JP2005247136A - 空気入りタイヤ及び空気入りタイヤの製造方法 - Google Patents

空気入りタイヤ及び空気入りタイヤの製造方法 Download PDF

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Abstract

【課題】 軽量化、高速耐久性、踏面エンベロープ性、乗り心地性及び、泥濘地走行時のフローティング性の同時並立が可能な空気入りタイヤを得る。
【解決手段】 クラウン部におけるテキスタイルラジアルカーカスとトレッド層との間の部分に、補強繊維18Aが多数の束ねられて形成された繊維補強ゴム層18が配置される。繊維補強ゴム層18を構成する補強繊維18Aは、撚りコード若しくはフィラメントよりなっていて、延びる方向が実質的にタイヤ周方向に沿っている。繊維補強ゴム層18を構成する各補強繊維18Aに、タイヤ周方向に沿って複数の分断部分である分断部20が形成される。但し、補強繊維18Aの非分断部分が、タイヤ周上の如何なる部位においても、その部位における繊維補強ゴム層18内に配列される補強繊維18Aの総数の30%以上存在する形となる。
【選択図】 図2

Description

本発明は、軽量化、高速耐久性、踏面エンベロープ性、乗り心地性及び、泥濘地走行時のフローティング性の同時並立が可能な空気入りタイヤ及びこのような空気入りタイヤを製造する為の空気入りタイヤの製造方法に関し、特に全地形用車両(ATV)用の空気入りラジアルタイヤに好適なものである。
従来の全地形用車両(ATV)用の空気入りタイヤとしては、コードの向きを交差させた形で配置された2層のカーカスを有する構造のバイアスタイヤしか存在しなかった。しかし、このようなバイアスタイヤは、コードの向きを交差させた2層のカーカスにより構成される為、同サイズのラジアルタイヤに比べ、一般的に重たいという欠点を有していた。さらに、近年人気が出始めてきている大排気量の全地形用車両(ATV)にバイアスタイヤを用いた場合、2層のカーカスのみによって骨格部分が形成される為に強度が低く、耐熱耐久性等がバイアスタイヤでは不十分であった。
特開昭63−106104号公報 特開昭63−263103号公報 特開平2−158404号公報
従って、ラジアルタイヤであれば、カーカスを1層のみとすると共にこのカーカスの外周側にタイヤ周方向に延びる補強ベルト層を1層のみ配置する構造でも、タイヤの設計が可能となる為、バイアスタイヤに比して軽量化を図ることが可能となる。さらに、このラジアルタイヤによれば、カーカスの外周側に補強ベルト層を採用するのに伴いトレッドの強度が高まって、大排気量車の強力なトラクションにも耐えられ、高速耐久性に優れていることになる。
但し、単にラジアルタイヤを採用しただけでは、全地形用車両として重視される踏面エンベロープ性、乗り心地性及び、泥濘地走行時のフローティング性等の諸特性を十分に満足させることが困難であった。
本発明は上記事実を考慮し、軽量化、高速耐久性、踏面エンベロープ性、乗り心地性及び、泥濘地走行時のフローティング性の同時並立が可能な空気入りタイヤ及び、このような空気入りタイヤを得る為の空気入りタイヤの製造方法を提供することが目的である。
請求項1に係る空気入りタイヤは、ラジアルカーカスとトレッド層との間に1層の繊維補強ゴム層が配置され、
この繊維補強ゴム層を構成する補強繊維が、撚りコード若しくはフィラメントよりなり且つ、タイヤ周方向に沿って分断部分を複数有した構造とされ、
この補強繊維の非分断部分の数が、タイヤ周上の如何なる部位においても、その部位における該繊維補強ゴム層内に配列される補強繊維の総数の30%以上存在することを特徴とする。
請求項1に係る空気入りタイヤの作用を以下に説明する。
本請求項によれば、ラジアルカーカスとトレッド層との間に、1層の繊維補強ゴム層が配置されており、この繊維補強ゴム層を構成する補強繊維は、タイヤ周方向に沿って延びる撚りコード若しくはフィラメントにより形成されている。さらに、この補強繊維の非分断部分の数が、タイヤ周上の如何なる部位においても、その部位における該繊維補強ゴム層内に配列される補強繊維の総数の30%以上となるように、タイヤ周方向に沿って複数の分断部分をこの補強繊維が有している。
従って、本請求項では、例えば1枚のラジアルカーカス及び補強の為の1層の繊維補強ゴム層を有した構造とされることから、バイアスタイヤに比較して軽量化及び高速耐久性が図れた空気入りラジアルタイヤとなる。
また、繊維補強ゴム層を構成する補強繊維は、撚りコード若しくはフィラメントよりなるものの、分断部分をタイヤ周方向に沿って複数有する構造になっている。この為、これら複数の分断部分の間隔を、繊維補強ゴム層の強度が低下しない程度に長くし且つ、製造過程の加硫時におけるシェーピングを可能としつつタイヤ踏面部の強度の高低差が大きくならない程度に短くすることで、踏面エンベロープ性、乗り心地性及び、泥濘地走行時のフローティング性が向上した。
尚この際、補強繊維の非分断部分の数をその部位における該繊維補強ゴム層内に配列される補強繊維の総数の30%以上としたのは、30%未満では強度が低下して繊維補強ゴム層の役目を果たさないと考えられる為である。
以上より、本請求項の空気入りタイヤによれば、軽量化、高速耐久性、踏面エンベロープ性、乗り心地性及び、泥濘地走行時のフローティング性の同時並立が可能な全地形用車両用の空気入りラジアルタイヤが得られるようになる。
請求項2に係る空気入りタイヤの作用を以下に説明する。
本請求項では請求項1と同様の構成を有して同様に作用するが、さらに、前記繊維補強ゴム層の幅方向に沿った前記補強繊維の非分断部分の数と分断部分の数とが相互に同一とされるという構成を有している。つまり、補強繊維の非分断部分の数と分断部分の数とを相互に同一とすることにより、繊維補強ゴム層の強度が必要以上に低下しないだけでなく、タイヤ踏面部の強度の高低差が必要以上に大きくならず、請求項1の作用効果をより確実に奏することができるようになった。
請求項3に係る空気入りタイヤの作用を以下に説明する。
本請求項では請求項1及び請求項2と同様の構成を有して同様に作用するが、さらに、前記補強繊維の分断部分を有した箇所において、前記繊維補強ゴム層の幅方向に沿って前記補強繊維の一本おきに分断部分が配置されるという構成を有している。つまり、補強繊維の非分断部分と分断部分とが一本おきに配列されたことにより、請求項2と同様に、繊維補強ゴム層の強度が必要以上に低下しないだけでなく、タイヤ踏面部の強度の高低差が必要以上に大きくならず、請求項1の作用効果をより確実に奏することができるようになった。
請求項4に係る空気入りタイヤの作用を以下に説明する。
本請求項では請求項1から請求項3と同様の構成を有して同様に作用するが、さらに、前記繊維補強ゴム層の幅方向に沿って隣接する前記補強繊維の分断部分同士が、タイヤ周方向に位相差を有して位置するという構成を有している。つまり、タイヤ幅方向で隣接する補強繊維の分断部分同士が、タイヤ周方向に沿って所定の大きさの位相差を有していることから、繊維補強ゴム層としての強度を全体にわたって均一に維持可能となり、これに伴い、請求項1の作用効果をより確実に奏することができるようになった。
請求項5に係る空気入りタイヤの作用を以下に説明する。
本請求項では請求項1から請求項4と同様の構成を有して同様に作用するが、さらに、トレッドパターンが、ネガティブ率30〜95%のブロックパターンとされるという構成を有している。つまり、上記のネガティブ率を有するような全地形用車両用のタイヤでは、踏面のブロック間の間隔が広くなるのに伴い、この空気入りタイヤの内圧インフレート時に補強繊維の分断部分が広がり易くなる。この為、耐久性の観点から一箇所に極端に分断部分を集中させる事は好ましくないので、上記請求項1〜4のように分断部分を配置した。
請求項6に係る空気入りタイヤの製造方法は、成型前の段階において、分断部分が隙間のない実質的にタイヤ周方向に沿って疑似連続状に補強繊維を形成し、
この後、この補強繊維を含む繊維補強ゴム層、ラジアルカーカス及びトレッド層を一体的に加硫用の金型内に入れて、加硫成型することを特徴とする。
請求項6に係る空気入りタイヤの製造方法の作用を以下に説明する。
本請求項によれば、分断部分が隙間のない実質的にタイヤ周方向に沿って疑似連続状に、成型前の段階において補強繊維を形成した後、加硫用の金型内にこの補強繊維を含む繊維補強ゴム層、ラジアルカーカス及びトレッド層を一体的に入れて、加硫成型した。
つまり、成型時におけるカーカスケースの卜ロイダル変形の際の拡径や、加硫時のシェーピング拡径等による周方向ペリフエリー変化に補強繊維の分断部分を追随可能とさせる為に、成型前の段階において、隙間のない実質的にタイヤ周方向に沿って疑似連続状に、この補強繊維を形成しておくことにした。
以上説明したように本発明の上記構成によれば、軽量化、高速耐久性、踏面エンベロープ性、乗り心地性及び、泥濘地走行時のフローティング性の同時並立が可能な空気入りタイヤ及び、このような空気入りタイヤを得る為の空気入りタイヤの製造方法を提供できるという優れた効果を有し、特に全地形用車両用の空気入りラジアルタイヤに関して優れた効果を発揮する。
本発明の一実施の形態に係る空気入りタイヤとして、全地形用車両用の空気入りラジアルタイヤを図1から図4に示し、これらの図に基づき本実施の形態を説明する。図1は、本実施の形態に係る空気入りラジアルタイヤ(以下、空気入りタイヤと略す)10を示しており、この空気入りタイヤ10の外周側を円弧状であるクラウン形状に形成されたクラウン部12が構成している。
本実施の形態では、図1に示すように空気入りタイヤ10の骨格を構成する1層のテキスタイルラジアルカーカス14の両側部分がこのクラウン部12を貫通しつつ、クラウン部12内にこのテキスタイルラジアルカーカス14が埋設されている。つまり、このテキスタイルラジアルカーカス14は、空気入りタイヤ10の赤道面CLに対して直交方向にナイロンコードを配列した形に形成されている。
そして、このクラウン部12には、ゴム材により形成されて路面と接する外皮であるトレッド層16が配置されており、クラウン部12におけるテキスタイルラジアルカーカス14とトレッド層16との間の部分には、ナイロン製のベルトプライコードとされる補強繊維18Aが多数の束ねられて形成された補強ベルト層である繊維補強ゴム層18が、補強の為に配置されている。
この繊維補強ゴム層18を構成する補強繊維18Aは、撚りコード若しくはフィラメントよりなっており、また、この補強繊維18Aは図示しないゴム材で覆われて補強繊維18Aの強化が図られている。さらに、この補強繊維18Aは螺旋状に巻かれる構造とされて、補強繊維18Aの延びる方向が、実質的にタイヤ周方向(図2における赤道面CLに沿った方向)に沿っている。
他方、図2に示すようにこの繊維補強ゴム層18を構成する各補強繊維18Aには、タイヤ周方向に沿って複数の分断部分である分断部20が形成されている。但し、補強繊維18Aの非分断部分が、タイヤ周上の如何なる部位においても、その部位における繊維補強ゴム層18内に配列される補強繊維18Aの総数の30%以上存在する形となっている。
つまり、図2に示す補強繊維18Aの分断部20を有した箇所である線分Pの部分において、繊維補強ゴム層18の幅方向(図2における赤道面CLと直交する方向)に沿って二本の補強繊維18Aおきに分断部20が配置されていて、この線分Pの部分における繊維補強ゴム層18の幅方向に沿った補強繊維18Aの非分断部分の数と分断部20の数とが相互に同一とされている。また、図2に示すように、繊維補強ゴム層18の幅方向に沿って隣接する補強繊維18Aの分断部20同士が、タイヤ周方向(図2における赤道面CLに沿った方向)に位相差であるオフセット量Fを有して位置した構造ともなっている。
具体的には、補強繊維18Aの分断部20間の間隔Eは15〜150mmが望ましく、分断幅Dは、補強繊維18Aの1本又は1mm以上であって、補強繊維18Aの10本又は15mm以下が望ましく、位相差となるオフセット量Fは例えば25mmとすることが考えられる。
一方、図1に示すこの空気入りタイヤ10の両端の下部には、それぞれリング状にスチールワイヤーが巻かれて束ねられた一対のビードコア22が配置されている。これら一対のビードコア22にそれぞれテキスタイルラジアルカーカス14の両端寄り部分が巻き付けられるように折り返されており、このビードコア22の上部のテキスタイルラジアルカーカス14間の隙間には、硬質ゴム製で先細り形状に形成されたビードフィラー24がそれぞれ埋設されている。
さらに、トレッド層16の表面における陸部と溝部との間の比率であるネガティブ率を30〜95%の範囲としたブロックパターンのトレッドパターンとすることが考えられるが、本実施の形態に係る空気入りタイヤ10では、車両の前輪用のものを例えば図3に示すようなブロックとされる陸部16A及び溝部16Bを有した構造とし、同じく後輪用のものを例えば図4に示すようなブロックとされる陸部16A及び溝部16Bを有した構造とした。そして、この際の前後輪用の空気入りタイヤ10の内圧をそれぞれ15〜45kPaの範囲とすることが考えられる。
他方、本実施の形態に係る空気入りタイヤ10の製造方法を以下に説明する。まず繊維補強ゴム層18、テキスタイルラジアルカーカス14及びトレッド層16等をそれぞれ形成するが、この際、繊維補強ゴム層18を構成する補強繊維18Aをナイフ等で部分的にカットして、分断部20をこの補強繊維18Aに複数形成する。但し、これら分断部20に隙間のない実質的に疑似連続状に、この補強繊維18Aを形成しておくことにする。
この後、この繊維補強ゴム層18の他、テキスタイルラジアルカーカス14及びトレッド層16等を一体として、所定の形状の生タイヤを作製し、加硫用の金型内にこれらを一体的に入れて加硫成型し、空気入りタイヤ10を完成する。
つまり、この加硫成型時におけるカーカスケースの卜ロイダル変形の際の拡径や、加硫時のシェーピング拡径等による周方向ペリフエリー変化に補強繊維18Aの分断部20を追随可能とさせる為に、成型前の段階において、補強繊維18Aの分断部20に隙間のない実質的にタイヤ周方向に沿って疑似連続状に、この補強繊維18Aを形成しておくことにした。
次に、本実施の形態に係る空気入りタイヤ10の作用を以下に説明する。
本実施の形態に係る空気入りタイヤ10によれば、テキスタイルラジアルカーカス14とトレッド層16との間に、1層の繊維補強ゴム層18が配置されている。この繊維補強ゴム層18を構成する補強繊維18Aは、タイヤ周方向に沿って延びる撚りコード若しくはフィラメントにより形成されている。
さらに、この補強繊維18Aの非分断部分の数が、タイヤ周上の如何なる部位においても、その部位における繊維補強ゴム層18内に配列される補強繊維18Aの総数の30%以上となるように、タイヤ周方向に沿って複数の分断部20をこの補強繊維18Aが有した構造となっている。
従って、本実施の形態によれば、例えば1枚のテキスタイルラジアルカーカス14及び補強の為の1層の繊維補強ゴム層18を有した構造とされることから、バイアスタイヤに比較して軽量化及び高速耐久性が図れるようなラジアル構造の空気入りタイヤ10となる。
また、繊維補強ゴム層18を構成する補強繊維18Aは、タイヤ周方向に沿って分断部20を複数有する構造になっているが、これら複数の分断部20間の間隔Eを、繊維補強ゴム層18の強度が低下しない程度に長くし且つ、製造過程の加硫時におけるシェーピングを可能としつつタイヤ踏面部の強度の高低差が大きくならない程度に短くすることで、踏面エンベロープ性、乗り心地性及び、泥濘地走行時のフローティング性が向上した。
以上より、本実施の形態によれば、軽量化、高速耐久性、踏面エンベロープ性、乗り心地性及び、泥濘地走行時のフローティング性の同時並立が可能な全地形用車両用の空気入りタイヤ10が得られるようになった。
一方、本実施の形態では、補強繊維18Aの分断部20を有した箇所である図2における線分Pの部分において、繊維補強ゴム層18の幅方向に沿って二本の補強繊維18Aおきに分断部20が配置されていて、繊維補強ゴム層18の幅方向に沿った補強繊維18Aの非分断部分の数と分断部20の数とが相互に同一とされている。
つまり、補強繊維18Aの非分断部分と分断部20とが二本の補強繊維18Aおきに配置されたことに伴い、補強繊維18Aの非分断部分の数と分断部20の数とが相互に同一となることで、繊維補強ゴム層18の強度が必要以上に低下しないだけでなく、タイヤ踏面部となるトレッド層16の表面の強度の高低差が必要以上に大きくならないようになった。
また、本実施の形態では、同一箇所に分断部20が存在しない補強繊維18A同士であって、繊維補強ゴム層18の幅方向に沿って隣接する補強繊維18A間では、タイヤ周方向に位相差であるオフセット量Fを有した形で分断部20同士が位置している。つまり、繊維補強ゴム層18の幅方向で隣接する補強繊維18A間の分断部20同士が、タイヤ周方向に沿って所定の大きさのオフセット量Fを有していることから、繊維補強ゴム層18としての強度を全体にわたって均一に維持可能となった。
さらに、本実施の形態では、トレッドパターンがネガティブ率30〜95%のブロックパターンとされている。つまり、上記のネガティブ率を有するような全地形用車両用の空気入りタイヤでは、図3及び図4に示す陸部16A間の間隔が広くなるのに伴い、本実施の形態の空気入りタイヤ10の内圧インフレート時に補強繊維18Aの分断部20が広がり易くなる。この為、耐久性の観点から一箇所に極端に分断部20を集中させる事は好ましくないので、上記実施の形態のような形で分断部20を配置した。
他方、本実施の形態の空気入りタイヤ10において、テキスタイルラジアルカーカス14を構成するカーカスプライコード及び、補強繊維18Aを構成するベルトプライコードの太さは、それぞれ940dtex/2以上とした。また、これらプライコードの打込み本数を、空気入りタイヤ10の成型前の材料状態で28〜70本/50mmの範囲とすることにより、ケース強度と軽量化のバランスの取れた効率的なカーカス構造の設計が可能となった。
そして、本実施の形態において、分断部20の分断幅Dは、補強繊維18Aの1本又は1mm以上であって、補強繊維18Aの10本又は15mm以下が望ましとしただけでなく、繊維補強ゴム層18を構成する補強繊維18Aの分断部20間の間隔Eは15〜150mmが望ましいとしたのは、分断部20間の間隔Eがあまりに短すぎると繊維補強ゴム層18の強度が落ち、あまりに長すぎると製造過程の加硫時のシェーピングが困難になり且つタイヤ踏面部の強度の高低差が大きく不均一なものとなってしまうからである。
次に、本発明の有効性を検証する為、それぞれ空気入りタイヤである実施例及び従来例について試験した結果を表1及び表2に基づき、以下に説明する。
先ず試験に用いた試料について説明する。上記の図1から図4に示す実施の形態に係る空気入りタイヤ10の内の表1に表す構造のものを実施例として用い、これに伴い図3に示す構造のタイヤを車両の前輪用とし、図4に示す構造のタイヤを後輪用とした。これに対して、ナイロンのカーカスを2枚有したバイアスタイヤである空気入りタイヤを従来例とし、表1に表す構造のものを前輪用及び後輪用とした。
尚、表1に表す実施例において、テキスタイルラジアルカーカス14であるカーカス及び、繊維補強ゴム層18である補強ベルト層における補強繊維18Aの向きは、図2における赤道面CLに対する角度で表示した。さらに、実施例における補強繊維の分断方法としては、2本おきで間隔Eを50mmとし、前輪のオフセット量Fを25mmとすると共に後輪の互い違い量を25mmとした。
Figure 2005247136
そして、450ccの全地形用車両にこれら実施例及び従来例の空気入りタイヤを装着して試験を実施したが、この際のこれら実施例及び従来例のタイヤサイズは前輪をそれぞれ25×8R12とし、後輪をそれぞれ25×l0R12とした。また、これらのタイヤのリムサイズは前輪をそれぞれAT6.00×12とし、後輪をそれぞれAT7.50×12とした。尚、これら実施例及び従来例の空気入りタイヤの内圧は全て25kPaとした。
一方、試験の際の評価項目としては、以下の表2に表すトラクション性、高速安定性及びサイドスライド性が挙げられる。尚、これら評価項目において、相対評価した結果を10点満点の評価点で示していて、この評価点が高い程、各評価項目が優れていることを表している。
Figure 2005247136
この表2の結果より、トラクション性、高速安定性及びサイドスライド性の何れの評価項目においても実施例の点数が従来例よりも高く、実施例が従来例より何れの評価項目においても優れていることが、理解できる。
尚、分断部20と非分断部分は一本おきの補強繊維18Aに配置されるのが理想であるが、一本おきとする作業が困難な場合には、連なった補強繊維18Aであるコード10本までであれば使用上において差し支えない。また、上記の本実施の形態に係る空気入りタイヤは、主として全地形用車両に使用されるものであるが、他の乗用車等の車両のタイヤに適用することにしても良い。
本発明の一実施の形態に係る空気入りタイヤを示す断面図である。 本発明の一実施の形態に係る空気入りタイヤに適用される繊維補強ゴム層を展開して表す拡大平面図である。 本発明の一実施の形態に係る空気入りタイヤの内の前輪用とされるタイヤのトレッドパターンを示す図である。 本発明の一実施の形態に係る空気入りタイヤの内の後輪用とされるタイヤのトレッドパターンを示す図である。
符号の説明
10 空気入りタイヤ
14 テキスタイルラジアルカーカス
16 トレッド層
18 繊維補強ゴム層(補強ベルト層)
18A 補強繊維
20 分断部(分断部分)
CL 赤道面

Claims (6)

  1. ラジアルカーカスとトレッド層との間に1層の繊維補強ゴム層が配置され、
    この繊維補強ゴム層を構成する補強繊維が、撚りコード若しくはフィラメントよりなり且つ、タイヤ周方向に沿って分断部分を複数有した構造とされ、
    この補強繊維の非分断部分の数が、タイヤ周上の如何なる部位においても、その部位における該繊維補強ゴム層内に配列される補強繊維の総数の30%以上存在することを特徴とする空気入りタイヤ。
  2. 前記繊維補強ゴム層の幅方向に沿った前記補強繊維の非分断部分の数と分断部分の数とが相互に同一とされることを特徴とする請求項1記載の空気入りタイヤ。
  3. 前記補強繊維の分断部分を有した箇所において、前記繊維補強ゴム層の幅方向に沿って前記補強繊維の一本おきに分断部分が配置されることを特徴とする請求項1或いは請求項2に記載の空気入りタイヤ。
  4. 前記繊維補強ゴム層の幅方向に沿って隣接する前記補強繊維の分断部分同士が、タイヤ周方向に位相差を有して位置することを特徴とする請求項1から請求項3の何れかに記載の空気入りタイヤ。
  5. トレッドパターンが、ネガティブ率30〜95%のブロックパターンとされることを特徴とする請求項1から請求項4の何れかに記載の空気入りタイヤ。
  6. 成型前の段階において、分断部分が隙間のない実質的にタイヤ周方向に沿って疑似連続状に補強繊維を形成し、
    この後、この補強繊維を含む繊維補強ゴム層、ラジアルカーカス及びトレッド層を一体的に加硫用の金型内に入れて、加硫成型することを特徴とする空気入りタイヤの製造方法。
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