JP2005254080A - 余剰汚泥の削減システム - Google Patents

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Abstract

【課題】 有機性汚水の微生物処理により生じた余剰汚泥を、特に小規模下水処理施設などで要求される、簡易な設備で、かつ低ランニングコストで稼動でき、しかも効率よく削減できる余剰汚泥の削減システムを提供する。
【解決手段】 有機性汚水の微生物処理により生じた余剰汚泥を削減するにあたり、上記余剰汚泥を流路に流すと共に、流路上方に設けた多数の噴出口から、次亜塩素酸またはオゾンを含有する水を下方へシャワー状に噴出させて、余剰汚泥に作用させ、その際、単位時間に流路に流れる余剰汚泥中の固形分量をw(g)、次亜塩素酸またはオゾンの濃度をp(ppm)、単位時間当たりシャワー状に下方へ噴出させて余剰汚泥に作用させる次亜塩素酸またはオゾンを含有する水の量をv(kg)とするとき、上記w、pおよびvが、0.05≦w/vp≦3.0の範囲になるように設定して、余剰汚泥の削減をする。
【選択図】 図1

Description

本発明は、余剰汚泥の削減システムに関し、さらに詳しくは、有機性汚水の微生物処理により生じた余剰汚泥を、簡易な設備で、かつ低ランニングコストで稼働でき、余剰汚泥を、しかも効率よく削減できる余剰汚泥の削減システムに関する。
有機性汚水の活性汚泥処理では、汚水中に存在する可溶性有機物を消化処理する一方で微生物の増殖を引き起こす。この増殖した微生物が水に分散した汚泥はいわゆる余剰汚泥として排出・処分する必要がある。その処分法は大規模処理施設においては、濃縮→脱水→乾燥→焼却の工程を経て炭酸ガスと水に分解処理されている。しかし、そのような焼却施設などを持たない小規模処理場では、重力濃縮後の活性汚泥含有液を、濃縮設備や焼却設備などを有する施設に運搬して処理せざるを得ず、それが極めて大きな経済的負担となっている。
このような背景から、小規模処理場に適する、微生物を使った減容化(余剰汚泥を炭酸ガスと水に変える)技術の開発が進められている。この微生物による減容化プロセスでは、まず余剰汚泥を微生物処理するための殺菌工程が重要である。この殺菌工程は、汚水中の有機物を消化して水を浄化する微生物に、余剰汚泥を消化し易い有機物質に変えて供給する意味をもつ。
従来、この殺菌方法としては、酸化力の強いオゾン(特許文献1)や塩素化合物(特許文献2)を用いて汚泥の主体である微生物を酸化処理する方法と、アルカリや酸を用いる殺菌法(特許文献3)とが提案されている。
特開平9−150186号公報 特開2002−126782号公報 特開平4−131184号公報
これら従来の処理方法では、上記の殺菌用薬剤を余剰汚泥の貯留槽に混入したり、オゾンを使用する場合にはオゾンを余剰汚泥中にバブリングさせたり、酸やアルカリを用いる場合や電解により生成する塩素化合物を用いる場合には、機械的装置による攪拌が余剰汚泥中の微生物に殺菌作用を及ぼす手段として採られているのが一般的である。
しかしながら、上記従来の処理方法は、いずれも薬剤やエネルギーを大量に使用したり、装置が大掛かりになったりするため、高い減容化効果を安価に達成しなければならない小規模処理場には、必ずしも満足のいく方法とは言えなかった。
例えば、アルカリや酸を使って処理する方法では、多量の薬剤を必要とするため、経済面だけでなく、安全面や環境面からも負担が大きく、特に小規模処理場には適しているとは言い難かった。
また、オゾンを使う方法は、その極めて強力な酸化力により、余剰汚泥の細胞壁を破壊して、内部の細胞質を溶出させる、いわゆる可溶化の度合いが極めて高いという長所を有するものの、以下に示すような問題点を有している。まず、溶存オゾンを使う場合、無声放電などで生成するオゾンを水に吹き込んでも、オゾンの水への溶解量は一般に吹き込み量の数%以下である。すなわち、オゾンのほとんどは、溶解する前に水面へ浮上し、人体に有害なガスとして大気中に放散されてしまうため、殺菌処理に必要な量よりはるかに多量のオゾンを供給する必要があり、コストの増大と装置の大型化が避けられない上に、環境や健康面への悪影響という問題も有していた。
さらに可溶化した細胞質によって粘性の高い汚泥水ができるため、 ガス吹き込み時に消泡が極めて困難な粘着性気泡が成長し、そのため、必要以上の空間を要することが避けられないことも、設備上のみならず操業上での大きな問題となっていた。
また、汚泥の電解処理によって次亜塩素酸などの塩素化合物を生成させ、これを周囲の汚泥に作用させて殺菌する方法では、その場で必要量の殺菌成分を低コストで生成できるという長所を有する(これは殺菌成分が微生物を酸化殺菌して殺菌力を失った後、再度、電極表面で、次亜塩素酸などの殺菌成分を繰り返し再生するからである)ものの、電解法では、次亜塩素酸などの生成は電極近傍に限定されるため、その殺菌作用も電極近傍に限られてしまい、そのままでは、電解槽全域に、均一に作用させることが困難である。すなわち、次亜塩素酸などは殺菌力が非常に強いため、 生成したそばから速やかに近傍の有機物の酸化に消費されるためである。その結果、何度も酸化される領域もある一方で、充分な酸化作用を受けることができない領域が発生し、全域にわたって効率的な殺菌という観点からは問題があった。
上記のように、余剰汚泥の削減にあたり、従来技術では、コスト低減と装置の簡略化という、需要者のニーズを充分に満たすことができなかった。
本発明は、上記のような従来技術の問題点を解決し、余剰汚泥を、特に小規模下水処理施設などで要求される、簡易な設備で、かつ低ランニングコストで稼動でき、しかも効率よく削減できる余剰汚泥の削減システムを提供することを目的とする。
本発明は、 余剰汚泥を流路に流すと共に、上記流路の上方に設けた多数の噴出口から、次亜塩素酸またはオゾンを含有する水を下方へシャワー状に噴出して、余剰汚泥に作用させることに基づいて、前記課題を解決したものである。
すなわち、本発明は、有機性汚水を曝気槽での微生物処理により得られた活性汚泥含有液を沈殿槽で重力濃縮法によって活性汚泥中の固形物濃度が0.8〜2質量%になるように濃縮して濃縮汚泥と上澄液とに分離し、濃縮汚泥の一部を曝気槽に返送する第一工程と、残りの濃縮汚泥を余剰汚泥とし、その余剰汚泥を流路に流すと共に、流路上方に設けた多数の噴出口から、次亜塩素酸またはオゾンを含有する水を下方へシャワー状に噴出させて、余剰汚泥に作用させる第二工程と、前記次亜塩素酸またはオゾンを含有する水で処理された余剰汚泥を再び曝気槽に返送する第三工程を含む余剰汚泥の削減システムであって、前記第二工程の中で、単位時間に流路に流れる余剰汚泥中の固形分量をw(g)、次亜塩素酸またはオゾンの濃度をp(ppm)、単位時間当たりシャワー状に下方へ噴出させて余剰汚泥に作用させる次亜塩素酸またはオゾンを含有する水の量をv(kg)とするとき、上記w、pおよびvが、0.05≦w/vp≦3.0の範囲にあることを特徴とする余剰汚泥の削減システムに関するものである。
本発明によれば、余剰汚泥を、特に小規模下水処理施設などで要求される、簡易な設備で、かつ低ランニングコストで稼働でき、しかも効率よく削減できる余剰汚泥の削減システムを提供することができる。
本発明においては、前記のように、第二工程において余剰汚泥を流路に流すが、この流路に流す余剰汚泥(以下、簡略化して、「汚泥」という場合がある)の厚みは5〜30mmが好ましく、特に10〜20mmが好ましい。この流路に流す余剰汚泥の厚みを、この範囲に設定すれば、充分な流量が確保され、かつシャワーによる攪拌作用が汚泥全域に行き渡り、殺菌作用が充分になる。
余剰汚泥の減容化、すなわち、余剰汚泥の削減にあたっては、殺菌処理すべき汚泥量が膨大であるため、効率的な処理がコストと設備面から必須となる。この場合、効率的な処理とするには、酸化力の強い次亜塩素酸またはオゾンを均一に汚泥の微生物に作用させることが必要である。その理由は、次亜塩素酸またはオゾンの持つ極めて強力な酸化力に起因する。すなわち、強力な酸化力の作用で発生する殺菌力は極めて即効的であり、それ故に、多量の被酸化物質(汚泥)が分散している場合には、次亜塩素酸またはオゾンが、それらの分散した汚泥の間を攪拌などで広がることなく、汚泥の有機物に接触すると同時に作用し、その場で殺菌力を失ってしまうためである。つまり、膨大な汚泥の有機物が次々と殺菌力を死活させてしまうために、 殺菌される領域がなかなか広がらないのである。これを避けるため、 次亜塩素酸またはオゾンを分散して処理槽に行き渡らせることは、従来では攪拌装置に頼る以外見当たらないのが現状である。しかし、この攪拌技術でも、近傍の有機物に即座に作用する次亜塩素酸またはオゾンの場合には、処理槽内全域に殺菌効果を広げるには、極めて多量の殺菌剤が必要となり、コストのみならず、安全性や環境配慮の点でも問題である。
そこで、本発明では、余剰汚泥を幅広の流路に流すと共に、上記流路上に設けた多数の噴出口から、次亜塩素酸またはオゾンを含有する水を下方へシャワー状に噴出させて、余剰汚泥に作用させる。これにより、処理すべき余剰汚泥量に対する殺菌水(次亜塩素酸またはオゾンを含有する水)量の比率を従来法に比べて、格段と低減することができる。特筆すべきは、処理すべき汚泥(余剰汚泥)量と殺菌水量の比をある一定の範囲に設定することにより、より効率よく殺菌処理を実現できることである。すなわち、本発明においては、単位時間当たりの処理すべき汚泥量(固形分量)をw(g)、単位時間当たりの殺菌水量をp×v〔pは濃度(ppm)で、vはシャワー水量(kg)〕とするとき、上記w、p×vを0.05≦w/p×v≦3.0に設定することにより、効率よく殺菌でき、効率よく余剰汚泥を削減することができる。このw/pv値は殺菌剤単位量あたりの汚泥処理量を表しており、数値が大きいほど使用する殺菌剤およびエネルギーが少なくなり、このw/p×v値を上記範囲内に設定することによって、殺菌剤を使いすぎることなく、かつ効果的に余剰汚泥の削減をすることができる。
さらに、本発明では、殺菌処理に先だって、空気の微細な気泡を余剰汚泥槽に送り込むことにより、固形分を濃縮させ、殺菌処理を一層効率良く進行させることができる。このように余剰汚泥を濃縮したときの汚泥中の固形分濃度としては、殺菌処理の効率と濃縮時の効率とを考えあわせると、5質量%以上20質量%以下であることが好ましい。
次に、有機性汚水の微生物処理により生じる余剰汚泥を本発明で削減する際の好適な実施形態を図1を用いて説明する。
図1は、本発明の余剰汚泥の削減システムを実施する際の処理プロセスの概要を模式的に示す図である。
上記処理プロセスにおいて、まず、有機性汚水1は曝気槽2に導入され、その曝気槽2中で微生物によって消化処理される。そして、その曝気槽2から排出された活性汚泥含有液3は沈殿槽4に導入され、その沈殿槽4中で重力濃縮法により活性汚泥を沈殿させ、濃縮汚泥と上澄液とに分離される。沈殿槽4中の上澄液は処理済液5として沈殿槽4から排出された後、殺菌処理されてシステム系外に放出される。
一方、沈殿槽4の底部に沈殿した活性汚泥は濃縮汚泥6として沈殿槽4から取り出され、そのうちの一部が返送汚泥7として前記曝気槽2に戻される。ここまでのプロセスは従来の有機性汚水の微生物処理の場合と同様であるが、本発明では、この従来プロセスにおける返送汚泥以外の濃縮汚泥を余剰汚泥8として引き抜き、その余剰汚泥8に特定の態様で次亜塩素酸またはオゾンを含有する水を作用させ、余剰汚泥中の微生物を死滅させて、溶解性有機物に変え、そのように処理した余剰汚泥を再び曝気槽に返送し、微生物により消化処理させ、このプロセスを繰り返し行うことにより、余剰汚泥を効率よく削減することを特徴としている。
以下、本発明において要部となる残りのプロセスを順次説明すると、前記残りの濃縮汚泥6は余剰汚泥8として幅広で浅型の流路9に送られ、この流路9上に好ましくは5〜30mmの厚さで流される。別途、殺菌水供給装置(次亜塩素酸またはオゾンを含有する水の供給装置)10で生成、 濃度調整された次亜塩素酸またはオゾンを含有する水を、バルブ11を介して流路9の上方に設けられた多数の噴出口を有するノズル12からよりシャワー状に噴出して余剰汚泥8に供給する。この多数の噴出口を有するノズル12から下方へ噴出される次亜塩素酸またはオゾンを含有する水が下の流路9を流れる余剰汚泥8に酸化作用を及ぼし、短時間内に効率良く、しかも均一に多量の余剰汚泥8中の微生物を死滅させる。酸化処理が完了した余剰汚泥8は、貯留槽13へ一時貯留されるか、あるいは、そのまま曝気槽2に戻される。
なお、最初の余剰汚泥をさらに濃縮するために、濃縮槽14にて、微細な空気の気泡を同槽下方の気泡発生装置15から余剰汚泥8に供給し、浮遊固形分を浮上させて濃縮し、この更に濃縮された高濃縮汚泥15を、濃縮槽14からオーバーフローまたはスクレーパーなどにて、流路9に送ることもできる。この方法は、殺菌処理した余剰汚泥から、リンや重金属を分離する、いわゆる高度処理の工程を付加した場合には、その処理すべき水量を大きく減らすことで処理時間と経費を大幅に削減でき、 特に好ましい適用態様となる。もちろん、高度処理を適用しない場合であっても、微生物を高濃縮することで、殺菌処理の効率を高めることができるので、コスト低減が実現でき、高濃縮汚泥とすることは、余剰汚泥の削減にあたって、好ましい態様である。
次に、実施例を挙げて本発明をより具体的に説明する。ただし、本発明はそれらの実施例に限定されるものではない。なお、以下の実施例などにおいて、汚泥中の固形分濃度などを示す%は、特にその基準を付記しないかぎり、質量%である。
実施例1
実施例1を図1に参照しつつ説明すると、重力濃縮法により調整した固形分濃度1.3質量%の汚泥6(有機性汚水1を曝気槽2で微生物処理した活性汚泥含有液3を沈殿槽4で重力濃縮法に調整した固形分濃度1.3%の濃縮汚泥6)の一部を余剰汚泥8として、第二工程であるステンレス鋼製の流路9(幅1m、、長さ3m)に厚さ20mm、流速1.67cm/秒で流した。流路9上1mの高さには30cmの間隔で、流路に向けて多数の噴出口を持つノズル12が、横手方向3個、長手方向9列、計27個設置されている。このノズルからはその下面へシャワー状に殺菌水としての次亜塩素酸またはオゾンを含む水が噴出するようになっている。
そして、この実施例1では、流路9に流す余剰汚泥8の量を20リットル/分とし、次亜塩素酸を含有する水は塩酸水溶液を電解装置(森永エンジニアリング社製MP240)で電解処理して作製し、殺菌水供給装置10からバルブ11、ノズル12を介して余剰汚泥にシャワー状に供給した。この際の次亜塩素酸を含有する水中の次亜塩素酸濃度は10ppmであり、供給量は固形分濃度1.3%の余剰汚泥に対して単位面積当り13リットル/分・m2 で、供給水圧は1kg/cm2 であり、この次亜塩素酸を含有する水は多数の噴出口を持つノズル12から下方の余剰汚泥にシャワー状に噴出させた。上記次亜塩素酸含有水(次亜塩素酸を含有する水)はノズル12の先端に設けられた多数の細孔で構成される噴出口から噴出し、その細孔で高められた水圧によって余剰汚泥を攪拌混合しながら、順次下流へ送り出す。その間に流路9を流れる余剰汚泥8は、内在する微生物が死滅に至るのに必要かつ充分な酸化作用を受け、その後、曝気槽2へ戻される。
本発明では、微生物への酸化(殺菌)作用を均一に及ぼすことができるので、短時間に効率よく多量の汚泥を処理することができる。そして、この実施例1でも、余剰汚泥を濃縮槽14にて濃縮することで、さらに殺菌作用を効率良く及ぶようにすることができるので、 処理能力の向上を図ることができるが、この実施例1では、そのような濃縮処理をせずとも、1.2m3 /hの余剰汚泥の処理が可能である。
この実施例1においては、余剰汚泥中の固形分量wは単位時間(1分)あたり260gで、次亜塩素酸の濃度pは10ppmで、次亜塩素酸含有水量vは単位時間(1分)あたり39kgであることから、w/vpは0.67であり、本発明で規定する0.05≦w/vp≦3.0の範囲内に入っている。
この実施例1では、前記のように、次亜塩素酸を含有する水を多数の噴出口から噴出するノズル12を流路上1mの高さに30cm間隔で、横手方向3個、長手方向9列、計27個設置したが、この多数の噴出口を有するノズル12の取り付け高さや、取り付けピッチについては、上記の数値に固定されるものではなく、流路全面に均等に次亜塩素酸を含有する水を供給できるものであれば構わない。また、上記流路の余剰汚泥あるいはより高濃縮された汚泥の流れを、邪魔板を設けて蛇行させることは、流路における殺菌効率を高める上で有効な手段であり、適宜採用することが有効である。さらに、この実施例1では、余剰汚泥を1.2m3 /hrで処理したが、本発明の優れた点として、処理すべき量に応じて、例えば、流路の幅あるいは長さと汚泥流れの経路長を変えるだけで、処理量の変化に対応できることが挙げられる。また、この実施例1では、多数の噴水口として、ノズルに設けたものを充当したが、それ以外のものであってもよい。
実施例2
実施例1で使用した次亜塩素酸を含有する水に代えて、オゾンを15ppm含有する水を使用し、流路に流す余剰汚泥の量を30リットル/分、厚さを10mm、流速を5cm/秒とし、オゾンを含有する水の供給量を流路の単位面積当たり8.67リットル/分・m2 とした以外は、実施例1と同様に余剰汚泥の削減処理を行った。
この実施例2で使用したオゾンを含有する水の作製にあたっては、野村電子社製のオゾナイザーとマイクロバブラーとを併用し、微細なオゾンガスの気泡を混入することでオゾンの溶解効率を高めるようにした。
そして、この実施例2のw/vpは、上記のような条件設定により、3.0であった。
実施例3
流路に流す余剰汚泥の厚さを約33mm、流速を1.5cm/秒にした以外は、実施例1と同様に余剰汚泥の削減処理を行った。
そして、この実施例3のw/vpも、上記のような条件設定により、実施例1と同様に0.67にした。
比較例1
実施例1で使用した次亜塩素酸を含有する水の流路上の余剰汚泥への供給量を2.7リットル/分・m2 とし、w/vp=3.2にした以外は、実施例1と同様に余剰汚泥の削減処理を行った。
比較例2
本発明の流路にて次亜塩素酸またはオゾンで殺菌処理する方法に代えて、余剰汚泥を直接電解処理した。
すなわち、特開2002−126782号公報に記載されている方法に従い、電極として、白金被覆チタン板を陽極に用い、ステンレス鋼板を陰極に用いた。固形分濃度1.3%の余剰汚泥0.2リットルを300cc容のビーカーに入れ、これにNaClを1%添加し、攪拌しながら1 分間直流電解した。この時の電極面積は5cm×5cmの大きさで、電流密度は1A/cm2 であった。
前述実施例1〜3では、毎分20〜30リットルの余剰汚泥を処理しているので、本例でも毎分20リットルとすべきであるが、実験的に毎分0.2リットル(百分の1スケール)を行っても、それをそのままスケールアップできるとして、これを比較例2とした。
上記実施例1〜3および比較例1〜2で処理したときの活性汚泥中の微生物の殺菌率を調べた。殺菌率は、生きた活性汚泥が活発に消費する溶存酸素量を処理後10分間計測し、その変化から求めた。上記溶存酸素量は溶存酸素計(堀場製作所社製OM15)で計測した。
活性汚泥中の微生物が死ぬと、溶存酸素の消費量が減少し、消費される溶存酸素の時間変化は緩やかになる。活性汚泥中の微生物が死滅すると、溶存酸素は消費されなくなるため、溶存酸素の時間変化が見られなくなる。殺菌率を求めた結果を、その処理方式(ただし、流路に流している余剰汚泥に次亜塩素酸またはオゾンを含有する水をシャワー状に噴出する方式を「本方式」といい、そのw/vp値は問わない)、w/vp値および流路に流す余剰汚泥の厚さとともに示す。なお、余剰汚泥の処理量は5分間で100リットルである。
Figure 2005254080
表1に示すように、w/vpが0.67や3.00であって、0.05≦w/vp≦3.0の範囲内にある実施例1〜3では、殺菌率が95%以上になっている。この殺菌率は95%以上であることが好ましく、殺菌率が95%より低い場合は好ましくない。
これに対してw/vpが3.2で、本発明で規定する0.05w/vp<3.0の範囲より大きい比較例1は、殺菌率が85%となり、適切さを欠いていた。つまり、比較例1のように、w/vp>3.0の範囲は、効率の良い本方式を採用していても、殺菌剤の量が少ないため、95%以上の微生物に殺菌作用を及ぼすことができなくなると考えられる。これに対して、0.05>w/pvの範囲は、殺菌率の点からは適合するものの、余剰汚泥を処理するのに使用する殺菌剤(次亜塩素酸またはオゾン)の量が多くなるため、ランニングコストと設備投資の面で、従来法に対する優位性が薄れてくるので、好ましくない。
実施例4
実施例1で用いたものと同様の固形分濃度が1.3%の余剰汚泥20リットル/分を、さらに高濃縮して処理を実施した。すなわち、固形分濃度1.3%の余剰汚泥を濃縮槽14に導入して固形分濃度を約7%に高めた。この濃縮にあたっては、濃縮槽14の底部に設けた微細気泡の発生装置から、空気を微細な気泡として吹き込み、この微細気泡が余剰汚泥水中に分散浮遊する固形有機物に付着し、これらを浮上させる現象を用いた。なお、微細気泡を発生させるための気泡発生装置15としては野村電子社製のマイクロバブラー(MB400)を用いた。この気泡発生装置15からは、100μm未満の微細な気泡が水中に多量に供給され、短時間のうちに、固形分が浮上分離する。この浮上部分を掻き取って高濃縮汚泥として流路に流した。流路での高濃縮汚泥の厚さは10mmであった。この時のw/vp値は1.7であった。この掻き取った浮上部分の固形分濃度は、前記のように、約7%で、これにより処理量は、実施例1に比べて約1/5 に減量されることになる。
そして、実施例1の固形分濃度が1.3%の余剰汚泥の処理量20リットル/分に相当する処理能力を得るために、この実施例4では、流路の高濃縮汚泥に次亜塩素酸を10ppm含有する水を5リットル/分・m2 の割合で噴出させ、余剰汚泥の削減処理を行った。この実施例4においても、実施例1と同様に殺菌率を求めたところ、殺菌率は96%を超えていた。
実施例5
上記実施例4では固形分濃度1.3%の余剰汚泥20リットル/分に相当する固形分濃度7%の高濃縮汚泥3.7リットル/分を処理対象としたが、この実施例5では、それをさらに発展させ、固形分濃度7%の余剰汚泥6.5リットル/分(固形分濃度1.3%換算で35リットル/分)に増量したものを処理した。
そして、流路に流れる高濃縮汚泥に噴出される次亜塩素酸の濃度を5.1ppmにし、その流路に流れる高濃縮汚泥に次亜塩素酸を5ppm含有する水を10リットル/分・m2 の割合で噴出させ、余剰汚泥の削減処理を行った。この実施例5においても、実施例1と同様に殺菌率を求めたところ、殺菌率はほぼ95%であり、w/pvは2.97であった。
上記実施例4〜5での殺菌率を、処理方式、w/vp値、流路に流す余剰汚泥の厚さと共に表2に示す。
Figure 2005254080
本発明の余剰汚泥の削減システムの処理プロセスの概要を模式的に示す図である。
符号の説明
1 汚水
2 曝気槽
3 活性汚泥含有液
4 沈殿槽
5 処理済液
6 濃縮汚泥
7 返送汚泥
8 余剰汚泥
9 流路
10 殺菌水供給装置(次亜塩素酸またはオゾンを含有する水の供給装置)
11 バルブ
12 ノズル
13 貯留槽
14 濃縮槽
15 気泡発生装置
16 高濃縮汚泥

Claims (3)

  1. 有機性汚水の曝気槽での微生物処理により得られた活性汚泥含有液を沈殿槽で重力濃縮法によって活性汚泥中の固形物濃度が0.8〜2質量%になるように濃縮して濃縮汚泥と上澄液とに分離し、濃縮汚泥の一部を曝気槽に返送する第一工程と、残りの濃縮汚泥を余剰汚泥とし、その余剰汚泥を流路に流すと共に、流路上方に設けた多数の噴出口から次亜塩素酸またはオゾンを含有する水を下方へシャワー状に噴出し、余剰汚泥に作用させる第二工程と、前記次亜塩素酸またはオゾンを含有する水で処理された余剰汚泥を再び曝気槽に返送する第三工程を含む余剰汚泥の削減システムであって、前記第二工程の中で、単位時間に流路に流れる余剰汚泥中の固形分量をw(g)、次亜塩素酸またはオゾンの濃度をp(ppm)、単位時間当たりシャワー状に下方へ噴出させて余剰汚泥に作用させる次亜塩素酸またはオゾンを含有する水の量をv(kg)とするとき、上記w、pおよびvが、0.05≦w/vp≦3.0の範囲にあることを特徴とする余剰汚泥の削減システム。
  2. 前記第二工程において、流路に流す余剰汚泥の厚みが5〜30mmであることを特徴とする請求項1記載の余剰汚泥の削減システム。
  3. 前記第二工程において、空気の微細気泡を余剰汚泥に送り込むことにより、次亜塩素酸またはオゾンを含有する水を作用させる前の余剰汚泥の固形分濃度を5質量%以上20質量%以下に濃縮した後、次亜塩素酸またはオゾンを含有する水を作用させることを特徴とする請求項1記載の余剰汚泥の削減システム。
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