形材料、熱可塑性エラストマーを第2成形材料と呼ぶこととする。
まず、成形型1の固定型2と可動型4とを図1の開いた状態から図2の互いに突き合わされた状態へと型締めする。これにより第1キャビティ10および第1樹脂供給部12を形成する。このとき、スライド駒群6は、図2,3に示す第1成形位置に配置しておき、第1キャビティ10と第2キャビティ14との連通面18を遮断しておく。
この状態で、公知の射出成形機によって第1樹脂供給部12に第1成形材料を射出によって供給し、第1キャビティ10に第1成形材料を充填する。これにより、第1樹脂部分102を成形する。これにより第1成形工程が完了する。
次に、可動型4を型締め位置に配置したまま、スライド駒群6をスライドさせて第2成形位置に配置する。すなわち、シリンダ31のロッド32を、第1スライド駒21が可動型4の凸部4bに接触するまで下げる。これによりスライド駒群6は第2成形位置に移動し、第1スライド駒21、第2スライド駒22、第3スライド駒23によって第2キャビティ14を形成するとともに、固定型2と第1スライド駒21との間に第2樹脂供給部16を形成する。
この状態で、公知の射出成形機によって第2樹脂供給部16に第2成形材料を射出によって供給し、第2キャビティ14に第2成形材料を充填する。このとき、第2成形材料は第2キャビティ14に沿う形状に成形され、接合面105で第1樹脂部分102に接触して一体化する。これにより、第2樹脂部分103を成形でき、第2成形工程が完了する。
この後、適宜冷却等して、型開きし、可動型4を固定型2から離して成形体を取り出す。適宜、バリ取りなどの処理をすることにより、射出成形体100を得ることができる。
この製造方法では、第1成形工程完了後、第2成形材料を射出するまでにスライド駒群6を第1成形位置から第2成形位置に移動させるが、各駒のスライド量が小さいため、より短い時間で位置切替することができる。特に、第2スライド駒22及び第3スライド駒23は第1スライド駒21に連動して動くため、確実に複数の駒を同時にスライドさせることができ、効率が良い。したがって、第1成形工程において成形された第1樹脂部分102や固定型2、可動型4が温かい間に第2成形材料を射出、成形することができ、射出成形体の接合強度がより良好な射出成形体100を得ることができる。また、公知のホットランナー(図示せず)を併用すれば、ランナー長を短縮することも可能になることから成形材料の歩留まりも向上させることができる。特に、本実施形態では、各スライド駒21〜23に第2キャビティ14を構成するキャビティ部分14a〜14cが一体化されており、各駒のスライドのみによって迅速に第2キャビティ14が第1キャビティ10に連通されるため、第1成形工程と第2成形工程との間の所要時間を短縮できる。
本実施形態は、上記実施形態に限定されるものではなく、種々の変更が可能である。
例えば、スライド駒群中のスライド駒の数は、3個に限定されず、2個や4個以上であっても良いことはもちろんである。図7(a)に2個のスライド駒によって上記実施形態の連通面18を遮断でき、且つ第2キャビティ14を構成するキャビティ部分を備えるスライド駒61,62を示す。これらは、図7(a)中、スライド駒61が左上に、且つスライド駒62が左下に向かってスライドすることにより、スライド駒61,62を一体的に一方向に移動させる場合に比して、より小さいスライド量で第2成形位置から第1成形位置まで移動することができる。この構成においても、上記実施形態と同様の連動する駆動機構を用いることができる。例えば、スライド駒61に左上から右下向かって押圧するシリンダを接続し、スライド駒62に図7中左方向または左下方向に不勢し、スライド駒62の左下−右上間のスライドを妨げない付勢手段を接続することにより、スライド駒61,62を連動させることができる。
また、スライド駒の移動形態は、本実施形態に限定されない。例えば、3つのスライド駒を有する場合、図7(b)に示すように、第1成形位置では、第1スライド駒71が第2成形位置よりも下方に位置し、第2スライド駒72、第3スライド駒73は、それぞれ第2成形位置よりも外側、すなわち図7(b)において左上側および右上側に位置していても良い。また、スライド駒の数が4以上の場合など、例えば、シリンダの数を2以上とし、付勢手段の数を(スライド駒数)−(シリンダ数)としても良い。また、複数のスライド駒どうしを互いに離間して設ける場合、駆動機構として例えばラックアンドピニオンなどの公知の構成を用いることで、スライド駒どうしを連動させることができる。
複数のスライド駒は、第2キャビティを構成するキャビティ部分を備えていなくても良い。スライド駒は、少なくとも、各々が前記連通面を部分的に遮断可能な部材である。例えば、本発明にかかるスライド駒とは別に、第2キャビティを備えるスライド型を備える射出成形型とすることができる。この成形型では、第1成形工程においては、スライド駒が第1キャビティの連通面を遮断し、第2成形工程においては、スライド駒が第1キャビティの連通面を遮断しない位置まで退避するとともに、第2キャビティを備えるスライド型が第1キャビティの連通面に密着する。
さらに、スライド駒群、すなわち複数のスライド駒は、可動型に設けられる形態に限定されず、固定型に設けられていても良い。
また、本製造方法を適用可能な樹脂系材料、及び樹脂系材料の組み合わせは、上記実施形態に限定されず、種々の熱可塑性樹脂や熱可塑性エラストマーの中から適当な樹脂系材料を選択することが可能である。
本発明の一実施の形態に係る成形型の側断面図である。 図1の成形型を第1成形位置において示す側断面図である。 図1の成形型のスライド駒部分を第1成形位置において示す拡大横断面図である。 図1の成形型のスライド駒部分を第2成形位置において示す拡大側断面図である。 図1の成形型のスライド駒部分を第2成形位置において示す拡大横断面図である。 図1の成形型を用いて製造し得る射出成形体の斜視図である。 スライド駒の移動形態の変形例を示す模式図である。 従来のスライド駒を備える成形型の要部を示す断面図である。
符号の説明
1 成形型
2 固定型
4 可動型
4a 凹部
4b 凸部
6 スライド駒群
10,71 第1キャビティ
10a,10b キャビティ面
12 第1樹脂供給部
12a 開口部
12b スプルー
12c ランナー
12d ゲート
14,73 第2キャビティ
14a,14b,14c キャビティ部分
16 第2樹脂供給部
16a 開口部
16b スプルー
16c ランナー
16d ゲート
18,75 連通面
21 第1スライド駒
21a 遮断部
21b,21c 端面
22 第2スライド駒
22a 遮断部
22b 端面
23 第3スライド駒
23a 遮断部
23b 端面
31 シリンダ
32 ロッド
41,46 付勢手段
42,47 ストッパ
42a,47a 押さえ
43,48 ロッド
43a,48a 抜け止
44,49 コイルばね
100 射出成形体
102 第1樹脂部分
103 第2樹脂部分
105 接合面
77 スライド駒
79 遮断部

Claims (4)

  1. 互いに突き合わされてキャビティを形成する固定型と可動型とを備える射出成形型であって、
    前記キャビティは、前記固定型と可動型との突き合せによって常に形成される第1キャビティと、この第1キャビティに連通して形成される第2キャビティとを備え、
    前記第1キャビティと前記第2キャビティとの連通面に沿って互いに異なる方向にスライド可能な複数のスライド駒が設けられ、
    前記複数のスライド駒は、連通面を遮断する第1成形位置と、第2キャビティを第1キャビティに連通した状態に形成する第2成形位置との間をスライドする
    ことを特徴とする射出成形型。
  2. 複数のスライド駒は、第1成形位置と第2成形位置との間を互いに連動してスライド可能である、請求項1に記載の射出成形型。
  3. 複数のスライド駒は、互いに接触して設けられ、
    少なくとも1つのスライド駒は当該スライド駒をスライドさせるシリンダを備え、他のスライド駒は第1成形位置または第2成形位置に向かって付勢されている、請求項2に記載の射出成形型。
  4. 異なる樹脂部分を備える射出成形体を製造する方法であって、
    固定型と可動型とを突き合せて第1キャビティを形成するとともに、第1キャビティに連通して形成される第2キャビティとの連通面を当該連通面に沿って互いに異なる方向にスライド可能な複数のスライド駒で遮断して、第1成形材料を第1キャビティに射出して第1樹脂部分を成形する第1成形工程と、
    前記第1成形工程後に前記複数のスライド駒をスライドさせて第2キャビティを第1キャビティに連通させて、第2キャビティに第2成形材料を射出して第2樹脂部分を第1樹脂部分に一体に成形する第2成形工程と
    を備える、射出成形体の製造方法。

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