JP2005258324A - 画像形成装置及び画像形成方法 - Google Patents

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Tsukasa Inao
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勝也 竹野内
Shinichiro Fujimori
信一郎 藤森
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Abstract

【課題】 クリーニング部材を設けることなく放電生成物による白抜けを防止し、且つ像担持体上の残トナーの帯電量の調整を的確に行って帯電手段のトナー汚れを防止して、プリントサンプル上のディフェクトを防止可能な画像形成装置を得る。
【解決手段】 感光体13とトナー帯電量制御部ブラシ34との間に、含水ブロック48が配置される。含水ブロック48は液体(水)含浸した状態で感光体13に接触して、感光体13上の放電生成物を除去する。含水ブロック48は接地により0Vに維持されており、トナー帯電量制御ブラシ34での放電による帯電と、含水ブロック48による除電が行われることになるので、より多くの放電電流が流れ、感光体13上のトナーを十分にマイナス帯電させることができる。このため、帯電ローラ36に感光体13上のトナーが不用意に付着して汚染されることはなく、汚染に起因した画質ディフェクトを長期にわたって防止することができる。
【選択図】 図3

Description

本発明は、画像形成装置及び画像形成方法に関し、特に、像担持体から転写媒体へのトナー像の転写後に像担持体上の残トナーの帯電量を制御して、現像手段等で回収可能とされた画像形成装置及び画像形成方法に関する。
従来から、クリーニングブレードを用いない所謂クリーナーレスシステムの画像形成装置が考案されている(例えば、特許文献1参照)。このようなクリーナーレスシステムの画像形成装置としては、像担持体から転写媒体へのトナー像の転写後に像担持体上の残トナーの帯電量を制御して、現像手段等で回収するように構成されたものがある。この構成では、像担持体上の残トナーの帯電量制御を確実に行って所望の帯電状態とする必要がある。
しかしながら、帯電手段や残トナーの帯電量制御手段での放電によって、像担持体上に放電生成物が付着してしまうことがある。クリーナレスの画像形成装置では、クリーニングブレード等のクリーニング部材を備えていないので、放電生成物を十分に除去することができず、プリントサンプルに白抜け等の画質ディフェクトが発生することがある。
また、残トナーの帯電量の調整を十分に行えない場合があり、この場合にも、帯電ロール等の帯電手段に残トナーの一部が付着するなどして、プリントサンプルに白抜け等の画質ディフェクトが発生することがある。
帯電手段への残トナーの付着を防止するためには、たとえば、残トナー帯電量制御手段に高い電圧を印加して放電量を増やし、像担持体上の残トナーを高い電圧に帯電させればよいが、このように放電量を増やすと、放電生成物も多量に発生させることになる。逆に、印加電圧を低くして放電量を減らすと放電生成物は少なくなるが、帯電手段により多くの残トナーが付着するおそれがある。
このように、クリーニング部材を設けることなく、放電生成物の低減と、残トナーによる帯電手段のトナー汚れの防止とを両立させることは出来なかった。
特開平09−190079号公報
本発明は上記事実を考慮し、クリーニング部材を設けることなく放電生成物による白抜けを防止し、且つ像担持体上の残トナーの帯電量の調整を的確に行って帯電手段のトナー汚れを防止して、プリントサンプル上のディフェクトを防止可能な画像形成装置及び画像形成方法を得ることを課題とする。
請求項1に記載の発明では、像担持体と、前記像担持体を帯電する帯電手段と、前記帯電手段によって帯電された前記像担持体の帯電面を露光して静電潜像を形成する露光手段と、前記静電潜像をトナーで現像する現像手段と、前記像担持体に圧接されてトナーを転写される転写媒体と、前記転写媒体と前記帯電手段との間に配設され、前記像担持体に残留した残トナーの帯電量を制御する残トナー帯電量制御手段と、前記転写媒体から前記残トナー帯電量制御手段までの間で像担持体に接触可能に配置され、液体が含浸されると共に所定電位とされた液体含浸部材と、を有することを特徴とする。
この画像形成装置では、像担持体が、まず帯電手段によって帯電され、そして、帯電面が露光手段によって露光されて静電潜像が形成される。その後、現像手段によって静電潜像がトナーで現像され、このトナーが、像担持体に圧接された転写媒体に転写される。
ここで、像担持体上には、トナーが残留することがあるが、この残トナーの帯電量は、転写媒体と帯電手段との間に配設された残トナー帯電量制御手段によって制御される。さらに、転写媒体から残トナー帯電量制御手段までに間に配置された液体含浸部材が像担持体に接触すると、液体含浸部材は所定電位とされているので、注入帯電によって、像担持体上の残トナーの電位が均一にされる(好ましくは0Vに除電される)。このため、より多くの放電電流が流れるために、残トナーを十分に帯電させることができる。したがって、帯電手段への残トナーの付着を防止することができ、帯電手段のトナー汚れに起因するプリントサンプル上のディフェクトを防止できる。
しかも、液体含浸部材は、液体を含浸した状態で像担持体と相対移動することで、従来のクリーニング部材を用いることなく、像担持体上の異物を効果的に除去することができる。上記のように、多くの放電量が多くなると、放電生成物も多く発生するが、液体含浸部材によって放電生成物を効果的に除去できるので、色抜けを防止できる。
請求項1に記載の発明において、液体含浸部材を所定電位に維持する構成は限定されず、たとえば、請求項2に記載のように、前記液体含浸部材を接地させる接地手段、を有する構成として電位を常に0Vに維持してもよいし、請求項3に記載のように前記液体含浸部材に所定の電圧を印加する電圧印加手段、を有する構成として、電位を所望の値に維持してもよい。
また、液体含浸部材の含浸液体としては、請求項4に記載のように水とすると、簡単且つ低コストで構成できる。
請求項5に記載の発明では、請求項1〜請求項4のいずれか1項に記載の発明において、前記液体含浸部材を、前記像担持体に接触する接触位置と像担持体から離間した離間位置との間で移動可能に保持する保持手段、を有することを特徴とする。
したがって、液体含浸部材を必要に応じて像担持体に接触させ、その必要がないときには、離間させることが可能となる。たとえば、非画像形成時には液体含浸部材を像担持体に接触させ、画像形成時には離間させることで、液体含浸部材の局所的な劣化や変形を防止できる。
請求項5に記載の画像形成装置によって記録媒体に画像を記録する画像形成方法において、液体含浸部材を像担持体に接触させるタイミングとしては、たとえば、請求項6に記載のように画像形成装置の電源投入直後の非画像形成時や、請求項7に記載のように画像形成が一定時間行われなかった後の非画像形成時、請求項8に記載のように画像形成動作の前の非画像形成時、請求項9に記載のように画像形成動作の後の非画像形成時、請求項10に記載のように一の画像形成動作の後で、且つ次の画像形成動作の前の非画像形成時、等とすることができる。
特に、たとえば朝などの、画像形成装置の電源を入れた後の最初の数枚の画像形成など、画像を形成せずに長時間放置された後は、放電生成物の影響が強く出やすく、画像が白抜けしやすいので、請求項6に記載のように電源投入直後の非画像形成時や、請求項7に記載のように画像形成が一定時間行われなかった後の非画像形成時に液体含浸部材を接触させ放電生成物を除去することで長時間放置後の白抜けを防止できる。
また、長時間放置後ほどではないが、通常の画像形成中も放電生成物による白抜けが発生することがあるので、請求項8に記載のように画像形成動作の前の非画像形成時、請求項9に記載のように画像形成動作の後の非画像形成時、請求項10に記載のように一の画像形成動作の後で、且つ次の画像形成動作の前の非画像形成時、等、画像形成の前後の非画像形成時を利用して液体含浸部材をこまめに接触させて放電生成物を除去することで通常の画像形成中の放電生成物による白抜けも防止できる。
本発明は上記構成としたので、クリーニング部材を設けることなく放電生成物による白抜けを防止し、且つ像担持体上の残トナーの帯電量の調整を的確に行って帯電手段のトナー汚れを防止して、プリントサンプル上のディフェクトを防止できる。
以下、図面を参照しつつ本発明の各実施形態について詳細に説明する。なお、以下では説明の便宜上、具体的数値を挙げることがあるが、本発明はこれらの数値に限定されないことはもちろんである。
図1には、本発明の第1実施形態の画像形成装置の一例であるカラーレーザプリンタ10(以下、プリンタという)が示されている。プリンタ10は、シアン、マゼンタ、イエロー、ブラックの各色の現像ユニット12C、12M、12Y、12Kと感光体13C、13M、13Y、13Kが中間転写ベルト14に面して並列して配置され、中間転写ベルト14が1周する間に4色のトナー像を重ね合せる、いわゆるタンデム式のフルカラーレーザープリンタである。
このプリンタ10は、底部に給紙トレイ16を備える。この給紙トレイ16にセットされた用紙Pの搬送方向の先端部には給紙ローラ18が当接しており、この給紙ローラ18と図示しない用紙捌き手段によって、用紙Pが1枚ずつ給紙トレイ16から搬送方向下流側へ給紙される。そして、給紙ローラ18の搬送方向下流側には、2組の搬送ローラ20が配置されており、用紙Pは、この搬送ローラ20からの搬送力で上方の転写部22へ搬送される。
この転写部22には、中間転写ベルト14が巻き掛けられたベルト搬送ローラ24Aと、このベルト搬送ローラ24Aに圧接された転写ローラ26が配設されている。ベルト搬送ローラ24Aと転写ローラ26とのニップ部には、中間転写ベルト14が挟み込まれており、用紙Pはこのニップ部を通過する際に中間転写ベルト14からトナー像を転写される。
そして、転写部22の上方且つ搬送方向下流側には定着ユニット28が配設されている。この定着ユニット28には、高温になるヒートローラ28Aと、このヒートローラ28Aに圧接されたバックアップローラ28Bが配設されており、用紙Pが、ヒートローラ28Aとバックアップローラ28Bとのニップ部を通過する際に、トナーが溶融、凝固して用紙Pに定着される。そして、用紙Pは、定着ユニット28の搬送方向下流側に配置された排紙ローラ29によって排紙される。
ここで、感光体13C、M、Y、Kが、中間転写ベルト14にトナー像を重ね合せるプリント部30について説明する。なお、シアン、マゼンタ、イエロー、ブラックの各色を区別する際には、符号の後にC、M、Y、Kを付加して説明するが、各色を区別する必要がない場合は、符号の後のC、M、Y、Kは省略する。
図2に示すように、中間転写ベルト14は、上述したベルト搬送ローラ24Aと、ベルト搬送ローラ24Aの下方に配設されたベルト搬送ローラ24Bと、ベルト搬送ローラ24Bの斜め上方且つ用紙搬送路の反対側に配設されたベルト搬送ローラ24Cに巻き掛けられている。
中間転写ベルト14のベルト搬送ローラ24Bとベルト搬送ローラ24Cとの間の斜め下方を向いた面が感光体13C、M、Y、Kからトナー像を転写される転写面14Aとなっている。この転写面14Aに面して、現像ユニット12C、M、Y、Kと、感光体13C、M、Y、Kが並列して配置されており、感光体13C、M、Y、Kが転写面14Aに当接している。また、転写ローラ32C、M、Y、Kが、転写面14Aを介して感光体13C、M、Y、Kに圧接されている。
図3(A)に示すように、感光体13の感光面13Aには、回転方向に順に、中間転写ベルト14、含水ブロック48、トナー帯電量制御ブラシ34、帯電ローラ36、現像ローラ38が当接している。現像ローラ38は、感光体13の回転方向と同方向に回転している。即ち、現像ローラ38は、ニップ部においては感光体13に対して逆回転している。これによって、現像ローラ38から感光体13への現像効率が高められている。また、帯電ローラ36と現像ローラ38との間には、感光面13Aをライン露光するLEDアレイヘッド40が配置されている。
帯電ローラ36には、交流電圧と直流電圧とを重畳した電圧を印加可能な重畳電源42が接続されている。帯電ローラ36はこの電圧により、感光体13の表面を均一に帯電することができる。
トナー帯電量制御ブラシ34は、感光体13と平行な回転軸まわりに回転可能とされ、周囲に多数のブラシが植毛されている。トナー帯電量制御ブラシ34には−1kVの電圧を印加するマイナス電源44が接続されており、感光体13上のトナーを所定の帯電量に帯電させる。
含水ブロック48は、ポリビニルアルコール(以下、「PVA」と略す)などの含水性部材によってブロック状(本実施形態では、端面台形状)に形成されている。また、含水ブロック48はホルダー52によって保持されており、一方の端面52Aが感光体13に接触する接触位置と、感光体13から離間する離間位置との間を移動するようになっている。ホルダー52は、含水ブロック48を上記したように移動可能に、且つ脱落しないよう保持すればよく、たとえば、樹脂や金属などで構成することができる。
含水ブロック48の下方には、水タンク54が配置されている。水タンク54も図示しないホルダーによって、上下に移動可能に保持されており、上昇したときには、含水ブロック48の他方の端面52Bが水タンク54内の水に接触し、毛細管現象により含水ブロック48水分を含んだ状態に維持されている。水タンク54が降下すると、含水ブロック48の他端から離れる。
含水ブロック48には、シャッター56が取り付けられており、降下時、すなわち、含水ブロック48に水分を供給しないときには、シャッター56を閉めることで水分の蒸発が防止される。
含水ブロック48はアース線58によって接地されており、その電位が常に0Vに維持されるようになっている。
以下、トナー像を中間転写ベルト14に転写するまでの流れを説明する。
感光体13が図中反時計回りに回転すると、まず、感光面13Aが、帯電ローラ36によって均一に所定の極性電位に帯電される。
そして、更に感光体13が回転すると、感光面13Aの帯電面が、LEDアレイヘッド40によって露光され、帯電面の露光された部分の電位が低下して(たとえば−200V)静電潜像が形成される。その後、感光体13の帯電極性と同極性に帯電している現像トナーを、現像ローラ38によって、帯電面の電位低下部に電気的に付着させることで、静電潜像を現像(可視化)する。そして、このトナーと逆極性の転写電圧が印加された転写ローラ32に、トナーが電気的に引き寄せられる。これによって、トナー像が、感光体13から中間転写ベルト14へ転写される。
ここで、感光体13から中間転写ベルト14へトナー像が転写される際に、中間転写ベルト14に転写されずに感光体13に残留する転写残トナーが発生する。また、中間転写ベルト14に上流側で転写されたトナーが下流側の感光体13にオフセットするリトランスファートナー(以下、リトラトナーと言う)が発生する。このため、この転写残トナー、リトラトナーを感光体13から除去する必要がある。
ここで、含水ブロック48がない構成の場合には、トナー像転写後の感光体13の電位が、図3(B)に示すように、帯電ローラ印加電圧(−1kV)から放電開始電圧(約600V)を引いた値(−400V)になるまで放電が起こる。すなわち、この条件が満たされれば放電が終了するので、十分な放電電流が流れず、感光体13上のトナーが十分にマイナスに帯電されないおそれがある。たとえば、転写後の画像部の感光体電位は−30V程度であり、ここにマイナス帯電の転写残トナーが存在しているが、転写後の非画像部の感光体電位は−200V程度であり、ここには、プラス帯電のリトナトナーが存在している。このプラス帯電のリトラトナーは、放電終了後、すなわち感光体電位が−400Vになった状態で200V分の放電しか発生していないので、このリトナトナーがマイナスに極性変化されず、プラス帯電が維持されてしまうことがある。
しかしながら本実施形態では、含水ブロック48が感光体13に接触しており、いわゆる注入帯電によって感光体13が除電されて、図4(A)に示すように、感光体13の電位が、画像部及び非画像部共に0V程度となる。そして、この状態からトナー帯電量制御ブラシ34を通過すると、図4(B)に示すように、感光体13の表面電位が−400V程度になり放電が起こる。すなわち、感光体13に対して、含水ブロック48の注入帯電による除電と、トナー帯電量制御ブラシ34での放電による帯電とが行われることになる。このため、除電を行わない構成と比較してより多くの放電電流が流れ、感光体13上のトナーを十分にマイナス帯電させることができる。
このように、本実施形態では感光体13上のトナーを十分にマイナス帯電させるので、帯電ローラ36に感光体13上のトナーが不用意に付着して汚染されることはなく、汚染に起因した画質ディフェクトを長期にわたって防止することができる。感光体13上のトナーは、感光体13に付着させたまま帯電ローラ36による帯電領域、及びLEDアレイヘッド40による露光領域を通過させる。即ち、このトナーが感光体13に付着したままの状態でAC帯電、露光を行う。
そして、感光体13上のトナーは、例えば−200Vの電圧を印加された現像ローラ38に電気的に回収され、現像ユニット12内で現像ローラ38に摺接するブレード39によって現像ローラ38からトナー収容部41へ掻き落される。
また、このように放電量が多くなれば、一般的には放電生成物の量も多くなり、感光体13に放電生成物が付着していると、いわゆる白抜けなどの画質低下を招くことがある。また、放電生成物に限らず、感光体13に付着した異物によっても、画質が低下することがある。特に本実施形態では、上記説明から分かるように、感光体13上の転写残トナーやリトラトナーを現像ローラ38で回収することで、感光体13ごとにクリーニング部材を不要とする構成としているが、含水ブロック48が感光体13と接触しつつ、感光体13の回転によって相対移動することで、感光体13上の放電生成物等の異物を確実に除去することができる。このため、白抜けなどの画質ディフェクトを確実に防止できる。
なお、たとえばプリンタ10の停止時や非画像形成時等には、含水ブロック48が長時間にわたって感光体13に接触して、接触部分のみが局所的に劣化したり変形したりするおそれがある。したがって、このような場合には、含水ブロック48を離間位置とし、局所的な劣化や変形などを防止することができる。
図5には、本発明の第2実施形態の画像形成装置のプリント部が示されている。第2実施形態では、第1実施形態の含水ブロック48に代えて、円筒状の含水ローラ50が配置されている。含水ローラ50も含水ブロック48と同様に含水性部材で構成されている。また、含水ローラ50の給電シャフト60は、図示しないホルダーによって回転可能に、且つ、感光体13への接触位置と離間位置との間を移動可能に保持されている。そして、同じく図示しない駆動源によって、感光体13と同方向(接触部分では、相対的に逆方向に移動する)へ回転駆動されるようになっている。
給電シャフト60にはアース線58によって接地されており、含水ローラ50の電位が常に0Vに維持されるようになっている。
含水ローラ50の下方には、第1実施形態と同様の水タンク54が、図示しないホルダーによって上下に移動可能に保持されている。
このような構成とされた第2実施形態においても、第1実施形態と同様に、含水ローラ50の感光体13に対する注入帯電によって感光体13が除電されて、図4(A)に示すように、感光体13の電位が、画像部及び非画像部共に0V程度となる。そして、この状態からトナー帯電量制御ブラシ34を通過すると、図4(B)に示すように、感光体13の表面電位が−400V程度になり放電が起こる。感光体13に対して、含水ローラ50の注入帯電による除電と、トナー帯電量制御ブラシ34での放電による帯電とが行われるので、より多くの放電電流が流れ、感光体13上のトナーを十分にマイナス帯電させることができる。
また、より多くの放電生成物が発生しても、含水ローラ50が感光体13と接触しつつ、接触部分で相対移動することで、感光体13上の放電生成物を確実に除去することができる。このため、白抜けなどの画質ディフェクトを確実に防止できる。
特に第2実施形態では、含水ローラ50を回転させることで、含水ローラ50に付着した異物を、水タンク54で取り除く(水で洗浄する)ことができる。含水ローラ50に異物が堆積しないので、感光体13上からの異物除去性能を高く維持することができる。
なお、第2実施形態においても、たとえばプリンタ10の停止時や非画像形成時等には、含水ローラ50を離間位置とし、含水ローラ50の局所的な劣化や変形などを防止することができる。
第2実施形態において、含水ローラ50の回転方向や回転速度は、感光体13との接触部分で相対速度差が生じるようになっていれば、特に限定されない。たとえば接触部分では同方向に移動する(したがって、含水ローラ50と感光体13の回転方向は逆になっている)場合でも、接触部分において相対速度差が生じていれば、含水ローラ50によって感光体13の異物を除去することができる。
なお、上記各実施形態では、含水ブロック48や含水ローラ50を接地することで、所定電位(0V)に維持するように構成したが、たとえば、直流電源を接続することで所定電位を維持するようにしてもよい。
また、液体含浸部材(含水ブロック48や含水ローラ50)を感光体13に接触させるタイミングも、画像形成に特に影響がでなければ限定されない。たとえば、液体含浸部材が常に感光体13に接触していてもよいし、上記したように、非画像形成時やプリンタ停止時のみ感光体13から離間してもよい。さらには、プリンタ10の電源投入直後の非画像形成時、画像形成が一定時間行われなかった後の非画像形成時、画像形成動作の前の非画像形成時、画像形成動作の後の非画像形成時、一の画像形成動作の後で且つ次の画像形成動作の前の非画像形成時などに液体含浸部材を感光体13に接触させてもよい。
液体含浸部材に含浸させる液体も、上記では水を用いたが、画像形成に影響を与えない液体であればよく、アルコールなどの溶剤であってもよい。水としても、純水、蒸留水、水道水等を特に制限なく使用できる。
以下に、本発明を実施例によってさらに詳細に説明する。
以下の各実施例(実施例1〜3)では、第2実施形態のプリンタ(液体含浸部材として含水ローラ50が用いられている)を使用し、含水ローラ50を感光体13に接触させるタイミングを変更して各実施例でプリントテストを行い、プリントサンプル上の色抜けを評価した。また、比較例として、液体含浸部材を有さないプリンタを使用し、各実施例と同じくプリントサンプル上の色抜けを評価した。
各実施例に共通のパラメータは、以下のように設定した。
・感光体13の種類(径) OPC(φ30)
・感光体13の中心間距離 100mm
・LEDヘッドアレイ40の構成(波長) レーザー(400nm)
・現像方式 二成分現像
・中間転写ベルト14の材質 ポリイミド
・プロセス速度 104mm/s
・潜像電位 背景部=−500V、画像部=−200V
・現像ローラ38のスリーブ径 φ16mm
・現像ローラ38のスリーブ回転速度 208mm/s
・感光体13と現像ローラ38との間隔 0.3mm
・現像バイアス 直流成分=−400V
交流成分=1500Vpp(ピーク・ツゥ・ピーク)
・転写条件 一時転写ローラ +500V〜1000V
二次転写ローラ +1600V
・含水ローラ50の材質 PVA
・含水ローラ50の印加電圧 0V
・トナー帯電量制御ブラシ34の材質 導電性ナイロン
・トナー帯電量制御ブラシ34の印加電圧 −600V〜―1200V
なお、放電生成物による白抜けがもっとも出やすいのは高温高湿環境であるので、室温28℃、湿度85%の環境でテストを行った。また、連続プリントを行ったときにプリント中に放電生成物による白抜けが発生することがあるが、もっとも発生しやすいのは、連続プリントを行った後数時間以上放置した後に再びプリントしたときである。したがって、100枚モード(100枚プリントして数秒停止し再び100枚プリントするモード)で連続5000枚のプリントを行い、プリント終了時とプリント終了後約12時間放置後の最初のプリントで前面H/T30%画像をプリントし,白抜けのレベルをテストした。
プリントチャートとしては、図6に示したチャート102を使用した。このチャート102では、いわゆるべたの長い帯状の画像108(サイアン)の後にH/T30%画像106(マゼンタ)が配置されている。べたの長い画像104が連続してプリントされるために、マゼンタの感光体上にサイアンのリトランスファートナーが連続して突入してくるので、この部分に対応した帯電ローラ36Mの表面はトナーで汚れやすい。帯電ローラ36が許容値以上に汚れると帯電が異常になり、チャート上のH/T30%画像106が白く抜けてきてしまう。したがって、このH/T30%画像106の白抜けの状態をみることで帯電ローラ36の汚れのレベルを確認することができる。
このように、上記のチャート102を使用することで、連続プリントによる放電生成物に起因する白抜けと、帯電ローラ36の汚れによる白抜けを両方評価することができる。
(比較例)
比較例では、上記したように、液体含浸部材を有さない構成のプリンタを使用して、後述する実施例1と同様のテストを行った。結果を表1に示す。なお、以下の表1〜表4の評価の記号は、
× : かなり目立つ白抜けが発生
××: ×よりもさらに目立つ白抜けが発生
△ : 白抜けはほとんど目立たない程度で実用に耐える程度
○ : 白抜けは発生せず
である。
Figure 2005258324
表1から分かるように、トナー帯電量制御ブラシ34の印加電圧が増加するにつれて帯電ローラ36の汚れによる白抜けは良化する。これは放電量が増加してトナーがマイナスの高帯電量に調整されるため、帯電ローラ36が汚れにくくなるためである。
しかし、プリント終了直後および12時間放置後の放電生成物による白抜けレベルは、トナー帯電量制御ブラシ34の印加電圧が高いほど悪化している。これも、トナー帯電量制御ブラシ34への印加電圧が増加するために放電量が増加し放電生成物が多量に感光体に付着してしまうためである。なお、従来の知見通り放置後の方が白抜けのレベルが悪化している。
そして、もっともバランスが良いのは、ブラシ印加電圧が−1kVのときである。しかしこれでも、連続プリント終了時の白抜けレベルは許容レベルであるが、放置後は白く抜けてしまい、実用に耐えるレベルでない。
(実施例1)
実施例1では、含水ローラ50を常に感光体13に接触させてテストを行った。結果を表2に示す。
Figure 2005258324
実施例1では、帯電ローラ36の汚れによる白抜けは、比較例よりも、低い電圧でも改善されているのがわかる。これは、含水ローラ50により転写後の感光体13の電位が約0Vに除電されるために、同一印加電圧でも放電量が増加しており、トナーがマイナスの高帯電になって帯電ローラ36に付着しにくくなったためである。
また、放電生成物による白抜けはトナー帯電量制御ブラシ34の印加電圧にかかわらず、また、連続プリント中であっても放置後であっても全く発生していない。すなわち、水による放電生成物の除去効果がいかに高いかを示している。
上記したように、液体含浸部材を感光体13に接触させることで帯電ローラ36の汚れの防止と放電生成物による白抜けの防止を両立することができた。
(実施例2)
実施例2では、プリンタ10の電源を投入した直後だけ、3分間含水ローラ50を感光体13に接触させる動作を行い、その後再び含水ローラ50を離間させるようにした。結果を表3に示す。
Figure 2005258324
実施例2では、帯電ローラ36の汚れによる白抜けと、連続プリント中での放電生成物による白抜けの双方で実用に耐えるレベルを達成したトナー帯電量制御ブラシ34の印加電圧は−1KVしかない。これは含水ローラ50がプリント中に感光体13に当接していないためであり、比較例と同一の結果となっている。
しかしながら、電源投入直後に含水ローラ50による放電生成物除去動作が入るために、放置後の放電生成物による白抜けは問題の無いレベルになる。
したがって、実施例1のように常に含水ローラ50が接触している場合よりも使用できるトナー帯電量制御ブラシ34の印加電圧に制約はあるものの、許容レベルであり、この方法でも使用できる。
たとえば、含水ローラ50を感光体13に常時接触させたときに、水分が感光体13に付着しトナー帯電量制御ブラシ34にこの水分が突入してしまう可能性が高い場合(たとえば、含水ローラ50とトナー帯電量制御ブラシ34の距離が極めて近かったり、液体が蒸発しにくい液体であったりする場合、さらには、多量に液体を使用しなければ放電生成物を除去しにくいときなど)には、この実施例2の方法を使用すればよい。
(実施例3)
実施例3では、プリント前の非画像形成時のみ10秒間、含水ローラ50を感光体13に接触させて放電生成物を除去し、プリント時は含水ローラ50を感光体13から離間させるようにした。結果を表4に示す。
Figure 2005258324
実施例3では、帯電ローラ36の汚れによる白抜けに関しては、比較例の液体含浸部材が無い場合と同様の結果である。これは、100枚プリントされている最中には含水ローラ50が感光体13から離間されて除電効果がないために、放電量が少なくなっているためである。
しかし、本実施例では、100枚ごとに含水ローラ50が感光体13上の放電生成物を除去するので、放電生成物による白抜けは、連続プリント中であっても、放置後であっても全く発生してない。
本発明の第1実施形態の画像形成装置の概略構成を示す図である。 本発明の第1実施形態の画像形成装置のプリント部の概略構成を示す図である。 (A)は、本発明の第1実施形態の画像形成装置のプリント部の構成を拡大して示す図であり、(B)は一般的な画像形成装置の感光体の電位及びトナーの動きを示す説明図である。 本発明の第1実施形態の画像形成装置での感光体の電位及びトナーの動きを示し、(A)は除電後、(B)は放電後である。 本発明の第2実施形態の画像形成装置のプリント部の構成を拡大して示す図でる。 本発明の実施例で使用したテストチャートを示す図である。
符号の説明
10 カラーレーザプリンタ(画像形成装置)
12 現像ユニット
13 感光体(像担持体)
13A 感光面
14 中間転写ベルト
14A 転写面
22 転写部
26 転写ローラ
28 定着ユニット
29 排紙ローラ
30 プリント部
32 転写ローラ
34 トナー帯電量制御ブラシ(トナー帯電量制御手段)
36 帯電ローラ(帯電手段)
38 現像ローラ(現像手段)
48 含水ブロック(液体含浸部材)
50 含水ローラ(液体含浸部材)
52 ホルダー(保持手段)
54 水タンク
56 シャッター
58 アース線
60 給電シャフト
P 用紙

Claims (10)

  1. 像担持体と、
    前記像担持体を帯電する帯電手段と、
    前記帯電手段によって帯電された前記像担持体の帯電面を露光して静電潜像を形成する露光手段と、
    前記静電潜像をトナーで現像する現像手段と、
    前記像担持体に圧接されてトナーを転写される転写媒体と、
    前記転写媒体と前記帯電手段との間に配設され、前記像担持体に残留した残トナーの帯電量を制御する残トナー帯電量制御手段と、
    前記転写媒体から前記残トナー帯電量制御手段までの間で像担持体に接触可能に配置され、液体が含浸されると共に所定電位とされた液体含浸部材と、
    を有することを特徴とする画像形成装置。
  2. 前記液体含浸部材を接地させる接地手段、
    を有することを特徴とする請求項1に記載の画像形成装置。
  3. 前記液体含浸部材に所定の電圧を印加する電圧印加手段、
    を有することを特徴とする請求項1に記載の画像形成装置。
  4. 前記液体含浸部材が、水を含浸していることを特徴とする請求項1〜請求項3のいずれか1項に記載の画像形成装置。
  5. 前記液体含浸部材を、前記像担持体に接触する接触位置と像担持体から離間した離間位置との間で移動可能に保持する保持手段、
    を有することを特徴とする請求項1〜請求項4のいずれか1項に記載の画像形成装置。
  6. 請求項5に記載の画像形成装置によって記録媒体に画像を記録する画像形成方法であって、
    画像形成装置の電源投入直後の非画像形成時に前記液体含浸部材を前記接触位置に移動させることを特徴とする画像形成方法。
  7. 請求項5に記載の画像形成装置によって記録媒体に画像を記録する画像形成方法であって、
    画像形成が一定時間行われなかった後の非画像形成時に前記液体含浸部材を前記接触位置に移動させることを特徴とする画像形成方法。
  8. 請求項5に記載の画像形成装置によって記録媒体に画像を記録する画像形成方法であって、
    画像形成動作の前の非画像形成時に前記液体含浸部材を前記接触位置に移動させることを特徴とする画像形成方法。
  9. 請求項5に記載の画像形成装置によって記録媒体に画像を記録する画像形成方法であって、
    画像形成動作の後の非画像形成時に前記液体含浸部材を前記接触位置に移動させることを特徴とする画像形成方法。
  10. 請求項5に記載の画像形成装置によって記録媒体に画像を記録する画像形成方法であって、
    一の画像形成動作の後で、且つ次の画像形成動作の前の非画像形成時に前記液体含浸部材を前記接触位置に移動させることを特徴とする画像形成方法。
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