JP2005262400A - 研削ホイール - Google Patents
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Abstract
【課題】切り屑を研削面から排除できる機能を所有させて研削機能を長時間維持させると同時に、研削効率を高め得る研削ホイールを提供する
【解決手段】カップホイール型に形成される基材ディスク2のフランジ部4表面に、ウエブの表面に無数の砥粒を付着させてなる研削部片6をその砥粒散布付着面6cの一部が露出する状態に重畳して複数枚ずつ扇形状に配列したものを、その各研削部片6の基端部で接着固定して、円周方向に複数ブロックに分けて配設して研削ホイール1を構成する。
【選択図】図1
【解決手段】カップホイール型に形成される基材ディスク2のフランジ部4表面に、ウエブの表面に無数の砥粒を付着させてなる研削部片6をその砥粒散布付着面6cの一部が露出する状態に重畳して複数枚ずつ扇形状に配列したものを、その各研削部片6の基端部で接着固定して、円周方向に複数ブロックに分けて配設して研削ホイール1を構成する。
【選択図】図1
Description
本発明は、被削材の研削・研摩を合理的に行うことができ、作業性を向上させたカップホイール型の研削ホイールに関するものである。
従来、鋼材などの研削や溶接箇所の溶接ビード部分の研削は、ハンドグラインダー用の回転砥石やカップホイール型のレジンボンド砥石(研削ディスク)を用いて行われている。この種カップホイール型の研削ディスクは、硬質粒子を未硬化の樹脂中に混入して成形後、加熱することにより樹脂を硬化させて形成されたものであるので、軽量で使い勝手がよい砥石工具として、多くの場面で使用されている。
また、研削能率の向上を図る研削ディスクとして、例えば特許文献1にて知られるような金属板製ディスク基材の周囲の表裏に、砥石部材層を一体に形成したものがある。このほかに、カップ部の周囲に半径方向に外方へ広がる反カップ側の面を凸面状にしてなる鍔部を有するハット形の台金における鍔部の表面に、多数の砥粒を点在させて固着した構成の砥石工具が特許文献2によって知られている。
しかしながら、前述のカップホイール型の研削ディスクでは樹脂結合層の強度不足で硬質粒子の脱落が早くて磨耗が激しく、研削作業能率を高められないという問題点がある。そのために、改善しようとして提案されている特許文献1で知られる砥石工具では、その台金として金属板を用い周囲に砥石部材層を設けるものであるが、やはり結合材に硬質粒子を混入させて砥石層を形成しているので、研削によって生じる切り屑が確実に外部に排除できない構造であるため、目詰まりが生じて研削が円滑に行えず、発熱を伴い研削効率の向上が望めない。言い換えると、高速回転させて研削を行ううちに研削不能になるという問題点がある。また、前記特許文献2によって知られる回転砥石においてもその砥粒の分布面で砥粒が研削によって脱落すると、台金の部分が接触するので研削が不能になるという問題がある。
本発明では、このような問題点を解消するためになされたものであって、研削作業に伴い砥粒の摩滅によって順次新たな砥粒が露出するようにして研削機能を維持させると同時に、切り屑を研削面から排除できる機能を所有させて研削効率を高め得る研削ホイールを提供するものである。
前記目的を達成するために、本発明による研削ホイールは、
カップホイール型に形成される基材ディスクのフランジ部表面に、ウエブの表面に無数の砥粒を付着させてなる研削部片をその砥粒付着面の一部が露出する状態に重畳して複数枚ずつ扇形状に配列したものを、その各研削部片の基端部で接着固定して、円周方向に複数ブロックに分けて配設された構成であることを特徴とするものである(第1発明)。
カップホイール型に形成される基材ディスクのフランジ部表面に、ウエブの表面に無数の砥粒を付着させてなる研削部片をその砥粒付着面の一部が露出する状態に重畳して複数枚ずつ扇形状に配列したものを、その各研削部片の基端部で接着固定して、円周方向に複数ブロックに分けて配設された構成であることを特徴とするものである(第1発明)。
前記発明において、ブロック状に配設される研削部片は、その研削先端縁が基材ディスクの軸心を通る放射線に対し所要角度傾斜して配置されているのがよい(第2発明)。
また、前記発明において、ブロック状に配設される研削部片は、その各ブロックの境に適宜寸法の空白部を形成して配列されているのがよい(第3発明)。
前記第1発明によれば、ディスクを回転させて被削面に研削層を接触させて研削を行うと、基材ディスクのフランジ部表面に形成されている研削層は、砥粒を全表面に分布付着させたウエブによる研削材で形成された多数枚の研削部片が、その先端部をフリーにして、その研削材の一部が露出するように重畳して扇形状に配列した状態で円周方向に複数ブロック設けられているので、その多数の研削部片の先端部分が順次被削面に接触して研削を行うことになる。前記研削層は、研削部片が研削材の露出部分を形成するようにずらせて配設されているので、いわば多数の研削材による筋が半径方向に形成されている状態を呈している。したがって、被削面に研削層が接触して多数の研削部片で研削されるとき、その各研削部片の先端部が断続的に研削することになり、この際被削面に接触して研削を行っている各研削部片の研削先端縁の前後に空間が形成されるので、この空間を通じて切削屑がディスクの回転による遠心力で外部に放出され、かつ気流が空間部を通り放熱されて目詰まりの発生がなく、発熱を抑えることができるので、砥粒の損耗も少なく、研削効果を高めることができる。また、研削層を形成している前記多数の研削部片は、研削に伴い摩滅するが、順次後続の部分が露出して研削効果を維持できるのである。また、研削部片を複数枚ずつ扇形に配列してブロックにすることで、ディスクのフランジ部表面への取付けに際し、重畳される研削部片の露出部分の幅を内径側と外径側との割合の差を少なくして円形に配分することを容易にし、製作コストの低減を図ることができる。
また、前記第2発明の構成を採用することにより、研削層を形成する重畳された研削部片が、その先端部をディスクの軸心から半径方向に延びる放射線に対して所要角度傾斜した状態であるから、研削部片の先端部は被削面に対して進行方向(回転方向)に傾斜による前側から後側へと線条で傾きを持って接触する。したがって、研削部片の接触先端縁がその傾斜角に相応する切込み角でもって削ることになり、一度に大きな負荷を受けることなしに研削して研削量を増やすことができる。また、切削によって発生する切り屑はその研削部縁に沿って前後に形成される空隙に沿って回転により生じる遠心力により内側から外側に放出され、切り屑の排除を速やかにかつ円滑に行うことができる。
また、前記第3発明の構成を採用すれば、基材ディスクのフランジ部表面に前記研削部片のブロックを配置するに際してそのブロックの境界部分に空間部を設けることにより、前記研削部片のブロックをディスク表面に対して取付ける作業を容易にし、加工作業の能率を高めることができる。そして、研削時に発生する切り屑の排除空間を拡大して高速回転での研削に際して目詰まり現象の予防を図り、研削効率を高めることができるという効果を奏する。
次に、本発明にかかる研削ホイールの具体的な実施の形態について、図面を参照しつつ説明する。
図1に示されるのは本実施形態の研削ホイールの正面図である。図2は図1におけるA−A視断面図であり、図3は要部の拡大断面図である。
この実施形態の研削ホイール1は、例えばポータブルグラインダなどで使用される形式のカップホイール型のもので、所要直径の金属板製の基材ディスク2におけるカップ部分3の周囲から所要の傾斜角で外周に延びるフランジ部4の表面に積層構造の研削層5が設けられたものである。なお、この実施形態の研削ホイール1は、前記ポータブルグラインダのみならず設置型の研削装置にも使用できる。
前記研削層5は、基布(本発明のウエブに相当する)の表面に無数の砥粒を散布して結合剤にて結合付着されたシート状の研削材を、前記フランジ部4の幅寸法L′よりやや短い長さLで所要の寸法の撥形に裁断してなる研削部片6を複数枚、その長辺に沿った一部(砥粒散布付着面6c、本発明の砥粒付着面に相当)を露出するように順次ずらせて重畳し、その重畳された複数枚の研削部片6で扇形状に揃えたものを1ブロック6Aとして、複数ブロックを前記基材ディスク2のフランジ部4の全周面上に配分し取付けて形成されている。なお、前記扇形状に組合わせたブロック6Aの各研削部片6は、前記基材ディスク2のフランジ部4表面に対して基端部6aを接着剤により接着して固定され、重畳される部分の先端部はフリーの状態になっている。また、その各研削部片6のフリーになる部分の向きが研削ホイール1としての回転方向(図に矢印Rで示す)に対する反回転方向に向くように取付けられる。さらに、前記ブロック6Aを構成するに際して、各研削部片6のフリー端(研削先端縁6b)は、基材ディスク2の回転中心を基点とする放射線aに対して適宜角度θで前記回転方向Rに対して外周側が下がるように傾斜させて配置されている。また、重畳されている各研削部片6の研削先端縁6b間寸法bも所要寸法に揃えて配されているのが好ましい。前記傾斜角度θとしては、10〜15°の範囲であるのが好ましい。
前記研削部片6として使用される研削材は、砥粒にアランダム,ジルコニアなど周知の研摩砥粒を使用されたものが用いられる。なお、その砥粒の粒度については、被研削物の物性などによって選択されたものが用いられる。また、前記基材ディスク2は金属板をプレス成形して所要の形状にされている。なお、この基材ディスクについては、繊維補強材に熱硬化性樹脂を加えて成形したものとすることもできる。
さらに、前記研削層5は、形成する複数枚の研削部片6の扇形状のブロック6Aが、それぞれの配置箇所で、隣接部に適宜間隔で空白部分8を設けて配置されるように分配されている。図中符号9は装着軸孔である。
このように構成される研削ホイール1は、従来の研削ホイールと同様に、例えばハンドグラインダ(図示せず)の出力軸に取付けて回転駆動させながら被研削物の被研削面20に研削層5をあてがって研削を行う。こうすると、本実施形態の研削ホイール1では、前述のように研削層5が多数枚の研削部片6を、その研削部片6のフリーになっている研削先端縁6bで砥粒散布付着面6cが適宜幅露出するように重畳して、全周にわたり複数枚ずつブロック状にされて取付けられているので、回転する研削層5を被削面に当接させて研削を行うと、図4に研削時の態様を説明する図によって表わされるように、多数段状に形成されてそれら研削部片6の研削先端縁6bが筋状に接して次々と被削面20を擦過して、付着する砥粒によって被削面20を研削する。
被削面20を研削する研削層5では、前述のように多数の筋状に形成される研削部を有するので、平面的に接触せず、各筋状を呈する研削先端縁6bの前後に空間cが形成されているので、それら各研削先端縁6bが鋭利な研削刃の働きをする。しかも、研削された切り屑はその空間cを通って回転による遠心力で順次外周部に放出され、研削部に滞留しないので、いわゆる目詰まりが生じない。また、研削によって順次破損する砥粒は切り屑とともに排出され、摩耗した研削先端縁6bは後続の基布に付着されたものが新たに機能して研削力の低下を招くことがない。
さらに、前記研削層5を形成する研削部片6の研削先端縁6bは、回転軸心からの放射線aに対して外周側を後方(反回転方向)に下げた傾斜角θを持たせて配置されているので、被削面20に対して研削先端縁6bが内周側よりも外周側が少しずれて接触するようにして、内側から外側へと切込む働きをなし、いわゆる切れ味を良くして研削機能を高め得るのである。加えて前述のようにその研削先端縁6bの前後には空間cが形成されているので、回転に伴う気流がその空間cを通過でき、研削時の加熱を低減させることができる。また、研削層5は多数枚の研削部片6によって形成するに当たり、複数枚ずつブロック状に配して基材ディスク2のフランジ部4の表面に取付けられ、その各ブロックの隣接部に空白部8を形成されているので、前記研削操作に際して、その空白部8においても研削屑の排除機能を発揮させることができ、目詰まり現象の発生がない研削ホイール1が得られる。したがって、研削層5の研削寿命を延長させ、研削機能も効果的に維持することができる。また、ブロック状に配されている研削部片6は、その各研削先端縁6bに隣接する砥粒付着面の露出部分を内周側から外周側へほぼ同じ幅にされているので、研削時に研削層5の全面を使用して有効に研削することができるのである。
また、研削層5における研削部片のブロック6A配設は、円錘状を呈する基材ディスク2の表面に対する研削部片6の取り付けを容易にする。すなわち、図1に示されるように、各研削部片6の研削先端部で砥粒散布付着面6cを所要寸法露出させるについて、その露出幅を平均的に一定に揃えると、外周側に較べて内周側が正しく配置できないことになるのを、許容できる割合で1ブロック当たりの枚数を規定するようにして、各ブロック6Aがほぼ同様の配分で無理なく配置できるように揃えたのである。こうすることにより、加工の容易性を確保して、品質向上とコストダウンを図ることができるのである。この様な配分でのブロック装着時、隣接部に空白部8を設けることで位置調整などにも役立たせ得るという効果が得られる。
以上の説明では、研削加工に用いるものとして記載したが、研削部片を構成する研削材における砥粒の選択により研摩加工用として使用することができ、このものも本発明の技術的範囲に属することはいうまでもない。
1 研削ホイール
2 基材ディスク
4 フランジ部
5 研削層
6 研削部片
6b 研削先端縁
6c 砥粒散布付着面
8 空白部
2 基材ディスク
4 フランジ部
5 研削層
6 研削部片
6b 研削先端縁
6c 砥粒散布付着面
8 空白部
Claims (3)
- カップホイール型に形成される基材ディスクのフランジ部表面に、ウエブの表面に無数の砥粒を付着させてなる研削部片をその砥粒付着面の一部が露出する状態に重畳して複数枚ずつ扇形状に配列したものを、その各研削部片の基端部で接着固定して、円周方向に複数ブロックに分けて配設された構成であることを特徴とする研削ホイール。
- ブロック状に配設される研削部片は、その研削先端縁が基材ディスクの軸心を通る放射線に対し所要角度傾斜して配置されている請求項1に記載の研削ホイール。
- ブロック状に配設される研削部片は、その各ブロックの境に適宜寸法の空白部を形成して配列されている請求項1に記載の研削ホイール。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2004080306A JP2005262400A (ja) | 2004-03-19 | 2004-03-19 | 研削ホイール |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
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JP2004080306A JP2005262400A (ja) | 2004-03-19 | 2004-03-19 | 研削ホイール |
Publications (1)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JP2005262400A true JP2005262400A (ja) | 2005-09-29 |
Family
ID=35087465
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
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JP2004080306A Withdrawn JP2005262400A (ja) | 2004-03-19 | 2004-03-19 | 研削ホイール |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JP2005262400A (ja) |
Cited By (2)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
CN106457525A (zh) * | 2014-06-10 | 2017-02-22 | 奥林巴斯株式会社 | 研磨工具、研磨方法及研磨装置 |
WO2020105912A1 (ko) * | 2018-11-20 | 2020-05-28 | 최재웅 | 엮음식 적층형 연마 디스크 및 이의 제작 방법 |
-
2004
- 2004-03-19 JP JP2004080306A patent/JP2005262400A/ja not_active Withdrawn
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WO2020105912A1 (ko) * | 2018-11-20 | 2020-05-28 | 최재웅 | 엮음식 적층형 연마 디스크 및 이의 제작 방법 |
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Legal Events
Date | Code | Title | Description |
---|---|---|---|
A300 | Withdrawal of application because of no request for examination |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A300 Effective date: 20070605 |