JP2005250675A - セキュリティシステムとその制御方法および制御プログラム - Google Patents

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Abstract

【課題】 できるだけ少ないセンサで、室内の異常を効率よく検出可能であり、しかも、不法侵入者に対する抑止効果が期待できるような、有効なセキュリティシステムとその制御方法およびプログラムを提供する。
【解決手段】 通信制御部101は、携帯端末110が特定エリア内に到達したと判定した場合に、制御部104に対してセキュリティ動作の開始または終了を指示する。換気装置102は、外部より取り込んだ空気中の酸素濃度を低下させるセキュリティ換気モードと、酸素濃度の調整を行わない通常換気モードで動作する。制御部104は、換気装置102をモード切換して当該モードで動作するように制御すると共に、セキュリティ換気モード時に、気圧センサ103により検出される検出値の変化が予め設定された許容値を超えた場合には、携帯端末110に対してセキュリティアラート情報を送信する。
【選択図】 図1

Description

本発明は、室内の異常を検出した場合に、予め設定された送信先に対して通信ネットワークを通じてセキュリティアラート情報を送信するセキュリティシステムとその制御方法およびプログラムに関するものである。
従来、室内における火災の発生あるいは不法侵入を検出してそれらの異常事態をセキュリティ会社等の予め設定された送信先に通報する各種のセキュリティシステムが使用されている。特に、不法侵入の検出については、窓やドア等の、侵入が予め想定される開口部にセンサを取り付けることで、不法侵入の有無およびその侵入経路の特定を行うようにしている(例えば、特許文献1参照)。
また、異常検出時における送信先としては、セキュリティ会社等の固定的な送信先の他、監視対象となる室内の利用者の携帯電話、すなわち、住宅であれば居住者の携帯電話、あるいは、企業のオフィスである場合にはその企業のセキュリティ担当者の携帯電話、等の移動型の端末装置に通報することが考えられる。このような移動型の端末装置に通報する場合には、居住者が外出しているか否かを判定したり、あるいは、オフィスに最も近いセキュリティ担当者を特定したりするために、その端末装置の位置を確認する必要がある。携帯電話等の、移動型の端末装置の位置を判定する方法としては、従来、GPSや基地局のカバー領域等を利用した各種の方法が提案され、実施されている(例えば、特許文献2参照)。
一方、一般的な住宅やオフィスにおける室内の換気システムとしては、例えば、室内に利用者がいる場合には、十分な換気量や調湿能力により利用者に快適な室内環境を提供し、室内に利用者がいない場合には、換気量や調湿能力を減少させる等の、利用者の在室/不在に応じて動作モードを切り換える各種の技術が提案されている(例えば、特許文献3参照)。
特開2001−297384公報 特開2000−106689公報 特開2002−317983公報
しかしながら、上記のような従来のセキュリティシステムにおいては、特に、不法侵入の検出について、予め想定される開口部にセンサを取り付けているため、換気口や小窓、天窓、等に対するセンサの取り付け漏れ等には対応できない。また、センサの検出方式等に応じて、窓を開けられた場合には検出できても、窓ガラスを割られた場合には検出できない等、多様なケースを全てカバーするセンサを設置することが難しいという問題点もある。さらに、不法侵入者が侵入した後でないと通報できないため、不法侵入者の侵入時間が短い場合等には十分に対応できず、抑止効果が期待できないという問題点もある。
本発明は、上記のような従来の問題点を解決するために提案されたものであり、その目的は、できるだけ少ないセンサで、室内の異常を効率よく検出可能であり、しかも、不法侵入者に対する抑止効果が期待できるような、有効なセキュリティシステムとその制御方法およびプログラムを提供することである。
本発明は、室内換気システムに着目してセキュリティシステムに利用したものであり、室内の不使用時に、室内空気の気圧または気体構成比率を外部の空気とは異なる値に調整すると共に、その検出値の変化に基づいてアラート情報を送信することにより、不法侵入しようとする不法行為者により室内密閉状態が破壊された場合でも、できるだけ少ないセンサで、室内の異常を効率よく検出できるようにしたものである。さらに、室内の不使用時の気圧や気体構成比率を、外部の空気とは大幅に異なるものとすることにより、室内密閉状態が破壊されても、気圧や気体構成比率が外部の空気と同等の値に到達するまでには時間がかかるため、室内密閉状態を破壊した不法行為者の侵入の抑止効果が期待できる。
請求項1の発明は、建造物に固定的に設置された固定システムにより当該建造物の室内の異常を検出した場合に、予め設定された送信先に対して通信ネットワークを通じてセキュリティアラート情報を送信するセキュリティシステムにおいて、固定システムが、通信手段、換気手段、検出手段、制御手段、を備えていることを特徴としている。ここで、通信手段は、前記送信先との間で通信を行う手段である。また、換気手段は、室内空気の気圧および気体構成比率の少なくとも一方を指標値として、この指標値を外部の空気とは異なる予め設定されたセキュリティ調整値で調整するセキュリティ換気モード、および当該指標値を別の異なる調整値で調整するかまたは調整を行わない通常換気モード、を含む複数のモードで動作する手段である。そして、検出手段は、前記指標値を検出する手段である。さらに、制御手段は、前記換気手段を前記複数のモードのいずれかにモード切換して当該モードで動作するように制御し、前記セキュリティ換気モード時に、前記検出手段により検出された検出値の変化が予め設定された許容値を超えた場合に、前記送信先に対して前記通信手段によりセキュリティアラート情報を送信する手段である。
請求項11の発明は、請求項1の発明を方法の観点から把握したものであり、建造物に固定的に設置された固定システムにより当該建造物の室内の異常を検出した場合に、予め設定された送信先に対して通信ネットワークを通じてセキュリティアラート情報を送信するセキュリティシステムの制御方法において、固定システムとして、請求項1の発明における通信手段、換気手段、検出手段を備えたシステムを使用し、請求項1の発明における制御手段の各機能に対応するステップとして、モード切換制御ステップ、セキュリティ制御ステップ、通常制御ステップ、を行うことを特徴としている。
請求項15の発明は、請求項1、請求項11の発明をコンピュータプログラムの観点から把握したものであり、建造物に固定的に設置された固定システムにより当該建造物の室内の異常を検出した場合に、予め設定された送信先に対して通信ネットワークを通じてセキュリティアラート情報を送信するセキュリティシステムの制御プログラムにおいて、請求項11と同様の固定システムを使用した場合に、この固定システムを制御するコンピュータに、請求項11の発明における各ステップに対応する各機能として、モード切換制御機能、セキュリティ制御機能、通常制御機能、を実現させることを特徴としている。
以上のような発明によれば、室内の不使用時に、窓やドア等の開口部の密閉による室内密閉状態を利用して、換気手段により室内空気の気圧または気体構成比率を指標値として外部の空気とは異なる所定の調整値に調整すると共に、指標値の検出値の変化を監視することにより、指標値の検出値の変化が許容値を超えたか否かに基づいて、室内の異常を確実に検出することができる。
すなわち、室内密閉状態が維持されている間は、換気手段により、室内空気の気圧または気体構成比率を所定の調整値に維持することができるが、不法侵入しようとする不法行為者によりロック解除あるいは機械的な破壊等により窓やドアが開放され、室内密閉状態が破壊された場合には、気圧または気体構成比率は、所定の調整値から外部の空気の値に近づくように変化する。したがって、このような気圧または気体構成比率の変化を検出することにより、室内の異常、すなわち、室内密閉状態の破壊を確実に検出することができる。そして、室内の異常検出時におけるセキュリティアラート情報の送信先は、室内の異常を容易に監視することができる。
また、この場合、検出手段(センサ)は、個々の窓やドアの異常を検出するものではなく、開放による室内空気の気圧や気体構成比率の変化を検出するものであることから、開口部毎に複数種類のセンサを設ける必要はなく、開口部毎に1個程度のセンサを設ければ十分である。したがって、比較的少数のセンサだけで、室内の異常を効率よく検出することができる。
さらに、室内の不使用時の気圧や気体構成比率を、外部の空気とは大幅に異なるものとすることにより、不法侵入しようとする不法行為者により室内密閉状態が破壊されても、その破壊により生じた開口部を通じて外部の空気が流入し、室内空間の気圧や気体構成比率が外部の空気と同等の値に到達するまでには相当の時間がかかるため、室内密閉状態を破壊した不法行為者の侵入の抑止効果が期待できる。
請求項2の発明は、請求項1のセキュリティシステムにおいて、制御手段の構成に特徴を有するものである。すなわち、制御手段は、前記送信先から与えられる制御関連情報を前記通信手段により受信した場合に、当該制御関連情報に基づいて前記換気手段を制御するように構成されている。
請求項12の発明は、請求項2の発明を方法の観点から把握したものであり、請求項11のセキュリティシステムの制御方法において、請求項2の発明における制御手段の機能に対応する外部情報利用制御ステップを含むことを特徴としている。
請求項16の発明は、請求項2、請求項12の発明をコンピュータプログラムの観点から把握したものであり、請求項15のセキュリティシステムの制御プログラムにおいて、請求項1の発明における制御手段の機能に対応する外部情報利用制御機能を含むことを特徴としている。
以上のような発明によれば、室内の異常検出時におけるセキュリティアラート情報の送信先となる室内異常監視側で、室内異常の監視に加えて、制御関連情報により、換気手段を制御することができる。例えば、監視対象となる室内からこの室内の正当な利用者が外出または退出した際に、換気手段が通常換気モードである場合には、室内異常監視側から固定システムに制御関連情報を送信して換気手段を自動的にセキュリティ換気モードに切り換えることができる。
請求項3の発明は、請求項2のセキュリティシステムにおいて、前記送信先となる移動型の端末装置を備えたことを特徴としている。そして、端末装置は、端末装置自身の位置に関連する位置関連情報を取得し、この位置関連情報が予め設定された送信位置条件を満足する場合に前記制御関連情報を前記固定システムに送信する制御関連情報送信手段を備えている。
請求項13の発明は、請求項3の発明を方法の観点から把握したものであり、請求項12のセキュリティシステムの制御方法において、前記送信先となる移動型の端末装置により、請求項3の発明における制御関連情報送信手段の機能に対応する制御関連情報送信ステップを行うことを特徴としている。
以上のような発明によれば、送信先の1つが移動型の端末装置である場合に、この端末装置の位置に応じて制御関連情報を自動的に送信し、換気手段のモード切換を行うことができる。例えば、移動型の端末装置が、監視対象となる室内から一定距離以上離れた位置に移動した場合に、制御関連情報を送信して換気手段をセキュリティ換気モードに切り換えるようにすれば、その端末装置を携帯しているユーザ(室内の正当な利用者)が室内から外出、退出して一定距離以上離れた時点で、制御関連情報を自動的に送信して換気手段を自動的にセキュリティ換気モードに切り換えることができる。
請求項4の発明は、請求項3のセキュリティシステムにおいて、制御関連情報送信手段が、動作時に通信ネットワークから受信したネットワークアドレスに関するアドレス情報を前記位置関連情報として取得し、このアドレス情報が前記送信位置条件として予め設定されたアドレス条件を満足する場合に、前記制御関連情報を前記固定システムに送信するように構成されていることを特徴としている。
この発明によれば、移動型の端末装置が受信したネットワークアドレスの一部のアドレス情報がその端末装置の現在位置を示す情報を含む場合に、そのアドレス情報を利用して端末装置の現在位置を判定し、固定システムに制御関連情報を送信して換気手段のモード切換を行うことができる。例えば、通信プロトコルとしてIPv6等を使用した場合には、ネットワークアドレスの前半部分は、端末装置の位置に応じて決定されるため、室内と特定の位置関係にある特定エリアのアドレス情報を予め設定しておくことにより、その端末装置を携帯しているユーザ(室内の正当な利用者)が室内から外出、退出して特定エリアに対する位置関係が変化した時点で、制御関連情報を自動的に送信して換気手段を自動的にセキュリティ換気モードに切り換えることができる。
請求項5の発明は、請求項3または請求項4のセキュリティシステムにおいて、制御関連情報送信手段が、前記位置関連情報とは別に、ユーザの入力操作に基づいて前記制御関連情報を前記固定システムに送信するように構成されていることを特徴としている。
この発明によれば、送信先の1つが移動型の端末装置である場合に、この端末装置を携帯しているユーザ(室内の正当な利用者)が室内から外出、退出した後に、ユーザ自身の入力操作に基づいて、任意の時点で制御関連情報を送信して換気手段をセキュリティ換気モードに切り換えることができる。
請求項6の発明は、請求項1乃至請求項5のいずれかのセキュリティシステムにおいて、換気手段の構成に特徴を有するものである。すなわち、換気手段は、前記セキュリティ換気モード時に、前記外部より取り込んだ空気から酸素を除去し、酸素濃度を低下させた空気を前記室内に排出すると共に、除去した酸素を外部に排出するように構成されている。これに伴い、前記指標値は、前記室内空気の気圧および酸素濃度の少なくとも一方である。
請求項14の発明は、請求項6の発明を方法の観点から把握したものであり、請求項11乃至請求項13のいずれかのセキュリティシステムの制御方法において、セキュリティ制御ステップが、請求項6の発明における換気手段の機能に対応するステップを含み、前記指標値が、前記室内空気の気圧および酸素濃度の少なくとも一方であることを特徴としている。
請求項17の発明は、請求項6、請求項14の発明をコンピュータプログラムの観点から把握したものであり、請求項15または請求項16のセキュリティシステムの制御プログラムにおいて、セキュリティ制御機能が、請求項6の発明における換気手段の機能に対応する機能を含み、前記指標値が、前記室内空気の気圧および酸素濃度の少なくとも一方であることを特徴としている。
請求項7の発明は、請求項6のセキュリティシステムにおいて、換気手段が、吸気路、排気路、酸素管理手段を含むと共に、制御手段の構成に特徴を有するものである。ここで、吸気路は、前記外部から空気を取り込む屋外吸気口とその空気を前記室内に排出する屋内排気口との間を接続する部分である。そして、排気路は、前記室内から空気を取り込む屋内吸気口とその空気を前記外部に排出する屋外排気口との間を接続する部分である。また、酸素管理手段は、前記吸気路を流れる空気から酸素を除去し、酸素濃度を低下させた空気を前記屋内排気口から前記室内に排出すると共に、除去した酸素を、前記排気路を流れる空気に混合して前記屋外排気口から前記外部に排出する手段である。さらに、制御手段は、前記吸気路と前記排気路の経路切換制御、および前記酸素管理手段の動作切換制御、の少なくとも一方の切換制御を行うことにより、酸素濃度を調整する前記セキュリティ換気モード、および酸素濃度の調整を行わない前記通常換気モード、を含む前記複数のモード間におけるモード切換を行うように構成されている。
以上のような発明によれば、セキュリティ換気モードにおいて、外部より取り込んだ空気から酸素を除去し、酸素濃度を低下させた空気を室内に供給することにより、外部の空気に対して、室内空気の気圧と気体構成比率の両方を異なる値とすることができる。したがって、検出手段として気圧センサまたは酸素濃度センサを用いることにより、室内の異常検出を容易に行うことができる。さらに、室内空気の酸素濃度を十分に低くすることで、不法侵入しようとする不法行為者により室内密閉状態が破壊されても、その破壊により生じた開口部を通じて外部の空気が流入し、室内空間の気圧や酸素濃度が外部の空気と同等の値に到達するまでには相当の時間がかかるため、室内密閉状態を破壊した不法行為者の侵入の抑止効果が期待できる。加えて、室内空気の酸素濃度を十分に低くすることで、カビやダニの繁殖を抑制する効果も期待できる。
請求項8の発明は、請求項1乃至請求項7のいずれかのセキュリティシステムにおいて、制御手段の構成に特徴を有するものである。すなわち、制御手段は、前記換気手段を前記通常換気モードから前記セキュリティ換気モードに切り換えて前記セキュリティ調整値での前記指標値の調整を開始させた際に、前記検出手段により検出される検出値が、予め設定された時間内に予め設定された基準値に達しない場合に、閉塞不良を示す警報情報を前記送信先に送信するように構成されている。
この発明によれば、室内の正当な利用者の外出または退出時に、窓やドアの一部の閉塞が不十分である場合に、そのことを気圧や気体構成比率に基づいて判定し、閉塞不良を示す警報情報を送信先に送信することができるため、送信先でその閉塞不良に対して何らかの対応を行うことができる。例えば、室内の正当な利用者が携帯している移動型の端末装置にそのような警報情報を送信することにより、その正当な利用者が室内から遠く離れないうちに、閉塞不良を通知することができるため、その正当な利用者は、速やかに室内に戻って、閉塞されていない窓やドアを閉塞することができる。
請求項9の発明は、請求項1乃至請求項8のいずれかのセキュリティシステムにおいて、固定システムが、状態検出手段を備えると共に、制御手段の構成に特徴を有するものである。ここで、状態検出手段は、前記室内の状態を示す状態情報として、音響情報と画像情報の少なくとも一方を検出する手段である。また、前記制御手段は、前記セキュリティアラート情報を受信した前記送信先からの指示に従い、前記状態検出手段で検出される状態情報を当該送信先に対して前記通信手段により送信するように構成されている。
請求項10の発明は、請求項9のセキュリティシステムにおいて、状態検出手段の構成に特徴を有するものである。すなわち、状態検出手段は、通常状態を示す情報として予め設定されている情報に対して、異常状態を示す情報を区別して強調するように前記状態情報を処理し、処理した状態情報を前記送信先に対して前記通信手段により送信するように構成されている。
以上のような発明によれば、室内の異常検出時におけるセキュリティアラート情報を受信した送信先で、室内の状態を示す状態情報として、音響情報と画像情報の少なくとも一方を受信することができるため、その送信先から、室内の音響情報や画像情報をリアルタイムで監視することができ、室内の状態をより詳細かつ容易に把握することができる。
上記のように、本発明によれば、室内の不使用時に、室内空気の気圧または気体構成比率を外部の空気とは異なる値に調整すると共に、その検出値の変化に基づいてアラート情報を送信することにより、不法侵入しようとする不法行為者により室内密閉状態が破壊された場合でも、できるだけ少ないセンサで、室内の異常を効率よく検出可能であり、しかも、不法侵入者に対する抑止効果が期待できるような、有効なセキュリティシステムとその制御方法およびプログラムを提供することができる。
[1.システム構成]
図1は、本発明を実施するための1つの形態として、セキュリティシステムの構成の概略を示すブロック図である。この図1に示すように、セキュリティシステムは、建造物に固定的に設置された固定システムである宅内セキュリティシステム100と、送信先の携帯端末(移動型の端末装置)110との間でインターネット(通信ネットワーク)120を介して通信を行うように構成されている。ここで、携帯端末110は、インターネット120を介してサービスプロバイダ130からアクセスポイント140に応じたネットワークアドレスを受け取るようになっている。
携帯端末110には、室内と特定の位置関係にある特定エリアのアドレス情報を用いたアドレス条件が予め設定されている。すなわち、携帯端末110には、アクセスポイント140を経由してサービスプロバイダ130から受け取るネットワークアドレスの一部をアドレス情報とするアドレス条件が予め設定されており、携帯端末110は、サービスプロバイダ130から受け取るネットワークアドレスがそのアドレス条件を満足する場合に、宅内セキュリティシステム100に制御関連情報となるメッセージを送出するようになっている。この場合、アドレス条件で設定されている特定エリアは、特定のアクセスポイント140の圏内に対応するエリアである。
宅内セキュリティシステム100はまず、インターネット120を通じて携帯端末110との間で通信を行う通信制御部(通信手段)101、外部より取り込んだ空気を室内に供給して室内の換気を行う換気装置(換気手段)102、室内の気圧を検出する気圧センサ(検出手段)103、気圧センサ103により検出される気圧を監視しながら換気装置102を制御する制御部104、等を備えている。
ここで、通信制御部101は、携帯端末110から受け取るメッセージにより、携帯端末110が特定エリア内に到達したか否かを判定し、特定エリア内に到達した(室内から外出または退出した、あるいは、遠隔地から室内に向かう途中であると認識された)と判定した場合には、制御部104に対してセキュリティ動作の開始または終了を指示するようになっている。また、換気装置102は、外部より取り込んだ空気中の酸素濃度を低下させるセキュリティ換気モードと、外部より取り込んだ空気中の酸素濃度の調整を行わない通常換気モード、の2つの動作モードで動作するようになっている。
一方、制御部104は、換気装置102を、セキュリティ換気モードと通常換気モードの間でモード切換して当該モードで動作するように制御すると共に、セキュリティ換気モード時に、気圧センサ103により検出される検出値の変化が予め設定された許容値を超えた場合には、携帯端末110に対して通信制御部101を通じてセキュリティアラート情報を送信するようになっている。
さらに、宅内セキュリティシステム100は、室内の状態を示す状態情報として音響情報を検出する音響監視モニタ(状態検出手段)105と、セキュリティ動作時に携帯端末110が、アドレス条件で設定されている特定エリアとは別の、室内近傍の検出エリア内に到達した場合にそれを検出する宅内アンテナ106を備えている。ここで、音響監視モニタ105は、携帯端末110等の任意に指定された送信先の装置に対してVoIP技術を用いた片方向の通信リンクを確率し、室内の音響情報を監視できるように構成されている。
[2.換気装置の構成と動作]
図1の下部には、換気装置102の詳細な構成が示されている。この図1に示すように、換気装置102は、外部から空気を取り込む屋外吸気口201、外部から取り込んだ空気を室内に排出する屋内排気口202、室内から空気を取り込む屋内吸気口203、室内から取り込んだ空気を外部に排出する屋外排気口204を備えている。そして、屋外吸気口201と屋内排気口202との間には、第1、第2の吸気路211,212が設けられ、屋内吸気口203と屋外排気口204との間には、第1、第2の排気路213,214が設けられている。
この場合、第1、第2の吸気路211,212、および第1、第2の排気路213,214は、換気弁221を弁制御部222で制御することにより、それぞれ択一的に経路切換されるようになっている。すなわち、吸気路と排気路の組合せが、第1の吸気路211と第1の排気路213の組合せ、および、第2の吸気路212と第2の排気路214の組合せ(第2経路)、の間で択一的に切り換えられるようになっている。なお、簡略化の観点から、以下の説明では、吸気路と排気路を一括して「換気経路」と総称すると共に、第1の吸気路211と第1の排気路213の組合せを「第1経路」と略称し、第2の吸気路212と第2の排気路214の組合せを「第2経路」と略称する。
さらに、吸入路を流れる空気から酸素を除去し、酸素濃度を低下させた空気を屋内排気口202から室内に排出すると共に、除去した酸素を排出路を流れる空気に混合して屋外排気口204から外部に排出する酸素管理手段として、酸素吸着器231、貯蔵タンク232、酸素混合器233、が設けられている。
ここで、酸素吸着器231は、第2の吸気路212を流れる空気中の酸素を吸着して除去する手段であり、貯蔵タンク232は、除去した酸素を貯蔵する手段である。また、酸素混合器233は、貯蔵タンク232に貯蔵された酸素を、第2の排気路214を流れる空気に混合して屋外排気口204から外部に排出する手段である。なお、図示していないが、換気装置102には、一般的に、空気の流れを促進して換気効率を向上するためのファンやブロワが設けられている。
図2は、このような換気装置102の動作モードを示す図であり、(a)は、通常換気モード、(b)は、セキュリティ換気モード、をそれぞれ示している。
すなわち、図2の(a)に示すように、通常換気モードにおいては、換気経路として、第1経路が選択されており、屋外吸気口201により外部から取り込まれた空気は、第1の吸気路211を通ってそのまま屋内排気口202に到達し、室内に排出される。そして、室内吸気口203により室内から取り込まれた空気は、第1の排気路213を通ってそのまま屋外排気口204に到達し、外部に排出される。
これに対して、図2の(b)に示すように、セキュリティ換気モードにおいては、換気経路が、第2経路に切り換えられる。この場合に、屋外吸気口201により外部から取り込まれた空気は、第2の吸気路212を通過するため、酸素吸着器231によりこの空気中の酸素が吸着して除去され、酸素濃度の低下した空気が屋内排気口202から室内に排出されると共に、除去された酸素は貯蔵タンク232に貯蔵される。そして、室内吸気口203により室内から取り込まれた空気は、第2の排気路214を通過するため、貯蔵タンク232に貯蔵された酸素が酸素混合器233によりこの空気に混合され、屋外排気口204から外部に排出される。
[3.システム動作]
図3は、図1に示したセキュリティシステムの動作の概略を示すフローチャートである。この図3に示すように、室内の正当な利用者が在室している場合には、セキュリティ待機状態として、換気装置102により通常換気モードでの換気動作を行う(S310)。そして、このようなセキュリティ待機状態から、室内の正当な利用者が外出または退出して、室内の正当な利用者が不在となった場合には、セキュリティ動作(S320)を開始する。
すなわち、セキュリティ動作においてはまず、セキュリティ開始動作として、制御部104により、換気装置102の弁制御部222を制御して換気経路切換を行うことにより、通常換気モードからセキュリティ換気モードへのモード切換を行う(S321)。次に、セキュリティ監視運転動作として、制御部104により、換気装置102を制御してセキュリティ換気モードでの換気動作を行わせると共に、気圧センサ103により検出される検出値の変動を監視する(S322)。そして、室内の正当な利用者が、遠隔地から室内に向かう途中に、アドレス条件で設定されている特定エリア内に到達した時点で、セキュリティ終了動作として、制御部104により、換気装置102の弁制御部222を制御して換気経路切換を行うことにより、セキュリティ換気モードから通常換気モードへのモード切換を行う(S323)。
以上のようなセキュリティ待機状態(S310)とセキュリティ動作(S320)は、システムが運転している間(S330)中、交互に繰り返される。
[4.セキュリティ動作の詳細]
図4は、図3に示したセキュリティ動作(S320)の詳細を示すフローチャートである。この図4に示すように、制御部104によるセキュリティ開始動作(S410)は、セキュリティ動作開始メッセージ(特定エリアからのメッセージ)の受信(S411のYES)により開始する。すなわち、室内の正当な利用者が窓やドアを閉じ、施錠して外出または退出した後、宅内セキュリティシステム100が、その通信制御部101により、特定エリア内に到達した正当な利用者の携帯端末110からのセキュリティ動作開始メッセージ(特定エリアからのメッセージ)を受信すると、通信制御部101は、制御部104に対してセキュリティ動作の開始を指示し、制御部104がセキュリティ開始動作を行う。
このセキュリティ開始動作(S410)において、制御部104は、換気装置102の弁制御部222により換気弁221を作動させ、換気経路切換を行わせると共に、酸素吸着器231、貯蔵タンク232、酸素混合器233を起動させることにより、図2の(a)に示す通常換気モードから図2の(b)に示すセキュリティ換気モードへのモード切換を行い、セキュリティ換気モードでの動作を開始させる。すなわち、換気装置102は、換気経路を第1経路から第2経路に切り換えると共に、酸素吸着器231、貯蔵タンク232、酸素混合器233を起動して、外部から取り込んだ空気からの酸素除去を開始する(S412)。
セキュリティ開始動作後に、一旦外出または退出した室内の正当な利用者が特定エリア内に戻ってきた場合等には、正当な利用者による携帯端末110の操作により携帯端末110から送信される緊急停止信号を受信するか、あるいは正当な利用者の携帯端末110を宅内アンテナ106が検出して緊急停止信号を出力することで、制御部104に緊急停止信号が与えられる(S413のYES)。この場合に、制御部104は、換気装置102の酸素吸着器231、貯蔵タンク232、酸素混合器233を停止させると共に、弁制御部222により換気弁221を開放させ、換気経路を第1経路に復帰させることにより、通常換気モードへのモード切換を行う(S414)と共に、正当な利用者の携帯端末110に対して、セキュリティ換気モードでの換気動作の停止を示す停止メッセージを送出する(S415)。
換気装置102によるセキュリティ換気モードでの換気動作において、図2の(b)に示すように、屋外吸気口201により外部から取り込まれた空気は、第2の吸気路212を通過して、酸素吸着器231により酸素が除去される結果、ほぼ窒素成分から構成される酸素濃度の低下した空気が、屋内排気口202から室内に排出される。同時に、除去された酸素は貯蔵タンク232に貯蔵され、この貯蔵された酸素が、室内吸気口203により室内から取り込まれて第2の排気路214を通過する空気に混合され、屋外排気口204から外部に排出される。
このようなセキュリティ換気モードでの換気動作により、室内空気中の酸素成分は次第に除去され、動作が進むにつれて室内空気の気圧が低下するため、一定時間を経過した時点で、室内は陰圧状態へと移行する。しかし、窓の閉め忘れ等により、室内の閉塞状態が不十分で、完全な密閉状態となっていない場合には、酸素を含む空気が流入し続けるため、一定時間を経過しても陰圧に移行しない結果となる。そのため、制御部104は、気圧センサ103からの検出値と経過時間を監視して、セキュリティ換気モードでの換気動作開始後、一定時間を経過しても陰圧に移行しない場合(S416のYES)には、閉塞不良を示す警告メッセージ(警報情報)を携帯端末110に送出する(S417)。
以上のようなセキュリティ開始動作(S410)により、室内が陰圧に移行した後は、制御部104は、その陰圧状態を利用してセキュリティ監視運転動作(S420)を行う。このセキュリティ監視運転動作(S420)において、密閉状態の室内は、酸素成分が減少した、ほぼ窒素成分からなる空気で満たされた陰圧状態となっており、この陰圧状態が保持されている間は、安定した監視運転状態(S421)が実現される。しかし、窃盗等の目的で室内に不法に侵入しようとする不法行為者が、ロック解除あるいは機械的な破壊により窓やドアを開放した場合には、室内密閉状態が破壊されるため、その開放部から外部の空気が流入し、陰圧状態から急激に気圧が上昇することになる。
そのため、制御部104は、監視運転状態(S421)において、気圧センサ103により検出される検出値の変化量を予め設定された許容値と比較することにより、変化量が許容値を超えた場合には、気圧変動という異常を検出する(S422のYES)。この場合に、携帯端末110に対して通信制御部101を通じてセキュリティ警告(セキュリティアラート情報)を送出する(S423)と共に、送信先の携帯端末110からの指示に従い、音響監視モニタ105を起動して、室内の状態を示す状態情報として音響情報を検出し、携帯端末110に送信する(S424)。
なお、このように室内密閉状態が破壊された場合に、室内の空気が入れ替わり、室内空気の気圧と酸素濃度が外部の空気と同等となって人間が室内に入れる状態となるまでには、相当な時間が必要となる。そのため、室内密閉状態を破壊した不法行為者は、相当な時間が経過して室内の空気が入れ替わるまで室内に侵入できない。また、不法行為者が、セキュリティ動作を停止させる目的で、室内の電源を停止させた場合には、換気装置102はそのまま停止するため、この場合にも、室内の空気が入れ替わるまでに相当な時間が必要となり、不法行為者は相当な時間が経過するまで室内に侵入できない。したがって、侵入の抑止効果が期待できると共に、不法行為者の侵入前に警備員や警察署員の出動時間を確保する等の効果も期待できる。
また、制御部104によるセキュリティ終了動作(S430)は、セキュリティ動作終了メッセージ(特定エリアからのメッセージ)の受信(S431のYES)により開始する。すなわち、宅内セキュリティシステム100が、セキュリティ監視運転動作(S420)を行っている際に、室内の正当な利用者が、遠隔地から室内に向かう途中で、アドレス条件で設定されている特定エリア内に到達して、宅内セキュリティシステム100が、その通信制御部101により、正当な利用者の携帯端末110からのセキュリティ動作終了メッセージ(特定エリアからのメッセージ)を受信すると、通信制御部101は、制御部104に対してセキュリティ動作の終了を指示し、制御部104がセキュリティ終了動作を行う。
このセキュリティ終了動作において、制御部104は、換気装置102の酸素吸着器231、貯蔵タンク232、酸素混合器233を停止させると共に、弁制御部222により換気弁221を開放し、換気経路を第1経路に復帰させることにより、通常換気モードへのモード切換を行う(S432)。
このように、正当な利用者がある程度の距離まで近づいた時点で、通常換気モードへのモード切換を行うことによって、室内の空気を陰圧状態から通常状態に戻しつつ、成分についても酸素濃度の低い、ほぼ窒素成分からなる空気から、通常の気体構成比率を持つ空気に戻すため、正当な利用者が室内に戻るまでには、人間にとって快適な室内環境に戻すことが可能である。
また、室内の正当な利用者のアクセス経路の違いなどにより、正当な利用者が特定のアクセスポイント140の圏内である特定エリアを通過しない状態で帰宅した場合でも、携帯端末110を携帯している正当な利用者が室内近傍の検出エリア内に到達した時点で、そのことを宅内アンテナ106により検出することができる。この場合には、通信制御部101により携帯端末110に対して緊急警報を通知し、正当な利用者に宅内セキュリティシステム100がセキュリティ動作中であることを通知する。
[5.携帯端末の位置検出・メッセージ送出動作]
図5は、ネットワークアドレスを利用した携帯端末110の位置検出・メッセージ送出動作の一例を示すフローチャートである。
この図5に示すように、携帯端末110は、無線電波を検出し、アクセスポイントに応じた認証アドレスを受領すると(S501)、予め保持しているアドレステーブルを参照し(S502)、受領したアドレスがそのアドレステーブルに登録されているか否かを判定する(S503)。そして、登録されているアドレスである場合(S503のYES)には、アドレス条件として設定されているアドレス情報と比較して(S504)一致するか否かを判定する(S505)。そして、一致する場合(S505のYES)には、予め保持しているメッセージテーブルを参照して(S506)アドレス条件に応じたメッセージを宅内セキュリティシステム100に送出する(S507)。これらの動作後、携帯端末110は、通信状態となる。
[6.実施形態の効果]
以上のような本実施形態によれば、次のような効果が得られる。
まず、室内の不使用時に、窓やドア等の開口部の密閉による室内密閉状態を利用して、換気装置102により室内空気の酸素濃度と気圧を外部の空気とは異なる所定の調整値に調整すると共に、気圧の変化を監視することにより、室内空気の気圧の変化が許容値を超えたか否かに基づいて、室内密閉状態が破壊されたか否か(不法侵入しようとする者が存在するか否か)という室内の異常を確実に検出することができる。
すなわち、室内密閉状態が維持されている間は、換気装置102により、室内空気の酸素濃度と気圧を所定の調整値に維持することができるが、不法侵入しようとする不法行為者によりロック解除あるいは機械的な破壊等により窓やドアが開放され、室内密閉状態が破壊された場合には、気圧は、所定の調整値から外部の空気の気圧に近づくように変化する。したがって、このような気圧の変化を検出することにより、室内の異常、すなわち、室内密閉状態の破壊を確実に検出することができる。そして、室内の異常検出時におけるセキュリティ警告の送信先である携帯端末110を携帯した正当な利用者は、室内の異常を容易に監視することができる。
また、この場合、気圧センサ103は、個々の窓やドアの異常を検出するものではなく、開放による室内空気の気圧の変化を検出するものであることから、開口部毎に複数種類のセンサを設ける必要はなく、開口部毎に1個程度のセンサを設ければ十分である。したがって、比較的少数のセンサだけで、室内の異常を効率よく検出することができる。
特に、セキュリティ換気モードにおいて、外部より取り込んだ空気から酸素を除去し、酸素濃度を低下させた空気を室内に供給することにより、外部の空気に対して、室内空気の気圧と気体構成比率の両方を異なる値とすることができる。したがって、検出手段として気圧センサ103を用いることにより、あるいは、変形例として酸素濃度センサを用いるか、または、両方の種類のセンサを適宜用いることにより、室内の異常検出を容易に行うことができる。さらに、室内空気の酸素濃度を十分に低くすることで、不法侵入しようとする不法行為者により室内密閉状態が破壊されても、その破壊により生じた開口部を通じて外部の空気が流入し、室内空間の気圧や酸素濃度が外部の空気と同等の値に到達するまでには相当の時間がかかるため、室内密閉状態を破壊した不法行為者の侵入の抑止効果が期待できる。
加えて、室内空気の酸素濃度を十分に低くすることで、不法行為者に対する侵入の抑止効果だけでなく、埃等によって発生する短絡等が原因の失火についても、酸素濃度が低いと燃焼できないため、火災発生を抑制することができる。さらに、カビやダニ等の有害微生物の繁殖を抑制する効果等も期待できる。
また、室内の異常検出時におけるセキュリティ警告の送信先となる携帯端末110側で、室内異常の監視に加えて、メッセージなどの制御関連情報により、換気装置102を制御することができる。例えば、監視対象となる室内からこの室内の正当な利用者が外出または退出して、室内から一定距離以上離れた特定エリアに到達した時点で、換気装置102が通常換気モードである場合には、その正当な利用者の携帯端末110から宅内セキュリティシステム100にメッセージなどの制御関連情報を送信して換気装置102を自動的にセキュリティ換気モードに切り換えることができる。
特に、本実施形態においては、IPv6等の、ネットワークアドレスの一部のアドレス情報が携帯端末110の現在位置を示す情報を含む場合に、そのアドレス情報を利用して端末装置の現在位置を判定することができる。すなわち、通信プロトコルとしてIPv6等を使用した場合には、ネットワークアドレスの前半部分は、携帯端末110の位置に応じて決定されるため、室内と特定の位置関係にある特定エリアのアドレス情報を予め設定しておくことにより、その携帯端末110を携帯しているユーザ(室内の正当な利用者)が室内から外出、退出して特定エリアに対する位置関係が変化した時点で、制御関連情報を自動的に送信して換気手段を自動的にセキュリティ換気モードに切り換えることができる。
また、携帯端末110を携帯しているユーザ(室内の正当な利用者)が室内から外出、退出した後に、携帯端末110に対するユーザ自身の入力操作に基づいて、任意の時点で制御関連情報を送信して換気装置110をセキュリティ換気モードに切り換えることもできる。
一方、室内の正当な利用者の外出または退出時に、窓やドアの一部の閉塞が不十分である場合に、そのことを気圧に基づいて判定し、閉塞不良を示す警報情報を携帯端末110に送信することができるため、携帯端末110を携帯している利用者側でその閉塞不良に対して何らかの対応を行うことができる。例えば、その正当な利用者が室内から遠く離れないうちに、閉塞不良を通知することができるため、その正当な利用者は、速やかに室内に戻って、閉塞されていない窓やドアを閉塞することができる。
また、室内の異常検出時におけるセキュリティ警告を受信した携帯端末110側で、室内の状態を示す状態情報として、音響情報を受信することができるため、携帯端末110を携帯している正当な利用者は、遠隔地から、室内の音響情報をリアルタイムで監視することができ、室内の状態をより詳細かつ容易に把握することができる。
[7.他の実施形態]
なお、本発明は、上述した実施形態に限定されるものではなく、本発明の範囲内で他にも多種多様な変形例が実施可能である。
例えば、前記実施形態においては、室内に供給する空気中の酸素濃度を低減することで室内の気圧を低下させる場合について説明したが、本発明による換気方法はこれに限らず、室内空気の気圧および気体構成比率の少なくとも一方を調整する方法であれば、各種の換気方法を同様に適用可能である。
また、気圧を調整する場合には、前記実施形態と同様に、検出手段として気圧センサを使用することが有効であるが、気体構成比率を調整する場合には、酸素に対する酸素濃度センサのように、調整する気体成分に応じた各種のセンサが使用可能である。
さらに、前記実施形態においては、状態検出手段として、音響監視モニタを使用したが、本発明における状態検出手段はこれに限定されるものではなく、音響情報と画像情報の少なくとも一方を検出する各種の手段が同様に適用可能であり、同様に優れた効果が得られるものである。
一方、前記実施形態のシステムにおいて、セキュリティ動作中であり、酸素濃度および気圧が低い状態を明示する何らかの表示、例えば「低酸素・減圧状態につき、立入危険」等の警告表示や警報を行うことにより、不法侵入しようとしている不法行為者に対する抑止効果を高めることができる。
また、前記実施形態においては、セキュリティアラート情報の送信先として、携帯端末のみについて説明したが、送信先は、これに限らず、セキュリティ会社や関係者の移動型あるいは固定型の各種の端末装置等、諸事情に応じた複数の送信先を自由に設定可能である。
さらに、前記実施形態においては、IPv6等のネットワークアドレスを利用して携帯端末の位置を検出する場合について説明したが、本発明における端末装置の位置検出方法はこれに限定されるものではなく、GPSを利用するなどの各種の方法が同様に適用可能である。
本発明を実施するための1つの形態として、セキュリティシステムの構成の概略を示すブロック図。 図1に示す換気装置の動作モードを示す図であり、(a)は、通常換気モード、(b)は、セキュリティ換気モード。 図1に示すセキュリティシステムの動作の概略を示すフローチャート。 図3に示すセキュリティ動作の詳細を示すフローチャート。 図1に示す携帯端末の位置検出・メッセージ送出動作の一例を示すフローチャート。
符号の説明
100…宅内セキュリティシステム(固定システム)
101…通信制御部(通信手段)
102…換気装置(換気手段)
103…気圧センサ(検出手段)
104…制御部(制御手段)
105…音響監視モニタ(状態検出手段)
106…宅内アンテナ
110…携帯端末(移動型の端末装置)
120…インターネット(通信ネットワーク)
130…サービスプロバイダ
140…アクセスポイント
201…屋外吸気口
202…屋内排気口
203…屋内吸気口
204…屋外排気口
211…第1の吸気路
212…第2の吸気路
213…第1の排気路
214…第2の排気路
221…換気弁
222…弁制御部
231…酸素吸着器
232…貯蔵タンク
233…酸素混合器

Claims (17)

  1. 建造物に固定的に設置された固定システムにより当該建造物の室内の異常を検出した場合に、予め設定された送信先に対して通信ネットワークを通じてセキュリティアラート情報を送信するセキュリティシステムにおいて、
    前記固定システムは、
    前記送信先との間で通信を行う通信手段と、
    室内空気の気圧および気体構成比率の少なくとも一方を指標値として、この指標値を外部の空気とは異なる予め設定されたセキュリティ調整値で調整するセキュリティ換気モード、および当該指標値を別の異なる調整値で調整するかまたは調整を行わない通常換気モード、を含む複数のモードで動作する換気手段と、
    前記指標値を検出する検出手段と、
    前記換気手段を前記複数のモードのいずれかにモード切換して当該モードで動作するように制御し、前記セキュリティ換気モード時に、前記検出手段により検出された検出値の変化が予め設定された許容値を超えた場合に、前記送信先に対して前記通信手段によりセキュリティアラート情報を送信する制御手段を備えている、
    ことを特徴とするセキュリティシステム。
  2. 前記制御手段は、前記送信先から与えられる制御関連情報を前記通信手段により受信した場合に、当該制御関連情報に基づいて前記換気手段を制御するように構成されている、
    ことを特徴とする請求項1に記載のセキュリティシステム。
  3. 前記送信先となる移動型の端末装置を備え、この端末装置は、端末装置自身の位置に関連する位置関連情報を取得し、この位置関連情報が予め設定された送信位置条件を満足する場合に前記制御関連情報を前記固定システムに送信する制御関連情報送信手段を備えている、
    ことを特徴とする請求項2に記載のセキュリティシステム。
  4. 前記制御関連情報送信手段は、動作時に通信ネットワークから受信したネットワークアドレスに関するアドレス情報を前記位置関連情報として取得し、このアドレス情報が前記送信位置条件として予め設定されたアドレス条件を満足する場合に、前記制御関連情報を前記固定システムに送信するように構成されている、
    ことを特徴とする請求項3に記載のセキュリティシステム。
  5. 前記制御関連情報送信手段は、前記位置関連情報とは別に、ユーザの入力操作に基づいて前記制御関連情報を前記固定システムに送信するように構成されている、
    ことを特徴とする請求項3または請求項4に記載のセキュリティシステム。
  6. 前記換気手段は、前記セキュリティ換気モード時に、前記外部より取り込んだ空気から酸素を除去し、酸素濃度を低下させた空気を前記室内に排出すると共に、除去した酸素を外部に排出するように構成され、
    前記指標値は、前記室内空気の気圧および酸素濃度の少なくとも一方である、
    ことを特徴とする請求項1乃至請求項5のいずれかに記載のセキュリティシステム。
  7. 前記換気手段は、
    前記外部から空気を取り込む屋外吸気口とその空気を前記室内に排出する屋内排気口との間を接続する吸気路と、
    前記室内から空気を取り込む屋内吸気口とその空気を前記外部に排出する屋外排気口との間を接続する排気路と、
    前記吸気路を流れる空気から酸素を除去し、酸素濃度を低下させた空気を前記屋内排気口から前記室内に排出すると共に、除去した酸素を、前記排気路を流れる空気に混合して前記屋外排気口から前記外部に排出する酸素管理手段を含み、
    前記制御手段は、前記吸気路と前記排気路の経路切換制御、および前記酸素管理手段の動作切換制御、の少なくとも一方の切換制御を行うことにより、酸素濃度を調整する前記セキュリティ換気モード、および酸素濃度の調整を行わない前記通常換気モード、を含む前記複数のモード間におけるモード切換を行うように構成されている、
    ことを特徴とする請求項6に記載のセキュリティシステム。
  8. 前記制御手段は、前記換気手段を前記通常換気モードから前記セキュリティ換気モードに切り換えて前記セキュリティ調整値での前記指標値の調整を開始させた際に、前記検出手段により検出される検出値が、予め設定された時間内に予め設定された基準値に達しない場合に、閉塞不良を示す警報情報を前記送信先に送信するように構成されている、
    ことを特徴とする請求項1乃至請求項7のいずれかに記載のセキュリティシステム。
  9. 前記固定システムは、
    前記室内の状態を示す状態情報として、音響情報と画像情報の少なくとも一方を検出する状態検出手段を備え、
    前記制御手段は、前記セキュリティアラート情報を受信した前記送信先からの指示に従い、前記状態検出手段で検出される状態情報を当該送信先に対して前記通信手段により送信するように構成されている、
    ことを特徴とする請求項1乃至請求項8のいずれかに記載のセキュリティシステム。
  10. 前記状態検出手段は、通常状態を示す情報として予め設定されている情報に対して、異常状態を示す情報を区別して強調するように前記状態情報を処理し、処理した状態情報を前記送信先に対して前記通信手段により送信するように構成されている、
    ことを特徴とする請求項9に記載のセキュリティシステム。
  11. 建造物に固定的に設置された固定システムにより当該建造物の室内の異常を検出した場合に、予め設定された送信先に対して通信ネットワークを通じてセキュリティアラート情報を送信するセキュリティシステムの制御方法において、
    前記固定システムとして、
    前記送信先との間で通信を行う通信手段と、
    室内空気の気圧および気体構成比率の少なくとも一方を指標値として、この指標値を外部の空気とは異なる予め設定されたセキュリティ調整値で調整するセキュリティ換気モード、および当該指標値を別の異なる調整値で調整するかまたは調整を行わない通常換気モード、のいずれかのモードで動作する換気手段と、
    前記指標値を検出する検出手段、
    を備えたシステムを使用し、
    前記換気手段を前記複数のモードのいずれかにモード切換するように制御するモード切換制御ステップと、
    前記換気手段を前記セキュリティ換気モードで動作するように制御するセキュリティ制御ステップと、
    前記換気手段を前記通常換気モードで動作するように制御する通常制御ステップを行い、
    前記セキュリティ制御ステップは、
    前記検出手段により検出された検出値の変化が予め設定された許容値を超えた場合に、前記送信先に対して前記通信手段によりセキュリティアラート情報を送信する監視ステップを含む、
    ことを特徴とするセキュリティシステムの制御方法。
  12. 前記送信先から与えられる制御関連情報を前記通信手段により受信した場合に、当該制御関連情報に基づいて前記換気手段を制御する外部情報利用制御ステップを含む、
    ことを特徴とする請求項11に記載のセキュリティシステムの制御方法。
  13. 前記送信先となる移動型の端末装置により、端末装置自身の位置に関連する位置関連情報を取得し、この位置関連情報が予め設定された送信位置条件を満足する場合に前記制御関連情報を前記固定システムに送信する制御関連情報送信ステップを行う、
    ことを特徴とする請求項12に記載のセキュリティシステムの制御方法。
  14. 前記セキュリティ制御ステップは、前記換気手段を制御して、前記外部より取り込んだ空気から酸素を除去し、酸素濃度を低下させた空気を前記室内に排出すると共に、除去した酸素を外部に排出するステップを含み、
    前記指標値は、前記室内空気の気圧および酸素濃度の少なくとも一方である、
    ことを特徴とする請求項11乃至請求項13のいずれかに記載のセキュリティシステムの制御方法。
  15. 建造物に固定的に設置された固定システムにより当該建造物の室内の異常を検出した場合に、予め設定された送信先に対して通信ネットワークを通じてセキュリティアラート情報を送信するセキュリティシステムの制御プログラムにおいて、
    前記固定システムとして、
    前記送信先との間で通信を行う通信手段と、
    室内空気の気圧および気体構成比率の少なくとも一方を指標値として、この指標値を外部の空気とは異なる予め設定されたセキュリティ調整値で調整するセキュリティ換気モード、および当該指標値を別の異なる調整値で調整するかまたは調整を行わない通常換気モード、のいずれかのモードで動作する換気手段と、
    前記指標値を検出する検出手段、
    を備えた固定システムを使用した場合に、この固定システムを制御するコンピュータに、
    前記換気手段を前記複数のモードのいずれかにモード切換するように制御するモード切換制御機能と、
    前記換気手段を前記セキュリティ換気モードで動作するように制御するセキュリティ制御機能と、
    前記換気手段を前記通常換気モードで動作するように制御する通常制御機能を実現させ、
    前記セキュリティ制御機能は、
    前記検出手段により検出された検出値の変化が予め設定された許容値を超えた場合に、前記送信先に対して前記通信手段によりセキュリティアラート情報を送信する監視機能を含む、
    ことを特徴とするセキュリティシステムの制御プログラム。
  16. 前記モード切換制御機能は、前記送信先から与えられる制御関連情報を前記通信手段により受信した場合に、当該制御関連情報に基づいて前記換気手段を制御する外部情報利用制御機能を含む、
    ことを特徴とする請求項15に記載のセキュリティシステムの制御プログラム。
  17. 前記セキュリティ制御機能は、前記換気手段を制御して、前記外部より取り込んだ空気から酸素を除去し、酸素濃度を低下させた空気を前記室内に排出すると共に、除去した酸素を外部に排出する機能を含み、
    前記指標値は、前記室内空気の気圧および酸素濃度の少なくとも一方である、
    ことを特徴とする請求項15または請求項16に記載のセキュリティシステムの制御プログラム。
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