JP2005247677A - カーボンナノチューブの製造方法 - Google Patents

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勇一 金
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Abstract

【課題】低コストでカーボンナノチューブを製造する。
【解決手段】水、若しくは水とエタノール、過酸化水素水等を混合した混合液体中で、正負電極間のアーク放電を行う。その後、負極のカーボンロッド表面に付着した堆積物をエタノール中に拡散させ不純物を除去し、カーボンナノチューブを分離する。外径が1nm〜10μm、長さが20μm前後のカーボンナノチューブが高密度に得られる。
【選択図】図1

Description

本発明は、カーボンナノチューブの製造方法に関し、低コストかつ高純度で合成されたカーボンナノチューブの製造方法に関する。
カーボンナノチューブは1991年に当時NECの飯島澄男氏(現名城大学教授)がフラーレンの研究中に発見した日本独自の物質である。カーボンナノチューブは、炭素原子が六角網状に配列したグラッフェンシートが筒状に巻いたチューブ状の物質であり、その直径は数ナノメートルオーダーである。最初に発見されたそれは、グラッフェンシートが同心円状に何重にも重なったもので多層カーボンナノチューブと呼ばれるようになった。それに対して1枚のグラッフェンシート状のものを単層カーボンナノチューブと呼び、1993年に発見された。
近年、ナノテクノロジーの研究分野において、上記カーボンナノチューブは、炭素の配列によって金属や半導体となる電気的特性、優れた機械的強度、極めて高い熱伝導率などからナノテクノロジーのキー素材として広範囲に利用されている。また、その特異な性質から燃料電池に用いられる水素の貯蔵材料として期待されている。しかし、カーボンナノチューブの製造は様々な方法があるにもかかわらず、製造コストが高く、製造効率がよくないなどの理由から大量生産に至ってない。環境問題の打開案として、低コストで効率のよいカーボンナノチューブの製造方法の確立が求められている。
現在、カーボンナノチューブの代表的な製造方法としてアーク放電を利用する方法、レーザを照射する方法、高温気体中で合成する方法など様々である。いずれの方法も高真空の不活性気体中、若しくは高温の気体中において炭素に高エネルギーを印加することにより、カーボンナノチューブを製造する方法である。特に、アーク放電を利用したカーボンナノチューブの製造法は歴史が古く、大気圧の1万分の1程度の高真空中で、HeやArなどの不活性気体を充填し、炭素電極間に100A前後の大電流を流し、アーク放電を行う。そして、負極のカーボンロッド表面に成長した堆積物を採取し、電気炉での高温処理、超音波等を用いて不純物を除去しカーボンナノチューブのみを分離する。近年、アーク放電時に発生する気体不純物を抑えるため、高真空中の置換ガスとして水素を用いる方法が主流である。図9に従来の製造装置の構成図を示す。
従来の製造方法は、図9に示すような密閉された容器8に正極2、負極3ともに炭素からなる電極を対面して配置する。また、正極2は前後に可動する移動機構により、図9の紙面を左右に移動させることができる。真空装置9により密閉容器内を大気圧の1万分の1前後にし、水素ボンベ10から水素ガス6を密閉容器内に満たす。電源7より正極2及び負極3に100A前後の大電流を流し正極の位置を前後に調整しアーク放電を開始する。以上の方法により放電を継続すると、正極2先端の放電部分の炭素が蒸発し気化する。この蒸発した炭素がHe等の不活性気体により急激に冷却され、再結晶化し負極側カーボンロッド表面に堆積物を形成し、この堆積物中にカーボンナノチューブが含まれる。図12に放電後の負極堆積物の断面模式図を示す。そして、この負極堆積物を高温の電気炉や遠心分離器等を用いて精製し、カーボンナノチューブを分離する。
しかし、上記製造方法ではいずれの製造方法においても、反応場に高真空や高温気体などの気体を用いるため装置のコストが高いうえ得られるカーボンナノチューブは少量である。また、密閉された容器内で放電反応を行うため操作の自由度が制限されるという欠点がある。
近年、アーク放電を利用した製造方法においては、水素ガスを置換気体として用いるケースが増加している。これは、水素ガスを用いることにより放電時発生する不純物が抑えられるためである。
しかし、密閉された容器中の水素気体は、爆発の危険性があり、取り扱いには細心の注意と徹底した安全管理が必須である。また、アーク放電以外の方法である高温気体中での製造方法においても、密閉容器内で数千度もの高温気体を用いるため同様の配慮が必要である。
よって、従来の方法ではカーボンナノチューブの製造コストが高く、大量生産が難しいという問題がある。
本発明は、このような従来技術における問題点の解決を目指すものである。安全かつ操作性の高い方法で複雑な製造工程を減らすことにより、効率良く、低コストで作製されるカーボンナノチューブの製造方法を提供することを目的とする。
上記目的を達成するため、本カーボンナノチューブの製造方法は水、若しくは水とエタノール等を混合した液体を用いることにより、液体中での放電現象を利用することを特徴としている。
本製造方法によれば、従来の製造方法での高真空や高温気体などの気体環境を必要としない。液体中で直接的に電極を操作するため、放電操作の自由度が高いことが特徴である。
従来の製造方法に必要となる真空装置や、密閉容器中で作業するための可動装置、水素等の置換気体を注入する制御装置、安全性を確保するための環境整備など、高コストとなる要因がないため低コストでカーボンナノチューブを製造できることが特徴である。
本発明は水を用いた液体放電を行うため、水の電気分解により水素を得ることができる特徴がある。よって、水素気体を外部から注入することなく効率的かつ安全にカーボンナノチューブの製造が可能である。
放電時に発生するカーボンナノチューブ以外の不純物は液体中に拡散されるため、従来の方法により発生する不純物気体を除去する複雑な精製手段を必要としない特徴がある。
本発明によれば、混合液体の種類によって形状の異なるカーボンナノチューブを低コストで短時間に製造することが可能である。本発明の方法により材料、化学、工業、触媒など広い分野での応用が期待できる。
本発明に係るカーボンナノチューブの製造装置を図1により説明する。図1は本カーボンナノチューブ製造装置の構成図である。
容器1に液体4を満たす。液体4としては、水、若しくは水とエタノール、過酸化水素水、塩化ナトリウム等を混合した液体を挙げることができる。また上記液体4は任意の混合比で混合されるが、水に対し数重量%〜10重量%で混合することが好ましい。
このようにして混合した液体4を、放電を観察することのできる容器1に満たす。直流電源5に接続した正極2、負極3の2つのカーボンロッドを液体中に沈める。そして、負極カーボンロッド3の任意の位置に、正極カーボンロッド2を数ミリの距離で接近させ放電を開始する。
数秒間の放電で、負極側のカーボンロッドから黒色の柱状物質が成長する。この成長した柱状物質中にカーボンナノチューブが形成される。この放電を負極の任意の位置において繰り返すことにより、目的のカーボンナノチューブの量を制御することができる。
最終的に負極カーボンロッド全体に堆積物を成長させる。図2に本製造方法により作製した負極堆積物の断面模式図を示す。
正負電極に用いるカーボンは高純度の炭素からなり高価である。従来の方法により作製した負極堆積物の断面模式図を図10に示す。従来の方法では、正負電極は前後の可動機構により放電を行うため、カーボンナノチューブは負極側カーボンロッド先端部分のみに成長し堆積する。
本製造法によると、図2に示すような負極カーボンロッドの表面全体にカーボンナノチューブを堆積させることが可能である。これは、従来方法である密閉した空間を用いないため、操作の自由度が高く、手動で炭素電極の放電位置を変化させることができるためである。
上記放電後、負極カーボンロッドに成長した堆積物を採取し、以下の方法によりカーボンナノチューブを精製する。
負極堆積物を乳鉢で細かくすりつぶし、エタノール中に拡散する。そして、マイクロ波を数分間照射し、最終的に黒い粉状の物質を得る。これが精製されたカーボンナノチューブである。
以上の方法によりカーボンナノチューブを製造した。特に、従来の方法に比べ製造手順が高効率、低コストであり、真空環境を用いないため操作の自由度が高く、短時間でカーボンナノチューブを製造することができる。
また、従来の製造コストの100分の1以下と、低コストであるためカーボンナノチューブの大量生産を目的とする技術に応用可能である。
以下、本発明の実施例を図面に基づいて説明する。図1は本実施例に係わるカーボンナノチューブを製造する装置の構成図である。図1に示すように容器1は常温の液体4で満たされており、カーボンロッドを電極とした正負2つの電極を液体中の任意の位置に配置する。
本実施例では液体4に水を用いる。
負極3、正極2のカーボンロッドは外径が5mmφ、長さ50mm、純度が炭素99.5%のカーボンロッドを用いた。
液体4に負極、正極2つのカーボンロッドを沈めた後、直流電源5から約10Aの電流をカーボンロッド間に印加する。負極3の任意の位置に正極2を接近させアーク放電を開始する。
正負電極間に閃光と共にアーク放電が生じ、これに伴って柱状の物質が負極表面に成長していく。同時に、気泡状の水素が負極より発生する。図2に負極カーボンロッドに成長した柱状の堆積物の断面模式図を示す。
数分間の放電後、負極カーボンロッドを取り出す。負極表面に成長した柱状の堆積物をピンセットにより採取し、これを乳鉢で細かくすりつぶし、粉状の物質を得る。
粉状の物質を別途容器に移し、エタノールを5mml注入する。容器を数回振りエタノール中に拡散した後、マイクロ波を約1分間照射する。
エタノールが蒸発した後、容器に沈殿した黒い粉末が得られる。この粉末が目的とするカーボンナノチューブである。
図3、図4は、本実施例で用いた液体中の放電により製造した、カーボンナノチューブの透過電子顕微鏡写真である。
図3、図4に示すように、柱状に伸びたチューブが密集して得られる。チューブの長さは放電間の距離と放電時間により制御されると考えられる。
本実施例では、水とエタノールを10:1の重量比で混合した液体を用いる。他の製造条件は実施例1と同じである。
図5、図6は本実施例で用いた液体中の放電により製造した、カーボンナノチューブの透過電子顕微鏡写真である。
図5、図6に示すように、本例によれば細く短い形状のカーボンナノチューブが高密度に得られる。
本実施例では、水と過酸化水素水を10:1の混合比で混合した液体を用いる。他の製造条件は実施例1と同じである。
図7、図8は本実施例で用いた液体中の放電により製造した、カーボンナノチューブの透過顕微鏡写真である。
図7、図8から明らかなように細く長い形状のカーボンナノチューブが高密度に得られる。
本発明によれば、混合液体の種類によって形状の異なるカーボンナノチューブを低コストで短時間に製造することができる。本発明の方法により材料、化学、工業、触媒など広い分野での応用が期待できる。また、従来の製造コストの100分の1以下と低コストであるため、カーボンナノチューブの大量生産を目的とする技術に応用可能である。また、放電中に堆積物の成長する様子が観測可能であるため、カーボンナノチューブの生成原理の解明手段として化学的研究の活発化が期待できる。
カーボンナノチューブの製造装置の構成図である。 アーク放電後の正負電極を示す断面図である。 水中での放電により製造したカーボンナノチューブの透過型電子顕微鏡写真である。 水中での放電により製造したカーボンナノチューブの透過型電子顕微鏡写真である。 水とエタノールの混合液体中での放電により製造したカーボンナノチューブの透過型電子顕微鏡写真である。 水とエタノールの混合液体中での放電により製造した製造したカーボンナノチューブの透過型電子顕微鏡写真である。 水と過酸化水素水の混合液体中での放電により製造したカーボンナノチューブの透過型電子顕微鏡写真である。 水と過酸化水素水の混合液体中での放電により製造したカーボンナノチューブの透過型電子顕微鏡写真である。 従来方法における装置の構成図である。 従来方法におけるアーク放電後の正負電極を示す断面図である。
符号の説明
1…容器
2…正極
3…負極
4…液体
5…直流電源
6…不活性気体
7…電源
8…密閉容器
9…真空装置
10…外部気体供給装置
11…正極削除部
12…負極堆積物

Claims (6)

  1. 水、若しくは水とエタノール、過酸化水素水等の液体を混合した液体を容器に満たし、正極と負極にカーボンロッドを用いて液体中での電極間アーク放電を行う。前記正極から負極へと成長し、付着した堆積物を採取、精製し得られるカーボンナノチューブの製造方法。
  2. 前記液体として水、若しくは水とエタノール、過酸化水素水等の混合液体を用いる1に記載のカーボンナノチューブの製造方法。
  3. 前記正負電極として、高純度グラファイトを用いる1に記載のカーボンナノチューブの製造方法。
  4. 前記精製方法として、エタノール及びマイクロ波を用いる1に記載のカーボンナノチューブの製造方法。
  5. 前記液体を満たす容器として密閉されない容器を用いる1に記載のカーボンナノチューブの製造方法
  6. 前記製造過程において、水の電気分解により水素が得られる1に記載のカーボンナノチューブの製造方法
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* Cited by examiner, † Cited by third party
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CN100369810C (zh) * 2006-05-29 2008-02-20 西安交通大学 磁场控制液体电弧制备碳纳米材料的方法
US7816619B2 (en) * 2007-03-21 2010-10-19 Nebojsa Jaksic Methods and apparatus for manufacturing carbon nanotubes

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