JP2005261203A - 骨格筋の組成及び量を改善する薬剤をスクリーニングする方法 - Google Patents

骨格筋の組成及び量を改善する薬剤をスクリーニングする方法 Download PDF

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Abstract

【課題】 本発明は、骨格筋の量および赤筋の割合を調節している原因物質を解明し、この機能を利用して、筋組織の重量及び/又は組成の調節をできるようにするものであり、筋組織の重量及び/又は組成の調節するための剤(組成物)、そのためのスクリーニング方法などを提供する。
【解決手段】 本発明は、FOXO1タンパク質が、筋組織の重量や組成を調節する重要な機能を担っていることを初めて見出したものであり、FOXO1タンパク質の発現量や活性を調節することによる、筋組織の重量や組成の調節を提供するものである。即ち、本発明は、FOXO1タンパク質又はその機能調節剤からなる筋組織の重量及び/又は組成の調節剤に関する。また、本発明は、FOXO1タンパク質を用いた、骨格筋の組成及び量を調節する薬剤のスクリーニング方法に関するものである。
【選択図】 なし

Description

本発明は、FOXO1タンパク質が、筋組織の重量や組成を調節する重要な機能を担っていることを初めて見出したものであり、FOXO1タンパク質の発現量や活性を調節することによる、筋組織の重量や組成の調節を提供するものである。即ち、本発明は、FOXO1タンパク質又はその機能調節剤からなる筋組織の重量及び/又は組成の調節剤に関する。また、本発明は、FOXO1タンパク質を用いた、骨格筋の組成及び量を調節する薬剤のスクリーニング方法に関するものである。さらに、本発明は、FOXO1タンパク質をコードするポリヌクレオチドをゲノムDNAに保有し、FOXO1蛋白質を骨格筋で過剰に発現するヒト以外のトランスジェニック動物に関する。
骨格筋は、平滑筋や心筋などの不随意筋とは異なり、その大部分は随意筋であり、ヒトの運動器官として機能している。骨格筋は、多数の筋線維からできており、筋線維は約15cmにも達する非常に長い骨格筋細胞からできている。このような骨格筋には、大きく分けて2種類のものがあり、そのひとつは赤筋(タイプI、遅筋)とよばれる筋であり、ミトコンドリアや、ヘモグロビンによく似たミオグロビンが多数存在するために赤色のように見える筋である。他のひとつは白筋(タイプII、速筋)と呼ばれる筋であり、赤筋に比べてミオグロビンもミトコンドリアも少ない筋である。赤筋はマラソンなどのような有酸素運動を長時間する運動に適している。これはミトコンドリアが豊富でTCA回路が活発であり、またミオグロビンの量が多く、酸素運搬が活発であるからである。さらに、赤筋はクレアチンキナーゼの活性が高くエネルギーを多く産生しうる。一方、白筋は無呼吸運動、短距離走に適している。白筋は解糖作用のよるATPを主なエネルギー源としている。
このように、骨格筋には、持続的な運動に適している赤筋と、瞬発的な運動にてきしている白筋があるが、赤筋と白筋の割合は常に一定ではなく、運動神経の活性の変化により生理学的に制御されている。例えば、持久的な運動を長期間継続することにより赤筋の割合および量は増加する。また、寝たきりや宇宙船での無重力が継続することにより筋量は減少し、赤筋と白筋の割合の変化が起こされることが知られる(非特許文献1参照)。
また、糖尿病患者と肥満者の筋肉では赤筋の割合が低いという報告がある(非特許文献2及び3参照)。赤筋(遅筋)と白筋(速筋)の割合を決定する機構を解明することはエネルギー消費の分子理解につながり、高齢者の主要な疾患である生活習慣病研究の観点から意義があると考えられる
このように、赤筋と白筋の量や割合の決定の機構はスポーツ科学、医学において長い謎であったが、最近、その一端が明らかになった。
このような赤筋と白筋の割合の変化は、カルシウムシグナル伝達系、並びにカルシネウリン(calcineurin)およびキナーゼ依存性カルモヂュリン(calmodulin-dependent kinase(CaMK))などが関与していることが報告されている(非特許文献4及び5参照)。
これらのシグナルにより、Mef2やNFATの機能が活性化され、赤筋に特異的な遺伝子の発現が促進されると考えられている。また、近年になって、PGC−1αを発現するトランスジェニックマウスにおいて、マウスの白筋のミトコンドリアが活性化され、赤筋に変化したことから、PGC−1αが赤筋の形成を誘導することが報告された(非特許文献6参照)。
即ち、赤筋の増加にPGC−1α蛋白質が関与していることが明らかにされてきたのである。
一方、フォークヘッド型転写因子のサブタイプとして、FOXO1(FKHR)、FOXO4(AFX)及びFOXO3a(FKHRL1)などが知られている(非特許文献7及び8参照)。FOXOファミリーは、細胞の代謝、細胞周期、及びアポトーシスなどの、細胞の様々な機能を調節する転写因子である。特に、FOXO1は最初、横紋筋肉腫細胞からクローニングされた転写因子であり、他の転写因子であるPAX3と共に染色体の転座により、異常な融合タンパク質を生ずる。さらに、FOXO1は、細胞の分化を調節し、FOXO1の構成的な活性型は、脂肪前駆細胞の分化を抑制し、筋芽細胞の筋管の融合を促進する。
さらに、近年になって、FOXO1のノックアウトマウスが作成された。FOXO1の片方のアレルが欠損した場合には、脂肪細胞におけるインスリン感受性遺伝子の発現を促進し、肝臓での糖新生遺伝子の発現を抑制することにより、インスリン感受性を改善し、インスリン耐性マウスにおける糖尿病の症状を軽減させたことが報告されている(非特許文献9参照)。また、本発明者らは、FOXO1が、エネルギーが欠乏した状態の骨格筋、例えば、絶食させたマウスやストレプトゾトシン(streptozotocin)で誘発した糖尿病やトレッドミルで走らせた後のような状態の骨格筋で発現誘導していることを報告してきた(非特許文献10参照)。このように、FOXO1について、インビボやインビトロでの多数の研究がなされてきたが、骨格筋におけるFOXO1の生理学的役割は未だに未解明であった。
また、PGC−1αとフォークヘッド型転写因子のFOXO1蛋白質が、肝臓において複合体を形成し、遺伝子の発現を制御していることが報告された(非特許文献11参照)。前述してきたように、PGC−1αは赤筋を増やすことが知られているが、しかしFOXO1や関連タンパクの骨格筋での生理的役割は解明されていない。
Berchtold, M. W., Brinkmeier, H., and Muntener, M. (2000) Physiol. Rev. 80, 1215-1265 Gaster M et al, Diabetes. 2001, 50:1324-9 Tanner CJ et al, Am J Physiol Endocrinol Metab. 2002, 282:E1191-6 Chin, E. R., Olson, E. N., Richardson, J. A., Yang, Q., Humphries, C., Shelton, J. M., Wu, H., Zhu, W., Bassel-Duby, R., and Williams, R. S. (1998) Genes Dev. 12, 2499-2509 Wu, H., Naya, F. J., McKinsey, T. A., Mercer, B., Shelton, J. M., Chin, E. R., Simard, A. R., Michel, R. N., Bassel-Duby, R., Olson, E. N., and Williams, R. S. (2000) EMBO J. 19, 1963-1973 Lin, J., Wu, H., Tarr, P. T., Zhang, C. Y., Wu, Z., Boss, O., Michael, L. F., Puigserver, P., Isotani, E., Olson, E. N., et al. (2002) Nature 418, 797-801 Anderson, M. J., Viars, C. S., Czekay, S., Cavenee, W. K., and Arden, K. C. (1998) Genomics 47, 187-199 Kaestner, K. H., Knochel, W., and Martinez, D. E. (2000) Genes Dev. 14, 142-146 Nakae, J., Biggs, W. H. 3rd., Kitamura, T., Cavenee, W. K., Wright, C. V., Arden, K. C., and Accili, D. (2002) Nat. Genet. 32, 245-253 Kamei, Y., Mizukami, J., Miura, S., Suzuki, M., Takahashi, N., Kawada, T., Taniguchi, T., and Ezaki, O. (2003) FEBS Lett. 536, 232-236 Puigserver, P., Rhee, J., Donovan, J., Walkey, C. J., Yoon, J. C., Oriente, F., Kitamura, Y., Altomonte, J., Dong, H., Accili, D., and Spiegelman, B. M. (2003) Nature 423, 550-555
骨格筋は糖取込みに重要で、またエネルギー消費がさかんな器官である。骨格筋の量および赤筋の割合を増加させることは、糖尿病および肥満の病態の改善につながると考えられる。しかしながら、骨格筋の量および赤筋の割合の調節の正確な機構は未だ明らかにされていない。骨格筋の量および赤筋の割合を決定する機構を解明し、薬剤開発のスクリーニングの指標となる系を確立することが求められている。
即ち、本発明は、骨格筋の量および赤筋の割合を調節している原因物質を解明し、この機能を利用して、筋組織の重量及び/又は組成の調節をできるようにするものであり、筋組織の重量及び/又は組成の調節するための剤(組成物)、そのためのスクリーニング方法などを提供するものである。
赤筋の増加にPGC−1αが関与していることが報告され(非特許文献6参照)、そして、肝臓においてはPGC−1αとFOXO1が複合体を形成していることも報告されてきた(非特許文献11参照)。しかし、FOXO1と赤筋との関連性については未だ解明されていないので、本発明者らは、筋肉の赤筋と白筋の量・割合の決定において、FOXO1が関わっているかもしれないと予想し、その可能性を調べるためにFOXO1を筋肉で発現するトランスジェニックマウスを作成して検討することにした。
この結果、驚くべきことにFOXO1の過剰発現型のマウスの筋肉は赤ではなく、明らかに白っぽくなっていた。ジーンチップ解析をすると赤筋のアイソフォームの一群の発現が下がっており、組織観察によりヒラメ筋など、もともと赤い筋肉であるにもかかわらず、赤筋の量が顕著に下がっていた。このことはFOXO1は筋肉の赤筋、白筋を決定する役割を担う新たな重要な分子であることを示す。また、PGC−1αの発現の促進も観察されたが、赤筋の増加が見られないことから、FOXO1タンパク質が筋組織の重量や組成を決定する上で決定的な機能を果たしていることを見出した。
即ち、本発明者らは、FOXO1タンパク質により、筋組織の重量や組成が調節されており、FOXO1の発現量や活性を調節することにより、筋組織の重量や組成を調節することができることを初めて見出し、本発明に至った。
即ち、本発明は、FOXO1タンパク質又はその機能調節剤からなる筋組織の重量及び/又は組成の調節剤に関する。
に記載の調節剤。
また、本発明は、筋組織の細胞または動物個体に被験物質を作用させ、筋組織の細胞におけるFOXO1タンパク質の活性を測定することからなる、筋組織の重量や組成の調節に有効な物質をスクリーニングする方法に関する。
さらに、本発明は、FOXO1タンパク質をコードするポリヌクレオチドをゲノムDNAに保有し、FOXO1蛋白質を骨格筋で過剰に発現するヒト以外のトランスジェニック動物にも関する。
本発明者らは、ブレンナンらによるヒトα−骨格筋アクチンプロモーター(Brennan, K. J., and Hardeman, E. C. (1993) J. Biol. Chem. 268, 719-725)を用いて、ヒトFOXO1を骨格筋において発現するトランスジェニックマウスを作成した。導入した5kbの遺伝子構築物を図1に模式図で示す。遺伝子部分はエキソン1とイントロン含み、その5’末端側にはウシ成長ホルモンのポリアデニルサイトを含有している。この遺伝子構築物をマイクロインジェクション法によりマウスに導入して、トランスジェニックマウスを作成した。得られたFOXO1過剰発現型トランスジェニックマウスの2系統を、それぞれ「A1マウス」及び「A2マウス」と命名した。
これらのマウスについてFOXO1遺伝子の発現をサザンブロットで検出した。結果を図2に図面に代わる写真で示す。図2の各レーンは左側から、野生型、A1マウス、A2マウスをそれぞれ示す。各写真の下側の数値は、サザンブロットの結果をオートラジオグラフィーのデンシトメーターのスキャニングにより推定したコピー数を示す。その結果、A1マウスには2コピーが導入され、A2マウスには10コピーが導入されたことがわかった。
次に、FOXO1遺伝子を導入したトランスジェニックマウスのFOXO1遺伝子の発現をノーザンブロットにより検定した。結果を図3に図面に代わる写真で示す。図3の上段は、ヒトFOXO1の発現であり、下段はGadd45αで再ハイブリダイズした結果を示す。各段のLine A1はA1マウスであり、Line A2はA2マウスであり、Controlは野生型を示す。28Sは28SリボソームRNAであり、陽性コントロールとして示す。各レーンは、左側から脳、灰色脂肪組織(BAT)、心臓、腎臓、肝臓、肺、腓腹筋(Gastro.)、四頭筋(Quadri.)、白色脂肪組織(WAT)をそれぞれ示す。各レーンのRNAの量は20μgである。この結果、骨格筋においては約3.5kbのところに導入した遺伝子のブロットを確認することができた。図3では骨格筋として腓腹筋(Gastro.)、及び四頭筋(Quadri.)(注:4個の頭を有する筋で、大腿四頭筋及びふくろはぎの腓腹四頭筋をいう。)のみを示しているが、発現は前脛骨筋(TA)、長指伸筋(EDL)及びヒラメ筋においても導入した遺伝子の発現を確認することができた。
次に、FOXO1タンパク質の発現を確認するために、ヒトFOXO1及びマウスFOXO1に反応する抗体を用いてイムノブロットを行った。抽出されたタンパク質30μgをSDS−PAGEで展開し、抗体で染色した。結果を図4に図面に代わる写真で示す。図4の各レーンは左側から、野生型、A1マウス、A2マウスをそれぞれ示す。各写真の下側の数値は、サザンブロットの結果をオートラジオグラフィーのデンシトメーターのスキャニングにより推定した発現量を野生型を100とした相対値で示す。その結果、A1マウスでは約2.2倍の発現が見られ、A2マウスでは約3倍の発現が見られた。
次にこれらのマウスを解剖してその所見を観察した。結果を図5に図面に代わる写真で示す。図5の左側はA1マウスと野生型の場合であり、右側はA2マウスと野生型の場合である。図5のそれぞれの上段は野生型であり、下段は遺伝子導入マウスである。図5の各写真の左側から前脛骨筋(TA)、長指伸筋(EDL)及びヒラメ筋(Sol)である。A1マウスについては8月齢を、A2マウス及びコントロールの同腹子については6月齢を、解剖し足の骨格筋を取り出した。前脛骨筋(TA)は赤筋と白筋を含有し、長指伸筋(EDL)は白筋が豊富であり、ヒラメ筋(Sol)は赤筋が豊富な筋である。この結果、前脛骨筋及びヒラメ筋において、コントロールの同腹子よりもFOXO1遺伝子導入マウスのほうが、サイズが小さく、色も白色がかっていた。
FOXO1遺伝子を導入したマウスは、コントロールの野生型マウスに比べて小さく、足も細かったので、これらのマウスの体重を調べた。FOXO1遺伝子を導入したマウスは、雄も雌も野生型に比べて約10%軽かった。さらに、デュアルエネルギーX線アブソープションメトリー(DEXA)を用いて、赤身体重(脂肪を除いた体重)を測定した。測定は、A1マウスについては5月齢を、A2マウス及びコントロールの同腹子については4月齢で行った。結果を次の表1に示す。
表1の数値は平均±標準偏差で示す。*はp<0.05で、**はp<0.01で、***はp<0.001で有意差があることを示す。
体重及び赤身体重は、コントロールの野生型に比べて、FOXO1遺伝子を導入したマウスのほうが雄も雌も軽かった。しかし、全体重に対する脂肪の比率(脂肪率)は、両者で大きな相違は見られなかった。即ち、両者の体重の相違は、脂肪によるのではなく、赤身、即ち筋の量による相違である。このことは、図5に示したように、FOXO1遺伝子を導入したマウスでは骨格筋自体が小さく、色も白味がかっており、しかもFOXO1遺伝子を導入したマウスはえさの消費率も少なかった。なお、表1には併せて血液代謝(乳酸、グルコース)、及びインスリンレベルを示す。
次に、トランスジェニックマウスにおける遺伝子発現の変化を調べるために、骨格筋のRNAを用いたマイクロアレーによる分析を行った。FOXO1遺伝子を導入したマウス及び野生型の各の4月齢の雄の骨格筋から3サンプルを取り、12489種の遺伝子を含有するアフィメトリックスMGU74Aマイクロアレー(Affymetrix MGU74A microarray)でハイブリダイズさせ、アフィメトリックス遺伝子チップ3.1(Affymetrix Gene Chip 3.1)のソフトを用いて解析した。解析した12489の遺伝子のうち、野生型は2500種が、A1マウスは2490種が、A2マウスは2510種が実質的に発現していた。これらを、すでに報告されている分類法により(Adams, MD, et al., (1995) Nature 377, 3-174)分類した。結果を次の表2に示す。
表2中のカテゴリー及びサブカテゴリーは従来の分類法による。変化における↑/↓印は、野生型に比べて有意に増加/減少していたことを示す。比較のために、絶食による遺伝子の発現の変化を表2の右側に添付している。表2中の絶食実験の平均偏差の欄の「Absence」はマイクロアレーのソフトを用いて計算した遺伝子の転写が無かったことを示す。
FOXO1遺伝子を導入したマウスのA1系統もA2系統も、22種の遺伝子において、その発現が減少していたことがわかった。表2に記載の遺伝子は、上から、A1系統のマウスにおいて、これらの遺伝子の発現量の変化の多い順に従って並べられている。変化量の計算は、プローブアレーにおける各の転写の表示の相対的変化を示すものとして行われた。平均変化(average difference)の値は、各々の遺伝子の存在量のマーカーとなっている。
FOXO1遺伝子が導入されて発現が減少した遺伝子が最も多いカテゴリーは、細胞構造(cell structure)である。減少した19遺伝子のうちの9種は細胞構造に属する遺伝子であった。また、FOXO1の導入により発現が促進された遺伝子もあったが、これらは各種のカテゴリーに分散していた。
この結果、FOXO1遺伝子を導入したマウスの骨格筋では、ミオシンのアイソフォーム(表2の1,4及び6番)、トロポニンのアイソフォーム(表2の2,5及び7番)、トロポミオシンの遅筋タイプ(表2の13番)、ミオグロブリン(表2の12番)などの赤筋(タイプI)の構造タンパク質に関連する遺伝子の発現が減少していた。これは、FOXO1遺伝子を導入したマウスの骨格筋が白味がかって見えたこと(図5参照)とよく一致している。また、赤筋(タイプI)ではミトコンドリアが白筋よりも多いが、マイクロアレーにおいては、ミトコンドリアに関連する遺伝子、即ち電子伝達系に関連する遺伝子の発現には格別の相違は見られなかった。さらに、白筋(タイプII)のアイソフォームの遺伝子の発現についても格別の相違は見られなかった。
以上のマイクロアレーの分析に基づいて、赤筋や白筋のマーカーとなる遺伝子についてノーザンブロットを行った。結果を図6に図面に代わる写真で示す。FOXO1遺伝子を導入したマウスのA1系統及びA2系統、並びに野生型の四頭筋から抽出した全RNA(各レーン20μg)を用いた。図6の左側にハイブリダイズに使用した遺伝子名を示し、右側にデンシトメトリーによる相対値(野生型を100とする。)を示す。各膜に同じサンプルが使用されたことを、28SリボソームRNAのエチジウムブロマイドを用いた染色により確認した。各レーンはそれぞれのマウスからのサンプルを示す。
この結果、FOXO1遺伝子を導入したマウスにおいては、FOXO4やFOXO3αなどのFOXOファミリーのmRNAには格別の影響を及ぼしていないことがわかった。マイクロアレーの結果示された、トロポニンC(遅筋型)(表2の2番)、ミオシン軽鎖(MLC−2)(表2の6番)、トロポニンT(遅筋型)(表2の7番)、ミオグロビン(表2の12番)、及びミトコンドリア型クレアチンキナーゼ(mitochondrial creatine kinase (mtCK))(表2の15番)などの赤筋(タイプI)のタンパク質の遺伝子の発現の減少が確認された。一方、赤筋(タイプI)に豊富に存在することがしられている、チトクロームcオキシダーゼII及びIV(COXII及びIV)、FOF1−ATPaseなどのミトコンドリアの電子伝達系を構成する遺伝子の発現レベルには大きな変化は見られなかった。また、トロポニンI(速筋型)、トロポニンT(速筋型)及びミオシン(速筋型)の遺伝子の発現は野生型と大きな変化は無かった。
さらに、赤筋の生成に関連性があると報告されているMef2、NFAT、CaMK、及びPGC−1αについても検討した。FOXO1遺伝子を導入したマウスにおいては、PGC−1αのmRNAレベルが増加している(図6のレーンA2参照)。しかし、Mef2c及びCaMKについては、遺伝子の発現レベルは減少していた。このことから、FOXO1によって媒介される赤筋(タイプI)の遺伝子の発現抑制は、部分的にはMef2c及びCaMKによって制御されていると考えられる。
次に、FOXO1遺伝子を導入したマウスの組織学的検討を行った。pHの相違により、赤筋(タイプI)と白筋(タイプII)におけるアクトミオシンATPase(Actmyosin ATPase)を区別することができる。即ち、pH10.6では、白筋(タイプII)の筋細線維を十分に染色することができるが、赤筋(タイプI)は染色されない。また、pH4.3では、赤筋(タイプI)の筋細線維を十分に染色することができる(Berchtold, M. W., et al., (2000) Physiol. Rev. 80, 1215-1265)。
3月齢のA2マウス及び野生型の同腹子の、それぞれから骨格筋(ヒラメ筋)を取り出しpH4.3又はpH10.5で、ATPaseの染色をした。この横断面を顕微鏡で観察した。結果を図7に図面に代わる写真で示す。図7の上段はpH4.3での染色(赤筋)の結果を示し、下段はpH10.5での染色(白筋)の結果を示す。図7の左側はコントロールの野生型であり、右側はFOXO1遺伝子を導入したマウス(A2系統)を示す。図7中のバーは50μを示す。
この結果、FOXO1遺伝子を導入したマウスでは赤筋が大きく減少していることがわかった。
また、細胞の大きさも、FOXO1遺伝子を導入したマウスでは細くなっていることがわかる。これらの断面積の測定結果は、
A1系統;FOXO1遺伝子を導入したマウス 11.5±0.8μm
コントロールマウス 20.0±2.7μm
A2系統;FOXO1遺伝子を導入したマウス 9.8±0.5μm
コントロールマウス 14.1±1.9μm
であった。また、赤筋(タイプI)の割合は少なくなっており、
A1系統;FOXO1遺伝子を導入したマウス 28.6±1.3%
コントロールマウス 37.8±2.2%
A2系統;FOXO1遺伝子を導入したマウス 20.2±2.3%
コントロールマウス 40.4±2.0%
であった。
ミオグロブリン(赤筋に豊富に存在する。)の抗体による免疫学的な組織学による実験結果は、FOXO1遺伝子を導入したマウスの骨格筋において赤筋(タイプI)が減少していることを明瞭に示した。しかしながら、FOXO1遺伝子を導入したマウスの骨格筋のサンプルには、ミトコンドリアの異常、グリコーゲンの蓄積、空胞の形成、及び筋線維の退化などの構造的な異常は無かった。
次に、マウスの運動機能を回転車による運動について検討した。9〜10週齢の雌のマウスを用いて、直径20cmの回転車による自発的運動を6日間行わせ、その累積の回転数を記録した。各サンプル数は3〜6匹である。結果を図8にグラフ化して示す。図8の横軸は日数であり、縦軸は累積回転数を示す。各グラフの白抜きはコントロールの野生型であり、黒抜きはFOXO1遺伝子を導入したマウスである。図8の左側は、A1系統の場合であり、右側はA2系統の場合である。図8には雌の結果を示してあるが、雄についても同様な結果が得られた。
この結果、FOXO1遺伝子を導入したマウスでは、大幅な運動機能の低下が見られた。これは、FOXO1遺伝子を導入したマウスにおいては、骨格筋の量及び赤筋(タイプI)の遺伝子の発現が減少した結果、継続的な運動を維持することができなくなったためであると考えられる。
次に、内在性のFOXO1の発現と赤筋(タイプI)の筋細線維遺伝子の発現の関係を検討した。FOXO1は絶食しているマウスの骨格筋において、最も発現増加しているので(Kamei, Y., et al., (2003) FEBS Lett. 536, 232-236)、絶食したマウス(48時間)によるマイクロアレー分析を行った。Gadd45αの発現は絶食により4.7倍になった。絶食によって遺伝子の発現が変化した結果は、表2の右側に記載されている。絶食により、FOXO1の発現の減少だけでなく、多くの遺伝子の発現が減少した。
絶食したマウスの骨格筋によるノーザンブロットを行った。マウスを3グループに分け、第1のグループは通常どおり食事をさせ(コントロール)、第2のグループは48時間絶食させ、第3のグループは48時間絶食させた後、8時間食事を与えた(refed)。それぞれのマウスの骨格筋(四頭筋)からRNAを抽出して、ノーザンブロットを行った。結果を図9に図面に代わる写真で示す。図9の右側はハイブリダイズさせた遺伝子名を示し、各レーンは個々のマウスからの結果を示す。図9中の数値は、デンシトメーターによる相対値である。
この結果、48時間の絶食により、内在性のFOXO1及びGadd45α遺伝子の発現は減少したが、その後回復した。トロポニンC(遅筋型)、MLC−2(遅筋型)、トロポニンT(遅筋型)、及びミオグロビンの遺伝子発現が、絶食により多少減少した。PGC−1αの発現も絶食により発現増加されるので、PGC−1αの増加が、絶食中の内在性のFOXO1の増加による赤筋(タイプI)遺伝子の発現の減少を弱めているのであろう。
以上のことから、本発明のFOXO1の機能をまとめて模式的に示したのが、図10である。FOXO1は、赤筋(タイプI)の筋細線維の形成における負の調節因子である。その作用は、FOXO1の増加は、赤筋(タイプI)の筋細線維の増加に寄与するMef2cやCaMKの産生を減少させる。さらに、FOXO1は、PGC−1αのミトコンドリアの生理活性ではなく、赤筋(タイプI)の遺伝子の発現を減らす方向に作用し、両者が競合してPGC−1αの作用を妨害する。また、カルシウムシグナル伝達系の活性化は、PI3KとAkt経路を活性化し、FOXO1のリン酸化を促進するために、FOXO1の核外への放出やFOXO1の分解が促進され、その結果FOXO1の作用が抑制される。この結果として、赤筋(タイプI)の遺伝子の発現の抑制が解除されることになる。
以上に示してきた実験結果に基づき、骨格筋におけるFOXO1の発現の増加は筋肉量の減少および赤筋量の減少と関連することが示された。すなわち、これらのデータはヒトの筋肉量の減少の予防および治療に利用できることを示している。FOXO1経路の骨格筋での不活性化は赤筋の減少がひき起こす疾患、例えば、老人性の筋萎縮症(サルコペニア)、糖尿病や肥満などの予防や治療のドラッグデザインの新しいストラテジーになると考えられる。つまり骨格筋でのFOXO1を介する転写を下げる薬物は筋肉の増加に効果があると考えられる。ひとつの方法は骨格筋でのFOXO1遺伝子発現の誘導の抑制である。他の方法としてはFOXO1と他のタンパクPGC−1αなどとのタンパクータンパク相互作用を引き離すことである。
本発明は、FOXO1タンパク質が、骨格筋の重量や、大きさ、組成などを調節する重要な機能をになっていることを初めて明らかにしたものであり、FOXO1タンパク質の発現量やその活性を調節することにより、筋組織の重量や組成を調節することができることを開示するものである。
したがって、本発明は、FOXO1タンパク質又はその機能調節剤からなる筋組織の重量及び/又は組成の調節剤を提供するものである。本発明のFOXO1タンパク質としては、FOXO1の全長のタンパク質若しくは活性を有する部分長のタンパク質であってもよく、また、当該タンパク質をコードする遺伝子として生体に導入してもよい。遺伝子の導入法としては、ウイルスなどをベクターとして使用する公知の方法を採用することができる。
また、本発明のFOXO1タンパク質の機能調節剤としては、生体内におけるFOXO1タンパク質の発現量や活性を調節できるものであれば特に制限はない。例えば、アンチセンス遺伝子を導入してタンパク質の発現を抑制してもよいし、FOXO1の抗体、好ましくはモノクローナル抗体を採用することもできる。また、FOXO1の機能を促進又は阻害する合成化学物質を投与することも可能である。また、FOXO1タンパク質の機能の調節としては、FOXO1タンパク質の発現を促進又は抑制するものや、活性を亢進又は阻害するものが挙げられる。より、詳細には、FOXO1タンパク質の機能調節剤が、
(a)FOXO1蛋白質の発現量を減少させる;
(b)FOXO1蛋白質の転写活性を減少させる;又は、
(c)FOXO1蛋白質とPGC−1αの結合を減少させる;
のいずれかの活性を有するものが挙げられる。具体的には、例えば、発現量を減少させるものとしては、アンチセンス遺伝子などが挙げられる。転写活性を減少させるものとしては、FOXO1は、カルシウムシグナルによりリン酸化されて、核外に放出されたり、分解されたりすることから、カルシウムシグナル伝達を亢進する物質などが挙げられる。さらに、FOXO1蛋白質とPGC−1αの結合を減少させるものとしては、FOXO1蛋白質やPGC1αタンパク質とより強い親和性を有する化学物質などが挙げられる。
本発明の筋組織の重量及び/又は組成の調節剤は、生体内におけるFOXO1タンパク質の発現量や活性を亢進又は阻害することにより、筋組織、例えば骨格筋の重量や組成を調節できるものである。前記の実験例において説明してきたように、FOXO1タンパク質の発現量や活性を亢進することにより、筋組織の重量が減少し、組成としては赤筋が減少し、白筋が増加することになるので、筋肉体質を通常の体質に戻す場合や、過剰の筋肉が疾患の原因となっている場合などに適用することができる。また反対に、FOXO1タンパク質の発現量や活性を阻害することにより、筋組織の重量が増加し、組成としては、赤筋が増加し、白筋が減少することになるので、糖尿病や肥満などの筋重量の減少や筋量の減少がひき起こす疾患の予防や治療に有効である。また、ダイエット用の食品添加物などとしても使用可能である。
本発明の筋組織の重量及び/又は組成の調節剤は、有効成分としてのFOXO1タンパク質又はその機能調節剤、及び製薬上許容される担体とからなる医薬組成物として提供することができる。製薬上許容される担体としては、製薬上において使用される各種の担体、例えば、賦形剤、溶媒、安定化剤などが挙げられる。本発明の医薬組成物は、有効成分の性状に応じて、経口投与、非経口投与などの各種の投与方法を採用することができる。
また、本発明の筋組織の重量及び/又は組成の調節剤は、有効成分としてのFOXO1タンパク質又はその機能調節剤、及び食品として許容される担体とからなる食品組成物として提供することができる。食品として許容される担体としては、前記した製薬上において使用される各種の担体、例えば、賦形剤、溶媒、安定化剤などだけでなく、各種の食品素材や、加工食品などが挙げられる。
また、本発明は、筋組織の細胞または動物個体に被験物質を作用させ、筋組織の細胞におけるFOXO1タンパク質の活性を測定することからなる、筋組織の重量や組成の調節に有効な物質をスクリーニングする方法を提供するものである。本発明のこの方法は、FOXO1タンパク質の活性を測定することを特徴とするものであり、試験方法は公知のスクリーニング試験法に準じて行うことができる。スクリーニング系としては、インビトロであっても、インビボであってもよいが、細胞として筋組織の細胞、好ましくは骨格筋の細胞、例えば筋細線維を有する細胞又は細胞系を使用する。
本発明の方法におけるFOXO1タンパク質の活性を測定する方法としては、例えば、以下の(a)〜(c)、
(a)FOXO1タンパク質の発現量を減少させる;
(b)FOXO1タンパク質の転写活性を減少させる;
(c)FOXO1タンパク質とPGC1αの結合を減少させる;
のいずれか1つ以上の量を測定することが挙げられるが、これに限定されるものではない。
FOXO1タンパク質の発現量を低下させる測定方法としては、例えば、培養筋肉細胞に被験物質を添加する。判定にはFOXO1の遺伝子発現をその転写産物(mRNAや蛋白質)の量を公知の方法によって測定することによって行なうことができる。例えば、定量的なRT−PCRやノーザンブロッテイング、発現産物に対する抗体を用いたウエスタンブロッテイングなどである。この方法によって見つかったFOXO1の発現量を減少させる分子は赤筋の減少がひき起こす疾患の治療薬の有効成分物質の候補化合物となりうる。
また、FOXO1とPGC1αとの結合を低下させる測定方法としては、例えば、蛋白質相互作用の分析法を例示することができる。例えば、PGC1αをGSTと融合したコンストラクト(発現ベクター)を文献の記載に従い35S−FOXO1(プロメガ、TNT)と共にインキュベートした後、洗浄し、結合した35S−FOXO1をSDS−PAGEで分離後、オートラジオグラフに供する。これによりFOXO1とPGC1αとの結合が観察できる。この反応チューブに候補物質を作用させ、結合を低下させる分子は骨格筋の組成及び量を改善する薬剤の有効成分物質の候補化合物となりうる。
また、本発明は、FOXO1タンパク質をコードするポリヌクレオチドをゲノムDNAに保有し、FOXO1蛋白質を骨格筋で過剰に発現するヒト以外のトランスジェニック動物を提供する。本発明のFOXO1タンパク質をコードする遺伝子としては、ヒトの遺伝子が好ましいが、これに限定されるものではない。本発明のトランスジェニック動物は、FOXO1蛋白質を骨格筋で過剰に発現することを特徴するものであり、このために骨格筋での発現を誘発することができるプロモーターを使用することが好ましい。また、本発明のトランスジェニック動物への遺伝子の導入方法としては、マイクロインジェクション法などの公知の手法を使用することができる。導入される遺伝子は、1コピー以上であれば特に制限はないが、過剰発現のためには3コピー以上、好ましくは5コピー以上の導入が挙げられる。また、遺伝子が導入される動物としては、ヒト以外の動物であればよいが、好ましくは哺乳動物、たとえば、マウス、ラット、ウサギなどが挙げられる。
本発明は、筋組織の重量、大きさ、機能などを決定するタンパク質がFOXO1であることを解明したものであり、本発明により、筋組織の重量や組成の異常による各種の疾患の治療や予防が可能になるだけでなく、肥満の防止やダイエットにおける有効成分としても期待されるものである。
また、本発明のスクリーニング方法によりPGC1α-FOXO1複合体に作用し、赤筋の減少がひき起こす疾患(糖尿病や肥満)の改善薬として有効であると考えられる化合物を同定することが可能となる。すなわち、本発明によって、PGC1α-FOXO1の相互作用を指標として骨格筋の組成及び量を改善する薬剤成分をスクリーニングする方法と、この方法によって特定された物質を有効成分とする新規薬剤が提供される。
以下、実施例により本発明をより具体的に説明するが、本発明はこれら実施例により何ら限定されるものではない。
トランスジェニックマウスの作成
ヒト骨格筋アクチンプロモーターは、ブレンナンらの文献(Brennan, K. J., and Hardeman, E. C. (1993) J. Biol. Chem. 268, 719-725)に記載のものを用いた。ヒトFOXO1のcDNAは本発明者らの報告したもの(非特許文献10参照)を用いた。常法に従って、図1に示す遺伝子を構築した。
マウスの受精卵をC57BL/6マウスから採取し、これに構築した遺伝子をマイクロインジェクション法で2ng/μL導入した。マウスを22℃で人工光中で飼育した。
RNAの分析
ノーザンブロットは、亀井らの方法(非特許文献10参照)に従って行った。実験に使用したプローブは、以下に記載するプライマーを用いてRT−PCR法により調製した。
Gadd45 α (Genbank accession number,以下、同じ。U00937)
(forward) 5’-TCGCACTTGC AATATGACTT-3’,
(reverse) 5’-CGGATGCCAT CACCGTTCCG-3',
トロポニンC(遅筋型)(troponin C (遅筋型)) (M29793),
(forward) 5'-AGCTGCGGTA GAACAGTTGA-3',
(reverse) 5'-TCACCTGTGG CCTGCAGCAT-3',
ミオシン軽鎖2(myosin light chain 2) (MLC-2 遅筋型, M91602),
(forward) 5'-GAGTTCAAGG AAGCCTTCAC-3',
(reverse) 5'- CTGCGAACAT CTGGTCGATC-3',
トロポニンT(troponin T (遅筋型)) (AV213431),
(forward) 5'-TTCTGTCCAA CATGGGAGCT-3'
(reverse) 5'-TCGGAATTTC TGGGCGTGGC-3',
ミオグロビン(myoglobin) (X04405),
(forward) 5'-CACCATGGGG CTCAGTGATG-3'
(reverse) 5'-CTCAGCCCTG GAAGCCTAGC-3',
ミトコンドリアクレアチンキナーゼ (mitochondrial creatine kinase) (mtCK, AV250974),
(forward) 5'-AAAGGAAGTG GAACGATTAA-3'
(reverse) 5'- TTGATGTCTT GGCCTCTCTC-3'.
トロポニンT(速筋型) (troponin T (速筋型)) (L48989)
(forward) 5'-CAGCAAAGAA TTCGCGCTGA-3'
(reverse) 5'-GGCCTTCTTG CTGTGCTTCT-3',
トロポニンC (troponin C (速筋型)) (AV083137)
(forward) 5'-GTTCAAGGCT GCCTTTGACA-3'
(reverse) 5'-ACGCCCTCCA TCATCTTCAG-3',
MLC(速筋型) (MLC (速筋型)) (U77943)
(forward) 5'-AGGGATGGCA TTATCGACAA-3'
(reverse) 5'-CAGATGTTCT TGTAGTCCAC-3',
トロポニンI(速筋型) (troponin I (速筋型)) (J04992)
(forward) 5'-AGGAAAGCCG CCGAGAATCT-3'
(reverse) 5'-TACTGGGGAA GTGGGCAGTT-3',

また、COXII,COXIV、及びMef2cのcDNAプローブは、ミウラらの方法(Miura, S., et al., (2003) J. Biol. Chem. 278, 31385-31390)に従って調製した。NFAT(IMAGE clone 4109469)及びCaMK IIβ(IMAGE clone 5014712)のcDNAプローブは、インビトロジェン社(Invitrogen Corp. (Carlsbad, CA))から購入した。
トランスジェニックマウスの体重などの測定
マウスをペンタバルビタールナトリウム(Nembutal (0.08 mg/g body weight, Abbot Laboratories, Chicago, IL))で麻酔して、デュアルエネルギーX線アブソーピションメトリー(dual energy X-ray absorptiometry (DEXA) (Nagy 2000))を装着したルナPIXIムス2デンシトメーター(Lunar PIXI mus2 densitometer (Lunar Corporation, Madison, WI))でスキャンして測定した。
結果を表1に示す。
免疫ブロッティング
ハーンらの方法(Hahn, C. G., et al., (1990) Anal. Biochem. 190, 193-197)に準じて、骨格筋から遠心分離によりタンパク質を抽出した。得られたタンパク質抽出物(30μg)をSDS−PAGEで分離し、電気泳動によりイムノビロンP(Immobilon P (Millipore, Bedford, MA))へ転写した。第1次抗体として、ヤギ抗FOXO1 IgG(N-18, Santa Cruz Biotechnology, Inc. Santa Cruz, CA)を1:1000で使用し、第2次抗体として抗ヤギIgG抗体と西洋わさびパーオキシダーゼの複合体を1:1000で使用して、イムノブロットを行った。バンドは、化学発光システム(Amersham Biosciences Corp. Piscataway, NJ)により可視化できるようにされている。
結果を図4に示す。
組織学的分析
骨格筋(ヒラメ筋)のサンプルを液体窒素で冷却したイソペンタン中で凍結させ、断面が得られるように横に切断された切片をヘマトキシリン/エオシンとATPase(Ogilvie, R. W., et al., (1990) Stain. Technol. 65, 231-241)で染色した。骨格筋細胞における赤筋(タイプI)の割合及びその大きさ(面積)は、pH4.3におけるATPaseで染色されたサンプルについて、各エリアが900mmのセクッションをランダムに6箇所選び、各セクッションの細胞数を数えて行った。
血液の分析
食餌を与えている状態のマウスの尻尾から、ホルモンと代謝物を測定するために血液サンプルを採取した。
免疫反応性のインスリンを、インスリンアッセイキット(Morinaga, Kanagawa, Japan)を用いて測定した。遊離脂肪酸はNEFA C−テストワコー(WAKO, Osaka, Japan)を用いて測定した。乳酸は乳酸用試薬(Sigma Diagnostics, St. Louis, MO)を用いて、またグルコースはTIDEXグルコースアナライザー(Sankyo, Tokyo, Japan)をそれぞれ用いて測定した。
結果を表1に示す。
回転車による運動活性の測定
各マウスをそれぞれの飼育箱(9 x 22 x 9 cm)で飼育した。各飼育箱には回転車(直径20cm, Shinano Co., Tokyo, Japan)が取り付けられており、この回転車の回転数を磁気スイッチで測定し、結果をカウンターに記録した。1日毎の回転数の積算値を6日間記録した。
結果を図8に示す。
cDNAのマイクロアレーによる分析
mRNA精製キット(Amersham Pharmacia Biotech, Piscataway, NJ)を用いて各グループの3匹のマウスの全RNAから、それぞれのポリ(A)RNAを調製した。1μgのmRNAから、T7RNAポリメラーゼのプロモーターサイトを含有するT7−(dT)24プライマー(Amersham)で、2本鎖のcDNA(Superscript Choice System, Invitrogen Corp., Carlsbad, CA)を調製した。1μgのcDNAから、アフィメトリックスMGU74AマイクロアレーにハイブリダイズされているバイオアレーハイイールドRNAトランスクリプトを用いて、16時間、45℃で、60rpmの一定の回転をしながら、ビオチン化相補RNAを調製した。チップを洗浄して、アフィメトリックスジーンチップ3.1のソフトウエアーのtEukGE−WS2プロトコールに従って、ストレプトアビジン−フィコエリスリン(10 μg/ml, Molecular Probes, Inc., Eugene, OR)及びビオチン化ヤギ抗ストレプトアビジン(3 μg/ml, Vector Laboratories, Burlingame, CA)で染色した。トランスジェニック群の蛍光強度を各群の全チップの蛍光強度を標準化して野生型に対して正規化した。全チップの蛍光強度を直接比較できるように、平均の強度を100に設定した。データはファイルメーカープロ(File Maker, Inc., Santa Clara, CA)で処理した。
コントロールのマウスに比較してFOXO1遺伝子を導入したマウスの骨格筋における遺伝子の発現レベルの変化を見るために、FOXO1遺伝子を導入したマウスの2つの系統について発現が顕著に増加又は減少した遺伝子をリスト化し、これを検討した。遺伝子の発現の変化は、使用したソフトウエアーによって定義させ、次の5つに分類した。増加した、わずかに増加した、変化無し、わずかに減少した、減少した、の5つに分類した。定量的な変化は、プローブアレーの各転写物の相対的な変化の指標として計算された。異なって発現する遺伝子(Differentially expressed genes)は、次の基準に基づいて同定した。平均発現量(average difference)が150を超えるものであること。いくつかのマーカーを用いて、このソフトウエアーで計算された平均発現量(average difference)、各遺伝子の転写の存在又は非存在を指示することを示す。平均発現量(average difference)の値は、各遺伝子のマーカーであり、ミスマッチのオリゴヌクレオチドの20セットに対して、25−merの完全マッチのオリゴヌクレオチドのハイブリダイズの強度を比較して、アフィメトリックスジーンチップ3.1のソフトウエアーによる計算結果から得られた値である。
結果を表2に示す。
本発明は、動物、特にヒトにおける筋組織、特に骨格筋の量や組成を決定する因子を解明したものであり、筋組織の異常に起因する各種の疾患の治療や予防に有用であるだけでなく、肥満などに対するダイエットにおいても有用なものである。したがって、本発明は、各種の疾患の治療や予防のための医薬の製造や、ダイエットの保健食品の製造に利用可能である。また、本発明は、このような医薬や食品添加物の有効成分をスクリーニングする方法を提供するものであり、新たな有効成分の研究や開発にも利用され、産業上極めて有用なものである。
図1は、本発明のトランスジェニックマウスの作成に使用した遺伝子構築物を模式的に示したものである。 図2は、本発明のトランスジェニックマウスについてFOXO1遺伝子の発現をサザンブロットで検出した結果を示す図面に代わる写真である。図2の各レーンは左側から、野生型、A1マウス、A2マウスをそれぞれ示す。各写真の下側の数値は、サザンブロットの結果をオートラジオグラフィーのデンシトメーターのスキャニングにより推定したコピー数を示す。 図3は、本発明のトランスジェニックマウスのFOXO1遺伝子の発現をノーザンブロットにより検定した結果を示す図面に代わる写真である。図3の上段は、ヒトFOXO1の発現であり、下段はGadd45αで再ハイブリダイズした結果を示す。各段のLine A1はA1マウスであり、Line A2はA2マウスであり、Controlは野生型を示す。28Sは28SリボソームRNAであり、RNA量のコントロールとして示す。各レーンは、左側から脳、灰色脂肪組織(BAT)、心臓、腎臓、肝臓、肺、腓腹筋(Gastro.)、四頭筋(Quadri.)、白色脂肪組織(WAT)をそれぞれ示す。 図4は、本発明のトランスジェニックマウスにおけるFOXO1タンパク質の発現を確認するために、ヒトFOXO1及びマウスFOXO1に反応する抗体を用いてイムノブロットを行った結果を示す図面に代わる写真である。図4の各レーンは左側から、野生型、A1マウス、A2マウスをそれぞれ示す。各写真の下側の数値は、サザンブロットの結果をオートラジオグラフィーのデンシトメーターのスキャニングにより推定した発現量を野生型を100とした相対値で示す。 図5は、本発明のトランスジェニックマウスを解剖してその所見を観察した結果を示す図面に代わる写真である。図5の左側はA1マウスと野生型の場合であり、右側はA2マウスと野生型の場合である。図5のそれぞれの上段は野生型であり、下段は遺伝子導入マウスである。図5の各写真の左側から前脛骨筋(TA)、長指伸筋(EDL)及びヒラメ筋(Sol)である。 図6は、本発明のトランスジェニックマウスの遺伝子の発現について、赤筋や白筋のマーカーとなる遺伝子についてノーザンブロットを行った結果を示す図面に代わる写真である。FOXO1遺伝子を導入したマウスのA1系統及びA2系統、並びに野生型の四頭筋から抽出した全RNA(各レーン20μg)を用いた。図6の左側にハイブリダイズに使用した遺伝子名を示し、右側にデンシトメトリーによる相対値(野生型を100とする。)を示す。 図7は、3月齢のA2マウス及び野生型の同腹子の、それぞれから骨格筋(ヒラメ筋)を取り出しpH4.3又はpH10.5で、ATPase染色した。この横断面を顕微鏡で観察した結果を示す図面に代わる写真である。図7の上段はpH4.3での染色(赤筋)の結果を示し、下段はpH10.5での染色(白筋)の結果を示す。図7の左側はコントロールの野生型であり、右側はFOXO1遺伝子を導入したマウス(A2系統)を示す。図7中のバーは50μmを示す。 図8は、9〜10週齢の雌のマウスを用いて、直径20cmの回転車による運動を6日間行わせ、その累積の回転数を記録した結果を示すグラフである。図8の横軸は日数であり、縦軸は累積回転数を示す。各グラフの白抜きはコントロールの野生型であり、黒抜きはFOXO1遺伝子を導入したマウスである。図8の左側は、A1系統の場合であり、右側はA2系統の場合である。 図9は、絶食したマウスを3グループに分け、第1のグループは通常どおり摂食をさせ(コントロール)、第2のグループは48時間絶食させ、第3のグループは48時間絶食させた後、8時間えさを与えた(refed)。それぞれのマウスの骨格筋(四頭筋)からRNAを抽出して、ノーザンブロットを行った結果を示す図面に代わる写真である。図9の右側はハイブリダイズさせた遺伝子名を示し、各レーンは個々のマウスからの結果を示す。図9中の数値は、デンシトメーターによる相対値である。 図10は、本発明の結果をまとめてFOXO1とPGC−1αの機能の概要を模式化して示したものである。
配列番号1は、Gadd45 α(Genbank accession number,以下同様 U00937)のフォワードプライマーの配列を示す。
配列番号2は、 Gadd45 α(Genbank accession number, U00937)のリバースプライマーの配列を示す。
配列番号3は、トロポニンC遅筋型(M29793)のフォワードプライマーの配列を示す。
配列番号4は、トロポニンC遅筋型(M29793)のリバースプライマーの配列を示す。
配列番号5は、ミオシン軽鎖2(MLC-2 遅筋型, M91602)のフォワードプライマーの配列を示す。
配列番号6は、ミオシン軽鎖2(MLC-2 遅筋型, M91602)のリバースプライマーの配列を示す。
配列番号7は、トロポニンT遅筋型(AV213431)のフォワードプライマーの配列を示す。
配列番号8は、トロポニンT遅筋型(AV213431)のリバースプライマーの配列を示す。
配列番号9は、ミオグロビン(X04405)のフォワードプライマーの配列を示す。
配列番号10は、ミオグロビン(X04405)のリバースプライマーの配列を示す。
配列番号11は、ミトコンドリアクレアチンキナーゼ(AV250974)のフォワードプライマーの配列を示す。
配列番号12は、ミトコンドリアクレアチンキナーゼ(AV250974)のリバースプライマーの配列を示す。
配列番号13は、トロポニンT速筋型(L48989)のフォワードプライマーの配列を示す。
配列番号14は、トロポニンT速筋型(L48989)のリバースプライマーの配列を示す。
配列番号15は、トロポニンC速筋型(AV083137)のフォワードプライマーの配列を示す。
配列番号16は、トロポニンC速筋型(AV083137)のリバースプライマーの配列を示す。
配列番号17は、MLC速筋型(U77943)のフォワードプライマーの配列を示す。
配列番号18は、MLC速筋型(U77943)のリバースプライマーの配列を示す。
配列番号19は、トロポニンI速筋型(J04992)のフォワードプライマーの配列を示す。
配列番号20は、トロポニンI速筋型(J04992)のリバースプライマーの配列を示す。

Claims (12)

  1. FOXO1タンパク質又はその機能調節剤からなる筋組織の重量及び/又は組成の調節剤。
  2. 筋組織が骨格筋である請求項1に記載の調節剤。
  3. 筋組織の組成の調節が、赤筋と白筋の割合の調節である請求項1又は2に記載の調節剤。
  4. 筋組織の重量及び/又は組成の調節が、筋重量の減少や筋量の減少がひき起こす疾患の治療・予防である請求項1〜3のいずれかに記載の調節剤。(糖尿病や肥満)の
  5. 筋重量の減少や筋量の減少がひき起こす疾患が、糖尿病や肥満である請求項4に記載の調節剤。
  6. FOXO1タンパク質の機能調節剤が、
    (a)FOXO1蛋白質の発現量を減少させる;
    (b)FOXO1蛋白質の転写活性を減少させる;又は、
    (c)FOXO1蛋白質とPGC1αの結合を減少させる;
    のいずれかの活性を有するものである請求項1〜5のいずれかに記載の調節剤。
  7. 筋組織の細胞または動物個体に被験物質を作用させ、筋組織の細胞におけるFOXO1タンパク質の活性を測定することからなる、筋組織の重量や組成の調節に有効な物質をスクリーニングする方法。
  8. 筋組織が、骨格筋である請求項7に記載の方法。
  9. 筋組織の重量や組成の調節に有効な物質が、筋組織の重量の減少、又は筋量の減少がひき起こす疾患の治療・予防に有効な物質である請求項7又は8に記載の方法。
  10. FOXO1タンパク質の活性が、以下の(a)〜(c)、
    (a)FOXO1タンパク質の発現量を減少させる;
    (b)FOXO1タンパク質の転写活性を減少させる;
    (c)FOXO1タンパク質とPGC1αの結合を減少させる;
    のいずれか1つ以上を満たすものである請求項7〜9のいずれかに記載の方法。
  11. FOXO1タンパク質をコードするポリヌクレオチドをゲノムDNAに保有し、FOXO1蛋白質を骨格筋で過剰に発現するヒト以外のトランスジェニック動物。
  12. 動物が、マウスである請求項11に記載のトランスジェニック動物。
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