JP2005246181A - Ti−C系材料、その製造方法、光触媒、電気化学光電池 - Google Patents

Ti−C系材料、その製造方法、光触媒、電気化学光電池 Download PDF

Info

Publication number
JP2005246181A
JP2005246181A JP2004058278A JP2004058278A JP2005246181A JP 2005246181 A JP2005246181 A JP 2005246181A JP 2004058278 A JP2004058278 A JP 2004058278A JP 2004058278 A JP2004058278 A JP 2004058278A JP 2005246181 A JP2005246181 A JP 2005246181A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
carbon
material according
bamboo
photocatalyst
producing
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Granted
Application number
JP2004058278A
Other languages
English (en)
Other versions
JP4409315B2 (ja
Inventor
Masayuki Kawaguchi
雅之 川口
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Japan Science and Technology Agency
Original Assignee
Japan Science and Technology Agency
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Japan Science and Technology Agency filed Critical Japan Science and Technology Agency
Priority to JP2004058278A priority Critical patent/JP4409315B2/ja
Publication of JP2005246181A publication Critical patent/JP2005246181A/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP4409315B2 publication Critical patent/JP4409315B2/ja
Anticipated expiration legal-status Critical
Expired - Fee Related legal-status Critical Current

Links

Images

Classifications

    • YGENERAL TAGGING OF NEW TECHNOLOGICAL DEVELOPMENTS; GENERAL TAGGING OF CROSS-SECTIONAL TECHNOLOGIES SPANNING OVER SEVERAL SECTIONS OF THE IPC; TECHNICAL SUBJECTS COVERED BY FORMER USPC CROSS-REFERENCE ART COLLECTIONS [XRACs] AND DIGESTS
    • Y02TECHNOLOGIES OR APPLICATIONS FOR MITIGATION OR ADAPTATION AGAINST CLIMATE CHANGE
    • Y02EREDUCTION OF GREENHOUSE GAS [GHG] EMISSIONS, RELATED TO ENERGY GENERATION, TRANSMISSION OR DISTRIBUTION
    • Y02E10/00Energy generation through renewable energy sources
    • Y02E10/50Photovoltaic [PV] energy
    • Y02E10/542Dye sensitized solar cells
    • YGENERAL TAGGING OF NEW TECHNOLOGICAL DEVELOPMENTS; GENERAL TAGGING OF CROSS-SECTIONAL TECHNOLOGIES SPANNING OVER SEVERAL SECTIONS OF THE IPC; TECHNICAL SUBJECTS COVERED BY FORMER USPC CROSS-REFERENCE ART COLLECTIONS [XRACs] AND DIGESTS
    • Y02TECHNOLOGIES OR APPLICATIONS FOR MITIGATION OR ADAPTATION AGAINST CLIMATE CHANGE
    • Y02PCLIMATE CHANGE MITIGATION TECHNOLOGIES IN THE PRODUCTION OR PROCESSING OF GOODS
    • Y02P70/00Climate change mitigation technologies in the production process for final industrial or consumer products
    • Y02P70/50Manufacturing or production processes characterised by the final manufactured product

Landscapes

  • Photovoltaic Devices (AREA)
  • Hybrid Cells (AREA)
  • Hydrogen, Water And Hydrids (AREA)
  • Carbon And Carbon Compounds (AREA)
  • Catalysts (AREA)
  • Electrodes For Compound Or Non-Metal Manufacture (AREA)

Abstract

【課題】光照射による、水素や酸素の発生量を向上できるTi−C系材料、その製造方法、光触媒、および電気化学光電池を実現する。
【解決手段】竹を、四塩化チタンの存在下にて加熱して炭化することにより得られたものであり、炭素体と、上記炭素体に含有されたTiC系化合物とを備えている。TiC系化合物の含有は、得られたTi−C系材料のX線回折法による、2θ=36.2°、42.3°、および61.6°の回折線ピークがTiCにおける(111)、(200)、および(220)に対応することにより確認された。
【選択図】図1

Description

本発明は、メタノールといった炭化水素や水に対する光照射により、水素や酸素の生成効率を改善できるTi−C系材料、その製造方法、光触媒、電気化学光電池(燃料電池)に関するものである。
クリーンエネルギーである燃料電池等に用いられる水素を発生させる方法の中で電気化学的に水を分解する方法がある。さらに、酸化チタン(TiO2)のような半導体電極を光触媒として用いれば、紫外線照射によりほとんど電圧を印加しなくても水分解が可能であることが本田・藤嶋により報告されている(非特許文献1)。このような半導体電極を用いた燃料電池のシステムは電気化学光電池と呼ばれる。
また、このような半導体電極の材料は、大気中や水中の有害物質である有機化合物を太陽光で分解する光触媒としての特性を有することが知られている(非特許文献2)。
A.Fujishima and K.Honda, Nature 238, p37(1972) 「光触媒」窪川、本田、斉藤 共編、朝倉書店(1998) S.Sakthivel and H.Kisch, Angew.Chem.Int.Ed., 42, p4908(2003)
上記電気化学光電池の代表例は酸化チタン(TiO2)の半導体電極を用いたものであるが、図10に示すように、酸化チタンのバンドギャップが大きく、紫外光で励起しなければ水分解の効果が現れないという問題点を有している。
また、酸化チタンではキャリヤー濃度が小さいため、電気伝導度が小さく光電流を大きく取れず、水分解の効率を大きくできないという問題点もあった。
このため、酸化チタンに炭素や窒素を固溶させることによってバンドギャップをコントロールすることが検討されている(非特許文献3)。その結果、可視光で電子励起される材料は報告されているが、光電流値の大きい、すなわち水素発生能の高い材料は未だ知られていない。
また、この効果の大きい材料は大気中・水中の有害物質である有機物を分解する光触媒としての機能も高いと考えられ多くの研究例(非特許文献3)があるが、より光触媒能力の高い材料が要望されている。
本発明は、上記の問題点に鑑みてなされたものであり、その目的は、光触媒能力を改善できるTi−C系材料、その製造方法、光触媒、電気化学光電池を、比較的安価な竹や木のような炭素前駆体とチタン化合物を原料としたTi−C系材料により実現することにある。
本発明に係るTi−C系材料は、上記課題を解決するために、炭素体と、上記炭素体に含有されたTiC系化合物とを備えていることを特徴としている。上記Ti−C系材料では、前記炭素体は、多孔質体であってもよい。
上記構成によれば、炭素体に含有されたTiC系化合物によって、光触媒能を向上、つまり光(特に可視光)の照射により水やメタノール等を還元・酸化して水素や酸素の生成能を改善できるから、電気化学光電池における水素等の燃料剤や、酸素等の酸化剤の生成に好適である。
また、上記構成は、光触媒能に優れるので、例えば環境汚染物質といわれる、エストロゲン様物質といったホルモン様物質や、シックハウス症候群の原因と考えられているホルムアルデヒド等の有機物の分解浄化にも好適に使用できる。
上記Ti−C系材料においては、前記炭素体の表面部位に、Ti−O結合をさらに含有することが好ましい。上記構成によれば、Ti−O結合をさらに含有することで、光触媒能をより確実に向上できる。
上記Ti−C系材料では、前記炭素体は、アモルファスカーボンであってもよい。上記構成によれば、炭素体がアモルファスカーボンであることにより、電気伝導度を高めることができて、電気化学電池の電極として好適に使用できる。
上記Ti−C系材料においては、竹を、四塩化チタンの存在下にて加熱して炭化することにより得られたものであってもよい。上記構成によれば、竹を用いて得られるものであるから、廃材の竹を利用できて、コストダウンできる。
本発明に係るTi−C系材料の製造方法は、前記課題を解決するために、炭素前駆体に対し、チタン化合物を接触させながら、上記炭素前躯体を加熱して炭素体とすることを特徴としている。
上記方法によれば、チタン化合物を接触させながら、炭素前躯体を加熱して炭素体を得ることにより、TiC系化合物を含有した炭素体であるTi−C系材料に対して、優れた光触媒能を付与できる。
上記製造方法では、不活性ガスの存在下にて、前記炭素前躯体を加熱することが望ましい。上記製造方法においては、前記不活性ガスは、窒素ガスであってもよい。上記方法によれば、窒素ガスといった不活性ガスの存在下にて炭素前躯体を加熱して炭素体を得ることで、上記炭素体をより確実に得ることができる。
上記製造方法では、前記チタン化合物を、蒸気又は液体の状態にて用いることが好ましい。上記製造方法においては、前記チタン化合物は、四塩化チタンであってもよい。
上記方法によれば、四塩化チタンといった、室温から100℃までの温度で、反応に好適な蒸気圧を得ることができて、チタン化合物を、蒸気の状態にて反応に用いることができる。
よって、上記方法は、チタン化合物と炭素前駆体との接触を、上記チタン化合物が蒸気状態となっていることによって、より均一化できて確実化できることから、得られた炭素体に対するTiC系化合物の含有を安定化できる。
上記製造方法では、前記炭素前躯体は、炭素と酸素とを含むものが好ましく、例えば、セルロースを含む植物由来の、例えば竹であってもよい。上記方法によれば、炭素と酸素とを含む炭素前駆体、例えば竹といったセルロースを含む植物由来の炭素前駆体を用いることにより、炭素体に、特に炭素体の表面部位に、Ti−O結合をさらに含有させることができて、Ti−O結合の含有により光触媒能をより確実に向上できる。
本発明に係る電気化学光電池は、前記課題を解決するために、上記の何れかに記載の光触媒を燃料剤、例えば水素ガスの発生に用いたことを特徴としている。
本発明に係る他の電気化学光電池は、前記課題を解決するために、上記の何れかに記載の光触媒を酸化剤、例えば酸素ガスの発生に用いたことを特徴としている。
本発明に係るTi−C系材料は、以上のように、炭素体と、上記炭素体に含有されたTiC系化合物とを備えているので、上記炭素体に含有されたTiC系化合物により光触媒能を向上、つまり光(特に可視光)の照射により水やメタノール等を還元・酸化して水素や酸素の生成能を改善できるから、電気化学光電池にて光触媒として用いることで、上記電気化学光電池での水素等の燃料剤や、酸素等の酸化剤の生成に好適であるという効果を奏する。
本発明に係るTi−C系材料の一実施形態について図1ないし図9に基づいて説明すると以下の通りである。
本発明に係るTi−C系材料は、炭素体と、上記炭素体に含有されたTiC系化合物とを備えている。本発明者は大きな比表面積を有し、導電性を有する竹炭に注目し、竹や木のような炭素前駆体と四塩化チタンのようなチタン化合物を反応させることによって、前駆体の特徴(大きな比表面積)を有し、Tiと炭素と酸素からなる材料を作製し、これを電気化学光電池に応用した。この技術的背景として、本発明者は炭素材料の原料にもなるポリアクリロニトリルと三塩化ホウ素を反応させることでB−C−N系材料の合成について以前報告(M.Kawaguchi, and T.Kawashima, Chem.Commun., 1993, 1133-1134)しており、本発明ではこれを応用したものであり、原料となる竹と四塩化チタンを反応させることで、本発明に係る、新規なTi−C系材料を得ることに成功した。
上記Ti−C系材料のバルクは、多孔質(比表面積が1000m2/g以上)のアモルファスカーボン(炭素体)とTiCの複合体であり、その表面部位にはさらにTiO2が複合(TiO2に炭素が固溶している可能性あり)していることが好ましい。本発明者は、上記Ti−C系材料を電極に用いて電気化学特性について調べ、TiO2や竹炭(炭素体)だけより、光(特に可視光)の照射による光電流がさらに大きくなる、すなわち水素発生量が増加することを確認した。
Ti−C材料の作製は以下のように行った。まず、C、O、Hを含むセルロースを構造主成分とする、植物由来である竹(炭素前躯体)の小片を石英反応管内に載置する一方、四塩化チタン液中に窒素ガスをバブリングすることで、四塩化チタンの蒸気を上記窒素ガスにて室温の上記石英反応管内に導入する。このとき、竹の小片は、電気化学光電池に用いる電極構造となるように成形しておいてもよい。また、上記窒素ガス中の四塩化チタンの蒸気圧(つまり、濃度)を制御するために、前記四塩化チタン液の温度を制御、例えば40℃程度に加温してもよい。
その後、四塩化チタンの蒸気を石英反応管内に窒素ガスをキャリアガスとして導入しながら、上記石英反応管内を1000℃まで昇温し、その状態を1時間保持して反応を続けた。その後、窒素ガスだけを流し室温まで上記石英反応管内を冷却し、反応後の小片を試料のTi−C材料(光触媒)として取り出した。
なお、上記作製では、炭素前躯体として、竹を用いたが、CとOとを含有し、かつ酸素欠乏状態下での加熱により、多孔質の炭素体となるものであればよく、より好ましくはC、H、Oを含むセルロースといった細胞壁が互いに密に隣接して構造体を形成している細胞壁構造(セル構造)を備えた、植物由来の木部、例えば、松やヒノキといった材木やその廃材であってもよい。
また、四塩化チタンに代えて、室温から炭化するための昇温温度までで、反応を進行させる蒸気圧となるチタン化合物を用いることができて、例えば四臭化チタンを用いることができる。また、四塩化チタン等のチタン化合物を、蒸気の状態以外では、液体の状態で炭素前躯体に接触させて反応させてもよい。
さらに、昇温の最高温度についても、前記の1000℃に限定されるものではなく、反応を進行させ、かつ、炭素前躯体を炭化できる温度であればよく、その最高温度の下限値としては500℃、より好ましくは700℃であり、その最高温度の上限値としては1200℃、より望ましくは1100℃である。
次に、得られたTi−C材料の光電気化学特性評価について説明する。まず、得られたTi−C材料を作用電極とし、対極には白金を用い、参照極には飽和カロメル電極を用い、電流-電圧測定を行った。この際、電解液に0.5M硫酸水溶液あるいは20wt%メタノール水溶液を用い、作用電極と対極との間に印加される走査電圧は−2.0V〜+2
.0Vの範囲内とした。光照射用光源として、500Wハロゲンランプ(ピーク波長:1
200nm)を用いた。上記ハロゲンランプは、紫外線領域の波長の光を殆ど含まず、可視光領域から赤外領域の光が主に発光するものである。
続いて、得られた結果について説明する。竹と四塩化チタンを反応させて作製したTi−C材料は、X線回折結果から、バルクがアモルファス(非晶質)カーボンとTiCの複
合体であり、その複合体の表面には、ESCA(Ti2p)スペクトルの測定結果に基づきTi−O結合が存在することが判明した。ESCAとは、化学分析用電子分光のことであり、Electron Spectroscopy for Chemical Analysisの略称である。
図1に、上記Ti−C材料のX線回折結果を示す。図1に示す、2θ=36.2°、42.3°
、および61.6°の各回折線ピークは、表1に示すように、それぞれTiCにおける(111)、(200)、および(220)に対応し、その他のブロードな回折線は非晶質カーボンに起因するものである。参考のため、竹を熱処理して得られた材料は非晶質カーボンであることがX線回折の結果よりわかった(図2)。
Figure 2005246181
表1に記載のTiCに関するX線回折の結果は、Cu−Kα線を用いて測定された結果
であり、JCPDS(Joint Committee on Powder Diffraction Standards)カードに掲載されているものである。
また、図3に、上記Ti−C材料のESCA(Ti2p)スペクトルを示す。上記スペクトルのピーク位置(458.8eV)は、TiCに帰属される454.8eVとは異なり、TiO2の459.7eVに近いことから、上述したように、上記Ti−C材料の表面にはTi−O結合、あるいはTi−O結合とTi−C結合との混成した結合が形成されていることがわかる。よって、上記Ti−C材料は、Ti−C−O材料とも言える。
図4は、Ti−C材料を電極に用い、電解液としての0.5M硫酸水溶液中で光電気化学特性を調べた結果を示す。光照射なしの結果が実線で、光照射時の結果が破線で表しており、何本も重なっているのは電位を何回も走査した結果である。また、図5に竹炭を電極に用いた場合、図6に酸化チタン(アナターゼ型)を電極に用い、図4と同条件で光電気化学特性を調べた結果を比較のために示す。図4では、Ti−C材料に対し、光(特に可視光)を照射した時に電流量の増加が観察された。これに対し、図5(竹炭)や図6(酸化チタン)では光照射による電流量の増加は観察されず、−0.3Vにおける値は電流
密度で−20mA/cm2(図5:竹炭)と、−1mA/cm2(図6:酸化チタン)と比較的小さかった。これに対し、Ti−C材料(図4)の場合については−100mA/cm2〜−150mA/cm2と5倍以上大きかった。飽和カロメル参照電極基準で−0.3V付近の電流密度は、水素(陰極で生成:H++e-→(1/2)H2)の発生量に
相当する。
また、貴な電位(+1V)つまり対極の白金電極でも電流量の増加が観察されることから酸素発生(陽極:2H2O→O2+4H++4e-)の量も多いことがわかる。つまり、本発明のTi−C材料は、燃料剤としての水素ガスの発生だけではなく、酸化剤としての酸素ガスの発生にも有用なものであることがわかる。
これらの電流密度が大きいことは、電気化学光電池としての燃料剤である水素ガスや、酸化剤である酸素ガスの発生効率の性能が高いと言うことになる。本発明のTi−C材料にて電流密度が増加したのは、光照射時の励起電子および正孔が多数発生し、これによって水の電気分解反応が促進されたためと考えられる。
次に、図7にTi−C材料を電極に用い、20wt%メタノール水溶液中で光電気化学特性を調べた結果を示す。その特性の測定には、電解液として20wt%メタノール水溶液、参照電極として飽和カロメル電極、光照射用光源として500Wハロゲンランプを用いた。光照射なしの結果が実線で、光照射時の結果が破線で表しており、実線や破線が何本も重なっているのは電位を繰り返しも走査した結果である。
また、図8に竹炭を電極に用いた場合、図9に酸化チタン(アナターゼ型)を電極に用い、図7と同条件で光電気化学特性を調べた結果を比較のために示す。図7では、本発明に係るTi−C材料に光照射した時に電流量の増加が観察された。図8(竹炭)でも、図9(酸化チタン)でも同様に光照射により電流量の増加が観察されたが、+2Vあるいは−2Vにおける電流密度は0.1〜0.3mA/cm2と小さかった。これに対し、Ti−C材料(図7)については1.5mA/cm2と5倍から10倍と大きく、サイクル数によってほとんど変化しないのが特徴である。
電流密度は、メタノールの分解(陽極側の例:CH3OH+H2O→CO2+6H++6e-、陰極側:H++e-→(1/2)H2)に対応し、これが大きいほど光触媒能が高いと言うことになる。三元系Ti−C材料で電流密度が増加したのは、光照射時の励起電子および正孔が多数発生し、これによってメタノールの分解反応が促進されたためと考えられる。また、酸化電流側および還元電流側の両方に光電極効果が認められたことから、Ti−C材料の電極反応において、電子および正孔のどちらも関与していると考えられる。
このようにTi−C系材料が有機化合物であるメタノールの分解に対して優れた光電気化学特性を示したことから、この材料が、電気化学光電池の燃料剤や酸化剤の発生に用いる光触媒としてだけではなく。大気中や水中における環境汚染物質である環境ホルモンやトリハロメタンを太陽光で分解する光触媒としての優れた特性を示すことがわかる。
本発明の効果としては、今回得られたTi−C系材料は、上述したように、光電気化学特性でその電流密度が竹炭やTiO2に比べ、水分解の場合で5倍以上、メタノール分解の場合で5倍から10倍と大きく、燃料電池の原料となる水素ガスや酸素ガスの発生を効率よく行えることから、電気化学光電池への使用に対して大変優れていると言える。
竹は割り箸などで日常的に使用されており、原料としてはほとんど無償で入手でき、リサイクルにもなり、コスト面で大変有利である。四塩化チタンとの反応についても簡便であり、製造上の利点がある。
さらに、形状加工性に優れた竹をあらかじめ電極の形状に加工しておけば、四塩化チタンとの反応後そのままの形で電極として使用できるので、加工が容易であり、これも製造上の利点であるとともに使用上も取り扱いやすい。竹の代わりに木(割り箸)を使用しても同様の結果が得られるので、この場合も竹と同様、使用上、製造上、コスト面で優れている。
本発明に係るTi−C系材料は、炭素体と、上記炭素体に含有されたTiC系化合物とを備えていることで、光触媒能を向上でき、電気化学光電池に適用することによって、燃料電池や環境浄化の用途にも適用できる。
本発明に係る一実施形態のTi−C材料のX線回折結果を示すグラフである。 竹のみを1000℃で熱処理して得た竹炭のX線回折結果を比較として示すグラフである。 上記Ti−C材料のESCAでのTi2pスペクトルを示すグラフである。 竹と四塩化チタンを1000℃で反応させて得た本発明の一実施形態に係るTi−C材料の光電気化学特性(電解液:0.5M硫酸水溶液)を示すグラフである。 竹のみを1000℃で熱処理して得た竹炭の光電気化学特性(電解液:0.5M硫酸水溶液)を比較として示したグラフである。 比較のために、酸化チタン(アナターゼ型)のみの光電気化学特性(電解液:0.5M硫酸水溶液)を示したグラフである。 本発明に係る一実施形態のTi−C材料の光電気化学特性(電解液:20wt%メタノール水溶液)を示したグラフである。 図7のTi−C材料との比較として、竹を1000℃で熱処理して得た竹炭の光電気化学特性(電解液:20wt%メタノール水溶液)を示したグラフである。 図7のTi−C材料との比較のために、酸化チタン(アナターゼ型)の光電気化学特性(電解液:20wt%メタノール水溶液)を示したグラフである。 従来の主な各半導体のバンド構造を参考として示すグラフである。

Claims (16)

  1. 炭素体と、上記炭素体に含有されたTiC系化合物とを備えていることを特徴とするTi−C系材料。
  2. 前記炭素体は、多孔質体であることを特徴とする請求項1記載のTi−C系材料。
  3. 前記炭素体の表面部位に、Ti−O結合をさらに含有することを特徴とする請求項1または2記載のTi−C系材料。
  4. 前記炭素体は、アモルファスカーボンであることを特徴とする請求項1ないし3の何れか1項に記載のTi−C系材料。
  5. 竹を、四塩化チタンの存在下にて加熱して炭化することにより得られたものであることを特徴とする請求項1ないし4の何れか1項に記載のTi−C系材料。
  6. 炭素前駆体に対し、チタン化合物を接触させながら、上記炭素前躯体を加熱して炭素体とすることを特徴とするTi−C系材料の製造方法。
  7. 不活性ガスの存在下にて、前記炭素前躯体を加熱することを特徴とする請求項6記載のTi−C系材料の製造方法。
  8. 前記不活性ガスは、窒素ガスであることを特徴とする請求項6または7記載のTi−C系材料の製造方法。
  9. 前記チタン化合物を、蒸気又は液体の状態にて用いることを特徴とする請求項6ないし8の何れか1項に記載のTi−C系材料の製造方法。
  10. 前記チタン化合物は、四塩化チタンであることを特徴とする請求項6ないし9の何れか1項に記載のTi−C系材料の製造方法。
  11. 前記炭素前躯体は、炭素と酸素とを含むものであることを特徴とする請求項6ないし10の何れか1項に記載のTi−C系材料の製造方法。
  12. 前記炭素前躯体は、セルロースを含むものであることを特徴とする請求項6ないし11の何れか1項に記載のTi−C系材料の製造方法。
  13. 前記炭素前躯体は、竹であることを特徴とする請求項6ないし12の何れか1項に記載のTi−C系材料の製造方法。
  14. 請求項1ないし5の何れか1項に記載のTi−C系材料を有することを特徴とする光触媒。
  15. 請求項14に記載の光触媒を燃料剤の発生に用いたことを特徴とする電気化学光電池。
  16. 請求項14に記載の光触媒を酸化剤の発生に用いたことを特徴とする電気化学光電池。

JP2004058278A 2004-03-02 2004-03-02 電気化学光電池 Expired - Fee Related JP4409315B2 (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2004058278A JP4409315B2 (ja) 2004-03-02 2004-03-02 電気化学光電池

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2004058278A JP4409315B2 (ja) 2004-03-02 2004-03-02 電気化学光電池

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JP2005246181A true JP2005246181A (ja) 2005-09-15
JP4409315B2 JP4409315B2 (ja) 2010-02-03

Family

ID=35027182

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2004058278A Expired - Fee Related JP4409315B2 (ja) 2004-03-02 2004-03-02 電気化学光電池

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP4409315B2 (ja)

Cited By (7)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2006240333A (ja) * 2005-02-28 2006-09-14 Central Res Inst Of Electric Power Ind ロケット部品
CN101792140A (zh) * 2010-03-13 2010-08-04 浙江大学 碳化钛微粉及其制备方法
WO2015005011A1 (ja) * 2013-07-12 2015-01-15 昭和電工株式会社 酸素還元触媒、その用途およびその製造方法
WO2015005309A1 (ja) * 2013-07-12 2015-01-15 昭和電工株式会社 酸素還元触媒およびその用途
CN109881211A (zh) * 2019-04-11 2019-06-14 北京理工大学 一种电催化还原co2的电极制备方法
CN110064424A (zh) * 2019-04-11 2019-07-30 中国计量大学 一种卤氧化铋/碳化钛光催化复合材料及其制备方法
CN110075890A (zh) * 2019-06-06 2019-08-02 辽宁大学 一种双金属层状氢氧化物螯合Ti3C2复合物及其制备方法和应用

Cited By (11)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2006240333A (ja) * 2005-02-28 2006-09-14 Central Res Inst Of Electric Power Ind ロケット部品
CN101792140A (zh) * 2010-03-13 2010-08-04 浙江大学 碳化钛微粉及其制备方法
WO2015005011A1 (ja) * 2013-07-12 2015-01-15 昭和電工株式会社 酸素還元触媒、その用途およびその製造方法
WO2015005309A1 (ja) * 2013-07-12 2015-01-15 昭和電工株式会社 酸素還元触媒およびその用途
JP5706596B1 (ja) * 2013-07-12 2015-04-22 昭和電工株式会社 酸素還元触媒およびその用途
JP5706595B1 (ja) * 2013-07-12 2015-04-22 昭和電工株式会社 酸素還元触媒、その用途およびその製造方法
US9660272B2 (en) 2013-07-12 2017-05-23 Showa Denko K.K. Oxygen reduction catalyst and use thereof
US10230114B2 (en) 2013-07-12 2019-03-12 Showa Denko K.K. Oxygen reduction catalyst, uses thereof and production process therefor
CN109881211A (zh) * 2019-04-11 2019-06-14 北京理工大学 一种电催化还原co2的电极制备方法
CN110064424A (zh) * 2019-04-11 2019-07-30 中国计量大学 一种卤氧化铋/碳化钛光催化复合材料及其制备方法
CN110075890A (zh) * 2019-06-06 2019-08-02 辽宁大学 一种双金属层状氢氧化物螯合Ti3C2复合物及其制备方法和应用

Also Published As

Publication number Publication date
JP4409315B2 (ja) 2010-02-03

Similar Documents

Publication Publication Date Title
Hu et al. Improved photoelectrochemical performance of Ti-doped α-Fe 2 O 3 thin films by surface modification with fluoride
Alonso-Lemus et al. Novel self-nitrogen-doped porous carbon from waste leather as highly active metal-free electrocatalyst for the ORR
Wang et al. p–n Heterojunction photoelectrodes composed of Cu 2 O-loaded TiO 2 nanotube arrays with enhanced photoelectrochemical and photoelectrocatalytic activities
Xu et al. Enhanced carbon doping of n-TiO2 thin films for photoelectrochemical water splitting
CN109569684B (zh) 等离子体改性金属氧化物和g-氮化碳共修饰二氧化钛纳米棒复合光催化剂及其制备和应用
Yadav et al. Functionalized graphene quantum dots as efficient visible‐light photocatalysts for selective solar fuel production from CO2
Tahir Binary Ni2P/Ti3C2 multilayer cocatalyst anchored TiO2 nanocomposite with etchant/oxidation grown TiO2 NPs for enhancing photocatalytic H2 production
Chen et al. N-doped TiO2 photocatalyst coatings synthesized by a cold atmospheric plasma
Li et al. The photoelectric catalytic reduction of CO 2 to methanol on CdSeTe NSs/TiO 2 NTs
Pei et al. Glycerol oxidation-assisted electrochemical CO 2 reduction for the dual production of formate
JP4997454B2 (ja) 半導体電極とそれを用いたエネルギ変換システム
Xing et al. Interfacial oxygen vacancy layer of a Z-scheme BCN–TiO 2 heterostructure accelerating charge carrier transfer for visible light photocatalytic H 2 evolution
Ratnawati et al. Effect of NaBF4 addition on the anodic synthesis of TiO2 nanotube arrays photocatalyst for production of hydrogen from glycerolewater solution
Estahbanati et al. Current developments and future trends in photocatalytic glycerol valorization: process analysis
Subramanian et al. TiO2 nanotubes and its composites: Photocatalytic and other photo-driven applications
JP4409315B2 (ja) 電気化学光電池
CN112619647A (zh) Co-MOF衍生的四氧化三钴复合二氧化钛异质结的制备方法及电解水应用
Xu et al. Single-Crystal Integrated Photoanodes Based on 4 H-SiC Nanohole Arrays for Boosting Photoelectrochemical Water Splitting Activity
Wang et al. Sustainable photoanodes for water oxidation reactions: from metal-based to metal-free materials
CN113089015A (zh) 一种氮掺杂的碳量子点及其制备方法,以及还原氧化石墨烯及其制备方法和应用
CN115624964B (zh) 一种具有蕨草状分级结构的Bi2O3-碳纸柔性复合光催化剂的制备方法
Li et al. Hydrogen production by photoelectrochemically splitting solutions of formic acid
CN112921339B (zh) 碳掺杂铜纳米氧化物自支撑电极、其制备方法及其催化分解水的方法
CN106757123B (zh) 一种联吡啶-钴修饰的wo3纳米片光电极的制备方法
Aprizal et al. Tandem system of dyes sensitized solar cell and photo electro-chemical (DSSC-PEC): Investigation of TiO2-nanotube/BiOI as dark cathode for conversion of nitrogen to ammonia

Legal Events

Date Code Title Description
A621 Written request for application examination

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621

Effective date: 20070125

RD02 Notification of acceptance of power of attorney

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A7422

Effective date: 20070125

A977 Report on retrieval

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A971007

Effective date: 20090723

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20090728

A521 Request for written amendment filed

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20090914

TRDD Decision of grant or rejection written
A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

Effective date: 20091110

A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

A61 First payment of annual fees (during grant procedure)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61

Effective date: 20091111

R150 Certificate of patent or registration of utility model

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20121120

Year of fee payment: 3

LAPS Cancellation because of no payment of annual fees