JP2005253405A - 稲の噴気水耕栽培法 - Google Patents

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Abstract

【課題】 農薬や化学肥料を用いずに促成栽培でき、天候に左右されず安定的に高収量が得られ、かつ栽培作業を大幅に省力化できる稲の噴気水耕栽培法の提供。
【解決手段】 栽培ハウス内に、水を張ったり落としたりできる水槽を上部に設けた初期育成ベッドと噴気水耕栽培ベッドを配置し、まず初期育成ベッド上に、水を通し且つ根が食み出すことのできる材料からなる栽培ケースを載置して、稲が第3次分けつするまで育成し、次いで栽培ケースをそのまま噴気水耕栽培ベッドに移して、収穫可能となるまで育成することを特徴とする稲の噴気水耕栽培法。
【選択図】 図2

Description

本発明は、稲の根に直接養液をミスト散布する噴気水耕栽培に関し、特に農薬や化学肥料を用いず促成栽培できる稲の噴気水耕栽培法に関する。
土壌の劣化に対応可能な植物栽培方法として水耕栽培が知られており、培養土を用いることも公知である(特許文献1〜2など)。一方、植物の根に直接ミスト状の液肥を供給する噴気水耕栽培も公知であるが(特許文献3)、従来の噴気水耕栽培の場合、装置の制御トラブルなどにより根に散布するミスト量が適正を欠くことがある。ミスト量が過剰になると根の表面が長時間水滴で覆われることになるし、不足すると根が乾燥するため、生育に悪影響を及ぼしたり最悪の場合には枯死することもある。
このような従来の噴気水耕栽培の問題点を解決するため、本出願人は先に特願2002−124977号(特開2003−274774号公報)の発明を出願した。しかし、稲の栽培には以下に述べるように解決すべき問題点が多数残っている。
近年の稲作は、作業の機械化、徹底した品種改良と圃場改造、的確な水管理、及び高度な肥培管理により多収栽培が可能となり、10a当り500〜600kgに達している。これは戦前の単位収量の2倍程度に相当し驚異的な進歩である。また、米は我が国で唯一自給されている農産物である。しかし、米は作柄が気象条件に大きく左右されるためリスクの大きい作物である。特に気温の影響は大きく、如何に肥培管理を充分に行っても冷害による生育不順の影響を回避することはできず、病害が発生して被害は甚大なものとなる。また近年、農作物中の残留農薬の問題が注目されているが、稲についても病害対策は専ら農薬に頼っているのが実情である。従来の農薬は、環境汚染、農業従事者への直接的薬害、残留農薬を含有する作物を食べたことによる免疫力低下などを引き起すため、癌やアレルギー疾患などの原因の一つとなっている可能性も否定できない。従って、従来の農薬や化学肥料を用いない農業の普及が望まれる。
また稲作は、如何に機械化が進み適切な肥培管理が行われ天候にも恵まれて10a当りの収量が600kg以上となったとしても、1ヘクタールの栽培で165万円程度(60kg@16500円×10)の粗収入しか得られない。更に最近の稲の品種別作付け動向をみると、消費者の良質米指向の一層の高まりを反映して全体に良質米への移行が進むと共に、環境条件の変化への対応などのため新しく開発された品種の増加が顕著になっている。例えば「ササニシキ」は、1993年の冷害により宮城、岩手、山形などにおいて、耐冷性の高い「ひとめぼれ」や「はえぬき」などへ作付け転換されたため大幅に減少した。そして、良食味米への需要傾向が高まっているため作れば売れる時代は終わりつつある。しかも、地球温暖化の影響などもあって、天候(日照、気温、降水量)は年々不順の度を増しており、収入の大きな不安定要因になっている。更に、栽培には諸々の費用がかかるため最終利益は驚くほど少ない(粗収入の50%程度)のが現状である。利益率向上のための対策としては規模拡大による関係費用の相対的削減しかなく、当面30〜50ヘクタール規模の営農が採算規模となるが、農家の実態は3〜5へクタール規模が中心であって専業では到底採算がとれない。
特開平11−46577号公報 特開平9−275831号公報 特開平7−213180号公報
本発明は、農薬や化学肥料を用いずに促成栽培でき、天候に左右されず安定的に高収量が得られ、かつ栽培作業を大幅に省力化できる稲の噴気水耕栽培法の提供を目的とする。
上記課題は、次の1)〜4)の発明によって解決される。
1) 栽培ハウス内に、水を張ったり落としたりできる水槽を上部に設けた初期育成ベッドと噴気水耕栽培ベッドを配置し、まず初期育成ベッド上に、水を通し且つ根が食み出すことのできる材料からなる栽培ケースを載置して、稲が第3次分けつするまで育成し、次いで栽培ケースをそのまま噴気水耕栽培ベッドに移して、収穫可能となるまで育成することを特徴とする稲の噴気水耕栽培法。
2) 初期育成ベッドには、水温調節装置及び循環ポンプを備えた育成水循環装置を設け、噴気水耕栽培ベッドには、その上面に栽培ケース保持用の穴を設け、下部空間に養液(液肥)のミスト散布設備を設け、両側面に下部空間をミスト散布室とするための覆いを設け、地面に近い底部に、ミスト散布した養液の余りを回収して再利用するための受け皿を設けたことを特徴とする1)記載の稲の噴気水耕栽培法。
3) ミスト散布設備が、ミストノズルを一定間隔で設けた配管、高圧ポンプ、養液貯槽、沈殿槽及び養液自動調整設備を備え、更に、噴気水耕栽培ベッドの下部空間の栽培環境温度を調節するための温風発生器及び養液貯槽用温度調整装置を有する加温装置を備えていることを特徴とする1)又は2)記載の稲の噴気水耕栽培法。
4) 栽培管理を全て自動制御で行うことを特徴とする1)〜3)の何れかに記載の稲の噴気水耕栽培法。
以下、上記本発明について詳しく説明する。
前述したように稲作は如何に努力しても天候不順に勝てない。しかし、天候不順の影響を回避するためにハウス内で加温して行う栽培法では採算に合わず、本発明者の知る限り今までこのような方法が営業生産に採用されたことはない。
これに対し本発明は、単にハウス内に水田を作るのではなく、栽培ケースを用いた噴気水耕栽培法を採用することにより、農薬や化学肥料を用いずに年間3回以上収穫できる促成栽培と良質味米の高収量栽培を可能とする画期的なものである。
稲は中日植物で花芽形成や開花が昼と夜の周期(光周期)に影響されない。稲の成長は有効積算温度に左右され、1日の平均温度の積算値100℃当り1枚の葉を出す。また発芽からの積算温度が2000℃になると登熟を完了する。
なお、稲の成長に有効な温度は5℃以上であるから、平均温度15℃の場合の有効温度は、10℃(=15℃−5℃)となる。この有効温度が30〜35℃の範囲にあれば、2〜2.5ヶ月でも収穫が可能である。亜熱帯の水域では原種の稲もこの程度の短期間で成熟していた可能性がある。実際の日有効温度「y」の計算は次の式で行われる。式中のxは日平均温度である。
y=−0.0053x+0.2746x−2.9726x+9.17
本発明では、この稲の成長に関する積算温度依存性を利用して促成栽培を行う。更に、昼夜の温度差を自由に制御できるので、良食味米を創り出すのに好都合である。
また、最近の研究によると、稲のルーツは中国や東南アジアの丘陵地帯の水辺が有力視されているが、このことからも稲が水生植物であることが容易に判る。水田は、水生植物である稲にとって最も重要な水が充分にあり、水の吸収のために根を大きく張り出す必要がなく好ましい環境である。また、水中の溶存酸素は僅かであり(水温20℃で3.1%)、稲が利用する前に水田の土中に棲む微生物に消費されてしまうため、根圏は常に無酸素状態に近い環境(還元性環境)にある。その結果、稲に必要な養分(リン酸、鉄、マンガンなど)が稲に吸収され易い形となるので、根の養分吸収には好都合である。更に水田では、水が何時も養分を根の周りに運んでくれるので、陸上の植物のように根を伸ばして養分を捜し求める必要も無い。稲が成長するには充分な光と水が重要な要件であるが、水が充分にある水田では稲の成長は非常に速い。しかし、成長が速いという特性により却って倒伏を起したり、葉が茂りすぎて光が充分に当らなくなり収量が低下したりすることもある。従って、稲の栽培では水管理が非常に重要な要件となる。これに対し本発明では、後述するように栽培管理を全て自動制御で行うことができるので、水管理の問題も解決される。
稲の一生は大きく二つの時期に分けることができる。稲が発芽して主に体(栄養体)を作る栄養成長期と、幼穂が分化・発達し、開花・受精・結実が行われる生殖成長期である。最も高い成長率を示すのは、生殖成長期の前半に当る幼穂分化期から出穂期までの1ヶ月ほどの期間である。本発明では、この幼穂分化期以降を噴気水耕栽培法で行うことにより促成栽培を実現する。
本発明では最初の段階から栽培ケースを用いる。栽培ケースとしては、通水性が高く且つ稲の根が成長するに従って容易にケースから食み出せるものであれば特に限定はない。例えばポリエチレン樹脂などからなる円筒状の籠に生分解性の樹脂などからなる不織布の袋を入れたものが挙げられる(図4参照)。この栽培ケースの場合、不織布を通して水が培土に入り込めるし、稲の根も不織布を貫通して栽培ケースの外に食み出すことができる。そしてミスト栽培時には栽培ケースから食み出した根が養分と水を吸収し、促成成長する。大きさは通常、直径150mm、高さ200mm程度のものを用いるが適宜変更可能である。また形状は円筒容器状でなくても構わない。
培土としては、例えば表1に示すような配合比のものを用いる。表中の構成比は容積比である。山土は篩にかけたマサ土(真砂土)のみを加熱消毒して使用する。加熱消毒は、例えば90〜100℃程度の高温水蒸気を用いて無菌化する方法などにより行えばよい。また、培土は1作毎に加熱消毒して無菌化し、完全リサイクルを行うことが好ましい。
Figure 2005253405
播種は栽培ケースの培土に直接行い移植をしないので、移植に伴う根痛みがなく、作業の手間も省ける。播種の培土への埋め込み深度は通常10mm程度とし、軽く覆土する。
栽培ケースは水を張った初期育成ベッドに入れて培土に充分水を含ませておき、播種直前に初期育成ベッドの水を落とし、幼芽と幼根を同時に発生させてウキ苗を防止する。
第1葉が完全に展開したら、初期育成ベッドに再び水を張り水田栽培に移る。初期育成ベッドの水は循環ポンプを備えた育成水循環装置でゆっくり循環させ、水温調節装置により必要な温度調整を行う。この水の循環で水田の掛流しと同じ環境を作り出す。水温調整の目標温度は25℃である。この温度で稲の分けつは最高となる。初期育成ベッドでの栽培は稲が第3次分けつするまで(茎数が15〜16本となるまで)とする。
分けつが終わった後の幼穂分化期から稲は非常に活発に養分を吸収し急速に成長を始める。この時期からは栽培ケースをミスト散布設備を有する噴気水耕栽培(ミスト栽培)ベッドに移し、ミストの散布間隔の制御により水管理を行い、養液濃度と成分調整により養分管理を行い、養液温度管理により地温を制御し、穂出しから登熟までの間、徹底して稲の最適生理条件に合わせるように管理・制御することにより良食味米の高収量栽培を実現する。ミスト散布設備は、通常、ミストノズルを一定間隔で設けた配管、高圧ポンプ、養液貯槽、沈殿槽及び養液自動調整装置からなる。
本発明では、培地の加熱消毒、温度管理と葉面の通気対策による高温多湿状態の回避、ハウスを防虫ネットで囲う病害虫対策により、いもち病などの病害を抑えることができるので、農薬を散布する必要はない。また、このような栽培条件では、栽培ケースに雑草が生えることもなく、除草剤の散布も全く必要ない。
更に、播種と栽培ケースの移動の手間は省けないが、栽培管理は全て自動制御で行われるので非常に省力化された栽培法であり、1人で1ヘクタール程度の圃場を管理できる。
因みに従来の稲作における各月の作業を図5に示す。この表は「早生コシヒカリ」の例であり、品種や地域により数週間の差がある。実際の栽培作業は50段階位あり、機械化により楽になってきてはいるが、まだまだ負担の大きい作業である。
初期栽培ベッドはステンレスのアングル材などで作製し、高さ130〜140cm程度、幅120〜140cm程度とするが、作業環境などによって適宜変更可能である。長さはハウスの大きさ、並べる数や配置などよって変わるので任意である。
噴気水耕栽培ベッドは鉄製の農業用パイプなどで作製し、高さ70〜80cm程度、幅80〜100cm程度とするが、作業環境などによって適宜変更可能である。長さはハウスの大きさ、並べる数や配置などよって変わるので任意である。噴気水耕栽培ベッドの下部空間には養液(液肥)のミスト散布装置(例えばミストノズルを一定間隔で有する塩ビ製パイプ)を設ける。噴気水耕栽培ベッドの地面に近い底部には、ミスト散布した養液の余りを回収して再利用するための受け皿(例えばドレーンパン)を設ける。噴気水耕栽培ベッドの両側面はビニールシートなどで覆い下部空間を簡易なミスト散布室とする。ビニールシートなどの下端は必ずしも閉じる必要はない。ミスト栽培ベッドの上面は、栽培ベッドを保持して水耕栽培を行うことが出来るように穴を開けておく。例えば軽量で加工が容易な発泡スチロールパネルに適当な間隔で穴を開けたものを用いるとよい。
養液としては、化学肥料や化学薬品を含むものは用いないで、人畜無害の有機肥料を用いることが望ましく、特に、窒素、リン酸、カリに加えて、カルシウム及び微量要素である他のミネラルを総合的に含むことから、アミノ酸含有有機液肥と天然の酸性ミネラルで卵殻を溶解したものを混合した養液が好ましい。なお、アミノ酸含有有機液肥とは、フィッシュソリブル(魚の粗から魚油を分離し濃縮した液体)を蛋白質分解微生物で醗酵処理し、蛋白質をアミノ酸、ペプチド、核酸などに分解した液体のことである。また、天然の酸性ミネラルの代表的なものとしては、火山の火口付近で採取される極酸性の液を用いて麦斑石を溶解したpHが2.5程度の酸性液が挙げられ、この酸性液を用いれば極めて簡単に卵殻を溶かしてpH5前後の溶解液を作成することができる。
栽培の対象となる品種は特に限定されないが、促成栽培ならば「フジヒカリ」が好ましい。この品種は通常の水田栽培でも本田生育日数90日以内で収穫できるものであるが、本発明の栽培法によれば、播種から約100日という更に短い期間で収穫できる。
また、良食味米の代表は一般に「コシヒカリ」とされているが、その理由は粘りと低アミロースである。そのコシヒカリの突然変異種である「ミルキークイン」がコシヒカリを越える最高の良食味米と言われている。ミルキークインはコシヒカリよりアミロース含有量が低く、冷めても堅くなり難く「軟らかく粘りが強く光沢があり甘味のある美味しさ」と言われている。
本発明によれば、農薬や化学肥料を用いずに促成栽培でき、天候に左右されず安定的に栽培でき、かつ栽培作業を大幅に省力化できる稲の噴気水耕栽培法を提供できる。また、ハウス栽培であるから場所を選ばず、どこでも栽培できる。更に、新潟の魚沼産のコシヒカリのような高付加価値の良食味米を創り出すのに必要な昼夜の温度差を自由に実現できる。更に、分けつを充分に起させて1穂当りの総籾数を多くすることにより高収量栽培を実現できる。
以下、実施例により本発明を更に具体的に説明するが、本発明はこれらの実施例により限定されるものではない。
実施例1
本実施例について図1〜図3を参照しつつ説明する。図1は初期育成ベッドの態様を示す図であり、図2は噴気水耕栽培に移行するまでの栽培ケースの処理の流れを示す図であり、図3はハウス内における初期育成ベッドとミストベッドの配置図である。
まず、面積が10aの農業用栽培ハウス内に、図1に示したような幅1200mm、長さ6000mm、高さ1350mmで、各段に深さ30cmの水槽を設けたステンレス製アングル材からなる2段式初期育成ベッドを、図3に示すように24台配置した。2段式を採用したのは省スペースのためである。また、ハウスには、天窓・側窓とその開閉システム、換気扇、サーキュレーターを付設すると共に、防虫ネットで覆った。
次に、水槽に水を張った初期育成ベッドに、前記表1に示す配合比の培土を充填した栽培ケースを、ベッド1台に付き360株収容して培地に水を馴染ませた。栽培ケースには、ポリエチレン樹脂製の円筒状の籠に生分解性樹脂(澱粉を主原料とする樹脂)製の不織布の袋を入れた直径150mm、高さ200mmのものを用いた。また、初期育成ベッドには、循環ポンプ、ヒートポンプ式水温調節装置及びディスクフィルターを備えた育成水循環装置を付設した。
次に、水槽の水を落とし、ミルキークイーンの種籾を約10mmの深さに3〜4粒播種した。
次に、第1葉が完全に展開したところで再び水槽に水を張り、水田栽培に移行させた。
稲が第3次分けつするまで水田栽培を続けた後、栽培ベッドを、図3に示すように配置した24台の噴気水耕栽培(ミスト栽培)ベッドに移した。ミスト栽培ベッドは幅800mm、長さ1800mm、高さ700mmで鉄製の農業用パイプで作製し、上面に栽培ケース保持用の穴を有する発泡スチロール板を設け、下部空間には養液をミスト散布するため、ミストノズルを1m間隔で設けた径が27mmの塩ビ製パイプを設け、下部には厚さ0.5mmのポリエチレンシート製のドレーンパンを設け、両側面を厚さ0.2mmのポリエチレンシートで覆ってミスト散布室を形成した。また、ミストベッドにはミストノズルから養液を散布するため、高圧ポンプ、養液貯槽、沈殿槽、養液自動調整装置を備えたミスト散布設備を付設した。養液には、フィッシュソリブルを蛋白質分解微生物で醗酵処理し、蛋白質をアミノ酸、ペプチド、核酸などに分解したアミノ酸含有有機液肥と、火山の火口付近で採取される極酸性の液を用いて麦斑石を溶解した酸性液により卵殻を溶かしたpH5前後の溶解液を容量比100:15で混合したものを用いた。更に、ミスト栽培ベッドの下部空間の栽培環境温度を調節するため、温風発生器及び養液貯槽用ヒートポンプ式温度調整装置を備えた加温装置を付設した。栽培ケース総数は8640株とした。
上記のようにして、10aのハウス内にミルキークイーンの15本立て株を8640株作付けし、栽培管理を自動制御で行って栽培したところ、約3.5ヶ月で収穫できた。ミルキークイーンの場合、通常の栽培法では播種から収穫までに6ヶ月以上の期間を要するので、本発明の栽培法の促成栽培効果の高さが確認された。
また、分けつ数15本、栽培ケース当りの有効穂数凡そ60本、1穂の籾数90以上、登熟率90%、収穫籾数80粒以上となり、総籾数は、60×80×8640=(凡そ)4140万粒となった。玄米1000粒の重量を約20gとして、収穫玄米重量は820kgであり、良食味米の出荷価格は60kgで3万円以上であるから、1作で10a当り41万円以上、1ヘクタール換算で400万円以上となり、年間3回以上収穫できる本発明では1200万円以上の売上が見込めることになる。
初期育成ベッドの一例を示す図。(a)斜視図、(b)平面図、(c)側面図。 噴気水耕栽培に移行するまでの栽培ケースの処理の流れを示す図。 ハウス内における初期育成ベッドとミストベッドの配置の一例を示す図。 栽培ケースの一例を示す図。 従来の稲作における各月の作業を示す図。

Claims (4)

  1. 栽培ハウス内に、水を張ったり落としたりできる水槽を上部に設けた初期育成ベッドと噴気水耕栽培ベッドを配置し、まず初期育成ベッド上に、水を通し且つ根が食み出すことのできる材料からなる栽培ケースを載置して、稲が第3次分けつするまで育成し、次いで栽培ケースをそのまま噴気水耕栽培ベッドに移して、収穫可能となるまで育成することを特徴とする稲の噴気水耕栽培法。
  2. 初期育成ベッドには、水温調節装置及び循環ポンプを備えた育成水循環装置を設け、噴気水耕栽培ベッドには、その上面に栽培ケース保持用の穴を設け、下部空間に養液(液肥)のミスト散布設備を設け、両側面に下部空間をミスト散布室とするための覆いを設け、地面に近い底部に、ミスト散布した養液の余りを回収して再利用するための受け皿を設けたことを特徴とする請求項1記載の稲の噴気水耕栽培法。
  3. ミスト散布設備が、ミストノズルを一定間隔で設けた配管、高圧ポンプ、養液貯槽、沈殿槽及び養液自動調整装置を備え、更に、噴気水耕栽培ベッドの下部空間の栽培環境温度を調節するための温風発生器及び養液貯槽用温度調整装置を有する加温装置を備えていることを特徴とする請求項1又は2記載の稲の噴気水耕栽培法。
  4. 栽培管理を全て自動制御で行うことを特徴とする請求項1〜3の何れかに記載の稲の噴気水耕栽培法。
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