JP2005246245A - 液質改質装置 - Google Patents

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Abstract

【課題】液質改質装置における液質改質の信頼度の劣化を抑制する。
【解決手段】内部に扁平空間Vを形成する噴流発生箱2と、扁平空間Vに液体を導入するノズル3とから形成されている。扁平空間Vの有効幅をWで、扁平空間の有効高さをHで、ノズル3の開口14の有効直径をDで表すと、渦流発生条件は、D<H、且つ、2<W/H<4で表現される。条件:W/H<4は、噴流生成箱に対するキャビテーション・エロージョン効果を低減し、且つ、渦流発生を損なわない。条件2<W/Hは、1個の渦を常態的に保持する。渦中心で崩壊するキャビテーションは、それが持つ巨大な圧力・張力ポテンシャルを放射状に扁平空間の中に放出し、扁平空間内の有機物質と無機物質の破壊、殺菌を行う。
【選択図】 図1

Description

本発明は、液質改質装置に関し、特に、キャビテーション崩壊により液中物質を破壊し殺菌を行なう液質改質装置に関する。
環境汚染の1つとして、水質汚染が知られている。湖沼、河川に多様な物質が流入する。そのような物質は、一部は自然浄化により分解されて水中に溶存し、又、自然浄化されないものは底層に汚泥として堆積する。水中に溶存し又は浮遊する多様な有機物質と無機物質は、水中に生息する生物にとって又これら生物に関わる人間にとって有害である水中微生物の増殖細胞に取り込まれる。
これら有害物質は、例えばアオコのような植物性微生物を繁殖させたり、赤潮を発生させたりして淡水や海水を汚染し、酸素不足を招く。即ち、これらの汚染は魚介類を殺したり、又、赤潮の原因になるプランクトン等が海水中の酸素を消費することからその水域の酸素不足を招き、湖沼、河川等の水質を悪化させるのである。このような環境汚染に伴う弊害を取り除くために水質改質は欠かせないものになっており、種々の改善のための技術開発がなされている。
水質の改質のために実用化され将来的にますます有望視される技術として、後掲特許文献1、2に示されるように、キャビテーション崩壊の利用による有機物質壊滅(例示:細胞破壊、汚泥分解)が知られている。これは、箱形式によってキャビテーションを発生させるもので、このキャビテーション流を渦流とすることで、脱気、混合、撹拌、殺菌、殺虫、分解、乳化等を行い浄化する技術である。更に後掲特許文献3においては、キャビテーション泡をより多くしてプランクトン等の水中有機物の破壊、殺菌を行ない、特に海水の浄化を効率的に行なう技術を提案している。これらの技術は、多様で有用な作用を有しそれなりに水質(液質)を改質する優れた効果を示している。
次にキャビテーションに関し詳述する。ジェットノズルから液中に噴射されるジェット流体(噴流)は、その液中に無数のキャビテーション(真空泡に液の気化ガスが充満する球体)を生成する。キャビテーションは微小な球として発生し大きく成長し遂に破裂する。その破裂は、衝撃的球面波を発生させる。無数のキャビテーションから発生する無数の球面波は互いに干渉し衝撃粒になって液中の全体に拡散する。無数の衝撃粒の1個1個の運動量は小さいが、破裂する際に大きいエネルギーを放出する圧力・張力ポテンシャルを有していて、金属エロージョンを惹き起こすほどのエネルギーを秘めている。衝撃粒は、汚泥中の頑強な有機物質、細菌の細胞のような物質の化学的生物学的構造を瞬間的に破壊し又は分解する。
液を収容している容器の壁にぶつかって崩壊する衝撃的液流の中のキャビテーションの衝撃的破壊力は、その壁を壊食する程度に大きい。その容器中で生成される渦流の中で崩壊するキャビテーションの衝撃的破壊力は、壁にぶつかって崩壊するキャビテーションの衝撃力より小さいが、壁の破壊を招く難点がある。渦流の中心領域のキャビテーション(渦依存型:後掲特許文献2の段落0070参照)はそのスピン角運動量が大きく、その中心で崩壊するキャビテーションの破壊力は大きい。キャビテーションを壁にぶつけて衝撃力を発生させるよりも、渦流を発生させて渦流中心のキャビテーションを崩壊させることにより衝撃力を発生させることは実用的に得策である。
前述の特許文献の技術は、扁平な空間を有する箱にジェットノズルを介して流体を噴射させキャビテーションを発生させるものであるが、渦流発生条件は、既述の後掲特許文献で詳細に述べられているように、経験則的に且つ理論的に知られている。角運動量保存則により、通常、渦流は偶数個が発生する。偶数個の渦流は、発振的に生成する。偶数個の渦流内の崩壊の物理的作用効率は、単数の渦流内の崩壊の物理的作用効率より高いと考えられるが、複数の渦流は、逆共振により干渉して予測不可能に消滅する。このような渦流の予測不可能な消滅は、有機物質破壊による水質改善の信頼度の低下を招く。特許文献1の段落0033に記載される渦流発生条件(W/H>4)は、渦流を発生させずキャビテーション崩壊によるエロージョンを抑制するという観点で研究されてきた安全サイドの目安であり、渦流を積極的に発生させキャビテーション生成を促進して水質改質を良好にするという観点では、その条件は緩和される。
又、箱形式でないキャビテーションによる方法も提案されている。例えば後掲特許文献4に示された技術は、海洋や湖沼中に直接ノズルから水中に高速水噴流を噴出し浮遊有害微生物を除去するものである。しかし、キャビテーション効果は限定されたものであるので効率的とはいえない。液質改質の信頼度の劣化を抑制する更なる技術開発が求められる。
特許第3373444号公報 特開2000−563号公報 特開2003−135946号公報 特開2000−167592号公報
同一出願人の提案になる前述の技術は、水質を改質する点において、溶存酸素濃度を高めたり、又高濃度の懸濁物質を減らし、比較的大きなプランクトン類、アオコ等を細胞破壊する等の効果を有するものである。しかし、大腸菌等の殺菌効果については、なお改善の余地がある。本発明は、このような従来の問題点を克服するために開発されたもので、次の目的を達成する。本発明の目的は、殺菌能力を高め液質改質の信頼度の劣化を抑制する液質改質装置を提供することにある。
本発明は、前記目的を達成するために次の手段をとる。
本発明1の液質改質装置は、加圧された液体を噴射してキャビテーションを発生させ前記液体を改質するための液質改質装置であって、内部に3次元の扁平空間Vを形成する噴流生成箱と、前記噴流生成箱に設けられ前記扁平空間Vに前記液体を導入するノズルと、前記扁平空間Vの概ねの高さをHで、概ねの幅をWで、前記ノズル開口の有効直径をDで表したとき、前記キャビテーションの発生条件として、D<H、且つ2<W/H<4の関係にあることを特徴とする。
本発明2の液質改質装置は、本発明1において、前記ノズルは、ノズルの長さをLで、前記有効直径をDで表したとき、前記キャビテーションの発生条件として、L/D≧8の関係にあることを特徴とする。
本発明3の液質改質装置は、本発明1又は2において、前記キャビテーションにより発生する渦流数は奇数個であることを特徴とする。
本発明4の液質改質装置は、本発明3において、前記奇数個は1であることを特徴とする。
本発明5の液質改質装置は、本発明4において、前記奇数個の1は常態的に1であることを特徴とする。
本発明6の液質改質装置は、本発明1又は2において、前記扁平空間の略渦流中心に殺菌物質を導入するため、前記噴射発生箱の壁に導入口を設けたことを特徴とする。
本発明7の液質改質装置は、本発明6において、前記殺菌物質は、塩素、オゾン又は二酸化塩素の少なくとも一つであることを特徴とする。
本発明による液質改質装置は、基本的に内部に扁平空間(V)を形成する噴流発生箱(2)と、扁平空間(V)に液体(水流)を導入するノズル(3)とから形成されている。扁平空間(V)の有効幅はWで表わされ、扁平空間の有効高さはHで表され、ノズル(3)の開口(14)の有効直径はDで表される。渦流発生条件は、D<H、且つ、2<W/H<4で表現される。有効直径は、流体力学的には、四角形の大きさに還元される物理量であり、有効直径はノズルの開口(噴射開始開口端)が円形に限られることを意味しない。
条件:W/H<4は、噴流発生箱壁に対するキャビテーション・エロージョン効果を低減し、且つ、渦流発生を損なわない。条件2<W/Hは、1個の渦を常態的に保持する。渦中心で崩壊するキャビテーションは、それが持つ巨大な圧力・張力ポテンシャルを放射状に扁平空間の中に放出し、扁平空間内の有機物質と無機物質を破壊する。
条件:2<W/H<4は、奇数個の渦流を生成させるが、常態的に少なくとも1個の渦を生成する。渦の個数が常態的に1個に限られれば、液質改質の品質を均一化する。
本発明の効果をより高めるために、キャビテーションで発生する渦の中心に塩素やオゾンなどの殺菌効果のある物質を導入するとより好ましい。キャビテーションで大腸菌類などの塊をばらばらに分解し、殺菌効果のある物質を導入することによって塩素やオゾンなどで効率よく溶解し殺菌効果を高める。液質を改質する方法は、基本的に前述の構成になる扁平空間に液体を導入し、液体に奇数個のキャビテーション渦流を形成することにある。少なくとも1個の渦を常態的に発生させることにある。本発明のキャビテーション崩壊は、水を含めた液体の改質のために広く有効に利用される。
本発明の液質改質装置は、板面等のターゲットに衝突させることなくキャビテーション崩壊力を高める。大腸菌等に対し衝撃力を高めることができ、その結果、確実に殺菌できるようになり、殺菌能力の効果が増し、殺菌能力の確実性が増した。
本発明による液質改質装置の実施の形態を図にもとづき、詳細に説明する。液質改質装置1は、図1に示されるように、噴流を内部に生成し扁平形状を有する噴流生成箱2とノズル3とから構成されている。噴流生成箱2の内部には、キャビテーション発生部位4である噴流吐出穴6が設けられている。ノズル3はこの噴流吐出穴6に、液体を導入部5から噴出供給するものである。又、噴流生成箱2には、キャビテーション発生後の噴流を排出するための排出口7が設けられている。
又、図示していないが、高圧の噴流を供給する高圧液体供給装置が導入部5に接続されている。本実施の形態の噴流生成箱2は、液体である噴流液を強制的に流し込み、キャビテーションを発生させるものである。キャビテーションの破壊作用をその高分散率により有効化するものである。噴流液にキャビテーションを有効に発生させるための圧力は、高圧になる程好ましいが、実用的には0.3Mpaないし1Mpa程度が省エネルギーという観点からは好ましい。この噴流生成箱2を使用することで、細菌等の細胞破壊、細胞活性の無効化、溶存気体の分離、有害物質の無効化、乳化、攪拌等を効率的に行なうことができる。尚、本発明に関わる装置の基本思想は前述の特許文献に記載されているので詳細説明は省略する。
導入部5は、図1に示されるように、ボルト8により噴流生成箱2の1側面に固定されて取り付けられている。この導入部5は、中間部材9を介して噴流生成箱2に取り付けられ、ノズル3の形式を変えたときあるいはノズル3の出入り長さを変える必要があるときは、所望のものに交換できる構成になっている。導入部5と噴流生成箱2との間には、Oリング10が介設されている。
既述のキャビテーション発生部位4は、噴流吐出穴6として噴流生成箱2に形成されている。導入部5は、図に示されるように、噴流吐出穴6と通じていて、この噴流吐出穴6の中心線は噴流生成箱2の中心線CLに一致している。
噴流生成箱2の内部空間Vは、概ね扁平に形成され、直方体状空間に形状化されている。図3は、噴流生成箱2の内部空間Vを模式的に示した断面図で、図4はそのX−X断面図である。内部空間Vは、図に示されるように、その高さと幅が規定される。その高さはHで示され、その幅はWで示されている。又、噴流吐出穴6は、2段構成になっていて、吐出発生側の穴径がdで、噴流生成箱2側の穴径がDで、更に噴流吐出穴6の長さはLで示されている。この穴径dとD及び長さLとの関係は、噴流発生のための条件として概略次のような数値範囲が好ましい。D>d=3〜4,L/D≧8。噴流吐出穴6は、このような構成でキャビテーション発生用ノズル穴を形成している。
内部空間Vは、そのキャビテーション発生用ノズル穴と図に示される排出口7とにより局所的に開放されているが、高圧流体が導入される内部空間Vは実質的に閉じられた空間として理論的に取り扱われる。内部空間Vを形成する噴流生成箱2の6面の壁の内面は、幾何学的境界条件を規定している。次に、本発明の技術の理解を容易にするため、前述の特許文献に基づきキャビテーション発生条件を説明する。
キャビテーション発生条件は、液体が水(海水を含む)であれば、既述の特許文献で詳細に知られているように、下記式で与えられる。
L/D≧5・・・(1)
L:噴流吐出穴6の長さ
式(1)は、キャビテーションの発生を抑制するための研究過程で知られて来た関係であり、キャビテーションの発生を抑制するための下記式:
L/D≦5・・・(1’)
の逆関係として規定されている。キャビテーションを積極的に発生させるためには、下記式を充足することが好ましい。
L/D≧8・・・(2)
渦流発生条件は、既述の特許文献では、下記式となっている。これは前述の特許文献におけるキャビテーション発生条件である。
D<H、且つ、W/H>4・・・(3)
式(3)は、渦流をより積極的に生成させるための条件である。既述の特許文献は、式(3)が充足される場合に、渦流が複数化し、特に、2つの渦流が共振的に発生することを述べていない。共振的に発生する2つの渦流は、ダイナミックに変化する。複数渦流が発生する複雑系の計算は困難であり、共振条件が崩れ、逆共振し干渉して2つともに消滅することが気づかれていなかった。ノズルから噴出する液体は、軸流であり、角運動量は概ね零である。2つの渦流の角運動量の合計は、角運動量保存則により概ね零であり、2つの渦流(偶数個の渦流)はダイナミックに消滅し、2つの渦流はダイナミックに発生する。
この発生条件の理由は、高さHが大きいと、渦はそれが一旦発生しても持続せずすぐに破壊されて消滅する。角運動量を有する渦は、立体空間では安定せず平面内で安定する。このような渦の中心領域は、高さ方向に直交する平面内で概ね内部空間の全体で上下2面壁を除く4面壁に沿うように周回運動する。即ち、内部空間内の液体全体は、その一部が排出口から排出されながら、渦中心(渦流中心)の回転速度に比べてゆっくりした速度の角運動量を持つ。これに基づきキャビテーションを発生させる内部空間を概ね扁平形状としたのであり、WとHの比を前述のとおりとした。しかし、これでも問題がない訳ではなく、本発明は、これら従来の研究事項を踏まえて更に改良発展させたものである。
本発明は、渦流15の発生個数を奇数個特に1個に限定する。奇数個の渦流の内の2個が相殺消滅する場合に、1個の渦流は安定的に(常態的に)存在する。渦流の発生個数を奇数化する条件は、下記式で規定される。
W/H<4・・・(4)
特に、
D<H、且つ、2≦W/H≦4・・・(4’)
であることが好ましい。W/Hが2より小さい場合には、キャビテーション渦流が発生しにくく、且つ、その発生が不安定である。
図5は、単数渦流の発生を示した例である。図は模式的に表現した3次元の噴流生成箱2でのキャビテーション発生状態を示したものである。噴流吐出穴6の噴出開口6aから噴出する噴流の一部分は、噴流核11を噴出開口6aの前方近傍領域に生成する。説明の便宜のために、渦流15は静的に発生し、同じ位置で十分に長い期間で停止していることが仮定される。噴流は、噴出開口6aから特定方向に噴出される噴流束12の噴流束中心線13に示されるように、噴流核生成領域(X座標でXc)を越えて噴流の流れを形成し、渦流発生領域14で渦流になって特定回転方向(図では時計方向)に回転し始める。渦流15は、渦中心16に向かって螺旋状に吸い込まれる。渦流発生領域は、幅Wと高さHで規定される扁平な内部空間Vの前方領域である。
渦流線17の上の無数のキャビテーションは、それぞれに、有効質量Mjと有効回転半径Rjと有効回転速度Vjで表される局所的角運動量Pjを持つ。
Pj=Mj・Vj・Rj
ここで、jは渦流線17上で並ぶ有限個のキャビテーションの位置的順序数を示している。Pjは、j番目の気泡のスピン角運動量を示している。渦中心16の角運動量は最大である。渦流の全角運動量Jは、下記式で表される。
J=Σ[j=1〜n]Pj
ここで、{j=1〜n}はP1からPnまでの累積加算を示す。
単数個の渦流の発生の場合には、角運動量保存則により、−Jの角運動量が存在する。噴流生成箱2が地球に固定されている場合には、地球の回転が現れるか、目には見えない小さい反時計方向の多数の渦流又は大域的回転流が噴流生成箱2の中で発生している。大域的回転流は、扁平な箱の中で反時計方向に回転する渦を包む全体の回転として現れ、その全体の角運動量は−Jである。
渦中心16で極限的に角運動量が大きくなったキャビテーションは、その崩壊寿命がきて、衝撃的に破裂する。キャビテーションの崩壊に起因する衝撃力的波(衝撃波であるかどうかは不明)18が固体20に当たった時に示す衝撃力19は、汚泥、細胞を破壊するために十分である破壊力を示す。ここで、衝撃力的波18は粗密波の振幅が大きくその振幅は高密度に分布していることを意味する。
渦の数が奇数、特に1であれば、その渦は角運動量保存則により扁平空間の中で大域的に渦流15の回転方向と反対の方向に回転する。渦流15の及ぼす範囲が広まることになる。渦の大域的回転は扁平空間Vの中の水の撹拌作用を有し、浄化分布確率を扁平空間Vの中で分散的に均一化し、液質改質の信頼度の劣化を抑制する効果を高くする。又渦流15の持続性を高める。
前述の特許文献で示す従来の噴流生成箱は、W/H>4の条件で構成されているが、箱内に発振する渦が発生し、キャビテーションの衝撃力と渦のせん断力で殺菌等を行なうものである。しかし、この条件では左右に発振する渦となるため、例えば2つの渦が発生し、更に瞬間的に渦が消える場合があり、殺菌作用が安定しないのが問題点である。一般にキャビテーションは水中で自然消滅する場合よりも板面等のターゲットに衝突させて気泡を強制的に破壊する方が衝撃力が高まることが知られている。
しかし、この方法はキャビテーションの衝撃力でターゲットも破壊される問題点がある。このため同一出願人は前述の構成になる扁平形状の箱をベースとした装置で、この問題点を解消する技術を提案したものであるが、特に殺菌効果を高める点においてはまだ不十分である。本発明は、これらの問題点を解消するため更に改善を加えたものである。噴流生成箱2を2<W/H<4の条件の構成にすることで、噴流生成箱2内のキャビテーションにより発生した気泡は、渦(渦流)により渦(渦流)の中心部方向に巻き込まれ、渦の中心部付近で強制的に破壊される。このキャビテーション構成は、ターゲットに衝突させることなく効率よく衝撃力を高めることになる。
図6は、他の実施の形態を示すもので、噴流生成箱2の渦中心部又は渦中心部近傍に位置する部位の箱壁、即ち箱壁の略中央部に、殺菌物質を導入するための導入口30を設けた例である。導入口30を渦中心16部に一致して合わせるのが理想的ではあるが、噴流束中心線13は、流れの過程で絶えず振られる状態で動いているので、一致させることはできない。従って、平均的な渦の中心の位置となる略中央部に導入口30を設けるのが好ましい。
図に示すように、この導入口30は軸中心線CL方向の中間位置に設けたが、この導入口の位置を理論的に数値計算で特定するのは難しく、実験的に確認して設定するのがよい。塩素、オゾン、二酸化塩素等の殺菌物質をこの導入口から扁平空間の渦中心(渦流中心)に向けて供給する。渦の中心部は最もキャビテーションの衝撃力の強い部位なので、より殺菌効果を高めることができる。後述する実施例においては、その効果を反映している。以上、本発明の実施の形態について説明したが、本発明は、これに限定されないことはいうまでもない。
噴流発生箱の条件を変え、3つの条件例の場合の比較試験結果を示す。
試験対象水:佐賀シティホテル(佐賀県佐賀市)のシャワー
試験条件 :ポンプ吐出圧力:2MPa
ポンプ吐出流量:50L/分
試験水水量:550L(11分で1循環)
大腸菌群数(個/cm
W/H=4.5の場合を「A」とし、W/H=3の場合を「B」とし、
W/H=3の場合でかつ渦中心部に次亜塩素を投入した場合を「C」とする。
Figure 2005246245
結果、W/H>4である「A」よりW/H<4である「B」、「C」の方が効果的であることを実証した。特に「C」の場合が短時間で大腸菌群数が減り、最も効果的である結果を示している。
図1は、液質改質装置の平面図である。 図2は、液質改質装置の正面断面図である。 図3は、模式的に示した液質改質装置の側面断面図である。 図4は、図3のX−X断面図である。 図5は、模式的にキャビテーションの渦流を示した説明図である。 図6は、殺菌物質導入口を設けた他の実施の形態を示す正面断面図である。
符号の説明
2…噴流生成箱
3…ノズル
6…噴流吐出穴
V…扁平空間
D…ノズルの有効直径
L…ノズルの長さ
H…高さ
W…幅
30…導入口

Claims (7)

  1. 加圧された液体を噴射してキャビテーションを発生させ前記液体を改質するための液質改質装置であって、
    内部に3次元の扁平空間Vを形成する噴流生成箱と、
    前記噴流生成箱に設けられ前記扁平空間Vに前記液体を導入するノズルと、
    前記扁平空間Vの概ねの高さをHで、概ねの幅をWで、前記ノズル開口の有効直径をDで表したとき、前記キャビテーションの発生条件として、D<H、且つ2<W/H<4の関係にある
    ことを特徴とする液質改質装置。
  2. 請求項1に記載の液質改質装置において、
    前記ノズルは、前記ノズルの長さをLで、前記有効直径をDで表したとき、前記キャビテーションの発生条件として、L/D≧8の関係にある
    ことを特徴とする液質改質装置。
  3. 請求項1又は2に記載の液質改質装置において、
    前記キャビテーションにより発生する渦流数は奇数個である
    ことを特徴とする液質改質装置。
  4. 請求項1又は2に記載の液質改質装置において、
    前記奇数個は1である
    ことを特徴とする液質改質装置。
  5. 請求項4に記載の液質改質装置において、
    前記奇数個の1は常態的に1である
    ことを特徴とする液質改質装置。
  6. 請求項1又は2に記載の液質改質装置において、
    前記扁平空間の略渦流中心に殺菌物質を導入するため、前記噴射発生箱の壁に導入口を設けた
    ことを特徴とする液質改質装置。
  7. 請求項6に記載の液質改質装置において、
    前記殺菌物質は、塩素、オゾン又は二酸化塩素の少なくとも一つである
    ことを特徴とする液質改質装置。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2010188315A (ja) * 2009-02-20 2010-09-02 Nishi Nippon Gijutsu Kaihatsu Kk 有機汚濁物または毒性物質を含む原水の処理方法および設備

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