JP2005251468A - イオン発生装置及びイオン注入装置 - Google Patents

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Abstract

【課題】 イオン発生装置全体のメンテナンス周期を延長できるようにしたイオン発生装置及びイオン注入装置を提供する。
【解決手段】 アークチャンバー11と、このアークチャンバー11内へ熱電子を放出するための2つの熱電子発生源3,5と、フィラメント電源7と、2つの熱電子発生源3,5を互いに直列状態でフィラメント電源7に接続する配線wとを備え、フィラメント電源7から配線wに流される電流の向きは所定のタイミングで切り替えられる構成となっている。熱電子発生源3,5に流れる電子の量を相対的にほぼ同量にすることができ、熱電子発生源3,5の消耗速度を均一化することができる。
【選択図】 図1

Description

本発明は、イオン発生装置及びイオン注入装置に関し、特に、イオン注入装置を構成するイオン発生装置のメンテナンス周期を延長できるようにしたものである。
図12は、従来例に係るイオン発生装置90の構成例を示す概念図である。図12に示すように、このイオン発生装置90は、例えば、アークチャンバー91と、このアークチャンバー91の磁場方向の両側にそれぞれ設けられた熱電子発生源93,95と、直流のフィラメント電源97等から構成されている。
これらの中で、一方の熱電子発生源93は、アークチャンバー91内に設けられたカソード93bと、アークチャンバー91の外側であってカソード93bから所定距離だけ離れた位置に設けられたフィラメント93aとから構成されている。同様に、他方の熱電子発生源95は、アークチャンバー91内に設けられたカソード95bと、アークチャンバー91の外側であってカソード95bから所定距離だけ離れた位置に設けられたフィラメント95aとから構成されている。また、フィラメント電源97は、これら2つのフィラメント93a、95aに対して直列となるよう配線に接続し、この配線に直流電流を流すようになっている。
このようなイオン発生装置90は、例えば、半導体装置の製造工程で使用されるイオン注入装置のガス導入部と引出電極との間に取り付けられる。そして、熱電子発生源93,95が、アークチャンバー91内に熱電子を放出させ、アークチャンバー91内に導入された導電型不純物をイオン化させる。このような2つの熱電子発生源を備えたイオン発生装置は、例えば特許文献1に記載されている。
ところで、この種のイオン発生装置では、特許文献1にも記載されているように、カソード93b,95bは取付プレートに固定され、この取付プレートはボルト及びインシュレーターによって電気的に絶縁された状態で、アークチャンバー91に固定されている。従来、この種のイオン発生装置では、引出電極へのイオンビーム照射によって生じた二次電子がインシュレーター側に跳ね返り、インシュレーターが汚れてその絶縁性が担保されなくなるという問題があった。また、イオン発生装置の累積稼働時間が増えるにつれて、アークチャンバー91内にデポ物が堆積してしまうという問題があった。
本発明者らはイオン発生装置90を用いて多くの実験を行い、その実験結果に基づいてイオン発生装置の構成部材を改造したり、そのメンテナンス方法を変えたりして、イオン発生装置90全体の寿命(メンテナンス周期)をある程度延ばすことに成功した。
特開平11−25872号公報
しかしながら、イオン発生装置90全体のメンテナンス周期をある程度延ばすことに成功した結果、今までメンテナンス周期の短さに隠れて表に出てこなかった新たな問題が明らかとなってきた。
この新たな問題とは、「フィラメント電源97のマイナス端子に近い側の熱電子発生源93は、プラス端子に近い側の熱電子発生源95よりもカソードの消耗が速く、その寿命が短い。そして、フィラメントの汚れ等の従前の問題を解決した後では、イオン発生装置90全体の寿命(メンテナンス周期)は、このマイナス端子に近い側の熱電子発生源93の寿命に律側される。」というものである。プラス端子に近い側の熱電子発生源95よりもマイナス端子に近い側の熱電子発生源93の方が先に寿命が来てしまい、その結果、熱電子発生源95はまだ使用可能であるにも関わらず、イオン発生装置91をメンテナンス、又は交換せざるを得ない、という問題が生じてきた。
つまり、今までは、熱電子発生源93の寿命がくる前に、イオン発生装置の汚れ等の理由からメンテナンス周期が決まり、メンテナンス時にはイオン発生装置全体を完全に停止してメンテナンスを行い、その後再起動するという多大な手間がかかっていた。このため、このメンテナンス時に熱電子発生源93,95のカソードも交換していたので、問題点が全く認識されていなかったのである。
本発明は、上記課題を解決するためになされたものであり、イオン発生装置全体のメンテナンス周期を延長できるようにしたイオン発生装置及びイオン注入装置の提供を目的とする。
上述した課題を解決するために、本発明に係る第1のイオン発生装置は、チャンバーと、前記チャンバー内へ熱電子を放出するための複数の熱電子放出部と、電源装置と、前記複数の熱電子放出部を互いに直列状態で前記電源装置に接続する配線とを備え、前記電源装置から前記配線に流される前記電流の向きは所定のタイミングで切り替えられる構成となっていることを特徴とするものである。
また、本発明に係る第2のイオン発生装置は、上述した第1のイオン発生装置において、前記電源装置は直流の電源装置であり、前記直流の電源装置から前記配線に流される直流電流の向きを所定のタイミングで切り替える切替装置、を備えたことを特徴とするものである。ここで、熱電子放出部とは、例えば、チャンバーの内側に配置された陰極部材と、この陰極部材に熱電子放出用のエネルギーを与えるために当該陰極部材から所定距離だけ離れた位置に配置され、かつ配線に接続されたフィラメントとからなるものである。
本発明に係る第1、第2のイオン発生装置によれば、配線に流される電流の向きは所定のタイミングで切り替えられる。従って、複数の熱電子放出部に流れる電子の量を相対的にほぼ同量にすることができ、イオン発生装置を構成する複数の熱電子放出部の消耗速度を均一化することができる。従来方式と比べて、複数の熱電子放出部の寿命を一致又は略一致させることができ、イオン発生装置全体の寿命(以下、「メンテナンス周期」という。)を延ばすことができる。
本発明に係る第3のイオン発生装置は、上述した第1のイオン発生装置において、前記電源装置は交流の電源装置であり、前記交流の電源装置から前記配線に交流電流が流されることを特徴とするものである。本発明に係る第3のイオン発生装置によれば、電源装置から配線に流される電流は交流なので、電流の向きは一定周期で変化する。これは、直流の電源装置のプラス端子とマイナス端子とを一定間隔毎に繰り返し入れ変えることと同じである。従って、上述した第1、第2のイオン発生装置と同様に、イオン発生装置を構成する複数の熱電子放出部の消耗速度を均一化することができる。従来方式と比べて、複数の熱電子放出部の寿命を一致又は略一致させることができ、イオン発生装置全体のメンテナンス周期を延長することができる。
本発明に係る第4のイオン発生装置は、チャンバーと、前記チャンバー内へ熱電子を放出するための複数の熱電子放出部と、電源装置と、前記複数の熱電子放出部を互いに並列状態で前記電源装置に接続する配線とを備えたことを特徴とするものである。ここで、第4のイオン発生装置における電源装置は、直流の電源装置でも、交流の電源装置でもどちらでも良い。
本発明に係る第4のイオン発生装置によれば、複数の熱電子放出部にほぼ同量の電子を同時に流すことができるので、複数の熱電子放出部の消耗速度を均一化することができる。従来方式と比べて、複数の熱電子放出部の寿命を一致又は略一致させることができ、イオン発生装置全体のメンテナンス周期を延長することができる。
本発明に係る第5のイオン発生装置は、チャンバーと、前記チャンバー内へ熱電子を放出するための複数の熱電子放出部と、前記複数の熱電子放出部が互いに電気的に独立した状態となるよう当該複数の熱電子放出部の個々にそれぞれ接続した配線と、前記配線にそれぞれ接続された複数の電源装置とを備え、一の前記電源装置から一の前記配線に流される電流と、他の前記電源装置から他の前記配線に流される電流とが同じ値であることを特徴とするものである。ここで、第5のイオン発生装置における一の電源装置と他の電源装置とは、その両方とも直流の電源装置、又は、その両方とも交流の電源装置である。
本発明に係る第5のイオン発生装置によれば、上述した第4のイオン発生装置と同様に、複数の熱電子放出部の消耗速度を均一化することができる。従来方式と比べて、複数の熱電子放出部の寿命を一致又は略一致させることができ、イオン発生装置全体のメンテナンス周期を延長することができる。
本発明に係る第6のイオン発生装置は、上述した第1から第5のイオン発生装置において、前記熱電子放出部は、前記チャンバーの内側に配置された陰極部材と、前記陰極部材に前記熱電子放出用のエネルギーを与えるために当該陰極部材から所定距離だけ離れた位置に配置され、かつ前記配線に接続されたフィラメントとからなることを特徴とするものである。本発明に係る第6のイオン発生装置によれば、従来方式と比べて、複数のカソードの寿命を一致又は略一致させることができ、イオン発生装置全体のメンテナンス周期を延長することができる。
本発明に係る第7のイオン発生装置は、チャンバーと、前記チャンバー内へ熱電子を放出するための複数の熱電子放出部と、直流の電源装置と、前記複数の熱電子放出部を互いに直列状態で前記電源装置に接続する配線とを備え、前記熱電子放出部は、前記チャンバーの内側に配置された陰極部材と、前記陰極部材に前記熱電子放出用のエネルギーを与えるために当該陰極部材から所定距離だけ離れた位置に配置され、かつ前記配線に接続されたフィラメントとからなり、前記電源装置のマイナス端子に近い側に配された前記熱電子放出部の前記陰極部材は、当該電源装置のプラス端子に近い側に配された前記熱電子放出部の前記陰極部材よりもその体積が大きいことを特徴とするものである。
ここで、電源装置の「マイナス端子に近い側」、「プラス端子に近い側」とは、それぞれ配線上でのことであり、物理的な直線距離を意味するものではない。また、電源装置のマイナス端子に近い側に配された電子放出部(以下、単に「マイナス端子に近い側」という。)のフィラメントには、この電源装置のプラス端子に近い側に配された電子放出部(以下、単に「プラス端子に近い側」という。)のフィラメントよりも多くの電子が流れるので、マイナス端子に近い側のフィラメントの方がプラス端子に近い側のフィラメントよりも多くの熱電子を放出する。また、マイナス端子に近い側の陰極部材の方がプラス端子に近い側の陰極部材よりも大きなエネルギーを受け取るので、マイナス端子に近い側の陰極部材の方がプラス端子に近い側の陰極部材よりも多くの熱電子をチャンバー内に放出する。そして、熱電子の放出量が多い陰極部材ほどその近傍でのイオンの発生量が多い。このような理由から、マイナス端子に近い側の陰極部材の方がプラス端子に近い側の陰極部材よりも、チャンバー内のイオンによってスパッタされ易く、その消耗速度が大きい。
本発明に係る第7のイオン発生装置によれば、マイナス端子に近い側の陰極部材の方がプラス端子に近い側の陰極部材よりもその体積が大きいので、マイナス端子に近い側の陰極部材の消耗速度が大きくてもそれが使用限界に達するまでに要する時間を延ばすことができる。従って、両者の体積の比を消耗速度の比に応じて選択すれば、複数の熱電子放出部の寿命を一致又は略一致させることが可能であり、イオン発生装置全体のメンテナンス周期を延長することができる。なお、マイナス端子に近い側の陰極部材の体積を増やす方法としては、例えば陰極部材の平面視での形状が円形の場合にはその直径や、厚さを大きくする方法がある。
本発明に係る第8のイオン発生装置は、チャンバーと、前記チャンバー内へ熱電子を放出するための複数の熱電子放出部と、直流の電源装置と、前記複数の熱電子放出部を互いに直列状態で前記電源装置に接続する配線とを備え、前記熱電子放出部は、前記チャンバーの内側に配置された陰極部材と、前記陰極部材に前記熱電子放出用のエネルギーを与えるために当該陰極部材から所定距離だけ離れた位置に配置され、かつ前記配線に接続されたフィラメントとからなり、前記電源装置のマイナス端子に近い側に配された前記熱電子放出部の前記フィラメントは、当該電源装置のプラス端子に近い側に配された前記熱電子放出部の前記フィラメントよりもその抵抗値が小さいことを特徴とするものである。ここで、フィラメントの抵抗値を下げると熱電子の放出量が減り、対応する陰極部材に与えるエネルギー量も小さくなる傾向がある。
本発明に係る第8のイオン発生装置によれば、マイナス端子に近い側のフィラメントから放出される熱電子の量を、プラス端子に近い側のフィラメントから放出される熱電子の量に近づけることが可能である。従って、両者のフィラメント抵抗値の比を消耗速度に応じて選択すれば、複数の熱電子放出部の寿命を一致又は略一致させることが可能であり、イオン発生装置全体のメンテナンス周期を延長することができる。なお、マイナス端子に近い側のフィラメントの抵抗値を下げる方法としては、例えば、フィラメントの長さを短くしたり、その断面積を大きくしたりする方法がある。
本発明に係るイオン注入装置は、導電型不純物をイオン化して基板に注入するイオン注入装置であって、上述した第1から第8のイオン発生装置の何れか一つを備えたことを特徴とするものである。ここで、導電型不純物とは例えばリン(PH)や、ボロン(BF)、ヒ素(As)等のことである。また、基板とは、例えば半導体ウエーハのことである。本発明に係るイオン注入装置によれば、上述した第1から第8のイオン発生装置が応用されるので、イオン発生装置全体のメンテナンス周期を延長することができ、イオン注入装置のメンテナンス周期の延長に貢献することができる。
以下、図面を参照しながら、本発明の実施形態に係るイオン発生装置及びイオン注入装置について説明する。
(1)第1実施形態
図1は本発明の第1実施形態に係るイオン発生装置10の構成例を示す概念図である。図1に示すように、このイオン発生装置10は、アークチャンバー11と、アークチャンバー11内へ熱電子を放出するための2つの熱電子発生源3,5と、フィラメント電源7と、2つの熱電子発生源3,5を互いに直列状態でフィラメント電源7に接続する配線wと、フィラメント電源7から配線wに流される直流電流の向きを所定のタイミングで切り替える切替装置9等、から構成されている。
図1に示すように、一方の熱電子発生源3は、例えば、アークチャンバー11の内側に配置されたカソード3bと、このカソード3bに熱電子放出用のエネルギーを与えるために所定距離だけ離れた位置に配置され、かつ配線wに接続されたフィラメント3aとから構成されている。同様に、他方の熱電子発生源5は、例えば、アークチャンバー11の内側に配置されたカソード5bと、このカソード5bに熱電子放出用のエネルギーを与えるために所定距離だけ離れた位置に配置され、かつ配線wに接続されたフィラメント5aとから構成されている。
フィラメント3aとフィラメント5aは同一材質からなり、かつ同一形状であり、その抵抗値はほぼ同一の値となっている。また、カソード3bとカソード5bは同一材質からなり、かつ同一形状であり、その大きさはほぼ同一の値となっている(その結果、それぞれの体積もほぼ同一の値となっている。)。これらの熱電子発生源3,5は、アークチャンバー11の磁場方向の両側、即ち、図1ではアークチャンバー11の上下両部にそれぞれ設けられている。
このイオン発生装置10は、例えば、半導体装置の製造工程で使用されるイオン注入装置のガス導入部と引出電極との間に取り付けられる。そして、一対の熱電子発生源3,5が、アークチャンバー11の上下両部からその内側へ熱電子を放出させ、アークチャンバー11内に導入された導電型不純物をイオン化させる。
図2は切替装置9による配線接続の切替例を示す概念図である。図2に示すように、この切替装置9は、熱電子発生源3,5と、フィラメント電源7との間に取り付けられている。この切替装置9は、イオン発生装置10が稼働している間は一定時間毎(例えば、5分毎や10分毎)に、切替装置9内部の配線を図2の実線から破線へ、又は破線から実線へ切り替えて、フィラメント3a,5aの極性を入れ替えする。
切替装置9の内部が実線で示すように配線されている場合には、フィラメント電源7から供給される電流(電子e)は実線矢印で示す方向に流される。即ち、フィラメント電源7のマイナス端子から出た電子eは、切替装置9を通ってフィラメント電源7のマイナス端子に近い側にあるフィラメント3aに到達する。この電子eの到達によってフィラメント3aは熱せられ、このフィラメント3aの表面からカソード3bに向けて熱電子が放出される。このフィラメント3aからカソード3bへの熱電子の放出により、例えば、フィラメント電源7のマイナス端子から流れてきた電子eの10[%]が消費される。
また、消費されずに残った電子eはこのフィラメント3aを通過して、フィラメント電源7のプラス端子に近い側にあるフィラメント5aに到達する。そして、この残りの電子eの到達によってフィラメント5aは熱せられ、このフィラメント5aの表面からカソード5bに向けて熱電子が放出される。このフィラメント5aからカソード5bへの熱電子の放出により、例えば、「残りの電子e」の10[%]が消費される。
従って、フィラメント3a,5aを比較した場合、フィラメント3aの方がフィラメント5aよりもその消費する電子eの量が多く、フィラメント3aの方がフィラメント5aよりも多くの熱電子を放出する。また、フィラメントが放出する熱電子の量が多いほどカソードが受け取るエネルギー量も多い。従って、カソード3bの方がカソード5bよりも温度が上昇し、アークチャンバー11に多くの熱電子を放出する。このアークチャンバー11内に放出された熱電子が、アークチャンバー内にあるガスと衝突してイオンを発生させる。ここで、アークチャンバー11内への熱電子の放出量が多いカソードほど、そのカソード近傍でのガスのイオン化も活発となる。従って、熱電子の放出量が多いカソードほど、発生したイオンによってその表面がスパッタされ易い。このような理由から、図2の実線矢印で示す方向に電子eが流れている間は、カソード3bの方がカソード5bよりもその消耗速度が速い。
一方、切替装置9の内部が破線で示すように配線されている場合には、フィラメント電源7から供給される電流(電子e)は破線矢印で示す方向に流される。即ち、フィラメント電源7のマイナス端子から出た電子eは、切替装置9を通ってフィラメント電源7のマイナス端子に近い側にあるフィラメント5aに先に到達する。この電子eの到達によってフィラメント5aは熱せられ、このフィラメント5aの表面からカソード5bに向けて熱電子が放出される。このフィラメント5aでは、フィラメント電源7のマイナス端子から流れてきた電子eの10[%]が消費される。
また、消費されずに残った電子eはこのフィラメント5aを通過して、フィラメント電源7のプラス端子に近い側にあるフィラメント3aに到達する。そして、この残りの電子eの到達によってフィラメント3aは熱せられ、このフィラメント3aの表面からカソード3bに向けて熱電子が放出される。このフィラメントでは、フィラメント5aを通過した「残りの電子e」の10[%]が消費される。破線矢印の向きで電子eが流れる場合には、フィラメント5aの方がフィラメント3aよりもその消費する電子eの量が多い。また、破線矢印で示す方向に電子eが流れている間は、カソード5bの方がカソード3bよりもアークチャンバー11内に熱電子を多く放出し、また、発生したイオンによってスパッタされ易い。それゆえ、カソード5bの方がカソード3bよりもその消耗速度が速い。
このように、本発明の第1実施形態に係るイオン発生装置10によれば、配線wに流される直流電流の向きは、切替装置9によって一定時間毎に切り替えられる。従って、フィラメント3a,5aに流れる電子の量を相対的にほぼ同量にすることができ、カソード3b,5bの消耗速度を均一化することができる。従来方式と比べて、カソード3b,5bの寿命を一致又は略一致させることができ、イオン発生装置全体の寿命(メンテナンス周期)を延ばすことができる。この第1実施形態では、アークチャンバー11が本発明のチャンバーに対応し、熱電子発生源3,5が本発明の複数の熱電子放出部に対応している。また、フィラメント電源7が本発明の電源装置に対応し、カソード3b,5bが本発明の陰極部材に対応している。
(2)第2実施形態
図3は本発明の第2実施形態に係るイオン発生装置20の構成例を示す概念図である。図3において、図1及び図2と同一の機能を有するものには同一の符号を付し、その詳細な説明は省略する。上記の第1実施形態では、図2に示したように、配線w中を流れる電流の向きを一定時間毎に切り替えるために、切替装置9を設けることについて説明したが、電流の向きを一定時間毎に切り替える手段は、上記の切替装置9に限られるものではない。
例えば、図2に示した直流のフィラメント電源7と切替装置9とを、図3に示すように交流のフィラメント電源27に置き換えても良い。このような構成によれば、配線wに流される電流は交流なので、電流の向きは一定周期で変化する。これは、直流のフィラメント電源7(図2参照)のプラス端子とマイナス端子とを一定間隔毎に繰り返し入れ変えることと同じである。従って、第1実施形態で説明したイオン発生装置10と同様に、カソード3b,5bの消耗速度を均一化することができる。従来方式と比べて、カソード3b,5bの寿命を一致又は略一致させることができ、イオン発生装置全体のメンテナンス周期を延長することができる。この第2実施形態では、フィラメント電源27が本発明の交流の電源装置に対応している。
(3)第3実施形態
図4は本発明の第3実施形態に係るイオン発生装置30の構成例を示す概念図である。図4において、図1及び図2と同一の機能を有するものには同一の符号を付し、その詳細な説明は省略する。この第3実施形態に係るイオン発生装置30では、直流のフィラメント電源37が2つのフィラメント3a,5aに対して並列となるよう配線wに接続されている。
このような構成によれば、フィラメント3a,5aにほぼ同量の電子を同時に流すことができ、カソード3b,5bの消耗速度を均一化することができる。従来方式と比べて、カソード3b,5bの寿命を一致又は略一致させることができ、イオン発生装置全体のメンテナンス周期を延長することができる。なお、図4に示すフィラメント電源37は、直流の電源装置に限られることはなく、交流の電源装置でも良い。この第3実施形態では、フィラメント電源37が本発明の電源装置に対応している。
(4)第4実施形態
図5は本発明の第4実施形態に係るイオン発生装置40の構成例を示す概念図である。図5において、図1及び図2と同一の機能を有するものには同一の符号を付し、その詳細な説明は省略する。このイオン発生装置40には、2つのフィラメント3a,5aが互いに電気的に独立した状態となるよう当該フィラメント3a,5aの個々にそれぞれ接続した配線wと、これらの配線wにそれぞれ接続されたフィラメント電源47,48とが取り付けられている。これらのフィラメント電源47,48は、その両方とも例えば直流の電源装置である。このイオン発生装置40では、フィラメント電源47からフィラメント3aに流される電流と、フィラメント電源48からフィラメント5aに流される電流とが同じ値となるように、フィラメント電源47,48の出力がそれぞれ調整される。
このような構成によれば、第3実施形態で説明したイオン発生装置30と同様に、カソード3b,5bの消耗速度を均一化することができる。従来方式と比べて、カソード3b,5bの寿命を一致又は略一致させることができ、イオン発生装置全体のメンテナンス周期を延長することができる。なお、図5に示すフィラメント電源47,48は直流の電源装置に限られることは無く、例えば、その両方とも交流の電源装置でも良い。この第4実施形態では、フィラメント電源47,48が本発明の「熱電子放出部に対して並列となるよう配線wに接続された電源装置」に対応している。
(5)第5実施形態
図6は本発明の第5実施形態に係るイオン発生装置50の構成例を示す概念図である。図6において、図1及び図2と同一の機能を有するものには同一の符号を付し、その詳細な説明は省略する。
このイオン発生装置50では、直流のフィラメント電源7のマイナス端子に近い側にフィラメント3aとカソード53bとからなる熱電子発生源53が配置され、プラス端子に近い側にフィラメント5aとカソード55bとからなる熱電子発生源55が配置されている。上述したように、フィラメント電源7のマイナス端子に近い側にあるフィラメント3aの方がプラス端子に近い側にあるフィラメント5aよりも熱電子を多く放出するので、その結果、カソード53aの方がカソード55bよりもリンイオン(P)等によってスパッタされ易く、消耗速度が大きい。
ところで、このイオン発生装置50では、消耗速度の大きいカソード53bの体積は、カソード55bの体積よりも大きく設定されている。
図7はイオン発生装置50におけるカソード53b,55bの厚さの違いを示す概念図である。図7に示すカソード53b,55bのアークチャンバー11内側からの平面視での形状は同一であり、例えば円形である。また、カソード53b,55b間で、この円の直径は同一である。図7に示すように、このイオン発生装置50では、直流のフィラメント電源7のマイナス端子に近い側にあるカソード53bの厚さをTとし、フィラメント電源7のプラス端子に近い側にあるカソード55bの厚さをTとしたとき、T>Tとなっている。これらTとTのそれぞれの値は、例えばT=10[mm]、T=8[mm]である。
このような構成によれば、マイナス端子に近い側のカソード53bの消耗速度が大きくても、それが使用限界に達するまでに要する時間を延ばすことができる。従って、カソード53b,55bの体積の比を消耗速度の比に応じて選択すれば、カソード53b,55bの寿命を一致又は略一致させることが可能である。これにより、イオン発生装置全体のメンテナンス周期を延長することができる。本発明者が行った実験では、特にT=10[mm]とし、T=8[mm]としたとき、イオン発生装置のメンテナンス周期は約300[時間]であった。また、比較として、T=8[mm]とし、T=8[mm]としたときのイオン発生装置のメンテナンス周期は約100[時間]であった。この第5実施形態では、熱電子発生源53,55が本発明の複数の熱電子放出部に対応し、カソード53b,55bが本発明の陰極部材に対応している。
なお、熱電子発生源が2つではなく、例えば4つあり、これら4つの熱電子発生源が配線wによって互いに直列状態で直流のフィラメント電源7に接続されている場合には、フィラメント電源7のマイナス端子に接続が近い熱電子発生源ほど、そのカソードの体積を大きくすると良い。これにより、4つの熱電子発生源でそれぞれのカソードの寿命を一致又は略一致させることが可能であり、4つの熱電子発生源を備えたイオン発生装置全体のメンテナンス周期を延長することができる。
(6)第6実施形態
上述の第5実施形態では、カソード53bの厚さTをカソード55bの厚さTよりも厚くして、カソード53bの体積をカソード55bの体積よりも大きくすることについて説明した。しかしながら、カソードの厚さT,Tだけでなく、カソードの形状を変えたり、或いは、カソードの形状が同一の場合にはその大きさを変えたりすることで、カソードの体積を異ならせても良い。
図8は本発明の第6実施形態に係るイオン発生装置50´の構成例を示す概念図である。図8において、図1、図2及び図7と同一の機能を有するものには同一の符号を付し、その詳細な説明は省略する。このイオン発生装置50´では、直流のフィラメント電源7のマイナス端子に近い側にフィラメント3aとカソード53b´とからなる熱電子発生源53´が配置され、プラス端子に近い側にフィラメント5aとカソード55b´とからなる熱電子発生源55´が配置されている。
図8に示すカソードのアークチャンバー11内側からの平面視での形状は同一であり、例えば円形である。また、カソード53b´、55b´の厚さT、Tはそれぞれ同じ値である。例えば、T=8[mm]とし、T=8[mm]である。さらに、このイオン発生装置50´では、直流のフィラメント電源7のマイナス端子に近い側にあるカソード53b´の円の直径をφとし、フィラメント電源7のプラス端子に近い側にあるカソード55b´の円の直径をφとしたとき、φ>φとなっている。これらφとφのそれぞれの値は、例えばφ=13.2[mm]、φ=11.8[mm]である。
このような構成によれば、第5実施形態で説明したイオン発生装置50と同様に、カソード53b´の体積はカソード55b´の体積よりも大きい。従って、マイナス端子に近い側のカソード53bの消耗に要する時間を延ばすことができ、カソード53b,55bの寿命を一致又は略一致させることが可能である。これにより、イオン発生装置全体のメンテナンス周期を延長することができる。この第6実施形態では、熱電子発生源53´,55´が本発明の複数の熱電子放出部に対応し、カソード53b´,55b´が本発明の陰極部材に対応している。
(7)第7実施形態
図9は本発明の第7実施形態に係るイオン発生装置60の構成例を示す概念図である。図9において、図1及び図2と同一の機能を有するものには同一の符号を付し、その詳細な説明は省略する。
このイオン発生装置60では、直流のフィラメント電源7のマイナス端子に近い側にフィラメント63aとカソード3bとからなる熱電子発生源63が配置され、プラス端子に近い側にフィラメント65aとカソード5bとからなる熱電子発生源65が配置されている。また、このイオン発生装置60では、フィラメント63a,65aの長さは同一であり、かつその断面積はフィラメント63aの方がフィラメント65aよりも大きくされている。一例を挙げると、フィラメント63a,65aの断面形状は円形であり、フィラメント63aの直径は例えば0.90[mm]、フィラフィラメント65aの直径は例えば0.85[mm]である。つまり、このイオン発生装置60では、フィラメント電源7のマイナス端子に近い側にあるフィラメント63aの抵抗値は、フィラメント電源7のプラス端子に近い側にあるフィラメント65aの抵抗値よりも小さくされている。
このような構成によれば、マイナス端子に近い側のフィラメント63aから放出される熱電子の量を、プラス端子に近い側のフィラメント65aから放出される熱電子の量に近づけることが可能である。従って、フィラメント63a,65aの抵抗値の比をカソード3b,5bの消耗速度に応じて選択すれば、これらカソード3b,5bの寿命を一致又は略一致させることができる。これにより、イオン発生装置全体のメンテナンス周期を延長することができる。この第7実施形態では、熱電子発生源63,65が本発明の複数の熱電子放出部に対応している。
なお、熱電子発生源が2つではなく、例えば4つあり、これら4つの熱電子発生源が配線wによって互いに直列状態で直流のフィラメント電源7に接続されている場合には、フィラメント電源7のマイナス端子に接続が近い熱電子発生源ほど、そのフィラメントの抵抗値を小さくすると良い。これにより、フィラメントから放出される熱電子の放出量を均一化することができ、複数の熱電子発生源でそれぞれのカソードの寿命を一致又は略一致させることが可能である。4つの熱電子発生源を備えたイオン発生装置全体のメンテナンス周期を延長することができる。
(8)第8実施形態
上述の第7実施形態では、フィラメント63a,65aを同一長さとし、かつフィラメント63aの断面積をフィラメント65aよりも大きくして、フィラメント63aの抵抗値を小さくすることについて説明した。しかしながら、フィラメントの断面積だけでなく、その材質や、その長さ等を変えることで、その抵抗値を下げても良い。
図10は本発明の第8実施形態に係るイオン発生装置60´の構成例を示す概念図である。図10において、図1、図2及び図9と同一の機能を有するものには同一の符号を付し、その詳細な説明は省略する。
図10に示すように、このイオン発生装置60´では、直流のフィラメント電源7のマイナス端子に近い側にフィラメント63a´とカソード3bとからなる熱電子発生源63´が配置され、プラス端子に近い側にフィラメント65a´とカソード5bとからなる熱電子発生源65´が配置されている。また、このイオン発生装置60´では、フィラメント63a´,65a´の断面積は同一である。
図10に示すように、このイオン発生装置60´では、フィラメント63a´,65a´の巻き形状は非対称になっており、その長さはフィラメント63a´の方がフィラメント65a´よりも短くなっている。一例を挙げると、フィラメント63a´の長さは32.0[mm]であり、フィラメント65a´の長さは36.0[mm]である。つまり、このイオン発生装置60´では、フィラメント電源7のマイナス端子に近い側にあるフィラメント63a´の抵抗値は、フィラメント電源7のプラス端子に近い側にあるフィラメント65a´の抵抗値よりも小さくされている。
このような構成によれば、第7実施形態で説明したイオン発生装置と同様に、マイナス端子に近い側のフィラメント63a´から放出される熱電子の量を、プラス端子に近い側のフィラメント65a´から放出される熱電子の量に近づけることが可能である。従って、カソード3b,5bの寿命を一致又は略一致させることができ、イオン発生装置全体のメンテナンス周期を延長することができる。この第8実施形態では、熱電子発生源63´,65´が本発明の複数の熱電子放出部に対応している。
(9)イオン注入装置
図11は本発明の実施形態に係るイオン注入装置100の構成例を示す概念図である。図11に示すように、このイオン注入装置100は、例えば第1実施形態で説明したイオン発生装置10と、ガス導入部70と、引出電極80等から構成されている。このイオン注入装置100では、例えばリン(PH)等のガスがガス導入部70からイオン発生装置10のアークチャンバー11内に導入される。また、これと前後、又は並行して、一対の熱電子発生源3,5からアークチャンバー11内に熱電子(e)が放出される。そして、この放出されたeとPHとがアークチャンバー11内で衝突して、PHがリンイオン(P)にイオン化される。このPは引出電極80によってアークチャンバー11の外部に引き出され、その後、例えば半導体ウエーハ等に注入される。
このように、本発明に係るイオン注入装置100によれば、第1実施形態で説明したイオン発生装置10が応用されるので、イオン発生装置全体のメンテナンス周期を延ばすことができ、イオン注入装置100のメンテナンス周期の延長に貢献することができる。この第9実施形態では、リン(PH)が本発明の導電型不純物に対応している。
なお、このイオン注入装置100を構成するイオン発生装置は、第1実施形態で説明したイオン発生装置10に限られることはなく、第2〜第8実施形態で説明したイオン発生装置20,30,40,50,50´、60、60´の何れか一つでも良い。この場合も、イオン発生装置全体のメンテナンス周期を延ばすことができ、イオン注入装置100のメンテナンス周期の延長に貢献することができる。
第1実施形態に係るイオン発生装置10の構成例を示す図。 切替装置9による配線接続の切替例を示す図。 第2実施形態に係るイオン発生装置20の構成例を示す図。 第3実施形態に係るイオン発生装置30の構成例を示す図。 第4実施形態に係るイオン発生装置40の構成例を示す図。 第5実施形態に係るイオン発生装置50の構成例を示す図。 イオン発生装置50におけるカソード53b,55bの厚さの違いを示す図。 第6実施形態に係るイオン発生装置50´の構成例を示す図。 第7実施形態に係るイオン発生装置60の構成例を示す図。 第8実施形態に係るイオン発生装置60´の構成例を示す図。 本発明の実施形態に係るイオン注入装置100の構成例を示す図。 従来例に係るイオン発生装置90の構成例を示す図。
符号の説明
3,5,53,55,63,65 熱電子発生源、3a,5a,63a,63a´,65a,65a´ フィラメント、3b,5b,53b,53b´,55b,55b´ カソード、7,27,37,47,48 フィラメント電源、9 切替装置、10,20,30,40,50,50´,60,60´ イオン発生装置、11 アークチャンバー、70 ガス導入部、80 引出電極、100 イオン注入装置、w 配線

Claims (9)

  1. チャンバーと、
    前記チャンバー内へ熱電子を放出するための複数の熱電子放出部と、
    電源装置と、
    前記複数の熱電子放出部を互いに直列状態で前記電源装置に接続する配線とを備え、
    前記電源装置から前記配線に流される前記電流の向きは所定のタイミングで切り替えられる構成となっていることを特徴とするイオン発生装置。
  2. 前記電源装置は直流の電源装置であり、
    前記直流の電源装置から前記配線に流される直流電流の向きを所定のタイミングで切り替える切替装置、を備えたことを特徴とする請求項1に記載のイオン発生装置。
  3. 前記電源装置は交流の電源装置であり、
    前記交流の電源装置から前記配線に交流電流が流されることを特徴とする請求項1に記載のイオン発生装置。
  4. チャンバーと、
    前記チャンバー内へ熱電子を放出するための複数の熱電子放出部と、
    電源装置と、
    前記複数の熱電子放出部を互いに並列状態で前記電源装置に接続する配線とを備えたことを特徴とするイオン発生装置。
  5. チャンバーと、
    前記チャンバー内へ熱電子を放出するための複数の熱電子放出部と、
    前記複数の熱電子放出部が互いに電気的に独立した状態となるよう当該複数の熱電子放出部の個々にそれぞれ接続した配線と、
    前記配線にそれぞれ接続された複数の電源装置とを備え、
    一の前記電源装置から一の前記配線に流される電流と、他の前記電源装置から他の前記配線に流される電流とが同じ値であることを特徴とするイオン発生装置。
  6. 前記熱電子放出部は、前記チャンバーの内側に配置された陰極部材と、前記陰極部材に前記熱電子放出用のエネルギーを与えるために当該陰極部材から所定距離だけ離れた位置に配置され、かつ前記配線に接続されたフィラメントとからなることを特徴とする請求項1から請求項5の何れか一項に記載のイオン発生装置。
  7. チャンバーと、
    前記チャンバー内へ熱電子を放出するための複数の熱電子放出部と、
    直流の電源装置と、
    前記複数の熱電子放出部を互いに直列状態で前記電源装置に接続する配線とを備え、
    前記熱電子放出部は、前記チャンバーの内側に配置された陰極部材と、
    前記陰極部材に前記熱電子放出用のエネルギーを与えるために当該陰極部材から所定距離だけ離れた位置に配置され、かつ前記配線に接続されたフィラメントとからなり、
    前記電源装置のマイナス端子に近い側に配された前記熱電子放出部の前記陰極部材は、当該電源装置のプラス端子に近い側に配された前記熱電子放出部の前記陰極部材よりもその体積が大きいことを特徴とするイオン発生装置。
  8. チャンバーと、
    前記チャンバー内へ熱電子を放出するための複数の熱電子放出部と、
    直流の電源装置と、
    前記複数の熱電子放出部を互いに直列状態で前記電源装置に接続する配線とを備え、
    前記熱電子放出部は、前記チャンバーの内側に配置された陰極部材と、
    前記陰極部材に前記熱電子放出用のエネルギーを与えるために当該陰極部材から所定距離だけ離れた位置に配置され、かつ前記配線に接続されたフィラメントとからなり、
    前記電源装置のマイナス端子に近い側に配された前記熱電子放出部の前記フィラメントは、当該電源装置のプラス端子に近い側に配された前記熱電子放出部の前記フィラメントよりもその抵抗値が小さいことを特徴とするイオン発生装置。
  9. 導電型不純物をイオン化して基板に注入するイオン注入装置であって、
    請求項1から請求項8の何れか一項に記載されたイオン発生装置を備えたことを特徴とするイオン注入装置。
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