JP2005252614A - 空間多重伝送用送信装置 - Google Patents

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Abstract

【課題】 伝搬環境推定誤差による伝送品質の劣化を低減しながら送信アンテナ数のマルチビームを形成することを可能とし、マルチビーム形成のための制御を簡易化する。
【解決手段】 重み決定装置370が、切り替え装置351〜35nから出力される信号を入力信号とし、当該入力信号から広帯域の周波数帯の伝達係数行列を推定し、当該推定された伝達係数行列を用いてマルチビーム形成装置の重みを決定するものであり、受信装置において所定の伝送品質の基準値を最大とする重みを決定する。狭い周波数帯の伝搬環境をそれぞれ推定し、それらの伝達係数行列から重みを決定する。
【選択図】 図1

Description

本発明は、N個のアンテナ素子を用い、直交波周波数分割多重を用いたF個の周波数多重と、L個の空間多重による送信を行う空間多重伝送用送信装置に関する。
直交波周波数分割多重送信装置は、直交性を利用し周波数軸上でのオーバーラップを許容することで中心周波数が異なる複数の搬送波を利用でき、高い周波数効率を実現する送信装置である。また、空間多重伝送用送信装置は,複数のアンテナ素子から異なる信号を送信することで,周波数帯域を増大することなしに高速伝送を実現する送信装置である。
図6に、従来のマルチビームを形成することで伝送品質を改善することのできる空間多重伝送用送信装置の内部構成の一例をブロック図で示す(例えば、非特許文献1参照)。
図6に示される従来の空間多重伝送用送信装置は、シリアルーパラレル変換装置100と、送信装置111〜11Lと、マルチビーム形成装置121〜12Lと、信号合成装置131〜13Nと、切り替え装置141〜14Nと、送信用アンテナ素子151〜15Nと、重み決定装置160から構成される.
送信信号はシリアルーパラレル変換器100によって複数の信号系列T〜Tを生成し、送信装置111〜11LによってL系列の送信信号系列が形成される。そして、マルチビーム形成装置121〜12Lによって各々重み決定装置160により決定ざれた重みを用い、異なった指向性を形成するため各アンテナ素子への出力信号が形成される。更に、信号合成装置131〜13Nにより同一のアンテナ素子に出力された信号を足し合わせ、切り替え装置141〜14Nから送信用アンテナ素子151〜15Nに出力し、同一の時刻、同一の周波数で送信される。
ここで重み決定装置160では、マルチビーム形成装置121〜12Lで送信信号に設定する重みを以下のようにして決定する。
まず伝達係数行列Hの特異値分解(H=UDV)を行い,ユニタリ行列V及び特異値を要素とする対角行列を求める。そして、送信アンテナ数をN、受信アンテナ数をM、XをMとNのうち小さい方の数字とし、u〜uxをM×1の列ベクトルとし、v〜vxをN×1列のベクトルとし、上添え字Hは共役転置を表すものとすると,伝達係数行列は以下の演算式(1)で表される。
Figure 2005252614
次に、特異値の大きい方からL個を選択し、各特異値に対応したユニタリ行列Vの列ベクトルv〜vを重みとして選択し,各列ベクトルを用いて以下の演算式(2)によって各アンテナ素子151〜15Nから送信する送信信号s〜sを形成する。
Figure 2005252614
ユニタリ行列Vは、伝達係数行列Hとその複素共役転置行列Hの積HHの固有ベクトルとなっている。
受信局では、例えば送信局で送信されたビームの数L以上の受信アンテナを用いて復号を行う。以下に受信アンテナ数をN、受信アンテナ数とビーム数をL(N>L)とした場合の復号方法の例を示す。
受信局アンテナ素子において受信される信号をR〜R、送信アンテナjで送信され、受信アンテナiで受信したときの伝達係数をHijとし,各受信信号における雑音をn〜nとすると、空間多重伝送用送信装置によって信号を送信すると受信信号R〜Rは以下の演算式(3)で表すことができる。
Figure 2005252614
従って、受信装置では以下の演算式(4)を実行することによって送信信号を復号することが可能となる.
Figure 2005252614
ここでT'〜T'は受信装置で推定した送信信号である。
このようにすることによって,周波数帯域を増大せずにアンテナ数倍の伝送速度を実現することが可能であり、指向性利得が得られ、更に、N素子からLビームを形成する(N≧L)ことによって良好なビームを選択できるためダイバーシチ効果も得ることができる。
送信ダイバーシチは、例えば、Space-Time-Transmission-Diversity(立川著「W-CDMA移動通信方式」丸善),あるいはSpace-Time-Block-Code (Naguib, et.al “Space-Time-Block-Codes: code design criteria ),Delay Diversityなどを用いることができる。
一方、図7に従来のマルチビームを形成することで伝送品質を改善する直交波周波数分割多重を用いた空間多重伝送用送信装置の一例をブロック図で示す。
ここに示される空間多重伝送用送信装置は、シリアルーパラレル変換装置200と、送信装置2111〜21FLと、マルチビーム形成装置2111〜21FLと、信号合成装置2311〜23NFと、逆フーリエ変換装置241〜24Nと、切り替え装置251〜25Nと、送信用アンテナ素子261〜26Nと、重み決定装置270から構成される。
送信信号はシリアルーパラレル変換器200によってM×Lの信号系列に分けられ、更に、送信装置2111〜21FLによって符号化され、マルチビーム形成装置2211〜22FLに出力される。
マルチビーム形成装置2211〜22FLでは、それぞれ重み決定装置270により決定された重みを用い、異なった指向性を形成するための各アンテナ素子261〜26Nへの出力信号が形成され,信号合成装置2311〜23NFにより同一のアンテナ素子に出力された信号を足し合わせ、切り替え装置251〜25Nから送信用アンテナ素子261〜26Nに出力され送信される。
ここで重み決定装置は、F個の周波数帯毎にL個のマルチビームにかける重みを上記した演算式(1)のようにユニタリ行列Vの列ベクトルvを求め、マルチビーム形成装置2211〜22FLにおいて送信信号に重みを設定する。
(Miyashita, K.;Nishimura, T.;Ohgane, T.;Ogawa,Y.;Takatori, Y;Keizo Cho;"High data-rate transmission with eigenbeam-space division multiplexing (E-SDM) in a MIMO channel,"Vehicular Technology Conference, 2002. Proceedings. VTC 2002-Fall.2002 IEEE 56th, Volume:3,24-28 Sept. 2002 Pages:1302_1306 vol.3).
ところで、図6に示す従来例によれば、推定した伝達係数行列のみによって形成されるため、伝達関数推定に誤差が生じると伝送品質の大きな劣化を招くという問題があり、伝達関数推定誤差の大きい環境には適用できない。また受信アンテナ数が送信アンテナ数より少ない場合、形成できるマルチビームの数は受信アンテナ数に制限されてしまうため送信ダイバーシチを適用できない。
一方、図7に示す従来例によれば、図6に示す従来例と比較して、マルチビーム形成装置211〜22FLは周波数分割多重数倍必要となり、また、重み決定装置270内での演算量も多くなり、制御が複雑となる問題があった。
本発明は上記事情に鑑みてなされたものであり、全周波数帯の伝搬環境から決定した重みを用いて送信を行うことにより、伝搬環境推定誤差による伝送品質の劣化を低減しながら送信アンテナ数のマルチビームを形成することを可能とし、マルチビーム形成のための制御を簡易化することを可能とした空間多重伝送用送信装置を提供することを目的とする。
上記した課題を解決するために本発明は、N個のアンテナ素子を用い、直交波周波数分割多重を用いたF個の周波数多重と、L個の空間多重による送信を行う空間多重伝送用送信装置であって、前記各アンテナ素子に接続され、受信信号と送信信号を切り替える切り替え装置と、前記切り替え装置に接続され、受信時に前記切り替え装置から出力される信号を入力信号とし、当該入力信号から広帯域の周波数帯の伝達係数行列を推定し、当該推定された伝達係数行列を用いてマルチビーム形成装置の重みを決定する重み決定装置と、前記入力された信号に直並列変換を行い、周波数分割多重数F×空間多重数Lに振り分けるシリアル−パラレル変換装置と、前記シリアル−パラレル変換装置の出力信号を入力信号とし、符号化を行い送信信号系列として逆フーリエ変換装置に出力するF×L個の送信装置と、前記送信装置から入力されたF個の信号に逆フーリエ変換を行い、L個のマルチビーム形成装置にそれぞれ出力を行うL個の逆フーリエ変換装置と、前記逆フーリエ変換装置の出力を入力信号とし、N個の信号に分割し、前記重み決定装置により決定された重み付けを行った後、N個の信号合成装置の対応するポートに出力を行うマルチビーム形成装置と、前記L個のマルチビーム形成装置からL個のポートに入力された入力信号を重ね合わせ、前記切り替え装置の他方のポートに出力を行うN個の信号合成装置と、を備えたことを特徴とする。
また、本発明において、前記重み決定装置は、前記伝達係数行列とその複素共役転置行列の積を求め、この行列の固有ベクトルを算出し、前記マルチビーム形成装置において各信号にかける重みとして出力させる伝達環境行列演算手段を備えることを特徴とする。
また、本発明において、前記重み決定装置は、対応するアンテナ素子において受信された受信信号にフーリエ変換を行い、F個の受信信号に変換するN個のフーリエ変換手段と、前記N個のフーリエ変換装置の対応する周波数帯の受信信号を入力信号とし、その周波数帯での伝達係数行列を推定する伝達係数行列推定手段と、前記伝達関数推定手段において推定されたF個の伝達係数行列より前記マルチビーム形成装置で各入力信号に乗算する重みを求める伝達環境行列演算手段を備えることを特徴とする。
また、本発明において、前記伝達係数行列演算手段は、前記F個の伝達係数行列から、それぞれ伝達係数行列とその複素共役転置行列の積を求め、和をとった行列の固有ベクトルを算出し、前記マルチビーム形成装置において各信号に設定する重みとして出力することを特徴とする。
また、本発明において、前記伝達係数行列演算手段は、前記F個の伝達係数行列から、伝達係数行列とその複素共役転置行列の積を求め、各行列に重み付けを行い、和をとった行列の固有ベクトルを算出し、前記マルチビーム形成装置において各信号に設定する重みとして出力することを特徴とする。
また、本発明において、前記伝達係数行列演算手段は、前記伝達係数行列とその板素共役転置行列の積に乗算する重みとして、伝達係数行列とその複素共役転置行列の積の固有値の和を用い、前記マルチビーム形成装置において各信号に設定する重みとして出力することを特徴とする。
また、本発明において、前記伝達係数行列演算手段は、前記伝達係数行列推定手段において推定されたF個の伝達係数行列から任意のI個の伝達係数行列を選択し、送信時の重みを算出し、前記マルチビーム形成装置において各信号に設定する重みとして出力することを特徴とする。
本発明によれば、直交波周波数分割多重を行う場合において、広い周波数帯の伝搬環境から重みを決定してマルチビームによる送信を行うことで、伝搬環境推定誤差による伝送品質の劣化を低減しながら送信アンテナ数のマルチビームを形成することを可能とし、また、マルチビーム形成のための制御を簡易化することができる。
更に、狭い周波数帯の伝搬環境をそれぞれ推定し、それらの伝達係数行列から重みを決定することで、送信アンテナ数と同数までのマルチビームを形成することができ、送信ダイバーシチを適用することができる。
以下、図1〜図5を参照しながら本発明実施形態について詳細に説明する。図1は本発明の一実施形態を示すブロック図であり、伝搬環境誤差の大きい環境において空間多重伝送の伝送品質の劣化を防ぐ空間多重伝送用送信装置の構成が示されている。
図1中、300は送信信号発生装置、3111〜31LFは送信装置、321〜32Lは逆フーリエ変換装置、331〜33Lはマルチビーム形成装置、341〜34Nは信号合成装置、351〜35Nは切り替え装置、361〜36Nはアンテナ素子、370は重み決定装置である。
上記構成において、シリアルーパラレル変換装置300により、シリアルーパラレル変換され周波数分割多重数F×空間多重数Lに振り分けられた送信信号は、それぞれ送信装置3111〜31LFにより符号化され、送信信号系列としてF個ずつ逆フーリエ変換装置321〜32Lに出力される。
逆フーリエ変換装置321〜32Lに入力された信号は逆フーリエ変換され、それぞれマルチビーム形成装置331〜33Lに出力される。マルチビーム形成装置に入力された信号は重み決定装置370により決定される重みV(k=1〜L)を、アナログもしくはデジタルで乗算し、信号合成装置341〜34Nにおいて同一のアンテナ素子に出力する信号が加算され、切り替え装置351〜35Nを介してアンテナ素子361〜36Nから送信される。
重み決定装置370は、伝達係数行列推定手段371と、伝達係数行列演算手段372から構成される。伝達係数行列推定手段371は、切り替え装置351〜35Nの受信時の出力を入力信号とし、広帯域な周波数帯での伝達係数行列を推定し、伝達係数行列演算手段372において所定の伝送品質を満たす重みを決定する。
ここで、N個のアンテナ素子を持つ送信装置と、M個のアンテナ素子数を持つ受信装置間において直交波周波数分割多重と空間多重を用いた通信を考える。
まず受信装置より、既知の信号Tを広帯域な搬送波により送信すると、送信装置では受信される受信信号Rからその周波数帯での伝達係数行列Hは以下の演算式(5)(6)によって算出される。この上りの伝達関数行列hより下りの伝達係数行列Hは以下の演算式(7)によって算出される。
Figure 2005252614
Figure 2005252614
Figure 2005252614
伝達係数行列Hijは、送信装置のアンテナ素子#jから受信装置の#iのアンテナ素子間における伝達係数の推定結果を表している。
例えば、伝達係数行列演算手段372は、各周波数帯における伝達係数行列から、その伝搬環境の到来波方向、到来波数、レベル、遅延の推定をMUSIC法(Multiple Signal Classification)やESPRIT法(Estimation of Signal Parameters via Rotational Invariance Techniques)(Paulaj et al, 'ESPRIT−a subspace rotation approach to signal parameter estimation', IEEE Proceeding,74(7), 1044-1045, July 1986)を用いて推定し、あらかじめ準備された重みの中から、その環境において所定の伝送品質の基準値を最大とするような重みを選択し、マルチビーム形成装置331において乗算される重みとして出力する。
上記した伝達係数行列演算手段372において、例えば、伝達係数行列とその複素共役転置行列の積H を求め、得られた行列の固有ベクトルを重み値として適用する。このように重みを決定することで、周波数選択性フェージングによる伝送品質の劣化を低減させることができる。
重み決定装置370の他の実施形態を図2に示す。ここに示す重み決定装置370は、フーリエ変換装置401〜40Nと、伝達係数行列推定手段411〜41Fと、伝達係数行列演算手段420で構成される。
上記構成において、フーリエ変換装置401〜40Nは、切り替え装置351〜35Nの受信時の出力を入力信号としてフーリエ変換を行い、周波数帯毎に分離し、伝達係数推定手段411〜41Fに出力する。また、伝達係数行列推定手段411〜41Nは、各周波数帯において伝達係数行列を算出し、伝達係数行列演算装置420に出力する。伝達係数行列演算手段420は、推定された伝達係数行列から送信時の重みを決定する。
伝達係数行列演算手段420は、各周波数帯の伝達係数行列を用いて、送信時に全ての周波数帯で活用する重みを算出することで伝搬環境推定誤差による伝送品質の劣化を低減する。例えば、各周波数帯における伝達係数行列から、その伝搬環境の到来彼方向、到来波数、レベル、遅延の推定を上記したMUSIC法やESPRIT法を用いて推定し、あらかじめ準備された重みの中から、その環境において所定の伝送品質基準値を最大とする重みを選択し、マルチビーム形成装置331〜33Lにおいて乗算される重みとして出力する。
上記した伝達係数行列演算手段420において、ある周波数帯#k(1≦k≦F)での伝達係数行列をHとすると、例えば、伝達係数行列Hとその複素共役転置行列H の積の和ΣH から、固有ベクトルを重みとして適用する。このように重みを決定することで、周波数選択性フェージングによる伝送品質の劣化を低減させることができ、また受信アンテナ数に関係なく送信アンテナ数Nのマルチビームを形成することができることから送信ダイバーシチを適用することができる。
また、上記した伝達係数行列演算手段420において、各周波数帯の伝達係数行列Hから計算されたH に重みW乗算したものの和Σw を求め、その固有ベクトルを重み値として適用する。
重みwとしては例えば、上記した伝達係数行列演算手段420において、伝達係数行列Hから計算されたH の固有値λk1〜λkXを求め、大きいものから順に空間多重数L個の和を以下の演算式(8)により計算する。
Figure 2005252614
上記Λを重みWとしてΣΛ を算出しその固有ベクトルを重み値として適用する。
また、上記した伝達係数行列演算手段420において、伝達係数行列推定手段411〜41Fで推定された伝達係数行列hのうち任意のI個(I≦F)の伝達係数行列を用いて重みを決定する。
更に、全周波数帯に同じ重みを適用するという観点で、従来例で示した図7のマルチビーム形成装置において、空間多重における#kのマルチビームにかかわるマルチビーム形成装置22k1〜22kFで用いる重みを同一にすることでも同じ効果を得ることができる。また、このとき周波数帯でマルチビーム形成装置をいくつかの組に分け、それぞれの組で同じ重みを適用するような制御方法を採用することによっても伝搬環境行列推定誤差による伝送品質の劣化を低減することができる。
本発明の実施による効果を計算機シミュレーションにより実行した結果を以下に説明する。ここでは、送信アンテナ素子数を8、受信アンテナ素子数を2とし、上りと下りで異なる周波数を用い直交波周波数分割多重及び空間分割多重による通信を考える。
伝搬路モデルとしては到来波を100波とし、図3に示すように散乱物の集まりである5つのクラスタが送信機及び受信機のまわりに存在することとし、それぞれ角度広がりを25°とした。伝搬環境は仲上−ライスフェージングとし、Kファクタを6dB、遅延スプレッドを100ns、遅延波の電力分布を指数で与えた。そして、送信電力を30dBとし、クラスタの中心方向及び各到来波の到来方向に位相をランダムに与えて1000回試行し、誤り率の累積確立をとった。このときシミュレーションに用いた諸元表を図5に示す。
送信装置は2つのマルチビームを形成し、送信を行うものとし、従来例によるものは、各周波数帯において上り伝搬環各周波数で得られた伝達係数行列を用い、特異値分解によるマルチビームを形成するものとし、本実施形態によるものは、#kの周波数帯で推定された伝達係数行列hとその複素共役転置行列の積H の和ΣH の固有ベクトルの中から固有値の多きいベクトル2つを送信時の重みとして全周波数帯で活用するものとした。
固有値の大きい方(Signal1)と小さい方(Signal2)のマルチビームにそれぞれ変調方式16QAM(Quadrature Amplitude Modulation)とQPSK(Quadrature Phase Shift Keying)を適用した際の誤り率の確立分布を図4に示す。図4において、縦軸はCP(Cumulative Provability)、横軸はBER(Bit Error Rate: 誤り率)を表す。それぞれ誤り率10−4値で12%、8%の改善が見られる。
以上説明のように本発明によれば、重み決定装置370が、切り替え装置351〜35nから出力される信号を入力信号とし、当該入力信号から広帯域の周波数帯の伝達係数行列を推定し、当該推定された伝達係数行列を用いてマルチビーム形成装置の重みを決定するものであり、受信装置において所定の伝送品質の基準値を最大とする重みを決定することを特徴とするものである。このことにより、直交波周波数分割多重を行う場合、広い周波数帯の伝搬環境から重みを決定してマルチビームによる送信を行い、伝搬環境推定誤差による伝送品質の劣化を低減し、演算量を減らすことができる。
また、狭い周波数帯の伝搬環境をそれぞれ推定し、それらの伝達係数行列から重みを決定することで、送信アンテナ数と同数までのマルチビームを形成することができ、送信ダイバーシチを適用することができる。
本発明の実施形態における空間多重伝送用送信装置の構成を示すブロック図である。 図1における重み決定装置の他の実施形態を示すブロック図である。 計算機シミュレーションでの伝搬環境モデルを示す図である。 誤り率の確立分布について、本発明実施形態と従来例とを対比して示した図である。 計算機シミュレーションに用いた諸元表を示す図である。 従来の空間多重伝送用送信装置の内部構成の一例を示すブロック図である。 従来の空間多重伝送用送信装置における内部構成の他の例を示すブロック図である。
符号の説明
300…シリアルーパラレル変換装置、3111〜31LF…送信装置、331〜33L…マルチビーム形成装置、341〜34N…信号合成装置、351〜35N…切り替え装置、361〜36N…アンテナ素子、370…重み決定装置、321〜32L…逆フーリエ変換装置、371、411〜41F…伝達係数行列推定手段、372、420…伝達係数行列演算手段、401〜40N…フーリエ変換装置

Claims (7)

  1. N個のアンテナ素子を用い、直交波周波数分割多重を用いたF個の周波数多重と、L個の空間多重による送信を行う空間多重伝送用送信装置であって、
    前記各アンテナ素子に接続され、受信信号と送信信号を切り替える切り替え装置と、
    前記切り替え装置に接続され、受信時に前記切り替え装置から出力される信号を入力信号とし、当該入力信号から広帯域の周波数帯の伝達係数行列を推定し、当該推定された伝達係数行列を用いてマルチビーム形成装置の重みを決定する重み決定装置と、
    前記入力された信号に直並列変換を行い、周波数分割多重数F×空間多重数Lに振り分けるシリアルーパラレル変換装置と、
    前記シリアルーパラレル変換装置の出力信号を入力信号とし、符号化を行い送信信号系列として逆フーリエ変換装置に出力するF×L個の送信装置と、
    前記送信装置から入力されたF個の信号に逆フーリエ変換を行い、L個のマルチビーム形成装置にそれぞれ出力を行うL個の逆フーリエ変換装置と、
    前記逆フーリエ変換装置の出力を入力信号とし、N個の信号に分割し、前記重み決定装置により決定された重み付けを行った後、N個の信号合成装置の対応するポートに出力を行うマルチビーム形成装置と、
    前記L個のマルチビーム形成装置からL個のポートに入力された入力信号を重ね合わせ、前記切り替え装置の他方のポートに出力を行うN個の信号合成装置と、
    を備えたことを特徴とする空間多重伝送用送信装置。
  2. 前記重み決定装置は、
    前記伝達係数行列とその複素共役転置行列の積を求め、この行列の固有ベクトルを算出し、前記マルチビーム形成装置において各信号にかける重みとして出力させる伝達環境行列演算手段を備えることを特徴とする請求項1に記載の空間多重伝送用送信装置。
  3. 前記重み決定装置は、
    対応するアンテナ素子において受信された受信信号にフーリエ変換を行い、F個の受信信号に変換するN個のフーリエ変換手段と、
    前記N個のフーリエ変換装置の対応する周波数帯の受信信号を入力信号とし、その周波数帯での伝達係数行列を推定する伝達係数行列推定手段と、
    前記伝達関数推定手段において推定されたF個の伝達係数行列より前記マルチビーム形成装置で各入力信号に乗算する重みを求める伝達環境行列演算手段を備えることを特徴とする請求項1または2に記載の空間多重伝送用送信装置。
  4. 前記伝達係数行列演算手段は、
    前記F個の伝達係数行列から、それぞれ伝達係数行列とその複素共役転置行列の積を求め、和をとった行列の固有ベクトルを算出し、前記マルチビーム形成装置において各信号に設定する重みとして出力することを特徴とする請求項3に記載の空間多重伝送用送信装置。
  5. 前記伝達係数行列演算手段は、
    前記F個の伝達係数行列から、伝達係数行列とその複素共役転置行列の積を求め、各行列に重み付けを行い、和をとった行列の固有ベクトルを算出し、前記マルチビーム形成装置において各信号に設定する重みとして出力することを特徴とする請求項3に記載の空間多重伝送用送信装置。
  6. 前記伝達係数行列演算手段は、
    前記伝達係数行列とその板素共役転置行列の積に乗算する重みとして、伝達係数行列とその複素共役転置行列の積の固有値の和を用い、前記マルチビーム形成装置において各信号に設定する重みとして出力することを特徴とする請求項5に記載の空間多重伝送用送信装置。
  7. 前記伝達係数行列演算手段は、
    前記伝達係数行列推定手段において推定されたF個の伝達係数行列から任意のI個の伝達係数行列を選択し、送信時の重みを算出し、前記マルチビーム形成装置において各信号に設定する重みとして出力することを特徴とする請求項3〜6のいずれか1項に記載の空間多重伝送用送信装置。

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