JP2005254667A - ゴムローラの表面処理法 - Google Patents

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Abstract

【課題】像担持体等との固着を防止し、抵抗むら、外径精度に優れ、経済性に優れる導電性弾性体ローラを製造する方法を提供すること。
【解決手段】芯金上に加硫した弾性層が形成されているローラの外周面を流動床加熱手段で加熱して、弾性体ローラの表面改質することを特徴とする表面処理法であり、更に弾性層が発泡体で外周面が研摩仕上げを施したローラの外周面をローラの発泡径より小さいビーズ径で加熱する流動床加熱手段であることを特徴とする。
【選択図】図1

Description

本発明は、ゴムローラの外周表面を処理する方法に関し、より具体的には、複写機、レーザビームプリンタ、LEDプリンタ等の電子写真や電子写真製版システム等において使用される導電性ローラの外周表面の改質に関する。
従来、複写機、レーザビームプリンタ、LEDプリンタ等の電子写真装置や電子写真製版システムの装置内では、帯電ローラ、現像ローラ、転写ローラ等の用途に、それぞれその用途に適する形態の弾性体ローラが使用されている。これら電子写真装置内で利用される弾性体ローラは、図4に示すように、弾性体ローラ本体21と、その中心に芯金22とを持ち、円筒形状ローラ本体部の筒孔を貫通した芯金22の一部が両端に突出した形態とされている。弾性体ローラ本体21は、例えば、帯電ローラのように像担持体等に対してローラ表面を均一に圧接させるため、ゴム、エラストマー等の発泡体で構成された弾性体より構成されている。加えて、帯電ローラ、転写ローラ等では、バイアス電圧を印加して、圧接させる像担持体(感光体)を帯電させて使用するために、弾性体には導電性が付与され、導電性の弾性体ローラとされている。
又、画像形成プロセスに対して、近年、益々画像形成速度の高速化と、画像自体の高精細化が進められている。高速で、高画質の画像を得るためには、例えば、導電性発泡体ローラを使用する転写ローラでは、高速で回転させる際に、感光体とか転写ベルト等の像担持体と転写材(紙)とを均一に接触させるために、転写ローラは低硬度で且つ転写ローラへの荷重を増やし転写ローラの変形により像担持体との密着幅を増やす方法が採られている。
又、転写ローラには、トナーの静電気力による転写材(紙)表面への引き寄せを良好に行うために適正な電圧を印加するが、非通紙時において、像担持体(感光体)への過度の電流や電流リーク等による印加電圧のブレークダウンを防止する目的で、転写ローラの抵抗値は、1×106〜1×1012Ω・cmの半導電領域に選択されている。又、高速化、高精細化に伴い、転写ローラ57から転写材(紙)に対して、短時間に電荷を移動する必要があり、つまり、電流が増すに連れ、画質の均一性を支配する電流密度の均一性は、ローラ表面の抵抗率分布の影響を受け易くなるため、例えば、転写ローラを構成する発泡体において抵抗率分布の均一性が優れるNBR(アクリロニトリル−ブタジエンゴム)やヒドリンゴム等の極性ゴムを用いて導電性を付与することが多くなった。
ローラ表面を均一に圧接させて転写電流が増すために像担持体等に対して転写ローラへの圧接力の増加に伴い、転写ローラは像担持体との固着、像担持体への染み出し防止が特性として益々求められている。
像担持体との固着を防止、像担持体への染み出し防止等の目的で弾性体ローラ本体21の外周表面に表面処理を施してゴム表面の粘着性を低下させる方法が従来か知られている。
従来の弾性体ローラの表面処理方法としては、弾性体表面に感放射線性を有するものを含浸させ、次いで紫外線又は電子線を照射し表面処理層を形成している(例えば、特許文献1参照)。
又、導電性ポリウレタンに対して120℃で6時間の間オーブン中で熱処理を行い、化学構造の変化を生じさせる方法が開示されている(例えば、特許文献2参照)。
又、導電性弾性体の表面に紫外線照射処理を施し、更に表面に加熱処理を行うことが開示されている(例えば、特許文献3参照)。
更に、弾性体ローラの製造では紫外線、電子線等をローラ表面に一様に照射するために紫外線、電子線光源に対してローラを回転させていた(例えば、特許文献1参照)。
特開2002−082514号公報(第2〜3頁) 特開2001−082451号公報(第3〜4頁) 特開2002−139896号公報(第5頁)
しかしながら、従来の紫外線又は電子線よる表面処理では設備コスト及び水銀ランプ等の消耗品よるランニングコストが掛かる等の問題があった。又、発泡体で構成された弾性体の外径形状が研摩により形成したローラでは紫外線、電子線の直進性により外周面の発泡セルの内面まで十分に表面処理を施すには時間が必要であり、それにより紫外線、電子線等は高熱エネルギーのためローラの内部まで加熱され外径精度が悪くなり、又、発泡セル壁による影部には紫外線、電子線が当たらない部分が発生して像担持体等に対して転写ローラの圧接力が高い場合に像担持体等との固着が発生し、表面の抵抗率分布が悪くなる等の問題があった。
又、オーブンで加熱する方法では、比較的発泡セルの内面まで表面処理の効果があるが、オーブンで加熱する方法では熱エネルギーが紫外線、電子線等と比べて低く、熱処理に長時間を要すため、オーブン中で熱処理を長時間行う方法では同様に発泡体の縮が発生して外径精度が悪くなる場合があった。これに対して紫外線照射処理等を施して更に表面に加熱処理を行うでは工程が複雑になる等の問題があった。
本発明は上記問題に鑑みてなされたもので、その目的とする処は、像担持体等との固着を防止し、抵抗むら、外径精度に優れ、経済性に優れる導電性弾性体ローラを製造する方法を提供することにある。
前記目的は以下の手段によって達成される。
芯金上に加硫した弾性層が形成されているローラの外周面を流動床加熱手段で加熱して、弾性体ローラの表面改質することを特徴とする表面処理法であり、更に弾性層が発泡体で外周面が研摩仕上げを施したローラの外周面をローラの発泡径より小さいビーズ径で加熱する流動床加熱手段であることを特徴とする弾性体ローラの表面処理法である。
本発明方法で製造される弾性ローラ、例えば、導電性弾性体ローラ、導電性発泡体ローラは、長期放置おいて像担持体等との固着を防止し、抵抗値むらの少ないものとできる利点がある。本発明により、電子写真装置で使用される転写ローラ等、抵抗値分布が小さいことが要望される導電性弾性体ローラを、工程が複雑にならずに安価に生産することが可能となる。
以下に本発明の実施の形態を添付図面に基づいて説明する。
導電性弾性体ローラの形状は、電子写真装置や電子写真製版システム等の画像形成装置に用いられるローラタイプで、又、外径形状は弾性体ローラ本体21の外径がローラ本体21の中央部から端部まで同径であるストレート形状又は像担持体等に圧接し均一な密着幅を形成するためローラ本体21の中央部の外径を端部の外径より大きしたクラウン形状になっているものを用いる。
導電性弾性体ローラは、導電性の芯金(円柱状の導電性基材)上に、直接或は他の層を介して間接的に導電性弾性体層が形成される。
又、導電性基材についても、本発明による特段の制限はなく、画像形成装置に用いられるものであれば本発明において使用できる。その導電性としては、体積抵抗値が104Ω・cm以下程度であれば良い。例えば、ステンレス、鉄、又は防錆のため表面をニッケルやニッケル・クロム鍍金等を施した鉄等の金属、或は導電性が付与された樹脂を導電性基材として用いることができる。
導電性弾性体の導電性は、体積抵抗値が1×106〜1×1012Ω・cmであることが好ましい。
導電性弾性体に使用されるポリマー原料としてはNBR(アクリロニトリル−ブタジエンゴム)、EPDM(エチレンープロピレン−ジエン−共重合体)、ポリブタジエン、天然ゴム、ポリイソプレン、SBR(スチレンブタジエンゴム)、CR(クロロプレン)、シリコンゴム、エピクロルヒドリンゴム、ウレタンゴム等のゴムがある。又、これらゴムを混合物としても用いることができ、特に限定されるものでない。
又、前記ポリマー原料に必要に応じて添加される導電性物質としては、導電粒子では導電性カーボンブラック、TiO2、SnO2、ZnO等の金属酸化物、SnO2とSb25の固溶体ZnOとAl23の固溶体等の複酸化物、CuAg等の金属粉等が挙げられ、導電粒子以外ではイオン導電性物質としてLiBF4、aSCN等の金属塩、第4級アンモニウム塩等の界面活性剤が挙げられる。
NBR、エピクロルヒドリンゴム、ウレタンゴム等(混合物も含む)は、材料ポリマー自身に起因した導電性発現機構のため、導電性粒子を分散することによって抵抗値を調整する材料に比べ局所的な抵抗値むらが少ない。
しかし、NBR、エピクロルヒドリンゴム等の極性の強いポリマーは接着性が強いため、感光体等の被帯電体との長期接触放置において粘着又は固着してしまう懸念があり、導電性弾性体ローラの外周面に表面処理を用いると特に効果が大きい。
又、導電性弾性体はソリッド、発泡体に関わらず適用でき、発泡剤を用いて発泡体にするには、発泡剤としては有機発泡剤、例えばA.D.C.A(アゾジカルボンアミド)系、D.P.T(ジニトロソペンタメチレンテトラアミン)系、T.S.H(P.トルエンスルホニルヒドラジド)系、O.B.S.H(オキシビスベンゼンスルフェニルヒドラジド)系等を添加すれば良い。無機発泡剤としては、例えば重炭酸ナトリウム、炭酸アンモニュウム等が挙げられる。
又、表面処理前の導電性弾性体ローラを製造するには、例えば上述したポリマー、導電性物質、発泡剤等を必要に応じて含有したゴム混練り材料を押出し機で円筒状に成形し、円筒状の成形体をUHF、熱風炉、加硫缶等の公知の加熱法で加硫又は加硫発泡する。その後、加硫又は加硫発泡した成形体を所望のローラ長に必要な長さに切断して芯金に圧入接着する。更に、圧入接着した成形体の外径をNC円筒研削盤等により所望のローラの外径形状に研摩して仕上げる。
次に、本発明に係る弾性体ローラの外周面への表面処理方法を説明する。
図1は本発明である表面処理方法を説明する模式図で発泡体構成である弾性体ローラの外周面近傍を一部拡大した模式断面図である。
1は微小球の伝熱媒体であり、2は発泡セル部であり弾性体ローラの内部に構成されている発泡セル部2−1はセル形状になっている。2−2は弾性体ローラの外周面にある発泡セル部で研摩により削られセル形状の一部が残されている。3は研摩により削られたセル壁部である。
図1は熱風、ヒータ等で加熱された多数の微小球の伝熱媒体1が弾性体ローラの外周面に接触して覆っている状態である。伝熱媒体1に熱風を送るか又は伝熱媒体1をヒータで加熱して風を送ることにより伝熱媒体1が流動することができる。
流動する伝熱媒体1の直径を発泡セルの直径より少なくとも小さくすることにより、加熱された伝熱媒体1が弾性体ローラの外周面にある発泡セル部2−2に出入りして移動する。加熱された伝熱媒体1の流動によりセル壁部3ばかりでなく発泡セル部2−2までを加熱することができる。
弾性体ローラの外周面を加熱することでゴム表面が酸化及び硬化が起こり、弾性体ローラの外周面の非粘着化する効果がある。
電子写真に好適に使用される発泡体ローラの発泡セルの直径は約50〜350μmであるため、伝熱媒体1の直径は約30〜300μmから発泡セルの直径に応じて適時選択される。
発泡セルの直径は光学顕微鏡を用いて50倍の倍率で計測した。
伝熱媒体1の材質としてはガラス、セラミッス等、使用される温度に対して耐熱性があるもにであれば良い。
形状は中実球、中空球等の球状であれば良い。球状は流動性が高く、高充填に成り易く熱容量を上げることができ、更に発泡セル部2−2との接触を大きくとることができる。つまり、接触熱が大きくなり、発泡セル部2−2等の細部まで加熱する時間を短縮することができる。
本発明はソリッドローラにおいても適用でき、外周面の表面性に関わらず適用することができる。
更に、伝熱媒体1は流動性が高いため、クラウン形状の弾性体ローラにおいても適用することができ、外径形状によらず適用することができる。
又、弾性体ローラの外周面への加熱は均一にする必要があり、弾性体ローラの外周面と熱風により流動する伝熱媒体1との接触状態を図2で説明する。
ローラ受けは従動支持ローラ5同士の組み合わせのものと図示されてない駆動系から駆動軸6を介して一定速で回転する駆動支持ローラ7と従動支持ローラ5の組み合わせで構成されている。8は流動槽であり、底部から熱風が噴射して多数の伝熱媒体1から成る流動床9面を形成している。
弾性体ローラ本体21から突出した芯金部を芯金22と平行で芯金22両端に配置して成る2対のローラ受けに、弾性体ローラ本体21が流動床9面に触接するように弾性体ローラを設置する。駆動支持ローラ7が回転することにより弾性体ローラが図のように回転して弾性体ローラの外周面の全周が流動床10面と接触して均一に加熱される。
導電性弾性ローラの外周面に表面処理を施す方法として電子写真方式の複写機・プリンター等でバイアス電圧を印加して転写材(転写紙)の表面を帯電させる転写ローラを例にとって本発明の製造法を詳細に説明する。
表面処理を施す前の導電性弾性ローラは以下のように調製した。
未加硫の原料組成物は、NBR100質量部、加硫剤として硫黄1.5質量部、加硫促進剤としてメルカプトベンゾチアゾール(2−スルファニルベンゾチアゾール)1質量部、テトラエチルチウラムジスルフィド2質量部、充填剤としてカーボンブラック20質量部、炭酸カルシウム40質量部、加硫促進助剤として亜鉛華(酸化亜鉛)5質量部、ステアリン酸1質量部、軟化剤として液状NBR20部を含みを含み、これらを慣用の混練方法であるニーダーを用いて均一に練り込み、ロールでシーティングした。この混練りされた原料組成物を、押出し成形機により円筒状の(未加硫の)成形体とし、その後、切断機により切断して全長寸法を出した。
調製される円筒状の未加硫成形体の寸法は、内径φ4.7mm、外径φ16.7mm、長さ240mmとした。この円筒状の未加硫成形体を、加硫缶で160℃、30分の条件で加硫・発泡させ、熱風炉で180℃、40分の条件で2次加硫を行い、円筒状の弾性体とした。
得られた円筒状発泡体の筒孔に、その表面に導電性の接着剤を塗布した、外径がφ6.0mmの芯金を圧入した。この芯金を圧入した円筒状発泡体を、160℃、15分の加熱条件下で熱風炉を用いて加熱し、導電性接着剤による加熱接着を行った。次いで、芯金の圧入・接着を行った後、スキン層が付いた弾性体ローラの外径を円筒研削機で研摩し、又、弾性体の両端部を突切りして、外径φ16.0mm、長さ230mmの転写ローラ用の導電性弾性体ローラに調製した。
次に、図3を用いて本発明で使用される表面処理装置を更に説明すると、流動槽8内は多数の貫通孔を有する底板10で2層に仕切られていて、上層部に伝熱媒体1を装填し、下層部に配置した吹込口11から元熱源である熱風12を供給して底板10の貫通孔から熱風12で伝熱媒体1を吹き上げて流動床9を形成した。
実施例1では、表面処理を施す前の上述した導電性弾性体ローラを次の条件で表面処理した。伝熱媒体としてφ150〜200μmの分布であるガラスビーズを用い熱風の温度を180℃に設定し、加工時間は4分とした。又、ローラ回転数は10rpmとした。比較例1として表面処理を施さず他条件は実施例1と同一にした。
実施例1の転写ローラと比較例1の転写ローラを40℃、相対湿度95%の過酷条件の環境下で有機感光体(像担持体)と総圧1kg荷重(9.8N)で圧接し30日間放置したところ、実施例1の転写ローラでは有機感光体との固着等の弊害は発生しなかった。比較例1の転写ローラでは有機感光体と固着した。
次に、実施例1の転写ローラと比較例1の転写ローラについて、その導電性の均一性を評価した。測定環境(N/N:温度23℃、相対湿度60%)下に、各転写ローラを24時間放置して、その後、次の条件で抵抗値の測定を行った。転写ローラの芯金両端部に各々500grの荷重を掛けて転写ローラを円柱状のアルミドラムに圧接し、回転させた状態で、転写ローラの芯金部に直流電圧2000Vの電源を用いて直流電圧を印加する。その状態で、アルミドラムに直列に接続した抵抗体の両端で、抵抗体に掛かっている電圧を測定し、転写ローラからアルミドラムへと注入される電流量を評価した。斯かる電流値から転写ローラの抵抗値を算出し、抵抗値分布の最大値と最小値の平均を平均抵抗値とした。又、転写ローラの周(ラジアル)方向の抵抗値分布を求めた。その周(ラジアル)方向の抵抗値分布の最大値と最小値の比(最大値/最小値)を、抵抗値むらの指標とした。
実施例1の転写ローラでは、平均抵抗値は1.0×108Ωで抵抗値むらは1.05であり、比較例2の転写ローラでは、平均抵抗値は9.6×108Ωで抵抗値むらは1.06であった。実施例1と比較例2の抵抗値むらに差がないことから実施例1の表面処理は導電性において均一性であることが分かる。
表面処理を施す前の導電性発泡体弾性ローラは以下のように調製した。
未加硫の原料組成物は、ポリマー原料としてNBR100質量部、発泡剤としてADCA(アゾジカルボンアミド)系発泡剤8質量部、OBSH(オキシビスベンゼンスルフェニルヒドラジド)系発泡剤8質量部、発泡助剤として尿素樹脂4質量部、加硫剤として硫黄1.5質量部、加硫促進剤としてメルカプトベンゾチアゾール(2−スルファニルベンゾチアゾール)1質量部、テトラエチルチウラムジスルフィド2質量部、充填剤としてカーボンブラック20質量部、炭酸カルシウム40質量部、加硫促進助剤として亜鉛華(酸化亜鉛)5質量部、ステアリン酸1質量部、軟化剤として液状NBR20部を含み、これらを慣用の混練方法であるニーダーを用いて均一に練り込み、ロールでシーティングした。この混練りされた原料組成物を、押出し成形機により円筒状の(未加硫の)成形体とし、その後、切断機により切断して全長寸法を出した。
調製される円筒状の未加硫成形体の寸法は、内径φ5.0mm、外径φ14.5mm、長さ320mmとした。この円筒状の未加硫成形体を、加硫缶で165℃、20分の条件で加硫・発泡させ、熱風炉で180℃、30分の条件で2次加硫を行い、円筒状の発泡体とした。発泡体は内径が約φ6.8mm、外径が約φ20.2mmであり、この発泡体の断面を切断して光学式顕微鏡を用いて50倍の倍率で発泡セルを測定したところφ100〜160μmであった。
得られた円筒状発泡体の筒孔に、その表面に導電性の接着剤を塗布した、外径がφ8.0mmの芯金を圧入した。この芯金を圧入した円筒状発泡体を、160℃、15分の加熱条件下で熱風炉を用いて加熱し、導電性接着剤による加熱接着を行った。次いで、芯金の圧入・接着を行った後、スキン層が付いた発泡体ローラの外径を円筒研削機で研摩し、又、発泡体の両端部を突切りして、外径φ18.0mm、長さ304mmの転写ローラ用の導電性発泡体ローラに調製した。
実施例2では、表面処理を施す前の上述した導電性発泡体ローラを実施例1で使用した表面処理装置を用いて次の条件で表面処理した。
伝熱媒体としてφ70〜100μmの分布であるガラスビーズを用い熱風の温度を180℃に設定し、加工時間は4分とした。又、ローラ回転数は10rpmとした。比較例2としてφ220〜280μmの分布であるガラスビーズを用い他条件は実施例2と同一にした。
実施例2の転写ローラと比較例2の転写ローラを40℃、相対湿度95%の過酷条件の環境下で有機感光体(像担持体)と総圧3kg荷重(29.4N)で圧接し30日間放置したところ、実施例1の転写ローラでは有機感光体との固着等の弊害は発生しなかった。比較例1の転写ローラでは有機感光体と固着した。
次に、実施例2の転写ローラについて導電性の均一性を評価した。
実施例1で使用した導電性の均一性評価を実施例2の転写ローラと表面処理を施してない導電性発泡体ローラを比較例3として比較して評価した。
測定環境(N/N:温度23℃、相対湿度60%)下に、実施例2の転写ローラと比較例3を24時間放置して、その後、実施例1で使用した同一条件で抵抗値の測定を行った。
実施例2の転写ローラでは、平均抵抗値は1.5×108Ωで抵抗値むらは1.06であり、比較例2の転写ローラでは、平均抵抗値は1.0×108Ωで抵抗値むらは1.06であった。実施例2と比較例3の抵抗値むらに差がないことから実施例1の表面処理は導電性において均一性であることが分かる。
本発明は、複写機、レーザビームプリンタ、LEDプリンタ等の電子写真や電子写真製版システム等において使用される導電性ローラの外周表面の改質に対して有用である。
本発明の実施例1,2に適用される表面処理方法を説明する模式図である。 弾性体ローラと伝熱媒体との接触状態を説明する斜視図である。 本発明で使用される表面処理装置を説明する模式図である。 導電性弾性体ローラの構成を模式的に示す図である。
符号の説明
1 微小球の伝熱媒体
2,2−1 発泡セル部
3 セル壁部
8 流動槽
9 流動床
12 熱風
21 ローラ本体
22 芯金

Claims (2)

  1. 芯金上に加硫した弾性層が形成されているローラの外周面を流動床加熱手段で加熱して、ゴムローラの表面改質することを特徴とするゴムローラの表面処理法。
  2. 前記弾性層が発泡体で外周面が研摩仕上げを施したローラの外周面をローラの発泡径より小さいビーズ径で加熱する流動床加熱手段であることを特徴とする請求項1記載のゴムローラの表面処理法。
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CN110662719A (zh) * 2017-07-12 2020-01-07 首尔伟傲世有限公司 流体处理装置

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