JP2005246811A - 複合シート及びその製造方法 - Google Patents
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Abstract
【解決手段】 多数の孔21が配設された第1シート2と、第1シート2に接合された第2シート4とを具備する。第1シート2の各孔21の周辺部に、第2シート4との接合部22と、第2シート4と接合せずに起立する起立部23とを有する起伏が設けられている。孔21は千鳥配列に配設されていることが好ましい。隣接する列に配された孔21どうしは、列の一方に対して投影されたときに互いに重なり合う位置に配されていることが好ましい。孔21は、スリット状に設けられていることが好ましい。
【選択図】 図2
Description
機械流れ方向(MD)に150mm、機械流れと直交する方向(CD)に30mmの長方形の試験片を取り、これを第1シートの表面側を外側とする直径45mmの円筒を作り、重なり合った部分の上端と下端とをステープラー等で止め測定サンプルとする。これを、前記万能試験装置の圧縮試験モードにより、測定環境20℃、65%RH、測定条件としては、圧縮速度10mm/min、測定距離20mmで測定を行う。サンプルを20mm圧縮した時の最大強度を各サンプルについて測定し、その平均値を求め、これを座屈強度とする。
20cm×20cmの試験片を準備し、試験台に取りつける。その試験片を面積2cm2の円形平面をもつ鋼板間で圧縮する。圧縮速度は20μm/s、圧縮最大荷重は4.9kPa、回復過程も同一速度で測定を行う。圧縮剛さはLC値で表される。このLC値は下記式(1)のように定義される。
20cm×20cmの試験片を準備し、平滑な金属平面の試験台に取りつける。接触子を9.8cN(誤差±0.49cN以内)で試験片を圧着し、試験片を0.1cm/sの一定速度で水平に2cm移動させる。試験片には19.6cN/cmの一軸張力が与えられる。接触子は、0.5mm径のピアノ線でU字状に曲げられ9.8cNで試験片を圧着する。この接触子は、ばねで圧着されるが、ばねの定数は24.5cN/mm(誤差±0.98cN/mm以内)とし、共振周波数は表面接触から離れた状態で30Hz以上とする。粗さの測定値はSMD値で表される。この測定をMD及びCDともに行い、下記式(2)により平均値を出し、これを粗さとする。
粗さ={(SMDMD 2+SMDCD 2)/2}1/2 …(2)
起立部23の高さH(図2参照)は、タオル地のような触感、ふんわりした柔らかさ、ふわふわな起毛感を得る観点から、0.05〜4.95mm、特に0.45〜1.95mmとすることが好ましい。
透湿度の測定はJIS Z0208に準拠してカップ法で行う。試験を行う温湿度条件は30±0.5℃、90±2%RHとする。カップは内径60mm、面積28.27cmのものを用い、吸湿剤としては塩化カルシウムを用い、18gをカップ内に入れる。測定サンプルは直径70mmの円形のものを試験片とする。測定は前記試験片をカップに取り付け、回りを封ろう剤で密閉し、前記温湿度の恒温恒湿装置に入れる。この入れる前の重量をW0とし、恒温恒湿装置(30±0.5℃、90±2%RH)に1時間入れ、取り出した後の重量をW1とする。透湿度の測定値は下記式(3)で表される。
透湿度〔g/(100cm2・h)〕=(W1−W0)×100/28.27 …(3)
15×15cmの試験片を採取し、試験片が水に接する様にし、その反対面にろ紙、金網と重ね、試験装置に取り付ける。水圧計(マノメータ)に着色生理食塩水を入れて水位を上昇させ、水位1m(9.8kPa)、2m(19.6kPa)でのろ紙へのしみ出しを確認する。このしみ出しがないことが確認できれば、その水位(圧力)以上の耐水圧があるとする。
機械流れ方向(MD)に200mm、機械流れと直交する方向(CD)に50mmの長方形の試験片を作製する。これを、前記万能試験装置の引張試験モードにより、測定環境20℃、65%RH、測定条件としては、引張速度300mm/min、測定間距離150mmで測定を行う。
また、防漏性については、吸収性物品の外層材として使用する上では、湿気や水分を外に漏らし衣類等を濡らすことがないために、耐水圧が9.8kPa以上、特に19.6kPa以上とすることが好ましい。
前記孔あき加工としては、特に制限はなく、シートを予備加熱すると共に負圧をかけて開孔させる方法、加熱されたもしくは過熱されていないニードルによりシートに開孔部を設ける方法、突起を有するエンボスロールにより開孔を付与する方法等が挙げられる。
前記印刷加工としては、特に制限はなく、グラビア印刷、フレキソ印刷、オフセット印刷、スクリーン印刷、インクジェット印刷等が挙げられる。
前記スチレン系エラストマーとしては、スチレン・ブタジエンゴム(SBR)、スチレン・ブタジエン・スチレンブロック共重合体(SBS)、スチレン・イソプレン・スチレンブロック共重合体(SIS)、スチレン・エチレン・ブチレン・スチレンブロック共重合体(SEBS)、スチレン・エチレン・プロピレン・スチレンブロック共重合体(SEPS)等が挙げられる。
このダイコーターが特に好ましい理由としては、ヘッド部をシートに接触させながら塗工するため、ヘッド部と接触する部分のみ、即ち凸状部分のみに接着剤が塗工されていく。これにより、第1シート2と第2シート4は前記凸状部分で部分的に接合し、起立部の立体形状が潰されてしまうことがない。また、部分的に接合されることにより、その柔らかさが優れたものとなる。更には、開孔部には接着剤が塗工されないため、第1シートにおける第2シートとの接合部22と反対面側に接着剤が染み出してきて、製品にブロッキングを生じさせたり、べたつきの触感を与えることがない。
スリット状の孔が多数配設された下記第1シート及び下記第2シートを用い、下記のようにして複合シートを作製した。そして、得られた複合シートのシート物性を下記のように評価した。それらの結果を表1に示す。
孔の長さL1:3mm
一列における孔の間隔L2:1mm
列どうしの間隔L3:2mm
隣接する列の孔21どうしを列の方向に対して投影させたときに互いに重なり合う長さL4:1mm
孔の長さ方向と列の方向とのなす角度θ:0度(平行)
シートの材質:芯/鞘構造がポリエステル/ポリエチレンで繊維径2.0dtexである繊維100%で構成され、坪量20g/m2のエアースルー不織布。
第2シート:第1シートと同構成の不織布
接着剤:オレフィン系ホットメルト、FT1069(日本フーラー製)
上記第1シートを繰り出し、ロータリーダイカッターにより上記孔の形状及び配設形態でスリット状の孔を形成した後に、一対二組のロールで構成された延伸装置に送り、伸長率30%で延伸を行った。この時第1延伸ロールの速度は7.7m/min、第2延伸ロールの速度は10m/minとした。また、孔の列方向と張力をかける方向とのなす角度は略90度とした。この伸長状態を維持したまま第1シートを接着剤塗工手段に供給した。塗工方法はダイコーター法で第1シートにダイヘッドを接触させながら前記ホットメルトを塗工した。接着剤の塗工温度は150℃、接着剤の塗工量は2.0g/m2で行った。続いて、この接着剤が塗工された第1シートと繰り出された第2シートを一対のロールに合流させ接合し、複合シートを得た。
第1実施例と同様の前記第1シート及び接着剤、並びに下記第2シート及び多孔性の下記第3シートを用い、下記のようにして複合シートを作製した。そして、得られた複合シートのシート物性を下記のように評価した。それらの結果を表1に示す。
第2シート:繊維材質がポリプロピレンで坪量20g/m2のSMS(スパンボンド/メルトブローン/スパンボンド)不織布
第3シートの組成:線状低密度ポリエチレン(ウルトゼックスUZ2520F、三井化学(株)製、密度0.925g/cm3、メルトインデックス2.0g/20min)38重量%、炭酸カルシウム(エスカロン#2000、三共精粉(株)製、平均粒径1μm)57重量%、ステアリン酸・アジピン酸・トリメチロールプロパン重縮合物(仕込理論モル比4/1/2、ケン化価240、酸価1.5、水酸基価9.9)4重量%、ステアリン酸(ルナックS−40、花王(株)製)1重量%
第3シートの成形:上記組成物を二軸スクリュー型混練機で混練しペレットを作製し、得られたペレットをインフレーション成形機に供給し、厚さ35μmのシートを成形する。得られたシートをロール延伸機を用いて延伸温度50℃、延伸倍率2.3倍で延伸し、多孔性シートを得た。
第3シートの物性:坪量20g/m2、厚み0.02mm、透湿度2.0g/100cm・h
上記第1シートを繰り出し、ロータリーダイカッターにより上記孔の形状及び配設形態でスリット状の孔を形成した後、一対二組のロールで構成された延伸装置に送り、伸長率30%で延伸を行った。この時第1延伸ロールの速度は7.7m/min、第2延伸ロールの速度は10m/minとした。また、孔の列方向と張力をかける方向とのなす角度は略90度とした。この伸長状態を維持したまま第1シートを接着剤塗工手段に供給した。塗工方法はダイコーター法で第1シートにダイヘッドを接触させながら前記接着剤を塗工した。接着剤の塗工温度は150℃、接着剤の塗工量は2.0g/m2で行った。続いて、この接着剤が塗工された第1シートと繰り出された第2シートを一対のロールに合流させて接合した。更に同様の接着剤塗工手段、ダイコーターを用い、第2シートの第1シートが接合されていない面に前記接着剤を塗工した。接着剤の塗工温度は150℃、接着剤の塗工量は1.2g/m2で行った。次いで、接合された第1シート及び第2シートと繰り出された第3シートとを一対のロールに合流させて接合し、複合シートを得た。
(1)坪量:10cm×10cmに試料を作製しその重量WTを測定した。
坪量(g/m2)=WT/0.01
(2)厚み:前記段落〔0018〕記載の測定法に従って測定した。
(3)座屈強度:前記段落〔0020〕記載の測定法に従って測定した。
(4)圧縮剛さ:前記段落〔0021〕記載の測定法に従って測定した。
(5)粗さ:前記段落〔0025〕記載の測定法に従って測定した。
(6)透湿度:前記段落〔0028〕記載の測定法に従って測定した。
2 第1シート
22 接合部
23 起立部
3 接着剤
4 第2シート
5 第3シート
Claims (10)
- 多数の孔が配設された第1シートと、該第1シートに接合された第2シートとを具備する複合シートであって、
前記第1シートの前記各孔の周辺部に、前記第2シートとの接合部と、前記第2シートと接合せずに起立する起立部とを有する起伏が設けられている複合シート。 - 前記多数の孔が、千鳥配列状に配設されている請求項1記載の複合シート。
- 隣接する列に配された前記孔どうしは、該列の一方に対して投影されたときに互いに重なり合う位置に配されている請求項1又は2記載の複合シート。
- 前記孔がスリット状に設けられている請求項1〜3の何れかに記載の複合シート。
- 前記第1シートと前記第2シートとが接着剤を介して接合されている請求項1〜4の何れかに記載の複合シート。
- 前記第1シートが不織布又は合成樹脂製シートであり、前記第2シートが透湿性又は非透湿性のシートである請求項1〜5の何れかに記載の複合シート。
- 前記第2シートにおける前記第1シートが接合されていない側の面に、透湿性を有する第3シートが接合されている請求項1〜6の何れかに記載の複合シート。
- 請求項1記載の複合シートの製造方法であって、多数の孔を千鳥配列状に配設して第1シートを形成し、前記第1シートに前記孔が広がるように張力をかけて該孔の周辺部を起伏させた後、前記周辺部の起伏に伴い形成された前記第1シートの片面側の凸状部分に接着剤を塗工し、前記接着剤を介して前記第1シートを第2シートに接合する複合シートの製造方法。
- 前記多数の孔は、前記第1シートの張力をかける方向と略直交する方向に向いたスリット状に形成されている請求項8記載の複合シートの製造方法。
- 前記接着剤は、前記第1シートの片面側の凸状部分にダイヘッドを接触させながら塗工するダイコーター法で塗工することを特徴とする請求項8又は9に記載の複合シートの製造方法。
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