JP2005257115A - コージェネレーションシステム - Google Patents

コージェネレーションシステム Download PDF

Info

Publication number
JP2005257115A
JP2005257115A JP2004066564A JP2004066564A JP2005257115A JP 2005257115 A JP2005257115 A JP 2005257115A JP 2004066564 A JP2004066564 A JP 2004066564A JP 2004066564 A JP2004066564 A JP 2004066564A JP 2005257115 A JP2005257115 A JP 2005257115A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
water
hot water
cogeneration
receiving tank
heat pump
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Granted
Application number
JP2004066564A
Other languages
English (en)
Other versions
JP4098739B2 (ja
Inventor
Terumitsu Kakumoto
輝充 角本
Yoshinori Hisakado
喜徳 久角
Akishi Kegasa
明志 毛笠
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Osaka Gas Co Ltd
Original Assignee
Osaka Gas Co Ltd
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Osaka Gas Co Ltd filed Critical Osaka Gas Co Ltd
Priority to JP2004066564A priority Critical patent/JP4098739B2/ja
Publication of JP2005257115A publication Critical patent/JP2005257115A/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP4098739B2 publication Critical patent/JP4098739B2/ja
Anticipated expiration legal-status Critical
Expired - Fee Related legal-status Critical Current

Links

Images

Landscapes

  • Domestic Hot-Water Supply Systems And Details Of Heating Systems (AREA)
  • Heat-Pump Type And Storage Water Heaters (AREA)

Abstract

【課題】 熱電比を低減させてコージェネレーション装置を高効率で運転可能なコージェネレーションシステムを提供する。
【解決手段】 外部から供給される燃料を使用して電力と熱エネルギを発生するコージェネレーション装置11と、上水道から供給される水を受水する受水槽7と、受水槽7の水をコージェネレーション装置が発生する電力を使用して加熱する電気式ヒートポンプ9と、電気式ヒートポンプ9で加熱された受水槽7の温水をコージェネレーション装置11の発生する熱エネルギで加熱する熱交換器5とを備える。
【選択図】 図1

Description

本発明は、外部から供給される燃料を使用して電力と熱エネルギを発生するコージェネレーション装置に関し、特に、コージェネレーション装置の発生する電力と熱エネルギを高効率で複数の需要家に供給可能なコージェネレーションシステムに関する。
従来、一般家庭において消費されるエネルギは、電力会社やガス会社から電力、都市ガス等の形態で供給され、夫々個別に消費されていた。ところで、最近はCO排出量の削減や省エネルギを志向した分散型エネルギシステムの開発が活発であり実用化も進んでおり、一般家庭、集合住宅、オフィスなどにおいても電力消費地で発電を行う分散型発電システムの利用が今後急速に進展するものと考えられる。特に、熱電併給可能なガスエンジン・コージェネレーション装置等は、電力のみならず、ガスエンジンの発生する熱エネルギを同時に有効利用できるため、全体的なエネルギ効率の高さで注目を集めている。
コージェネレーション装置の発生する電力と熱エネルギは、コージェネレーション装置の運転によって同時に発生するが、通常の家庭では、電力需要と熱需要(給湯需要や暖房需要)の発生タイミングが異なるため、電力需要に合わせてコージェネレーション装置を運転すると熱需要に対して過不足が生じ、また、熱需要に合わせてコージェネレーション装置を運転すると電力需要に対して過不足が生じる。このため、家庭用のコージェネレーション装置では、その出力電力を商用系統電源と系統連系させて、例えば電力需要に対する不足電力を系統電源で補うようにしている。また、コージェネレーション装置の発生する熱エネルギは、温水として貯湯槽に貯湯することで、熱需要に対する余剰分を蓄熱することができる。また、熱需要に対する不足分はガスボイラ等の補助熱源を設けて補給可能に構成している。また、電力需要に対する余剰電力は、電気ヒータを通電させて貯湯槽の温水を加熱して熱エネルギに変換して蓄熱している。当該コージェネレーション装置の構成については、例えば、下記特許文献1に記載されている。
また、コージェネレーション装置の発生する電力と熱エネルギを集合住宅の複数の需要家に供給する場合も、コージェネレーション装置の出力が大きくなるものの、基本的には、家庭用のコージェネレーション装置と同じ構成となっている。
以下、従来のコージェネレーションシステムの構成を、図4に基づいて簡単に説明する。例えば、都市ガスを燃料源として電力と熱エネルギを同時に発生するガスコージェネレーション装置から、複数の住戸(需要家)に当該電力と熱エネルギが供給される場合を説明する。
都市ガスの燃焼によって機械的な回転エネルギを出力するガスエンジン1と該回転エネルギを電気エネルギに変換して交流電力を出力する発電機2からなる発電機ユニット3、発電機2が発電した第1の交流電力を商用電力系統20と同じ電圧、周波数の第2の交流電力に変換するとともに、変換した第2の交流電力を商用電力系統20と系統連系させるための系統連系インバータ4、ガスエンジン1から発生する排熱を温水として回収するための熱交換器5、熱交換器5で回収された熱エネルギ(温水)を給湯・暖房用に利用するために貯湯する貯湯槽6、貯湯槽6の温水を補助的に都市ガスの燃焼によって加熱するガスボイラ7、及び、貯湯槽6及び各住戸へ上水道からの水を供給するための受水槽8を備えて構成される。系統連系インバータ4の出力電力は、商用電力系統20と系統連系して、電力線21を介して各住戸及び各住戸の共用部分の電力負荷に供給される。また、各住戸には、ガスエンジン1に供給される都市ガスと貯湯槽6の温水が、夫々ガス配管22と温水配管23を介して供給される。受水槽8の水は、水道配管24を介して各住戸に供給される。尚、図4中、丸印のMは水(温水)またはガスの流量計を、角印のMは電力計を示している。また、各住戸には、受水槽8の水または貯湯槽6の温水を都市ガスの燃焼によって加熱する給湯暖房機12が設けられており、各住戸での必要(給湯需要、暖房需要)に応じて、受水槽8の水または貯湯槽6の温水を所定の高温水に加熱できる。
特開2002−138902号公報
しかしながら、一般家庭においては、冬期には熱需要が電力需要を上回るため、ガスボイラ等の補助熱源による温水加熱の機会が増えて、エネルギコストが高騰するという問題が生じる。また、冬期における熱需要と電力需要の比(熱電比)を低減させて、コージェネレーション装置の発生する電力と熱エネルギをバランスよく有効に使用することで、総合的なエネルギ効率を向上させる余地が生じている。更に、熱需要は電力需要に比べて時間変動が大きいため、熱電比が高いと効率的なコージェネレーション装置の運転制御が困難になるという問題もある。
本発明は、上述の問題点に鑑みてなされたものであり、その目的は、上記問題点を解消し、熱電比を低減させてコージェネレーション装置を高効率で運転可能なコージェネレーションシステムを提供することにある。
この目的を達成するための本発明に係るコージェネレーションシステムの第一の特徴構成は、外部から供給される燃料を使用して電力と熱エネルギを発生するコージェネレーション装置と、上水道から供給される水を受水する受水槽と、前記受水槽の水を、前記コージェネレーション装置が発生する電力を使用して加熱する電気式ヒートポンプとを備えてなる点である。
上記第一の特徴構成によれば、コージェネレーション装置に対する一般家庭における熱需要である温水負荷に対して、電力を消費して電気式ヒートポンプで上水道から供給される水を一旦予熱できるため、直接水道水から温水を生成するより、熱エネルギの消費が少なくて済むため、電力負荷を増加させ、温水負荷を低減できる。また、電気式ヒートポンプによる加熱を、例えば、10℃の水道水を20℃程度に予熱する場合は、電気式ヒートポンプを例えばエネルギ効率(COP)5または5.5以上の高効率で運転できるため、少ない電力消費で大きな温水負荷の低減が図れ、熱電比を低減させて、残余の温水負荷に対するコージェネレーション装置の運転の高効率化が図れ、総合的なエネルギ効率の向上が図れる。また、熱需要の大きな冬期においては、補助熱源の使用機会が低減されるので、エネルギコストの低減も図れる。
同コージェネレーションシステムの第二の特徴構成は、上記第一の特徴構成に加えて、前記電気式ヒートポンプで加熱された前記受水槽の温水を、前記コージェネレーション装置の発生する熱エネルギで加熱する熱交換器と、前記熱交換器で加熱された温水を貯湯する貯湯槽を備える点にある。
上記第二の特徴構成によれば、電気式ヒートポンプで加熱された受水槽の温水を更に高温に加熱できる。これにより、高温水が必要な場合に、電気式ヒートポンプによる温度上昇分を抑えることができるため、電気式ヒートポンプの加熱温度を低く抑えて高効率で運転でき、総合的なエネルギ効率の向上が図れる。尚、電気式ヒートポンプは、図3に示すように、加熱温度を低くすると高効率運転となる。従って、冬期の水温が低い状況において、高効率で水温の昇温幅を大きく取れるので、本発明による電気式ヒートポンプ使用による効果が顕著となる。また、本特徴構成では、受水槽と貯湯槽の両方を備えるため、電気式ヒートポンプで加熱された受水槽の温水と、熱交換器で更に加熱された貯湯槽の温水を各別に独立して供給できるため、需要家は2種類の温度の温水を使い分けることができる。
同コージェネレーションシステムの第三の特徴構成は、上記第二の特徴構成に加えて、外部から供給される燃料を使用して前記貯湯槽の温水を加熱する温水加熱機を備える点にある。
上記第三の特徴構成によれば、電気式ヒートポンプによる予熱と、コージェネレーション装置の発生する熱エネルギによる加熱によって生成される温水で温水需要が賄えない場合に、不足分を温水加熱機で補足することができる。尚、電気式ヒートポンプによる予熱分により、不足分が低減しているため、温水加熱機で補足する加熱量を抑制でき、温水加熱機のエネルギコストを抑制することができる。
同コージェネレーションシステムの第四の特徴構成は、上記第一の特徴構成に加えて、前記受水槽の水を前記コージェネレーション装置の発生する熱エネルギで加熱する熱交換器を備える点にある。
上記第四の特徴構成によれば、電気式ヒートポンプで加熱された受水槽の温水を更に高温に加熱できる。これにより、高温水が必要な場合に、電気式ヒートポンプによる温度上昇分を抑えることができるため、電気式ヒートポンプの加熱温度を低く抑えて高効率で運転でき、総合的なエネルギ効率の向上が図れる。上記第二の特徴構成にとの違いは、本特徴構成では、受水槽の水を熱交換器が電気式ヒートポンプと並列的に加熱する点である。熱交換器と電気式ヒートポンプの両方の加熱による温水を貯水する点で、本特徴構成の受水槽は、第二の特徴構成の貯湯槽に該当する。尚、電気式ヒートポンプは、図3に示すように、加熱温度を低くすると高効率運転となる。従って、冬期の水温が低い状況において、高効率で水温の上昇幅を大きく取れるので、本発明による電気式ヒートポンプ使用による効果が顕著となる。
同コージェネレーションシステムの第五の特徴構成は、上記第四の特徴構成に加えて、外部から供給される燃料を使用して前記受水槽の水を加熱する温水加熱機を備える点にある。
上記第五の特徴構成によれば、電気式ヒートポンプによる予熱と、コージェネレーション装置の発生する熱エネルギによる加熱によって生成される温水で温水需要が賄えない場合に、不足分を温水加熱機で補足することができる。尚、電気式ヒートポンプによる予熱分により、不足分が低減しているため、温水加熱機で補足する加熱量を抑制でき、温水加熱機のエネルギコストを抑制することができる。
同コージェネレーションシステムの第六の特徴構成は、上記第一、第四または第五の特徴構成に加えて、前記受水槽の温水、及び、前記コージェネレーション装置が発生する電力を、複数の住戸に個別に供給する供給系統を備えてなる点にある。
同コージェネレーションシステムの第七の特徴構成は、上記第二または第三の特徴構成に加えて、前記受水槽の温水、前記貯湯槽の温水、及び、前記コージェネレーション装置が発生する電力を、複数の住戸に個別に供給する供給系統を備えてなる点にある。
上記第六または第七の特徴構成によれば、1つのコージェネレーションシステムが生成する電力と温水(受水槽の温水、または、受水槽と貯湯槽の各温水)を複数の需要家に供給できる。このため、従来のコージェネレーションシステムに追加となる電気式ヒートポンプの導入コストを複数の需要家で分担して負担できるため、少ない経済的な負担で、エネルギ効率の高いコージェネレーションシステムの運転が可能となる。更に、複数の需要家に供給するため、各需要家の電力需要や熱需要(温水需要)にバラツキが生じても、全体として極端なバラツキが吸収され、時間的な変動が緩和されるため、電気式ヒートポンプの導入と相まって熱電比の低減が図れ、効率的なコージェネレーションシステムの運転が可能となる。
同コージェネレーションシステムの第八の特徴構成は、上記何れかの特徴構成に加えて、前記電気式ヒートポンプは、消費電力に対する発生熱エネルギの比率が所定の閾値以上となる運転条件で、前記受水槽の水を加熱する点にある。
上記第八の特徴構成によれば、電気式ヒートポンプで消費される電力によって電力負荷が増大し、電力負荷の増大分の上記所定の閾値以上の比率を乗じた熱負荷の減少が図れるので、熱電比の低減効果を一定レベル以上に維持でき、コージェネレーションシステム全体での総合的なエネルギ効率の向上をより一層促進できる。
本発明に係るコージェネレーションシステム(以下、適宜「本発明システム」という。)の実施の形態について、図面に基づいて説明する。尚、図4に示す従来のコージェネレーションシステムと共通する部分には共通の符号を付して説明する。
〈第1実施形態〉
図1に示すように、本発明システムは、都市ガスを燃料源として電力と熱エネルギを同時に発生する集合住宅用のガスコージェネレーションシステム10であって、都市ガスの燃焼によって機械的な回転エネルギを出力するガスエンジン1と該回転エネルギを電気エネルギに変換して交流電力を出力する発電機2からなる発電機ユニット3、発電機2が発電した第1の交流電力を商用電力系統20と同じ電圧、周波数の第2の交流電力に変換するとともに、変換した第2の交流電力を商用電力系統20と系統連系させるための系統連系インバータ4、ガスエンジン1から発生する排熱を温水として回収するための熱交換器5、熱交換器5で回収された熱エネルギ(温水)を給湯・暖房用に利用するために貯湯する貯湯槽6、貯湯槽6の温水を補助的に都市ガスの燃焼によって加熱するガスボイラ7、貯湯槽6及び各住戸へ上水道からの水を供給するための受水槽8、及び、受水槽の水を系統連系インバータ4の出力電力を使用して加熱する電気式ヒートポンプ9を備えて構成される。ここで、発電機ユニット3と系統連系インバータ4で外部から供給される燃料を使用して電力と熱エネルギを発生するコージェネレーション装置11が構成される。
系統連系インバータ4の出力電力は、商用電力系統20と系統連系して、電力線21を介して各住戸及び各住戸の共用部分の電力負荷に供給される。また、各住戸には、ガスエンジン1に供給される都市ガスと貯湯槽6の温水が、夫々ガス配管22と温水配管23を介して供給される。受水槽8の水は、温水配管25を介して各住戸に供給される。尚、図1中、丸印のMは水(温水)またはガスの流量計を、角印のMは電力計を示している。また、各住戸には、受水槽8の水または貯湯槽6の温水を都市ガスの燃焼によって加熱する給湯暖房機12が設けられており、各住戸での必要(給湯需要、暖房需要)に応じて、受水槽8の水または貯湯槽6の温水を所定の高温水に加熱できる。各住戸での温水負荷としては、各種給湯口、温水暖房機器、浴槽等で発生する給湯暖房需要が考えられる。
例えば、300戸規模の集合住宅に対して、図2に示すような関西地区の集合住宅における1戸平均の電力負荷と温水負荷を想定した場合、コージェネレーション装置11の能力としては150kW程度、ガスボイラ7の能力としては200〜300kW程度、電気式ヒートポンプ9の能力としては50kW程度が適当である。ここで、コージェネレーション装置11の総合エネルギ効率が85〜87%(発電効率32〜34%、排熱回収率53%)である。また、電気式ヒートポンプ9はエネルギ効率COP(coefficient of performance)が5.5付近で動作させるものとする。図3に示すように、電気式ヒートポンプ9のCOPは、例えば、10℃の水道水をT℃の温水にまで加熱する場合、加熱温度Tが低い程高くなる傾向にある。本実施形態では、電気式ヒートポンプ9によって、受水槽の水温が10℃の場合に、COP=5.5で20℃前後まで昇温させるものとする。従って、受水槽の水温の昇温限度は、20℃〜25℃程度(温度上昇分では、10℃〜15℃)を上限にするのが好ましい。この場合、COPは5以上とすることになる。
本発明システム10と、図4に示す従来構成のコージェネレーションシステムとの違いは、受水槽8の水を系統連系インバータ4の出力電力を使用して加熱する電気式ヒートポンプ9を備えている点である。他の構成要素の基本的な機能は従来のコージェネレーションシステムと同じである。
次に、電気式ヒートポンプ9を用いてCOP=5.5で受水槽の水温を10℃から20℃に予熱して、貯湯槽6及び各住戸に供給する場合の効果について説明する。尚、本発明システム10の効果算定の基礎となるデータとしては、図2に示す各住戸での負荷変動パターンと、図3に示す電気式ヒートポンプ9のCOP特性と、図5に示す月別の水温及び気温データを使用した。また、貯湯槽6、温水配管23、及び、各住戸内での放熱ロスの総和を16%と想定している。
図6に、冬期(1月)において、水温10℃の水道水を42℃に昇温して各住戸に供給する場合における、本発明システム10と従来のコージェネレーションシステムによる温水供給状態と電力供給状態を模式的に示す。尚、この42℃の水温は、各住戸の需要家が使用する末端の水温で、後述する放熱ロスを考慮すると、貯湯槽6から出湯する水温は、更に高温に設定されている。図6(A)は温水負荷と電力負荷に対する従来のコージェネレーションシステムによる各供給状態を示しており、夫々の負荷は各住戸の温水負荷と電力負荷の総和となっている。図6(A)に示す従来のコージェネレーションシステムでは、温水負荷(水温10℃を42℃に加熱)は、コージェネレーション装置11とガスボイラ7の熱エネルギで行われる。尚、上記放熱ロス分は、ガスボイラ7の熱エネルギで補充されるため、その分の都市ガスの消費量が増大する。
図6(B)に示すように、本発明システム10の場合、コージェネレーション装置11の発電出力(例えば発電効率32%)の内の7%分を使用して電気式ヒートポンプ9を駆動するとすれば、残りの25%分で各住戸の元来の電力負荷を充当するため、電力負荷は実質的に32%/25%(1.28倍)に増加する。コージェネレーション装置11の発電電力7%分を温水負荷に換算すると、COP倍になるので、図6(B)の電力負荷の下側にはみ出した部分(EEHP)が、温水負荷の一部(HEHP)に充当される。水温10℃の水道水を42℃に加熱する場合の、20℃の温水が電気式ヒートポンプ9で生成され、20℃に予熱された温水を42℃に加熱するのに、コージェネレーション装置11とガスボイラ7の熱エネルギが使用される。尚、上記放熱ロス分は、従来と同様にガスボイラ7の熱エネルギで補充されるため、その分の都市ガスの消費量が増大する。
図6中、括弧内の数値は、コージェネレーション装置11への投入エネルギを100%とした場合に発生する電力及び熱エネルギを表している。従って、コージェネレーション装置11については、発電(32%)は発電効率、排熱(53%)は排熱回収効率を表している。但し、放熱ロス16%を考慮すると37%になる。
ガスボイラ7の括弧内の数値は、従来のコージェネレーションシステムでは、コージェネレーション装置11への投入エネルギ(1次エネルギ)の92%に相当するエネルギをガスボイラ7に投入する必要があることを示し、本発明システム10では、当該投入量が48%に低減されていることを示している。つまり、本発明システム10では、ガスボイラ7の都市ガス消費量が従来のコージェネレーションシステムに比べて約半分(48/92)で足りることを示している。
図6(B)より明らかなように、コージェネレーション装置11とガスボイラ7の熱エネルギで賄われる温水負荷(従来のコージェネレーションシステムの温水負荷に相当する。)は、実質的に電気式ヒートポンプ9が分担する一部(B)だけ低減する。以上の結果、電気式ヒートポンプ9を用いることにより、電力負荷が増加し、温水負荷が低減するので、実質的な熱電比が低下し、且つ、ガスボイラ7の使用割合が約半分に低下するため、その分の都市ガス消費量が低下してエネルギコストの削減が図れる。
熱電比及び温水負荷の月別の低減効果を図7にグラフ化する。図7(A)に従来のコージェネレーションシステムを使用した場合の月別の電力負荷と温水負荷と熱電比を、図7(B)に本発明システム10を使用した場合の月別の電力負荷と温水負荷と熱電比を示す。図7より、電力負荷は年間及び時間帯に拘わらず概略一定であるのに対して、温水負荷は図5に示す月毎の水温変化に連動して大きく変動していることが分かる。また、電気式ヒートポンプ9を使用する本発明システム10の場合、冬期の温水負荷を低減し、熱電比を従来の4から2.5に低減可能であることが分かる。
本発明システム10による時間別の温水負荷の低減と電力負荷の増加の様子を図8にグラフ化する。図8より、ピーク時の温水負荷が4.6kWhから3.3kWhまで低減していることが分かる。また、電力負荷は、1日を平均して約16%の増加となっている。
冬期(1月)におけるガスボイラ7の出力低減効果を図9にグラフ化する。図9より、1日の温水負荷ピーク時におけるガスボイラ7の出力が大幅に低減していることが分かる。1日を通して平均化すると、約50%にガスボイラ7の出力が低減しているので、ガスボイラ7での都市ガス使用量が半減することになる。
更に、本発明システム10によって、熱電比が低減し、ガスボイラ7の出力が大幅に低減する副次的な効果として、1次エネルギ消費量とCO排出量の低減効果を、図10にグラフ化して示す。図10では、電力負荷を商用電力系統20からの電力供給で100%賄い、温水負荷をガスボイラ7の出力で100%賄う従来システムと、図4に示す従来のコージェネレーションシステムと、本発明システム10について、従来システムの1次エネルギ消費量とCO排出量を夫々100%として比較する。コージェネレーションシステムを採用することで、従来システムに比べて大幅に、1次エネルギ消費量とCO排出量が低減し、更に、本発明システム10によって低減することが分かる。尚、図10では、従来のコージェネレーションシステムと本発明システム10のコージェネレーション装置11は電力負荷に追従して運転制御された場合(電主運転)を想定している。
〈第2実施形態〉
次に、本発明システムの第2実施形態について説明する。第2実施形態に係る本発明システム30も、図11に示すように、第1実施形態と同様に、ガスエンジン1と発電機2からなる発電機ユニット3、系統連系インバータ4、熱交換器5、貯湯槽6、ガスボイラ7、受水槽8、及び、電気式ヒートポンプ9を備えて構成される。第1実施形態との相違点は、電気式ヒートポンプ9が系統連系インバータ4の出力電力を使用して、受水槽の水ではなく、貯湯槽6の水を加熱する点である。従って、上水道から供給される受水槽8の水は、図4に示す従来のコージェネレーションシステムと同様に加熱されずに水道配管24を介して各住戸に供給される。図11に示す例では、貯湯槽6の水は、受水槽8から供給されるが、直接上水道から供給されても構わない。また、貯湯槽6の水が、最終的に、電気式ヒートポンプ9、熱交換器5、及び、ガスボイラ7の3通りの方法で加熱可能である点は、第1実施形態と同じである。従って、上述した本発明システム10による各種効果は、そのまま第2実施形態に係る本発明システム30についても該当する。
以下に、別の実施形態につき説明する。
〈1〉上記第1実施形態において、各住戸には、電気式ヒートポンプ9で予熱された受水槽8の水と、電気式ヒートポンプ9で予熱された温水を熱交換器5とガスボイラ7の少なくとも何れか一方で加熱した貯湯槽6の温水が、供給される形態を説明したが、これに加えて、電気式ヒートポンプ9で予熱されない上水道からの水を各住戸に供給するようにしても構わない。
〈2〉上記各実施形態では、電気式ヒートポンプ9で予熱された受水槽8または貯湯槽6の水が、熱交換器5とガスボイラ7の少なくとも何れか一方で加熱される形態を説明したが、図4に示す従来のコージェネレーションシステムに、別途、別の受水槽を設けて、その別の受水槽の水をコージェネレーション装置11の発電電力を用いて電気式ヒートポンプ9で予熱する構成であっても構わない。この場合、貯湯槽6には、電気式ヒートポンプ9で予熱されない上水道からの水が直接、或いは、受水槽を介して供給される。かかる形態においては、例えば、電気式ヒートポンプ9で予熱された別の受水槽の20℃〜25℃程度のぬるま湯を浴槽にためて追い炊きすることで、上記各実施形態と同様に、温水負荷の低減を図ることができる。
〈3〉上記各実施形態において、本発明システム10,30は、集合住宅での使用を想定して説明したが、本発明システム10,30は、集合住宅に限らず、熱電比の低減によるエネルギ効率向上が見込める全ての形態の需要家に対しても適用可能である。従って、本発明システム10,30で使用するコージェネレーション装置11、ガスボイラ7、及び、電気式ヒートポンプ9の各能力は上記実施形態の値に限定されるものではない。
また、図6乃至図10において説明した本発明システム10の効果において、水温を10℃(水道水)から42℃(需要家)に昇温する場合を例に説明したが、水温及び昇温幅は上記実施例に限定されるものではない。
〈4〉上記各実施形態では、電気式ヒートポンプ9の作動時期を特に限定していなかったが、電気式ヒートポンプ9の作動時期を、水温が一定温度以下の冬期に限定しても構わない。また、1日の内の温水需要の大きい時間帯に限定しても構わない。例えば、夏期に水道水の水温が高くなって、電気式ヒートポンプ9による加熱が冬期ほど高効率で行えない場合は、電気式ヒートポンプ9のCOPが一定値(例えば、4〜5)以下となる条件では運転を停止するようにしてもよい。
〈5〉上記各実施形態において、コージェネレーション装置11は、発電機ユニット3がガスエンジン1と発電機2からなるガスエンジン・コージェネレーション装置を例に説明したが、発電機ユニット3は、例えば、都市ガスを燃料源とする燃料電池であっても構わない。また、コージェネレーション装置11は、都市ガスを燃料源とするコージェネレーション装置に限定されるものではない。同様に、補助熱源としてのガスボイラ7に代えて、他のエネルギ源を使用する補助熱源を用いても構わない。
本発明に係るコージェネレーションシステムの第1実施形態の構成例を示すブロック構成図 集合住宅における1戸平均の電力負荷と温水負荷の時間的変動を示すグラフ 電気式ヒートポンプのエネルギ効率(COP)と加熱温度の関係を示す特性図 従来のコージェネレーションシステムの一構成例を示すブロック構成図 月別の水温及び気温データを示すグラフ 本発明に係るコージェネレーションシステムと従来のコージェネレーションシステムによる温水供給状態と電力供給状態を模式的に示す図 本発明に係るコージェネレーションシステムと従来のコージェネレーションシステムによる熱電比、電力負荷、及び、温水負荷の月別の推移を示すグラフ 本発明に係るコージェネレーションシステムによる時間別の温水負荷の低減と電力負荷の増加を示すグラフ 本発明に係るコージェネレーションシステムによる冬期(1月)におけるガスボイラの出力低減効果を示すグラフ 本発明に係るコージェネレーションシステムによる1次エネルギ消費量とCO排出量の低減効果を示すグラフ 本発明に係るコージェネレーションシステムの第2実施形態の構成例を示すブロック構成図
符号の説明
1: ガスエンジン
2: 発電機
3: 発電機ユニット
4: 系統連系インバータ
5: 熱交換器
6: 貯湯槽
7: ガスボイラ
8: 受水槽
9: 電気式ヒートポンプ
10、30: 本発明に係るコージェネレーションシステム
11: ガスコージェネレーション装置
12: 給湯暖房機
20: 商用電力系統
21: 電力線
22: ガス配管
23: 温水配管
24: 水道配管
25: 温水配管
M: 流量計または電力計

Claims (8)

  1. 外部から供給される燃料を使用して電力と熱エネルギを発生するコージェネレーション装置と、
    上水道から供給される水を受水する受水槽と、
    前記受水槽の水を、前記コージェネレーション装置が発生する電力を使用して加熱する電気式ヒートポンプと、
    を備えてなることを特徴とするコージェネレーションシステム。
  2. 前記電気式ヒートポンプで加熱された前記受水槽の温水を、前記コージェネレーション装置の発生する熱エネルギで加熱する熱交換器と、
    前記熱交換器で加熱された温水を貯湯する貯湯槽を備えることを特徴とする請求項1に記載のコージェネレーションシステム。
  3. 外部から供給される燃料を使用して前記貯湯槽の温水を加熱する温水加熱機を備えることを特徴とする請求項2に記載のコージェネレーションシステム。
  4. 前記受水槽の水を、前記コージェネレーション装置の発生する熱エネルギで加熱する熱交換器を備えることを特徴とする請求項1に記載のコージェネレーションシステム。
  5. 外部から供給される燃料を使用して前記受水槽の水を加熱する温水加熱機を備えることを特徴とする請求項4に記載のコージェネレーションシステム。
  6. 前記受水槽の温水、及び、前記コージェネレーション装置が発生する電力を、複数の住戸に個別に供給する供給系統を備えてなることを特徴とする請求項1、4または5に記載のコージェネレーションシステム。
  7. 前記受水槽の温水、前記貯湯槽の温水、及び、前記コージェネレーション装置が発生する電力を、複数の住戸に個別に供給する供給系統を備えてなることを特徴とする請求項2または3に記載のコージェネレーションシステム。
  8. 前記電気式ヒートポンプは、消費電力に対する発生熱エネルギの比率が所定の閾値以上となる運転条件で、前記受水槽の水を加熱することを特徴とする請求項1〜7の何れか1項に記載のコージェネレーションシステム。
JP2004066564A 2004-03-10 2004-03-10 コージェネレーションシステム Expired - Fee Related JP4098739B2 (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2004066564A JP4098739B2 (ja) 2004-03-10 2004-03-10 コージェネレーションシステム

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2004066564A JP4098739B2 (ja) 2004-03-10 2004-03-10 コージェネレーションシステム

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JP2005257115A true JP2005257115A (ja) 2005-09-22
JP4098739B2 JP4098739B2 (ja) 2008-06-11

Family

ID=35083011

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2004066564A Expired - Fee Related JP4098739B2 (ja) 2004-03-10 2004-03-10 コージェネレーションシステム

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP4098739B2 (ja)

Cited By (4)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2008180473A (ja) * 2007-01-26 2008-08-07 Kenji Umetsu ハイブリッドエネルギー利用ヒートポンプ装置
CN102829575A (zh) * 2012-09-10 2012-12-19 陈戈 多源区域型冷热电联供能源网系统及方法
JP2014145496A (ja) * 2013-01-28 2014-08-14 Tokyo Gas Co Ltd 給水予熱システムおよび給水予熱システムの送水温度制御方法
JP7433717B2 (ja) 2020-03-27 2024-02-20 矢崎エナジーシステム株式会社 コージェネレーションシステムの設備決定方法、設備決定装置、設備決定プログラム、及び、コンピュータ読取可能な記録媒体

Cited By (5)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2008180473A (ja) * 2007-01-26 2008-08-07 Kenji Umetsu ハイブリッドエネルギー利用ヒートポンプ装置
CN102829575A (zh) * 2012-09-10 2012-12-19 陈戈 多源区域型冷热电联供能源网系统及方法
CN102829575B (zh) * 2012-09-10 2015-03-18 湖南康拜恩分布式能源科技有限公司 多源区域型冷热电联供能源网系统及方法
JP2014145496A (ja) * 2013-01-28 2014-08-14 Tokyo Gas Co Ltd 給水予熱システムおよび給水予熱システムの送水温度制御方法
JP7433717B2 (ja) 2020-03-27 2024-02-20 矢崎エナジーシステム株式会社 コージェネレーションシステムの設備決定方法、設備決定装置、設備決定プログラム、及び、コンピュータ読取可能な記録媒体

Also Published As

Publication number Publication date
JP4098739B2 (ja) 2008-06-11

Similar Documents

Publication Publication Date Title
Hewitt Heat pumps and energy storage–The challenges of implementation
US20090301687A1 (en) Integrated energy system for whole home or building
JP2006158027A (ja) 家庭内電力システム
JP6630631B2 (ja) 給湯システム
JP3640686B2 (ja) コージェネレーションシステム
GB2457139A (en) Water heating system comprising an immersion heater supplied with electricity generated by an alternative energy source
JP2015078797A (ja) エネルギ融通マネジメントシステム、エネルギ融通マネジメント方法及びエネルギ融通マネジメントプログラム
JP4605943B2 (ja) コージェネレーションシステムの運転方法
JP7076730B2 (ja) 電力供給システム
JP2021023028A (ja) 電力供給システムおよび水素利用システム
US20210257959A1 (en) Combined heating and power modules and devices
JP4098739B2 (ja) コージェネレーションシステム
JP6678347B2 (ja) 電力管理システム
JP2004327160A (ja) 燃料電池コージェネレーションシステム
KR102479198B1 (ko) 태양광을 이용한 건물 에너지 공급 시스템
JP4746165B2 (ja) エネルギー供給装置
JP6678348B2 (ja) 分散型発電システム、及び該システムの運転計画の少なくとも一部を該システムの外部に与える方法
US20210257958A1 (en) Combined heating and power modules and devices
JP5342289B2 (ja) コジェネレーションシステム
JP6969329B2 (ja) コージェネレーションシステム適正台数決定装置および電力融通システム
JP4584546B2 (ja) 燃料電池コージェネレーションシステム
JP6075181B2 (ja) 熱電供給システム
Alien et al. Further development of" self-powered boilers"
JP2013233043A (ja) 熱電併給型調整用電源
JP2007128785A (ja) 燃料電池発電システム

Legal Events

Date Code Title Description
A621 Written request for application examination

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621

Effective date: 20070119

A977 Report on retrieval

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A971007

Effective date: 20071107

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20071120

A521 Written amendment

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20080115

TRDD Decision of grant or rejection written
A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

Effective date: 20080311

A61 First payment of annual fees (during grant procedure)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61

Effective date: 20080313

R150 Certificate of patent or registration of utility model

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20110321

Year of fee payment: 3

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20140321

Year of fee payment: 6

LAPS Cancellation because of no payment of annual fees