JP2005249738A - 血液の体外処理時に凝固しやすい血液の判別方法 - Google Patents
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Abstract
【課題】 血液の体外処理を行う前に、血液の体外処理時に凝固しやすい血液を判別するための判別方法および判別システム、並びに上記判別システムを有する血液処理装置を提供すること。
【解決手段】 血液の体外処理前に血液の複数のパラメータを測定し、各パラメータについて得られた測定値を所定の判別式に適用することによって係数を取得し、取得した係数の値に基づいて血液の凝固のしやすさを判別することを含む、血液の体外処理時に凝固しやすい血液の判別方法および判別システム、並びに上記判別システムを有する血液処理装置。
【選択図】 なし
【解決手段】 血液の体外処理前に血液の複数のパラメータを測定し、各パラメータについて得られた測定値を所定の判別式に適用することによって係数を取得し、取得した係数の値に基づいて血液の凝固のしやすさを判別することを含む、血液の体外処理時に凝固しやすい血液の判別方法および判別システム、並びに上記判別システムを有する血液処理装置。
【選択図】 なし
Description
本発明は、血液の体外処理時において凝固しやすい血液を判別する方法に関する。さらに詳しくは、本発明は、血液の体外循環による白血球除去療法、血液濾過療法、血漿交換療法、二重濾過プラズマフェレーシス療法、血液成分吸着療法、血漿成分吸着療法、輸血用血液からの白血球除去等を含む体外血液処理時において、血液凝固やフィルター又は分離膜等の目詰まりを起こしやすい血液を判別する方法に関する。
輸血分野においては、GVHD(移植片対宿主反応)等の副作用防止の目的から、白血球除去フィルターによる輸血前製剤の白血球除去が行われている。また、輸血製剤のみならず、潰瘍性大腸炎やクローン病等の炎症性腸疾患、関節リウマチや多発性硬化症等の自己免疫疾患、C型肝炎等のウイルス性疾患およびアレルギー疾患等、白血球の介在が懸念される種々の疾患の治療においても、白血球を除去することにより病態改善すべく白血球除去療法が行われるようになってきた(特許文献1)。
これらの処理または治療方法においては、前者では、輸血製剤を特定の白血球除去フィルターで濾過して白血球除去製剤を別のバッグに採取する方法が一般的であり、後者では、血中の不要成分や特定成分を除去する膜分離モジュールまたは吸着剤カラムを用いて体外循環する方法が一般的である(特許文献2〜4)。後者の具体的な例としては、血液濾過療法、血漿交換療法、二重濾過プラズマフェレーシス療法、血液成分吸着療法および血漿成分吸着療法等が挙げられ、それぞれ臨床現場で普及している。
このような血液の体外処理方法が普及してくると、たとえ同じ条件で処理しても、血液によっては体外処理時に凝固しやすい、あるいはフィルターや分離膜での処理時に目詰まりを起こしやすい場合があることが判ってきた。そして、体外処理時に血液が凝固したり、フィルターや分離膜が目詰まりを起こしたりすると、返血が難しく血液が体外に捨てられることになるため、抗凝固剤の量を増やしたり種類を変更したり、あるいは血液の処理速度を落としたりする等いろいろな工夫が必要となり、医師の負担が増大していた。
そこで、血液を体外で処理する場合に、事前にその血液の凝固しやすさを判別する方法の開発が望まれていた。ところが、血液凝固検査については、凝固時間測定法をはじめとする幾つかの測定方法が実用化されているものの、これらの検査方法は基本的に個々の凝固因子の活性測定によるものに過ぎなかった。一方、血中には血液凝固に影響を及ぼす数多くの因子が存在し、これらが絡み合って血液凝固が進行すると考えられているが、酵素免疫法等の迅速かつ簡便な微量定量技術が開発され、様々な血中成分の定量が可能となったにも係らず、これらの検査結果を総合的に解析して、血液を体外で処理する前に血液の凝固しやすさを簡便に判別する方法については全く知られていなかった。
本発明は、血液の体外処理を行う前に、血液の体外処理時に凝固しやすい血液を判別するための判別方法および判別システム、並びに上記判別システムを有する血液処理装置を提供することを目的とする。
本発明者らは、前記課題を解決するために鋭意研究した結果、血液の複数のパラメータを用いた判別式により、血液の体外処理時における血液の凝固のしやすさを簡便かつ正確に判別できることを見出し、本発明を完成するに至った。
即ち、本発明によれば、血液の体外処理前に血液の複数のパラメータを測定し、各パラメータについて得られた測定値を所定の判別式に適用することによって係数を取得し、取得した係数の値に基づいて血液の凝固のしやすさを判別することを含む、血液の体外処理時に凝固しやすい血液の判別方法が提供される。
好ましくは、取得する係数は、血液の体外処理時に凝固しやすい血液を判別するための血漿凝固係数、及び/または、血液処理時に血球成分に起因して凝固しやすい血液を判別するための血液凝固係数である。
好ましくは、血漿凝固係数を取得するためのパラメータは少なくとも第13因子活性、プロテインC活性、及びプロテインS活性を含み、血液凝固係数を取得するためのパラメータは少なくとも血小板数、好中球数、及び単球数を含む。さらに好ましくは、血漿凝固係数を取得するためのパラメータは少なくとも第13因子活性、プロテインC活性、プロテインS活性、ベータトロンボグロブリン濃度、血小板第4因子濃度、Von Willebrand因子活性、及びフィブリノーゲン分解産物濃度を含む。
好ましくは、下記式で示される血漿凝固係数〔Kcp〕が0.7以上3.5未満、及び/または下記式で示される血液凝固係数〔Kcc〕が0.5以上1.50未満である場合に凝固しやすいと判別することができる。
Kcp=2.0+0.018×第13因子活性+0.0067×プロテインC活性−0.041×プロテインS活性;
Kcc=−1.17+0.032×血小板数+0.040×好中球数−0.23×単球数
[式中の各パラメータの単位は以下の通りである。第13因子活性(%)、プロテインC活性(%)、プロテインS活性(%)、血小板数(×104/μL)、好中球数(×102/μL)、単球数(×102/μL)]
Kcp=2.0+0.018×第13因子活性+0.0067×プロテインC活性−0.041×プロテインS活性;
Kcc=−1.17+0.032×血小板数+0.040×好中球数−0.23×単球数
[式中の各パラメータの単位は以下の通りである。第13因子活性(%)、プロテインC活性(%)、プロテインS活性(%)、血小板数(×104/μL)、好中球数(×102/μL)、単球数(×102/μL)]
さらに好ましくは、下記式で示される血漿凝固係数〔Kc〕が0.5以上5.0未満である場合に凝固しやすいと判別することができる。
Kc=Kcp+Kcpp
Kcpp=−0.025×β―TG+0.095×PF-4−0.0021×Von Willebrand因子活性+0.033×FDP
[式中の各パラメータの単位は以下の通りである。β―TG:ベータトロンボグロブリン濃度(ng/mL)、PF-4:血小板第4因子濃度(ng/mL)、Von Willebrand因子活性:(%)、FDP:フィブリノーゲン分解産物濃度(μg/mL)]
Kc=Kcp+Kcpp
Kcpp=−0.025×β―TG+0.095×PF-4−0.0021×Von Willebrand因子活性+0.033×FDP
[式中の各パラメータの単位は以下の通りである。β―TG:ベータトロンボグロブリン濃度(ng/mL)、PF-4:血小板第4因子濃度(ng/mL)、Von Willebrand因子活性:(%)、FDP:フィブリノーゲン分解産物濃度(μg/mL)]
好ましくは、血液の体外処理は、血液を血液処理材と接触させることを含む処理である。
好ましくは、血液の体外処理は、血液からの白血球除去を含む処理である。
好ましくは、血液の体外処理は、血液の体外循環処理である。
好ましくは、血液の体外処理は、血液からの白血球除去を含む処理である。
好ましくは、血液の体外処理は、血液の体外循環処理である。
本発明の別の側面によれば、少なくとも(1)血液データを入力する手段、及び(2)入力された血液データに基づいて下記式で示される血漿凝固係数〔Kcp〕、血液凝固係数〔Kcc〕、及び/又は血漿凝固係数〔Kc〕を求める手段を有する、凝固しやすい血液を判別するためのシステムが提供される。
Kcp=2.0+0.018×第13因子活性+0.0067×プロテインC活性−0.041×プロテインS活性;
Kcc=−1.17+0.032×血小板数+0.040×好中球数−0.23×単球数
Kc=Kcp+Kcpp
Kcpp=−0.025×β―TG+0.095×PF-4−0.0021×Von Willebrand因子活性+0.033×FDP
[式中の各パラメータの単位は以下の通りである。第13因子活性(%)、プロテインC活性(%)、プロテインS活性(%)、血小板数(×104/μL)、好中球数(×102/μL)、単球数(×102/μL)、β―TG:ベータトロンボグロブリン濃度(ng/mL)、PF-4:血小板第4因子濃度(ng/mL)、Von Willebrand因子活性:(%)、FDP:フィブリノーゲン分解産物濃度(μg/mL)]
Kcp=2.0+0.018×第13因子活性+0.0067×プロテインC活性−0.041×プロテインS活性;
Kcc=−1.17+0.032×血小板数+0.040×好中球数−0.23×単球数
Kc=Kcp+Kcpp
Kcpp=−0.025×β―TG+0.095×PF-4−0.0021×Von Willebrand因子活性+0.033×FDP
[式中の各パラメータの単位は以下の通りである。第13因子活性(%)、プロテインC活性(%)、プロテインS活性(%)、血小板数(×104/μL)、好中球数(×102/μL)、単球数(×102/μL)、β―TG:ベータトロンボグロブリン濃度(ng/mL)、PF-4:血小板第4因子濃度(ng/mL)、Von Willebrand因子活性:(%)、FDP:フィブリノーゲン分解産物濃度(μg/mL)]
本発明のさらに別の側面によれば、少なくとも(1)血液処理材、(2)上記した凝固しやすい血液を判別するためのシステムシステム、及び(3)凝固しやすい血液を検出して、凝固しにくい血液を自動的に表示及び/または選択する手段を有する、血液処理装置が提供される。
本発明の血液処理装置において、好ましくは、血液処理材は、血液から白血球を除去するための処理材である。本発明の血液処理装置は、好ましくは、血液の体外処理を行うための血液処理装置である。
本発明の凝固しやすい血液の判別方法を用いることにより、血液を体外処理するに当たって、凝固しやすい血液を事前に判別することができる。これにより、血液の体外処理中における血液の凝固によるトラブルを未然に防ぐことができ、更には血液のロスや凝固による血液処理器のロスを未然に防ぐことができる。特に、体外循環による血液の体外処理においては凝固しやすい血液に対する対応策も種々準備されており、事前の対策が取れることから、本発明の判別方法は有用である。例えば、白血球除去療法においては、血液を10℃以上30℃以下に冷却した後に白血球除去するなどして血液の凝固を抑制する方法が開発されており、本発明により事前に凝固しやすい血液であることが判別できれば、前述の白血球除去方法を選択することができ、トラブルを未然に防げ、血液のロスを最低限に抑制することができる。
以下、本発明の凝固しやすい血液の判別方法について詳細に説明する。
本発明による血液の体外処理時に凝固しやすい血液の判別方法は、血液の体外処理前に血液の複数のパラメータを測定し、各パラメータについて得られた測定値を所定の判別式に適用することによって係数を取得し、取得した係数の値に基づいて血液の凝固のしやすさを判別することを含む方法である。取得する係数の具体例としては、血液の体外処理時に凝固しやすい血液を判別するための血漿凝固係数、または血液処理時に血球成分に起因して凝固しやすい血液を判別するための血液凝固係数などを挙げることができる。血漿凝固係数を取得するためのパラメータとしては、第13因子活性、プロテインC活性、プロテインS活性、第12因子活性、第8因子活性、エラスターゼ1濃度などが挙げられ、さらに好ましくは上記に加えて、ベータトロンボグロブリン濃度、血小板第4因子濃度、Von Willebrand因子活性、フィブリノーゲン分解産物濃度、フィブリノーゲン濃度などを使用することができる。また、血液凝固係数を取得するためのパラメータとしては、血小板数、好中球数、単球数、白血球数、顆粒球数、リンパ球数、平均赤血球血色素濃度、リンパ球比率、顆粒球比率、好中球比率、大型血小板比率、平均血小板容積、及び血小板分布幅などが挙げられる。
本発明による血液の体外処理時に凝固しやすい血液の判別方法は、血液の体外処理前に血液の複数のパラメータを測定し、各パラメータについて得られた測定値を所定の判別式に適用することによって係数を取得し、取得した係数の値に基づいて血液の凝固のしやすさを判別することを含む方法である。取得する係数の具体例としては、血液の体外処理時に凝固しやすい血液を判別するための血漿凝固係数、または血液処理時に血球成分に起因して凝固しやすい血液を判別するための血液凝固係数などを挙げることができる。血漿凝固係数を取得するためのパラメータとしては、第13因子活性、プロテインC活性、プロテインS活性、第12因子活性、第8因子活性、エラスターゼ1濃度などが挙げられ、さらに好ましくは上記に加えて、ベータトロンボグロブリン濃度、血小板第4因子濃度、Von Willebrand因子活性、フィブリノーゲン分解産物濃度、フィブリノーゲン濃度などを使用することができる。また、血液凝固係数を取得するためのパラメータとしては、血小板数、好中球数、単球数、白血球数、顆粒球数、リンパ球数、平均赤血球血色素濃度、リンパ球比率、顆粒球比率、好中球比率、大型血小板比率、平均血小板容積、及び血小板分布幅などが挙げられる。
本発明における血漿凝固係数〔Kcp〕とは、血液の体外処理時に凝固しやすい血液を判別できる係数で、この係数が0.7以上3.5未満の場合、凝固しやすいと判別できる。血漿凝固係数〔Kcp〕が0.7未満の場合、凝固しにくいと判別できる。血漿凝固係数〔Kcp〕が3.5以上の領域は、凝固性の判定精度が低下するため凝固しやすい、またはしにくいという判別をするには好ましくない領域である。この原因は血漿凝固係数の式に含まれる各測定値自体に異常が含まれているケースも考えられるので、再検査が必要な領域と判断することもできる。より凝固しやすいと判定される血漿凝固係数〔Kcp〕は0.75以上2.50未満、最も凝固しやすいと判定される血漿凝固係数〔Kcp〕は0.80以上2.0未満である。
血漿凝固係数〔Kcp〕の取得の際に用いる血液凝固第13因子活性は、公知の血液検査方法で測定された値をそのまま用いることができる。例えば、合成基質法により、ベリクロームFXIII試薬(デイドベーリング社製)を用い、全自動血液凝固線溶測定装置(BCS型、デイドベーリング社製)により容易に測定できるが、測定方法はこれに限定されるものではない。
血液凝固第13因子は、活性化することで可溶性フィブリンに作用し、フィブリンが安定化フィブリンに転換するため、血液の体外処理時に凝固を検出する上で非常に重要な因子である。一般に血液凝固第13因子活性の値が高いほど凝固を促進する。
血漿凝固係数〔Kcp〕の取得の際に用いるプロテインC活性は、公知の血液検査方法で測定された値をそのまま用いることができる。例えば、抗プロテインC抗体で感作されたラテックス粒子によるラテックス凝集法により、容易に測定できるが、測定方法はこれに限定されるものではない。
プロテインCは活性化することでプロテインSを補酵素タンパクとして、活性化第5因子、及び活性化第8因子を失活させ、凝固反応を阻止する働きをするため、凝固しやすい血液を判別するうえで重要である。
血漿凝固係数の取得の際に用いるプロテインS活性は、公知の血液検査方法で測定された値をそのまま用いることができる。例えば、抗プロテインS抗体及びペルオキシダーゼ標識抗プロテインS抗体を用いた1ステップサンドイッチ法を用いた酵素免疫分析(EIA)法により、容易に測定できるが、測定方法はこれに限定されるものではない。
プロテインSは、プロテインCの活性を補助するため、プロテインS値が低いと抗凝固活性を発揮できず、凝固しやすくなるため、凝固しやすい血液を判別するうえで重要である。
本発明における血液凝固係数〔Kcc〕とは、血液処理時に血球成分に起因して凝固しやすい血液を判別できる係数で、この係数が0.50以上1.50未満の場合、凝固しやすいと判別できる。血液凝固係数〔Kcc〕が0.50未満の場合、凝固しにくい血液であると判別される。血液凝固係数〔Kcc〕が1.50以上の領域は、血球数が異常に多いため凝固性の判定精度が低下するため好ましくない領域である。より凝固しやすいと判定される血液凝固係数〔Kcc〕は0.60以上1.40未満、最も凝固しやすいと判定される血液凝固係数〔Kcc〕は、0.70以上1.35未満である。
血液凝固係数〔Kcc〕は、特に白血球成分を含む血液をろ過、吸着、及び吸着された細胞の回収等の血液処理を行う場合に特に有用に用いられる。白血球、顆粒球、単球、単核球等の除去または吸着、及び吸着された細胞の回収において凝固しやすい血液を事前に判別しておけば、その血液の処理条件を変更することができるので、特に有用である。また処理細胞数が多い点より、体外循環による吸着及びフィルターによる白血球除去、フィルターによる単核球の分離回収時に事前に凝固しやすい血液を判別しておくことは、不測のトラブルを避けるために最も有用に用いられる。
本発明で用いる血小板数、好中球数、単球数は、公知の自動血球計数器、フローサイトメトリー、血液染色法等で求めることができる。測定精度及び簡便さの点より好ましくは、自動血球計数器、フローサイトメトリー、最も好ましくは自動血球計数器が用いられる。
本発明による凝固しやすい血液の判別方法は、全血を用いた血液の体外処理時に凝固しやすい血液を判別できるのみならず、全血を何らかの分離工程で分離した血液成分の体外処理時に凝固しやすい血液をも判別できる。少なくとも白血球または/および血漿を含有している血液成分であれば、その体外処理時に凝固しやすい血液を判別できる。
白血球を含む血液を例示すると、新鮮血液、抗凝固剤添加血液、希釈血液、遠心分離または膜分離により分離した白血球含有濃厚赤血球、白血球浮遊液、白血球含有血漿等が挙げられる。
一方、血漿成分を含む血液を例示すると、新鮮血液、保存血液、希釈血液、遠心分離または膜分離により分離した血漿等が挙げられる。
また、本発明の好ましい態様においては、上記したKcp値と下式で示すKcpp値との和〔Kc〕が0.5以上5.0未満である場合に凝固しやすいと判別することができる。
Kc=Kcp+Kcpp
Kcpp=−0.025×β―TG+0.095×PF-4−0.0021×Von Willebrand因子活性+0.033×FDP
[式中の各パラメータの単位は以下の通りである。β―TG:ベータトロンボグロブリン濃度(ng/mL)、PF-4:血小板第4因子濃度(ng/mL)、Von Willebrand因子活性:(%)、FDP:フィブリノーゲン分解産物濃度(μg/mL)]
Kc=Kcp+Kcpp
Kcpp=−0.025×β―TG+0.095×PF-4−0.0021×Von Willebrand因子活性+0.033×FDP
[式中の各パラメータの単位は以下の通りである。β―TG:ベータトロンボグロブリン濃度(ng/mL)、PF-4:血小板第4因子濃度(ng/mL)、Von Willebrand因子活性:(%)、FDP:フィブリノーゲン分解産物濃度(μg/mL)]
Kc値を用いることで、Kcp値を用いた場合と比べ、更に高精度に、凝固しやすい血液を判別することができる。本発明で用いるKcpp値とは、Kcp値に加えることで、血液処理時に凝固しやすい血液を判別できる係数である。本発明においては、Kc値が0.5以上5.0未満である場合に、凝固しやすいと判別することができる。Kc値が0.5未満の場合、凝固しにくい血液と判別される。Kc値が5.0以上の場合は、凝固判定精度が低下するため血液の凝固性を判別するには好ましくない。より凝固しやすいと判別できるKc値は0.7以上4.5未満、最も凝固しやすいと判別できるKc値は0.8以上4.0未満である。
Kcpp値の算出に用いるベータトロンボグロブリン、血小板第4因子は、何れも血小板より放出される因子で血液の凝固に関与する因子である。ベータトロンボグロブリンは血小板の顆粒中に含まれ、顆粒中の活性化成分を安定化させるため凝固抑制に影響すると考えられるため重要である。一方、血小板第4因子は、抗ヘパリン作用を有するため凝固を促進する因子として重要である。
Kcpp値の取得の際に用いるベータトロンボグロブリン濃度、及び血小板第4因子濃度は公知の血液検査方法で測定された値をそのまま用いることができる。例えば、それぞれ、抗β−トロンボグロブリン抗体、抗血小板第4因子抗体を用いたEIA法により、容易に測定できるが、測定方法はこれに限定されるものではない。
また、Kcpp値の算出に用いるVon Willebrand因子活性は、血小板の凝集に関与する因子であり、Von Willebrand因子活性が血液の凝固に関与するため重要である。
Kcpp値の取得の際に用いるVon Willebrand因子活性は、公知の血液検査方法で測定された値をそのまま用いることができる。例えば、リストセチンと正常血小板を用いた固定血小板凝集法により容易に測定できるが、測定方法はこれに限定されるものではない。
また、Kcpp値の算出に用いるフィブリノーゲン分解産生物は、活性化されたプラスミンの限定水解作用によってフィブリノーゲンまたはフィブリンが分解され生成する物質をいい、血液の凝固に重要な因子である。
Kcpp値の取得の際に用いるフィブリノーゲン分解産生物は、公知の血液検査方法で測定された値をそのまま用いることができる。例えば、抗フィブリノーゲン抗体を用いたラテックス凝集スライド法により容易に測定できるが、測定方法はこれに限定されるものではない。
更に、本発明は、血液の体外処理が、血液を血液処理材と接触させることを含む場合に、凝固しやすい血液の判別方法として有用に用いられる。
本明細書で言う血液処理材とは、例えば、血液を分離、吸着、ろ過又は回収するために用いる材料であり、血液を処理する材料であれば特に限定されない。
血液処理材は、その用途によりいかなる形状のものでも用いることができる。例えば、中空糸状;繊維隗、織布又は不織布等の繊維状;スポンジ又は発砲体等の多孔質状;ビーズ又はゲル等の粒状、等が挙げられる。
血液処理材の材質の具体例としては、ポリエチレンテレフタレート、ポリブチレンテレフタレート及びポリオキシエチレンテレフタレート等のポリエステル; ポリアクリロニトリル、ナイロン6、及びナイロン6、6等のポリアミド;芳香族ポリアミド;ポリスチレン及びその誘導体、ポリエチレン、ポリプロピレン、及びポリブテン等のポリオレフィン;メチルメタクリレート、及びエチルメタクリレート等のメタクリル酸エステル誘導体を重合して得られる高分子化合物;メチルアクリレート、及びエチルアクリレート等のアクリル酸エステル誘導体を重合して得られる高分子化合物;ポリトリフルオロクロルエチレン、ポリビニルホルマール、ポリスルホン、ポリウレタン、ポリビニルアセタール、ポリカーボネート等の合成高分子化合物で、上記高分子化合物の単量体の単独重合体、共重合体、ブロック重合体、及び上記高分子化合物の、ブレンド及びアロイ化したものを含むもの、セルロース、アセチル化セルロース、セルロース誘導体等の再生繊維及び上記に示した合成高分子化合物とのブレンド、アロイ化したものを含むもの等が挙げられるが、これらに限定されるものではない。
また、血液処理材に、種々の低分子量、高分子量の化合物を共有結合、イオン結合、放射線やプラズマによるグラフト法、物理吸着、包埋あるいは濾過材料表面への沈澱不溶化等 あらゆる公知の方法を用いて固定して用いることもできる。
例えば、高分子化合物やその単量体を放射線又はプラズマ等を用いてグラフト重合又は共有結合するなどの公知の方法により表面改質を施した血液処理材が知られている。表面改質に用いられる単量体及び高分子化合物の例として、メタクリル酸、アクリル酸、2−メタ クリロイルオキシエチルコハク酸、モノ(2−アクリロイルオキシエチル)アシッドフォスフェート、2−スルホエチルメタクリレート、2−メタクリロイルオキシエチルフタル酸、等のアクリル酸もしくはメタクリル酸誘導体や、p−スチレンスルホン酸、p−ビニル安息香酸等のスチレン誘導体、ビニルフェノール等のフェノール誘導体、アリルスルホン酸ナトリウム等のアリル化合物等の各種ビニルモノマー、アセチレン誘導体、トリオキサン誘導体等の陰性基を有する単量体を重合して得られる高分子化合物、また上記の単量体と重合性官能基、好ましくはビニル基または、アセチレン基を有する、例えば、2−ヒドロキシエチルメタクリレート、2−ヒドロ キシエチルアクリレート、1、2−ジヒドロキシエチル メタクリレート、メトキシトリエチレングリコールメタクリレート、メトキシノナエチレングリコールメタクリレート、メチルメタクリレート、エチルメタクリレート、メチルアクリレート、エチルアクリレート等のアクリル酸エステル及びメタクリル酸エステル誘導体、スチレン及びその誘導体等の中性の単量体、N,N−ジエチルアミノエチルメタクリレート、N,N−ジメチルアミノエチルメタクリレート、N,N−ジエチルアミノエチルメタクリレート、N,N−ジメチルアミノエチルアクリレート等のカチオン性の単量体との共重合体、ブロック重合体として得られる高分子化合物或いはオリゴマー等の合成化合物があるが、特にこれに限定されるものではない。
本発明は、血液の体外処理が血液からの白血球除去である場合に特に有用である。
本明細書で言う白血球除去とは、血液と血液処理材とを接触、刺激、物理的操作をさせることによる、血液から白血球を除去することをいう。用いる血液は、少なくとも白血球を含む血液であり、前述の新鮮血液、抗凝固剤添加血液、希釈血液、遠心分離、膜分離により分離した白血球含有濃厚赤血球、白血球浮遊液、白血球含有血漿等が例示できる。
本発明で除去される白血球を例示すると、好中球、好酸球、好塩基球等の顆粒球、単球、Tリンパ球、Bリンパ球等のリンパ球、NK細胞、NKT細胞等が挙げられる。特に輸血用の血液から白血球を除去する場合、GVHD等の副作用を防止する目的のためには、全ての白血球成分を除去することが重要であり、特にリンパ球の高率の除去が重要である。
本明細書で言う白血球除去とは、血液と血液処理材とを接触、刺激、物理的操作をさせることによる、血液から白血球を除去することをいう。用いる血液は、少なくとも白血球を含む血液であり、前述の新鮮血液、抗凝固剤添加血液、希釈血液、遠心分離、膜分離により分離した白血球含有濃厚赤血球、白血球浮遊液、白血球含有血漿等が例示できる。
本発明で除去される白血球を例示すると、好中球、好酸球、好塩基球等の顆粒球、単球、Tリンパ球、Bリンパ球等のリンパ球、NK細胞、NKT細胞等が挙げられる。特に輸血用の血液から白血球を除去する場合、GVHD等の副作用を防止する目的のためには、全ての白血球成分を除去することが重要であり、特にリンパ球の高率の除去が重要である。
本発明は、血液の体外処理が血液の体外循環処理である場合に更に有用である。
本明細書で言う体外循環処理とは、血液透析、血漿交換、直接灌流血液吸着、白血球除去、顆粒球除去、単球除去、血漿成分吸着、血漿成分ろ過、持続緩除式血液濾過、血液濃縮及びこれらを用いた血液成分の回収等、体外で血液を循環して処理する操作の全ての場合を包含する。本発明では、事前に少量の血液をサンプリングし、本発明の判別方法を用いて凝固しやすさを評価することができる。更に、本発明の方法は、特に白血球除去等のフィルターの目詰まりを事前に検出したり、血液透析時の残血のしやすさの検出にも有用に用いられる。
本明細書で言う体外循環処理とは、血液透析、血漿交換、直接灌流血液吸着、白血球除去、顆粒球除去、単球除去、血漿成分吸着、血漿成分ろ過、持続緩除式血液濾過、血液濃縮及びこれらを用いた血液成分の回収等、体外で血液を循環して処理する操作の全ての場合を包含する。本発明では、事前に少量の血液をサンプリングし、本発明の判別方法を用いて凝固しやすさを評価することができる。更に、本発明の方法は、特に白血球除去等のフィルターの目詰まりを事前に検出したり、血液透析時の残血のしやすさの検出にも有用に用いられる。
さらに本発明によれば、少なくとも(1)血液データを入力する手段、及び(2)入力された血液データに基づいて本明細書中上記した血漿凝固係数〔Kcp〕、血液凝固係数〔Kcc〕、及び/又は血漿凝固係数〔Kc〕を求める手段を有する、凝固しやすい血液を判別するためのシステムが提供される。
本発明のシステムにおいては、コンピュータ、電子計算機等のプログラム、計算式を入れたディスク等の任意の計算システムを用いることができる。特に、血液のデータを入力することにより、本明細書中上記した血漿凝固係数〔Kcp〕、血液凝固係数〔Kcc〕、及び/又は血漿凝固係数〔Kc〕を計算できものが好ましい。更に好ましくは、計算結果を表示すると同時に、計算結果から血液の凝固しやすさをも表示するシステムである。このようなシステムは簡便に用いることができる。
さらに本発明によれば、少なくとも(1)血液処理材、(2)上記した凝固しやすい血液を判別するためのシステム、及び(3)凝固しやすい血液を検出して、凝固しにくい血液を自動的に表示及び/または選択する手段を有する、血液処理装置が提供される。本発明の血液処理装置には、凝固しやすい血液を判別するためのシステムが内臓され、これにより凝固しやすい血液を検出し、自動的に凝固しにくい血液を表示及び/または選択することができる。本発明の血液処理装置にはさらに、血液の送液手段を設けることもできる。本発明の血液処理装置としては、例えば、公知の体外循環用の装置等を用いることができる。
以下の実施例により本発明をさらに具体的に説明するが、本発明は実施例によって限定されるものではない。
以下の実施例により本発明をさらに具体的に説明するが、本発明は実施例によって限定されるものではない。
実施例1
(1)凝固しやすい血液の判別
ヒト新鮮血液をドナー5名より採血し、血液第13因子活性、プロテインンC活性、プロテインS活性、β―TG、PF-4、Von Willebrand因子活性、FDPをSRL社に依頼して測定した。また同時に多項目自動血球分析装置(SF-3000型、Sysmex社)を用いて、血小板数、単球数、好中球数を測定した。結果を表1に示す。表計算ソフトに予め計算式を入れ、これらの数値を代入することでKcp、Kc、Kccを求めた。何れのドナーも本発明の判別式では凝固しやすい血液と判別された。
(1)凝固しやすい血液の判別
ヒト新鮮血液をドナー5名より採血し、血液第13因子活性、プロテインンC活性、プロテインS活性、β―TG、PF-4、Von Willebrand因子活性、FDPをSRL社に依頼して測定した。また同時に多項目自動血球分析装置(SF-3000型、Sysmex社)を用いて、血小板数、単球数、好中球数を測定した。結果を表1に示す。表計算ソフトに予め計算式を入れ、これらの数値を代入することでKcp、Kc、Kccを求めた。何れのドナーも本発明の判別式では凝固しやすい血液と判別された。
(2)凝固のしやすさの試験方法
白血球除去フィルターとして、平均繊維直径2.7μmのポリエステル繊維よりなる不織布(目付90g/m2、厚さ0.42mm)を6.8mmの円形に切断し、その10枚を、上下をポアサイズ90μmのポリエチレンフィルタで挟み、カラムに充填したものを用いた。
白血球除去フィルターとして、平均繊維直径2.7μmのポリエステル繊維よりなる不織布(目付90g/m2、厚さ0.42mm)を6.8mmの円形に切断し、その10枚を、上下をポアサイズ90μmのポリエチレンフィルタで挟み、カラムに充填したものを用いた。
37℃に加温した、抗凝固剤としてメシル酸ナファモスタットを添加したヒト新鮮血液(白血球数:4,370〜8200/μL、血小板数:100,000〜300,000/μL、ドナー名5;メシル酸ナファモスタット濃度:0.012mg/ml)6.2mLを血液ポンプを用いて0.25mL/分の一定流速で白血球除去フィルター内に流し入れ、白血球を除去した。
ドナー5名の血液をそれぞれ処理したところ、白血球除去フィルターの血液入口側の圧力が13.3kPa以上に上昇し、明らかな血液凝固により、6.2mLの血液全量を処理することができなかった。
実施例2:
(1)凝固しやすい血液の判別
実施例1と同様に、ヒト新鮮血液をドナー5名より採血し、血液第13因子活性、プロテインンC活性、プロテインS活性、β―TG、PF-4、Von Willebrand因子活性、FDP、血小板数、単球数、好中球数を測定した。結果を表2に示す。表計算ソフトに予め計算式を入れ、これらの数値を代入することでKcp、Kc、Kccを求めた。結果を表2に示す。何れのドナーも本発明の判別式では凝固しやすい血液ではないと判別された。
(1)凝固しやすい血液の判別
実施例1と同様に、ヒト新鮮血液をドナー5名より採血し、血液第13因子活性、プロテインンC活性、プロテインS活性、β―TG、PF-4、Von Willebrand因子活性、FDP、血小板数、単球数、好中球数を測定した。結果を表2に示す。表計算ソフトに予め計算式を入れ、これらの数値を代入することでKcp、Kc、Kccを求めた。結果を表2に示す。何れのドナーも本発明の判別式では凝固しやすい血液ではないと判別された。
(2)凝固のしやすさの試験方法
実施例1と同様に白血球除去フィルターに血液を6.8ml流したところ、凝固は認められず、カラム入口側での圧力は13.3kPa以上の上昇することなく血液が全量処理可能であった。
実施例1と同様に白血球除去フィルターに血液を6.8ml流したところ、凝固は認められず、カラム入口側での圧力は13.3kPa以上の上昇することなく血液が全量処理可能であった。
実施例3
体外循環用の装置プラソートLC(旭メディカル社製)のプログラムに、タッチパネルによる血液第13因子活性、プロテインンC活性、プロテインS活性、β―TG、PF-4、Von Willebrand因子活性、FDP、血小板数、単球数、好中球数の入力画面をプログラムし、入力後、Kcp、Kcc,Kc値がディスプレイに表示されるようにプログラムするプログラムを追加した。また同時に凝固しやすい血液と判別できた場合、凝固しやすいとの表示機能を付加した装置を作成した。
体外循環用の装置プラソートLC(旭メディカル社製)のプログラムに、タッチパネルによる血液第13因子活性、プロテインンC活性、プロテインS活性、β―TG、PF-4、Von Willebrand因子活性、FDP、血小板数、単球数、好中球数の入力画面をプログラムし、入力後、Kcp、Kcc,Kc値がディスプレイに表示されるようにプログラムするプログラムを追加した。また同時に凝固しやすい血液と判別できた場合、凝固しやすいとの表示機能を付加した装置を作成した。
Claims (13)
- 血液の体外処理前に血液の複数のパラメータを測定し、各パラメータについて得られた測定値を所定の判別式に適用することによって係数を取得し、取得した係数の値に基づいて血液の凝固のしやすさを判別することを含む、血液の体外処理時に凝固しやすい血液の判別方法。
- 取得する係数が、血液の体外処理時に凝固しやすい血液を判別するための血漿凝固係数、及び/または、血液処理時に血球成分に起因して凝固しやすい血液を判別するための血液凝固係数である、請求項1に記載の判別方法。
- 血漿凝固係数を取得するためのパラメータが少なくとも第13因子活性、プロテインC活性、及びプロテインS活性を含み、血液凝固係数を取得するためのパラメータが少なくとも血小板数、好中球数、及び単球数を含む、請求項1又は2に記載の判別方法。
- 血漿凝固係数を取得するためのパラメータが少なくとも第13因子活性、プロテインC活性、プロテインS活性、ベータトロンボグロブリン濃度、血小板第4因子濃度、Von Willebrand因子活性、及びフィブリノーゲン分解産物濃度を含む、請求項1乃至3の何れかに記載の判別方法。
- 下記式で示される血漿凝固係数〔Kcp〕が0.7以上3.5未満、及び/または下記式で示される血液凝固係数〔Kcc〕が0.5以上1.50未満である場合に凝固しやすいと判別する、請求項1乃至4の何れかに記載の判別方法。
Kcp=2.0+0.018×第13因子活性+0.0067×プロテインC活性−0.041×プロテインS活性;
Kcc=−1.17+0.032×血小板数+0.040×好中球数−0.23×単球数
[式中の各パラメータの単位は以下の通りである。第13因子活性(%)、プロテインC活性(%)、プロテインS活性(%)、血小板数(×104/μL)、好中球数(×102/μL)、単球数(×102/μL)] - 下記式で示される血漿凝固係数〔Kc〕が0.5以上5.0未満である場合に凝固しやすいと判別する、請求項1乃至5の何れかに記載の判別方法。
Kc=Kcp+Kcpp
Kcpp=−0.025×β―TG+0.095×PF-4−0.0021×Von Willebrand因子活性+0.033×FDP
[式中の各パラメータの単位は以下の通りである。β―TG:ベータトロンボグロブリン濃度(ng/mL)、PF-4:血小板第4因子濃度(ng/mL)、Von Willebrand因子活性:(%)、FDP:フィブリノーゲン分解産物濃度(μg/mL)] - 血液の体外処理が、血液を血液処理材と接触させることを含む処理である、請求項1乃至6記載の何れかに記載の判別方法。
- 血液の体外処理が、血液からの白血球除去を含む処理である、請求項1乃至7の何れかに記載の判別方法。
- 血液の体外処理が、血液の体外循環処理である、請求項1乃至8の何れかに記載の判別方法。
- 少なくとも(1)血液データを入力する手段、及び(2)入力された血液データに基づいて下記式で示される血漿凝固係数〔Kcp〕、血液凝固係数〔Kcc〕、及び/又は血漿凝固係数〔Kc〕を求める手段を有する、凝固しやすい血液を判別するためのシステム。
Kcp=2.0+0.018×第13因子活性+0.0067×プロテインC活性−0.041×プロテインS活性;
Kcc=−1.17+0.032×血小板数+0.040×好中球数−0.23×単球数
Kc=Kcp+Kcpp
Kcpp=−0.025×β―TG+0.095×PF-4−0.0021×Von Willebrand因子活性+0.033×FDP
[式中の各パラメータの単位は以下の通りである。第13因子活性(%)、プロテインC活性(%)、プロテインS活性(%)、血小板数(×104/μL)、好中球数(×102/μL)、単球数(×102/μL)、β―TG:ベータトロンボグロブリン濃度(ng/mL)、PF-4:血小板第4因子濃度(ng/mL)、Von Willebrand因子活性:(%)、FDP:フィブリノーゲン分解産物濃度(μg/mL)] - 少なくとも(1)血液処理材、(2)請求項10に記載のシステム、及び(3)凝固しやすい血液を検出して、凝固しにくい血液を自動的に表示及び/または選択する手段を有する、血液処理装置。
- 血液処理材が、血液から白血球を除去するための処理材である、請求項11に記載の血液処理装置。
- 血液の体外処理を行うための、請求項11又は12に記載の血液処理装置。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2004064501A JP2005249738A (ja) | 2004-03-08 | 2004-03-08 | 血液の体外処理時に凝固しやすい血液の判別方法 |
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JP2004064501A Pending JP2005249738A (ja) | 2004-03-08 | 2004-03-08 | 血液の体外処理時に凝固しやすい血液の判別方法 |
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Cited By (2)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
CN103245777A (zh) * | 2012-02-08 | 2013-08-14 | 南京柯伦迪检测技术有限公司 | 一种新型的血液血凝功能检测及评价方法 |
WO2018139583A1 (ja) * | 2017-01-27 | 2018-08-02 | 公益財団法人神戸医療産業都市推進機構 | 単核球分離装置及び単核球分離方法 |
-
2004
- 2004-03-08 JP JP2004064501A patent/JP2005249738A/ja active Pending
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