<第1の実施形態>
本発明の第1の実施形態について、図面を参照して説明する。図1は、本実施形態における通信システムの構成を示すブロック図である。又、図2は、本実施形態における放送局の内部構成を示すブロック図であり、図3は、本実施形態における受信装置の内部構成を示すブロック図である。尚、本実施形態では、AVデータを含む放送信号が送信される放送通信システムを例に挙げて説明する。
図1の通信システムは、AVデータを含む放送信号を複数のアンテナ110より送信する放送局100と、放送局100からの放送信号を受信する受信装置101より構成される。このとき、放送局100において、同一のAVデータがパケット毎に組み替えられて複数の放送信号が生成された後、この複数の放送信号がそれぞれ異なるチャンネル周波数で送信される。同一のAVデータより生成された複数の放送信号が受信装置101において受信されると、この複数の放送信号より得られるデータを合成することで元のAVデータが再現される。
このような通信システムにおいて、放送局100が図2のように構成されるとともに、受信装置101が図3のように構成される。尚、放送局100が2つのアンテナ110a,110b(図1のアンテナ110に相当する)を備え、1つのAVデータに対して2つの放送信号を2つの異なるチャンネル周波数fa,fbを用いて送信するものとする。
図2の放送局100は、AVソースからの映像データ及び音声データであるAVデータをMPEG(Motion Picture Expert Group)方式などによりデジタル符号化してES(Elementary Stream)を生成する符号化部1と、符号化部1で得られたESをパケット化してPES(Packetized Elementary Stream)を生成した後に複数のPESとPSI(Program Specific Information)/SI(Service Information)とによるTS(Transport Stream)パケットを生成するパケット処理部2と、パケット処理部2で生成されたTSパケットを一時的に格納するバッファ3と、バッファ3から読み出してTSパケットを多重化した後に誤り訂正符号化などを施すとともに変調処理を行い高周波信号を生成する変調処理部4a,4bと、を備える。
このように構成されるとき、放送局100は、AVソースから与えられるコンテンツを構成するAVデータが符号化部1に与えられると、符号化部1では、AVソースをデジタル符号化してESを生成する。この際、MPEG2方式が使用されるとき、複数フレームのAVデータ予に対してDCT(Discrete Cosine Transform)変換及びフレーム間の動き補償予測が行われることで、I(Intra-coded)ピクチャと複数のP(Predictive-coded)ピクチャ及びB(Bidirectionally-coded)ピクチャを1つの単位とするGOP(Group Of Picture)構造に基づく符号化が行われる。その後、このようにMPEG方式による符号化動作を行うことによって、符号化部1よりESが出力される。
この符号化部1からのESがパケット処理部2に与えられると、パケット処理部2において2段階のパケット化が行われて、TSパケットが生成される。即ち、符号化部1より与えられるESを所定ビット数のデータグループ化することで第1段階のパケット化を行い、PESを生成する。そして、このPESにPSI/SIを付加して第2段階のパケット化を行って、TSパケットを生成する。このとき、TSパケットに与えられるPSI/SIは、TSパケットを構成するPESに関する情報が格納されており、受信装置101では、このPSI/SIを参照することで、TSパケットよりPESを再生することができる。
このように生成されたTSパケットは、バッファ3内に一時的に格納される。そして、変調処理部4aにおいて、バッファ3に格納されたTSパケットを選択的に読み出して多重化するとともに、変調処理部4bで生成される別の放送信号により補填可能であることを示すヘッダ情報を付加した後、誤り訂正符号又は誤り検出符号を付加して誤り訂正符号化又は誤り検出符号化を施す。その後、OFDM(Orthogonal Frequency Division multiplex)方式又はPSK(Phase Shift Keying)方式又はQPSK(Quadrature Phase Shift Keying)方式又はQAM(Quadrature Amplitude Modulation)方式などの変調方式に従って変調した後、チャンネル周波数faの高周波信号を生成し、アンテナ110aより送信する。このようにパケット処理部が動作するとき、無線LAN(Local Area Network)のように媒体アクセス制御方式が行われる際、MAC(Media Access Control)ヘッダがTSパケット内に付加される。
又、変調処理部4bにおいて、変調処理部4aと異なる順番でバッファ3に格納されたTSパケットを選択的に読み出して多重化するとともに、変調処理部4aで生成される別の放送信号により補填可能であることを示すヘッダ情報を付加した後、誤り訂正符号又は誤り検出符号を付加して誤り訂正符号化又は誤り検出符号化を施す。その後、OFDM方式又はPSK方式又はQPSK方式又はQAM方式などの変調方式に従って変調した後、チャンネル周波数fbの高周波信号を生成し、アンテナ110bより送信する。このように動作するとき、変調処理部4a,4bにおいてチャンネル周波数を異なるものとするだけでなく、異なる変調方式が用いられるものとし、アンテナ110a,110bより異なる無線通信路によって放送信号が送信されるものとしても構わない。
又、図3の受信装置101は、放送局100から送信される放送信号を受信するアンテナ11a,11bと、アンテナ11a,11bそれぞれで受信された高周波信号より所望の放送信号を選局するチューナ部12a,12bと、チューナ部12a,12bそれぞれで選局された放送信号をデジタルデータに変換した後に復調処理を施して所望の番組のTSパケットを生成する復調部13a,13bと、復調部13a,13bで確認されたTSパケットを一時的に格納するバッファ14a,14bと、バッファ14a,14bに格納されているTSパケットを読み出して合成する合成部15と、合成部15で合成されて得られたTSパケットの分離などを行うとともにAVデータそれぞれのESを生成するパケット処理部16と、パケット処理部16で得られたESをMPEG方式などにより復号化して映像データ及び音声データとなるAVデータを復元する復号化部17と、復号化部17で得られたAVデータに基づいて映像及び音声を再生出力する出力部18と、装置内の各部を制御する制御部19と、を備える。
このように構成されるとき、受信装置101は、アンテナ110a,110bそれぞれから送信される放送信号のいずれか一方をアンテナ11a,11bのうちの一方のアンテナで受信する。このとき、制御部19によってチューナ部12a,12bのうちの一方のチューナ部において、受信するチャンネル周波数がfa、fbのうちの一方のチャンネル周波数に設定される。チューナ部12a,12bのうちの一方のチューナ部で受信された放送信号が復調部13a,13bのうちの一方の復調部で復調されると、そのヘッダ情報より補填可能な別の放送信号が送信されることを確認する。
このとき、アンテナ11a,11bのうちの他方のアンテナでは、受信動作が行われていないものとしても構わないし、別のチャンネル周波数の放送信号を受信するものとしても構わない。尚、他方のアンテナが受信動作を行っていない場合は、この他方のアンテナに接続されるチューナ部及び復調部及びバッファを電源OFFされた状態としても構わない。
そして、このヘッダ情報より、補填可能な別の放送信号のチャンネル周波数が、fa、fbのうちの他方のチャンネル周波数であることを確認すると、チューナ部12a,12bのうちの他方のチューナ部において、受信するチャンネル周波数が、fa、fbのうちの他方のチャンネル周波数に設定される。よって、アンテナ11a,11bのうちの他方のアンテナにおいて、fa、fbのうちの他方のチャンネル周波数の放送信号が受信される。尚、このとき、他方のアンテナで受信動作が行われず、この他方のアンテナに接続されたチューナ部及び復調部及びバッファが電源OFFされている場合、これら電源OFFされたチューナ部及び復調部及びバッファを電源ONとした後に、チューナ部で受信するチャンネル周波数が設定される。
即ち、チューナ部12aにおいて、受信するチャンネル周波数がfaに設定されたとき、アンテナ110aから送信される放送信号をアンテナ11aで受信されるとともに、チューナ部12aで選局される。そして、復調部12aで復調することによって得られたヘッダ情報により、アンテナ110bより送信されるチャンネル周波数fbの放送信号が送信されていることを確認する。よって、チューナ部12bにおいて、受信するチャンネル周波数がfbに設定され、アンテナ110bから送信される放送信号をアンテナ11bで受信して、チューナ部12bで選局する。このようにして、チューナ部12aでは、チャンネル周波数faの放送信号を選局するとともに、チューナ部12bでは、チャンネル周波数fbの放送信号を選局する。そして、選局された放送信号がチューナ部12a,12bから復調部13a,13bに与えられる。
その後、復調部13aでは、チャンネル周波数faで送信される放送信号に対する変調方式に応じて復調動作を行い、又、復調部13bでは、チャンネル周波数fbで送信される放送信号に対する変調方式に応じて復調動作を行う。復調部13a,13bにおいて復調動作を行う際、受信した放送信号をデジタル信号に変換して行う。更に、復調部13a,13bそれぞれにおいて、上述の復調動作が行われて得られた信号に対して誤り訂正処理又は誤り検出処理が行われることで、TSパケットが多重化されたトランスポートストリームが得られ、このトランスポートストリームを分離することで複数のTSパケットが生成される。
そして、復調部13a,13bで生成されたTSパケットがバッファ14a,14bそれぞれに与えられて一時的に格納される。その後、合成部15によってバッファ14a,14bに格納されたTSパケットが読み出され、正常に受信されたTSパケットによって正常に受信されていないTSパケットを補填して合成する。このように合成されたTSパケットが、パケット処理部16に与えられると、TSパケット内のPSI/SIを参照して、1パケット毎のPESを再生した後、このPESを復号化することでESを生成する。そして、復号化部17において、MPEG方式などに従い、パケット処理部16より与えられるESを復号化してAVデータを生成し、出力部18において、生成されたAVデータに応じた映像及び音声を再生出力する。
このように構成される放送局100より送信される放送信号と、この放送信号を受信する受信装置101における受信動作との関係について、以下に説明する。
1.放送信号及び放送信号の受信動作の第1例
図4を参照して、放送信号及び放送信号の受信動作の第1例について説明する。上述のように、放送局100において、パケット処理部2で、図4(a)のように、時系列順にTSパケットP1,P2,P3,…,Pn+1,Pn+2,Pn+3,…が生成されて、バッファ3に格納される。このようにして生成されたTSパケットがバッファ3に格納されると、バッファ3に格納されたTSパケットが、変調処理部4a,4bによって異なる順番で読み出されて、2つの高周波信号が生成される。
即ち、変調処理部4aでは、図4(b)のように、P1,P2,P3,P4,P5,P6,…,Pn+1,Pn+2,Pn+3,Pn+4,Pn+5,Pn+6,…の順で、バッファ3に格納されたTSパケットを読み出して、チャンネル周波数faによる高周波信号を生成し、アンテナ110aより送信する。又、変調処理部4bでは、図4(c)のように、P4,P5,P6,P1,P2,P3,…,Pn+4,Pn+5,Pn+6,Pn+1,Pn+2,Pn+3,…の順で、バッファ3に格納されたTSパケットを読み出して、チャンネル周波数fbによる高周波信号を生成し、アンテナ110bより送信する。
このようにして、チャンネル周波数fa,fbによる高周波信号となる放送信号がアンテナ110a,110bより送信されると、受信装置101において、アンテナ11a,11bで受信される。そして、チューナ部12aにおいてチャンネル周波数faの放送信号が選局されるとともに、チューナ部12bにおいて、チャンネル周波数fbの放送信号が選局される。よって、復調部13aで復調処理が行われて得られたTSパケットが、P1,P2,P3,P4,P5,P6,…,Pn+1,Pn+2,Pn+3,Pn+4,Pn+5,Pn+6,…の順で、バッファ14aに出力されて格納されるとともに、復調部13bで復調処理が行われて得られたTSパケットが、P4,P5,P6,P1,P2,P3,…,Pn+4,Pn+5,Pn+6,Pn+1,Pn+2,Pn+3,…の順で、バッファ14bに出力されて格納される。
そして、合成部15によって、バッファ14aに格納されたTSパケットP1,P2,P3,P4,P5,P6,…を順に読み出したとき、再生されたTSパケットが正常に受信されたか否かが確認される。尚、図4(b)及び図4(c)において、正常に受信されて再生されたTSパケットを「○」印で表し、又、正常に受信されずに再生されたTSパケットを「×」印で表す。又、図4(b)及び図4(c)のように、期間Tにおいて、通信路状態が悪化し、チャンネル周波数faについてはTSパケットP2,P3が、チャンネル周波数fbについてはTSパケットP5,P6が、それぞれ正常に受信されなかったものとする。よって、合成部15では、バッファ14aに格納されたTSパケットの内、TSパケットP2,P3が正常に受信できなかったことを確認する。
尚、ここでは合成部15によって、TSパケットが正常に受信されたか否かが確認されるものとするが、復調部13a,13bや制御部19等の合成部15以外の部分において、正常に受信されたか否かの判定を行うものとしても構わない。そして、その判定結果を合成部15や制御部19に送出するとともに、合成部15や制御部19において処理されるものとしても構わない。
このようにバッファ14aより順番に読み出したTSパケットの内、正常に受信されなかったTSパケットが確認されると、この正常に受信されなかったTSパケットに相当するTSパケットをバッファ14bより読み出して、バッファ14aから読み出された正常に受信されたTSパケットに組み込むことで、合成する。即ち、チャンネル周波数faによる放送信号より図4(b)のようなTSパケットを受信したとき、合成部15では、バッファ14aより順番に読み出されたTSパケットの内、TSパケットP2,P3が正常に受信されなかったことが確認される。又、チャンネル周波数fbによる放送信号より図4(c)のような順でTSパケットが送信されるため、TSパケットP2,P3による放送信号が期間T以外の期間で送信され、受信装置101において正常に受信される。
よって、合成部15がバッファ14bより正常に受信されて再生されたTSパケットP2,P3を読み出して、バッファ14aより読み出したTSパケットP1,P4の間の位置に組み込むことで図4(d)のように合成する。そして、合成部15で合成された図4(d)のようなTSパケットP1,P2,P3,P4,P5,P6,…が順番に、パケット処理部16に与えられ、各TSパケットのPSI/SIに基づいてPESを生成した後、このPESを復号化することでESを生成する。そして、復号化部17において、MPEG方式などに従ってESの復号化を行うことでAVデータを生成し、出力部18で映像及び音声を再生出力する。
尚、本例におけるパケットの変更順は一例であり、各例において、それぞれが3パケット分がずれる構成としているが、各パケットの到着時間に時間差が生まれる並び替えであれば他の順序としても構わない。
2.放送信号及び放送信号の受信動作の第2例
次に、図5を参照して、放送信号及び放送信号の受信動作の第2例について説明する。尚、本例は、チャンネル周波数fbで送信される放送信号におけるTSパケットの順番が第1例と異なるものであり、放送局100及び受信装置101の基本動作は、第1例と同様であるので、その詳細については第1例を参照するものとして、省略する。よって、まず、放送局100において、パケット処理部2で図4(a)のように生成されたTSパケットP1,P2,P3,…,Pn+1,Pn+2,Pn+3,…が時系列順にバッファ3に格納される。そして、バッファ3に格納されたTSパケットが、変調処理部4a,4bによって異なる順番で読み出されることによって、2つの高周波信号が生成される。
このとき、変調処理部4aでは、第1例と同様、図5(a)のように、P1,P2,P3,P4,P5,P6,…,Pn+1,Pn+2,Pn+3,Pn+4,Pn+5,Pn+6,…の順で、バッファ3に格納されたTSパケットを読み出して、チャンネル周波数faによる高周波信号を生成し、アンテナ110aより送信する。又、変調処理部4bでは、図5(b)のように、P1−n,P2−n,P3−n,P4−n,P5−n,P6−n,…,P1,P2,P3,P4,P5,P6,…の順で、バッファ3に格納されたTSパケットを読み出して、チャンネル周波数fbによる高周波信号を生成し、アンテナ110bより送信する。即ち、変調処理部4bでは、同一のタイミングで変調処理部4aが読みだすTSパケットからnパケット分遅延したTSパケットを読み出して、高周波信号を生成して送信する。
このようにして、チャンネル周波数fa,fbによる高周波信号となる放送信号が送信されると、受信装置101において受信され、バッファ14aに、図5(a)のような順でTSパケットP1,P2,P3,P4,P5,P6,…が格納されるとともに、バッファ14bに、図5(b)のような順でTSパケットP1−n,P2−n,P3−n,P4−n,P5−n,P6−n,…が格納される。そして、図5(a)、(b)のように、期間Tにおいて通信路状態が悪化し、チャンネル周波数faについてはTSパケットP2,P3が、チャンネル周波数fbについてはTSパケットP2−n,P3−nが、それぞれ正常に受信されなかったものとする。
このとき、合成部15では、バッファ14aに格納されたTSパケットの内、TSパケットP2,P3が正常に受信できなかったことを確認し、バッファ14aに格納されたTSパケットP2,P3よりもnパケット分後に受信されてバッファ14bに格納されたTSパケットP2,P3が読み出される。そして、このバッファ14bから読み出したTSパケットP2,P3を、バッファ14aから読み出された正常に受信されたTSパケットに組み込むことで、図5(c)のように合成する。よって、正常に受信されたTSパケットP1,P2,P3,P4,P5,P6,…が順番に、合成部15からパケット処理部16に与えられることで、パケット処理部16及び復号化部17で復号化されて、出力部18で映像及び音声が再生出力される。
3.放送信号の第3例
次に、図6を参照して、放送信号及び放送信号の受信動作の第3例について説明する。尚、本例は、チャンネル周波数fbで送信される放送信号におけるTSパケットの順番が第1例と異なるものであり、放送局100及び受信装置101の基本動作は、第1例と同様であるので、その詳細については第1例を参照するものとして、省略する。即ち、本例では、放送局100において、第1例のように順番の組み替えを行うとともに第2例のような時間的な遅延をも行った2つの放送信号が生成され、受信装置101に対して送信される。
このとき、変調処理部4aでは、第1例と同様、図6(a)のように、P1,P2,P3,P4,P5,P6,…,Pn+1,Pn+2,Pn+3,Pn+4,Pn+5,Pn+6,…の順で、バッファ3に格納されたTSパケットを読み出して、チャンネル周波数faによる高周波信号を生成し、アンテナ110aより送信する。又、変調処理部4bでは、図6(b)のように、P4−n,P5−n,P6−n,P1−n,P2−n,P3−n,…,P4,P5,P6,P1,P2,P3,…の順で、バッファ3に格納されたTSパケットを読み出して、チャンネル周波数fbによる高周波信号を生成し、アンテナ110bより送信する。即ち、変調処理部4bでは、同一のタイミングで変調処理部4aが読みだすTSパケットからnパケット分遅延したTSパケットを、その順番を組み替えて読み出す。
このようにして、チャンネル周波数fa,fbによる高周波信号となる放送信号が送信されると、受信装置101において受信され、バッファ14aに、図6(a)のような順でTSパケットP1,P2,P3,P4,P5,P6,…が格納されるとともに、バッファ14bに、図6(b)のような順でTSパケットP4−n,P5−n,P6−n,P1−n,P2−n,P3−n,…が格納される。そして、図6(a)、(b)のように、期間Tにおいて通信路状態が悪化し、チャンネル周波数faについてはTSパケットP2,P3が、チャンネル周波数fbについてはTSパケットP5−n,P6−nが、それぞれ正常に受信されなかったものとする。
このとき、合成部15では、バッファ14aに格納されたTSパケットの内、TSパケットP2,P3が正常に受信できなかったことを確認し、バッファ14bに格納されたTSパケットP2,P3が読み出される。そして、このバッファ14bから読み出したTSパケットP2,P3を、バッファ14aから読み出された正常に受信されたTSパケットに組み込むことで、図6(c)のように合成する。よって、正常に受信されたTSパケットP1,P2,P3,P4,P5,P6,…が順番に、合成部15からパケット処理部16に与えられることで、パケット処理部16及び復号化部17で復号化されて、出力部18で映像及び音声が再生出力される。
尚、上述の第1例〜第3例においては、図4(b)又は図5(a)又は図6(a)のようなチャンネル周波数faの放送信号に基づいて、正常に受信されていないTSパケットを確認したとき、チャンネル周波数fbの放送信号によって正常に受信されたTSパケットを確認して組み込むことで、TSパケットの合成を行うものとしたが、チャンネル周波数fbの放送信号に基づいて、正常に受信されていないTSパケットを確認するようにしても構わない。
即ち、合成部15において、図4(c)のようなチャンネル周波数fbの放送信号を受信したとき、TSパケットP5,P6が正常に受信していないことを確認する。このとき、図4(b)のようなチャンネル周波数faの放送信号によって正常に受信されたTSパケットP5,P6が組み込まれることで、図7(a)のようなTSパケットP4,P5,P6,P1,P2,P3,…が順番に、パケット処理部16に与えられ復号化される。
又、合成部15において、図5(b)のようなチャンネル周波数fbの放送信号を受信したとき、TSパケットP2−n,P3−nが正常に受信していないことを確認する。このとき、図5(a)のようなチャンネル周波数faの放送信号によって正常に受信されたTSパケットP2−n,P3−nが組み込まれることで、図7(b)のようなTSパケットP1−n,P2−n,P3−n,P4−n,P5−n,P6−n,…が順番に、パケット処理部16に与えられ復号化される。
即ち、合成部15において、図6(b)のようなチャンネル周波数fbの放送信号を受信したとき、TSパケットP5−n,P6−nが正常に受信していないことを確認する。このとき、図6(a)のようなチャンネル周波数faの放送信号によって正常に受信されたTSパケットP5−n,p6−nが組み込まれることで、図7(c)のようなTSパケットP4−n,P5−n,P6−n,P1−n,P2−n,P3−n,…が順番に、パケット処理部16に与えられ復号化される。
又、本実施形態において、TSパケットの順番の異なるチャンネル周波数fa,fbの2つの放送信号によって送信されるものとしたが、TSパケットの順番の異なる3つ以上の放送信号をそれぞれ異なるチャンネル周波数又は異なる通信路を用いて送信するものとしても構わない。このとき送信される放送信号として、3つの異なる放送信号が送信される例を図8に示す。このとき、放送局100が図2の構成に更に変調処理部及びアンテナが1つずつ付加された構成となるとともに、受信装置101が図3の構成に更にアンテナ及びチューナ部及び復調部及びバッファが1つずつ付加された構成となる。
そして、放送局100より、図8(a)のようにP1,P2,P3,P4,P5,P6,…,Pn+1,Pn+2,Pn+3,Pn+4,Pn+5,Pn+6,…の順で読み出されたTSパケットによる放送信号がチャンネル周波数faで送信され、図8(b)のようにP4,P5,P6,P1,P2,P3,…,Pn+4,Pn+5,Pn+6,Pn+1,Pn+2,Pn+3,…の順で読み出されたTSパケットによる放送信号がチャンネル周波数fbで送信され、図8(c)のようにP4−n,P5−n,P6−n,P1−n,P2−n,P3−n,…,P4,P5,P6,P1,P2,P3,…の順で読み出されたTSパケットによる放送信号がチャンネル周波数fcで送信される。
このような3つの放送信号が受信装置101で受信されると、チャンネル周波数faによる放送信号を基準としたとき、通信路に異常が発生した期間Tにおいて送信されるTSパケットP2,P3がチャンネル周波数fb,fcの放送信号のいずれかによって補填され、図8(d)のようなTSパケットP1,P2,P3,P4,P5,P6,…が得られる。又、チャンネル周波数fbによる放送信号を基準としたとき、通信路に異常が発生した期間Tにおいて送信されるTSパケットP5,P6がチャンネル周波数fa,fcの放送信号のいずれかによって補填され、図8(e)のようなTSパケットP4,P5,P6,P1,P2,P3,…が得られる。又、チャンネル周波数fcによる放送信号を基準としたとき、通信路に異常が発生した期間Tにおいて送信されるTSパケットP5−n,P6−n,がチャンネル周波数fa,fbの放送信号のいずれかによって補填され、図8(f)のようなTSパケットP4−n,P5−n,P6−n,P1−n,P2−n,P3−n,…が得られる。
更に、このように3つ以上の異なる放送信号が送信されるとき、図3のように、受信装置101が2つの放送信号のみしか受信できない場合、まず、一方のチューナ部により1つの放送信号を受信装置101が受信し、そのヘッダ情報より、他のチャンネル周波数により放送信号が送信されることを確認する。そして、所定時間毎に、他方のチューナ部の残りの放送信号それぞれを順番に受信し、通信路が最も安定している放送信号を確認した後、この通信路が最も安定している放送信号を他方のチューナ部で受信するように、そのチャンネル周波数が選択される。
即ち、n局となるチャンネル周波数f1〜fnの放送信号により送信されているとともに、受信装置101がチューナ部12aでチャンネル周波数f1の放送信号を選局したとき、そのヘッダ情報を復調部13aで確認し、チャンネル周波数f2〜fnの放送信号で補填可能であることを認識する。そして、チューナ部12bにおけるチャンネル周波数をチャンネル周波数f2〜fnに1局毎に切り換えて設定し、各局の通信路状態を確認した後、最も通信路の安定しているチャンネル周波数fk(2≦k≦n)を選択し、チューナ部12におけるチャンネル周波数に設定する。その後の動作は、上述の第1例〜第3例で示した動作と同様の動作が行われる。
尚、上述の放送信号の構成を示す各例のような放送信号を複数送信することで、パケット数個が連続して欠落しても受信側で再生可能となる。又、上述のように、放送信号として送信される1パケットにTSパケット1つ含む場合であれば、ヘッダやエラー訂正符号の量にもよるが、略270バイト程度となる。この270バイトのパケットを54Mbpsで送信する場合、1パケットのデータ送信にかかる時間が、250×8/54,000,000sec+ギャップとなる。又、以下の説明では、その説明を容易にするため、2個のTSパケットがしめる時間を約0.1msecとする。
そして、上述のように2個のTSパケットによるエラーが発生したとき、その発生時間が0.1msecの連続エラーに相当する。このとき、2個のTSパケットよる連続エラーよりも長い時間の連続エラーに対応するために、受信側で受信されて得られるTSパケットの到着時間差を0.1msecよりも長くすればよい。即ち、各放送信号の間で補填を目的とする各パケットの送信される時間差を長くすることによって、受信側での到着時間差を長くすることができるため、長い時間の連続エラーに対応することができる。
よって、例えば、上述の各例におけるP1、P2・・・それぞれが、複数パケット単位のTSパケット群によるものとしても構わない。この複数パケット単位のTSパケット群による入れ替えを行うことで、長い時間の連続エラーに対応することができる。即ち、そのTSパケット群のパケット単位をそれぞれ10パケット、100パケット、1000パケット、10000パケットとしたとき、2単位分のTSパケット群により補填されるエラー時間をそれぞれ、1msec、10msec、100msec、1secと長くすることができる。
又、IPパケットのように、放送信号として送信される1パケットにTSパケットを複数個備えるとき、送信されるそのパケット長をIPパケットの最大長で送ると、そのサイズは1500バイトとなる。この場合、各レイヤーにおけるヘッダや、必要に応じてエラー訂正符号が加えられるので、188バイトのTSパケット6〜7個を備えたパケットを送信することになる。この1500バイトとなるパケットを54Mbpsで送信する場合、1パケットのデータ送信にかかる時間は、1500×8/54,000,000 sec+ギャップとなり、1個のパケットが閉める時間は略0.23msecになる。このような複数のTSパケットより構成される場合においても、より長い時間の連続エラーに対応するためには、受信側で受信されて得られるパケットの到着時間差を長くすればよい。
又、1つのTSパケットを備えた放送信号として送信されるパケットを、複数パケットを1単位として入れ替えるものとしても構わない。又、複数のTSパケットを備えたIPパケットの例のように、放送信号として送信される1つのパケット内に複数のTSパケットを備えるときに使用される場合でも、放送信号として送信される複数パケットを1単位として入れ替えるものとしても構わない。尚、本明細書において、入れ替えを行う放送信号として送信されるパケットやTSパケットやTSパケット群に対して、説明を簡単にするために、TSパケットが入れ替えられるものとして説明する。
又、複数の放送信号で補填される場合、その放送信号の1つを補填専用の放送信号としても構わない。更に、各放送信号が受信される方向を異なるものとしても構わない。このとき、受信装置では、受信される放送信号の方向が異なるため、方向性のある電波障害に対してより強い放送信号とすることができる。
又、本実施形態において、放送局より、異なるチャンネル周波数又は無線通信路を用いて、TSパケットの順番が異なる放送信号を送信するものとしたが、有線通信路を含む複数の異なる通信路より、TSパケットの順番が異なる放送信号を送信するものとしても構わない。例えば、図9のように、TSパケットの順番が異なる2つの放送信号を放送局100が生成して、一方の放送信号を無線通信路より送信するとともに、他方の放送信号をインターネット120を介したケーブル線や光ファイバやDSLなどの有線通信路によって送信する。
<第2の実施形態>
本発明の第2の実施形態について、図面を参照して説明する。図10は、本実施形態における通信システムの構成を示すブロック図である。又、図11は、本実施形態における中継局の内部構成を示すブロック図である。尚、本実施形態では、第1の実施形態と同様、AVデータを含む放送信号が送信される放送通信システムを例に挙げて説明する。
図10の通信システムは、AVデータを含む放送信号をアンテナ110より送信する放送局100と、放送局100からの放送信号を受信するとともにアンテナ111より放送信号を再度送信する中継局102と、放送局100及び中継局102から送信された放送信号を受信する受信装置101と、より構成される。このとき、放送局100において、チャンネル周波数faの放送信号が生成された後、1つのアンテナ110から送信される。そして、この放送局100から送信される放送信号を中継局102が受信すると、中継局102において、一度、TSパケットが再生された後に、そのTSパケットの順番が組み替えられた放送信号が生成される。
このように中継局102で生成された放送信号は、放送局100から送信される放送信号と異なるチャンネル周波数fb又は異なる無線通信路によって送信される。よって、放送局100及び中継局102より同一のAVデータより生成された複数の放送信号が送信され、この複数の放送信号が受信装置101において受信されると、この複数の放送信号より得られるデータを合成することで元のAVデータが再現される。
このとき、本実施形態における放送局100は、図2のように複数の放送信号を送信できる構成としても構わないし、図2の構成から変調処理部4b及びアンテナ110bを除去することで1つの放送信号のみを送信する構成としても構わない。このようにして放送局100から送信される放送信号を受信して、そのTSパケットの組み替えを行った放送信号を生成して再送する中継局102について、以下に説明する。
図11に示す中継局102は、放送局100から送信される放送信号を受信するアンテナ21と、アンテナ21で受信された高周波信号より所望の放送信号を選局するチューナ部22と、チューナ部22で選局された放送信号をデジタルデータに変換した後に復調処理を施して所望の番組のTSパケットを生成する復調部23と、復調部23で確認されたTSパケットを一時的に格納するバッファ24と、バッファ24から読み出してTSパケットを多重化した後に誤り訂正符号化などを施すとともに変調処理を行い高周波信号を生成する変調処理部25と、変調処理部25で生成した高周波信号を放送信号として送信するアンテナ111と、を備える。
このように構成されるとき、放送局100よりチャンネル周波数faの放送信号が送信されると、中継局102では、アンテナ21で受信する。このとき、チューナ部22で受信するチャンネル周波数がfaに設定されているため、チューナ部22において、チャンネル周波数faの放送信号を選局する。そして、復調部23において、チャンネル周波数faで送信された放送信号に対する変調方式に応じて復調動作を行う。このとき、受信した放送信号をデジタル信号に変換して復調動作を行い、この復調された信号に対して誤り訂正処理又は誤り検出処理を行ってトランスポートストリームを生成した後、トランスポートストリームを分離してTSパケットを生成する。このようにして復調部23で得られたTSパケットを順番にバッファ24に格納する。
このようにバッファ24に格納されたTSパケットが、変調処理部25によって、復調部23で生成されたTSパケットと異なる順番で選択的に読み出して多重化した後、誤り訂正符号又は誤り検出符号を付加して誤り訂正符号化又は誤り検出符号化を施す。その後、OFDM方式又はPSK方式又はQPSK方式又はQAM方式などの変調方式に従って変調した後、チャンネル周波数fbの高周波信号を生成し、アンテナ111より送信する。このように動作するとき、変調処理部25において、チャンネル周波数を放送局100から送信された放送信号のチャンネル周波数と異なるものとするだけでなく、放送局100が使用する変調方式と異なる変調方式が用いられるものとし、放送局100及び中継局102より異なる無線通信路によって放送信号が送信されるものとしても構わない。
このように、放送局100及び中継局102それぞれより、同一番組を表すTSパケットが異なる順番で組み込まれた放送信号が送信されるとき、受信装置101では、この複数の放送信号を受信して、第1の実施形態と同様の動作を行うことによって、複数の放送信号から得られるTSパケットを合成する。即ち、第1の実施形態で説明した放送信号及び放送信号の受信動作(図5〜図8)に示す複数の放送信号が送信されると、受信装置101では、この複数の放送信号より、基準となる放送信号において正常に受信されなかったTSパケットを確認したとき、他の放送信号より得られるTSパケットにより補填を行うことで合成する。
以下に、図5における動作例に基づいて、本実施形態の動作について説明する。図4(a)のように生成されたTSパケットP1,P2,P3,…が、放送局100より、図5(a)におけるP1,P2,P3,…,Pn+1,Pn+2,Pn+3,…の順で、チャンネル周波数faの放送信号に変化されて送信される。このチャンネル周波数faの放送信号が中継局102のアンテナ21及びチューナ部22で受信されると、復調部23で復調処理が行われてTSパケットが生成される。そして、TSパケットP1,P2,P3,…,Pn+1,Pn+2,Pn+3,…が順にバッファ24に格納される。
このようにしてバッファ24に復調されたTSパケットが格納されると、変調処理部25において、バッファ24に格納されたTSパケットを読み出して、チャンネル周波数fbによる高周波信号を生成し、アンテナ26より送信する。このとき、チャンネル周波数faによる放送信号により補填可能であることを示すヘッダ情報が変調処理部25で付加される。このように中継局102では、放送局100からの放送信号を復調した後に変調を行って送信するため、放送局100からの放送信号に対して遅延が発生する。よって、この中継局102のアンテナ26から、図5(b)のように、TSパケットがP1−n,P2−n,P3−n,…,P1,P2,P3,…の順となるチャンネル周波数fbによる高周波信号が生成されて、アンテナ26より送信される。
よって、受信装置101では、第1の実施形態と同様の動作を行うことで、図5(a)のような順のTSパケットによって構成されるチャンネル周波数faの放送信号及び図5(b)のような順のTSパケットによって構成されるチャンネル周波数fbの放送信号を受信する。そして、受信装置101において、チャンネル周波数faの放送信号より得られるTSパケットを、チャンネル周波数fbの放送信号より得られるTSパケットによって補填することで、正常に受信されたTSパケットより成る放送信号を受信することができる。
尚、本実施形態において、図5における例を用いて動作を説明したが、図6又は図7における例による動作を行うものとしても構わない。更に、複数の中継局より複数のTSパケットの順の異なる放送信号が送信されることにより、又は、放送局より複数のTSパケットの順の異なる放送信号が送信されることにより、例えば、TSパケットの順の異なる3つの放送信号が送信されるような図8のような動作を行うものとしても構わないし、更に複数の放送信号が送信されるようなものとしても構わない。このように複数の放送信号が送信されるとき、更に、通信路状態の良好な放送信号を選択して補填するようにしても構わない。
又、本実施形態において、放送局及び中継局より、異なるチャンネル周波数又は無線通信路を用いて、TSパケットの順番が異なる放送信号を送信するものとしたが、有線通信路を含む複数の異なる通信路より、TSパケットの順番が異なる放送信号を送信するものとしても構わない。例えば、図12のように、放送局100より無線通信路を介して放送信号が送信されるとともに、中継局102が放送局100からの放送信号とTSパケットの順番が異なる放送信号を生成して、インターネット120を介したケーブル線や光ファイバやDSLなどの有線通信路によって送信する。
更に、中継局102から放送局100に対して再送要求を行うものとしても構わない。このとき、放送局100と中継局102との間において通信可能な専用のチャンネル又は放送信号に使用される通信媒体と異なる通信媒体などによる専用の通信路が設けられる。この専用の通信路は、中継局102から放送局100への再送要求専用に使用される。即ち、中継局102で正常に受信されなかったTSパケットの再送要求が専用の通信路を通じて放送局100に成される。この再送要求を受信した放送局100は、再送要求されたTSパケットをチャンネル周波数faの放送信号に追加して送信する。そして、中継局102において、再送されたTSパケットによって正常にTSパケットを受信すると、この再送されたTSパケットを用いて正常に受信されなかったTSパケットが補完された後、チャンネル周波数fbの放送信号を生成して送信する。
又、受信装置101では、再送するTSパケットを含む放送局100からのチャンネル周波数faの放送信号と、補完されたTSパケットを含む中継局102からのチャンネル周波数fbの放送信号と、を受信する。よって、放送局100からの送信状態が悪化した場合、中継局102により再送要求されるため、受信装置101においても再送されたTSパケットを受信することができる。このように動作するとき、チャンネル周波数fa、fbそれぞれの間における同一TSパケットの遅延時間が、この放送局100と中継局102との間における再送動作による遅延時間を含むものとしても構わない。
又、専用のチャンネルを用いて、中継局102から放送局100への再送要求を行うとともに、放送局100から中継局102への再送要求されたTSパケットを再送するようにしても構わない。このようにすることで、中継局102において、TSパケットを正常に受信する確率を高くすることができる。
又、本実施形態において中継局102より補填を行うための放送信号が送信されるとき、この放送信号には、放送局100から送信される放送信号に含まれるコンテンツと同一の内容のコンテンツが含まれる。このとき、このコンテンツ以外のコマーシャルなどのコンテンツに付加される内容については、放送局100及び中継局102で扱う内容が異なるものとしても構わない。このとき、受信装置101側では、中継局102より受信した補填を行うための放送信号よりコンテンツ部分のみを抜き出して、放送局100から送信された放送信号より得られるコンテンツの補填を行う。
又、本実施形態において、放送局と中継局から送信される図5(a)、(b)のような放送信号で補填するものを例示したが、図5(a)、(b)のような放送信号それぞれが単独で放送として成り立つものであり、異なる放送局から送信されるものであっても構わない。即ち、例えば、放送局xからの図5(a)の放送信号が地域X用の放送信号であり、放送局yからの図5(b)の放送信号が地域Y用の放送信号であるものとし、図5(a)、(b)それぞれの放送信号が送信される放送範囲が異なるものとする。そして、図5(a)、(b)(図5とは限らず、例えば、図4又は図7のような送信順序としても構わない)のように、それぞれの放送局x,yから送信される放送信号のパケット送信順序を変える。このとき、受信装置が地域X,Yそれぞれが重なった地域にある場合、放送局x、yそれぞれから送信される図5(a)、(b)の放送信号を両方受信できる。よって、図5(a)、(b)の放送信号を受信した受信装置は、この2つの放送信号で補填を行い、より安定した受信を行うことができる。
又、このように同じ内容の放送信号を送信する複数の放送局から送信される放送信号を用いて補填する例を説明したが、異なる地域それぞれに送信される放送信号でなく、同一地域を対象にした異なる放送局より異なるチャンネルを用いて送信されるものとしても構わない。即ち、図5(a)、(b)の放送信号が、同一地域を対象にした異なる放送局より異なるチャンネルを用いて送信される放送信号であっても構わない。これらのように、既にそれぞれが単独の放送として成立する複数の放送信号を用いることで、補填専用の帯域を新たに追加する必要がないため、その帯域を全く消費することなく実施することが可能である。
<第3の実施形態>
本発明の第3の実施形態について、図面を参照して説明する。図13は、本実施形態における放送局の内部構成を示すブロック図であり、図14は、本実施形態における受信装置の内部構成を示すブロック図である。尚、本実施形態では、第1の実施形態と同様、図1のような構成の放送通信システムが構成されている。
本実施形態における放送局100は、図13に示すように、AVソースからのコンテンツを構成するAVデータをデジタル符号化する符号化部1aと、AVソースからのコンテンツを構成するAVデータをデータ量の少ないAVデータに変換するデータ変換部5と、データ変換部5からのAVデータをデジタル符号化する符号化部1bと、符号化部1a,1bそれぞれで得られたデジタルデータをパケット化したTSパケットを生成するパケット処理部2a,2bと、パケット処理部2a,2bそれぞれで生成されたTSパケットを一時的に格納するバッファ3a,3bと、バッファ3a,3bそれぞれから読み出してTSパケットを多重化した後に誤り訂正符号化などを施すとともに変調処理を行い高周波信号を生成する変調処理部4a,4bと、を備える。
このように構成される放送局100において、AVソースから走査線本数の多いHDTV(High Definition Television)用のAVデータが符号化部1a及びデータ変換部5に与えられる。そして、データ変換部5において、HDTV用のAVデータがSDTV(Standard Definition Television)用のAVデータに変換されて、符号化部1bに与えられる。よって、符号化部1a,1bそれぞれにおいて、同一フレームにおけるデータ量の異なるAVデータに対するデジタルデータが生成される。尚、符号化部1a,1bでは、MPEG方式のような圧縮符号化方式と異なり、単純にフレーム毎のデジタル変換を行う符号化方式が用いられるものとする。
このように符号化部1a,1bそれぞれで生成されたデジタルデータがそれぞれパケット処理部2a,2bに与えられると、HDTV用のAVデータに基づくTSパケットが生成されてバッファ3aに格納されるとともに、SDTV用のAVデータに基づくTSパケットが生成されてバッファ3bに格納される。このとき、バッファ3aに格納されるTSパケットPkがフレームFxのブロックBkに対して生成されるものとしたとき、バッファ3bにはフレームFxのブロックBkより生成されるTSパケットPakが格納される。
そして、変調処理部4aでは、バッファ3aから順番に読み出したTSパケットを多重化して誤り訂正符号化又は誤り訂正検出符号化した後、所定の変調方式に従って変調してチャンネル周波数faの高周波信号を生成し、アンテナ110aより放送信号として送信する。又、変調処理部4bでは、バッファ3bより変調処理部4aと異なる順番で読み出したTSパケットを多重化して誤り訂正符号化又は誤り訂正検出符号化した後、所定の変調方式に従って変調してチャンネル周波数fbの高周波信号を生成し、アンテナ110bより放送信号として送信する。
又、本実施形態の受信装置101は、図14に示すように、図3の構成に、バッファ14bに格納されているTSパケットを読み出してバッファ14aと同一の形式のTSパケットに変換して合成部15に与えるデータ変換部20が付加された構成となる。即ち、上述のように、放送局100よりHDTV用及びSDTV用それぞれのAVデータより成る放送信号が送信されるとき、バッファ14aにはHDTV用のTSパケットが格納され、バッファ14bにはSDTV用のTSパケットが格納される。
そして、バッファ14bに格納されたSDTV用のTSパケットがデータ変換部20によって読み出されて、HDTV用のTSパケットに変換されて合成部15に与えられる。よって、合成部15では、バッファ14aより読み出したHDTV用のTSパケットをデータ変換部20からのTSパケットにより補填する。このようにして合成部15で得られたTSパケットがパケット処理部16でデジタルデータに変化された後、復号化部17で復号化されてAVデータが得られる。このAVデータが出力部18に与えられることで、映像及び音声が再生出力される。
このように構成されるときの放送信号の送信動作及び受信動作の詳細について、図15のタイミングチャートを参照して以下に説明する。放送局100では、パケット処理部2aにおいて、HDTV用のAVデータにおけるブロックB1,B2,B3,…,Bn+1,Bn+2,Bn+3,…それぞれに対して、図15(a)のように、TSパケットP1,P2,P3,…,Pn+1,Pn+2,Pn+3,…が生成されて、バッファ3aに格納される。又、パケット処理部2bにおいて、SDTV用のAVデータにおけるブロックB1,B2,B3,…,Bn+1,Bn+2,Bn+3,…それぞれに対して、図15(b)のように、TSパケットPa1,Pa2,Pa3,…,Pan+1,Pan+2,Pan+3,…が生成されて、バッファ3bに格納される。
そして、変調処理部4aが、図15(c)のように、P1,P2,P3,P4,P5,P6,…,Pn+1,Pn+2,Pn+3,Pn+4,Pn+5,Pn+6,…の順で、バッファ3aに格納されたTSパケットを読み出して、チャンネル周波数faによる高周波信号を生成し、アンテナ110aより送信する。又、変調処理部4bが、図15(d)のように、Pa4,Pa5,Pa6,Pa1,Pa2,Pa3,…,Pan+4,Pan+5,Pan+6,Pan+1,Pan+2,Pan+3,…の順で、バッファ3bに格納されたTSパケットを読み出して、チャンネル周波数fbによる高周波信号を生成し、アンテナ110bより送信する。
このようにして、チャンネル周波数fa,fbによる高周波信号となる放送信号が送信されると、受信装置101において受信され、バッファ14aに、図15(c)のような順でTSパケットP1,P2,P3,P4,P5,P6,…が格納されるとともに、バッファ14bに、図15(d)のような順でTSパケットPa4,Pa5,Pa6,Pa1,Pa2,Pa3,…が格納される。そして、図15(c)、(d)のように、期間Tにおいて通信路状態が悪化し、チャンネル周波数faについてはTSパケットP2,P3が、チャンネル周波数fbについてはTSパケットPa5,Pa6が、それぞれ正常に受信されなかったものとする。
このとき、合成部15では、バッファ14aに格納されたTSパケットの内、TSパケットP2,P3が正常に受信できなかったことを確認する。よって、データ変換部20によってバッファ14bに格納されたTSパケットP2,P3と同一のブロックB2,B3より生成されたTSパケットPa2,Pa3が読み出される。そして、このバッファ14bから読み出したTSパケットPa2,Pa3を、データ変換部20によって、HDTV用のTSパケットPb2,Pb3に変換する。このときデータのない走査線部分を補間処理などを行うことでデータ変換処理が行われる。
このように変換されたTSパケットPb2,Pb3を、合成部15において、バッファ14aから読み出された正常に受信されたTSパケットに組み込むことで、図15(e)のように合成する。よって、正常に受信されたTSパケットP1,Pb2,Pb3,P4,P5,P6,…が順番に、合成部15からパケット処理部16に与えられることで、パケット処理部16及び復号化部17で復号化されて、出力部18で映像及び音声が再生出力される。
尚、本実施形態において、第1の実施形態の図4の例に準じた動作が行われるものとしたが、図5〜図7の例に準じた動作が行われるものとしても構わない。又、データ変換されて得たTSパケットについて、生成された順に送信されるものとしても構わない。更に、TSパケットの順番が異なる放送信号を送信する通信路を異なる無線通信路によるものとしても構わないし、図9のように、TSパケットの順番が異なる2つの放送信号を放送局100が生成して、一方の放送信号を無線通信路より送信するとともに、他方の放送信号をインターネット120を介したケーブル線や光ファイバやDSLなどの有線通信路によって送信するものとしても構わない。又、受信装置100において、データ量の多いTSパケットを基準として再生動作を行うものとしたが、データ量の少ないTSパケットを基準として再生動作を行うものとしても構わない。
更に、本実施形態においては、TSパケットの順番の異なるチャンネル周波数fa,fbの2つの放送信号によって送信されるものとしたが、TSパケットの順番の異なる3つ以上の放送信号をそれぞれ異なるチャンネル周波数又は異なる通信路を用いて送信するものとしても構わない。このとき送信される放送信号として、3つの異なる放送信号が送信される例を図16に示す。このとき、放送局100が図13の構成に更にデータ変換部及び符号化部及びパケット処理部及びバッファ及び変調処理部及びアンテナが1つずつ付加された構成となるとともに、受信装置101が図14の構成に更にアンテナ及びチューナ部及び復調部及びバッファ及びデータ変換部が1つずつ付加された構成となる。
そして、放送局100より、図16(a)のようにP1,P2,P3,P4,P5,P6,…,Pn+1,Pn+2,Pn+3,Pn+4,Pn+5,Pn+6,…の順で読み出されたHDTV用のTSパケットによる放送信号がチャンネル周波数faで送信され、図16(b)のようにPa4,Pa5,Pa6,Pa1,Pa2,Pa3,…,Pan+4,Pan+5,Pan+6,Pan+1,Pan+2,Pan+3,…の順で読み出されたSDTV用のTSパケットによる放送信号がチャンネル周波数fbで送信され、図16(c)のようにPc4−n,Pc5−n,Pc6−n,Pc1−n,Pc2−n,Pc3−n,…,Pc4,Pc5,Pc6,Pc1,Pc2,Pc3,…の順で読み出された携帯電話用のTSパケットによる放送信号がチャンネル周波数fcで送信される。
このような3つの放送信号が受信装置101で受信されると、チャンネル周波数faによる放送信号を基準としたとき、通信路に異常が発生した期間Tにおいて送信されるTSパケットP2,P3がチャンネル周波数fbの放送信号によって補填される場合、図16(d)のようなTSパケットP1,Pb2,Pb3,P4,P5,P6,…が得られる。又、通信路に異常が発生した期間Tにおいて送信されるTSパケットP2,P3がチャンネル周波数fcの放送信号によって補填される場合、図16(e)のようなTSパケットP1,Pd2,Pd3,P4,P5,P6,…が得られる。尚、チャンネル周波数fb、fcによる放送信号を基準として、他の放送信号より得られるTSパケットを変換して補填処理を行うものとしても構わない。即ち、例えば、チャンネル周波数fbの放送信号が、周波数fcの放送信号のTSパケットにより補填された周波数fbの放送信号におけるTSパケットにより補填され、図16(f)のようなTSパケットPa4,Pe5,Pe6,Pa1,Pa2,Pda,…が得られるものとしても構わない。
更に、第2の実施形態と同様、中継局102による送信動作が行われることで、複数の放送信号が送信されるものとしても構わない。このとき、中継局102が、図17のように、図11の構成に、復調部23で得られたTSパケットをチューナ部22で受信した放送信号に対するものと異なる方式のTSパケットに変換するデータ変換部27が付加された構成とされる。よって、放送局100より図15(c)のような順番のHDTV用のTSパケットによる放送信号がチャンネル周波数faで送信されているとき、中継局102では、このチャンネル周波数faによる放送信号をチューナ部22で選局する。そして、復調部23でHDTV用のTSパケットを生成すると、データ変換部27でSDTV用のTSパケットに変換してバッファ24に格納する。そして、バッファ24に格納されたSDTV用のTSパケットを、図15(d)のような順番で変調処理部25で読み出すと、アンテナ26よりチャンネル周波数fbによる放送信号として送信する。
又、本実施形態において、データ変換部5においてAVデータのデータ変換が行われるものとしたが、符号化部1a,1bに与えられるAVデータを同一のものとするとともに、符号化部1a,1bにおいて圧縮率の異なる圧縮符号化が成されるものとしても構わない。このとき、受信装置102のデータ変換部20では、得られたTSパケットの圧縮率を変化させることでデータ変換を行う。
<第4の実施形態>
本発明の第4の実施形態について、図面を参照して説明する。図18は、本実施形態における放送局の内部構成を示すブロック図であり、図20は、本実施形態における受信装置の内部構成を示すブロック図である。尚、本実施形態では、第3の実施形態と同様、図1のような構成の放送通信システムが構成されている。
本実施形態の放送局100は、図18に示すように、図13の構成に、変調処理部4bによるバッファ3a,3bからの読み出しを切り換えるスイッチSW1と、符号化部1b及びパケット処理部2b及びバッファ3b及び変調処理部4b及びデータ変換部5及びスイッチSW1の動作制御を行う制御部6と、アンテナ110bと接続されて使用されているチャンネル周波数を確認する使用チャンネル確認部7と、を付加した構成である。このように構成されるとき、図13と同様の構成については、第3の実施形態において説明した動作と同様の動作を行うため、その詳細な説明は省略する。
このように構成される放送局100は、第3の実施形態における放送局100(図13)と異なり、複数のチャンネル周波数を使用して放送信号が送信可能であるか否かが確認され、各ブロックの動作が制御される。このときの動作について、図19のフローチャートを参照して以下に説明する。図19は、放送局100における放送信号の送信動作を示すフローチャートである。
まず、使用チャンネル確認部7において、チャンネル周波数を切り換えてアンテナ110bを介する受信動作を行い、受信信号が存在するか否かが各チャンネル毎に確認されることで、空きチャンネルが検索される(STEP1)。そして、使用チャンネル確認部7の検索結果より、変調処理部4aにより生成されてアンテナ110aより送信されている放送信号に使用されるチャンネル周波数faと同等以上の周波数帯域の空きチャンネルが存在するか否かが制御部6で確認される(STEP2)。
このとき、チャンネル周波数faと同等以上の周波数帯域の空きチャンネルが確認されなかったとき(No)、使用チャンネル確認部7の検索結果より、チャンネル周波数faよりも狭い周波数帯域の空きチャンネルが存在するか否かが制御部6で確認される(STEP3)。又、STEP2において、チャンネル周波数faと同等以上の周波数帯域の空きチャンネルが確認されたとき(Yes)、複数のチャンネル周波数での送信が許可されているか否かが確認される(STEP4)。
そして、複数のチャンネル周波数での送信が許可されている場合(Yes)、制御部6によって、スイッチSW1がバッファ3aと変調処理部4bとの間を接続するように切り換えられるとともに、変調処理部4bがSTEP1で検索された空きチャンネルのチャンネル周波数によって放送信号を生成するように設定される(STEP5)。このとき、STEP1でチャンネル周波数fbとなる空きチャンネルが確認された場合、第1の実施形態と同様の動作を変調処理部4bが行うことで、例えば、図4(c)のような順番でTSパケットをバッファ3aより読み出して変調して放送信号を生成した後、アンテナ110bより送信する。尚、制御部6によって、符号化部1b及びパケット処理部2b及びバッファ3b及びデータ変換部5はOFFとされる。
このような2つの放送信号の送信動作を開始すると、変調処理部4aにおいて、STEP1で確認されたチャンネル周波数による放送信号を送信することを示す追加情報を、変調して生成した放送信号に付加して、アンテナ110aよりチャンネル周波数faを介して送信する(STEP6)。このとき、STEP5で、チャンネル周波数fbを用いて、チャンネル周波数faの放送信号と同様のHDTV用のTSパケットを用いた放送信号が送信される場合、STEP6の追加情報として、送信に用いられるチャンネル周波数fbであるとともにHDTV用のTSパケットによる放送信号が送信されることを示す情報が与えられる。
又、STEP3において、チャンネル周波数faよりも狭い周波数帯域の空きチャンネルが確認されたとき(Yes)、複数のチャンネル周波数での送信が許可されているか否かが確認される(STEP7)。そして、複数のチャンネル周波数での送信が許可されている場合(Yes)、制御部6によって、符号化部1b及びパケット処理部2b及びバッファ3b及び変調処理部4b及びデータ変換部5がONとされるとともにスイッチSW1がバッファ3bと変調処理部4bとの間を接続するように切り換えられる(STEP8)。そして、変調処理部4bがSTEP1で検索された空きチャンネルのチャンネル周波数によって放送信号を生成するように設定される。このとき、STEP1でチャンネル周波数fbとなる空きチャンネルが確認された場合、第3の実施形態と同様の動作を変調処理部4bが行うことで、例えば、図15(d)のような順番でTSパケットをバッファ3bより読み出して変調して放送信号を生成した後、アンテナ110bより送信する。
このような2つの放送信号の送信動作を開始すると、変調処理部4aにおいて、STEP1で確認されたチャンネル周波数による放送信号を送信することを示す追加情報を、変調して生成した放送信号に付加して、アンテナ110aよりチャンネル周波数faを介して送信する(STEP9)。このとき、STEP8で、チャンネル周波数fbを用いて、チャンネル周波数faの放送信号と異なるSDTV用のTSパケットを用いた放送信号が送信される場合、STEP9の追加情報として、送信に用いられるチャンネル周波数fbであるとともにSDTV用のTSパケットによる放送信号が送信されることを示す情報が与えられる。
又、STEP2及びSTEP3の両方で空きチャンネルが確認されなかったとき(No)、又は、STEP4又はSTEP7において複数の放送信号における送信が許可されていない場合(No)、制御部6によって、符号化部1b及びパケット処理部2b及びバッファ3b及び変調処理部4b及びデータ変換部5をOFFのままとして、変調処理部4aで生成されるチャンネル周波数faによる放送信号のみによる送信動作を行う(STEP10)。又、STEP6又はSTEP9のように追加情報を付加したチャンネル周波数faの放送信号が送信されると、アンテナ110a,110bにより2つのチャンネル周波数を用いたTSパケットの順番の異なる2つの放送信号の送信動作が行われる(STEP11)。
又、本実施形態の受信装置101は、図20に示すように、図14の構成に、バッファ14bとデータ変換部20及び合成部15との間の接続を切り換えるスイッチSW2と、復調部13aで復調された放送信号より追加情報を確認する追加情報確認部30と、を付加した構成である。このように構成されるとき、図14と同様の構成については、第3の実施形態において説明した動作と同様の動作を行うため、その詳細な説明は省略する。
このように構成される受信装置101は、第3の実施形態における受信装置101(図14)と異なり、複数のチャンネル周波数を使用して放送信号が送信されているか否かが確認され、各ブロックの動作が制御される。このときの動作について、図21のフローチャートを参照して以下に説明する。図21は、受信装置101における放送信号の受信動作を示すフローチャートである。
まず、チューナ部12aによってチャンネル周波数faによる選局を行って受信動作を確認すると、復調部13aで放送信号が復調されたとき、追加情報の存否を確認するために追加情報の収集動作が追加情報確認部30によって行われる(STEP101)。そして、追加情報確認部30による収集動作によって、チャンネル周波数faにより送信される放送信号を構成するTSパケットと同一のデータサイズのTSパケットにより構成される放送信号を追加で送信していることを示す追加情報が得られたか否かが確認される(STEP102)。
このとき、チャンネル周波数faにより送信される放送信号を構成するTSパケットと同一のデータサイズのTSパケットにより構成される放送信号の追加送信が確認されなかったとき(No)、チャンネル周波数faにより送信される放送信号を構成するTSパケットと異なるデータサイズのTSパケットにより構成される放送信号を追加で送信していることを示す追加情報が得られたか否かが確認される(STEP103)。
又、STEP102において、チャンネル周波数faにより送信される放送信号を構成するTSパケットと同一のデータサイズのTSパケットにより構成される放送信号の追加送信が確認されたとき(Yes)、制御部19によってチューナ部12b及び復調部13b及びバッファ14bをONとするとともに、スイッチSW2によってバッファ14bと合成部15との間が接続され、2つの放送信号による受信動作を開始する(STEP104)。このとき、チューナ部12bは、追加情報確認部30によって確認された追加送信されている放送信号のチャンネル周波数で選局を行うように、制御部19によって設定される。このように必要な場合のみ対応する回路を駆動するので、無駄な電力消費をなくすことができる。
即ち、例えば、放送局100より、図4(b)、(c)のような順となるHDTV用のTSパケットで構成される放送信号がそれぞれ、チャンネル周波数fa,fbより送信されるとき、チューナ部12bがONとされて、第1の実施形態と同様、チャンネル周波数fbによる選局動作を行う。そして、復調部13bによって復調されて得たHDTV用のTSパケットがバッファ14bに格納される。よって、合成部15において、復調部13aで復調されてバッファ14aに格納されたTSパケットに異常が確認されたとき、バッファ14bから異常を確認したTSパケットと同じTSパケットをスイッチSW2を介して読み出して、第1の実施形態と同様の合成動作を行う。
又、STEP103において、チャンネル周波数faにより送信される放送信号を構成するTSパケットと異なるデータサイズのTSパケットにより構成される放送信号の追加送信が確認されたとき(Yes)、制御部19によってチューナ部12b及び復調部13b及びバッファ14b及びデータ変換部20をONとするとともに、スイッチSW2によってバッファ14bとのデータ変換部20と間が接続され、2つの放送信号による受信動作を開始する(STEP105)。このとき、チューナ部12bは、追加情報確認部30によって確認された追加送信されている放送信号のチャンネル周波数で選局を行うように、制御部19によって設定される。
即ち、例えば、放送局100より、図15(c)のような順となるHDTV用のTSパケットで構成される放送信号と図15(d)のような順となるSDTV用のTSパケットで構成される放送信号とがそれぞれ、チャンネル周波数fa,fbより送信されるとき、チューナ部12bがONとされて、第3の実施形態と同様、チャンネル周波数fbによる選局動作を行う。そして、復調部13bによって復調されて得たSDTV用のTSパケットがバッファ14bに格納される。よって、合成部15において、復調部13aで復調されてバッファ14aに格納されたTSパケットに異常が確認されたとき、バッファ14bから異常を確認したTSパケットと同じブロックのTSパケットがスイッチSW2を介してデータ変換部20によって読み出されてデータ変換される。そして、このデータ変換部20でデータ変換されたTSパケットが合成部15に与えられ、第3の実施形態と同様の合成動作を行う。
又、STEP102及びSTEP103の両方において、追加情報が確認されなかったとき、放送局100からは1つの放送信号しか送信されていないことが確認されるため、御部19によってチューナ部12b及び復調部13b及びバッファ14b及びデータ変換部20をOFFのままとして1つの放送信号に対する受信動作を行う(STEP106)。即ち、チューナ部12a及び復調部13a及びバッファ14aのみを動作させることで、チャンネル周波数faにおける放送信号の受信動作のみを行う。
尚、本実施形態において、チャンネル周波数fa及びチャンネル周波数faと異なるチャンネル周波数によって送信される放送信号が、図4又は図15に示す順番のTSパケットによるものとしたが、このようなTSパケットの順番に限らず、互いに順番が異なるものであれば、第1及び第3の実施形態で説明した別の順番を用いるものとしても構わない。又、第1及び第3の実施形態で説明したように、複数の放送信号を送信する際、チャンネル周波数だけでなく異なる無線通信路により送信するものとしても構わないし、又、有線通信路を含む異なる通信路により送信するものとしても構わない。更に、第1及び第3の実施形態で説明したように、3つ以上のTSパケットの順番が異なる放送信号を、3つ以上の異なる通信路又はチャンネル周波数で送信するものとしても構わない。
又、本実施形態において、第2の実施形態のように中継局102を用いて、この中継局102により送信可能なチャンネル周波数が確認されたとき、放送局100より送信される放送信号と異なる順番のTSパケットによる放送信号が送信されるものとしても構わない。このとき、中継局102より放送局100に対して、追加情報の放送信号への追加要求を行うことで、放送局100より追加情報が与えられた放送信号をチャンネル周波数faを介して送信する。
<第5の実施形態>
本発明の第5の実施形態について、図面を参照して説明する。図22は、本実施形態における通信システムの構成を示すブロック図である。又、図23は、本実施形態における放送局の内部構成を示すブロック図であり、図24は、本実施形態における受信装置の内部構成を示すブロック図である。
図22の通信システムは、第1の実施形態における通信システム(図1)と異なり、放送局100はアンテナ110を1つのみ使用して放送信号を送信する通信システムである。本実施形態においても、第1の実施形態と同様、TSパケットの順番の異なる複数の放送信号が放送局100より送信される。このとき、1つの放送信号のみが送信されるときに、この放送信号が送信されるチャンネル周波数における空き帯域が使用されて、他の複数の放送信号が送信される。即ち、複数の放送信号が1つのチャンネル周波数を用いて時分割されて送信される。
このような通信システムにおける放送局100は、図23に示すように、図2の構成から変調処理部4b及びアンテナ110bが除去された構成となる。又、受信装置101は、図24に示すように、図3の構成からアンテナ11b及びチューナ部12b及び復調部13bが除去された構成となる。このようにして、放送局100及び受信装置101が構成されるときの放送信号の送受信動作について、図25のタイミングチャートに従って説明する。図25は、本実施形態における送信される放送信号の一例及びこの放送信号による送受信動作を示すタイミングチャートである。
第1の実施形態と同様、放送局100において、パケット処理部2で、図25(a)のように、時系列順にTSパケットP1,P2,P3,…,Pn+1,Pn+2,Pn+3,…が生成されて、バッファ3に格納される。このようにして生成されたTSパケットがバッファ3に格納されると、バッファ3に格納されたTSパケットが変調処理部4aによって読み出されて、時分割された2つの高周波信号が生成される。
このとき、変調処理部4aは、図25(b)のように、周期t毎に、P1,P2,P3,P4,P5,P6,…,Pn+1,Pn+2,Pn+3,Pn+4,Pn+5,Pn+6,…の順で、バッファ3よりTSパケットを読み出す。又、変調処理部4aは、図25(b)のような順でTSパケットを読み出す時間から時間tk分遅延させて、図25(c)のように、P4,P5,P6,P1,P2,P3,…,Pn+4,Pn+5,Pn+6,Pn+1,Pn+2,Pn+3,…の順で、バッファ3に格納されたTSパケットを読み出す。即ち、変調処理部4aにおいて、図25(b)の順で読み出されるTSパケットの放送信号と、図25(c)の順で読み出されるTSパケットの放送信号とを、周期tで時分割する。
よって、図25(d)のように、TSパケットP1,P4,P2,P5,P3,P6,P4,P1,P5,P2,P6,P3,…,Pn+1,Pn+4,Pn+2,Pn+5,Pn+3,Pn+6,Pn+4,Pn+1,Pn+5,Pn+2,Pn+6,Pn+3,…となる放送信号を、アンテナ110aよりチャンネル周波数faによって送信する。このとき、第1の実施形態と同様、期間Tにおいて、通信路状態が悪化し、図25(b)の順で読み出されたTSパケットP2,P3と、図25(c)の順で読み出されたTSパケットP5,P6が、それぞれ正常に受信されなかったものとする。
このようにして、チャンネル周波数faによる高周波信号となる放送信号がアンテナ110aより送信されると、受信装置101において、アンテナ11aで受信される。そして、チューナ部12aにおいてチャンネル周波数faの放送信号が選局され、復調部13aで復調処理が行われて得られたTSパケットが、図25(e)のように、P1,P2,P3,P4,P5,P6,…,Pn+1,Pn+2,Pn+3,Pn+4,Pn+5,Pn+6,…の順で、バッファ14aに出力されて格納されるとともに、図25(f)のように、P4,P5,P6,P1,P2,P3,…,Pn+4,Pn+5,Pn+6,Pn+1,Pn+2,Pn+3,…の順で、バッファ14bに出力されて格納される。
そして、合成部15によって、バッファ14aに格納されたTSパケットP1,P2,P3,P4,P5,P6,…を順に読み出したとき、バッファ14aに格納されたTSパケットの内、TSパケットP2,P3が正常に受信できなかったことを確認する。このようにバッファ14aより順番に読み出したTSパケットの内、正常に受信されなかったTSパケットが確認されると、この正常に受信されなかったTSパケットに相当するTSパケットをバッファ14bより読み出して、バッファ14aから読み出された正常に受信されたTSパケットに組み込むことで、合成する。
即ち、合成部15では、バッファ14bより正常に受信されて再生されたTSパケットP2,P3を読み出して、バッファ14aより読み出したTSパケットP1,P4の間の位置に組み込むことで図25(g)のように合成する。そして、合成部15で合成された図25(g)のようなTSパケットP1,P2,P3,P4,P5,P6,…が順番に、パケット処理部16に与えられてESを生成する。そして、復号化部17において、MPEG方式などに従ってESの復号化を行うことでAVデータを生成し、出力部18で映像及び音声を再生出力する。
尚、本実施形態において、図4に準じた図25のような順番で同一のTSパケットより成る2つの放送信号を時分割して送信するものとしたが、図5〜図7に準じた順番で生成される2つの放送信号を時分割して送信するものとしても構わない。又、第2の実施形態と同様に、中継局102を備え、中継局102によって空き帯域を用いて時分割した放送信号を送信することで、複数の放送信号が送信されるものとしても構わない。
更に、1つの周期を3つ以上に分割し、3つの放送信号を時分割した放送信号を送信するものとしても構わない。このとき、図26のように、放送局100において、図26(a)のようにP1,P2,P3,P4,P5,P6,…,Pn+1,Pn+2,Pn+3,Pn+4,Pn+5,Pn+6,…の順で読み出されたTSパケットによる放送信号と、図26(b)のようにP4,P5,P6,P1,P2,P3,…,Pn+4,Pn+5,Pn+6,Pn+1,Pn+2,Pn+3,…の順で読み出されたTSパケットによる放送信号と、図26(c)のようにP4−n,P5−n,P6−n,P1−n,P2−n,P3−n,…,P4,P5,P6,P1,P2,P3,…の順で読み出されたTSパケットによる放送信号とが時分割される。
よって、図26(d)のように、TSパケットの順がP1,P4,P4−n,P2,P5,P5−n,P3,P6,P6−n,…,Pn+1,Pn+4,P4,Pn+2,Pn+5,P5,Pn+3,Pn+6,P6,…となる放送信号が、チャンネル周波数faで送信される。このように時分割されて送信された3つの放送信号を受信装置101が受信すると、図26(a)による放送信号を基準としたとき、図26(b)、(c)による放送信号のいずれかによって補填され、図26(e)のようなTSパケットP1,P2,P3,P4,P5,P6,…が得られる。図26(b)、(c)による放送信号のいずれかを基準とした場合も、他の2つの放送信号のいずれかによって補填されて、正常に受信された放送信号からのTSパケットが合成される。
<第6の実施形態>
本発明の第6の実施形態について、図面を参照して説明する。図27は、本実施形態における放送局の内部構成を示すブロック図であり、図30は、本実施形態における受信装置の内部構成を示すブロック図である。尚、本実施形態では、第5の実施形態と同様、図22のような構成の放送通信システムが構成されている。
本実施形態における放送局100は、図27に示すように、図13の構成から変調処理部4b及びアンテナ110bが削除されるとともに、アンテナ110aと接続されて空き帯域を確認する帯域確認部8及び制御部6が付加された構成となる。尚、制御部6は、第4の実施形態の放送局100における制御部6と同様、符号化部1b及びパケット処理部2b及びバッファ3b及び変調処理部4a及びデータ変換部5の動作制御を行う。このように構成されるとき、図13と同様の構成については、第3の実施形態において説明した動作と同様の動作を行うため、その詳細な説明は省略する。
このように構成される放送局100は、第5の実施形態における放送局100(図23)と異なり、チャンネル周波数の空き帯域を使用して複数の放送信号が送信可能であるか否かが確認され、各ブロックの動作が制御される。このときの動作について、図28のフローチャートを参照して以下に説明する。図28は、放送局100における放送信号の送信動作を示すフローチャートである。
まず、帯域確認部8において、アンテナ110aより送信する放送信号に用いるチャンネル周波数faに対して、アンテナ110aによって送受信する信号に用いる周波数帯域を確認することで、残りの空き帯域が検索される(STEP201)。そして、帯域確認部8の検索結果より、現在放送信号を送信しているのに使用されている周波数帯域(帯域幅A)と同等以上の帯域幅となる空き帯域が存在するか否かが制御部6で確認される(STEP202)。
このとき、チャンネル周波数faの空き帯域が使用帯域幅Aよりも広いことが確認されなかったとき(No)、帯域確認部8の検索結果より、パケット処理部2bで生成されたTSパケットを送信するのに十分な帯域幅Bよりも広い空き帯域が存在するか否かが制御部6で確認される(STEP203)。又、STEP202において、チャンネル周波数faの空き帯域が使用帯域幅Aよりも広いことが確認されたとき(Yes)、時分割送信が許可されているか否かが確認される(STEP204)。
そして、時分割送信が許可されている場合(Yes)、制御部6によって、バッファ3aによって読み出されるTSパケットを異なるタイミングで2回送信する時分割送信を行うように変調処理部4aが設定される(STEP205)。このとき、制御部6によって、符号化部1b及びパケット処理部2b及びバッファ3b及びデータ変換部5はOFFとされる。よって、変調処理部4aが、第5の実施形態の放送局100(図23)における変調処理部4aと同様の動作を行う。
即ち、図25(a)のようにして生成されたTSパケットがバッファ3aに格納されているとき、変調処理部4aによって、図25(b)のように周期t毎にTSパケットP1,P2,P3,P4,P5,P6,…が順に読み出されて生成される放送信号と、図25(c)のように周期t毎にTSパケットP4,P5,P6,P1,P2,P3,…が順に読み出されて生成される放送信号とが、時分割されて、チャンネル周波数faにおける1つの放送信号として送信される。よって、アンテナ110aより、図25(d)のようにP1,P4,P2,P5,P3,P6,P4,P1,P5,P2,P6,P3,…の順となるTSパケットで構成される放送信号が、チャンネル周波数faによって送信される。
このような2つの放送信号による時分割送信動作を開始すると、変調処理部4aにおいて、時分割送信を行っていることを示す追加情報を、変調して生成した放送信号に付加して、アンテナ110aよりチャンネル周波数faを介して送信する(STEP206)。このとき、時分割して追加したTSパケットが、元の放送信号で得られるTSパケットと同一のデータサイズのTSパケットであることを示す情報も、追加情報として与えられる。即ち、バッファ3aに格納されるTSパケットがHDTV用のTSパケットである場合、HDTV用のTSパケットによって生成された2つの放送信号による時分割送信を行うことを示す追加情報が付加される。
又、STEP203において、空き帯域幅が帯域幅Bよりも広いことが確認されたとき(Yes)、時分割送信が許可されているか否かが確認される(STEP207)。そして、時分割送信が許可されている場合(Yes)、制御部6によって、符号化部1b及びパケット処理部2b及びバッファ3b及びデータ変換部5がONとされる(STEP208)。このとき、第3の実施形態と同様、データ変換部5でデータ変換されたAVデータが符号化部1b及びパケット処理部2bに与えられて、パケット処理部2aで生成されるTSパケットよりもデータサイズの小さいTSパケットが生成されてバッファ3bに格納される。そして、変調処理部4aによって、バッファ3aに格納されたデータサイズの大きいTSパケットによる放送信号と、バッファ3bに格納されたデータサイズの小さいTSパケットによる放送信号の時分割が行われる。
即ち、第3の実施形態と同様、パケット処理部2aにおいて、HDTV用のAVデータにおけるブロックB1,B2,B3,B4,B5,B6,…それぞれに対して、図29(a)のように、TSパケットP1,P2,P3,P4,P5,P6,…が生成されて、バッファ3aに格納される。同様に、パケット処理部2bにおいて、SDTV用のAVデータにおけるブロックB1,B2,B3,B4,B5,B6,…それぞれに対して、図29(b)のように、TSパケットPa1,Pa2,Pa3,Pa4,Pa5,Pa6,…が生成されて、バッファ3bに格納される。
そして、変調処理部4aによって、図29(c)のように周期t毎にTSパケットP1,P2,P3,P4,P5,P6,…が順に読み出されて生成される放送信号と、図29(d)のように周期t毎にTSパケットPa4,Pa5,Pa6,Pa1,Pa2,Pa3,…が順に読み出されて生成される放送信号とが時分割される。このとき、図29(c)の放送信号を生成するTSパケットの読み出す時間に対して、図29(d)の放送信号を生成するTSパケットの読み出す時間を、時間taだけ遅延させる。そして、チャンネル周波数faにおける1つの放送信号として送信する。よって、アンテナ110aより、図29(e)のようにP1,Pa4,P2,Pa5,P3,Pa6,P4,Pa1,P5,Pa2,P6,Pa3,…の順となるTSパケットで構成される放送信号が、チャンネル周波数faによって送信される。
このような2つの放送信号による時分割送信動作を開始すると、変調処理部4aにおいて、時分割送信を行っていることを示す追加情報を、変調して生成した放送信号に付加して、アンテナ110aよりチャンネル周波数faを介して送信する(STEP209)。このとき、時分割して追加したTSパケットが、元の放送信号で得られるTSパケットよりも小さいデータサイズのTSパケットであることを示す情報も、追加情報として与えられる。即ち、図29の例の場合、バッファ3aに格納されるTSパケットがHDTV用のTSパケットとSDTV用のTSパケットとによって生成された2つの放送信号による時分割送信を行うことを示す追加情報が付加される。
又、STEP202及びSTEP203の両方で十分に広い空き帯域が確認されなかったとき(No)、又は、STEP204又はSTE207において複数の放送信号における時分割送信が許可されていない場合(No)、制御部6によって、符号化部1b及びパケット処理部2b及びバッファ3b及びデータ変換部5をOFFのままとして、変調処理部4aで生成されるチャンネル周波数faによる1つの放送信号のみによる送信動作を行う(STEP210)。又、STEP206又はSTEP209のように追加情報を付加したチャンネル周波数faの放送信号が送信されると、アンテナ110aによりチャンネル周波数faを用いたTSパケットの順番の異なる2つの放送信号の時分割送信動作が行われる(STEP211)。
又、本実施形態の受信装置101は、図30に示すように、図24の構成に、データ変換部20と、スイッチSW2と、追加情報確認部30と、を付加した構成である。尚、データ変換部20及びスイッチSW2及び追加情報確認部30は、第4の実施形態の受信装置101(図20)におけるデータ変換部20と、スイッチSW2と、追加情報確認部30と同様の動作を行う。このように構成されるとき、図20及び図24と同様の構成については、第4及び第5の実施形態において説明した動作と同様の動作を行うため、その詳細な説明は省略する。
このように構成される受信装置101は、第5の実施形態における受信装置101(図24)と異なり、1つのチャンネル周波数に複数の放送信号が時分割されて送信されているか否かが確認され、各ブロックの動作が制御される。このときの動作は、第4の実施形態と同様、図21のフローチャートを参照して以下に説明する。図31は、受信装置101における放送信号の受信動作を示すフローチャートである。
まず、チューナ部12aによってチャンネル周波数faによる選局を行って受信動作を確認すると、復調部13aで放送信号が復調されたとき、追加情報の存否を確認するために追加情報の収集動作が追加情報確認部30によって行われる(STEP301)。そして、追加情報確認部30による収集動作によって、チャンネル周波数faにより同一のデータサイズのTSパケットによる2つの放送信号による時分割送信を行っていることを示す追加情報が得られたか否かが確認される(STEP302)。
このとき、同一のデータサイズのTSパケットによる2つの放送信号の時分割送信が確認されなかったとき(No)、チャンネル周波数faにより異なるデータサイズのTSパケットによる2つの放送信号による時分割送信を行っていることを示す追加情報が得られたか否かが確認される(STEP303)。又、STEP302において、同一データサイズのTSパケットによる2つの放送信号の時分割送信が確認されたとき(Yes)、制御部19によってバッファ14bをONとするとともに、スイッチSW2によってバッファ14bと合成部15との間が接続される(STEP304)。
即ち、例えば、放送局100より、図25(d)のような順となるHDTV用のTSパケットで構成される放送信号が、チャンネル周波数faより送信されるとき、第5の実施形態と同様、復調部13aによって復調されて得たHDTV用のTSパケットがバッファ14a,14bそれぞれに格納される。よって、合成部15において、復調部13aで復調されてバッファ14aに格納されたTSパケットに異常が確認されたとき、バッファ14bから異常を確認したTSパケットと同じTSパケットをスイッチSW2を介して読み出して、図25(g)のような第5の実施形態と同様の合成動作を行う。
又、STEP303において、異なるデータサイズのTSパケットによる2つの放送信号の時分割送信が確認されたとき(Yes)、制御部19によってバッファ14b及びデータ変換部20をONとするとともに、スイッチSW2によってバッファ14bとデータ変換部20との間が接続される(STEP305)。このとき、バッファ14bに格納されたTSパケットが読み出されるとき、データ変換部20でバッファ14aに格納されたTSパケットと同一データサイズのデータパケットに変換されて合成部15に与えられる。
即ち、例えば、放送局100より、図29(e)のような順となるHDTV用のTSパケット及びSDTV用のTSパケットが交互となるようにして構成される放送信号が、チャンネル周波数faより送信されるとき、チューナ部12aが選局して得られた放送信号より、時分割された2つの放送信号が得られる。そして、復調部13aによって復調されて得た図29(c)のようなHDTV用のTSパケットP1,P2,P3,P4,P5,P6,…が、バッファ14aに格納され、復調部13aによって復調されて得た図29(d)のようなSDTV用のTSパケットPa1,Pa2,Pa3,Pa4,Pa5,Pa6,…がバッファ14bに格納される。
よって、合成部15において、復調部13aで復調されてバッファ14aに格納されたTSパケットに異常が確認されたとき、バッファ14bから異常を確認したTSパケットと同じブロックのTSパケットがデータ変換部20によって読み出されてデータ変換された後、スイッチSW2を介して合成部15に与えられ、第3の実施形態と同様の合成動作を行う。即ち、図29(e)の場合、バッファ14aより読み出したTSパケットP2,P3に以上が確認されるため、バッファ14bよりこのTSパケットP2,P3に応じたTSパケットPa2,Pa3をデータ変換部20でTSパケットPb2,Pb3に変換して、合成部15で合成する。よって、合成部15では、第3の実施形態と同様、図15(e)のようなTSパケットP1,Pb2,Pb3,P4,P5,P6,…が得られる。
又、STEP302及びSTEP303の両方において、追加情報が確認されなかったとき、放送局100からは1つの放送信号しか送信されていないことが確認されるため、御部19によってバッファ14b及びデータ変換部20をOFFのままとして1つの放送信号に対する受信動作を行う(STEP306)。即ち、バッファ14aのみを動作させることで、チャンネル周波数faにおける放送信号の受信動作のみを行う。
尚、本実施形態において、時分割送信される放送信号が、図25又は図29に示す順番のTSパケットによるものとしたが、このようなTSパケットの順番に限らず、互いに順番が異なるものであれば、第1及び第3の実施形態で説明した別の順番を用いるものとしても構わない。更に、3つ以上のTSパケットの順番が異なる放送信号を時分割送信するものとしても構わない。又、本実施形態において、第2の実施形態のように中継局102を用いて、この中継局102により送信可能な空き帯域が確認されたとき、放送局100より送信される放送信号と異なる順番のTSパケットによる放送信号を時分割送信するものとしても構わない。このとき、中継局102より放送局100に対して、追加情報の放送信号への追加要求を行うことで、放送局100より追加情報が与えられた放送信号を送信する。
更に、放送信号がMPEG方式で圧縮符号化されている場合、この放送信号の異なる放送信号として送信する際、その周波数帯域が狭いことを確認すると、Iピクチャのみによるデータにより符号化されるものとして、そのデータ量を落とすようにしても構わない。このとき、Iピクチャ及びBピクチャ及びPピクチャ全てを備える放送信号を受信装置101で復号化したときに、この放送信号により得られたIピクチャに異常が確認されると、もう一方のIピクチャのみを備える放送信号から得られたIピクチャにより補填する。このようにして、MPEG方式での復号化を行うときに基準となるIピクチャの補填を行うことができるため、画像の乱れを押さえることができる。
又、このように、Iピクチャ及びBピクチャ及びPピクチャのいずれかを選択して符号化することで、補填を行うための放送信号のデータ量を変化するだけでなく、例えば、コマーシャルの内容を間引いてコンテンツ本体のみのデータによる放送信号など、送信可能な帯域幅に合わせて重要なデータから送信ができるようにしても構わない。
又、本実施形態において、図29(a)、(b)のように、HDTV用のTSパケット及びSDTV用のTSパケットそれぞれにより成る放送信号とし、受信した2つの放送信号より得られるTSパケットを補填することを例示したが、このHDTV用の放送信号及びSDTV用の放送信号の少なくとも一方が、例えば、第1の実施形態のように単独で補填する複数の放送信号より成り立つものとしても構わない。即ち、例えば、図4(b)、(c)により補填可能な放送信号のうちの図4(b)の放送信号が、図29(a)のHDTV用の放送信号として用いられる。又、図29(a)、(b)のようなHDTV用の放送信号及びSDTV用の放送信号それぞれが単体で受信可能な放送信号であっても構わない。更に、このHDTV用の放送信号及びSDTV用の放送信号に、携帯端末用などのSDTVよりも更に低解像度用の放送信号を加えて、SDTB用の放送信号を補填するものとし使用しても構わない。この低解像度用の放送信号が、単体で受信可能な放送信号として放送されるものであっても構わない。
このように、複数の放送信号それぞれが、単独で受信可能であるもので補填を行うようにすることで、補填用の放送信号専用の帯域を設置して、その帯域を消費することなく実施することが可能となる。
<第7の実施形態>
本発明の第7の実施形態について、図面を参照して説明する。図32は、本実施形態における放送局の内部構成を示すブロック図であり、図33は、本実施形態における受信装置の内部構成を示すブロック図である。尚、本実施形態では、第1及び第3の実施形態と同様、図1のような構成の放送通信システムが構成されている。
本実施形態の放送局100は、図32に示すように、図13の構成における符号化部1a,1bの代わりに符号化部1が設けられるとともに、パケット処理部2a,2bの代わりに、符号化部1で符号化されたESをパケット化してPESを生成するパケット処理部2xと、パケット処理部2xからのPESを一時的に格納するバッファ2mと、バッファ2mに格納されたPESよりTSパケットを生成するパケット処理部2y,2zと、を備える。
このように構成される放送局100において、AVソースから与えられたAVデータが符号化部1でMPEG方式などの符号化方式により符号化されると、符号化されて得られたESが、パケット処理部2xに与えられてパケット化されてPESが生成された後、バッファ2mに格納される。そして、バッファ2mに格納されたPESが、パケット処理部2y,2zそれぞれによって異なる順番で読み出された後、異なるPESによって生成されるTSパケットが生成される。
このパケット処理部2y,2zそれぞれで生成されたTSパケットが、バッファ3a,3bに与えられて一時的に格納された後、変調処理部4a,4bそれぞれで変調処理が成されて、アンテナ110a,110bよりチャンネル周波数fa,fbの放送信号として送信される。このとき、パケット処理部2y,2zにおいて、バッファ2mより読み出すPESの組合せを異なるものとして異なるTSパケットを生成する。よって、受信装置101では、パケット処理部2y,2sで生成されたTSパケットによって復号化されて得られるESが異なるものとなるため、得られるフレーム又はフレームを構成するブロックが異なるものとなる。
又、本実施形態における受信装置101は、図33に示すように、図3の構成のパケット処理部16及び復号化部17の代わりにパケット処理部16a,16b及び復号化部17a,17bを備える。又、復号化部17a,17bそれぞれにバッファ14a,14bが接続されて、復号化部17a,17bで復号化されて得られたデータがバッファ14a,14bに与えられる。更に、バッファ14a,14bに格納されたデータを合成する合成部15よりAVデータが出力部18に与えられる。
このように構成される受信装置101において、アンテナ11a,11bそれぞれによって放送信号を受信するとき、放送局100より送信されるチャンネル周波数fa,fbそれぞれの放送信号をチューナ部12a,12bで選局される。そして、チューナ部12aで選局されたチャンネル周波数faの放送信号が復調部13aで復調されてTSパケットが得られた後、パケット処理部16aにおいて復号化されてESに変換される。又、チューナ部12bで選局されたチャンネル周波数fbの放送信号が復調部13bで復調されてTSパケットが得られた後、パケット処理部16bにおいて復号化されてESに変換される。
このようにパケット処理部16a,16bで復号化されて得られたESはそれぞれ、復号化部17a,17bでAVデータに復号化されて、フレーム毎にバッファ14a,14bに格納される。そして、バッファ14aに格納されたフレームが順番に合成部15に与えられる。このとき、合成部15では、バッファ14aから読み出したデータをフレーム毎に正常に復号化されているか否かを確認し、正常に復号化されていないフレームをバッファ14bより読み出す。このようにして、バッファ14bより読み出したフレームにより、正常に復号化されていないフレームのデータを補填する。このようにして補填されたAVデータが出力部18に与えられて、映像及び音声が再生出力される。
1.合成部における補填動作の第1例
上述のように合成部15において、バッファ14aによって読み出されたフレームのうち、正常に復号化されていないフレームが補填されるときの第1例を、図34を参照して説明する。本例では、復号化部17aで復号化されて得られたAVデータにおけるフレームの順番が、放送局100に対してAVソースより与えらえるAVデータのフレームの順番と同一であるものとする。よって、本例では、復号化部17bで復号化されて得られたAVデータにおける各フレームが、復号化部17aで復号化されて得られたものに対して遅延して復号化される。そのため、バッファ14aに格納されたフレームと同一のフレームが、バッファ14bでは複数フレーム分遅延されて格納される。尚、本例では、符号化部17aに比べて符号化部17bでは、2フレーム分遅延して復号化するものとする。
このとき、図34のように、フレームF1,F2,F3,…の順に復号化部17a,17bで復号化され、バッファ14aにフレームF3が格納されると、2フレーム分遅延して得られたフレームF1がバッファ14bに格納される。即ち、バッファ14aにフレームF1〜F3が格納されるとともに、バッファ14bにフレームF1が格納される。そして、合成部15において、バッファ14aに格納されたフレームF1を読み出して、フレームF1におけるデータが正常に復号化されたか否かを確認する。そして、図34のようにフレームF1に異常が確認されたとき、バッファ14bに格納されたフレームF1を読み出して出力部18に送出する。尚、「○」が正常なフレームを表すとともに、「×」が正常でないフレームを表す。
2.合成部における補填動作の第2例
又、バッファ14aによって読み出されたフレームのうち、正常に復号化されていないフレームが補填されるときの第2例を、図35を参照して説明する。本例では、第1例とは逆に、復号化部17bで復号化されて得られたAVデータにおけるフレームの順番が、放送局100に対してAVソースより与えらえるAVデータのフレームの順番と同一であるものとする。よって、本例では、復号化部17aで復号化されて得られたAVデータにおける各フレームが、復号化部17bで復号化されて得られたものに対して遅延して復号化される。尚、本例においても、2フレーム分の遅延であるものとする。
このとき、図35のように、フレームF1,F2,F3,…の順に復号化部17a,17bで復号化され、バッファ14bにフレームF3が格納されるとき、2フレーム分遅延して得られたフレームF1がバッファ14aに格納される。即ち、バッファ14aにフレームF1が格納されるとともに、バッファ14bにフレームF1〜F3が格納される。そして、合成部15において、バッファ14aに格納されたフレームF1を読み出して、フレームF1におけるデータが正常に復号化されたか否かを確認する。そして、図35のようにフレームF1に異常が確認されたとき、バッファ14bに格納されたフレームF1を読み出して出力部18に送出する。
3.合成部における補填動作の第3例
又、バッファ14aによって読み出されたフレームのうち、正常に復号化されていないフレームが補填されるときの第3例を、図36を参照して説明する。本例では、第1例及び第2例と異なり、合成部15において、各フレームを構成する各ブロック毎に、AVデータが正常に復号化されたか否かが確認される。又、第1例と同様、復号化部17aで復号化されて得られたAVデータにおけるフレームの順番が、放送局100に対してAVソースより与えらえるAVデータのフレームの順番と同一であるものとする。即ち、本例において、第1例と同様、2フレームの遅延となる場合、バッファ14aにフレームF1〜F3が格納されたとき、バッファ14bにフレームF1が格納される。
そして、合成部15によってバッファ14aよりフレームF1が読み出されると、フレームF1の各ブロックのAVデータが正常に復号化されたか否かが確認される。このとき、図36(a)のようにバッファ14aに格納されたフレームF1において、正常に復号化されていないブロックが確認されると、図36(b)のように、バッファ14aからのフレームF1における異常が確認されたブロックを、図36(a)のようにバッファ14bに格納されたフレームF1より読み出す。尚、図36において、「○」印を備えたブロックが正常に復号化されたブロックを表し、「×」印を備えたブロックが正常に復号化されていないブロックを表す。
このように、合成部15において、バッファ14bに格納されたフレームF1より得られた正常に復号化されたブロックのAVデータにより、バッファ14aより読み出されたフレームF1のAVデータが補填される。そして、図36(c)のように、正常に復号化されたブロックにより構成されるフレームF1が生成され、出力部18に与えられて、映像及び音声が再生出力される。尚、本例において、第2例のように、バッファ14aに格納されるAVデータがバッファ14bに格納されるAVデータに比べて遅延するものとしても構わない。
尚、本実施形態において、第1の実施形態と同様、異なるチャンネル周波数又は異なる通信路によって複数の放送信号が送信されるものとしたが、第5の実施形態と同様、異なる複数の放送信号を同一のチャンネル周波数を利用して時分割送信するものとしても構わない。更に、放送局100においてPESの順番を変更してTSパケットが生成されることで、異なる放送信号を生成するものとしたが、送信される異なる放送信号より再生されるフレームの順番が異なるものとなるように符号化されるものであればよい。即ち、例えば、AVソースから与えられるAVデータの順番の変更することによって、与えられたフレームの順番と異なるものとし、元の順番のフレームによる放送信号と、順番を変更したフレームによる放送信号とを生成して送信するようにしても構わない。更に、第2の実施形態と同様、中継局102を使用した通信システムとしても構わない。
又、本実施形態において、符号化部1a,1bにおける圧縮率や圧縮方式を異なるものとしても構わない。即ち、受信装置101において第3例のようにブロックごとにデータの補填を行うとき、圧縮率の高い符号化方式により符号化された放送信号が復号化されて、図37(a)のようなフレームF1となるAVデータがバッファ14aに格納されるとともに、圧縮率の低い符号化方式により符号化された放送信号が復号化されて、図37(b)のようなフレームFx1となるAVデータがバッファ14bに格納されるものとする。尚、フレームFx1及びフレームF1はそれぞれ、同一のフレームより生成されたTSパケットが復号化されて得られたデータによって成る。
このとき、フレームF1において異常「×」が確認されたブロックに対応するフレームFx1のデータがバッファ14bより読み出されて、異常「×」が確認されたフレームF1のブロックのデータが補填される。よって、フレームF1のデータによって補填された図37(c)のようなフレームFy1が生成されて、出力部18に与えられることにより、映像及び音声が出力される。このように、符号化されたときの圧縮率や圧縮方式が異なる場合でも、フレームを構成する画素数が同一である場合、データの変換を行うことなく、ブロック又はフレーム毎のデータの補填を行うようにしても構わない。
更に、放送信号がMPEG方式で圧縮符号化されている場合、この放送信号の異なる放送信号として、Iピクチャのみによるデータにより符号化されるものとしても構わない。このとき、Iピクチャ及びBピクチャ及びPピクチャ全てを備える放送信号を受信装置101で復号化したときに、この放送信号により得られたIピクチャに異常が確認されると、もう一方のIピクチャのみを備える放送信号から得られたIピクチャにより補填する。このようにして、MPEG方式での復号化を行うときに基準となるIピクチャの補填を行うことができるため、画像の乱れを押さえることができる。
<第8の実施形態>
本発明の第8の実施形態について、図面を参照して説明する。図38は、本実施形態における放送局の内部構成を示すブロック図であり、図39は、本実施形態における受信装置の内部構成を示すブロック図である。尚、本実施形態では、第3及び第7の実施形態と同様、図1のような構成の放送通信システムが構成されている。
本実施形態の放送局100は、図38に示すように、図13の構成にデータ変換部5で変換されたAVデータを一時的に格納するバッファ5aを備える。このように構成されるとき、バッファ5aには、データ変換部5でデータ量が変換されたAVデータがフレーム毎に格納される。よって、符号化部1a,1bそれぞれにおいて、同時に異なるフレーム又はブロックのAVデータが与えられるとともに、データ量の異なるAVデータに対するデジタルデータが生成される。
そして、パケット処理部2a,2bそれぞれから、データ量が異なるとともに異なるフレーム又はブロックから成るTSパケットが生成されて、バッファ3a,3bに与えられる。このバッファ3a,3bそれぞれに格納された異なるTSパケットは、第7の実施形態と同様にして、変調処理部4a,4bそれぞれで変調処理が成されて、アンテナ110a,110bよりチャンネル周波数fa,fbの放送信号として送信される。尚、本実施形態では、データ変換部5において、HDTV用のAVデータがSDTV用のAVデータに変換されるものとする。
本実施形態の受信装置101は、図39に示すように、図33の構成に、バッファ14bからのAVデータのデータ変換を行うデータ変換部20aが付加される。このとき、バッファ14bからのAVデータがデータ変換部20aで変換された後、合成部15に与えられる。このように構成される受信装置101は、第7の実施形態と同様にして、チャンネル周波数fa,fbそれぞれの放送信号を、チューナ部12a,12bで選局すると、復調部13a,13bで復調される。そして、HDTV用のAVデータによるTSパケットがパケット処理部16a及び復号化部17aにおいて復号化されるとともに、SDTV用のAVデータによるTSパケットがパケット処理部16b及び復号化部17bにおいて復号化される。
そして、復号化部17aで復号化されたHDTV用のAVデータがフレーム毎にバッファ14aに格納されるとともに、復号化部17bで復号化されたSDTV用のAVデータがフレーム毎にバッファ14bに格納される。このとき、合成部15では、バッファ14aから読み出したデータをフレーム毎に正常に復号化されているか否かを確認する。そして、正常に復号化されていないフレームが確認されたとき、同じフレームのデータがバッファ14bより読み出されて、データ変換部20aでHDTV用のAVデータに変換される。このデータ変換部20aで変換されたHDTV用のAVデータが合成部15に与えられると、正常に復号化されていないフレームのデータが補填される。このようにして補填されたAVデータが出力部18に与えられて、映像及び音声が再生出力される。
1.合成部における補填動作の第1例
上述のように合成部15において、バッファ14aによって読み出されたフレームのうち、正常に復号化されていないフレームが補填されるときの第1例を、図40を参照して説明する。本例では、第7の実施形態の第1例と同様、復号化部17aで復号化されて得られたAVデータにおけるフレームの順番が、放送局100に対してAVソースより与えらえるAVデータのフレームの順番と同一であるものとする。よって、復号化部17bで復号化されて得られたAVデータにおける各フレームが、復号化部17aで復号化されて得られたものに対して遅延して復号化される。尚、本例では、符号化部17aに比べて符号化部17bでは、2フレーム分遅延して復号化するものとする。又、フレームFk(kは自然数)のHDTV用のAVデータがSDTV用のAVデータに変換されたとき、フレームFakのAVデータが得られるものとする。
このとき、図40のように、フレームF1,F2,F3,…の順に復号化部17aで復号化され、フレームFa1,Fa2,Fa3,…の順に復号化部17bで復号化される。そして、バッファ14aにフレームF3が格納されると、2フレーム分遅延して得られたフレームFa1がバッファ14bに格納される。即ち、バッファ14aにフレームF1〜F3が格納されるとともに、バッファ14bにフレームFa1が格納される。そして、合成部15において、バッファ14aに格納されたフレームF1を読み出して、フレームF1におけるデータが正常に復号化されたか否かを確認する。
このとき、フレームF1におけるデータに異常が確認されたとき、バッファ14bに格納されたフレームFa1が読み出されて、データ変換部20aでHDTV用のAVデータとなるフレームFb1のAVデータに変換される。このフレームFb1のAVデータが合成部15に与えられることによって、フレームF1がフレームFb1のAVデータによって補填される。このように補填されたフレームFb1のAVデータが出力部18に与えられて、映像及び音声が出力される。尚、本例において、第7の実施形態の第2例と同様、バッファ14aに格納されるAVデータがバッファ14bに格納されるAVデータに比べて遅延するものとしても構わない。
2.合成部における補填動作の第2例
又、バッファ14aによって読み出されたフレームのうち、正常に復号化されていないフレームが補填されるときの第2例を、図41を参照して説明する。本例では、第7の実施形態の第3例と同様、合成部15において、各フレームを構成する各ブロック毎に、AVデータが正常に復号化されたか否かが確認される。又、上述の第1例と同様、復号化部17aで復号化されて得られたAVデータにおけるフレームの順番が、放送局100に対してAVソースより与えらえるAVデータのフレームの順番と同一であるものとする。即ち、本例において、第1例と同様、2フレームの遅延となる場合、バッファ14aにフレームF1〜F3が格納されたとき、バッファ14bにフレームFa1が格納される。
そして、合成部15によって図41(a)のようにバッファ14aに格納されたフレームF1が読み出されると、フレームF1の各ブロックのAVデータが正常に復号化されたか否かが確認される。このとき、バッファ14aより読み出したフレームF1において、正常に復号化されていないブロックが確認されると、図41(b)のように、データ変換部20aにおいて、異常が確認されたブロックに相当するブロックのデータを、図41(a)のようにバッファ14bに格納されたフレームFa1より読み出す。尚、図41においても、図36と同様、「×」印を備えたブロックが正常に復号化されていないブロックを表す。
このように、バッファ14b内のフレームFa1から読み出されたブロックの各データが、図41(c)のようにデータ変換部20aにおいてデータ変換されて、HDTV用のデータfa1に変換される。このデータ変換部20aでデータ変換されて得られたデータfa1が合成部15に与えられると、フレームF1において異常が確認されたブロックのデータに合成され、図41(c)のように異常なブロックのデータが補填されたフレームF1xが得られる。このように合成部15で合成されたフレームF1xのHDTV用のAVデータが、出力部18に与えられることで、映像及び音声が再生出力される。尚、本例において、第7の実施形態の第2例のように、バッファ14aに格納されるAVデータがバッファ14bに格納されるAVデータに比べて遅延するものとしても構わない。
尚、本実施形態において、第3の実施形態と同様、異なるチャンネル周波数又は異なる通信路によって複数の放送信号が送信されるものとしたが、第6の実施形態と同様、異なる複数の放送信号を同一のチャンネル周波数を利用して時分割送信するものとしても構わない。又、第4又は第6の実施形態と同様、空きチャンネル又は空き帯域を確認して、複数の放送信号を送信するか否か、又は、追加送信する複数の放送信号に対するAVデータの符号化方式を変更するか否かを設定するようにしても構わない。更に、第2の実施形態と同様、中継局102を用いた通信システムとしても構わない。
又、本実施形態において、2つの異なる符号化方式により符号化された放送信号を用いた例を示したが、3つ以上の異なる符号化方式により符号化された放送信号を用いるものとしても構わない。即ち、上述の第2例のように、受信装置101においてブロックごとにデータ変換が行われて補填されるとき、HDTV用のAVデータによるフレームF1が図42(a)のように復号化され、SDTV用のAVデータによるフレームFa1が図42(b)のように復号化され、携帯電話用のAVデータによるフレームFc1が図42(c)のように復号化されるものとする。
このとき、図42(a)で異常「×」が確認されたフレームF1内のブロックに応じた図42(d)に示すフレームFa1内のブロックのデータが、図42(g)のようなデータfa1にデータ変換される。このようにデータ変換されたデータfa1によって、フレームF1で異常が確認されたブロックが補填されることで、図42(f)のようなフレームF1xのAVデータが生成される。又、図42(b)で異常「×」が確認されたフレームFa1内のブロックに応じた図42(e)に示すフレームFc1内のブロックのデータが、図42(i)のようなデータfc1にデータ変換される。このようにデータ変換されたデータfc1によって、フレームFa1で異常が確認されたブロックが補填されることで、図42(h)のようなフレームF1yのAVデータが生成される。
又、放送局100より送信する複数の放送信号の圧縮率や圧縮方式を異なるものとして、そのデータ量の異なる放送信号を送信するものとしても構わない。このとき、第7の実施形態における図37の例のように、フレームの画素数を同一のものとしても構わないし、本実施形態の各例で示すHDTV及びSDTVの関係のように、フレームの画素数を異なるものとしても構わない。
又、フレームの画素数が異なるAVデータによって補填を行うものとするとき、その垂直方向及び水平方向の画素数の比であるアスペクト比が異なる場合、補填する領域を制限するものとしても構わない。即ち、図43(a)のようなフレームFxのデータを、図43(b)のようなフレームFyのデータで補填するとき、垂直方向又は水平方向のいずれかに合わせてデータ変換する。そして、データ変換が成されたとき、図43(c)のように、フレームFxにおける補填する領域(図43(c)内の斜線領域)を制限するようにしても構わない。又、図43(d)のように、フレームFyにおけるデータ変換する領域(図43(d)内の斜線領域)を制限するようにしても構わない。
<第9の実施形態>
本発明の第9の実施形態について、図面を参照して説明する。図44は、本実施形態における放送通信システムの構成を示すブロック図である。尚、本実施形態において、第3、第4、第6又は第8の実施形態のように、放送局によって、同一のAVデータに対して符号化方式や圧縮率などを変更した異なる複数の放送信号が送信される。
図44の放送通信システムは、異なる符号化方式によって符号化された複数の放送信号を送信する放送局100と、放送局100から送信される放送信号を受信する受信装置101a〜101cを備える。このような放送通信システムにおいて、放送局100からは、チャンネル周波数faによってHDTV用のAVデータより成る放送信号が、チャンネル周波数fbによってSDTV用のAVデータより成る放送信号が、チャンネル周波数fcによって携帯電話用のAVデータより成る放送信号が、それぞれ送信されるものとする。
又、受信装置101aによってHDTV用のAVデータより成る放送信号が受信され、受信装置101bによってSDTV用のAVデータより成る放送信号が受信され、受信装置101cによって携帯電話用のAVデータより成る放送信号が受信される。更に、受信装置101a〜101cが有線又は無線のネットワークで接続され、相互通信可能な状態とされる。
このような放送通信システムにおいて、受信装置101a〜101cは、図45に示すように、図14の構成におけるアンテナ11b及びチューナ部12bの代わりに、他の受信装置101(受信装置101a〜101cに相当する)とネットワークを介して通信するインターフェース12xを備えるとともに、バッファ14aに格納されたTSパケットをネットワークで他の受信装置101に送信するための信号に変調する変調部13xを備える。
このように構成される受信装置101a〜101cの動作について、受信装置101aを代表して説明する。受信装置101aは、アンテナ11a及びチューナ部12aによってチャンネル周波数faの放送信号を受信した後、復調部13aでHDTV用のTSパケットを得てバッファ14aに格納する。そして、バッファ14aに格納したHDTV用のTSパケットを変調部13xで変調して、受信装置101b,101cに対してネットワークを通じて送信するための信号を生成し、インターフェース12xより送信する。
又、受信装置101b,101cで受信されたSDTV用又は携帯電話用のTSパケットによる信号をネットワークを通じてインターフェース12xで受信する。そして、復調部13bで復調してSDTV用又は携帯電話用のTSパケットを生成し、バッファ14bに格納する。このように動作することによって、他の受信装置101b,101cで受信された放送信号によるTSパケットを、バッファ14bに格納することができ、合成部15においてバッファ14aより読み出したTSパケットのデータを補填することができる。よって、バッファ14a,14b後段の動作については、第3の実施形態と同様の動作を行うこととなる。
このように、本実施形態によると、同一のAVデータに対して放送局100で生成された他の放送信号が他の受信装置101で受信されたとき、この他の受信装置101で受信されて得られたデータをネットワークを介して受信することができる。よって、このようにネットワークを介して受信した他の受信装置101からのデータにより、自機器が受信した放送信号より得られたデータを補填することができる。
尚、本実施形態において、第3の実施形態のように、TSパケット毎の補填を行うものとしたが、フレーム毎又はブロック毎の補填を行うものとしても構わない。又、放送通信システムに中継局102を備えるものとし、この中継局102によって、同一のAVデータに対して生成された他の放送信号が送信されるものとしても構わない。
又、第1〜第9の実施形態において、同一のデータ内容となる複数の放送信号はそれぞれに、受信装置101で独立して受信することが可能である。即ち、放送信号それぞれが独立した放送信号であり、1つの放送コンテンツとして送信されるものである。
<第10の実施形態>
本発明の第10の実施形態について、図面を参照して説明する。図46は、本実施形態における放送通信システムの構成を示すブロック図である。図47は、図46の放送通信システムにおける受信装置の構成を示すブロック図である。
図46の放送通信システムは、異なる符号化方式によって符号化された複数の放送信号を送信する放送局100と、放送局100から送信される放送信号を受信する受信装置101と、放送局100から補填可能な放送信号の情報を受信装置101に送信する放送用通信路と異なる別の通信路となるインターネット120と、を備える。このような放送通信システムにおいて、放送局100からは、複数のチャンネル周波数を用いて述の各実施形態で示す放送信号が、受信装置101に送信される。尚、本実施形態では、放送局100より、チャンネル周波数fa,fbを用いることによって、補填可能な第1の実施形態と同様の放送信号が送信されるものとする。
このような放送通信システムにおいて、受信装置101は、図47に示すように、図3の構成にネットワークを介してインターネット120と接続されるインターフェース12xを付加した構成となる。このような受信装置101は、インターフェース12xによって放送局100とインターネット120を通じて通信接続されるとともに、アンテナ11a,11bによって放送局100から送信される放送信号を受信することができる。
そして、受信装置101は、放送局100から送信されるチャンネル周波数faの放送信号をアンテナ11aで受信し、チューナ部12aで選局すると、制御部19より補填可能な別の放送信号があるか否かを確認するための信号が生成され、インタフェース12x及びインターネット120を介して放送局100に送信される。今、チャンネル周波数faの放送信号に対して補填可能なチャンネル周波数fbの放送信号が放送局100より送信されているので、放送局100から受信装置101に対して、補填可能な放送信号のチャンネル周波数がfbであることを示す応答信号がインターネット120を介して送信される。
よって、受信装置101では、インターフェース12xにより放送局100からの応答信号を受信すると、制御部19によってチューナ部12bで選局するチャンネル周波数をfbに設定する。そして、受信装置101が、チャンネル周波数fbの放送信号を、アンテナ11bで受信するとともにチューナ部12bで選局することによって、チャンネル周波数faの放送信号を復調して得られたデータを、チャンネル周波数fbの放送信号を復調して得られたデータで補填する。
尚、本実施形態において、受信装置101が、第1の実施形態のようにして送信される放送信号を受信するものとしたが、第2〜第9の実施形態のようにして送信される放送信号を受信するような放送通信システムとしても構わない。又、受信装置101が放送局100から直接応答信号を受信するものとしたが、携帯電話などの他の受信装置によって受信された応答信号を確認し、その応答信号を受信装置101に入力するようにしても構わない。
更に、この放送局100からの応答信号の受信を課金制とし、ユーザが料金を支払うことによって応答信号を受信することができるものとしても構わない。このように課金制としたとき、補填される放送信号と放送信号を補填するための放送信号それぞれに料金を設定するものとしても構わない。即ち、単一の放送信号のみで受信する場合と、補填可能とするために複数の放送信号を受信する場合とで、料金が異なるものとしても構わない。このようにそれぞれの料金を設定することによって、それぞれの放送信号の受信権をユーザ毎に管理する。更に、補填するための放送信号を受信装置101から要求するたびに課金されるものとしても構わない。
又、本実施形態において、補填するための放送信号のチャンネル周波数を示す応答信号が、放送局100より送信されるものとしたが、補填するための放送信号を暗号化するとともに、ユーザより料金が支払われたとき、この暗号化を解除するための暗号化コードが放送局100より応答信号として送信されるものとしても構わない。又、補填される放送信号と放送信号を補填するための放送信号それぞれが同一の暗号化コードによって暗号化されるとともに、ユーザより料金が支払われたとき、この暗号化を解除するための暗号化コードが放送局100より応答信号として送信されるものとしても構わない。このとき、応答信号に、補填するための放送信号のチャンネル周波数に関する情報も含まれる。
又、このように放送信号それぞれに課金される場合において、第2の実施形態のように中継局102により補填するための放送信号が送信されるとき、各放送信号に課金された料金が放送局100に対して支払われるものとしても構わない。このとき、中継局102からの放送信号を利用するために支払われた料金も含まれて放送局100に支払われるため、放送局100から中継局102にこの中継局102からの放送信号に対する料金が支払われる。又、放送局100及び中継局102それぞれに、その放送信号に課金された料金を支払うようにしても構わない。
<第11の実施形態>
本発明の第11の実施形態について、図面を参照して説明する。図48は、本実施形態における受信装置の内部構成を示すブロック図である。尚、本実施形態では、第1の実施形態と同様、図1のような構成の放送通信システムが構成されているものとする。
本実施形態の受信装置101は、図48に示すように、図3の構成に、アンテナ11a,11bとチューナ部12a,12bとの接続を切り換えるアンテナ選択部11xが付加された構成となる。このとき、アンテナ11a,11bは、それぞれの指向性が異なる位置に設置される。又、放送局100からの放送信号を送信する各アンテナ110a,11b(図2参照)が設置されるため、アンテナ110a,110bそれぞれから送信されるチャンネル周波数fa,fbの放送信号がそれぞれ、受信装置101に対して異なる方向から送信されることとなる。
このように受信装置101が構成されるとき、アンテナ選択回路11xによって、アンテナ11aをチューナ部12aに接続するとともに、アンテナ11bをチューナ部12bに接続する。そして、チューナ部12a,12bそれぞれによって、チャンネル周波数fa,fbの放送信号が選局されるものとする。このとき、復調部13a,13b又は合成部15又は制御部19などにおいて、受信した放送信号のビットエラー数や受信電力など受信エラーを確認することで、アンテナ11a,11bで受信状態を確認する。
そして、アンテナ11a,11bそれぞれで受信されたチャンネル周波数fa,fbの放送信号のうちの少なくとも一方の放送信号における受信エラーの度合いが所定値よりも高く、受信状態が悪化していることを確認すると、アンテナ選択回路11xによって、アンテナ11a,11bの接続を切り換える。即ち、アンテナ11aをチューナ部12bに接続することで、アンテナ11aでチャンネル周波数faの放送信号を受信し、アンテナ11bをチューナ部12aに接続することで、アンテナ11bでチャンネル周波数faの放送信号を受信する。そして、受信した放送信号の受信エラーを確認し、チャンネル周波数fa,fbの放送信号のうち少なくとも一方の受信エラーの度合いが低くなって、その受信状態が良くなったことを確認すると、アンテナ11a,11bとチューナ部12a,12bの接続関係を固定する。
このように、送信方向の異なる放送信号それぞれに対して使用するアンテナを、異なる指向性を備えた複数のアンテナから選択することができる。よって、受信装置が受信する放送信号が異なった空間を通過して受信されるとともに、エラーとなる電波障害等の原因が特定方向に限られている場合、その受信した放送信号により大きな補完効果が現れることとなる。尚、複数のアンテナとチューナ部との接続の切り換えが、ユーザによって選択されるものとしても構わない。又、このアンテナとチューナ部とを同数としたが、設置されるアンテナ数がチューナ部の数よりも多いものとし、選択可能なアンテナ数が多くなるようにしても構わない。
又、本実施形態において、第1の実施形態と同様の構成の放送通信システムとしたが、第3の実施形態のように中継局を介した放送通信システムとしても構わないし、複数の放送局から同一のコンテンツを含む放送信号が送信される放送通信システムであっても構わない。更に、上述の各実施形態において、複数のチャンネル周波数を用いて補間可能な複数の放送信号を送信する放送通信システムであれば、第1及び第3の実施形態以外の実施形態における放送通信システムとしても構わない。
<第12の実施形態>
本発明の第12の実施形態について、図面を参照して説明する。図49は、本実施形態における放送通信システムの構成を示すブロック図である。図50は、図49の放送通信システムにおける受信装置の構成を示すブロック図である。
図49の放送通信システムは、放送信号を送信する放送局100と、放送局100から送信される放送信号を受信する受信装置101とを備える。このような放送通信システムにおいて、受信装置101は、放送局100からチャンネル周波数faによって送信される放送信号を受信するとともに、光ディスクや光磁気ディスクや磁気ディスクなどによる記録媒体200からのAVデータを再生する。
このような放送通信システムにおいて、受信装置101は、図50に示すように、図14の構成におけるアンテナ11b及びチューナ部12bの代わりに、記録媒体200からTSパケットを読み出す再生部13yを備える。このとき、記録媒体200には、放送信号によって送信されるAVデータと同一のAVデータを異なる符号化方式で符号化して生成された信号が記録されている。即ち、例えば、放送局100よりHDTV用のAVデータによる放送信号が送信される場合、記録媒体200にSDTV用のAVデータによる信号が記録される。
このように構成される受信装置101は、アンテナ11a及びチューナ部12aによってチャンネル周波数faの放送信号を受信するとともに、記録媒体200に記録された信号を再生部13yで読み出す。そして、チューナ部12aで受信された放送信号が復調部13aで復調されることによって得られたTSパケットがバッファ14aに格納されるとともに、再生部13yで読み出された後に復号化されて得られたTSパケットがバッファ14bに格納される。このように、本実施形態によると、受信装置101では、受信した放送局100からの放送信号と同一のAVデータによる信号が記録媒体200より読み出される。よって、このように記録媒体200より読み出して得られたデータにより、自機器が受信した放送信号より得られたデータを補填することができる。
尚、本実施形態において、第3の実施形態のように、TSパケット毎の補填を行うものとしたが、フレーム毎又はブロック毎の補填を行うものとしても構わない。又、記録媒体200に記録される信号によるAVデータが、コンテンツ全体のAVデータの一部であるとともに、放送局100から送信される放送信号によるAVデータが、コンテンツ全体のAVデータの残りの一部であるものとしても構わない。このとき、記録媒体200に記録される信号によるAVデータと放送局100から送信される放送信号によるAVデータとが合成されることによって、コンテンツ全体が受信装置101で再生される。
更に、AVデータがMPEG方式で圧縮符号化されているとき、記録媒体200より読み出されるAVデータがIピクチャのみであり、放送信号として受信されて得られるAVデータがPピクチャ及びBピクチャであるものとしても構わない。このように、記録媒体200より読み出されたAVデータと放送信号から得られたAVデータとを合成することで、再生可能なAVデータが得られるものとしても構わない。
又、放送局100から送信される放送信号に暗号化コードを備えるとともに、記録媒体200に解除コードを備えるものとして、記録媒体200による解除コードによって放送局100から送信される放送信号の暗号化が解除されるものとしても構わない。更に、この暗号化コードの代わりに、放送局100から送信される放送信号にエラーを放送局100側で人工的に与えるようにしても構わない。このように、同一のAVデータを格納した記録媒体200を再生しなければ正常に視聴ができないようにしても構わない。