JP2005259421A - 自己復帰型保護素子 - Google Patents

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浩一 中村
Shinichi Otsuka
新一 大塚
Yasutaka Hieda
恭高 稗田
Takaharu Nagae
隆治 永江
Yasuhiro Izumi
泰博 泉
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Abstract

【課題】本発明は、リ−ド端子の一部を狭幅にすることで素子本体とのベースとなるカバー幅を小さくし、自己復帰型保護素子の小型化、薄型化を実現することを目的とする。
【解決手段】本発明は、基板2と、基板2の上に設けられ、対向面が相互に離隔している一対のリード端子4と、対向する一対のリード端子4の一方に固定接続され、他方とは離合可能である可動電極6と、リード端子4の少なくとも一部と、可動電極6を格納するカバーを有し、一対のリード端子4において、カバーの端面と接する部分においてはその幅がカバー外部に突出しているリード端子4の幅よりも狭幅である狭幅部4bを有し、可動電極6が接続もしくは離合する部分においては、カバー外部に突出しているリード端子4の幅よりも狭幅であるとともにカバーの端面と接する部分のリード端子4の狭幅部よりも幅広である構成とする。
【選択図】図1

Description

本発明は、電源回路、電池、その他の電子機器などにおいて用いられ、過電流や異常発熱などからこれら電子機器などの破損を防止するために好適に用いられる、特に電池や電源回路に装着が容易な薄型の自己復帰型保護素子に関するものである。
携帯電話などに用いられる電池や電源回路などの異常発熱による電子危機の損傷発生を未然防止するために、電池などに温度ヒューズが装着されることがあった。
しかしながら温度ヒューズは異常発熱により溶断してしまい、部品取替えを行わなければならないため、異常発熱時には導電を遮断し、その後復帰する自己復帰型保護素子が用いられるようになってきている。
自己復帰型保護素子としては、温度膨張係数の異なる金属を多層にしたバイメタルと呼ばれる可動電極が用いられるものがある。通常時には可動電極が端子同士を接続して電流が導通し、異常発熱時には温度膨張係数の異なる金属の多層構造により可動電極が反り返って、端子の一方の接点から離隔して導通を遮断して機器が保護される(たとえば特許文献1参照)。
図25は従来の技術における自己復帰型保護素子の側面図であり、100は自己復帰型保護素子、101は信号線、102、103は可動電極、104は接続部、105は接点電極、106はケースである(たとえば特許文献2、特許文献3、特許文献4参照)。
また、図26は、従来の技術における自己復帰型保護素子の上面図であり、200は自己復帰型保護素子、201はケース、202は可動電極、203はリード端子である。
特開平6−119859号公報 特開平8−222103号公報 特開平7−45170号公報 特開平6−29560号公報
しかしながら、図25に示されるような従来の自己復帰型保護素子は、ケースの一方から2つのリード端子が突出するために、どうしても大型化してしまい、特に薄型化が要求されるパック電池などには不向きである問題があった。これは、薄型化の困難性もある上に、リード端子が一端から二つとも突出するために、電池などの面に沿って実装することができなかったと言う問題のためでもあった。
また、図26に、記載の自己復帰型保護素子では、一対のリード端子の間にバイメタルなどの可動電極が接続され、その周囲をケースなどでケーシングしているものであるため、その横方向の幅が非常に大きくなり、小型化が困難であると言う問題があった。
特に、薄型化などが要求されるパック電池などにおいては、この側面に自己復帰型保護素子を装着することが望まれるが、その小型化が不十分なために、装着が困難で、薄型のパック電池などに装着することが困難であるなどの問題があった。
特に、リード端子の幅が細い場合であっても、リード端子間に接続される可動電極など
をケーシングするケースの強度を十分に保つためには、リード端子幅よりも十分に大きな幅が要求されるため、ケースの幅が広くなってしまい、いくらリード端子の幅を狭くしても十分に小型化が実現できない問題があった。
一方、これを強引に解決するためにリード端子の幅をどんどん狭くすると、加工性が悪くなって歩留まりが悪くなる上、強度上の劣化の問題、あるいはリード端子の抵抗値が大きくなりすぎて、パック電池などの回路の線路部分などに装着した場合に、高抵抗により問題(消費電力増加による電池動作時間の減少、導電性の劣化、発熱の多さ)などの問題が生じてしまい、現実的には困難であると言う問題があった。
以上のように、従来の技術における自己復帰型保護素子では、小型、薄型の電源やパック電池、あるいは電子機器に装着するには対応できない問題があった。また、上記のように、小型化を追求することで生じる耐久性や強度の劣化などの問題も非常に大きかった。
本発明は、携帯機器や電子機器など小型化が求められる電子機器、とりわけパック電池や電源回路など薄型、小型で装着されることが望まれる自己復帰型保護素子であり、更に、強度や耐久性も同時に確保する自己復帰型保護素子を提供することを目的とする。
本発明は、基板と、基板の上に設けられ、対向面が相互に離隔している一対のリード端子と、対向する一対のリード端子の一方に固定接続され、他方とは離合可能である可動電極と、リード端子の少なくとも一部と、可動電極を格納するカバーを有し、一対のリード端子において、カバーの端面と接する部分においてはその幅がカバー外部に突出しているリード端子の幅よりも狭幅である狭幅部を有し、可動電極が接続もしくは離合する部分においては、カバー外部に突出しているリード端子の幅よりも狭幅であるとともにカバーの端面と接する部分のリード端子の狭幅部よりも幅広である構成とする。
本発明の構成により、一対のリード端子のカバーの端面と接する部分においては、そのリード端子の幅を狭幅としたことで、リード端子の幅に比較されるケースの幅を従来よりも十分に狭くすることができることとなり、小型化、薄型化が実現される。
更に、リード端子においては、カバーの端面と接する部分よりも外側に突出している部分においては、そのリード端子の幅を狭くする必要が無いので、装着時の十分な接合強度を確保でき、更に高抵抗となることが無いため、電流が流れている通常の状態においては、電池の消費電力を増加させたり、電流の流れを制限したり、余分な発熱を生じさせたりなどが無く、素子の小型化と性能とのバランスが確保されるものである。
また、リード端子の狭幅は、ケースの端面に接する部分だけであり、ケース内部では再び幅広となるために、リード端子が、カバーの外側に引っ張られるような力が加わる場合であっても、これに対する応力が(引っかかり部分があるために)働き、リード端子が簡単に抜けることがなく、耐久性と強度が高い素子とすることができる。特に、引張り強度に対する耐久性が非常に高まり、装着時や装着後、あるいは運搬時や検査時の故障などを低減することが可能となる。
また、ケース内部においては、リード端子はケースの端面と接する部分での狭幅とされた幅よりは広く、ケースの外側に突出した部分よりは狭幅であることで、リード端子が、カバーの外側に引っ張られるような力が加わる場合であっても、これに対する応力が(引っかかり部分があるために)働き、リード端子が簡単に抜けることがなく、耐久性と強度が高い素子とすることができる。
しかも、それでもケースの外部に突出しているリード端子よりは狭幅であるので、ケースにおけるリード端子の長手方向側の接合部分の接合面積を十分に確保しつつも、ケース幅を従来よりも狭くすることができるので、小型化と強度確保を両立させた自己復帰型保護素子を実現することができる。
更に、カバーの端面と接する部分よりは幅広であることで、バイメタルなどで構成される可動電極の固定接続と、離合部分の面積を十分に確保することができ、高抵抗とならず、通常状態(遮断状態ではなく、電流導通状態)での性能を十分に確保できるものである。
また、可動電極とリード端子の接点での電気的導通を十分に確保できるため、やはり通常状態での性能面も確保できるものである。
また、リード端子に穴を形成することで自己復帰型保護素子の重量を低減するとともに、穴の大きさを変えることで抵抗値の調整をおこなうことが可能な自己復帰型保護素子を実現することができる。
また、基板と、基板の上に配置された温度維持部品を設けることにより、一旦温度が上昇して可動電極が離隔して電流が遮断された場合でも、一定の期間はその状態が保たれるために、異常電流などの状態が確実に終了したのを確保してから、電流導通が復帰するために、電子機器への悪影響の非常に少ない自己復帰型保護素子とすることができる。
特に、基板やカバー、あるいは必要に応じて設けられる中間補強材を熱可塑性フィルムで形成することで、非常に薄型の自己復帰型保護素子を実現することができる。これにより、特にパック電池や電源回路など、薄型が求められる電子機器に最適な自己復帰型保護素子とすることが可能となる。
さらに以上の結果より、電子機器の小型化、高寿命化を実現することが可能となる。
本発明の請求項1に記載の発明は、基板と、基板の上に設けられ、対向面が相互に離隔している一対のリード端子と、対向する一対のリード端子の一方に固定接続され、他方とは離合可能である可動電極と、リード端子の少なくとも一部と、可動電極を格納するカバーを有し、一対のリード端子において、カバーの端面と接する部分においてはその幅がカバー外部に突出しているリード端子の幅よりも狭幅である狭幅部を有し、可動電極が接続もしくは離合する部分においては、カバー外部に突出しているリード端子の幅よりも狭幅であるとともにカバーの端面と接する部分のリード端子の狭幅部よりも幅広であることを特徴とする自己復帰型保護素子であって、リード端子の電子回路への接合部分の強度を低下させず、抵抗値を上げることなく、素子本体の大きさの中心となるカバーの幅を狭くすることができ、更には、リード端子に対して加わる引張り力に対する強度や耐久性を確保しつつ、小型かつ薄型の自己復帰型保護素子を実現できる。
本発明の請求項2に記載の発明は、基板と、基板の上に設けられた温度維持部品と、温度維持部品の上に設けられ、温度維持部品と接続され、対向面が相互に離隔している一対のリード端子と、対向する一対のリード端子の一方に固定接続され、他方とは離合可能である可動電極と、リード端子の少なくとも一部と、可動電極と、温度維持部品を格納するカバーを有し、一対のリード端子において、カバーの端面と接する部分においてはその幅がカバー外部に突出しているリード端子の幅よりも狭幅である狭幅部を有し、可動電極が接続もしくは離合する部分においては、カバー外部に突出しているリード端子の幅よりも
狭幅であるとともにカバーの端面と接する部分のリード端子の狭幅部よりも幅広であることを特徴とする自己復帰型保護素子であって、リード端子の電子回路への接合部分の強度を低下させず、抵抗値を上げることなく、素子本体の大きさの中心となるカバーの幅を狭くすることができ、更には、リード端子に対して加わる引張り力に対する強度や耐久性を確保しつつ、小型かつ薄型であり、なおかつ一定時間は電流遮断状態を維持できる自己復帰型保護素子を実現できる。
本発明の請求項3に記載の発明は、一対のリード端子において、可動電極が固定接続される部分におけるリード端子幅が、可動電極が離合可能である部分におけるリード端子幅よりも狭幅であることを特徴とする請求項1乃至2のいずれかに記載の自己復帰型保護素子であって、強度を維持しつつ、より小型化を促進することができる。
本発明の請求項4に記載の発明は、一対のリード端子において、可動電極が固定接続されるリード端子は、カバーの端面と接する部分から可動電極が固定接続される部分に至るまで、カバー外部に突出している他の部分よりも狭幅であることを特徴とする請求項1〜3いずれか1記載の自己復帰型保護素子であって、リード端子の電子回路への接合部分の強度を低下させず、抵抗値を上げることなく、素子本体の大きさの中心となるカバーの幅を狭くすることができ、非常に小型かつ薄型の自己復帰型保護素子を実現できる。
本発明の請求項5に記載の発明は、カバーにおいて、リード端子と接続される部分に第一補強材が設けられたことを特徴とする請求項1〜4いずれか1に記載の自己復帰型保護素子であって、可動電極の動作領域を確保できる内部空間を実現できる。
本発明の請求項6に記載の発明は、基板とリード端子が接続される部分において、温度維持部品の周囲に第二補強材が設けられたことを特徴とする請求項2〜5いずれか1記載の自己復帰型保護素子であって、温度維持部品への損傷を防止し、薄型、軽量化するためにフィルム素材を用いた場合であっても、強度を十分に確保できる。
本発明の請求項7に記載の発明は、基板、第一補強材、第二補強材、カバーのうち少なくとも一つが、PET(ポリエチレンテレフタレート)もしくはPEN(ポリエチレンナフタレート)、PPS(ポリフェニレンサルファイト)もしくはPEEK(ポリエーテルエーテルケトン)を主成分とする熱可塑性樹脂フィルムまたは液晶ポリマーで形成されていることを特徴とする請求項1〜6いずれか1記載の自己復帰型保護素子であって、強度を確保しつつ、薄型化、軽量化を実現し、製造工程の容易化を実現して、低コストも実現できるものである。
本発明の請求項8に記載の発明は、可動電極の離合部分、もしくはこれと離合するリード端子の面、もしくは両方に接点電極が設けられたことを特徴とする請求項1〜7いずれか1記載の自己復帰型保護素子であって、電流導通状態での抵抗値を十分に低くするとともに、耐腐食性を向上させるものである。
本発明の請求項9に記載の発明は、可動電極が、任意の温度以下ではリード端子と接し、任意の温度以上ではリード端子と離れることを特徴とする請求項1〜8いずれか1に記載の自己復帰型保護素子であって、異常温度の場合に、電流の導通と遮断を実現し、電子回路の保護を実現することができる。
本発明の請求項10に記載の発明は、可動電極が複数の金属層からなるバイメタルであることを特徴とする請求項1〜9のいずれかに記載の自己復帰型保護素子であって、異常温度の場合に、電流の導通と遮断を実現し、電子回路の保護を実現することができる。
本発明の請求項11に記載の発明は、バイメタルが、リード端子に対向する内層側の金属層が温度膨張係数の高い金属から形成され、外層側の金属層が温度膨張係数の低い金属から形成されることを特徴とする請求項10に記載の自己復帰型保護素子であって、異常温度の場合に、電流の導通と遮断するための可動電極を容易に実現し、電子回路の保護を実現することができる。
本発明の請求項12に記載の発明は、一対のリード端子に、孔部が設けられたことを特徴とする請求項1〜11いずれか1記載の自己復帰型保護素子であって、素子の軽量化、強度向上を実現し、更に抵抗値の調整を可能とするものである。
本発明の請求項13に記載の発明は、温度維持部品がPositive Temperature Coefficient thermister(以下「PTC」という)であることを特徴とする請求項1〜12いずれか1記載の自己復帰型保護素子であって、低コストで、温度維持部品を実現し、電流遮断後であっても一定時間の間においては、電流の遮断状態を維持することで、電子機器の保護を十分なものとすることができる。
本発明の請求項14に記載の発明は、電池と、電池を収納する本体と、本体から導出され電池と電気的に接合された配線と、配線間に設けられしかも本体に接触するよう設けられた自己復帰型保護素子とを備え、自己復帰型保護素子として請求項1〜13いずれか1記載の自己復帰型保護素子を用いたことを特徴とするパック電池であって、異常温度となった場合には、パック電池の電流を遮断することで電子機器を保護するものである。
本発明の請求項15に記載の発明は、基板と、基板の上に設けられ、対向面が相互に離隔している一対のリード端子と、対向する一対のリード端子の一方に固定接続され、他方とは離合可能である可動電極と、リード端子の少なくとも一部と、可動電極を格納するカバーを有し、一対のリード端子において、カバーの端面と接する部分においてはその幅がカバー外部に突出しているリード端子の幅よりも狭幅である狭幅部を有することを特徴とする自己復帰型保護素子であって、リード端子の電子回路への接合部分の強度を低下させず、抵抗値を上げることなく、素子本体の大きさの中心となるカバーの幅を狭くすることができ、更には、リード端子に対して加わる引張り力に対する強度や耐久性を確保しつつ、小型かつ薄型の自己復帰型保護素子を実現できる。
なお、本明細書での自己復帰型保護素子は、バイメタルスイッチや、温度スイッチ、温度センサなどとして用いられるものである。
また、本明細書での可動電極は温度膨張係数の異なる複数の金属層からなるバイメタルが用いられることが多いが、これ以外であってもよく、バイメタルは2層構造、3層構造、これ以上の層構造を有するものであってもよい。本明細書では可動電極として説明されているが、これの具体例としてバイメタル片が用いられることが多い。
また、可動電極の可動とは、可動電極の一端が固定接続されている場合に、他端が基本的に上下に動いて、その先端部がリード端子表面、あるいはリード端子に設けられた接点電極と接触したり、非接触となったりする離合を行う動作を主にいう。また、もちろん横方向に動作して接触、非接触となる離合を行うものであってもよい。
また、温度維持部品とは、一定の時間その温度を維持する部品をいい、特に高温となった場合に、その高温状態を一定時間維持する役割を有するものを言う。特に、低温時には抵抗値が低く、高温時には抵抗が高くなって、その高温状態を維持するPTCが用いられることが多く、本明細書では温度維持部品としての一例としてPTCが説明される。
以下、図面を用いて説明する。
(実施の形態1)
図1(a)、図1(b)、図2(a)、図2(b)、図5は本発明の実施の形態1における自己復帰型保護素子の斜視図、図3、図4、図8、図9、図10、図11は本発明の実施の形態1における自己復帰型保護素子の側面図、図6は本発明の実施の形態1におけるPTCの斜視図であり、図7は本発明の実施の形態1における可動電極の側断面図である。
図1(a)には、リード端子が、カバーの端面と接する部分でその幅が狭幅となる狭幅部を有し、カバー内部では再び幅広となるが、その幅広は、カバー外部に突出しているリード端子の幅よりは狭幅である場合が表されている。
図1(b)には図1(a)と基本的には同じであるが、一対となるリード端子での対向する部分において、可動電極が固定接続される側のリード端子の幅が、他方のリード端子の幅よりも狭幅である場合が表されている。
図2(a)には、図1(b)を更に進めて、可動電極が固定接続される側のリード端子が、ケースの端面と接する部分において狭幅となったその狭幅を維持した状態が表されている。
図2(b)には、リード端子が、ケースの端面において一旦狭幅となり、ケース内部では再び幅広となって可動電極の固定接続部分と、離合部分での幅広が確保され、その幅がケースの外側に突出している部分の幅と略同一の幅を有している形態が表されている。
1は自己復帰型保護素子、2は基板、3は温度維持部品、4はリード端子、4bは狭幅部、5は接続面、6は可動電極、6bは離合接点、7は固定接続部、8は接点電極、9は第二補強材、10はカバー、11は第一補強材、12は内層部、13は電極面、14は外層、15は内層、16は中間層、I1は電流である。
最初に、各部の詳細について説明する。
まず、基板2について説明する。基板2は図1〜図5に示されている。
基板2は、自己復帰型保護素子1の底面に位置して配置され、素子全体の形態の確保と強度の確保が実現される。基板1としては、アルミナなどのセラミック板が使用されることもあるが、十分な強度を有するものであれば、PET(ポリエチレンテレフタレート)もしくはPEN(ポリエチレンナフタレート)、PPS(ポリフェニレンサルファイト)もしくはPEEK(ポリエーテルエーテルケトン)を主成分とする熱可塑性樹脂フィルムまたは液晶ポリマーで形成されてもよいものである。これらの素材で形成される場合には、非常に薄型として実現され、また軽くなるというメリットもある。
また、基体2は方形板状のみでなく、円形状、楕円形状、三角形状、五角形以上の多角形状の板状体を用いても良い。
次に温度維持部品3について説明する。
温度維持部品3は、他のリード端子4や可動電極6などのような金属に比較して、通常時にはその抵抗がやや高く、通常状態においては大半の電流がリード端子4から可動電極6を通じてもう一方のリード端子4に流れる。この状態においては、温度維持部品3には
ほとんど電流が流れず、発熱もほとんど起こらない。
これに対して、可動電極6が発熱により反り返り、接点電極8がリード端子4と離れると、電流はリード端子4から温度維持部品3に流れるようになり、温度維持部品3は発熱する。ここで温度維持部品3は、抵抗が急激に高くなって電流が流れなくなるキュリー点が100℃前後にあるため、それ以上には温度があがらず、温度が維持される。さらに、この温度では温度維持部品3はキュリー点の作用により電流が流れず、リード端子4同士の間での電流の導通が起こらず、電流が遮断されたままである。この維持された温度が可動電極6にも伝導されるため、可動電極6はしばらくは反り返って接点電極8がリード端子4と離れた状態が維持されて通常の電流が遮断された状態が継続される。
温度が下がってくると、可動電極6が再びリード端子4と接触して通常状態に戻るものである。温度維持部品は以上のような役割を果たすものである。
温度維持部品3は基板2の上に配置されており、接着剤などで接着されて基板2に固定されている。なお、接着に当たっては、溶着などでもよく、基板2との間に衝撃緩衝材(図示せず)が設けられることも好適である。衝撃緩衝材は、たとえばゲル状の樹脂などがあり、このような衝撃緩衝材が設けられることで、温度維持部品3の上に一対のリード端子4が接続される際の衝撃により、温度維持部品3が破損したり、クラックが生じたりするのを防止することが可能となる。もちろん、温度維持部品3による基板2への損傷も防止することが可能となる。
なお、基板2の上に温度維持部品3を接着する材料としては、プラスチック樹脂、ガラス及びプラスチック樹脂またはガラスを含有する金属皮膜などが使用できる。金属被膜を接着剤として用いる場合には、基体2上に印刷などによって、金属被膜を形成し、この金属被膜上に温度維持部品3を載置し、超音波溶接等を用いて基板2と温度維持部品3とを接合する。基板2の材料が熱可塑性プラスチックである場合には、温度維持部品3を基板2に配置した後、急速加熱、急速冷却して基板2の表面を融かし接着することもできる。特に好適な接着剤として、アルミナ及びシリカのフィラーを含有したエポキシ樹脂が使用される。
ここで、温度維持部品3としては、いわゆる「Positive Temperature Coefficient thermister」(以下「PTC]という)が用いられることが多く、PTCを任意の形状に形成したものが、基板2の上に配置される。
PTCはその内層12がチタンバリウム(BaTiO3)にLaなどの希土類をドープしたチタンバリウム半導体などの材料で形成され、その周回に電極面13が形成される。図6には、このPTCの形態が表されている。
あるいは、樹脂にカーボンなどのフィラーを入れた樹脂ベースのPTCを用いてもよい。この場合には、セラミックなどで形成するよりも耐衝撃性の強いPTCを形成することが可能である。
また、温度維持部品3の強度確保のために、その角部に面取りを施すことも好適であり、形状を角形のみならず、多角形や円形、楕円形とする、あるいは角部をとった形状とすることなどで、温度維持部品3の強度を確保することができる。これは、温度維持部品3がリード端子4と基板2にはさまれて配置されること際に受けやすい衝撃に対する対応性を確保できるメリットがあるものである。
また、温度維持部品3の面積を少なくとも可動電極6の固定接続部7と接点電極8とリ
ード端子4の幅から囲まれる範囲を超える面積とすることが好ましい。これにより、一定の硬さを持つ温度維持部品3が基板2とともに自己復帰型保護素子の底面を形成して、一定の形状を確保でき、さらにその強度も確保できるようになるメリットがある。さらには、基板2と同等の面積とすることも好適であり、これによりさらに底面の形状と強度を確保でき、これとカバー10とをあわせて薄型を実現しながら、十分な強度を確保することができるメリットがある。
また、温度維持部品3とリード端子4の接続においては、半田や金属ペーストによる接続のほかに、作業時の破壊や損傷防止のために、いわゆる密着させることで電気伝導される圧着や圧接が用いられることも好適である。
次にリード端子4について説明する。
リード端子4は一対のリード端子になっており、基板2の上にそれぞれ対向するように接続されている。リード端子4の対向面はそれぞれ任意の距離離れて対向している離隔状態にある。
なお、リード端子4は、温度維持部品3を用いない場合には、基板2の上に直接接続されれば良く、温度維持部品3が用いられる場合には、温度維持部品3の上に接続されるものである。
接続には半田付けや、銀ペーストなどの金属ペーストによる溶着、あるいは圧接などで実現され、接続強度や接続精度を高めるために、接続面に表面あらしが設けられることも好適である。
また、温度維持部品3と接続される必要がある場合には、温度維持部品3がセラミックなどの非常にデリケートな部材で形成されることが多く、半田付けや金属ペーストによる溶着ではなく、リード端子4との間では圧着されることでもよい。
リード端子4は、電気伝導性の有る材料から形成され、特に金属が好ましく、具体的には、鉄、ニッケル、銅、アルミニウム、金、銀、スズから選ばれる少なくとも一つの単体材料もしくはそれら金属材料の合金、或いは前述の材料グループから選ばれる少なくとも一つの単体もしくは合金に材料グループ以外の元素を含有させた金属材料等が使用できる。
また、表面に単層あるいは多層のめっき処理が施されることで導電性や耐久性の向上などを高めることも好適である。
また、リード端子4においては後で述べる可動電極6の離合接点6bの離合の繰り返しに対する耐久性を確保するために、この部分のみ、めっき層をより多層化したり、厚くしたり、別材料を用いることも好適である。
また、リード端子4は相互に対向しているが、その対向距離があまりに狭いと、可動電極6の先端がリード端子4と非接触となることで非導通となった場合であっても、リード端子4同士で導通してしまう可能性があり、回路の保護に不適切となる。このため、リード端子4の対向距離は一定以上あることが好ましい。
ここで、本発明の特徴である、自己復帰型保護素子1を小型化しつつも、その強度を確保するという、バランスのとれた自己復帰型保護素子1を実現する形態、形状について、詳細に説明する。
狭幅部4bはリード端子4において、カバー10の端面(ここでの端面はリード端子4がカバー10内部に入り込む部分の端面である)と接する部分において設けられたものである。狭幅部4bはリード端子4が、カバー10の外側に突出している部分における幅よりも狭くなっている部分である。また、狭幅部4bはカバー10との境界線のみでピンポイントに狭幅となっているのではなく、その前後においても狭幅となっている。
これは図1(a)〜図2(b)のいずれにおいても共通している形状である。
この狭幅部4bにより、まずカバー10におけるこのリード端子4が挿入される端面の幅を狭くすることが可能となる。即ち、入り込むリード端子4の幅が狭くなった分、これを受け入れるカバー10の端面も狭くてすむものである。
これにより、まず、従来の技術における自己復帰型保護素子1と異なりカバー10の幅を狭くできる、即ち素子の小型化が実現されるものである。
更に、カバー10の外部に突出している部分においては、リード端子4は狭幅ではないため、実際の回路の伝送路などに実装する際には十分な強度を有し、更に高抵抗となることも無く、実装強度と導通抵抗の性能を確保したまま、小型化することが可能である。
次に、図1(a)、図1(b)、図2(b)に示されるように、狭幅部4bを有するリード端子4は、カバー10内部では再び幅広になっている。
これは一つには、バイメタルなどで構成される可動電極6の固定接続部7、接点電極8の面積を十分に確保するためである。自己復帰型保護素子1は、可溶電極などからなる温度ヒューズと異なり、離合を繰り返すことで、電流の導通と遮断の繰り返しを実現する。このため、非常に細いヒューズエレメントを用いることのできる温度ヒューズとは異なり、一定の大きさを必要とする可動電極6が必要となる。更に、離合の繰り返しに対応するために、十分な耐久性も要求される。
このため、カバー10(即ち素子)の幅、大きさを小型化するために、カバー10の端面付近で設けられた狭幅部4bが存在しても、可動電極6を固定接続し、離合させる対向部分(カバー10内部)においては、狭幅部4bよりも幅広にすることが好ましいものである。
二つ目として、リード端子4に加わる引張り力に対する強度を確保する目的もある。
リード端子4において、狭幅部4bが、カバー10内部に入ると再び幅広くなることで、カバー10内部で引っかかり部分が生じる。この引っかかりが引張り力に対しての抵抗力として働き、引張り力に対しての強度が向上し、耐久性が向上するものである。更に、引張り力に対する抵抗力を向上させるために、リード端子4がカバー10に引っかかるようU字またはV字型の抜けにくい形状にすることも好適である。
更に、リード端子4が可動電極6を接続する部分においては、狭幅部4bよりは幅広であるが、カバー10の外部に突出する部分の幅よりは狭幅とすることで、カバー10における、リード端子4の長手方向側の接着面の面積を十分に確保できるため、カバー10の強度を十分に確保できる。特に、薄型の自己復帰型保護素子1を実現するために、カバー10などをPENなどのフィルム素材で形成する場合には非常に効果的である。このように、十分な接着面積を確保できることで、やはりカバー10の幅を狭くすることも可能であり、素子の小型化が実現されるものである。更に、カバー10の内部空間が確保され、
可動電極6の動作範囲が十分に確保されるメリットもある。
以上説明したように、リード端子4において、まず電子機器などに装着する部分となる、カバー10から突出した部分においては、低抵抗かつ接合強度を確保できる幅を持ち、ついで、カバー10の端面と接する部分においては狭幅とする狭幅部4bを形成してカバー10の幅を小さくして、小型化を実現し、更に、カバー10内部においては、再び幅広とすることでリード端子4に加わる引張り力に対する強度、耐久性を確保し、更にこの幅広を突出している部分よりも狭幅とすることで、カバー10と基板2の接着面積を十分に確保して、ケース10の幅を狭いままとしても十分なケース強度を確保して、可動電極6の動作範囲を確保できる、自己復帰型保護素子とできるものである。
なお、図1(a)に示されるように、リード端子4の可動電極が接続される部分においては、狭幅部4bよりは幅広で、カバー10から突出している部分よりは狭幅である場合には、上記のような効果を奏する。
ついで、図1(b)のように、可動電極6を固定接続する側を、他方よりも狭幅とすることも好適である。例えば、可動電極6においては固定接続部7側では一定の面積が確保されていれば十分であるが、離合により接触と、離隔とを繰り返す接点電極8側では、十分な面積を確保しておく必要があるため、図1(b)のように、その幅を相違させることも良い。
更に進めて、図2(a)のように、固定接続部7側は、狭幅部4bの狭幅のままにしておくことでも良い。これにより、カバー10の長手方向の接着面積が更に広がり、接合強度が向上するものである。
あるいは、製造工程の容易化を優先するために、可動電極6が接続される部分においての幅広が、カバー10の外部に突出しているリード端子4の幅と略同一のままとしておくことも好適である。この場合には、製造が容易となり、更に引張り強度に対する抵抗力が強くなるものである。
なお、リード端子4の任意の箇所に孔部を形成することにより自己復帰型保護素子の重量を低減するとともに、孔部の大きさを変えることで自己復帰型保護素子の抵抗値の調整をおこなうことも好適である。
次に、接続面5について説明する。
接続面5は可動電極6の一端を固定接続するための部分であり、固定接続部7が設けられており、リード端子4の一方の先端部分に設けられる。固定接続の接続強度を確保するために、表面があらされていることが好ましく、半田や金属ペーストなどで接続されて、リード端子4と可動電極6との間が高抵抗とならないように、十分な面積を確保しておくことが好ましい。
次に、可動電極6について説明する。
可動電極6は、温度によって反り返るなどして、その固定接続部7と反対側の先端が、リード端子4と接触したり非接触となったりするスイッチの役割を有する部材である。
可動電極6は、通常バイメタルと呼ばれる温度膨張係数の異なる多層の金属から形成される。たとえば、リード端子と対向する内層15には、温度膨張係数の高い金属で層が形成され、外層14には温度膨張係数の低い金属で層が形成される。また、強度確保や可動
動作の機敏性を高めるために、内層15と外層14の間にさらに別の金属による中間層16を形成することも好適である。内部に存在する中間層16は2層以上であってもよい。また、温度膨張係数が、内層15よりも低いが、外層14よりも高い金属を用いて、反り返りと復帰の動作をより機敏にすることも好適である。
可動電極6の材料としては、一般的に、高膨張側はMn−Ni−Co系合金材料が用いられ、低膨張側はFe−Ni系のインバー合金材料が用いられることが多く、もちろん、これら以外の材料であっても良いものである。
また、可動電極6の他の材料としては、形状記憶(合金、樹脂)材料も好適に用いられるものである。
図7に可動電極の即断面図が示されている。図7にあるように、可動電極6を屈曲させることで、ばね性などの弾性を持たせて、先端がリード端子4と接触する際の圧接力を高めることも好適である。これにより、余分なばね材料やばね部品を用いる必要がなく、小型化、低コスト化に貢献するものである。
また、可動電極6が接続される部分において、角部に切り取りが設けられておくことで、接続処理などの部材の位置確保が容易となるメリットがある。たとえば、切り取られた角部に電気プローブを当ててリード端子4と可動電極6とに電流を流して温度を上昇させて、リード端子4と可動電極6の間に挟まれた接続溶融体を溶融させて接続を容易に実現することができる。これは、素子の小型化が進むにつれ、効果的な手法である。
次に、固定接続部7について説明する。
固定接続部7はリード端子4の一方と、可動電極6の一方を固定的に接続する部位であり、可動電極6の一端がリード端子4に確実に固定されてリード端子4と可動電極6の電気導通が確実になる。接続には半田付けや金属ペーストによるものでもよく、上述のように、あらかじめ可動電極6と固定接続部7の間に溶着用金属を挟んでおいて、リード端子4に電流プローブを当てて電流を流して発熱させて溶着用金属を溶融させて、リード端子4と可動電極6とを接続させる。
このとき、可動電極6の四隅に切り落としをつけることで、リード端子4に電流プローブを当てるスペースを確保して、確実に溶着を行うことに加えて、フィルムなどで形成される中間補強材の溶着時の電流プローブ設置スペースの確保が兼用されている。
次に、接点電極8について説明する。
接点電極8は可動電極6の先端につけられてもよく、リード端子4の可動電極の可動側の先端と接する部分につけられてもよく、その両方につけられてもよい。接点電極8は半球形などの凸部により形成されることが多く、その表面は金属層が形成され、めっきなどが施される。また、接触と非接触を繰り返しに対応するため、接点電極8やこれに接触する可動電極6やリード端子4の接触部分のめっき層の多層化や、厚みを増すなども好適である。また接点電極8が、図3のように凸部として形成されていなくてもよく、可動電極とリード端子4がその先端で接触するだけでもよいが、凸部からなる接点電極8が存在することで、可動電極6とリード端子4の確実な接触が可能となって、低抵抗の導通が可能となる。
また、接点電極8の厚みは、可動電極のリード端子4から遠ざかる上下方向の可動領域を妨げない程度の厚みとすることが好ましく、接触する表面積を十分に確保することで、
接触時の電気抵抗を下げることが好ましい。
また、接触電極8の耐久性をさらに高めるために可動電極6やリード端子4に用いられる金属よりも硬度の硬い金属を用いることも好適である。また、可動電極6側のみに接点電極8が形成される場合には、リード端子4のこれと接触する位置のめっき厚や金属厚を厚くし、逆に、リード端子4側のみに接点電極8が形成される場合には、可動電極6のこれと接触する部位のめっき厚や金属厚を厚くすることも好適である。
なお、図4(a)などでは、可動電極6の一方がリード端子4の一方に固定的に接続され、他方がリード端子4と離合可能な構成が表されているが、図4(b)に示されるように、可動電極6がそれぞれリード端子4と固定接続されて、中途部分に離合可能な離合接点6bを形成して、電流の導通と遮断を切り替えることも好適である。このような構成により、可動電極6の離合接点6bにおける相互の接触面積を広くすることができて、電気抵抗を低下させることが可能となるものである。
次に、カバー10について説明する。
図3、図4、図5にはカバー10により覆われている場合があらわされている。
カバー10は自己復帰型保護素子1において、可動電極6、リード端子4の一部、基板2などを覆うものであり、素子としての形状、耐久性を確保するために用いられる。カバー10は可動電極6、温度維持部品3とリード端子4の一部を少なくとも覆うものであり、これに伴い接点電極8や固定接続部7なども覆われるものである。
カバー10は少なくとも可動電極6が動作する可動領域を確保できることが好ましい。また、カバー10が衝撃などにより底面側に押し込まれると、可動電極6が上方に反り返って非接触となる動作が困難となるので、一定の形状を確保できる強度を有していることが好ましい。たとえばカバー10の周囲側面に面取り(R)を設けて強度向上を実現し、あるいは折り曲げとなる部分の厚みを他の部分より厚くし、あるいは面取りを設けて強度向上を図ることも好適である。
あるいは、カバー10内部に柱状の支え部を設けて、可動電極6が動作する動作領域を確保することも好適である。
また、カバー10は基板2とリード端子4の外周において溶着接続されて、カバー10による素子を覆うことが実現される。
次に補強材について説明する。
第一補強材11と第二補強材9は、必要に応じて設けられる。
第一補強材11は図4に示されるように、基板2とリード端子4との間に設けられ、温度維持部品3の配置空間を形成しつつ、その周囲の強度を確保するために用いられる。図3に示されるように、リード端子4の途中部分を折り曲げることで、その折り曲げられた空間に温度維持部品3を配置する空間を設ける場合には、基板2とリード端子4が直接接するので、温度維持部品3の配置空間の確保は不要である。しかしこのような場合であっても強度を向上させるために、第一補強材11が用いられることも好適である。
また、図4に示されるような場合には、温度維持部品3の配置空間確保に加えて、リード端子4と基板2との間に非充填空間が発生すると、リード端子4と温度維持部品3との
接続の耐久性が弱くなるなどの問題も発生するため、これを防止して強度向上させるための補強材としても好適に用いられる。
さらに、第一補強材11と第二補強材9とをリード端子4の外周において相互に溶着させることで、リード端子4、温度維持部品3を挟み込む力が強くなり、これにカバー10を加えて薄型でありながら十分な強度確保ができる素子を実現することができる。
次に第二補強材9は図1、図3などに示されるように、リード端子4の上であって、固定接続部や接点電極8よりも外側の位置において形成される。第二補強材9はカバー10により形成される内部空間の空間確保と強度確保を実現する。
また、第二補強材9は第一補強材11、およびカバー10、基板2とを相互接続するための溶着の仲介部としても用いられることで、基板2とカバー10を基本として構成される本体と可動電極6の可動領域が確保される空間が構成される。
特に、カバー10が樹脂フィルムなどで形成される場合には、金属であるリード端子4とを直接溶着させることができないため、中間層としての第二補強材9を活用することが効果的であるメリットもある。
ここで、基板2と同様に、カバー10、第一補強材11、第二補強材9はそれぞれ、あるいは少なくとも一部がPET(ポリエチレンテレフタレート)もしくはPEN(ポリエチレンナフタレート)、PPS(ポリフェニレンサルファイト)もしくはPEEK(ポリエーテルエーテルケトン)を主成分とする熱可塑性樹脂フィルムまたは液晶ポリマーで形成されてもよいものである。これらの素材で形成される場合には、非常に薄型として実現され、また軽くなるというメリットもある。
また、ポリイミドも好適に用いられる。これは基板2、第一補強材11、第二補強材9、カバー10のいずれでも同様である。
さらに、基板2とカバー10をこれらの樹脂フィルムで形成し、リード端子4の下に温度維持部品3を配置して、温度維持部品3を底面形状確保の部材として活用し、さらに必要に応じて形状と強度確保のための第一補強材11、第二補強材9を基板2やカバー10との封止溶着の中間層16として用いるという以上の構成により、可動電極6動作を確保しつつ、従来のように樹脂や絶縁体ケースを用いる場合に比べて、非常に薄型の自己復帰型保護素子1を実現することができる。
すなわち、基板2の上に温度維持部品3を配置して、その上に一対のリード端子4を重ね、リード端子4間に渡って可動電極6が設けられて、可動電極6の可動空間を確保するカバーを形成する構成で、ケースの中にスイッチを格納して、ケースから銅線を突出させる場合より、非常に薄型とできるものである。このため、電池に装着したり、電源回路などの回路基板に装着したりすることも容易となる。また、装着できることで、電池や基板からの熱や電流の感知が容易となって、より機敏な自己復帰型保護素子の動作が実現されるメリットがある。
以上が、実施の形態1に係る自己復帰型保護素子1の構成などについての説明である。
次に、自己復帰型保護素子の動作について図8〜図11を用いて説明する。
図8には、自己復帰型保護素子の通常状態が示されている。
通常状態では、リード端子4から電流I1が流れ込み、接点電極8がリード端子4と接触状態である可動電極6においても同様に電流I1が導通して、他方のリード端子4に電流I1が流れ出す。すなわち、可動電極6を経由して電流I1が導通し、たとえばこの自己復帰型保護素子1が接続された電極間の導通が実現されている。
次に、何らかの異常電流が発生し、可動電極6が異常発熱する。可動電極6はその内層の熱膨張係数が高く、外層が低いため、内層側の体積が大きくなって、留め金がはじけるように外層側に向かって反り返ることになる。この結果、接点電極8がリード端子4から離れ非接触となり、可動電極6を経由したリード端子4間の電流導通が遮断される。代わりにI1がリード端子4から温度維持部品3に流れ込むように電流経路が切り替わる。図9に示される状態である。
電流I1が温度維持部品3に流れ込むと、温度維持部品3は即座に温度上昇し、キュリー点付近まで早急に温度が上昇する。キュリー点付近まで温度が上昇すると、抵抗値が非常に大きくなり電流I1が流れなくなり、温度維持部品3を経由した電流導通も遮断される。このとき、可動電極6の非接触発生から生ずる電流遮断から即座に温度維持部品3の電流遮断も起こるので、リード端子4間に電流が流れるのはごくわずかである。
キュリー点付近まで温度上昇した温度維持部品3は、一定時間その温度状態が維持される。特に、異常電流が残っている間は温度状態が維持される。このため、温度維持部品3の発生させる高い温度が伝導された可動電極6は、未だ反り返った状態が維持されて接点電極8はリード端子4と非接触状態を維持し続ける。図10に示される状態である。
徐々に、電子機器の異常が是正され、異常電流がなくなり、温度維持部品3の温度が低下すると、可動電極6の温度も低下し、その反り返り状態が解消されて、再び接点電極8がリード端子4と接触する状態に戻る。図11に示される状態である。これにより、再び可動電極6を経由してリード端子4同士の電流導通が確保され、電子機器の通常動作が行われる。
このように、異常電流などの発生により、装着している電源や回路、電池などの温度が上昇した場合には、その電流の導通を遮断して、以後の温度上昇を防止し、機器への悪影響を防止するものである。更に、温度ヒューズと異なり、再び電流導通が復帰するものであるので、素子の取替えや回路の取替え、修理などが不要で、電子機器の修理コストの低下や、ユーザーへのフレンドリーさを向上させることも可能である。
更に図8〜図11を使って説明したように、温度維持部品3が存在する場合には、発熱により可動電極6が非接触となって電流が遮断されたあとでも、異常電流状態が終了するまでの間、その電流遮断が維持されて、回路や機器の保護が十分に確保されるメリットもある。
なお、図8〜図11では温度維持部品3を有している場合について説明したが、もちろん、温度維持部品3がない場合でも同様である。この場合には、温度維持部品3による一定時間の電流遮断が生じず、可動電極6の反り返りがなくなるレベルまで冷却されれば、電流遮断状態から、電流導通状態へ復帰するものである。
なお、このようにして作成される自己復帰型保護素子の大きさは、カバー10などで形成される本体サイズとしては、縦の長さL1、横の長さL2、厚みL3としたときに、
2.0mm ≦ L1 ≦ 12.0mm
4.0mm ≦ L2 ≦ 20.0mm
1.0mm ≦ L3 ≦ 3.0mm
であって、更に好ましくは、
3.0mm ≦ L1 ≦ 6.0mm
4.0mm ≦ L2 ≦ 8.0mm
1.0mm ≦ L3 ≦ 2.0mm
であるものが構成されるが、もちろん、これ以外の大きさであってもよいものである。
以上のように、リード端子4に、狭幅部4bを形成してカバー10と接続し、可動電極6が接続される部分においては、種々の形態による幅広形態とすることで、小型化、薄型化と、強度や耐久性の確保、可動電極の動作領域の確保といった全ての点をバランスよく実現することが可能となる自己復帰型保護素子1を実現できる。また、これにより、この自己復帰型保護素子1を装着する電池や電源回路などの小型化、薄型化に対応できるものである。
(実施の形態2)
実施の形態2において、本発明の自己復帰型保護素子の製造工程について説明する。
図12〜図21は本発明の実施の形態2における自己復帰型保護素子の製造工程図である。それぞれ、製造工程における順序に図面番号が従っている。なお、これは製造工程の一例であり、もちろん、これ以外の工程で製造されてもよいものである。
20は貫通孔、21はドーム、22は接点薄膜面、23はフィルム溶着部、24は内部空間、25は溶着物、26はカバー部材、39は狭幅部、40は孔部である。
図12には基板2を形成する基板フィルムに温度維持部品3が接着されている状態が示されている。基板フィルムは、実施の形態1で説明したように、PET(ポリエチレンテレフタレート)もしくはPEN(ポリエチレンナフタレート)、PPS(ポリフェニレンサルファイト)もしくはPEEK(ポリエーテルエーテルケトン)を主成分とする熱可塑性樹脂フィルムまたは液晶ポリマーなどで形成される。あるいはセラミックや絶縁処理が施された金属板で形成されてもよい。
温度維持部品3はチタン酸バリウム半導体などで形成されたセラミックの表面に電極が形成されたPTCなどであり、プラスチック樹脂、ガラス及びプラスチック樹脂またはガラスを含有する金属皮膜などなどの接着剤などで接着、固定される。超音波溶着なども用いられる。貫通孔20は、製造工程を自動化する際に、部品を固定する固定具を通すために用いられるものである。
図13には可動電極6が示されており、熱膨張係数の異なる多層金属から形成されるバイメタル片などである。ドーム21はドーム形状に湾曲した部分であり、これにより、先端の先端電極がリード端子4に対して接触する際にばね性、弾性力を持たせることで、圧接力を向上させることができる。
図14(a)、図14(b)、図14(c)、図14(d)にはリード端子4が基板2上の温度維持部品3の上に接続された状態が示されている。また、図示されていないが、リード端子4と基板2の間には第一補強材が形成されていてもよい。
ここで、図14(a)には、狭幅部39がその切り込み形状が円弧状である場合が示されており、図14(b)には、狭幅部39が、その切り込み形状が直線的(V字型)である場合が示されており、図14(c)、図14(d)はそれぞれの場合であって、リード端子4に孔部40が形成されている場合が示されている。
狭幅部39の切り込み形状を円弧状やV字型などとすることで、その強度と製造工程の容易性のバランスを図ったり、あるいは、リード端子4の抵抗値を変化させたりすることが可能となるものである。
また、孔部40はドリル、レーザーなどで形成されるものであるが、この孔部40により、リード端子4の軽量化や、あるいは断面を増やすことによる強度増加を実現することができるものである。また、孔部40により、リード端子4の抵抗値を調整することも可能である。
リード端子4と温度維持部品3は半田や金属ペーストによる接続や、圧接により接続され、リード端子4条には第二補強材9を接続するフィルム接合部23が形成され、さらに可動電極6の先端が接触する部位には接点薄膜面22が形成されている。接点薄膜面22は導通製のよい低抵抗で、かつ耐久性と耐衝撃性のよい金属膜やめっきにより実現される。
図15(a)、図15(b)には可動電極6がリード端子4に固定接続部7を用いて接続された状態が示されている。可動電極6の根元は、リード端子4と固定接続部7により固定接続され、先端(必要に応じて接点電極が設けられている)は対向するもう一方のリード端子4の接点薄膜面22と接触する。このときドーム21のもつ弾性力により、接点での接圧が高くなる。
ここで、図15(a)では、狭幅部39の切り込み形状が円弧状の場合が示され、図15(b)には狭幅部39の切り込み形状がV字型の場合が示されている。上記と同様に、強度や製造工程の容易性のバランス、あるいは抵抗値の相違を出したい場合のバリエーションとして用いられるものである。
図16には、第二補強材9が示されており内部空間となる部分が切り抜かれたフィルムであって、その形状、大きさが素子本体に合わせた形状で構成されている。材質としては、PENなど基板2と同様のものが用いられる。
図17には第二補強材9が基板2やリード端子4と接続された状態が示されている。第二補強材9のもつ開口部が、可動電極6やこれに接続される固定接続部7、接点薄膜面22が存在する内部空間24として確保される。第二補強材9はフィルム溶着部23とあわせられて溶着され、さらに基板2とも溶着される。このとき貫通孔20をあわせることで、位置ずれなどなく製造することができる。
図18には第二補強材9が溶着された状態が示されている。溶着部25は超音波溶着などにより溶着された結果、溶着物がはみ出した状態であり、この溶着物が十分な量を有していることで、内部空間の封止が十分に確保される。このため、この溶着部25の溶着物の適正量を十分に確認しつつ、溶着を実行することが好ましいものである。溶着が不十分であると、外部との密封性が不十分となり、熱の漏れや水分や酸素の本体内部への混入による接点電極8や可動電極6の腐食などが発生する可能性がある。耐久性の高い自己復帰型保護素子1とするために、十分に溶着を確保する必要がある。
図19には、カバー10を形成するカバー部材26が示されている。カバー10は盛り上がりを有した形態をしており、基板2などと同じくPENなどにより形成される。
カバー10はその角部に面取りが施されたり、Rを設けたりすることで、その強度を向上させることが好適である。またカバー10の大きさは、図17に示された第二補強材9に設けられた開口部、すなわち可動電極6などの格納される本体部をすっかり覆う大きさ
のものであればよい。このため、カバー10は可動電極6、接点電極8、リード端子4の一部、温度維持部品3を覆うものとなる。
図20には、カバー部材26が第二補強材9の上に溶着されて、素子にカバー10がかぶせられた状態が示されている。溶着においては、第二補強材9と基板2との間での接続に用いたのと同じように超音波溶着などが用いられる。溶着において溶着物が生じ、これにより十分な封止が実現されるので、内部空間に存在する可動電極6などの腐食や劣化を防止するためには、十分な溶着物による溶着が実現されているかを確認することが好ましい。
図21(a)、図21(b)は、図20で示される余分なフィルム部分を切り取って、単体の自己復帰型保護素子としたものが表されている。
図21(a)は通常のリード端子4が、図21(b)には孔部40が設けられた場合が示されている。
このように、一連に連続した状態で製造して、最後に個別に切り離す事で、一度に、非常に簡単な工程で大量に製造することができるので、低コストかつ歩留まりの高い製造が可能となるものである。
以上のような工程で、最終的に製造される自己復帰型保護素子1は非常に小型かつ薄型のものとすることができる。
(実施の形態3)
実施の形態3においては、自己復帰型保護素子1が各種の機器に適用された状態が示されている。
図22は本発明の実施の形態3におけるパック電池の斜視図である。パック電池に実施の形態1、2で説明した自己復帰型保護素子が装着されている状態が表されている。なおパック電池以外の電池が電源回路、基板回路に用いられてもよい。
図23は本発明の実施の形態3における電子機器の斜視図であり、図24は本発明の実施の形態3における電子機器の正面図である。電子機器の一例としてノートブックパソコンと携帯電話が表されており、これの機器内部における、たとえば電源部、電源接続部、液晶ドライバなどの高電圧部などに実施の形態1で説明された自己復帰型保護素子1が装着された形態が示されている。
なお、電子機器は図23のようにノートブックパソコンに限られるものではなく、他の携帯端末やPDA、テレビなの家電品、照明器具や電熱危惧などなど、種々の製品に用いられるものである。
図24には携帯電話に装着された場合が示されている。
31はパック電池、32は電池、33は本体、34、38は配線、35、37はリード端子、36は自己復帰型保護素子である。
50はノートブックパソコン、51は第一筐体、52は表示面、53は第二筐体、54は入力装置である。
60は携帯端末、61は筐体、62は表示部、63は送信処理部、64は受信処理部、
65は制御部、66は電源である。送信処理部63は送信信号の変調などを行い、受信処理部64は受信信号の復調などを行い、制御部65は全体の制御を行う。また、表示部62や電源66の近辺などに自己復帰型保護素子1が装着されるものである。
自己復帰型保護素子は実施の形態1、2で説明した自己復帰型保護素子であり、以上発熱からの保護素子として用いられている。自己復帰型保護素子36は基体の上に一対のリード端子35、37が接着され、電池32の配線34、38とそれぞれ接続されている。自己復帰型保護素子36は電池32のプラス、もしくはマイナスのいずれかの電極のみから導出された配線の途中に置かれた状態で接続されているもので、途中に自己復帰型保護素子36により、その配線が34と38に分かれている上体である。配線34もしくは38はそのまま外部に導出されて他の電子部品に接続される。また、これと別個に(図示せず)プラス、もしくはマイナスの別の極からの配線が電池32から導出されて、他の電子部品に接続されて給電される。
ここで、パック電池32に異常発熱が発生した場合には、実施の形態1で説明したとおり、可動電極6とリード端子35、37と非接触となり、電流導通が遮断される。さらには温度維持部品の温度が上昇し、この維持された温度により可動電極6がそのまま非接触の状態を維持する。これにより電流遮断状態がさらに一定期間維持される。これにより電子部品への給電が一時停止状態となって、回路や機器が異常電流や異常発熱から保護される。
このとき、温度維持部品3の働きにより、可動電極6の非接触が一定時間は維持されて、少なくとも異常電流がなくなるまでは非接触状態が維持されるので、即座に可動電極が接触状態に復帰して、電流供給が再開されることでの回路や機器への悪影響回避が十分に確保される。
さらに、異常電流が消滅して、温度維持部品3の温度が低下することで、可動電極6が再び接触状態となり、可動電極6を経由した電流導通が再開されて、電池32からの回路への給電が再開される。
これにより、溶断することで電流が遮断される温度ヒューズなどと異なり、素子の交換無に動作状態へ安全に復帰させることができる。
このため、携帯端末60やノートブックパソコン50など、命令処理実行中であっても、これを再開することができるので、それまでのユーザーの処理が無駄とならず、記憶されたデータを失うこともないので非常にユーザーフレンドリーであるメリットがある。
このため、異常電流や異常発熱から機器を守りつつ、ユーザーへの余分な負担を減じさせたい電子機器のパック電池、電池、電源回路、その他の回路に最適に用いることが可能である。
なお、パック電池以外であっても、電源回路、電源装置、発電装置、発熱機器、二次電池系電池、燃料電池などの電源周辺の部品、機器、装置をはじめ、ノートブックパソコン、携帯電話、携帯端末、カーナビゲーションシステムなどの車載電子機器、ビデオデッキやDVD機器などの種々の機器に幅広く適用されるものである。
また、図23に示されるように、ノートブックパソコンなどの電子機器においても、電源周り、電池周り、あるいは電源と本体基板との接続部分や、内蔵充電池の周囲、あるいは液晶ドライバなどからなる表示面52など、大きな電流が流れる可能性や、高温となる可能性などがある場所などの基板上などに自己復帰型保護素子1が装着されることで、上
記と同様に、異常状態では電流の導通を遮断し、解除後に再び導通させることにより、ノートブックパソコンなどの電子機器への悪影響を防止することができる。
あるいは、図24に示されるように携帯電話などの携帯端末における電源部や表示部などの周囲(同様に電流が増加して、温度が上昇する可能性がある)に装着して、同様の効果を得ることもできる。
これらにおいても、実施の形態1で説明された自己復帰型保護素子1が用いられることで、非常に小型で薄型で幅狭の素子が装着されるために、電子機器の小型化や薄型化を阻害することが無いものである。
また、本発明に係わる自己復帰型保護素子の薄型、小型化が実現されていることにより、携帯型の機器などをはじめとした、小型、薄型、軽量化が求められる電子機器の温度上昇に対する保護素子として、効果的に用いられるものである。
本発明は、基板と、基板の上に設けられ、対向面が相互に離隔している一対のリード端子と、対向する一対のリード端子の一方に固定接続され、他方とは離合可能である可動電極と、リード端子の少なくとも一部と、可動電極を格納するカバーを有し、一対のリード端子において、カバーの端面と接する部分においてはその幅がカバー外部に突出しているリード端子の幅よりも狭幅である狭幅部を有し、可動電極が接続もしくは離合する部分においては、カバー外部に突出しているリード端子の幅よりも狭幅であるとともにカバーの端面と接する部分のリード端子の狭幅部よりも幅広である構成により、リード端子の幅に比較されるケースの幅を従来より十分に狭くすることができることとなり、小型化、薄型化が実現される自己復帰型保護素子が必要な用途にも適用できる。
(a)本発明の実施の形態1における自己復帰型保護素子の斜視図、(b)本発明の実施の形態1における自己復帰型保護素子の斜視図 (a)本発明の実施の形態1における自己復帰型保護素子の斜視図、(b)本発明の実施の形態1における自己復帰型保護素子の斜視図 本発明の実施の形態1における自己復帰型保護素子の側面図 本発明の実施の形態1における自己復帰型保護素子の側面図 本発明の実施の形態1における自己復帰型保護素子の斜視図 本発明の実施の形態1における温度維持部品の斜視図 本発明の実施の形態1における可動電極の側断面図 本発明の実施の形態1における自己復帰型保護素子の側面図 本発明の実施の形態1における自己復帰型保護素子の側面図 本発明の実施の形態1における自己復帰型保護素子の側面図 本発明の実施の形態1における自己復帰型保護素子の側面図 本発明の実施の形態2における自己復帰型保護素子の製造工程図 本発明の実施の形態2における自己復帰型保護素子の製造工程図 (a)本発明の実施の形態2における自己復帰型保護素子の製造工程図、(b)本発明の実施の形態2における自己復帰型保護素子の製造工程図、(c)本発明の実施の形態2における自己復帰型保護素子の製造工程図、(d)本発明の実施の形態2における自己復帰型保護素子の製造工程図 (a)本発明の実施の形態2における自己復帰型保護素子の製造工程図、(b)本発明の実施の形態2における自己復帰型保護素子の製造工程図 本発明の実施の形態2における自己復帰型保護素子の製造工程図 本発明の実施の形態2における自己復帰型保護素子の製造工程図 本発明の実施の形態2における自己復帰型保護素子の製造工程図 本発明の実施の形態2における自己復帰型保護素子の製造工程図 本発明の実施の形態2における自己復帰型保護素子の製造工程図 (a)本発明の実施の形態2における自己復帰型保護素子の製造工程図、(b)本発明の実施の形態2における自己復帰型保護素子の製造工程図 本発明の実施の形態3におけるパック電池の斜視図 本発明の実施の形態3における電子機器の斜視図 本発明の実施の形態3における電子機器の正面図 従来の技術における自己復帰型保護素子の側面図 従来の技術における自己復帰型保護素子の上面図
符号の説明
1 自己復帰型保護素子
2 基板
3 温度維持部品
4 リード端子
4b 狭幅部
5 接続面
6 可動電極
6b 離合接点
7 固定接続部
8 接点電極
9 第二補強材
10 カバー
11 第一補強材
12 内層部
13 電極面
14 外層
15 内層
16 中間層
20 貫通孔
21 ドーム
22 接点薄膜面
23 フィルム溶着部
24 内部空間
25 溶着物
26 カバー部材
31 パック電池
32 電池
33 本体
34、38 配線
35、37 リード端子
36 自己復帰型保護素子
39 狭幅部
40 孔部
50 ノートブックパソコン
51 第一筐体
52 表示部
53 第二筐体
54 入力装置
60 携帯端末
61 筐体
62 表示部
63 送信処理部
64 受信処理部
65 制御部
66 電源

Claims (15)

  1. 基板と、
    前記基板の上に設けられ、対向面が相互に離隔している一対のリード端子と、
    前記対向する一対のリード端子の一方に固定接続され、他方とは離合可能である可動電極と、
    前記リード端子の少なくとも一部と、前記可動電極を格納するカバーを有し、
    前記一対のリード端子において、前記カバーの端面と接する部分においてはその幅がカバー外部に突出しているリード端子の幅よりも狭幅である狭幅部を有し、前記可動電極が接続もしくは離合する部分においては、前記カバー外部に突出しているリード端子の幅よりも狭幅であるとともに前記カバーの端面と接する部分のリード端子の狭幅部よりも幅広であることを特徴とする自己復帰型保護素子。
  2. 基板と、
    前記基板の上に設けられた温度維持部品と、
    前記温度維持部品の上に設けられ、前記温度維持部品と接続され、対向面が相互に離隔している一対のリード端子と、
    前記対向する一対のリード端子の一方に固定接続され、他方とは離合可能である可動電極と、
    前記リード端子の少なくとも一部と、前記可動電極と、前記温度維持部品を格納するカバーを有し、
    前記一対のリード端子において、前記カバーの端面と接する部分においてはその幅がカバー外部に突出しているリード端子の幅よりも狭幅である狭幅部を有し、前記可動電極が接続もしくは離合する部分においては、前記カバー外部に突出しているリード端子の幅よりも狭幅であるとともに前記カバーの端面と接する部分のリード端子の狭幅部よりも幅広であることを特徴とする自己復帰型保護素子。
  3. 前記一対のリード端子において、前記可動電極が固定接続される部分におけるリード端子幅が、前記可動電極が離合可能である部分におけるリード端子幅よりも狭幅であることを特徴とする請求項1乃至2のいずれかに記載の自己復帰型保護素子。
  4. 前記一対のリード端子において、前記可動電極が固定接続されるリード端子は、前記カバーの端面と接する部分から前記可動電極が固定接続される部分に至るまで、前記カバー外部に突出している他の部分よりも狭幅であることを特徴とする請求項1〜3いずれか1記載の自己復帰型保護素子。
  5. 前記カバーにおいて、前記リード端子と接続される部分に第一補強材が設けられたことを特徴とする請求項1〜4いずれか1に記載の自己復帰型保護素子。
  6. 前記基板と前記リード端子が接続される部分において、前記温度維持部品の周囲に第二補強材が設けられたことを特徴とする請求項2〜5いずれか1記載の自己復帰型保護素子。
  7. 前記基板、前記第一補強材、前記第二補強材、前記カバーのうち少なくとも一つが、PET(ポリエチレンテレフタレート)もしくはPEN(ポリエチレンナフタレート)、PPS(ポリフェニレンサルファイト)もしくはPEEK(ポリエーテルエーテルケトン)を主成分とする熱可塑性樹脂フィルムまたは液晶ポリマーで形成されていることを特徴とする請求項1〜6いずれか1記載の自己復帰型保護素子。
  8. 前記可動電極の離合部分、もしくはこれと離合するリード端子の面、もしくは両方に接点電極が設けられたことを特徴とする請求項1〜7いずれか1記載の自己復帰型保護素子。
  9. 前記可動電極が、任意の温度以下では前記リード端子と接し、任意の温度以上ではリード端子と離れることを特徴とする請求項1〜8いずれか1に記載の自己復帰型保護素子。
  10. 前記可動電極が複数の金属層からなるバイメタルであることを特徴とする請求項1〜9のいずれかに記載の自己復帰型保護素子。
  11. 前記バイメタルが、リード端子に対向する内層側の金属層が温度膨張係数の高い金属から形成され、外層側の金属層が温度膨張係数の低い金属から形成されることを特徴とする請求項10に記載の自己復帰型保護素子。
  12. 前記一対のリード端子に、孔部が設けられたことを特徴とする請求項1〜11いずれか1記載の自己復帰型保護素子。
  13. 前記温度維持部品がPositive Temperature Coefficient thermister(以下「PTC」という)であることを特徴とする請求項1〜12いずれか1記載の自己復帰型保護素子。
  14. 電池と、前記電池を収納する本体と、前記本体から導出され前記電池と電気的に接合された配線と、前記配線間に設けられ、しかも前記本体に接触するよう設けられた自己復帰型保護素子とを備え、前記自己復帰型保護素子として請求項1〜13いずれか1記載の自己復帰型保護素子を用いたことを特徴とするパック電池。
  15. 基板と、
    前記基板の上に設けられ、対向面が相互に離隔している一対のリード端子と、
    前記対向する一対のリード端子の一方に固定接続され、他方とは離合可能である可動電極と、
    前記リード端子の少なくとも一部と、前記可動電極を格納するカバーを有し、
    前記一対のリード端子において、前記カバーの端面と接する部分においてはその幅がカバー外部に突出しているリード端子の幅よりも狭幅である狭幅部を有することを特徴とする自己復帰型保護素子。
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