JP2005255190A - 積層フィルムからなる蓋材及びこれを用いてなる包装容器 - Google Patents

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【課題】主としてカップ麺等の包装容器の蓋材として好適な材料とこれからなる包装容器を提案するものである。
【解決手段】少なくとも二軸配向熱可塑性樹脂層(A層)と一軸配向熱可塑性樹脂層(B層)の二層を有する積層熱可塑性樹脂フィルムからなる蓋材、および前記蓋材を構成する一軸配向熱可塑性層(B層)の配向方向が該蓋材の開封方向と直角に配置されてなる包装容器、ないし前記蓋材を構成する二軸配向熱可塑性層(A層)が包装容器の外側に配置されてなることを特徴とする包装容器。
【選択図】図1

Description

本発明は、包装容器等の蓋材に関するものであり、さらに詳しくは即席麺、スープ等の容器包装材に好適な蓋材を提案するものである。
カップラーメン等の即席麺や即席スープ・みそ汁等はポリスチレン系樹脂、ポリエステル系樹脂、ポリオレフィン系樹脂等の発泡プラスチック類の容器と蓋材とから構成される。
蓋材は製造以降流通から各消費者に至るまでの内容物の保護する機能と共に、開封した際には、熱湯を注ぐために開封状態を保つこと、食事の際にはじゃまにならぬことが求められる。
しかしながら、蓋材にこのような機能性が無い場合には、湯を注ぐ際に開封状態を保つために蓋をもつ必要があるため手元が不安定になるという問題がある。このため、カール特性を有するプラスチックフィルムから該蓋材を構成するという提案がされている(特許文献1)。
本技術によると、外側にカールすることで湯を注ぐことに対する問題点は解消されるが、食事をする際には邪魔になるので、全てを剥離しなければならず、野外の気温の低い時には短時間で内容物の温度が低下し味を損なうという問題点を有していた。
特開2002−370764号公報(請求項1)
本発明は即席食品類の包装容器用蓋材として特定の二軸ポリプロピレンフィルムをその構成要件とすることにより、その使用時に取り扱うことが容易で、熱湯を注ぐ際の安全性を向上すると共に、食事の際に利便性の高い蓋材を提供せんとするものである。
本発明者らは、上記課題を解決するために鋭意検討を重ねた結果、
(1)少なくとも二軸配向熱可塑性樹脂層(A層)と、一軸配向熱可塑性樹脂層(B層)の二層を有するとからなる積層フィルムからなる蓋材。
(2)A層を構成する熱可塑性樹脂および/またはB層を構成する熱可塑性樹脂がポリオレフイン系樹脂であること特徴とする(1)に記載の蓋材。
(3)ポリオレフイン系樹脂がポリプロピレン樹脂であることを特徴とする(2)に記載の蓋材。
(4)(1)〜(3)のいずれかに記載の蓋材を構成する一軸配向層(B層)の配向方向が該蓋材の開封方向にと略直角に配置されてなることを特徴とする包装容器。
(5)(1)〜(3)のいずれかに記載の蓋材を構成するの二軸配向層(A層)が包装容器の外側に配置されてなることを特徴とする包装容器を提案するものである。
本発明は、少なくとも二軸配向熱可塑性樹脂フィルムと一軸配向熱可塑性樹脂フィルムとが積層されてなる積層フィルムを蓋材として用いることにより、以下の効果を奏するものである。
(1)包装容器を開封し湯を注ぐ際には開封状態を維持でき、安全性、利便性が高い。
(2)内容物を食べる際には任意の位置で切り取ることにより、内容物の温度低下を抑制することができる。
本発明において、熱可塑性樹脂とはポリエチレン、ポリプロピレン、ポリ4メチルペンテン1、等のポリオレフイン、ポリエチレンテレフタレート、ポリブチレンテレフタレート、ポリエチレン(2,6)ナフタレート、等のポリエステル、ナイロン6,ナイロン66等のポリアミド等が例示されるが、特にこれらの中でも、ポリオレフインが機械特性、軽量性、質感の点で優れ、特に好ましくはポリプロピレンが耐熱性、機械特性のバランスに優れているので好ましい。
本発明において、二軸配向層(A層)と一軸配向層(B層)とを貼り合わせる方法は特に限定されるものでは無いが、接着剤等を介して両者を接着した場合、接着層が緩衝層となって必要なカール特性を弱める可能性があり、接着層を極力薄くすることが好ましい。このような方法として、二軸配向層を形成する方法として逐次2軸延伸機を用いて、ロール延伸装置で一軸に延伸後に別な押出機から樹脂を押出ラミネートした上で、横延伸機延伸することで二軸配向層と一軸配向層とが積層されたフィルムを得ることができるので好ましい(例えば、特開昭51−19080号公報に記載された方法)。この場合の長手方向、幅方向の延伸倍率はそれぞれ4〜10倍に延伸されたものであることが好ましい。また、一軸配向ポリプロピレン層(B層)とは、一軸方向に延伸されてなるポリプロピレンフィルムであって、その延伸倍率は好ましくは5〜15倍、さらに好ましくは6〜11倍である。
詳しくは、例えばポリプロピレン樹脂に限定して説明すると、以下の様に製造される。すなわち、二軸配向ポリプロピレン樹脂層(A層)を形成するポリプロピレン樹脂Aを押出機Iにて230〜280℃で溶融混練し、ポリマー管を通じてT型口金よりシート状に溶融押出し、冷却ドラム上で冷却固化する。このようにして得られた未延伸シートを120〜155℃で予熱して、低速ロールと高速ロールの間で長手方向に3.5〜7.0倍に延伸し直ちに冷却し一軸延伸フィルムを得る。
次いで、一軸ポリプロピレン樹脂層(B層)形成する樹脂Bを別の押出機にて230〜280℃で溶融混練し、T型口金よりシート状に押出し、冷却ドラム上で先の一軸延伸フィルムとラミネートし、該一軸延伸フィルムと樹脂Bとが一体化した積層フィルムを得る
(以下本方法を「押出ラミネート延伸法」という)。
こうして得られた積層フィルムの両端部をクリップで把持して140〜170℃に予熱後、幅方向に5〜12倍延伸する。次いで140〜160℃で熱固定し、さらに幅方向に0〜10%のリラックスを取りながら130〜155℃でアニールし、両エッジ部をトリミングし、必要に応じて少なくとも片面にコロナ放電処理、火炎処理等の表面処理等を施した後に巻き取る。
本発明において蓋材は、好ましくは該積層ポリプロピレンフィルムからなるものであるが、該積層ポリプロピレンフィルムのA層とB層の厚み比率がA:B=11:100〜100:100であることが好ましく、さらに、好ましくは25:100〜67:100である。A層の厚みがB層に比して小さすぎるとフィルムの破断が容易に起こるため包装体としての強度が低下したり、加工時にフィルムが破断する等の問題を生じる。一方、A層の厚みがB層に比して大きすぎると直線カット性の劣ったものとなると共にカール特性が小さくなり、蓋材を開封した際に熱湯を注ぐ際に邪魔になる可能性が有る。
また、A層を形成するポリプロピレン樹脂としては、機械特性と直線カット性を良好とする上で、メルトフローレートが1.5〜6.0g/10分であることが好ましく、さらに1.8〜4.0dl/gであることが好ましい。さらに該ポリプロピレン樹脂の融点は155〜164℃であることが好ましく、更に好ましくは157〜162℃であると、直線カット性が良好となる他、印刷等の加工適性、フィルムの層間強度、帯電防止性能、ヘイズが良好となるので好ましい。このためには、該ポリプロピレン樹脂はエチレンプロピレンランダム共重合体等のプロピレン系共重合体を添加するあるいは予め少量のエチレン、ブテン等のα−オレフィンモノマーを共重合することで制御することができる。
次いで、B層を形成するポリプロピレン樹脂としては、メルトフローレートとして2〜30g/10分、好ましくは4〜20g/10分し、A層を構成する樹脂よりも分子量を低めとしておくことが好ましい。こうすることで、積層ポリプロピレンフィルムのカール特性が良好となり、開封時の形状が安定する。
さらに、A層およびB層のいずれにもにも酸化防止剤等の安定剤、塩素捕獲剤、帯電防止剤、スリップ剤等を含有することができる。安定剤としては、ヒンダードフエノール系、ヒンダードアミン系、フォスファイト系化合物、あるいはトコフェロール類、ラクトン類が例示される。さらに塩素捕獲剤としては、ステアリン酸カルシウム、ハイドロタルサイト等が例示されるが、特にハイドロタルサイトが異物の発生が少なく好ましい。また、耐電防止剤としては、アルキルメチルジベタイン、アルキルアミンジエタノール及び/又はアルキルアミンエタノールエステル及び/又はアルキルアミンジエタノールジエステル、スリップ剤としては有機系としてはステアリン酸アミド、エルカ酸アミド等脂肪族アミド、ラウリル酸ジエタノールアミド、アルキルジエタノールアミン、脂肪族モノグリセライド、脂肪族ジグリセライド等、無機系としては炭酸カルシウム、酸化チタン、二酸化珪素粒子、酸化アルミニウム粒子等、さらにシリコーン粒子、架橋ポリメチルメタアクリレート粒子、架橋ポリスチレン等粒子の有機粒子等も使用可能である。
本発明においては、A層、B層に加えて、共重合ポリプロピレン樹脂層(C層)をA層とB層の間に設けることも可能である、この場合、C層を形成する樹脂は、エチレンプロピレンランダム共重合体、エチレンプロピレンブテン3元共重合体、エチレンプロピレンブロック共重合体、低結晶性ポリプロピレン樹脂からなる群より選ばれた少なくとも一種からなるとA層とB層との接着力が一層向上し、蓋材として強度が向上するので好ましく、この観点から該C層の厚みは0.5〜5μmであることが好ましく、より好ましくは1〜4μmである。このような厚み範囲にC層を形成することは、押出ラミネーション法で予め成型したA層とC層との間に樹脂を押出す方法では、厚みの制御性と層間接着力を確保するする上で困難が伴う。一方、前記の押出ラミネート延伸法によれば、A層とC層を共押出するおよび/またはB層とC層を共押出することで、A/C//B、A//C/B、A/C//C/B(/は共押出、//は押出ラミネート部を示す)等の構成として、C層の厚みを薄く均一にコントロールでき、接着力も良好になるので好ましい。
また、本発明蓋材において、積層フィルムのトータル厚みは、カール特性を付与して、かつ直線カット性を発現させる観点から、20〜100μmであることが好ましく、さらに好ましくは30〜80μmである。
蓋材としては、前記積層フィルムにより構成されていれば良く、その他印刷層、ポリエステルフィルム、ポリアミドフィルム、ポリエチレンフィルム、蒸着フィルム、金属箔等の公知のフィルムがラミネートされていても良い。
本発明の積層フィルムはその性質上、二軸配向樹脂層(A層)が積層されている側にカールする特性を有するが、このカール特性を有効に機能させるには該積層フィルムが蓋材の厚み方向に占める割合が40%以上であることが好ましく、さらに好ましくは50%以上である。
また、該蓋材を包装容器等に貼り合せる場合は、該一軸配向層(B層)の配向方向が該蓋材の開封方向に略直角に配置されてなることが好ましい。すなわち本発明蓋材は一軸配向層に平行に直線的にかつ容易に切れる特性を有しているため、開封したところでちぎるように蓋材を引っ張ることで手で容易に切り取ることができる。さらに開封性を容易にするために、所定の位置にノッチをつけておく方法、あるいは蓋材端面のマイクロノッチ加工等を施しておくとさらに切れ性は向上する。ここで、一軸配向層(B層)の配向方向が蓋材の開封方向と略直角に配置されているとは、図2に示すB層の一軸配向方向と蓋材の開封方向の交差角θが、理想的には90°であるが、本発明の目的を損なわない範囲であれば90°で無ければならない訳では無く、好ましくθは80°〜100°、より好ましくは85°〜95°である。
一方、該蓋材の貼り合せ面であるが、上述の様に二軸配向層(A)側にカールする特性を有するため、開封時にはなるべくであれば、外面にカールすることで、熱湯を注ぐ際に邪魔にならぬようにすることが好ましい。従って、A層側が包装容器の外側に配置されてなることが好ましい。
以上のように蓋材と包装容器とを貼り合わす方法としては、エチレン酢酸ビニル共重合体、直鎖状低密度エチレン、エチレンメチルメタアクリレート共重合体、アイオノマー等のエチレン系共重合体を熱接着層として用いることが通常である。また、包装容器としては、ポリスチレン系樹脂、ポリエステル系樹脂、ポリオレフィン系樹脂等の発泡プラスチック類の包装容器と蓋材とから構成される。特に、ポリオレフィン系の発泡プラスチック包装容器の場合とすると材料としてポリオレフィンで統合できることになり、リサイクル面で有利になるので好ましい。
こうして得られた、蓋材ならびにこれからなる包装容器は、カップラーメン等の即席麺や即席スープ・みそ汁等、レンジライス等の包装材料として好ましく使用できる。
次に、本発明の好ましい態様である積層ポリプロピレンフィルムの製造方法について説明するが、本記述に限定されるものでは無い。
二軸配向ポリプロピレン層(A層)を形成するポリプロピレン樹脂Aを押出機Iにて230〜280℃で溶融混練しT型口金からシート状に押出し冷却ドラム上で冷却固化する。このようにして得られた未延伸シートを120〜155℃で予熱して、低速ロールと高速ロールの間で長手方向に3.5〜7.0倍に延伸し直ちに冷却し一軸延伸フィルムを得る。
次いで、一軸配向ポリプロピレン層(B層)形成する樹脂Bを押出機IIにて230〜280℃で溶融混練し、T型口金よりシート状に押出し、冷却ドラム上で先の一軸延伸フィルムとラミネートし該一軸延伸フィルムと樹脂Bとが一体化した積層ポリプロピレンフィルムを得る。
こうして得られた積層ポリプロピレンフィルムの両端部をクリップで把持して140〜170℃に予熱後、幅方向に5〜12倍延伸する。次いで140〜160℃で熱固定し、更に幅方向に0〜10%のリラックスを取りながら130〜155℃でアニールし、両エッジ部をトリミングし、必要に応じて少なくとも片面にコロナ放電処理、火炎処理等の表面処理等を施した後に巻き取る。
こうして得られた積層ポリプロピレンフィルムは、必要に応じて印刷、蒸着、コーテイング、ポリエステルフィルム、紙等他の基材とのラミネートを施し蓋材として加工される。他の基材とラミネートを施す場合は、該積層ポリプロピレンフィルムの厚みが30%を下回らない様にしておくことがカール特性を発揮する上で好ましい。 この様にして得られた積層ポリプロピレンフィルムを用いた蓋材は、該積層ポリプロピレンフィルムを構成する二軸配向層が長手方向に収縮し易いが、一軸配向層は殆ど収縮しないために、二軸配向層側にカールする特性を有する。
従い、蓋材として剥離した際に外面にカールさせたい場合は、二軸配向層を外面に、逆に内面にカールさせたい場合は二軸配向層を内面となる様に配置する。
この様に蓋材として包装容器に貼り合わせるためには、低密度ポリエチレン、直鎖状低密度ポリエチレン、エチレン酢酸ビニル共重合体、エチレンブチルアクリレート等のエチレン系ポリマーを含有する無配向フィルムをドライラミネーション法で貼り合わせることで低温のヒートシール層を設ける方法が例示される。この際、該無配向フィルムの融点は70〜120℃の範囲であると、蓋材の貼り合わせ時に蓋材、包装容器に与える熱歪みが小さくなるので好ましい。
本発明の実施例で用いた、測定方法、評価方法を以下に述べる。
(1)樹脂層の厚み及び厚み比率
ミクロトームでフィルム断面を切り出し、該フィルム断面を走査型電子顕微鏡で観測して厚みを求める。樹脂層が区分しにくい場合は必要に応じて染色法により層区分することができる。尚、A層とB層との厚み比率はB層厚みを基準(100)として表す。
また、各層の配向状態(一軸配向であるか二軸配向であるか)は、各層を剥離分離して、X線回折像により確認する(例えば、参考文献「高分子加工One Point-2 フィルムをつくる」 1993年共立出版社刊行 9章E項)。
(2)融点
示差走査型熱量計(DSC)を用いて求める。サンプル5mgを窒素雰囲気中で室温より速度は20℃/10分で昇温して、結晶の融解に基づく吸熱ピークを融点とする。尚、ピークが複数検出される場合は複数のピークの面積平均値をその融点とする。
(3)メルトフローレート(MFR)
JIS K 7210に従い、条件M(230℃ 2.16kg)で測定する。
(4)開封特性
蓋材はいずれもヒートシール層としてエチレン酢酸ビニル共重合体(酢酸ビニル共重合量8重量%、融点100℃、厚さ20μmの押出シートと準備したフィルムとをドライラミした。
容器として紙コップ275ml(C−275HO:サンナップ(株))を準備して、蓋材をヒートシールして、以下の要領で評価した。
A.蓋材を半分開封後、手を離した際に、開封口の維持率を以下の様に測定した。容器の開封開始点を起点として、開封し手で開封口を維持している時の開封長さを開封方向に平行測定した長さL0cmとした際に、手を離し5分後にフィルムが形成する開封長さを同様に測定してL1cmとする。
・維持率=L1/L0×100(%)。
B.上述Aのように開封した蓋材を開封方向と直角の方向に引っ張った際の開封形状を以下の様に評価した。サンプルは5として、その再現性を含めて評価した。
ランクA:蓋材と包装容器とが接着している部分を起点に蓋材が直線的にカットできる。
ランクB:直線的にカットできるがひげが出る。
ランクC:ランダムに切れる。
ランクD:まったくきれずに蓋が剥離する。
[実施例1、2]
二軸配向樹脂(A)層としてポリプロピレン樹脂(住友ノーブレンFS2016、MFR:2.1g/10分)を240℃にて溶融押出し、シート状にキャストした後、ロール延伸装置を用いて135℃で長手方向に4.7倍延伸し、一軸延伸フィルムを得た。次いで、別な押出機を用いて一軸配向樹脂(B)層としてポリプロピレン樹脂(サンアロマー社製PC802A、MFR:15g/10分)を240℃で溶融押出し、前述の一軸延伸フィルムと冷却ドラム上でラミネートし、該一軸延伸フィルムとラミネート樹脂の積層されたフィルムを得た。次いで該積層フィルムを熱風オーブン中にクリップで把持しながら、155℃の延伸温度にて幅方向に9倍延伸し、5%のリラックスを取りながら155℃で熱固定した。次いでクリップ把持部分をトリミングの後に(B)層樹脂表面にコロナ放電処理を行い巻き取った。こうして得られたフィルムは、二軸配向ポリプロピレン樹脂(A)層が26μ、一軸配向ポリプロピレン樹脂(B)層が13μmで、(B)層表面は濡れ張力が39mN/mに処理されていた。
こうして得られたフィルムを開封方向と一軸配向の向きが直角になるように包装容器と貼り合せた。この際、2軸配向層が外面になるように貼り合せた場合(実施例1)と反対に内面となるように貼り合せた(実施例2)。
この結果、実施例1では開封維持率は90%となり、カット性もランクAであった。一方、実施例2でも開封維持率は70%となり、カット性はランクAであった。
[比較例1]
二軸配向ポリプロピレンフィルムとして、実施例1で用いた製膜装置を用いて、住友ノーブレンFS2016を単独で押出し、135℃で長手方向に4.6倍に延伸後、幅方向に157℃で9倍に延伸し厚さ39μmの単層の2軸配向ポリプロピレンフィルムを得た。このフィルムを蓋材の構成として用いた場合、維持率は0%であり、カット性はランクDであった。
[比較例2]
一軸配向ポリプロピレンフィルムとして、FS2016をシート状に溶融押出し、熱ロール間で7倍に長手方向に延伸し、150℃で長手方向に5%のリラックスを許しながら巻き取った。こうして得られたフィルムは1軸配向しており、40ミクロンであった。
このフィルムも同様にして蓋材として評価したが、維持率は20%であり、カット性はBランクであった。
本発明は、手切れ性に優れたポリプロピレン製包装材料用に限らず、強靭性や透明性も
兼ね備えたポリプロピレン製容器への応用も可能であるが、その応用範囲がこれらに限ら
れるものではない。
実施例1を具体的に説明する蓋材及びそれからなる包装容器である。 蓋材に構成を詳細に表した図である。
符号の説明
1:二軸配向ポリプロピレン層(A層)
2:一軸配向ポリプロピレン層(B層)
3:ポリエチレン系樹脂層
4:蓋材
5:ポリスチレン系発泡容器
6:B層の一軸配向方向
7:包装容器の開封方向(蓋材の中央線)
θ:B層の一軸配向方向と蓋材の開封方向の交差角

Claims (5)

  1. 少なくとも二軸配向熱可塑性樹脂層(A層)と一軸配向熱可塑性樹脂層(B層)の二層を有する積層フィルムからなる蓋材。
  2. A層を構成する熱可塑性樹脂および/またはB層を構成する熱可塑性樹脂がポリオレフィン系樹脂であること特徴とする請求項1に記載の蓋材。
  3. ポリオレフィン系樹脂がポリプロピレン樹脂であることを特徴とする請求項2に記載の蓋材。
  4. 請求項1〜3のいずれかに記載の蓋材を構成する一軸配向層(B層)の配向方向が該蓋材の開封方向と略直角に配置されてなることを特徴とする包装容器。
  5. 請求項1〜3のいずれかに記載の蓋材を構成する二軸配向層(A層)が包装容器の外側に配置されてなることを特徴とする包装容器。
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