JP2005254569A - 古紙ボードの製造方法および古紙ボード - Google Patents

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Abstract

【課題】ボード全体の密度が高くなりすぎることを回避しつつ、表層部分の密度を高くして、機械的強度などの特性に優れた古紙ボードおよび該古紙ボードを効率よく製造することが可能な古紙ボードの製造方法を提供する。
【解決手段】木材チップと非ホルマリン系の接着剤を含有する芯層1と、芯層1の表裏両面側に配設された、解繊古紙と非ホルマリン系の接着剤を含有する表層2a,2bとを備えた3層構造とするとともに、表層2a,2bの密度を0.9〜1.1g/cm3、3層構造のボード全体の密度を0.6〜0.9g/cm3の範囲とする。
解繊古紙に非ホルマリン系の接着剤を添加した表層用原料の割合をボード全体の40〜80重量%、好ましくは、50〜75重量%の範囲とする。
芯層用の木材チップとして、出口スクリーンの孔径が5〜15mmの粉砕機を用いて粉砕した木材チップを使用する。
【選択図】図1

Description

本願発明は古紙ボードおよびその製造方法に関し、詳しくは、古紙を主たる成分とし、芯層と該芯層を表裏両面側から挟み込むように配設された表層とを備えた、3層構造を有する古紙ボードの製造方法に関する。
工場やオフィス、あるいは一般家庭などから排出される多量の古紙は、環境保護、資源の有効活用などの見地から、近年、種々の用途に再利用されるようになっている。そして、その再利用方法の一つとして、古紙から建材用などに用いられる古紙ボードを製造する方法が知られている(例えば、特許文献1)。
この方法は、古紙を解繊した解繊古紙に、バインダーを添加したボード原料を、加熱・圧締して成形することにより、ボードを製造する方法に関するものである。
しかし、この方法の場合、原料である解繊古紙がほぼ均質であるため、機械的強度などの特性を向上させようとして、加熱・圧締の工程で圧力を高くして、強く圧締すると、得られるボードの密度が高くなり、場合によっては、ボードの密度が規格範囲から外れてしまうというような問題点がある。
特開平11−147213号公報
本願発明は、上記問題点を解決するものであり、ボード全体の密度が高くなりすぎることを回避しつつ、表面近傍の密度を高くして、機械的強度などの特性に優れた古紙ボードおよび該古紙ボードを効率よく製造することが可能な古紙ボードの製造方法を提供することを課題とする。
上記課題を解決するために、本願発明(請求項1)の古紙ボードの製造方法は、
木材を粉砕した木材チップを芯層の原料として使用し、古紙を綿状に解繊した解繊古紙を前記芯層の表裏両面側に配設される表層の原料として使用した、芯層が表裏両面側から表層により挟まれた3層構造を有する古紙ボードの製造方法であって、
木材を粉砕した木材チップに非ホルマリン系の接着剤を配合した芯層用原料層の両面側に、古紙を綿状に解繊した解繊古紙に非ホルマリン系の接着剤を配合した表層用原料層が配設された3層構造を有するボード原料積層体を形成する工程と、
前記ボード原料積層体を加熱・圧締することにより、表層部分の密度が0.9〜1.1g/cm3であり、かつ、ボード全体の密度が0.6〜0.9g/cm3
である3層構造のボードに成形する工程と
を具備することを特徴としている。
また、請求項2の古紙ボードの製造方法は、前記表層用原料の割合が乾燥基準でボード全体の40〜80重量%の範囲にあることを特徴としている。
また、請求項3の古紙ボードの製造方法は、前記表層用原料の割合が乾燥基準でボード全体の50〜75重量%の範囲にあることを特徴としている。
また、請求項4の古紙ボードの製造方法は、出口スクリーンの孔径が5〜15mmの粉砕機を用いて粉砕した木材チップを芯層に使用することを特徴としている。
また、請求項5の古紙ボードの製造方法は、前記芯層用原料および前記表層用原料として、それぞれ難燃剤が添加された原料を用いることを特徴としている。
また、本願発明(請求項6)の古紙ボードは、
木材チップと非ホルマリン系の接着剤を含有する芯層と、前記芯層の表裏両面側に配設された、解繊古紙と非ホルマリン系の接着剤を含有する表層からなる3層構造を有し、
前記表層の密度が0.9〜1.1g/cm3であり、かつ、前記3層構造のボード全体の密度が0.6〜0.9g/cm3であること
を特徴としている。
また、請求項7の古紙ボードは、前記表層の割合が乾燥基準でボード全体の40〜80重量%の範囲にあることを特徴としている。
また、請求項8の古紙ボードは、前記表層の割合が乾燥基準でボード全体の50〜75重量%の範囲にあることを特徴としている。
また、請求項9の古紙ボードは、出口スクリーンの孔径が5〜15mmの粉砕機を用いて粉砕した木材チップが芯層に使用されていることを特徴としている。
また、請求項10の古紙ボードは、芯層および表層がそれぞれ難燃剤を含有していることを特徴としている。
本願発明(請求項1)の古紙ボードの製造方法は、木材を粉砕した木材チップに非ホルマリン系の接着剤を配合した芯層用原料層の両面側に、古紙を綿状に解繊した解繊古紙に非ホルマリン系の接着剤を配合した表層用原料層を配設した3層構造を有するボード原料積層体を、加熱・圧締して成形することによりボードを製造するようにしているので、表層部分の密度と芯層部分の密度を制御して、表層部分の密度が0.9〜1.1g/cm3であり、かつ、ボード全体の密度が0.6〜0.9g/cm3である3層構造のボードを効率よく製造することが可能になり、機械的強度などの特性に優れ、かつ、密度が所定の規格内にある古紙ボードを効率よく製造することが可能になる。
すなわち、本願発明のように、ボードの構造を、木材チップを主たる成分とする芯層用原料と、解繊古紙を主たる成分とする表層用原料からなる3層構造のボード原料積層体を加熱・圧締することにより、芯層部分の密度をそれほど高くすることなく、表層部分の密度を0.9〜1.1g/cm3程度にまで高めて表面物性を向上させることが可能になり、古紙のみを原料とした従来の古紙ボードに比べて、比重が同じである場合における、曲げ強さなどの機械的強度を向上させることが可能になる。
また、表層部分が緻密になるので、研磨によるケバ立ちを抑制し、表面品質を向上させることが可能になる。
さらに、芯層部分の密度が表層部分に比べ低くなるので、加熱・圧締の際に表層部分の密度が高くなっても、表層部分の水分は芯層部分を経て、ボードの端面から蒸気として排出されるので、爆裂(パンク)の発生を抑制、防止することが可能になる。
また、解繊古紙が用いられている表層部分は、通常の木材チップからなるパーティクルボードに比べて耐水性が高く、全体として耐水性能に優れたボードを得ることが可能になる。
さらに、木材チップは解繊古紙より低コストであることから、同じ機械的強度を有する従来の古紙ボード(木材チップを用いない古紙ボード)に比ベて、コストを低減することが可能になる。
なお、本願発明の古紙ボードの製造方法において、表層部分の厚みは、通常、マットフォーミングのため加熱・圧締後のボード厚みとして、2〜4mm(表裏両側の表層部分の合計で4〜8mm)程度は確保することが望ましい。
また、本願発明において、非ホルマリン系の接着剤としては、例えば、イソシアネー卜系接着剤が例示される。
例えば、圧締前の段階における混合原料中のイソシアネート系接着剤の割合が乾式基準で5〜15重量%の範囲となるようにイソシアネート系接着剤を添加し、160〜220℃に加熱された熱盤により圧締を行ってボード状に成形することにより、曲げ強さなどの機械的強度に優れた3層構造の古紙ボードを容易かつ確実に製造することが可能になる。
ただし、本願発明において、非ホルマリン系の接着剤の種類や添加量に特別の制約はなく、イソシアネート系接着剤以外のポリウレタン樹脂、ポリエステル樹脂、エマルジョンアクリル樹脂などの接着剤を用いることも可能である。
また、請求項2の古紙ボードの製造方法のように、表層用原料の割合を乾燥基準でボード全体の40〜80重量%の範囲とすることにより、表層部分の密度を0.9〜1.1g/cm3と高くして特性を確保しつつ、ボード全体の密度を0.6〜0.9g/cm3の範囲に抑えることが可能になる。
また、請求項3の古紙ボードの製造方法のように、表層用原料の割合を乾燥基準でボード全体の50〜75重量%の範囲とした場合、より確実に、表層部分の密度を0.9〜1.1g/cm3の範囲として特性を確保しつつ、ボード全体の密度を0.6〜0.9g/cm3の範囲に抑えることが可能になり、本願発明をさらに実効あらしめることが可能になる。
また、請求項4の古紙ボードの製造方法のように、前記芯層用の木材チップとして、出口スクリーンの孔径が5〜15mmの粉砕機を用いて粉砕した木材チップを使用することにより、芯層部分の密度が高くなりすぎることを抑制しつつ、芯層部分でもしかるべき特性を確保することが可能になり、全体として特性の良好な古紙ボードを確実に製造することが可能になる。
また、請求項5の古紙ボードの製造方法のように、芯層用原料および表層用原料として、それぞれ難燃剤が添加された原料を用いることにより、上述のような特徴を有し、かつ、難燃性を備えた古紙ボードを得ることが可能になり、有用性をさらに向上させることが可能になる。
なお、表層用原料に、例えば、使用済の石膏ボードから回収される、石膏ボードの表面に貼り付けられた石膏ボード紙片を解繊した解繊古紙(石膏が付着した解繊古紙)を使用すると一層難燃性を向上させることができる。
また、本願発明(請求項6)の古紙ボードは、木材チップと非ホルマリン系の接着剤を含有する芯層と、前記芯層の表裏両面側に配設された、解繊古紙と非ホルマリン系の接着剤を含有する表層とを備えた3層構造を有しており、かつ、表層の密度が0.9〜1.1g/cm3、3層構造のボード全体の密度が0.6〜0.9g/cm3の範囲にあることから、表面物性に優れ、低比重で、全体としての曲げ強さなどの機械的特性に優れた古紙ボードを提供することが可能になる。
また、請求項7の古紙ボードのように、表層の割合を乾燥基準でボード全体の40〜80重量%の範囲とした場合、表層部分の密度が0.9〜1.1g/cm3と高く、曲げ強さなどの機械的強度に優れ、かつ、低比重の古紙ボードを確実に提供することが可能になる。
また、請求項8の古紙ボードのように、表層の割合を乾燥基準でボード全体の50〜75重量%の範囲とした場合、表層部分の密度が0.9〜1.1g/cm3と高く、曲げ強さなどの機械的強度に優れ、かつ、低比重の古紙ボードをさらに確実に提供することが可能になる。
また、請求項9の古紙ボードのように、前記芯層用の木材チップとして、出口スクリーンの孔径が5〜15mmの粉砕機を用いて粉砕した木材チップを使用した場合、芯層部分の密度が高くなりすぎることを抑制しつつ、芯層部分でもしかるべき特性を確保することが可能になり、全体として特性の良好な古紙ボードを確実に製造することが可能になる。
また、請求項10の古紙ボードのように、芯層および表層に難燃剤を含有させることにより、難燃性を付与することが可能になり、有用性の高い古紙ボードを提供することが可能になる。
以下に本願発明の実施例を示して、本願発明の特徴とするところをさらに詳しく説明する。
この実施例では、漫画本、コピー紙、新聞紙、および段ボール紙を、孔径が4mmの貫通孔が多数形成されたスクリーンを有する乾式解繊機を用いて綿状に解繊した解繊古紙と、廃木を出口スクリーンの孔径が10mmの粉砕機によりチップ状に粉砕した木材チップを用意した。
そして、上記の解繊古紙にイソシアネート系接着剤と水を以下の割合で添加したものを表層用原料とした。
また、上記の木材チップにイソシアネート系接着剤と水を以下の割合で添加したものを芯層用原料とした。
なお、表層用原料と芯層用原料の組成は以下の通りである。
<表層用原料の組成>
解繊古紙(乾燥基準) : 80重量部
イソシアネート系接着剤(乾燥基準) : 8重量部
水 : 12重量部
<芯層用原料の組成>
木材チップ(乾燥基準) : 86重量部
イソシアネート系接着剤(乾燥基準) : 6重量部
水 : 8重量部
そして、上記の表層用原料と芯層用原料を用いて、表1の試料番号1〜4の古紙ボード(実施例の試料)を作製した。
Figure 2005254569
なお、試料番号1〜4(実施例の古紙ボード)では、解繊古紙を用いた表層用原料の割合が、乾燥基準でボード全体の55重量%(すなわち、木材チップを用いた芯層用原料の割合が、乾燥基準で45重量%)となるような割合で、解繊古紙を用いた表層用原料と木材チップを用いた芯層用原料を用いて3層構造の古紙ボードを作製した。
また、比較のため、上記の解繊古紙にイソシアネート系接着剤および水を同様の割合で添加した原料を芯層用原料として用い、廃木を出口スクリーンの孔径が10mmの粉砕機によりチップ状に粉砕した木材チップにイソシアネート系接着剤および水を同様の割合で添加した原料を表層用原料として用い、表1の試料番号5の古紙ボードを作製した。
なお、この試料番号5(比較用の古紙ボード)では、木材チップを用いた表層用原料の割合が、乾燥基準でボード全体の55重量%(すなわち、解繊古紙を用いた芯層用原料の割合が、乾燥基準で45重量%)となるような割合で、木材チップを用いた表層用原料と解繊古紙を用いた芯層用原料を用いて3層構造の古紙ボードを作製した。
また、比較のため、上記の解繊古紙にイソシアネート系接着剤および水を同様の割合で添加した原料のみを用いて、表1の試料番号6の一層構造の古紙ボード(従来の古紙ボード)を作製した。
さらに、比較のため、上記の木材チップにイソシアネート系接着剤および水を同様の割合で添加した原料のみを用いて、表1の試料番号7の一層構造のボード(比較用のパーティクルボード)を作製した。
なお、この実施例では、芯層用原料層の両面側に、表層用原料層が配設された3層構造を有するボード原料積層体を形成するにあたって、各原料層を、常温下で、0.5MPaの圧力で、15秒間、予備的にプレス(予備冷間プレス)した後、積層を行って3層構造を有するボード原料積層体を形成した。
そして、このボード原料積層体を下記に示すような条件で加熱・圧締(本プレス)することにより、図1に示すように、芯層1の両側に表層2a,2bが配設された3層構造の古紙ボード3を作製した。
<加熱・圧締条件>
(a)圧締圧力 : 1.5MPa(圧締初期の圧力)
(b)加熱温度 : 180℃
(c)加熱・圧締時間: 10分
(d)スペーサの厚み: 12mm
の条件で加熱・圧締を行った。
なお、この実施例では、加熱・圧締工程は、単段方式で行った。ただし、加熱・圧締工程は多段の熱盤を有する多段方式で行うことも可能である。
それから、上述のようにして加熱圧締を行うことにより作製された古紙ボードについて、特性(曲げ強さ、曲げヤング率、剥離強さ、吸水厚さ膨張率、および吸水率)を調べた。
表2にボード全体の密度が0.75g/cm3である場合における特性の測定結果を示す。
Figure 2005254569
表1および表2に示すように、試料番号1〜4の本願発明の実施例にかかる3層構造の古紙ボードにおいては、曲げ強さ、曲げヤング率、剥離強さ、吸水厚さ膨張率、および吸水率の各特性に関して、良好な結果が得られることが確認された。
一方、解繊古紙にイソシアネート系接着剤および水を添加した原料を芯層用原料として用い、木材チップにイソシアネート系接着剤および水を添加した原料を表層用原料として用いた試料番号5の古紙ボードにおいては、曲げ強さ、曲げヤング率、剥離強さ、吸水厚さ膨張率、および吸水率の各特性のいずれについても、良好な結果が得られなかった。これは、表層に木材チップにイソシアネート系接着剤および水を添加した原料が用いられていることから、表層部分の表面物性が低く(粗さが粗いなど)、上記の諸特性が低下したものと考えられる。
また、解繊古紙にイソシアネート系接着剤および水を添加した原料のみを用いた試料番号6の一層構造の古紙ボード(従来の古紙ボード)の場合、本願発明の3層構造の古紙ボード(試料番号1〜4)に比べて特性が低く、ボード全体の密度が本願発明の3層構造のボードと同じ場合には、特性が劣ることが確認された。
さらに、木材チップにイソシアネート系接着剤および水を添加した原料のみを用いた試料番号7の一層構造のボード(比較用のパーティクルボード)の場合、吸水厚さ膨張率、および吸水率に関し、好ましい特性が得られなかった。これは、表層に用いられている木材チップが解繊古紙に比べて緻密性に欠けることによるものと考えられる。
また、図2に、試料番号1〜7の各ボードについて調べた密度と曲げ強さとの関係を示す。
図2に示すように、試料番号1〜4の古紙ボードにおいては、密度が0.65g/cm3〜0.75g/cm3の範囲においては密度が高くなるに伴って曲げ強さが高くなることがわかる。
また、試料番号5,6の古紙ボードにおいても、密度が高くなるに伴って曲げ強さが高くなるが、絶対値が低いことがわかる。
また、表1に条件を示す試料番号7の古紙ボードにおいても、密度が高くなるに伴って曲げ強さが高くなるが、表2に示すように、吸水厚さ膨張率、および吸水率に関し、好ましい特性が得られないので実用性が低い。
また、図3に、試料番号1〜7の各ボードについて調べた密度と曲げヤング率との関係を示す。
図3に示すように、試料番号1〜4の古紙ボードにおいて、密度が0.65g/cm3〜0.75g/cm3の範囲においては密度が高くなるに伴って曲げヤング率が高くなることがわかる。
また、試料番号5,6の古紙ボードにおいても、密度が高くなるに伴って曲げヤング率が高くなるが、絶対値が低いことがわかる。
また、表1に条件を示す試料番号7の古紙ボードにおいても、密度が高くなるに伴って曲げヤング率が高くなるが、表2に示すように、吸水厚さ膨張率、および吸水率に関し、好ましい特性が得られないので実用性が低い。
上記の結果より、本願発明の要件を満たすような3層構造、すなわち、木材チップを主たる成分とする芯層が、解繊古紙を主たる成分とする表層により挟み込まれ、かつ、表層部分の密度が0.9〜1.1g/cm3であるとともに、ボード全体の密度が0.6〜0.9g/cm3であるような3層構造とすることにより、ボード全体の密度が高くなりすぎることを防止しつつ、曲げ強さなどの特性に優れた古紙ボードが得られることが確認された。
なお、上記の実施例では示していないが、芯層用原料および表層用原料として、それぞれ難燃剤が添加された原料を用いることにより、ボード全体に難燃性を付与することが可能になり、さらに有用性の高い古紙ボードを提供することができるようになる。
また、上記実施例では、解繊古紙を用いた表層用原料の割合が、乾燥基準でボード全体の55重量%(すなわち、木材チップを用いた芯層用原料の割合が、乾燥基準で45重量%)となるような割合で、表層用原料と芯層用原料を配合した場合を例にとって説明したが、表層用原料の割合は、種々の条件を考慮して、ボード全体に対して、40〜80重量%となる範囲、特に好ましくは、50〜75重量%となる範囲で、任意に変動させることが可能である。
本願発明はさらにその他の点においても上記実施例に限定されるものではなく、芯層用原料および表層用原料の具体的な条件(すなわち、古紙や廃木などの種類、解繊古紙や木材チップの状態、芯層用原料および表層用原料に用いる接着剤の種類や添加割合)、3層構造のボード原料積層体を形成する方法、ボード原料積層体を加熱・圧締する際の条件などに関し、発明の要旨の範囲内において種々の応用、変形を加えることが可能である。
本願発明の古紙ボードの製造方法においては、木材を粉砕した木材チップを主たる原料とする芯層用原料層の表裏両面側に、古紙を解繊した解繊古紙を主たる原料とする表層用原料層を配設した3層構造を有するボード原料積層体を、加熱・圧締して成形することによりボードを製造するようにしているので、表層部分の密度と芯層部分の密度を制御して、表層部分の密度が0.9〜1.1g/cm3であり、かつ、ボード全体の密度が0.6〜0.9g/cm3である3層構造のボードを効率よく製造することが可能になり、機械的強度などの特性に優れ、かつ、密度が所定の規格内にある古紙ボードを効率よく製造することが可能になる。
したがって、本願発明は、古紙を主たる原料とする古紙ボードおよびその製造方法に広く適用することが可能であり、本願発明により、古紙や廃木を再利用して種々の用途に広く使用することが可能な有用性の高い古紙ボードを提供することができるようになる。
本願発明の実施例にかかる3層構造の古紙ボードを模式的に示す図である。 本願発明の実施例にかかる古紙ボードについて調べた古紙ボードの密度と曲げ強さとの関係を示す図である。 本願発明の実施例にかかる古紙ボードについて調べた古紙ボードの密度と曲げヤング率との関係を示す図である。
符号の説明
1 芯層
2a,2b 表層
3 古紙ボード

Claims (10)

  1. 木材を粉砕した木材チップを芯層の原料として使用し、古紙を綿状に解繊した解繊古紙を前記芯層の表裏両面側に配設される表層の原料として使用した、芯層が表裏両面側から表層により挟まれた3層構造を有する古紙ボードの製造方法であって、
    木材を粉砕した木材チップに非ホルマリン系の接着剤を配合した芯層用原料層の両面側に、古紙を綿状に解繊した解繊古紙に非ホルマリン系の接着剤を配合した表層用原料層が配設された3層構造を有するボード原料積層体を形成する工程と、
    前記ボード原料積層体を加熱・圧締することにより、表層部分の密度が0.9〜1.1g/cm3であり、かつ、ボード全体の密度が0.6〜0.9g/cm3
    である3層構造のボードに成形する工程と
    を具備することを特徴とする古紙ボードの製造方法。
  2. 前記表層用原料の割合が乾燥基準でボード全体の40〜80重量%の範囲にあることを特徴とする請求項1記載の古紙ボードの製造方法。
  3. 前記表層用原料の割合が乾燥基準でボード全体の50〜75重量%の範囲にあることを特徴とする請求項1記載の古紙ボードの製造方法。
  4. 前記芯層用の木材チップとして、出口スクリーンの孔径が5〜15mmの粉砕機を用いて粉砕した木材チップを芯層に使用することを特徴とする請求項1〜3のいずれかに記載の古紙ボードの製造方法。
  5. 前記芯層用原料および前記表層用原料として、それぞれ難燃剤が添加された原料を用いることを特徴とする請求項1〜4のいずれかに記載の古紙ボードの製造方法。
  6. 木材チップと非ホルマリン系の接着剤を含有する芯層と、前記芯層の表裏両面側に配設された、解繊古紙と非ホルマリン系の接着剤を含有する表層からなる3層構造を有し、
    前記表層の密度が0.9〜1.1g/cm3であり、かつ、前記3層構造のボード全体の密度が0.6〜0.9g/cm3であること
    を特徴とする古紙ボード。
  7. 前記表層の割合が乾燥基準でボード全体の40〜80重量%の範囲にあることを特徴とする請求項6記載の古紙ボード。
  8. 前記表層の割合が乾燥基準でボード全体の50〜75重量%の範囲にあることを特徴とする請求項6記載の古紙ボード。
  9. 前記芯層用の木材チップとして、出口スクリーンの孔径が5〜15mmの粉砕機を用いて粉砕した木材チップが芯層に使用されていることを特徴とする請求項6〜8のいずれかに記載の古紙ボード。
  10. 芯層および表層がそれぞれ難燃剤を含有していることを特徴とする請求項6〜9のいずれかに記載の古紙ボード。
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