JP2005246517A - 歯切り加工方法及び歯切り盤 - Google Patents

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Abstract

【課題】 歯切りカッターに固定される異なる二種類のブレードの摩耗均一化を図り、工具定数の延長を実現する歯切り加工方法を提供する。
【解決手段】 ギヤ歯の凸状側歯面を切削加工する凸状歯面加工用ブレード及びギヤ歯の凹状側歯面を切削加工する凹状歯面加工用ブレードを備えた歯切りカッターと、ワークとを共に回転させながら連続割り出し創成加工によりフェースホブハイポイドギヤを形成する歯切り加工方法において、凸状歯面加工用ブレードが受ける凸面側圧力角変化量と、凹状歯面加工用ブレードが受ける凹面側圧力角変化量が、それぞれ目標凸面側圧力角変化量及び目標凹面側圧力角変化量となるように、前記ワークを加工する加工数に応じて前記歯切りカッターと前記被加工物との相対位置を修正して変化させる。
【選択図】 図12

Description

本発明は、歯切り加工方法及び歯切り盤に関し、詳細には、歯切りカッターに固定された異なる二種類のブレードの摩耗均一化を図り工具定数の延長を実現する技術に関する。
例えば、フェースホブハイポイドギヤの加工には、連続割り出しによる歯すじ創成加工方法が採用されている。このギヤ加工には、延長エピサイクロイド曲線上にブレード固定用穴を複数形成したカッターボディーに、切刃であるスティックブレードを組み込んだ歯切りカッターを備えた歯切り盤を使用する。
この種の歯切り盤では、被加工物に形成するギヤ歯の凸状側歯面を切削加工する凸状歯面加工用ブレードと、ギヤ歯の凹状側歯面を切削加工する凹状歯面加工用ブレードを組み合わせたブレード対とし、そのブレード対の複数個をカッターボディーに固定させて1つの歯切りカッターとしている(例えば、特許文献1など参照)。
この歯切り盤においては、凸状歯面加工用ブレードと凹状歯面加工用ブレードの組み合わせによるブレード対の複数個によって、被加工物を切削加工してギヤ歯を切削加工する。通常、凸状歯面加工用ブレードと凹状歯面加工用ブレードからなるブレード対のそれぞれは、一つのギヤ歯の加工溝をそれぞれのブレード対によって加工するようになされている。
特公平7−96164号公報(第3頁および第4頁、第3図および第4図)
ところで、前記歯切り盤によるギヤ加工時の工具定数の判断としては、ブレードの摩耗により発生する加工時のフェースホブハイポイドギヤの圧力角変化量が所定量を超える加工数を、その歯切りカッターの工具定数としている。
工具定数に達した歯切りカッターは、凸状歯面加工用ブレード及び凹状歯面加工用ブレードと共にカッターボディーから取り外され、再研磨されて再びカッターボディーに組み込まれる。
しかながら、ギヤ歯の凸状側歯面を切削加工する凸状歯面加工用ブレードの方が凹状歯面加工用ブレードよりも摩耗が速いため、これら両ブレード間の摩耗量に差が生じる。これに伴い、ギヤ歯の凸状側歯面と凹状側歯面の圧力角変化量に差があり、この圧力角変化量が大きい方の加工数で工具寿命が決まってしまう。
すなわち、圧力角変化量の小さい面を加工する凹状歯面加工用ブレードは、凸状歯面加工用ブレードが工具寿命となっても未だ切削加工が可能であるにも拘わらず、先に寿命となる凸状歯面加工用ブレードと一緒に再研磨がなされる。
そこで、本発明は、歯切りカッターに固定される異なる二種類のブレードの摩耗による圧力角変化量の均一化を図り、工具定数の延長を実現する歯切り加工方法及び歯切り盤を提供することを目的とする。
本発明の歯切り加工方法は、凸状歯面加工用ブレード及び凹状歯面加工用ブレードを備えた歯切りカッターと、被加工物とを共に回転させながら連続割り出し創成加工によりフェースホブハイポイドギヤを形成する加工方法であり、凸状歯面加工用ブレードが受ける凸面側圧力角変化量と、凹状歯面加工用ブレードが受ける凹面側圧力角変化量が、それぞれ目標凸面側圧力角変化量及び目標凹面側圧力角変化量となるように、前記被加工物を加工する加工数に応じて前記歯切りカッターと前記被加工物との相対位置を修正して変化させる。
本発明の歯切り盤は、凸状歯面加工用ブレード及び凹状歯面加工用ブレードを備えた歯切りカッターと、歯切りカッターにより連続割り出し創成加工されてフェースホブハイポイドギヤが形成される被加工物と、これら歯切りカッターと被加工物とを相対的に移動させる移動機構部と、この移動機構部を制御する制御部とからなり、制御部は、凸状歯面加工用ブレードが受ける凸面側圧力角変化量と、凹状歯面加工用ブレードが受ける凹面側圧力角変化量が、それぞれ目標凸面側圧力角変化量及び目標凹面側圧力角変化量となるように、前記被加工物を加工する加工数に応じて前記歯切りカッターと前記被加工物との相対位置を修正して変化させる。
本発明の歯切り加工方法によれば、凸状歯面加工用ブレードが受ける凸面側圧力角変化量と、凹状歯面加工用ブレードが受ける凹面側圧力角変化量が、それぞれ目標凸面側圧力角変化量及び目標凹面側圧力角変化量となるように、前記被加工物を加工する加工数に応じて歯切りカッターと被加工物との相対位置を修正して変化させるので、各ブレードが受ける圧力変化量はそれぞれの目標値に近づくことから、その目標値の定め方によっては摩耗の激しい凸状歯面加工用ブレードが凹状歯面加工用ブレードよりも先に摩耗することを防止でき、工具寿命を大幅に延ばすことができる。
特に、本発明の歯切り加工方法によれば、目標凸面側圧力角変化量と目標凹面側圧力角変化量をほぼ同じ値として歯切り加工すれば、凸状歯面加工用ブレードと凹状歯面加工用ブレードの工具寿命をほぼ同じにすることができ、これまで摩耗が少なかった凹状歯面加工用ブレードを凸状歯面加工用ブレードの摩耗時に合わせて再研磨する手間が省け、これら凸状歯面加工用ブレードと凹状歯面加工用ブレードの摩耗時期をほぼ同じ時期とすることができる。その結果、再研磨までのリードタイムを長くすることができ、より多くのギヤを一つの歯切りカッターで加工することができ、工具寿命を延命させることができる。
本発明の歯切り盤によれば、凸状歯面加工用ブレードが受ける凸面側圧力角変化量と、凹状歯面加工用ブレードが受ける凹面側圧力角変化量が、それぞれ目標凸面側圧力角変化量及び目標凹面側圧力角変化量となるように、被加工物を加工する加工数に応じて歯切りカッターと被加工物との相対位置を修正して変化させる制御部を備えたことで、各ブレードが受ける圧力変化量はそれぞれの目標値に近づくことから、その目標値の定め方によっては摩耗の激しい凸状歯面加工用ブレードが凹状歯面加工用ブレードよりも先に摩耗することを防止でき、工具寿命を大幅に延ばすことができる。
以下、本発明を適用した具体的な実施の形態について図面を参照しながら詳細に説明する。
[歯切り盤の構成]
図1は、グリーソン式ハイポイドリングギヤ歯切り盤(以下、単に歯切り盤という)を一部省略して示す斜視図、図2は歯切り盤の歯切りカッターを示す斜視図、図3は歯切りカッターの要部拡大図、図4はブレードの一例を示し、(A)は正面図、(B)は平面図、(C)は左側面図である。
本実施の形態の歯切り盤は、図1に示すように、歯車が形成(創成)される被加工物であるワーク(被加工歯車)1を回転させる被加工物回転機構部2と、歯切りカッター3を回転駆動させるカッター回転機構部4と、歯切りカッター3とワーク1とを相対的に移動させる移動機構部である、ワーク移動機構部5とカッター移動機構部6とから構成されている。
ワーク1は、後述する歯切りカッター3によって連続割り出し創成加工されることにより、フェースホブハイポイドギヤとなる被加工物(被加工歯車)である。かかるワーク1は、後述する被加工物回転機構部2に装着され、チャッキングされることにより位置決め固定される。
被加工物回転機構部2は、ワーク1を回転させるワークスピンドルと、このワークスピンドルを回転させるスピンドル駆動モータと、ワークスピンドルに直結する第1減速ギヤ及びスピンドル駆動モータに取り付けられた第2減速ギヤからなる減速ギヤ対(何れも図示は省略する)とから構成される。
カッター回転機構部4は、歯切りカッター3を回転させるカッタースピンドルと、このカッタースピンドルを回転させるカッタースピンドル駆動モータ及び遊星減速機(何れも図示は省略する)とから構成される。この歯切り盤においては、ワークスピンドルとカッタースピンドルが所定の回転比となるように同期制御されて回転され、歯切りカッター3がワーク1に切り込んで行くことで、連続割り出しによる歯すじ創成加工が行われる。
ワーク移動機構部5は、ベース基盤7上に設けられた傾斜台座8に対してスライド自在とされたAステージ9からなる。このAステージ9は、傾斜台座8の傾斜面に設けられ、図示を省略するサーボモータMAを駆動源として、当該Aステージ9上のワーク1を歯切りカッター3に対して接近方向または離反方向(図1中矢印Aで示す方向)に斜めにスライド自在とする。
カッター移動機構部6は、ベース基盤7上に直接設けられたBステージ10と、このBステージ10の上に設けられたCステージ11と、このCステージ11上でカッター回転機構部4を水平(面内)方向に回転させるΓステージ12とから構成される。
Bステージ10は、ワーク1に対して歯切りカッター3を、前記A方向と90度交差する左右方向(図1中矢印Bで示す方向)にスライド自在とされている。このBステージ10は、歯切りカッター3をワーク1に対して斜め上方から切り込むようにする傾斜台とされ、図示を省略するサーボモータMBを駆動源としてベース基盤7上にスライド自在に設けられている。
Cステージ11は、ワーク1に対して歯切りカッター3を、斜め上方から切り込むように接近方向または離反方向(図1中矢印C方向)にスライド自在とされている。このCステージ11は、図示を省略するサーボモータMCを駆動源として、Bステージ10の傾斜面上にスライド自在に設けられている。
Γステージ12は、ワーク1に対して歯切りカッター3を、水平(面内)方向(図1中矢印Γ方向)に回転自在とする。このΓステージ12は、図示を省略するサーボモータMΓを駆動源として、カッター回転機構部4を前記Cステージ11上で軸13を中心とし面内方向に回転自在とする。
歯切りカッター3は、図2に示すように、円盤形状のカッター本体であるカッターボディー13の外周縁近傍部に、ワーク1を所望の歯車とするための切れ歯であるカッターブレード14を複数有している。カッターボディー13には、歯切りカッター3をカッタースピンドル先端に固定させるための取付孔15がその中心部に形成されている。また、このカッターボディー13には、図2及び図3に示すように、カッターブレード14がワーク1(ギヤ)との同期回転での加工において歯形が歯すじ方向に延長エピサイクロイド曲線となる位置に各カッターブレード14を挿入固定させるシャンク部としてのブレード固定用穴16が形成されている。
カッターブレード14は、図4に示すように、先端側を尖がらせた切れ歯である先端部14aと、その先端部14a以外の部分である導入部14bとからなる。このカッターブレード14は、ブレード固定用穴16に導入部14bを挿入させることにより、カッターボディー13に対して着脱自在に固定される。このように、カッターブレード14をブレード固定用穴16に着脱自在とすることで、摩耗したカッターブレード14をカッターボディー13から取り外して再研磨できる。
前記カッターブレード14は、例えば図5及び図6に示すように、ワーク1に形成するギヤ歯17(17A、17B、17C・・・)の凸状側歯面17aを切削加工する凸状歯面加工用ブレード14Aと、凹状側歯面17bを切削加工する凹状歯面加工用ブレード14Bの2種類のブレードからなる。この歯切りカッター3では、二つのブレードを対として組み合わせたブレード対の複数個でワーク1に切削加工を行って歯車を形成する。本実施の形態では、このブレード対を13個とする。
例えば、図5に示すように、凸状歯面加工用ブレード14Aと凹状歯面加工用ブレード14Bを組み合わせた異種ブレード対14ABの複数個を、延長エピサイクロイド曲線18上の所定位置に所定間隔を置いて固定してなる歯切りカッター3では、図6から図8の加工工程図で示すように、一組の異種ブレード対14ABによりギヤ歯17(17A、17B、17C・・・)がそれぞれ形成されて行く。
先ず、図6に示すように、第1番目のギヤ歯17Aを形成するための加工溝19Aは、凸状歯面加工用ブレード14A1と凹状歯面加工用ブレード14B1を組み合わせた第1番目の異種ブレード対14A1B1で切削加工される。続いて、第2番目のギヤ歯17Bを形成するための加工溝19Bは、図7に示すように、次に配置された凸状歯面加工用ブレード14A2と凹状歯面加工用ブレード14B2を組み合わせた第2番目の異種ブレード対14A2B2によって切削加工される。そして、次の第3番目のギヤ歯17Cを形成するための加工溝19Cは、図8に示すように、その次に配置された凸状歯面加工用ブレード14A3と凹状歯面加工用ブレード14B3を組み合わせた第3番目の異種ブレード対14A3B3によって切削加工される。このように、各異種ブレード対14ABによって各ギヤ歯17が切削加工されることにより、最終的にワーク1は所望の歯車(フェースホブハイポイドギヤ)となる。
ところで、異種ブレード対14ABの複数個をカッターボディー13に固定してなる歯切りカッター3(図5の歯切りカッター)を使用してワーク1を切削加工した場合、工具定数の指標である加工歯車の圧力角変化量は、図9に示すように、凸状側歯面17aを切削加工したときの凸面側圧力角変化量と凹状側歯面17bを切削加工したときの凹面側圧力角変化量ではかなりの差があり、通常、凸状側歯面17aを加工する側の方が圧力角変化量が大きい。
つまり、凸状側歯面17aを加工する凸状歯面加工用ブレード14Aは、凹状側歯面17bを加工する凹状歯面加工用ブレード14Bよりも早く摩耗することになる。その結果、工具定数としては、凸面側圧力角変化量が規定の圧力角変化量規格値を超えた加工数と設定される。
この結果から判るように、凸状歯面加工用ブレード14Aと凹状歯面加工用ブレード14Bを組み合わせた異種ブレード対14ABの複数個をカッターボディー13に固定した歯切りカッター3(図5の歯切りカッター)では、凸状歯面加工用ブレード14Aが凹状歯面加工用ブレード14Bよりも先に摩耗するため、切削加工に未だ余裕があるのに凹状歯面加工用ブレード14Bもこの凸状歯面加工用ブレード14Aと一緒に再研磨しなくてはならず、再研磨までのリードタイムが短くなってしまう。
そこで、本実施の形態では、図10に示すように、摩耗量の異なる凸状歯面加工用ブレード14Aと凹状歯面加工用ブレード14Bがほぼ同じように摩耗するように、目標凸面側圧力角変化量(太い実線)と目標凹面側圧力角変化量(太い破線)をそれぞれ定め、その目標凸面側圧力角変化量と目標凹面側圧力角変化量をほぼ等しくなるようにする。そして、前記凸状歯面加工用ブレード14Aが受ける凸面側圧力角変化量と、凹状歯面加工用ブレード14Bが受ける凹面側圧力角変化量が、それぞれの目標凸面側圧力角変化量及び目標凹面側圧力角変化量となるように、ワーク1を加工する加工数に応じて歯切りカッター3とワーク1との相対位置を変化させる。
具体的には、図10に示すように、加工開始から工具定数(通常、工具摩耗に起因する圧力角変化がある一定の値(圧力角変化量規格)を超えるまでを工具定数としている)にかけて、凸面側圧力角変化を小さくして現状の凸面側圧力角変化量から目標凸面側圧力角変化量とし、凹面側圧力角変化を大きくして現状の凹面側圧力角変化量から目標凹面側圧力角変化量となるように、ワーク1を加工する加工数に応じて前記歯切りカッター3とワーク1との相対位置補正を行う。
相対位置補正を行うに当たっては、先ず、ワーク1と歯切りカッター3をある相対位置関係として、ある定数(N個)まで加工したときのN個目の凸面側圧力角変化量と凹面側圧力角変化量を測定する。ある相対位置関係とは、例えばグリーソン式歯切り盤でハイポイドリングギヤを加工する場合、図1で示したように、位置調整の数は4個(Aステージ9のA位置調整、Bステージ10のB位置調整、Cステージ11のC位置調整及びΓステージ12のΓ位置調整)で、加工初期のA位置調整量(これをA1とする)、B位置調整量(これをB1とする)、C位置調整量(これをC1とする)及びΓ位置調整量(これをΓ1とする)を指す。
次に、凸面側圧力角変化量と凹面側圧力角変化量がほぼ等しくなるように、相対位置補正量(これを、ΔA、ΔB、ΔC、ΔΓとする)を求める。具体的には、例えばAステージ9を0.1mm、Bステージ10を0.1mm、Cステージ11を0.1mm、Γステージ12を0.1分動かしたときのギヤ歯17の歯面精度を表す圧力角誤差及びねじれ角誤差を求め、その求めた結果からどれだけ各ステージを動かせば凸面側圧力角変化量と凹面側圧力角変化量が等しくなるかを計算し、その計算結果を相対位置補正量ΔA、ΔB、ΔC、ΔΓとする。
ハイポイドリングギヤ1個当たりの歯切り盤の相対位置補正量は、それぞれΔA/N、ΔB/N、ΔC/N、ΔΓ/Nとなるから、加工N個目の相対位置補正量(これを、An、Bn、Cn、Γnとする)は、以下のように表される。
An=A1+ΔA/N×(n−1)…(1)式
Bn=B1+ΔB/N×(n−1)…(2)式
Cn=C1+ΔC/N×(n−1)…(3)式
Γn=Γ1+ΔΓ/N×(n−1)…(4)式
本実施の形態では、このようにして求められたN個目加工時における相対位置補正量An、Bn、Cn、Γnに基づいてA位置調整、B位置調整、C位置調整及びΓ位置調整を行うことで、凸面側圧力角変化量と凹面側圧力角変化量をほぼ同一とする。
図11は、A位置調整、B位置調整、C位置調整及びΓ位置調整を行い、N個目加工時に凸面側圧力角変化量と凹面側圧力角変化量がほぼ等しくなるように修正するための制御機構部を示すブロック図である。
歯切り盤20を制御する制御盤21には、ワーク1の加工数をカウントするカウンタ22と、前記したΔA/N、ΔB/N、ΔC/N、ΔΓ/N及びA1、B1、C1、Γ1を、操作スイッチ23により記憶させておく記憶部であるメモリ24と、カウンタ22でカウントしたワーク1の加工数に応じてメモリ24から前記ΔA/N、ΔB/N、ΔC/N、ΔΓ/N及びA1、B1、C1、Γ1を読み出し、前記加工N個目の相対位置補正量An、Bn、Cn、Γnを計算する演算部であるCPU25と、CPU25で計算した前記An、Bn、Cn、Γnに基づいて歯切り盤20の各サーボモータMA、MB、MC、MΓを駆動制御するプログラムであるドライバA、B、C、Γとが設けられている。
「歯切り加工方法」
次に、上記した歯切り盤20を用いてワーク1にフェースホブハイポイドギヤを形成する歯切り加工方法について説明する。図12は本実施の形態の歯切り加工方法を示すフローチャートである。
先ず、ステップS1の処理において、予めワーク1をN個加工したときの凸面側圧力角変化量と凹面側圧力角変化量から必要な相対位置補正量ΔA、ΔB、ΔC、ΔΓを求めておき、ハイポイドリングギヤ1個当たりの相対位置補正量ΔA/N、ΔB/N、ΔC/N、ΔΓ/Nを、操作スイッチ23によって入力してメモリ24に記憶させる。
次のステップS2の処理では、加工1個目の位置調整量A1、B1、C1、Γ1を、操作スイッチ23によって入力してメモリ24に記憶させる。
そして、次のステップS3の処理では、CPU25は、メモリ24から加工1個目の位置調整量A1、B1、C1、Γ1を読み出し、その位置調整量A1、B1、C1、Γ1を実現するために各サーボモータMA、MB、MC、MΓに位置情報を指令する。この指令を受けた各サーボモータMA、MB、MC、MΓは、それぞれのAステージ9、Bステージ10、Cステージ11、Γステージ12を前記位置調整量A1、B1、C1、Γ1に基づき動かす。そして、これら各ステージを動かしてワーク1と歯切りカッター3との相対位置が決まったところで、加工1個目の歯切り加工を行う。
前記条件に基づいて歯切りカッター3によってワーク1にギヤ歯17を形成すると、図13(A)の加工前の鋭利な切れ歯を有した凸状歯面加工用ブレード14A1または凹状歯面加工用ブレード14B1は、加工終了後には、図13(B)に示すように凸状側歯面17aを切削する凸状歯面加工用ブレード14A1の方が、凹状側歯面17bを切削する凹状歯面加工用ブレード14B1よりも摩耗が激しいものとなる。図13では、摩耗状態が分かり易いように、凸状歯面加工用ブレード14A1と凹状歯面加工用ブレード14B1を重ねて示してある。
次に、一つ目のワーク1にフェースホブハイポイドギヤが形成されて歯切り加工が終えたところで、カウンタ22は、カウントを1インクリメントする。そして、次のステップS4において、CPU25は、前記(1)式、(2)式、(3)式、(4)式から加工2個目の相対位置補正量A2、B2、C2、Γ2を計算する。
次に、ステップS5の処理では、加工1個目の位置調整量A1、B1、C1、Γ1を、前記ステップS4で求めた相対位置補正量A2、B2、C2、Γ2に修正する。そして、次のステップS6では、CPU25は、修正した各相対位置補正量A2、B2、C2、Γ2を実現するために各サーボモータMA、MB、MC、MΓに位置情報を指令する。この指令を受けた各サーボモータMA、MB、MC、MΓは、それぞれのAステージ9、Bステージ10、Cステージ11、Γステージ12を前記相対位置補正量A2、B2、C2、Γ2に基づき動かす。
図13(C)は、各サーボモータMA、MB、MC、MΓによって凸状歯面加工用ブレード14A1と凹状歯面加工用ブレード14B1の相対位置が可変され、加工1個目のときに対してその凸状歯面加工用ブレード14A1と凹状歯面加工用ブレード14B1の傾き角度が可変され、凸状歯面加工用ブレード14A1に大きな圧力角変化が掛からないように調整補正される一方で、凹状歯面加工用ブレード14B1にはそれまでよりも大きな圧力角変化が掛かるように調整補正される。
そして、これら各ステージを動かしてワーク1と歯切りカッター3との相対位置が決まったところで、加工2個目の歯切り加工を行う。
以降、ワーク1の加工数毎に前記ステップS4からステップS6の処理を繰り返す。そして、ワーク1の加工数がN個目になった時点で、ステップS7の処理を行う。ステップS7の処理では、CPU25は、前記(1)式、(2)式、(3)式、(4)式から加工N個目の相対位置補正量An、Bn、Cn、Γnを計算する。次に、ステップS8の処理では、加工N−1個目の位置調整量An−1、Bn−1、Cn−1、Γn−1を、前記ステップS7で求めた相対位置補正量An、Bn、Cn、Γnに修正する。
そして、次のステップS9では、CPU25は、修正した各相対位置補正量An、Bn、Cn、Γnを実現するために各サーボモータMA、MB、MC、MΓに位置情報を指令する。この指令を受けた各サーボモータMA、MB、MC、MΓは、それぞれのAステージ9、Bステージ10、Cステージ11、Γステージ12を前記相対位置補正量An、Bn、Cn、Γnに基づき動かす。そして、これら各ステージを動かしてワーク1と歯切りカッター3との相対位置が決まったところで、加工N個目の歯切り加工を行う。
次に、ステップS10の処理において、CPU25は、加工N個目が工具定数となったか否かを判断し、工具定数となった場合は、この歯切り加工処理を終了し、そうでない場合(工具定数にならない場合)は、この歯切り加工処理をステップS7の処理に戻す。
このように、上述した歯切り加工処理を行えば、本来、圧力角変化量の大きい凸状歯面加工用ブレード14Aが受ける凸面側圧力角変化量を修正して目標凸面側圧力角変化量とすることができると共に、凹状歯面加工用ブレード14Bが受ける凹面側圧力角変化量も修正して目標凹面側圧力角変化量とすることができるため、これら目標凸面側圧力角変化量と目標凹面側圧力角変化量をほぼ等しく設定すれば、凸状歯面加工用ブレード14Aと凹状歯面加工用ブレード14Bの工具寿命をほぼ同じとすることができる。その結果、再研磨までのリードタイムを長くすることができ、より多くのギヤを一つの歯切りカッターで加工することができ、工具寿命を大幅に延長(延命)させることができる。
[その他の実施の形態]
以上、本発明を適用した具体的な実施の形態について説明したが、本発明は上述の実施の形態に制限されることなく種々の変更が可能である。
上述した実施の形態では、CPU25が、加工個数に応じてその都度、メモリ24から読み出したデータに基づいてN個目加工時の相対位置補正量An、Bn、Cn、Γnを計算したが、この相対位置補正量An、Bn、Cn、Γnは、予め大容量メモリ24に記憶して置いてもよい。こうすることで、より早く歯切り加工処理を行うことができる。
歯切り盤を一部省略して示す斜視図である。 歯切り盤の歯切りカッターを示す斜視図である。 歯切りカッターの要部拡大図である。 ブレードの一例を示し、(A)は正面図、(B)は平面図、(C)は左側面図である。 凸状歯面加工用ブレードと凹状歯面加工用ブレードを1組とする異種ブレード対の複数個をカッター本体に設けた歯切りカッターの平面図である。 異種ブレード対の複数個をカッター本体に設けた歯切りカッターで被加工物にギヤ歯を加工して行く様子を示す平面図である。 異種ブレード対の複数個をカッター本体に設けた歯切りカッターで被加工物にギヤ歯を加工して行く様子を示し、図6の次の状態を示す平面図である。 異種ブレード対の複数個をカッター本体に設けた歯切りカッターで被加工物にギヤ歯を加工して行く様子を示し、図7の次の状態を示す平面図である。 従来の方法によって歯切り加工を行ったときの圧力角変化量と工具定数との関係を示す図である。 目標凸面側圧力角変化量と目標凹面側圧力角変化量となるように設定して歯切り加工したときの圧力角変化量と工具定数との関係を示す図である。 A位置調整、B位置調整、C位置調整及びΓ位置調整を行い、N個目加工時に凸面側圧力角変化量と凹面側圧力角変化量がほぼ等しくなるように修正するための制御機構部を示すブロック図である。 本実施の形態の歯切り加工方法を示すフローチャートである。 相対位置補正量に基づいて凸状歯面加工用ブレード及び凹状歯面加工用ブレードを動かしてワークと歯切りカッターとの相対位置を可変した状態を示す図である。
符号の説明
1…ワーク(被加工物)
2…被加工物回転機構部
3…歯切りカッター
4…カッター回転送り機構部
5…ワーク移動機構部(移動機構部)
6…カッター移動機構部(移動機構部)
9…Aステージ
10…Bステージ
11…Cステージ
12…Γステージ
14…カッターブレード
14A…凸状歯面加工用ブレード
14B…凹状歯面加工用ブレード
17…ギヤ歯
17a…凸状側歯面
17b…凹状側歯面
20…歯切り盤
21…制御盤
22…カウンタ
24…メモリ
25…CPU

Claims (5)

  1. ギヤ歯の凸状側歯面を切削加工する凸状歯面加工用ブレード及びギヤ歯の凹状側歯面を切削加工する凹状歯面加工用ブレードを備えた歯切りカッターと、被加工物とを共に回転させながら連続割り出し創成加工によりフェースホブハイポイドギヤを形成する歯切り加工方法において、
    前記凸状歯面加工用ブレードが受ける凸面側圧力角変化量と、前記凹状歯面加工用ブレードが受ける凹面側圧力角変化量が、それぞれ目標凸面側圧力角変化量及び目標凹面側圧力角変化量となるように、前記被加工物を加工する加工数に応じて前記歯切りカッターと前記被加工物との相対位置を修正して変化させる
    ことを特徴とする歯切り加工方法。
  2. 請求項1に記載の歯切り加工方法であって、
    前記目標凸面側圧力角変化量と前記目標凹面側圧力角変化量をほぼ同じ値として歯切り加工する
    ことを特徴とする歯切り加工方法。
  3. 請求項1または請求項2に記載の歯切り加工方法であって、
    前記歯切りカッターと前記被加工物との相対位置を修正する修正量を、前記ワークを加工する加工数毎に計算して求め、求めた修正量に応じた分だけ前記歯切りカッターと前記被加工物を動かす
    ことを特徴とする歯切り加工方法。
  4. 請求項1または請求項2に記載の歯切り加工方法であって、
    前記歯切りカッターと前記被加工物との相対位置を修正する修正量を、加工前に予め求めて置き、その求めておいた修正量に応じた分だけ前記歯切りカッターと前記被加工物を動かす
    ことを特徴とする歯切り加工方法。
  5. ギヤ歯の凸状側歯面を切削加工する凸状歯面加工用ブレード及びギヤ歯の凹状側歯面を切削加工する凹状歯面加工用ブレードを備えた歯切りカッターと、
    前記歯切りカッターにより連続割り出し創成加工されてフェースホブハイポイドギヤが形成される被加工物と、
    前記歯切りカッターと前記被加工物とを相対的に移動させる移動機構部と、
    前記凸状歯面加工用ブレードが受ける凸面側圧力角変化量と、前記凹状歯面加工用ブレードが受ける凹面側圧力角変化量が、それぞれ目標凸面側圧力角変化量及び目標凹面側圧力角変化量となるように、前記被加工物を加工する加工数に応じて前記歯切りカッターと前記被加工物との相対位置を修正して変化させる制御部とを備えた
    ことを特徴とする歯切り盤。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
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CN102166673A (zh) * 2011-05-17 2011-08-31 江苏上齿集团有限公司 螺旋锥齿轮的加工方法
JP2018153916A (ja) * 2017-03-17 2018-10-04 クリンゲルンベルク・アクチェンゲゼルシャフトKlingelnberg AG 傘歯車ワークピースの歯面を加工する方法

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