JP2005259609A - 電気接続構造および該電気接続構造を備えた自動車用電気接続箱 - Google Patents
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Abstract
【課題】 電気接続箱内に積層配置するバスバー等の導電材の層間接続材を改良し、デッドスペースの発生がなく、簡単に接続できるようにする。
【解決手段】 極細繊維状の導電線を弾性樹脂中に微小ピッチで多数本埋設した弾性導電材を電気接続材として用い、絶縁板を介して或いは空気絶縁層を介して積層配置する異層の導電材の間に、前記弾性導電材を介在させ、前記多数本の導電線が外面に露出している前記弾性導電材の対向する両面を前記異層の導電材に弾性接触させて、これら導電材同士を電気接続している。
【選択図】 図3
【解決手段】 極細繊維状の導電線を弾性樹脂中に微小ピッチで多数本埋設した弾性導電材を電気接続材として用い、絶縁板を介して或いは空気絶縁層を介して積層配置する異層の導電材の間に、前記弾性導電材を介在させ、前記多数本の導電線が外面に露出している前記弾性導電材の対向する両面を前記異層の導電材に弾性接触させて、これら導電材同士を電気接続している。
【選択図】 図3
Description
本発明は、電気接続構造および該電気接続構造を備えた自動車用電気接続箱に関し、特に、積層配置されるバスバー等の導電材の層間接続材として新規材料を用い、従来の層間接続構造と比較して大幅な簡略化するものである。
従来、ジャンクションボックス等の自動車に搭載されるメイン電気接続箱には、導電性金属板を回路形状に打ち抜き加工したバスバーを絶縁板を介在させて積層配置しており、自動車に搭載される電装品の急増によりバスバーの積層枚数も増加の一途をたどっている。また、近時は前記電気接続箱の内部に半導体リレー等の電子部品を搭載したプリント基板も搭載され、さらに、小電流回路用として電線も配索され、電気接続箱の内部には多種類の導電材が収容されている。
前記電気接続箱の内部に収容されて絶縁板あるいは空気絶縁層を介して積層配置するバスバー同士、プリント基板の導体同士、バスバーとプリント基板の導体とは層間接続させて分岐回路を形成する必要が多数の箇所で発生している。
従来、バスバーの層間電気接続構造としては、例えば、特開2001−103638号公報(特許文献1)では、図11に示すように、絶縁板1の上下にX−Y方向に配置した上層バスバー2と下層バスバー3とは、絶縁板1に穿設した開口1aに銅等の金属片からなる導電体4を一体成形で嵌合しておき、あるいは絶縁板1の成形後に開口1aにはめ込んでおき、上下バスバー2、3と導電体4とを上下から溶接して接続している。
また、図12(A)では、上層バスバー2と下層バスバー3とに、絶縁板1に穿設した開口1aと対応する位置に挿通孔2a,3aを設けておき、絶縁板1の開口1aに挿入した導電体4の上下の突起4a、4bを上下バスバーの挿通孔2a、3aに通してパンチ5とダイ6とで上下から突起4a、4bを押し潰して上下バスバー2、3と接続している。
図12(B)では導電体4’にボルト7を通し、両端をナット8A、8Bで締結固定している。また、図13に示すように、上層のバスバー2’に凹部2a’を設け、絶縁板1’の開口1a’に押し込んで、下層のバスバー3’と接触させている。
また、図12(A)では、上層バスバー2と下層バスバー3とに、絶縁板1に穿設した開口1aと対応する位置に挿通孔2a,3aを設けておき、絶縁板1の開口1aに挿入した導電体4の上下の突起4a、4bを上下バスバーの挿通孔2a、3aに通してパンチ5とダイ6とで上下から突起4a、4bを押し潰して上下バスバー2、3と接続している。
図12(B)では導電体4’にボルト7を通し、両端をナット8A、8Bで締結固定している。また、図13に示すように、上層のバスバー2’に凹部2a’を設け、絶縁板1’の開口1a’に押し込んで、下層のバスバー3’と接触させている。
前記特許文献1に開示された図11に示すような構造では、絶縁板1の開口にはめ込んだ導電体4と上下バスバー2、3とを溶接させる必要がある。また、図12(A)では、銅等から形成した矩形状本体の上下面に突起を設けた導電体(金属端子)4を夫々個別に設ける必要があると共にパンチとダイを用いて上下バスバーと固定する必要があり、作業手数が非常にかかる問題がある。図12(B)でも、導電体4’にボルト7を通し、該ボルトの上下にナット8A、8Bを締結しなければならず、同様に作業手数がかかる問題がある。かつ、いずれの場合も上下バスバー2、3の外面に導電体4、4’との固定部分が突出するためデッドスペースが発生し、多数枚のバスバーを積層する場合に採用することは困難である。
さらに、図13に示す構造では、バスバー2’に予め凹部2a’を設けておく必要があるため加工手数がかかり、また、絶縁板1’の開口1a’と位置合わせして、凹部2a’を開口1a’に押し込む作業を必要とし、いずれも高精度が求められる作業で、作業手数がかかる等の問題がある。
さらに、図13に示す構造では、バスバー2’に予め凹部2a’を設けておく必要があるため加工手数がかかり、また、絶縁板1’の開口1a’と位置合わせして、凹部2a’を開口1a’に押し込む作業を必要とし、いずれも高精度が求められる作業で、作業手数がかかる等の問題がある。
また、前記方法に代えて、上層のバスバーからタブを下向きに突設する一方、下層のバスバーからタブを上向きに突設し、これらタブ同士をメスーメス中継端子を介して接続している場合が多い。
また、特開平9−134752号公報(特許文献2)では、図14に示すように、上層のバスバー2”から突設した圧接タブ2c”と下層のバスバー3”から突設した圧接タブ3c”とを重ね合わせて、ヒューズ等の接続部材9の一端側の端子9aを圧接タブ2c”と3c”に挿入して接続する一方、接続部材9の他端側の端子9bを上層の他のバスバー2’”の圧接タブ2c’”に挿入して接続している。これにより、上層のバスバーと下層のバスバーとを接続部材を介して層間接続している。
また、特開平9−134752号公報(特許文献2)では、図14に示すように、上層のバスバー2”から突設した圧接タブ2c”と下層のバスバー3”から突設した圧接タブ3c”とを重ね合わせて、ヒューズ等の接続部材9の一端側の端子9aを圧接タブ2c”と3c”に挿入して接続する一方、接続部材9の他端側の端子9bを上層の他のバスバー2’”の圧接タブ2c’”に挿入して接続している。これにより、上層のバスバーと下層のバスバーとを接続部材を介して層間接続している。
前記中継端子を用いる場合及び特許文献2のヒューズ9を介在させる場合のいずれも、電気部品を必要とし、かつ、中継端子、ヒューズ9の配置スペースを必要とし、電気接続箱が大型化する問題がある。
さらに、プリント基板同士あるいはプリント基板とバスバーとを層間接続する場合に、リード線の両端をプリント基板の導体およびバスバーに溶接あるいは半田付けして接続している場合もある。
この場合には、溶接あるいは半田付け作業を必要とし、作業手数がかかる問題がある。
特開2001−103638号公報
特開平9−134752号公報
この場合には、溶接あるいは半田付け作業を必要とし、作業手数がかかる問題がある。
本発明は前記した層間接続時に必要とされる溶接、半田付け作業、パンチとダイに因るかしめ作業を不要とし、かつ、デッドスペースの発生を無くして、簡単に層間接続を図れるようにすることを課題としている。
前記課題を解決するため、第1の発明として、極細繊維状の導電線を弾性樹脂中に微小ピッチで多数本埋設した弾性導電材を電気接続材として用い、
絶縁板を介して或いは空気絶縁層を介して積層配置する異層の導電材の間に、前記弾性導電材を介在させ、前記多数本の導電線が外面に露出している前記弾性導電材の対向する両面を前記異層の導電材に弾性接触させて、これら導電材同士を電気接続していることを特徴とする電気接続構造を提供している。
絶縁板を介して或いは空気絶縁層を介して積層配置する異層の導電材の間に、前記弾性導電材を介在させ、前記多数本の導電線が外面に露出している前記弾性導電材の対向する両面を前記異層の導電材に弾性接触させて、これら導電材同士を電気接続していることを特徴とする電気接続構造を提供している。
本発明では、導電材の層間接続材として前記した構成の新規な弾性導電材を用いている。該弾性導電材は導電線を埋設する樹脂を弾性樹脂としている点に特徴を有し、弾性を付与していることにより、異層の導電材の間に所要の負荷を与えて圧縮状態で介在させると、導電材に確実かつ経時変化なく弾性接触させることができる。よって、層間に介在させる導電体(金属端子等)をバスバー等の導電材の表面側に導いて溶接、半田等の固着作業を不要とでき、デッドスペースを無くせると共に作業性を大幅に改善できる。
前記弾性導電材を用いた層間接続は、具体的には、上下のバスバー等の導電材同士の間に配置する絶縁板に開口を設け、該開口に前記弾性導電材を嵌合させ、該弾性導電材の両端面を異層の導電材に弾性圧接させて電気接続している。
その際、弾性導電材の厚さは上下バスバー間の寸法より大きく設定しておくと、弾性導電材を上下バスバーに確実に弾性接触させて、電気接続の安定性、信頼性を確保することができる。
その際、弾性導電材の厚さは上下バスバー間の寸法より大きく設定しておくと、弾性導電材を上下バスバーに確実に弾性接触させて、電気接続の安定性、信頼性を確保することができる。
前記弾性導電材で層間接続する導電材はバスバー同士に限定されず、バスバーとプリント基板の導体、プリント基板の導体同士、バスバーあるいはプリント基板の導体と電線の芯線あるいはフラットケーブルの導電箔との層間接続にも用いられる。
これら異層の導電材を絶縁板を介在させずに空気絶縁層を介在させている場合には、前記弾性導電材の厚さは空気絶縁層の厚さよりも大としておき、弾性導電材を圧縮させた状態で空気絶縁層を介して積層する導電材に弾性接触させて電気接続している。
これら異層の導電材を絶縁板を介在させずに空気絶縁層を介在させている場合には、前記弾性導電材の厚さは空気絶縁層の厚さよりも大としておき、弾性導電材を圧縮させた状態で空気絶縁層を介して積層する導電材に弾性接触させて電気接続している。
前記弾性導電材は、好ましくは、直径10〜100μm程度の極細繊維状の導電線を弾性樹脂中に100〜1000μm程度の微小ピッチで多数本埋設した構成よりなる。
前記導電線としては金線、銅線等の高導電性金属線を用いている。金線を用いた場合には、1本の極細導電線で許容電流量が1アンペアとなる。よって、該導電線を1本づつ並設した1列状として、1本の導電線の両端を上下の導電材に接続して信号回路を形成することも可能となる。
また、前記導電線を弾性樹脂中にX−Y方向に前記微小ピッチをあけてマトリクス配置としてもよい。
前記導電線としては金線、銅線等の高導電性金属線を用いている。金線を用いた場合には、1本の極細導電線で許容電流量が1アンペアとなる。よって、該導電線を1本づつ並設した1列状として、1本の導電線の両端を上下の導電材に接続して信号回路を形成することも可能となる。
また、前記導電線を弾性樹脂中にX−Y方向に前記微小ピッチをあけてマトリクス配置としてもよい。
前記導電線を埋設する弾性樹脂は、弾性を有する樹脂であれば良いが、シリコンゴムが好適に用いられる。
多数の導電線を埋設している弾性導電材を1つの導電体として用いる場合は、弾性樹脂は絶縁性樹脂でも導電性樹脂でもいずれでもよい。
一方、該弾性導電材中の1つの導電線をそれぞれ独立した導電体として用いる場合には、弾性樹脂として絶縁樹脂が用いられる。
多数の導電線を埋設している弾性導電材を1つの導電体として用いる場合は、弾性樹脂は絶縁性樹脂でも導電性樹脂でもいずれでもよい。
一方、該弾性導電材中の1つの導電線をそれぞれ独立した導電体として用いる場合には、弾性樹脂として絶縁樹脂が用いられる。
前記弾性導電材としては、所要厚さのシート状として連続的に形成したものが好適に用いられる。該弾性導電シートは予め連続的に形成しておき、接続回路形態に応じた所要幅で切断して用いることができるため、非常に使い勝手の良いものとなる。
前記導電線は前記弾性絶縁樹脂中に直線状に配線されて形成しておき、該配線方向と直交する位置で切断すると、該切断端面となる両端面に前記弾性絶縁樹脂中に埋設されている導電線の端面が露出する。よって、この切断端面からなる弾性導電シートの両端面を上下層の導電材に接触させると電気接続されることとなる。
あるいは、前記導電線は前記弾性絶縁樹脂中に波状に屈曲させて配線され、該配線方向と平行な両側面に前記導電線の屈曲させた頂点を露出させ、該両側面を前記導電材に弾性接触させて電気接続させてもよい。
此の場合、1本の導電線の同一面側に露出した頂点に同一層の異なる導電材と接触させることにより、同一層の導電材を互いに接続してジョイント回路を形成することができる。かつ、該導電線の他面側に露出した頂点に異なる層の導電材を接触させると、多種多様なジョイント回路を形成することができる。
此の場合、1本の導電線の同一面側に露出した頂点に同一層の異なる導電材と接触させることにより、同一層の導電材を互いに接続してジョイント回路を形成することができる。かつ、該導電線の他面側に露出した頂点に異なる層の導電材を接触させると、多種多様なジョイント回路を形成することができる。
本発明は、第2の発明として、極細繊維状の導電線を微小ピッチで多数本を弾性絶縁樹脂中に埋設した導電部分と該弾性絶縁樹脂のみからなる絶縁部分とを備えた弾性導電兼絶縁材を設け、
絶縁板を介して或いは空気絶縁層を介して積層配置する異層の導電材の間に、前記弾性導電兼絶縁材を介在させ、
前記導電部分の前記導電線が外面に露出している対向する両面を前記異層の導電材の電気接続部分に弾性接触させて電気接続していると共に、前記導電材の非電気接続部の間には前記弾性導電兼絶縁材の絶縁部分を介在させていることを特徴とする電気接続構造を提供している。
絶縁板を介して或いは空気絶縁層を介して積層配置する異層の導電材の間に、前記弾性導電兼絶縁材を介在させ、
前記導電部分の前記導電線が外面に露出している対向する両面を前記異層の導電材の電気接続部分に弾性接触させて電気接続していると共に、前記導電材の非電気接続部の間には前記弾性導電兼絶縁材の絶縁部分を介在させていることを特徴とする電気接続構造を提供している。
即ち、第1の発明は、弾性樹脂中の全体に亙って導電線を埋設して弾性導電材としているが、第2の発明では、導電線を埋設した導電部分と、絶縁樹脂だけとした非導電部分とを設けていることにより、上下異層の導電材の間に絶縁板を介在させる必要がない。
前記弾性導電兼絶縁材で用いる導電線は前記第1の発明と同様であるが、導電線を埋設する樹脂は弾性絶縁樹脂に限定される。
また、前記弾性導電兼絶縁材では、導電部分を絶縁部分の両面より段状に突出させておくことが好ましく、導電部分を上下異層の導電材に確実に弾性接触させて電気接続の信頼性および安定性を確保することができる。
本発明は、第3の発明として、前記第1の発明の弾性導電材および第2の発明の弾性導電兼絶縁材を用いて異層の導電材を層間接続した電気接続構造を備えている自動車用電気接続箱を提供している。
前記第1、第2の発明の電気接続構造とすると、層間接続をスペースを取らずに行えるため、電気接続箱を薄く且つ軽量とすることができる。
前記第1、第2の発明の電気接続構造とすると、層間接続をスペースを取らずに行えるため、電気接続箱を薄く且つ軽量とすることができる。
上述したように、本発明では、層間接続材として弾性導電材あるいは弾性導電兼絶縁材からなる弾性材を用いているため、上下バスバー等の異層の導電材の間に弾性圧縮させて介在させるだけで、弾性接触により電気接続を確保することができる。よって、従来必要とされた溶接、半田付け、かしめ等の作業を必ずしも必要とせず、層間接続を簡単に行うことができる。
また、前記弾性導電材を予め所要厚さのシート状の連続材として形成しておき、必要寸法で切断して用いると、接続回路形態に応じた導電材を簡単に得られると共に、導電材の汎用化を図ることが出来る。
また、前記弾性導電材を予め所要厚さのシート状の連続材として形成しておき、必要寸法で切断して用いると、接続回路形態に応じた導電材を簡単に得られると共に、導電材の汎用化を図ることが出来る。
また、第2の発明の導電部分と絶縁部分とを一体として備えた弾性導電兼絶縁材とした場合には、絶縁材を別個に介在させる必要がなく、1つの部材で絶縁板としての役目と層間導電材としての役目の両方を発揮させることができ、作業手数の低減、部品数の低減の点で非常に大きな利点がある。
以下、本発明の実施形態を図面を参照して説明する。
図1乃至図3は第1実施形態を示し、該第1実施形態では、図1に示す弾性導電材10を用いて、絶縁板11を介して上下積層配置する上層バスバー12と下層バスバー13とを層間接続している。
図1乃至図3は第1実施形態を示し、該第1実施形態では、図1に示す弾性導電材10を用いて、絶縁板11を介して上下積層配置する上層バスバー12と下層バスバー13とを層間接続している。
弾性導電材10は直径10〜90μmの金線からなる導電線20をX−Y方向(縦横方向)に100〜1000μmのピッチをあけて、シリコンゴムからなる弾性絶縁樹脂21中に埋設している。該弾性導電材10は図1(B)に示すように厚さT、幅Wとして、長さL方向に連続させたシート材100として予め形成したものを、接続する回路形態に応じて、図1(B)中で点線で示すように、必要厚さT1、長さL1、幅W1で切断して用いている。
導電線20はシート材100の長さ方向に沿って平行に延在させている。
前記シート材100を切断して設けた本実施形態の弾性導電材10は、図1(A)に示すように、導電線20が1列となる厚さT1で切断し、かつ、6本の導電線20を備えた幅W1で切断しており、よって、切断端面からなる両端面に6本の導電線20の断面が露出した状態となっている。
導電線20はシート材100の長さ方向に沿って平行に延在させている。
前記シート材100を切断して設けた本実施形態の弾性導電材10は、図1(A)に示すように、導電線20が1列となる厚さT1で切断し、かつ、6本の導電線20を備えた幅W1で切断しており、よって、切断端面からなる両端面に6本の導電線20の断面が露出した状態となっている。
前記弾性導電材10は図2(A)に示すように、自動車に搭載する電気接続箱18の内部に絶縁板11とバスバーとを交互に積層配置した内部回路中に配置して、絶縁板11を介して上下積層する上層バスバー12と下層バスバー13とを接続している。
詳細には、絶縁板11に開口11aを設け、該開口11aに弾性導電材10を嵌め込み、該弾性導電材10の下側部を開口11aより下方に突出させて、下層バスバー13の上面に弾性接触させる一方、絶縁板11の上面にかしめ固定されている上層バスバー12の下面に弾性接触させている。
前記シート材100から切り出した弾性導電材10は、その長さ方向L1を上下バスバー12と13の間で上下高さ方向とし、幅方向W1を上下端面の左右幅方向として配置している。よって、上下高さ(L1)は上下バスバー12と13との間の層間寸法L2よりも大きな寸法としてシート材100より切り出しており、その結果、絶縁板11の開口11aを通して上下バスバー12と13の間に介在される弾性導電材10は圧縮された状態で介在されることとなり、その導電線20が上下バスバー12と13とに確実に弾性接触されることとなる。
前記シート材100から切り出した弾性導電材10は、その長さ方向L1を上下バスバー12と13の間で上下高さ方向とし、幅方向W1を上下端面の左右幅方向として配置している。よって、上下高さ(L1)は上下バスバー12と13との間の層間寸法L2よりも大きな寸法としてシート材100より切り出しており、その結果、絶縁板11の開口11aを通して上下バスバー12と13の間に介在される弾性導電材10は圧縮された状態で介在されることとなり、その導電線20が上下バスバー12と13とに確実に弾性接触されることとなる。
前記弾性導電材10を介して接続される上下バスバー12と13とは図3に示すように6本の導電線20を介して電気接続されることとなる。1本の導電線20の許容電流量は略1アンペアとしているため、6アンペアの電流回路で上下バスバー12と13とが接続されることとなる。よって、上下バスバー12と13との間で必要な電流量に応じて弾性導電材10の寸法を設定してシート材100より切り出すことで、電流量に応じた層間接続材とすることができる。即ち、図1(C)に示すように、6本の導電線20が3列となる状態でシート材100より弾性導電材10’を切り出すと、許容電流量は18アンペアとなる。
前記のように弾性導電材10を用いて上下バスバー12と13とを接続すると、絶縁板11を介在させて積層しているスペースの間だけに層間接続材となる弾性導電材10を収容することができ、層間スペースおよび該層間接続材を配置した部位と対応する上下位置にデッドスペースを発生させない。これに対して、前記特許文献2で提示された構成の図2(B)では、層間接続位置では上方に接続部材105を配置する必要があるため、この部分では最上層のバスバー16を配置することができなくなり、デッドスペースとなる。
図4および図5は第2実施形態を示し、絶縁板11を介して上下にプリント基板30と31とを配置している。上層のプリント基板30には、下面に導体30aが印刷されている一方、下層のプリント基板31には上面に導体31aが印刷されている。
前記上下層のプリント基板30と31はその一側縁に沿って多数の導体30a、31aを狭小ピッチで並設している。
前記上下層のプリント基板30と31はその一側縁に沿って多数の導体30a、31aを狭小ピッチで並設している。
上下プリント基板30と31との間に介在させる絶縁板11の一側縁に沿った位置では、細長い開口11aを設け、該開口11aに弾性導電材10を嵌合している。
図5に示すように、弾性導電材10には、前記導体30a,31aと同一ピッチで導電線20を弾性絶縁樹脂21中に埋設している。よって、該弾性導電材10の1本の導電線20が上下対応する1つの導体30aと31aとにそれぞれ弾性接触する。このように、全ての上下対応する導体30aと31aとをそれぞれ1本の導電線20を介して接続している。この導体30a→導電線20→導体31aを連続させる回路は1アンペアの信号回路としている。
図5に示すように、弾性導電材10には、前記導体30a,31aと同一ピッチで導電線20を弾性絶縁樹脂21中に埋設している。よって、該弾性導電材10の1本の導電線20が上下対応する1つの導体30aと31aとにそれぞれ弾性接触する。このように、全ての上下対応する導体30aと31aとをそれぞれ1本の導電線20を介して接続している。この導体30a→導電線20→導体31aを連続させる回路は1アンペアの信号回路としている。
前記構成とすると、上下プリント基板30、31の導体30a、31a同士を絶縁板11に嵌合させた1つの弾性導電材10だけで簡単に層間電気接続することができ、従来のリード線の両端を溶接や半田接続する場合、あるいは、コネクタ接続する場合と比較して、部品点数や作業手数を大幅に削減できる。
図6(A)(B)は第3実施形態を示し、該電気接続箱の内部では、絶縁板11を介して、上層に銅箔33を平行配線して絶縁フィルム34で被覆したフラットケーブル35を配置する一方、下層に電線36を平行配線している。電線36はフラットケーブル35との接続部分では絶縁被覆を剥離して芯線36aを露出させていると共に前記フラットケーブル35も接続部分では絶縁フィルム34を剥離している。
前記絶縁板11には第2実施形態と同様に弾性導電材10を嵌合配置し、該弾性導電材10の各導電線20の上端を上層の銅箔33に弾性接触させ、下端を下層の芯線36aに弾性接触させている。その結果、フラットケーブル35と電線36とを弾性導電材10で層間接続させることができる。
前記絶縁板11には第2実施形態と同様に弾性導電材10を嵌合配置し、該弾性導電材10の各導電線20の上端を上層の銅箔33に弾性接触させ、下端を下層の芯線36aに弾性接触させている。その結果、フラットケーブル35と電線36とを弾性導電材10で層間接続させることができる。
図7および図8は第4実施形態を示す。
該第4実施形態で用いる弾性導電材10’は、図7に示すように、導電線20’を波形状に屈曲させて弾性絶縁樹脂21’中に埋設し、導電線20’の上下屈曲点にあたる上下頂点20a’と20b’とを弾性絶縁樹脂21’の表裏両面21a’、21b’に露出させている。
該第4実施形態で用いる弾性導電材10’は、図7に示すように、導電線20’を波形状に屈曲させて弾性絶縁樹脂21’中に埋設し、導電線20’の上下屈曲点にあたる上下頂点20a’と20b’とを弾性絶縁樹脂21’の表裏両面21a’、21b’に露出させている。
前記弾性導電材10’を図8に示すように、絶縁板11の開口11aに嵌合させ、1つの上層バスバー12に導電線20’の1つの上頂点20a’を弾性接触させる一方、下層バスバー13ー1、13−2に夫々2つの下頂点20b’−1と20b’−2を弾性接触させている。
上記態様とすると、上層バスバー12と下層の2つのバスバー13−1、13−2とをジョイント回路を弾性導電材10’により形成することができる。
上記態様とすると、上層バスバー12と下層の2つのバスバー13−1、13−2とをジョイント回路を弾性導電材10’により形成することができる。
なお、前記第1実施形態〜第4実施形態では、いずれも上下に配置するバスバー、プリント基板、フラットケーブルあるいは電線の間に絶縁板を介在させ、該絶縁板に開口を設けて弾性導電材を嵌め込んでいるが、絶縁板を介在させずに空気絶縁層を設ける場合にも、上下導電材で前記弾性導電材10を挟持固定することにより、電気接続を図ることができる。
図9及び図10は第5実施形態を示す。
第5実施形態では、図9に示すように、導電線20を狭小ピッチで配線して弾性絶縁樹脂21中に埋設した導電部分41と、弾性絶縁樹脂21のみからなる絶縁部分42とを一体的に設けた弾性導電兼絶縁材40を層間接続材として用いている。
前記導電部分41は絶縁部分42より上下厚みを大として絶縁部分42より上下方向に段状に突出させている。
前記第1〜第4実施形態では絶縁板の開口に弾性導電材を嵌合し、上下導電材の絶縁は絶縁板で確保しているが、第5実施形態では、絶縁部分42を設けているため、別に絶縁板を設ける必要はなく、図10に示すように、上下プリント基板30、31の間に弾性導電兼絶縁材40のみを配置すればよい。
第5実施形態では、図9に示すように、導電線20を狭小ピッチで配線して弾性絶縁樹脂21中に埋設した導電部分41と、弾性絶縁樹脂21のみからなる絶縁部分42とを一体的に設けた弾性導電兼絶縁材40を層間接続材として用いている。
前記導電部分41は絶縁部分42より上下厚みを大として絶縁部分42より上下方向に段状に突出させている。
前記第1〜第4実施形態では絶縁板の開口に弾性導電材を嵌合し、上下導電材の絶縁は絶縁板で確保しているが、第5実施形態では、絶縁部分42を設けているため、別に絶縁板を設ける必要はなく、図10に示すように、上下プリント基板30、31の間に弾性導電兼絶縁材40のみを配置すればよい。
上記弾性導電兼絶縁材40では、左右両側部に導電部分41を設け、上下プリント基板30、31の導体30a、31aを導電部分41の各導電線20で接続している一方、導電部分41で挟まれた中央部分は絶縁部分42とし、上下プリント基板30,31の導体同士を絶縁している。
なお、弾性導電兼絶縁材40を介在させる上下導電材はプリント基板に限定されず、例えば、上層にX方向に短冊状のバスバーを配置する一方、下層にY方向に短冊状のバスバーを配置し、接続する必要のある交差位置と対応する位置に導電部分を予め形成しておいてもよい。この場合、上下層のバスバーは絶縁板に固定できないため、それぞれ両端をケース等に固定している。
このように、第1〜第4実施形態の弾性導電材、第5実施形態の弾性導電兼絶縁材を層間接続材として用いると、上下導電材の間に挟持固定した状態で、上下導電材に導電線を弾性接触させることができ、接続を確保するための溶接、半田付け、かしめを不要とでき、かつ、デッドスペースの発生を無くすことができる。
本発明は、自動車に搭載するジャンクションボックスに適用した場合、ジャンクションボックスではケース内部に高密度に導電材が配置され、これら導電材の分岐接続回路が必要となるため、ジャンクションボックスの薄型化、小型化に寄与することが出来ると共に、コストの低減を効果的に図ることができる。しかしながら、自動車用ジャンクションボックスに限定されず、他の用途に用いる電気接続箱にも有効に用いることができる。
10 弾性導電材
11 絶縁板
11a 開口
12 上層バスバー
13 下層バスバー
20 導電線
21 弾性絶縁樹脂
30、31 プリント基板
30a、31a 導体
40 弾性導体兼絶縁材
41 導電部分
42 絶縁部分
100 シート材
11 絶縁板
11a 開口
12 上層バスバー
13 下層バスバー
20 導電線
21 弾性絶縁樹脂
30、31 プリント基板
30a、31a 導体
40 弾性導体兼絶縁材
41 導電部分
42 絶縁部分
100 シート材
Claims (10)
- 極細繊維状の導電線を弾性樹脂中に微小ピッチで多数本埋設した弾性導電材を電気接続材として用い、
絶縁板を介して或いは空気絶縁層を介して積層配置する異層の導電材の間に、前記弾性導電材を介在させ、前記多数本の導電線が外面に露出している前記弾性導電材の対向する両面を前記異層の導電材に弾性接触させて、これら導電材同士を電気接続していることを特徴とする電気接続構造。 - 前記導電材の間に配置する前記絶縁板に開口を設け、該開口に前記弾性導電材を嵌合させ、該弾性導電材の両端面を前記異層の導電材に弾性圧接させて電気接続している請求項1に記載の電気接続構造。
- 極細繊維状の導電線を微小ピッチで多数本を弾性絶縁樹脂中に埋設した導電部分と該弾性絶縁樹脂のみからなる絶縁部分とを備えた弾性導電兼絶縁材を設け、
絶縁板を介して或いは空気絶縁層を介して積層配置する異層の導電材の間に、前記弾性導電兼絶縁材を介在させ、
前記導電部分の前記導電線が外面に露出している対向する両面を前記異層の導電材の電気接続部分に弾性接触させて電気接続していると共に、前記導電材の非電気接続部の間には前記弾性導電兼絶縁材の絶縁部分を介在させていることを特徴とする電気接続構造。 - 前記弾性導電兼絶縁材は導電部分を絶縁部分の両面より段状に突出させている請求項3に記載の電気接続構造。
- 前記絶縁板を介して或いは空気絶縁層を介して積層配置する導電材は、バスバー、プリント基板の導体、電線の芯線あるいはフラットケーブルの導電箔からなる請求項1乃至請求項3のいずれか1項に記載の電気接続箱。
- 前記導電線は、直径10〜100μmで前記弾性絶縁樹脂中に100〜1000μmの微小ピッチで多数本埋設している請求項1乃至請求項5のいずれか1項に記載の電気接続構造。
- 前記導電線は前記弾性樹脂中に直線状に配線され、該配線方向と直交する両端面に前記導電線の端面が露出し、該両端面を前記導電材に当接させて電気接続させている請求項1乃至請求項6のいずれか1項に記載の電気接続構造。
- 前記導電線は前記弾性樹脂中に波状に屈曲させて配線され、該配線方向と平行な両側面に前記導電線の屈曲させた頂点を露出させ、該両側面を前記導電材に弾性接触させて電気接続させている請求項1乃至請求項6のいずれか1項に記載の電気接続構造。
- 前記導電線は金線、銅線等の高導電性金属線からなる一方、前記弾性樹脂はシリコンゴムからなる請求項1乃至請求項8のいずれか1項に記載の電気接続構造。
- 請求項1乃至請求項9のいずれか1項に記載の前記電気接続構造を備えている自動車用電気接続箱。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2004071724A JP2005259609A (ja) | 2004-03-12 | 2004-03-12 | 電気接続構造および該電気接続構造を備えた自動車用電気接続箱 |
Applications Claiming Priority (1)
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JP2004071724A JP2005259609A (ja) | 2004-03-12 | 2004-03-12 | 電気接続構造および該電気接続構造を備えた自動車用電気接続箱 |
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Publication Number | Publication Date |
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JP2005259609A true JP2005259609A (ja) | 2005-09-22 |
Family
ID=35085107
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
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JP2004071724A Withdrawn JP2005259609A (ja) | 2004-03-12 | 2004-03-12 | 電気接続構造および該電気接続構造を備えた自動車用電気接続箱 |
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JP (1) | JP2005259609A (ja) |
Cited By (2)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2009043459A (ja) * | 2007-08-07 | 2009-02-26 | Japan Aviation Electronics Industry Ltd | 電気接続装置 |
WO2017029952A1 (ja) * | 2015-08-20 | 2017-02-23 | 株式会社村田製作所 | 弾性導電体 |
-
2004
- 2004-03-12 JP JP2004071724A patent/JP2005259609A/ja not_active Withdrawn
Cited By (4)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
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JP2009043459A (ja) * | 2007-08-07 | 2009-02-26 | Japan Aviation Electronics Industry Ltd | 電気接続装置 |
WO2017029952A1 (ja) * | 2015-08-20 | 2017-02-23 | 株式会社村田製作所 | 弾性導電体 |
JPWO2017029952A1 (ja) * | 2015-08-20 | 2018-02-01 | 株式会社村田製作所 | 弾性導電体 |
US10111325B2 (en) | 2015-08-20 | 2018-10-23 | Murata Manufacturing Co., Ltd. | Elastic conductor |
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