JP2005244097A - スピンフィルタおよびスピン状態分離方法 - Google Patents

スピンフィルタおよびスピン状態分離方法 Download PDF

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Abstract

【課題】半導体中を伝搬するキャリアが有する異なるスピン状態を分離するのに充分なスピンの偏向角度を得ることができるスピンフィルタおよびスピン状態分離方法を提供する。
【解決手段】キャリアの一つの空間次元方向に対する可動領域が他の二つの空間次元方向に対する可動領域に比べて無視できる程度に小さい二次元的な領域にキャリアが閉じ込められて成る半導体チャネルと、この半導体チャネルを含む空間のポテンシャルを変調する空間ポテンシャル変調手段と、この空間ポテンシャル変調手段で変調されたポテンシャルに応じて前記半導体中を伝搬するキャリアを発生するキャリア発生手段と、このキャリア発生手段で発生したキャリアが通過する半導体チャネルの少なくとも一部を含む領域に対して不均一な磁場を印加する不均一磁場印加手段とを備える。
【選択図】図2

Description

本発明は、半導体中を伝搬するキャリアのスピン状態を分離するスピンフィルタおよびスピン状態分離方法に関する。
半導体エピタキシャル技術や微細加工技術の進歩に伴って、半導体デバイスの微細化は著しい進展を見せてきたが、その微細化も限界に近づきつつある。
そこで、電子が有する「電荷」に加えて、「スピン」の性質も同時に利用することにより、従来にない機能を有する新しいデバイスを標榜したスピントロニクスの分野が注目されるようになってきた。
半導体中でスピンを制御するスピンデバイスを実現するには、(1)スピン偏極したキャリアの生成、(2)スピンの輸送、記憶、演算操作、(3)最終的なスピン状態の検出、という操作手法を確立する必要がある。
このうち、半導体中でスピン偏極した電子を生成する最も確立された技術として、円偏光した光により価電子帯から伝導帯にスピン偏極した電子を励起する方法がある。
この方法の場合、光の選択則の制限により、100%スピン偏極した電子を得るのは不可能であり、電子と共に正孔が対となって生成されるため、電子−正孔再結合によりスピンの緩和時間を充分長くすることができないという問題があった。
また、強磁性体電極から半導体へスピンを注入する方法も知られているが、この場合には、金属と半導体のコンダクタンスの違いから、半導体中で大きなスピン偏極度を得るのが困難であることが理論的に指摘されている。
このようなコンダクタンスの違いを克服する方法として、強磁性体と半導体の間にトンネルバリアを挿入する方法が提案されているが、現在のところ、この方法を用いても大きなスピン偏極度は得られてはいない。
このような状況の中で、上記(1)〜(3)に示す操作手法の確立という観点から、量子力学でよく知られているStern-Gerlach効果を用いた不均一磁場によるスピンフィルタが提案されている(例えば、非特許文献1を参照)。
図4は、Stern-Gerlach効果を概念的に示す図である。Stern-Gerlach(1922)は、スピン1/2を持った銀(Ag)の原子をオーブン炉からスリットを介して取り出し、この不均一な磁場勾配を通過させる実験を行うことにより、上向きおよび下向きスピンをそれぞれ有する原子e1およびe2を空間的に分離することに成功した(詳しくは、例えば、J.J. Sakurai, "Modern Quantum Mechanics", The Benjamin/Cummings Publishing Company, p2 (1994) を参照)。
非特許文献1においては、このStern-Gerlach効果を用いて、GaAs(ガリウムヒ素)の一次元または二次元電子ガスと不均一磁場を組み合わせたスピンフィルタが提案されている。
J. Wroebel, T. Dietl, K. Fronc, A. Lusakowski, M. Czeczott, G. Grabecki, R. Hey, and K. H. Ploog, Physica E 10, 91 (2001).
しかしながら、上述した従来のスピンフィルタでは、半導体中での電子速度が速く、不均一磁場を通過する相互作用時間が短くなるため、異なるスピン状態を分離するのに充分なスピンの偏向角度を得ることができず、実用可能なスピンフィルタを構成するのが困難であった。
本発明は、このような事情に鑑みてなされたものであり、その目的は、半導体中を伝搬するキャリアが有する異なるスピン状態を分離するのに充分なスピンの偏向角度を得ることができるスピンフィルタおよびスピン状態分離方法を提供することにある。
上記目的を達成するため、請求項1記載の発明は、半導体中を伝搬するキャリアがとるスピン状態毎にキャリアを分離するスピンフィルタであって、キャリアの一つの空間次元方向に対する可動領域が他の二つの空間次元方向に対する可動領域に比べて無視できる程度に小さい二次元的な領域にキャリアが閉じ込められて成る半導体チャネルと、この半導体チャネルを含む空間のポテンシャルを変調する空間ポテンシャル変調手段と、この空間ポテンシャル変調手段で変調したポテンシャルに応じて前記半導体チャネル中を伝搬するキャリアを発生するキャリア発生手段と、このキャリア発生手段で発生したキャリアが通過する半導体チャネルの少なくとも一部を含む領域に対して不均一な磁場を印加する不均一磁場印加手段とを有することを特徴とする。
請求項2記載の発明は、請求項1記載の発明において、前記空間ポテンシャル変調手段は、前記半導体チャネルに表面弾性波を発生させることによって当該半導体チャネルを含む空間のポテンシャルを変調することを特徴とする。
請求項3記載の発明は、請求項1または2記載の発明において、前記半導体チャネルは、半導体量子井戸構造中に前記キャリアを閉じ込めて成ることを特徴とする。
請求項4記載の発明は、請求項1乃至3のいずれか1項記載の発明において、前記半導体チャネルは、III−V族化合物半導体を用いて構成されることを特徴とする。
請求項5記載の発明は、請求項1乃至3のいずれか1項記載の発明において、前記半導体チャネルは、ピエゾ電界効果を有する薄膜が表面に設けられて成るIV族半導体を用いて構成されることを特徴とする。
請求項6記載の発明は、請求項1乃至5のいずれか1項記載の発明において、前記半導体チャネルを伝搬することによって生じるキャリアのスピン状態を検出するスピン状態検出手段を更に有することを特徴とする。
請求項7記載の発明は、半導体中を伝搬するキャリアがとるスピン状態毎にキャリアを分離するスピン状態分離方法であって、キャリアの一つの空間次元方向に対する可動領域が他の二つの空間次元方向に対する可動領域に比べて無視できる程度に小さい二次元的な領域にキャリアが閉じ込められて成る半導体チャネルを含む空間のポテンシャルを変調し、この変調したポテンシャルに応じて前記半導体チャネル中を伝搬するキャリアを発生し、この発生したキャリアが通過する半導体チャネルの少なくとも一部を含む領域に対して不均一な磁場を印加することを特徴とする。
請求項8記載の発明は、請求項7記載の発明において、前記半導体チャネルを含む空間のポテンシャルを変調するに際して、前記半導体チャネルに表面弾性波を発生させることを特徴とする。
請求項9記載の発明は、請求項7または8記載の発明において、前記半導体チャネルを伝搬することによって生じるキャリアのスピン状態の検出を更に行うことを特徴とする。
本発明によれば、半導体を含む空間のポテンシャルの変調および半導体の所定領域への局所不均一磁場の印加を組み合わせて行うことにより、Stern-Gerlach効果を半導体中で実現し、その半導体中を伝搬するキャリアが有する異なるスピン状態を分離するのに充分なスピンの偏向角度を得ることが可能となる。
以下、添付図面を参照して本発明の実施の形態を説明する。
<基本的事項>
まず、本発明を実施する上での前提となる基本的事項について説明する。以下に説明する基本的事項は、本発明の全ての実施形態に共通である。
III−V族化合物半導体であるGaAs、AlGaAs(アルミニウムガリウムヒ素)、InAs(インジウムヒ素)、InP(インジウムリン)などにおいては、結晶の歪みに起因するピエゾ電界効果によって生じる表面弾性波(SAW:Surface Acoustic Wave)が、半導体を含む空間のポテンシャルを変調する。この結果、半導体中では、伝導帯のポテンシャル極小部に電子が溜まる一方、価電子帯のポテンシャル極大部に正孔が引き寄せられる。このため、適当なエネルギーを有する光を照射することによって励起された電子−正孔対は空間的に分離する。この空間的な分離により、電子と正孔の各量子力学的状態を与える波動関数の重なりが減少し、電子−正孔対の寿命が大幅に長くなることが期待される。最近の報告によれば、電子−正孔対の緩和長は数百μm (1μm=10-6 m)にも到達する(C. Rocks, S. Zimmermann, A. Wixforth, J. P. Kotthaus, G. Bohm, and G. Weimann, Phys. Rev. Lett. 78, 4099 (1997); F. Alsina, J. A. H. Stotz, R. Hey, and P. V. Santos, submitted to Phys. Rev. Lett. (Aug. 2003) を参照)。
また、上述した表面弾性波の発生によって空間的に変調されるポテンシャル(SAWポテンシャル)に起因する電子−正孔の空間分離により、円偏光した光を照射してスピンの向きが揃えられた電子のスピン緩和長は、通常の10倍以上長くなることが報告されている(T. Sogawa, P. V. Santos, S. K. Zhang, S. Eshlaghi, A. D. Wieck, and K. H. Ploog, Phys. Rev. Lett. 87, 276601 (2001) を参照)。
表面弾性波伝搬中のスピン緩和についての実験的、理論的な解明は現在のところなされていないが、スピン緩和率は、電子エネルギーのべき乗または3乗で増加することが予言されている(G. Fishman and G. Lampel, Phys. Rev. B16, 820 (1977) を参照)。この意味で、表面弾性波の存在によってスピン緩和は大きく抑制され、低エネルギーでは、数十μm以上の長いスピン緩和長を有することが期待できる。
ところで、電子密度は、非常に弱い励起光を用いて4×108 [cm-3]程度まで低くすることが可能である。半導体がGaAsの場合、キャリア濃度(電子密度)は、フェルミエネルギーにしてEF=0.014[MeV=106 ev]と非常に小さい。通常、このような低キャリア濃度ではキャリアは伝搬しない。しかしながら、SAWポテンシャルが存在する場合、キャリアはSAWポテンシャルの伝搬速度で半導体中を伝搬することが知られている。このSAWポテンシャルの伝搬速度vSAWは約3000[m/sec]であり、通常の電子の速度に比べて著しく低速である。したがって、SAWポテンシャルが存在する場合には、半導体中を低キャリア濃度で輸送することが可能となる。
以上説明したように、表面弾性波によるキャリア伝搬は、通常の半導体中のキャリア伝搬と比べて、以下の特徴を有する:
・キャリアの緩和長が数百μm程度と極めて長い。
・スピンの緩和長が通常の半導体に比べて10倍以上長くなる。
・キャリアの伝搬速度が約3000m/sec程度と極めて遅い。
・低キャリア濃度での輸送が可能である。
以下に説明する本発明の一実施形態においては、これらの特徴を有する表面弾性波のキャリア伝搬を利用する。
<スピンフィルタの装置構成>
図1は、本発明の一実施形態に係るスピンフィルタの機能構成の概略を示すブロック図である。同図に示すスピンフィルタ1は、キャリアを伝搬する半導体チャネル3、この半導体チャネル3に表面弾性波を発生して空間のポテンシャルを変調する空間ポテンシャル変調手段としての表面弾性波発生部5、半導体チャネル3中に一または複数のキャリアを発生するキャリア発生部7(キャリア発生手段)、半導体チャネル3に対して印加する不均一な磁場を生成する不均一磁場印加部9(不均一磁場印加手段)を有する。
半導体チャネル3は、キャリアの一つの空間次元方向に対する可動領域が他の二つの空間次元方向に対する可動領域に比べて無視できる程度に小さい二次元的な領域を有しており、キャリア発生部7によって発生されるキャリアは、この領域中で二次元電子ガスとして振舞う(以後、この二次元領域を「二次元電子ガスチャネル」と呼ぶ)。この二次元電子ガスチャネルは、例えば半導体量子井戸構造を形成することによってキャリアを二次元領域に閉じ込めている。このように空間一次元方向に幅の狭い半導体量子井戸構造は、よく知られているように、例えばGaAsの薄膜の両面をAl0.3Ga0.7Asで挟んで積層したり、In0.53Ga0.47As薄膜の両面をInPで挟んで積層したりして構成することができる。より一般的には、半導体エピタキシャル成長技術や微細加工技術を用いることによって半導体チャネル3を適宜構成することができるのは勿論である。このような半導体チャネル3を構成することの正当性については、本実施形態のスピンフィルタにおけるStern-Gerlach効果の検証可能性の議論とあわせて後述する。
キャリア発生部7は、半導体チャネル3の所定領域に対し、バンドギャップ幅よりも大きいエネルギーを有する光を照射するものであり、この結果、上記<基本的事項>で説明したように、緩和長が極めて長いキャリアを生成することができる。なお、前述した光源以外に、電極を通して半導体チャネル3の所定領域にキャリアを注入する手段をキャリア発生部7として適用することも可能である。
不均一磁場印加部9は、例えば一または複数の強磁性体91を用いて構成される。この不均一磁場印加部9が、半導体チャネル3でキャリアを発生させた後の局所的な領域に対して不均一磁場を印加するように設置されることはいうまでもない。
図2は、本実施形態に係るスピンフィルタ1の更に具体的な一構成例を示す説明図である。同図に示すスピンフィルタ11では、半導体チャネル3に櫛形の構造をした二つの櫛形電極51(IDT:InterDigital Transducerとも呼ばれる)を設け、この櫛形電極51に接続される交流電源53から角周波数ωSAWのRF(Radio Frequency:無線周波数)信号を印加することにより、波長λSAWの表面弾性波を発生する。したがって、スピンフィルタ11では、二つの櫛形電極51および交流電源53が表面弾性波発生部5をなしている。なお、二つの櫛形電極51の間隔は、λSAW/2となるように設計されている。
櫛形電極51によって発生した表面弾性波の波長λSAWとRF信号の角周波数ωSAWの関係は、表面弾性波の速度をvSAW(伝搬方向を正とする)として、
Figure 2005244097
で与えられる(πは円周率)。例えば、キャリアが伝搬する二次元電子ガスチャネル31としてGaAsを用いる場合、vSAW=2866[m/sec]とおくことができ、ωSAW/2π=520[MHz]とすると、λSAW=5.5[μm]程度の波長を持つ表面弾性波が発生する。
表面弾性波によって二次元電子ガスチャネル31を運ばれるキャリアは、不均一磁場を発生する強磁性体91よりも櫛形電極51に近い側の所定の領域Cで生成される。図2では、光l0を半導体チャネル3の所定領域Cに照射し、キャリアを生成する場合を示している(キャリア発生部7自体は図示せず)。この照射される光l0に含まれる光子のエネルギーは、半導体チャネル3のバンドギャップ幅よりも大きいエネルギーを有している。
図3は、図2の矢視A方向から見たスピンフィルタ要部を示す矢視図である。この図3において破線を用いて示した領域Cが、キャリア発生部7から照射される光l0の照射領域である。なお、光l0を照射してキャリアを生成する代わりに、電極を通してキャリアを注入してもよいのは既に述べた通りである。
スピンフィルタ11では、不均一磁場印加部9が二つの強磁性体91を用いて構成されているが、必ずしもこの構成に限られるわけではない。例えば、一つまたは複数の強磁性体91を用いて構成してもよいし、より一般的には、不均一磁場を半導体チャネル3に印加できるものであればどのようなものでもよい。
図2および図3に示すスピンフィルタ11では、以上の構成に加えて、不均一磁場によって分離されたスピン状態を検出するスピン状態検出手段が更に設けられている。不均一磁場中を通過するキャリアは、Stern-Gerlach効果により、異なるスピン状態(上向き、下向き)をとるキャリアが空間的に分離して伝搬していくため、スピン状態検出手段として、この分離して伝搬する方向を検出できるようにY型に分岐する半導体チャネル3の分岐導波路301および303が設けられている。これらの分岐導波路301および303は、半導体チャネル3と同じ半導体材料によって構成されている。
分岐導波路301および303には、SAWポテンシャルをショートすることによってキャリアの再結合を促進する金属電極311および313がそれぞれ設けられている。そしてこれらの金属電極311および313には、さらに光導波路321および323がそれぞれ接続されており、スピン偏極した電子を再結合することにより、円偏光した光として検出することができる。
図2に示すスピンフィルタ11の場合、分岐導波路301および303、金属電極311および313、光導波路321および323を要素とするスピン状態検出手段が構成されているが、スピン状態検出手段の構成はこの場合に限定されるわけではない。すなわち、異なるスピン状態を空間的に分離した後、この分離したスピン状態を図2および図3のy軸方向に沿って局所的に測定することができるものであれば如何なる構成を採用してもよい。この意味においては、分岐導波路301および303も必須ではない。また、光導波路321および323を用いる必要もなく、例えば分岐導波路301および303の側面から光を検出するようにしてもよい(この場合には、金属電極311および313も不要となる)。
以上説明したスピンフィルタ11において、100%スピン偏極した電子を分離するための条件は、スピン偏向角度をφSG 、半導体チャネル3の幅(y軸方向の厚み)をW、電子が不均一磁場の影響を受けるx軸方向の距離をLとするとき、
Figure 2005244097
で与えられる。
このスピンフィルタ11では、半導体チャネル3中の電子が磁場を通過すると、磁場中のZeeman効果により、以下のエネルギーを得る。
Figure 2005244097
ここで、syはy方向のスピン固有値であり、±1/2のいずれかの値をとる。また、gはg因子、μBはボーア磁子、Byはy方向の磁場成分である。この式(2)からも明らかなように、エネルギーの空間勾配によって求められる力は、磁場の勾配によって存在するスピン上向き(sy=1/2)と下向き(sy=−1/2)の場合、それぞれ逆向きとなる。
半導体チャネル3中での電子の有効質量m*、および表面弾性波による電子の伝搬速度
SAWを考慮すると、このStern-Gerlach効果によって生じるスピンの偏向角度φSGは次式で与えられる。
Figure 2005244097
ここで、Δpyは電子のy軸方向の運動量変化、pxは電子のx軸方向の運動量成分、
yΔtは電子がy軸方向に受ける力積(電子にy方向の力Fyが時間Δt=L/vSAWだけ作用)、∂By/∂yはy軸方向の磁場の勾配の強さをそれぞれ表す。
この式(3)は、表面弾性波の速度vSAWが小さくなり、磁場勾配∂By/∂yが強くなるにつれて、スピンの偏向角度φSGが増加することを示している。
ここで、一または複数の強磁性体91を用いて発生する不均一磁場の磁場勾配の強さを見積もり、半導体チャネル3中で充分なスピン偏向角度φSGが得られるかどうかを調べる。
強磁性体の飽和磁化Ms、強磁性体の図2のz軸方向の厚さをdfすると、距離r離れた場所での磁場B(r)とその磁場勾配dB(r)/drは、それぞれ以下の式で与えられる(M. Johnson, B. R. Bennet, M. J. Yang, and B. V. Shanabrook, Appl, Phys. Lett. 71, 974 (1997) を参照):
Figure 2005244097
ここで、強磁性体としてパーマロイ(NiFe)を例にとり、飽和磁化Ms=860[emu/cm3=4π×10-4 T]、厚さdf=250[nm=10-9 m]、強磁性体からの距離を
r=2.5[μm]として磁場勾配の強さを見積もると、8.6×104[T/m]となる。また、r=3.5[μm]として計算すると、磁場勾配の強さとして、4.4×104[T/m]が得られる。
式(4)および(5)は、磁性体表面での点磁荷を仮定した近似式であるが、おおよその磁場勾配を算出するには充分な近似式なので、以後、上述した見積もり値を参考にして、磁場勾配の強さを5×104[T/m]と仮定してみる。この仮定に加えてL=2[μm]とし、キャリアが伝搬する二次元電子ガスチャネル31がGaAsの場合を考える。この場合、g=−0.44、m*=0.067×m(m=9.1×10-31 [kg]:自由電子質量)であり、伝搬速度はおよそvSAW=3000[m/sec]とすることができるので、これらの値を式(3)に代入すると、期待されるおおよそのスピン偏向角度としてφSG=22[deg]が得られる。このスピン偏向角度が条件式(1)を満たすには、半導体チャネル3の幅(y軸方向の厚み)をW=0.8[μm]とすればよい。Wを1[μm]程度とすることは現在の技術で容易であり、この意味で、本実施形態のスピンフィルタ11は充分に実現可能なデバイスであることがわかる。
なお、スピンフィルタ11のデバイス長は、発生したキャリアのスピン緩和長よりも長くしなければならないが、スピンフィルタ11のように表面弾性波を用いる場合には、上述したように、通常の半導体に比べて10倍以上スピン緩和時間を長く取ることができるので、この意味でも充分に実現可能なサイズのデバイスを構成することができる。
ちなみに、Wroebel達の方法(非特許文献1を参照)によれば、電子速度vFを小さくするためにフェルミエネルギーを1[MeV]と小さくしても、電子速度は依然としてvF=73000[m/sec]と大きいため、スピン偏向角度はφSG=0.035[deg]程度にしかならず、これを空間的に分離して観測するのは極めて困難である。
次に、本実施形態におけるStern-Gerlach効果の測定可能性について議論する。
Stern-Gerlachの実験は、元来スピン1/2を持った銀(Ag)の原子を用いて行われたが、電荷を持った原子または電子の場合、磁場によるLorentz力を考慮しなくてはならないため、Stern-Gerlach効果の検証自体が不可能であることが予言されてきた。その理由は、次の通りである。電磁気学によれば、磁場は一般に、
Figure 2005244097
を満たす。ここで簡単のため、図2の座標系において、磁場のx軸成分がゼロ(∂Bx/∂x=0)を仮定すると、y軸方向の磁場勾配∂By/∂yがゼロでなければ、キャリアの伝搬方向に垂直なz軸方向にもゼロでない磁場勾配∂Bz/∂z=−(∂By/∂y)が存在する(この場合、z方向の磁場成分の大きさ|∂Bz/∂z|は最大となる)。
このz軸方向の磁場勾配∂Bz/∂zの存在により、キャリアはz方向に力を受けるため、スピン偏向角度に不確定性が生じることになる。すなわち、電荷を持ったキャリアはLorentz力を受けるため、スピン偏向角度に不確定性が生じ、これがStern-Gerlach効果を観測する上での本質的な問題点となる。
しかしながら、近年の半導体エピタキシャル成長技術や微細加工技術の発展に伴い、キャリアを半導体量子井戸のような非常に狭い空間に閉じ込めることにより、その本質的な問題点を解決できることが示された(B. M. Garraway and S. Stenholm, Phys. Rev. A 90, 63 (1999) を参照)。
Stern-Gerlach効果を観測するための条件は、|ΔφSG /φSG |<1であるが、この左辺(Lorentz力によるスピン偏向角度の不確定性)は、二次元電子ガスチャネル31のz方向の厚みをdとすると、次式で与えられる。
Figure 2005244097
ここで、eは電気素量(1.6×10-19 [C])であり、ΔBz=(∂By/∂y)×dは磁場の不確定性を与えている。
この条件式(6)によれば、二次元電子ガスチャネル31のz軸方向の厚さdを小さくとってキャリアをz軸方向に閉じ込めることができれば、Stern-Gerlach効果が生じ、これによってキャリアの有するスピン状態の分離が可能となる。
そこで、二次元電子ガスチャネル31としてGaAsを用いた場合を計算してみる。式(6)にGaAsのg因子(−0.44)を代入すると、およそd<4.5[nm]となり、このような厚みを有する半導体量子井戸を用いて二次元電子ガスチャネル31を形成すれば、Stern-Gerlach効果を観測することが可能となることがわかる。
式(6)は、スピン偏向角度の不確定性を小さくするためには、大きいg因子の絶対値を有する半導体材料を用いた方がより好ましいことを示している。実際、GaAsの場合、g=−0.44とg因子の絶対値が小さいため、二次元電子ガスチャネル31の厚さdに制限が必要となるが、In0.53Ga0.47Asではg因子がg=−4と大きいので、条件式(6)はおよそd<45[nm]となり、GaAsの場合と比較すると、容易に半導体量子井戸を形成することができる。
以下に示す表1は、さまざまな半導体材料を二次元電子ガスチャネル31として適用する場合について、半導体材料ごとのg因子、有効質量と自由電子質量の比m*/m、スピン偏向角度φSG 、およびスピン偏向角度の不確定性(の絶対値)|ΔφSGSG |を示すものである。
Figure 2005244097
この表1を作成するにあたって、Si(シリコン)以外の半導体中での表面弾性波の速度をvSAW=2866[m/sec]とする一方、Si中での表面弾性波の速度をvSAW=5080[m/sec]とした。
また、式(6)における他の物理量を、d=3[nm]、L=2[μm]、および
∂By/∂y=5×104[T/m]として計算した。
ところで、SiやGe(ゲルマニウム)のようなIV族半導体はピエゾ電界効果を生じないため、そのままでは、表面弾性波を発生することはできない。そこで、例えば、サファイア上のSiやZnO(酸化亜鉛)などのピエゾ電界効果を生じ得る薄膜を半導体チャネル3の表面にコートすれば、表面弾性波を発生することが可能となる。この場合には、半導体にコートした薄膜の上に櫛形電極51を設けることになるが、それ以外の構成は、図2に示す場合と同様である。
以上説明した本発明の一実施形態によれば、表面弾性波と局所的に不均一な磁場を組み合わせることにより、Stern-Gerlach効果を用いたスピンフィルタを構成し、キャリアのスピン状態を100%分離することが可能となる。
これは、表面弾性波が運ぶキャリアの次のような特徴によるものである:
・キャリアの伝搬速度が3000m/sec程度と遅い。
・電子−正孔対が数百μmにわたって運ばれる。
・電子の運動エネルギーを小さくして輸送することができるため、通常の半導体よりもスピンの緩和を抑えることができる。
このようなスピンフィルタは、現在の半導体エピタキシャル成長技術や微細加工技術を適用することによって実現可能である。すなわち、本実施形態によれば、Stern-Gerlach効果を検証可能な条件を満たしつつ、なおかつ現実的なサイズのデバイスとしての設計条件をも満足し得るスピンフィルタを構成することが可能となる。
最近、III族半導体(Al、Ga、In等)の一部をMn(マンガン)で置換したIII−V族希薄性半導体が合成できるようになっているが、この場合のキャリアは正孔で、スピン軌道相互作用の影響を受けてスピン緩和も早かった。また、強磁性転移温度(キュリー温度)TCが110Kと室温以下であるという問題があった。これに対して本実施形態においては、上述したようにスピン緩和が緩やかになるため、室温においても100%スピン状態を分離することが可能となる。
なお、上述したスピンフィルタ11においては、スピンフィルタ1の構成(図1を参照)にスピン状態検出手段を付加する場合を説明したが、これ以外にも、スピン状態を分離した後、例えば量子ドット等の他のデバイスに接続し、100%スピン偏極した電子を利用していくことも可能である。
このように、本発明は、特許請求の範囲に記載された内容を逸脱しない範囲内において、さまざまな実施の形態等を含み得るものである。
本発明の一実施形態に係るスピンフィルタの機能構成を示すブロック図である。 図1のスピンフィルタの具体的な一構成例を示す説明図である。 図2の矢視A方向から見たスピンフィルタ要部を示す矢視図である。 Stern-Gerlachの実験を概念的に示す説明図である。
符号の説明
1、11 スピンフィルタ
3 半導体チャネル
5 表面弾性波発生部
7 キャリア発生部
9 不均一磁場印加部
31 二次元電子ガスチャネル
51 櫛形電極
53 交流電源
91 強磁性体
301、303 分岐導波路
311、313 金属
313、323 光導波路

Claims (9)

  1. 半導体中を伝搬するキャリアがとるスピン状態毎にキャリアを分離するスピンフィルタであって、
    キャリアの一つの空間次元方向に対する可動領域が他の二つの空間次元方向に対する可動領域に比べて無視できる程度に小さい二次元的な領域にキャリアが閉じ込められて成る半導体チャネルと、
    この半導体チャネルを含む空間のポテンシャルを変調する空間ポテンシャル変調手段と、
    この空間ポテンシャル変調手段で変調したポテンシャルに応じて前記半導体チャネル中を伝搬するキャリアを発生するキャリア発生手段と、
    このキャリア発生手段で発生したキャリアが通過する半導体チャネルの少なくとも一部を含む領域に対して不均一な磁場を印加する不均一磁場印加手段と
    を有することを特徴とするスピンフィルタ。
  2. 前記空間ポテンシャル変調手段は、
    前記半導体チャネルに表面弾性波を発生させることによって当該半導体チャネルを含む空間のポテンシャルを変調すること
    を特徴とする請求項1記載のスピンフィルタ。
  3. 前記半導体チャネルは、半導体量子井戸構造中に前記キャリアを閉じ込めて成ること
    を特徴とする請求項1または2記載のスピンフィルタ。
  4. 前記半導体チャネルは、III−V族化合物半導体を用いて構成されること
    を特徴とする請求項1乃至3のいずれか1項記載のスピンフィルタ。
  5. 前記半導体チャネルは、ピエゾ電界効果を有する薄膜が表面に設けられて成るIV族半導体を用いて構成されること
    を特徴とする請求項1乃至3のいずれか1項記載のスピンフィルタ。
  6. 前記半導体チャネルを伝搬することによって生じるキャリアのスピン状態を検出するスピン状態検出手段
    を更に有することを特徴とする請求項1乃至5のいずれか1項記載のスピンフィルタ。
  7. 半導体中を伝搬するキャリアがとるスピン状態毎にキャリアを分離するスピン状態分離方法であって、
    キャリアの一つの空間次元方向に対する可動領域が他の二つの空間次元方向に対する可動領域に比べて無視できる程度に小さい二次元的な領域にキャリアが閉じ込められて成る半導体チャネルを含む空間のポテンシャルを変調し、
    この変調したポテンシャルに応じて前記半導体チャネル中を伝搬するキャリアを発生し、
    この発生したキャリアが通過する半導体チャネルの少なくとも一部を含む領域に対して不均一な磁場を印加すること
    を特徴とするスピン状態分離方法。
  8. 前記半導体チャネルを含む空間のポテンシャルを変調するに際して、前記半導体チャネルに表面弾性波を発生させること
    を特徴とする請求項7記載のスピン状態分離方法。
  9. 前記半導体チャネルを伝搬することによって生じるキャリアのスピン状態の検出を更に行うこと
    を特徴とする請求項7または8記載のスピン状態分離方法。

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