JP2005248647A - パークロック装置 - Google Patents

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Koichi Teranishi
幸一 寺西
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Abstract

【課題】ロックプレートの起立時の負荷を吸収するための最適な弾性体を選択できるとともに、その弾性体の付勢力を容易に調整できるパークロック装置を提供する。
【解決手段】このパークロック装置は、基板1と、基板1上にシリンダ本体4bが設けられ、シリンダ本体4bからロッド4aを直線運動可能な油圧シリンダ4と、ロッド4aの直線運動により回転駆動される従動軸7及び回転軸12と、従動軸7及び回転軸12の回転運動により起立又は倒伏されるロックプレート13とを備えている。シリンダ本体4bと基板1との間には、ロックプレート13の起立時に作用する倒伏方向の負荷によりシリンダ本体4bの後退方向又は前進方向の変位を上下方向の変位に変換するリンク機構20と、リンク機構20の上下方向の変位に対抗するバネ30とが設けられている。
【選択図】図3

Description

本発明はパークロック装置に関する。
従来、特許文献1開示のパークロック装置が開示されている。このパークロック装置は、駐車場の路面に固定される基板と、この基板上にシリンダ本体が設けられ、シリンダ本体からロッドを直線運動可能な油圧シリンダと、ロッドの直線運動により回転駆動される駆動軸と、駆動軸の回転運動により起立又は倒伏されるロックプレートとを備えている。また、油圧シリンダは、シリンダ本体と、このシリンダ本体に対向する基板の不動部との間に弾性体としてのバネを備えているとともに、バネの付勢力に抗して移動することにより駆動が停止されるようになっている。
このパークロック装置では、車両が所定の位置まで進入すると、油圧シリンダのロッドの伸長によりロックプレートが起立する。起立したロックプレートは車両の底面に当接し、車両の退出を阻止する。そして、駐車料金を精算すれば、油圧シリンダのロッドが短縮してそのロックプレートが倒伏し、車両の退出を可能にする。こうして、これらのパークロック装置は、簡易な駐車設備として利用されている。
また、このパークロック装置では、ロックプレートが起立して車両の底面に当接した後、さらにロックプレートが起立しようとする力に逆らう負荷(倒伏方向に向かう力)を弾性体としてのバネが吸収可能である。そして、バネがその負荷によって変位すれば、油圧シリンダの駆動が停止される。このため、このパークロック装置では、ロックプレートが過剰に起立することによる車両の底面又はロックプレートの損傷を防止できるようになっている。
特許3184809
しかし、上記従来のパークロック装置では、弾性体としてのバネがシリンダ本体と、これに対向する基板の不動部との間に設けられているため、バネは、シリンダ本体の後退方向である水平方向で弾性変形しつつ、その付勢力で直にシリンダ本体の後退方向の力を受けることとなる。このため、バネがシリンダ本体の変位を許容しつつシリンダ本体の後退方向の力と等しい付勢力をもつものに限定されてしまい、耐久性、安定性等の観点からのバネの選択が不可能になってしまっている。また、このパークロック装置では、付勢力を調整するための機構についての開示がなく、仮に付勢力を調整しようとしても、シリンダ本体の後退方向である水平方向でバネ長を変更しなければならず、その調整が面倒である。
本発明は、上記従来の実情に鑑みてなされたものであって、ロックプレートの起立時の負荷を吸収するための最適な弾性体を選択できるとともに、その弾性体の付勢力を容易に調整できるパークロック装置を提供することを解決すべき課題としている。
本発明のパークロック装置は、基板と、該基板上にシリンダ本体が設けられ、該シリンダ本体からロッドを直線運動可能な油圧シリンダと、該ロッドの直線運動により回転駆動される駆動軸と、該駆動軸の回転運動により起立又は倒伏されるロックプレートとを備えたパークロック装置において、
前記シリンダ本体と前記基板との間には、前記ロックプレートの起立時に作用する倒伏方向の負荷により該シリンダ本体の後退方向又は前進方向の変位を上下方向の変位に変換するリンク機構と、該リンク機構の上下方向の変位に対抗する付勢力をもつ弾性体とが設けられていることを特徴とする。
本発明のパークロック装置では、シリンダ本体と基板との間にリンク機構と弾性体とが設けられている。リンク機構は、ロックプレートの起立時に作用する倒伏方向の負荷により、シリンダ本体の後退方向又は前進方向の変位を上下方向の変位に変換する。また、弾性体は、リンク機構の上下方向の変位に対抗する付勢力をもっている。このため、弾性体は、リンク機構を介することにより、弾性変形するとともにその付勢力でシリンダ本体の後退方向の力又は前進方向の力を受けることとなる。このため、リンク機構を設計することにより、弾性体の強さ、長さ等を自由に選択することが可能になる。
また、このパークロック装置では、弾性体が上下方向に弾性変形するものとなることから、付勢力の調整が容易である。
したがって、本発明のパークロック装置によれば、ロックプレートの起立時の負荷を吸収するための最適な弾性体を容易に選択できるとともに、その弾性体の付勢力を容易に調整することができる。これにより、このパークロック装置は、ロックプレートの起立時において、車両の底面及びロックプレートの損傷を容易に防止することができる。また、耐久性が高くかつ安定して変形する弾性体を容易に選択できることから、パークロック装置の耐久性と作動安定性とを容易に実現することもできる。
本発明のパークロック装置は、駆動軸の正転回転運動によりロックプレートが起立し、駆動軸の反転回転運動によりロックプレートが倒伏するように構成したり、駆動軸の反転回転運動によりロックプレートが起立し、駆動軸の正転回転運動によりロックプレートが倒伏するように構成したりすることができる。
また、本発明のパークロック装置は、ロックプレートの起立時に作用する倒伏方向の負荷がシリンダ本体を後退方向に変位させるように構成したり、その倒伏方向の負荷がシリンダ本体を前進方向に変位させるように構成したりすることができる。
本発明のパークロック装置では、弾性体はシリンダ本体の両側方で対をなしていることが好ましい。
すなわち、上記特許文献1開示のパークロック装置も弾性体としてのバネを2本採用している。しかしながら、このパークロック装置では、シリンダ本体の後端にシリンダ本体と直交しつつ水平方向に延びるヒンジ軸を設ける一方、基板上に固定した支持部材に水平方向に貫設された長穴状の挿通穴を形成し、ヒンジ軸を挿通穴に挿通しつつ、ヒンジ軸の両端をバネで付勢することとしている。この場合、両バネは、バネ間のバラツキによって左右で付勢力に差を生じやすいにもかかわらず、上記のように直にシリンダ本体の力を受けていることから、ロックプレートの起立時の負荷を左右でバランスよく吸収することができない。特許文献1に両バネの付勢力の調整についての開示がないことは前述のとおりである。このため、特許文献1開示のパークロック装置は、油圧シリンダが水平方向で振れやすく、作動が不安定になりやすい。
これに対し、本発明のパークロック装置において、弾性体がシリンダ本体の両側方で対をなしている場合には、リンク機構がシリンダ本体の後退方向又は前進方向の変位を軸方向に拘束するため、たとえ両バネが付勢力にある程度の差を有していたとしても、ロックプレートの起立時の負荷を左右でバランスよく吸収することができる。このため、このパークロック装置は、油圧シリンダの水平方向の振れを確実に防止し、確実に安定して作動し、より優れた耐久性を発揮することができる。
本発明のパークロック装置は、リンク機構の上下方向の変位により油圧シリンダの駆動を停止する制御装置を備えていることが好ましい。これにより、ロックプレートの起立時において、ロックプレートが過剰に起立することによる車両の底面及びロックプレートの損傷を確実に防止できる。
以下、本発明を具体化した実施例を図面を参照しつつ説明する。
実施例のパークロック装置では、図1に示すように、L字形状の基板1が駐車場の路面に水平に固定されるようになっており、基板1上には油圧シリンダ4が設けられている。油圧シリンダ4は、基板1上に後述の支持台22等によって上下揺動可能に設けられたシリンダ本体4bと、このシリンダ本体4bから直線状に伸長又は短縮されるロッド4aとを有している。この油圧シリンダ4は、油圧ポンプ及びモータを内蔵した油圧供給装置3に接続されており、この油圧供給装置3のモータを駆動することにより油圧ポンプが作動して油圧が供給されるようになっている。
基板1上には一対のブラケット11(図1では一方のみ図示)によって従動軸7が水平に軸支されている。図4にも示すように、一方のブラケット11側において、従動軸7の周囲には従動軸7と同軸の一対の駆動板5が従動軸7に対して回転摺動可能に設けられている。両駆動板5には従動軸7と平行に丸穴5aが貫設されており、両丸穴5aにはピン5eが軸支され、両駆動板5間においてピン5eに油圧シリンダ4のロッド4aが軸支されている。
また、両駆動板5間では、従動板6が従動軸7に固定されている。従動板6には両側に延びる連結ピン6aが連結されており、この連結ピン6aは両駆動板5に設けられた円弧状の長孔5b内を貫通している。
これらにより、ロッド4aの直線運動により両駆動板5が回転駆動され、両駆動板5の回転が長孔5bと連結ピン6aとを介して従動板6及び従動軸7に伝達されるようになっている。また、両駆動板5を固定して考えると、図7に示すように、従動板6は角度α(38°)だけ回転することができる。この角度αは、連結ピン6aが長孔5bのロッド4a側の一端5cに当接した状態から他端5dに当接した状態に至るまでの角度である。
図1に示すように、両駆動板5を貫通した従動軸7は回転軸12に固定され、回転軸12にはロックプレート13が一体的に固定されている。そのため、従動軸7と回転軸12とは一体回転可能である。ここで、従動軸7及び回転軸12により駆動軸が構成される。また、駆動板5の一方には検知板8が固定され、基板1上には近接スイッチ9が設けられている。この検知板8と近接スイッチ9とにより、ロッド4aの後退端が検知される。
シリンダ本体4bの両側方には、図2及び図3にも示すように、ロックプレート13の起立時に作用する倒伏方向の負荷により、シリンダ本体4bの後退方向の変位を上下方向の変位に変換するリンク機構20と、リンク機構20の上下方向の変位に対抗する付勢力をもつ弾性体としての一対のバネ30とが設けられている。
リンク機構20は、リンク部材21と支持台22とピン23、24とから構成されている。リンク部材21は、図3に示すように、側面から見てL字形をなして略上方に延びる一対の第1アーム21aと、両第1アーム21aと一体に形成され、略水平に延びる第2アーム21bとからなっている。両第1アーム21aの上端側には水平に延びるピン24が軸支されており、シリンダ本体4bの後端は、両第1アーム21a間において、ピン24によって回転可能に支持されている。
また、基板1上にはベース25が固定されており、ベース25には一対の支持台22が立設されている。各支持台22には水平に延びるピン23がそれぞれ軸支されており、両第1アーム21aの下端側は、両支持台22間において、各ピン23によって回転可能に支持されている。ピン24が力点、ピン24が支点となる。
図2に示すように、両支持台22の後方のベース25上にはストッパプレート26が立設されており、ストッパプレート26には一対のボルト27が螺合されている。各ボルト27を調節することにより、シリンダ本体4bの後退方向の変位を規制することができる。また、ストッパプレート26には、リンク部材21の第1アーム21aの近接を検知し、ロックプレート13の起立時に作用する負荷(倒伏方向に向かう力)を検出するための近接スイッチ28が設けられている。なお、第1アーム21aの動作範囲がより大きい位置、つまりロックプレート13の起立時に作用する負荷(倒伏方向に向かう力)をより確実に検出できる他の位置に近接スイッチ28を取り付けてもよい。
また、支持台22の前方のベース25上には上端部分に雄ねじを有する一対の支持ボルト31が垂直に立設されており、両支持ボルト31は第2アーム21bの両端部(シリンダ本体4bの左右)を貫通している。両支持ボルト31には、第2アーム21bより上方に押圧具34、バネ30、リング32、ナット33a及びロックナット33bがこの順で設けられている。ナット33a及びロックナット33bは支持ボルト31の雄ねじに螺合しており、これらのナット33a及びロックナット33bを調節することにより、第2アーム21bの上方向の変位に対抗する各バネ30の付勢力を調整することができるようになっている。
そして、このパークロック装置では、通常の使用時においては、基板1上に図示しないカバーが固定されるようになっており、このカバーによって油圧シリンダ4、駆動板5等が隠蔽されている。
また、このパークロック装置は、図8に示す制御装置40を備えている。この制御装置40には、油圧シリンダ4への作動油の切り替えを行う電磁弁43と、油圧供給装置3のモータ駆動回路44とが接続されている。制御装置40は、前進信号FOR及び後退信号BACを電磁弁43に出力するようになっているとともに、駆動信号MOTをモータ駆動回路44に出力するようになっている。
制御装置40には、車両検知器42より車両検知信号PARも入力されるようになっているとともに、近接スイッチ9よりロッド4aの後退端検知信号END及び近接スイッチ28よりロックプレート13の起立時に作用する負荷(倒伏方向に向かう力)を示す負荷信号OVLも入力されるようになっている。
以上の構成をしたパークロック装置では、車両が駐車場の所定の位置に停車されると、車両検知器42より車両検知信号PARが出力される。制御装置40は、この車両検知信号PARを入力すると、油圧供給装置3のモータ駆動回路44へ駆動信号MOTを出力する。これにより、油圧供給装置3のモータが駆動されて油圧ポンプが作動し、油圧を発生させる。そして、制御装置40は電磁弁43へ前進信号FORを出力する。これにより、図4に示すように、油圧シリンダ4のロッド4aが伸長し、ロッド4aの直線運動が両駆動板5の正転回転運動に変換される。両駆動板5が正転回転駆動されると、長孔5bの一端5cと連結ピン6aとが当接し、駆動板5の正転回転に伴って連結ピン6aも正転回転する。そして、この連結ピン6aに従動板6が連結されているため、従動板6及び従動軸7が矢印Aの方向に正転回転することになる。これに伴って、ロックプレート13が起立する。
そして、ロックプレート13が車両の底面に当接すると、車両の底面によりロックプレート13の起立が妨げられるため、従動軸7の正転回転が停止する。また、ロックプレート13上に足等の人体の一部が存在すると、その障害物によりロックプレート13の起立が妨げられるため、従動軸7の正転回転が停止する。それに対し、油圧シリンダ4は依然としてロッド4aを伸長し続け、両駆動板5は依然として矢印Aの方向に正転回転し続けようとする。そのため、ロッド4aは後退方向の力を受け、シリンダ本体4bも後退方向の力を受ける。
この後退方向の力は、リンク機構20により第2アーム21bの上向き方向の力に変換される。そして、この上向き方向の力により両バネ30が収縮し、ロックプレート13に加わる負荷(倒伏方向に向かう力)が吸収されることとなる。
また、両バネ30の収縮に伴い、シリンダ本体4bが後退する。図5に示すように、シリンダ本体4bが一定の距離以上後退すると、近接スイッチ28から負荷信号OVLが出力される。制御装置40は、この負荷信号OVLを入力すると、電磁弁43への油圧シリンダ4の前進信号FORを停止する。これにより、油圧シリンダ4のロッド4aがその位置で停止し、ロックプレート13は起立した状態でロックされる。このため、このパークロック装置では、ロックプレート13が過剰に起立することによる車両の底面又はロックプレート13の損傷を防止できる。また、ロックプレート13と車両の底面との間に人体の一部がある場合にも、人体の一部の損傷を防止することができる。
障害物が取り除かれると、ロックプレート13への負荷が取り除かれるため、両バネ30により第2アーム21bが下方に押され、シリンダ本体4bが前進する。そのため、近接スイッチ28から負荷信号OVLが出力されなくなる。制御装置40は、負荷信号OVLが入力されなくなると、電磁弁43へ油圧シリンダ4の前進信号FORを再度出力する。これにより、油圧シリンダ4のロッド4aが伸長し、駆動板5が矢印Aの方向に再度正転回転する。そして、ロックプレート13が車両の底面に当接すると、前述した制御手順により、ロックプレート13は起立した状態でロックされる。
なお、車両の底面が高すぎてロックプレート13が当接しない場合、ロックプレート13は地面に対してある程度の角度をなした状態において、その起立が機械的に停止されるようになっている。これにより、従動軸7の正転回転が停止する。この状態においても、前述した制御手順により、ロックプレート13は起立した状態でロックされる。こうして、車両の退出が阻止される。
駐車料金の精算が終了すると、制御装置40は、電磁弁43へ油圧シリンダ4の後退信号BACを出力する。これにより、図6に示すように、油圧シリンダ4のロッド4aが後退し、ロッド4aの直線運動が両駆動板5の反転回転運動に変換される。駆動板5が反転回転駆動されると、長孔5bの他端5dと連結ピン6aとが当接し、駆動板5の反転回転に伴って連結ピン6aも反転回転する。そして、この連結ピン6aに従動板6が連結されているため、従動板6及び従動軸7が矢印Bの方向に反転回転することになる。これに伴って、ロックプレート13が倒伏する。
油圧シリンダ4のロッド4aがさらに後退して後退端に達すると、検知板8が近接スイッチ9に接近し、近接スイッチ9よりロッド4aの後退端検知信号ENDが出力される。この状態においては、図7に示すように、長孔5bの他端5dと連結ピン6aとが当接している。制御装置40は、この後退端検知信号ENDを入力すると、電磁弁43への油圧シリンダ4の後退信号BACを停止するとともに、駆動回路44への駆動信号MOTを停止する。これにより、油圧シリンダ4への油圧の供給が停止し、ロックプレート13はフリーになる。この状態においては、ロックプレート13は基板1に当接しておらず、ロックプレート13と基板1とは角度αをなしている。その後、ロックプレート13は自重により倒伏し、それに伴って従動板6及び従動軸7が矢印Bの方向に回転する。やがて、ロックプレート13が基板1に当接し、車両の退出が可能となる。
なお、ロックプレート13が基板1に対して自重により倒伏できるのは、角度α以内である。そのため、ロックプレート13が基板1に対して角度α以内になった場合、近接スイッチ9よりロッド4aの後退端検知信号ENDが出力されるようになっている。
以上のパークロック装置では、リンク機構20がロックプレート13の起立時に作用する倒伏方向の負荷により、シリンダ本体4bの後退方向の変位を上下方向の変位に変換し、両バネ30がその付勢力によってリンク機構20の上下方向の変位に対抗する。こうして、両バネ30は、リンク機構20を介することにより、弾性変形するとともにその付勢力でシリンダ本体4bの後退方向の力を受けるのである。このため、リンク機構20の第1アーム21aと第2アーム21bとの長さの比率を変更すれば、上下方向の変位を任意の大きさに変更することができ、ロックプレート13への負荷や変位の量に応じた最適なバネ30を自由に選択することができるのである。
また、このパークロック装置では、両バネ30が上下方向に弾性変形するものであることから、ナット33a及びロックナット33bを調節することにより、第2アーム21bの上方向の変位に対抗する各バネ30の付勢力を容易に調整することができる。
さらに、このパークロック装置では、両バネ30がシリンダ本体4bの両側方で対をなし、リンク機構20がシリンダ本体4bの後退方向の変位を軸方向に拘束するため、たとえ両バネ30が付勢力にある程度の差を有していたとしても、ロックプレート13の起立時の負荷を左右でバランスよく吸収することができる。このため、このパークロック装置は、油圧シリンダ4の水平方向の振れを確実に防止し、確実に安定して作動し、より優れた耐久性を発揮することができる。
したがって、本実施例のパークロック装置によれば、ロックプレート13の起立時の負荷を吸収するための最適なバネ30を容易に選択できるとともに、各バネ30の付勢力を容易に微調整することができる。これにより、このパークロック装置では、ロックプレート13の起立時において、車両の底面及びロックプレート13の損傷を防止することができる。また、耐久性が高くかつ安定して変形する両バネ30を容易に選択できることから、パークロック装置の耐久性と作動安定性とを容易に実現することもできる。
また、このパークロック装置は、リンク機構20の上下方向の変位により油圧シリンダ4の駆動を停止する制御装置40を備えているため、ロックプレート13の起立時において、ロックプレート13が過剰に起立することによる車両の底面及びロックプレート13の損傷を確実に防止できる。
さらに、特許文献1開示のパークロック装置においては、バネの付勢力がロックプレートの起立時に作用する負荷(倒伏方向に向かう力)しか吸収できず、ロックプレートの倒伏時においては、油圧シリンダを無条件に駆動している。このため、特許文献1開示のパークロック装置では、ロックプレートの倒伏時にロックプレートに過剰な負荷(起立方向に向かう力)が加わった場合であっても、その負荷を吸収することができない。また、その際に油圧シリンダの駆動を停止することもできない。そのため、特許文献1開示のパークロック装置では、ロックプレートの倒伏時において、ロックプレートと基板との間に例えば石が挟まっている場合には、ロックプレートが損傷する虞がある。また、ロックプレートと基板との間に例えば足等の人体の一部を挟んでしまった場合には、足等が負傷する虞もある。
しかし、本実施例のパークロック装置によれば、ロックプレート13の倒伏時において、基板1とロックプレート13との間に石が存在したり、足等の人体の一部が挟まれていたりした場合であっても、ロックプレート13及び人体の一部等の障害物の損傷を防止することができる。つまり、ロックプレート13の倒伏時において、ロックプレート13と基板1とが角度α以内に達すると、ロックプレート13はフリーになる。そのため、石や人体の一部等の障害物及びロックプレート13には、ロックプレート13の自重に対応する力しか加わらない。
したがって、本実施例のパークロック装置によれば、ロックプレート13の倒伏時において、ロックプレート13及び人体の一部等の障害物の損傷を防止することもできる。
なお、本実施例のパークロック装置では、ロッド4aの後退端及びロックプレート13の起立時に作用する負荷を検出するために近接スイッチ9、28を採用しているが、フォトセンサ、リミットスイッチ等の検知器を採用することもできる。
本発明は、簡易な駐車設備としてのパークロック装置に利用可能である。
実施例のパークロック装置に係り、カバーを外した状態の平面図である。 実施例のパークロック装置に係り、シリンダ本体の後端部分の一部拡大平面図である。 実施例のパークロック装置に係り、シリンダ本体の後端部分の一部拡大側面図である。 実施例のパークロック装置に係り、ロックプレート起立時における図1のIV−IV矢視図である。 実施例のパークロック装置に係り、ロックプレートに負荷がかかった場合のシリンダ本体の後端部分の一部拡大平面図である。 実施例のパークロック装置に係り、ロックプレート倒伏時における図1のIV−IV矢視図である。 実施例のパークロック装置に係り、シリンダのロッドが後退した後の図1のIV−IV矢視図である。 実施例のパークロック装置の電気的構成を示すブロック図である。
符号の説明
1…基板
4…油圧シリンダ
4a…ロッド
4b…シリンダ本体
5…駆動軸(駆動板)
13…ロックプレート
20…リンク機構
30…弾性体(バネ)
40…制御装置

Claims (3)

  1. 基板と、該基板上にシリンダ本体が設けられ、該シリンダ本体からロッドを直線運動可能な油圧シリンダと、該ロッドの直線運動により回転駆動される駆動軸と、該駆動軸の回転運動により起立又は倒伏されるロックプレートとを備えたパークロック装置において、
    前記シリンダ本体と前記基板との間には、前記ロックプレートの起立時に作用する倒伏方向の負荷により該シリンダ本体の後退方向又は前進方向の変位を上下方向の変位に変換するリンク機構と、該リンク機構の上下方向の変位に対抗する付勢力をもつ弾性体とが設けられていることを特徴とするパークロック装置。
  2. 前記弾性体は前記シリンダ本体の両側方で対をなしていることを特徴とする請求項1記載のパークロック装置。
  3. 前記リンク機構の上下方向の変位により前記油圧シリンダの駆動を停止する制御装置を備えていることを特徴とする請求項1又は2記載のパークロック装置。
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