JP2005262138A - 卵殻膜を用いた有色溶液の脱色材及び脱色方法 - Google Patents
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Abstract
【課題】活性炭を用いた脱色方法は、多量の活性炭を必要とし、コスト高となる。また、微生物凝集剤やカチオン高分子凝集剤を用いて脱色する方法では、排水に応じて凝集剤を選択しなければならず、また、高価であるという問題があり、低コストかつ容易な有色排水の脱色方法が見当たらないのが現状である。
【解決手段】卵殻膜または、卵殻膜を導入したキトサンビーズを吸着剤として用いることにより着色溶液の脱色を行う。
【選択図】図7
【解決手段】卵殻膜または、卵殻膜を導入したキトサンビーズを吸着剤として用いることにより着色溶液の脱色を行う。
【選択図】図7
Description
この発明は、卵殻膜を用いて作られた脱色剤による卵殻膜を用いた有色溶液の脱色材及び脱色方法に関する。
有色排水を脱色する方法としては、従来、活性炭に吸着させて脱色する方法があり、この脱色方法には微生物凝集剤を用いて脱色する方法および無機あるいは有機凝集剤による凝集処理法と酸化・還元などの化学的手段による処理法が一般的に用いられている。
凝集処理法は、アルミニウム、鉄等の金属の塩化物、硫酸塩等を廃水中に加え、これに消石灰、ソーダ灰、その他のアルカリ剤を加えて、アルミニウム、鉄の水酸化物を形成させる方法である。廃水中の着色成分はこの水酸化物と一緒に凝集分離される。この凝集分離を促進させるために、ポリアクリルアミドやポリアクリル酸などの水溶性高分子凝集剤を併用することも知られている。
また、染色廃水にポリアミンを添加することにより、廃水中に溶解若しくは分散している染料を、不溶化、凝集させ、これらを水と分離する処理法が記載されている。このポリアミンはベンジルジアリルアミン誘導体の重合体あるいはベンジルジアリルアミン誘導体とジアリルアミン誘導体との共重合体であり、各種のものが開示されている。
特開昭63−126596号公報
特公昭52−34854号公報
活性炭を用いた脱色方法は、多量の活性炭を必要とし、コスト高となる。また、微生物凝集剤やカチオン高分子凝集剤を用いて脱色する方法では、排水に応じて凝集剤を選択しなければならず、また、高価であるという問題があり、低コストかつ容易な有色排水の脱色方法が見当たらないのが現状である。
また、上述した凝集処理法では、反応性染料、酸性染料、直接染料などの親水性の大きいアニオン系染料を処理する場合には、脱色効果が不十分であった。脱色効果を高めるために多量の凝集剤を加えると、無機凝集剤の場合では、スラッジ量が多くなる。そのため処理施設として大型のものが必要となり、経済的負担が問題となっていた。有機凝集剤の場合では、それだけでは完全な脱色は達成されず、また、多量に加え過ぎると逆に凝集が悪化するといった問題があった。
さらに、化学的手段による処理法では、染色工程で染料以外に均染剤、緩染剤、界面活性剤などの染色助剤や繊維加工剤が廃水中に混入してくる。そのため、染料だけを選択的に反応させることが難しく、脱色効率が非常に悪いという問題があった。例えば、オゾンを利用した脱色処理が昨今注目されており、この方法で染料だけの水溶液を処理すると極めて容易に脱色されることが認められる。しかし、実際の染色工場廃水で行ってみると、廃水中に酸化されやすい化学物質が混在しているため、多量のオゾンが必要となり、経済的に不利となるという問題があった。
次亜塩素酸、ハイドロサルファイトナトリウムを用いた酸化分解処理は安価で処理時間も短いが、次亜塩素酸、ハイドロサルファイトナトリウムそれ自体に生体毒性が確認されており、更に染料排水を処理すると処理後の廃液に毒性や変異原性を持つ物質を生成するため、環境に悪影響を与えるという問題があった。
本発明者らは、染料を含有する着色排水から、主として着色成分を除去する処理方法について鋭意研究を重ねた結果、卵殻膜、可溶化卵殻膜導入キトサンビーズ、及び粉末卵殻膜導入キトサンビーズを用いることにより低コストで容易に有色排水を脱色できることを見い出し、本発明を完成するに至った。
本発明は生物膜として卵殻膜を用いるが、卵殻膜については特にその種類を限定されるところはないが、材料調達の容易さとコストの点から一般には家禽類のもの、特に鶏のものが好ましい。
本発明によれば、卵殻膜は吸着による脱色剤として最も一般的に用いられている活性炭に比べ同程度の脱色能力があり、また高濃度においては活性炭よりも高い吸着量をこつことが示唆される。さらに、原料として安価かつ大量に調達できる卵殻膜を用いるので生産コスト上有利であるに加え、原料そのものが廃棄物として適切な処理を要するものでもあるため、資源再利用として非常に望ましい方法である。従って本発明は、着色排水の脱色に用いて有利である。
以下、実施例により本発明の方法をさらに具体的に説明する。卵殻を細粉し、超音波振とう機内にセットし、超音波を照射することにより卵殻と卵殻膜を分離した。風熱乾燥機で乾燥し、風力分離により卵殻と卵殻膜を分離した。分離した卵殻膜を吸着剤とした。
段落「0012」で調製した卵殻膜を1mol/LのNaOH水溶液100gに卵殻膜5gを加えホットプレートで加熱し卵殻膜を溶解し、卵殻膜可溶化液を調製した。溶液が中性になるように塩酸を加えた。溶けきらなかった成分はろ過して取り除いた。
キトサン4wt%、卵殻膜1wt%になるようキトサン可溶化液に卵殻膜可溶化液を加え、酢酸水溶液の量を調整し、全量を500mLとし可溶化卵殻膜導入キトサン溶液を調製し、グラスフィルターを用いて吸引ろ過した。ろ液を攪拌しているアルカリ凝固液(H2O:MeOH:NaOH=5:4:1wt/wt)に滴下し、可溶化卵殻膜導入キトサン溶液を直径約3mmのビーズ状に形成し、これを可溶化卵殻膜導入キトサンビーズとした、可溶化卵殻膜導入キトサンビーズを洗液が中性になるまで蒸留水で洗浄し、これを吸着剤とした。
キトサン4wt%、卵殻膜1wt%になるようキトサン可溶化液に卵殻膜可溶化液を加え、酢酸水溶液の量を調整し、全量を500mLとし可溶化卵殻膜導入キトサン溶液を調製し、グラスフィルターを用いて吸引ろ過した。ろ液を攪拌しているアルカリ凝固液(H2O:MeOH:NaOH=5:4:1wt/wt)に滴下し、可溶化卵殻膜導入キトサン溶液を直径約3mmのビーズ状に形成し、これを可溶化卵殻膜導入キトサンビーズとした、可溶化卵殻膜導入キトサンビーズを洗液が中性になるまで蒸留水で洗浄し、これを吸着剤とした。
吸着剤として、粉末卵殻膜を、比較対照として粉末活性炭を用いた。染料としてはAcid Blue29(アニオン染料)を用いた。回分式の撹拌装置を使用し、染料水溶液1Lと0.1gに秤量した各吸着剤を装置内にセットし、撹拌速度約450rpm、温度298Kで脱色実験を行った。濃度は吸光光度計を用いて590nmの波長で吸光度により測定した。
吸着剤として、粉末卵殻膜を、比較対照として粉末活性炭を用いた。染料としてはBasic Violet10(カチオン染料)を用いた。回分式の撹拌装置を使用し、染料水溶液1Lと0.1gに秤量した各吸着剤を装置内にセットし、撹拌速度約450rpm、温度298Kで脱色実験を行った。濃度は吸光光度計を用いて530nmの波長で吸光度により測定した。
吸着剤として、粉末卵殻膜と可溶化卵殻膜導入キトサンビーズを、比較対照として粉末活性炭とキトサンビーズを用いた。染料としてはEriochrome Blue Black B(クロム染料)を用いた。回分式の撹拌装置を使用し、染料水溶液1Lと0.1gに秤量した各吸着剤を装置内にセットし、撹拌速度約450rpm、温度298Kで脱色実験を行った。濃度は吸光光度計を用いて518nmの波長で吸光度により測定した。Eriochrome Blue Black BはpHにより発色が変わるので塩酸と水酸化ナトリウムによりpHを5.4に調製した。
キトサンビーズは、キトサン4wt%になるよう酢酸水溶液の量を調整し、全量を500mLとし、これをキトサン溶液とし、グラスフィルターを用いて吸引ろ過した。ろ液を攪拌しているアルカリ凝固液(H2O:MeOH:NaOH = 5:4:1 wt/wt)に滴下し、キトサン溶液を直径約3mmのビーズ状に形成し、これをキトサンビーズとした、キトサンビーズを洗液が中性になるまで蒸留水で洗浄し、これを吸着剤とした。
キトサンビーズは、キトサン4wt%になるよう酢酸水溶液の量を調整し、全量を500mLとし、これをキトサン溶液とし、グラスフィルターを用いて吸引ろ過した。ろ液を攪拌しているアルカリ凝固液(H2O:MeOH:NaOH = 5:4:1 wt/wt)に滴下し、キトサン溶液を直径約3mmのビーズ状に形成し、これをキトサンビーズとした、キトサンビーズを洗液が中性になるまで蒸留水で洗浄し、これを吸着剤とした。
吸着剤として、粉末卵殻膜と可溶化卵殻膜導入キトサンビーズを、比較対照として粉末活性炭とキトサンビーズを用いた。染料としてはAcid Red88(アニオン染料)を用いた。回分式の撹拌装置を使用し、染料水溶液1Lと0.1gに秤量した各吸着剤を装置内にセットし、撹拌速度約450rpm、温度298Kで脱色実験を行った。濃度は吸光光度計を用いて530nmの波長で吸光度により測定した。
キトサンビーズは段落「0016」と同じものを用いた。
キトサンビーズは段落「0016」と同じものを用いた。
吸着剤として、粉末卵殻膜と可溶化卵殻膜導入キトサンビーズを、比較対照として粉末活性炭とキトサンビーズを用いた。染料としてはEriochrome Black T(クロム染料)を用いた。回分式の撹拌装置を使用し、染料水溶液1Lと0.1gに秤量した各吸着剤を装置内にセットし、撹拌速度約450rpm、温度298Kで脱色実験を行った。濃度は吸光光度計を用いて493nmの波長で吸光度により測定した。Eriochrome Black TはpHにより発色が変わるので塩酸と水酸化ナトリウムによりpHを4.0に調製した。
キトサンビーズは段落「0016」と同じものを用いた。
キトサンビーズは段落「0016」と同じものを用いた。
Claims (5)
- 卵殻膜に溶液中の染料・色素を吸着させて除去することを特徴とする卵殻膜を用いた有色溶液の脱色方法。
- 卵殻膜を塩基性溶液か酵素、又は塩基性溶液と酵素の双方で溶解し、更に中和し卵殻膜可溶化液を調製する。キトサン溶液と卵殻膜可溶化液を混合し、可溶化卵殻膜導入キトサン溶液を調製する。この可溶化卵殻膜導入キトサン溶液を形成することによって得られることを特徴とする卵殻膜を用いた有色溶液の脱色剤。
- キトサン溶液と卵殻膜可溶化液を混合し、可溶化卵殻膜導入キトサンを調製する。この可溶化卵殻膜導入キトサンを形成することによって得られることを特徴とする卵殻膜を用いた有色溶液の脱色剤。
- 上記、請求項2の可溶化卵殻膜導入卵殻膜導入キトサンを用いて溶液中の染料・色素を吸着させて除去することを特徴とする有色溶液の脱色方法。
- 上記、請求項3の粉末卵殻膜導入キトサンを用いて溶液中の染料・色素を吸着させて除去することを特徴とする有色溶液の脱色方法。
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WO2009152172A2 (en) * | 2008-06-09 | 2009-12-17 | Alcoa Inc. | Defluoridation of water |
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2004
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