JP2005243985A - 高屈折率液体内でのパターン結像方法 - Google Patents

高屈折率液体内でのパターン結像方法 Download PDF

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Abstract

【課題】 集積回路の微細化が進みレンズの解像限界にきてしまっている。水中での結像で解像性能の向上がみこまれるが、それでも将来解像性能が不足する。
【解決手段】 水よりも屈折率の高い液体を使用することにより、液体中の光の波長が短くなり、解像性能が大きく向上する。
【選択図】 図1

Description

本発明は半導体製造のためのパターン形成に関する。
液浸式の投影露光装置が特許文献1および2に開示されている。
特開平06−124873号公報 特許第2753930号公報
半導体のパターン形成はレンズによる光の結像でおこなっているが、集積回路の微細化が進みレンズの解像限界にきてしまっている。解像性能をあげるために水中での露光が検討されている。
図1に従来の液浸ステッパーを示す。液体浸漬部分11を屈折率1.33(波長589.3nmの光で測定KrFエキシマの波長248nmでは屈折率1.44)である水で満たしている。ウェハーはレンズの下を移動するが、水はレンズとウェハーの間を表面張力と水の供給と排出をバランスさせることにより満たし且つこぼれないようにしている。
現在、半導体の量産に普通に使用されている通常のステッパーはレンズとウェハーの間に水がなく、空気になっている。図1では8、9、11がないことになる。
図2(a)に空気中での結像の状況、図2(b)に液体中での結像の状況を示す。同じ解像性能の場合の比較である。液体中の方が同じ解像性能を得ようとすれば、浅い角度ですむ。これは液体中では光の波長が短くなることによる。液体中の光の波長は、
λliq=λair/n liq
になる。λliqは液体中の光の波長、λairは空気中の光の波長、n liqは液体の屈折率である。n air(空気の屈折率)はほぼ1である。
屈折率は光の波長によって変わる。水の場合は屈折率測定に一般的に使用される波長である589.3nmでは1.33、KrFエキシマの波長248nmでは1.44となる。多くの液体では589.3nmの屈折率測定値は文献にあるが、エキシマ光での測定データは少ない。屈折率の値は特に断らない限り、波長589.3nmの値である。屈折率は短波長ほど大きくなる性質があり、エキシマ光での屈折率は波長589.3nmの値より0.1程度大きくなる。
同じ解像性能を得ようとした場合、sinθliq=1/n liqの関係があり、屈折率が大きいほどθは小さくなる。θは90度が物理的限界であるため、屈折率が大きいほど物理的限界が延びることになる。
液体中では(空気中の光の波長)/(液体の屈折率)が光の波長となり、屈折率の大きい液体中では解像性能の大幅な向上が可能である。今まで水中での結像は知られているが、水よりも屈折率の大きい液体中で結像させればもっと解像性能を上げることが可能である。
レンズの解像性能の向上。液体の中では光の波長は1/n(nは液体の屈折率)となる。解像性能は波長に反比例するから、空気中に比べn倍解像性能が向上することになる。屈折率は、波長589.3nmの光で測定して、水の1.33に対し、四塩化炭素は1.46、ベンゼンは1.50、パラフィン油は1.48となる。これらの屈折率の大きい液体では解像性能が向上する。
(実施例1)
本発明は基板の表面と最終レンズとの間の液体に水ではなく、屈折率の高い液体を用いることに特徴がある。図3に各種の液体と屈折率の関係を示す。屈折率は液体の比重と相関関係のあることが分かる。比重の大きい液体ほど屈折率が大きい。比重の大きい液体として、分子量の大きいハロゲンを分子に含む有機溶媒がある。例えばクロロホルム、四塩化炭素、ジヨードメタンなどのハロゲン化メタンがある。
図4に本例の投影露光装置の概略構成を示す。液体11には四塩化炭素を用いる。露光光源1はArFエキシマレーザ光源である。レーザー波長は248nmである。照明光学系1からでた光は、レチクル3を照らし、レチクル3にあるパターンは投影レンズ4で縮小され、ウェハー10に投影される。なお、露光光源として、水銀ランプのi線(波長365nm)等を使用してもよい。
ウェハー10は真空チャック7で保持され、四塩化炭素で浸漬される。液体の容器13はウェハーステージ6上に固定されている。投影レンズ4の最下部にある最終レンズ5の下部も四塩化炭素に浸される。露光領域の移動は最終レンズ5の下部を四塩化炭素に浸したまま行う。
スキャン露光の場合は最終レンズ5の下部を四塩化炭素に浸したままウェハーをスキャンする。
液体11は、ポンプ等で液体容器13に供給し、露光後に回収あるいは、連続供給回収を行う。液体に温度分布があると、液体に屈折率分布が生じ、収差が発生してしまう。液体11の循環は温度分布の管理のためにも重要である。
上記を実現するためのプロセスの詳細を次に示す。プロセスのフローを図6に示す。
フォトプロセス前のウェハーにKrFエキシマ用フォトレジストを塗布し、プレベークする。前記のように用意されたフォトレジスト膜15は四塩化炭素に対し耐性がない。そのため、図4に示すように保護膜16を上に塗布する必要がある。例えば、ポリビニールアルコールを塗布する。乾燥のためにベークを行う。
スキャン露光装置で露光を行う。露光装置はステッパーでもよい。レチクルと前述のウェハーを露光装置にセットする。液体容器13に四塩化炭素を入れ、最終レンズ5とウェハー10の間は四塩化炭素で満たす。四塩化炭素は液体供給口8、液体排出口9で循環させる。
四塩化炭素は揮発性があるため、人体への影響、ステッパー装置への影響の観点から図6のように排気口14を液体容器13近くに設け、蒸気を排気する。
四塩化炭素の揮発で熱が奪われるため、ウェハー、レンズの温度制御には特別な配慮が必要になる。また、四塩化炭素自体もわずかながら露光のKrFエキシマ光を吸収し発熱する。四塩化炭素の温度が変化すると屈折率も変わり、ウェハー上へのパターンの結像の焦点がずれてしまう。また、液体に温度分布があると、液体に屈折率分布が生じ、収差が発生してしまう。四塩化炭素の温度制御が必要である。
エキシマ光の吸収により四塩化炭素の温度が上昇する。液体容器13に温度センサーを設置し、循環液体の温度を制御することにより、最終レンズ5とウェハー10間の四塩化炭素の温度を制御する。また、前述排気量を増やすことにより、四塩化炭素の揮発量を増やし、温度を制御することも可能である。
揮発熱での温度制御は液面から冷やすことにより、上下方向の温度分布が出てしまう。四塩化炭素の温度分布改善のため、チャック7からの温度制御を行う。液体容器13の上と下の部分に温度センサーを設置し、排気とチャック7の温度を制御する。チャック7下にぺルチェ素子19を設置する。水冷でも可能であるが、応答速度が遅い。チャック7はウェハーへの接点が点である真空チャック(ピンチャック)である。接点が点であるため熱伝導が悪い。そのため、チャック内にヘリウムを流す。チャック内は真空にひかれているが、ヘリウムとの流量とのバランスでヘリウム減圧状態になり、ヘリウムを介した熱伝導が可能となる。
屈折率の高すぎる液体は温度分布の面で不利となる。図8に示すように屈折率が高いほど、レンズとウェハー間の距離が必要となる。図9(a)にNA.0.85でレンズとウェハーの間隔が10mm(空気中での使用)のレンズを各屈折率の液体で使用した場合のレンズとウェハーの間の距離を表で示した。この距離が長いほど、温度差による屈折率の差の影響を受けやすい。屈折率1.9以上では空気中の3倍以上の距離になり、0.001℃の制御が必要になる。このような温度制御は困難であり、現在の最新のレンズであるNA.0.85のレンズでは屈折率は1.9を超えないことがのぞましい。
図9(b)にN.A.0.90でレンズとウェハーの間隔が10mm(空気中での使用)のレンズを各屈折率の液体で使用した場合のレンズとウェハーの間距離を表で示した。この距離が長いほど、温度差による屈折率の差の影響を受けやすい。屈折率1.7以上では空気中の3倍以上の距離になり、0.001℃の制御が必要になる。このような温度制御は困難であり、将来開発が期待されているNA0.90のレンズでは屈折率は1.7を超えないことがのぞましい。
露光は、レチクルステージとウェハーステージの位置をレーザーで測定し、その結果に従って、レチクルステージとウェハーステージを制御することにより、同期をとってレチクルとウェハーをスキャンさせることにより行う。
露光後ベークであるポストイックスポージャーベークを行う。カバー膜を純水リンスで除去する。フォトレジストの現像を行い、パターンを得る。
ポストイックスポージャーベークの熱によりカバー膜が変質し、純水リンスで取れにくくなる場合は、純水リンス後にポストイックスポージャーベークすることも可能であるが、その場合は、露光からポストイックスポージャーベークまでの時間コントロール、環境制御が必要になる。ポストイックスポージャーベーク後、ウェハーを冷却し、現像を行い、レジストパターンを得る。
(実施例2)
図3に示すようにベンゼン、α―ブロモナフタレンなどベンゼン環を持つ有機液体は比重のわりに屈折率が大きい。ハロゲン化メタンのように重たい液体でないため、扱いが楽である。ベンゼンは実施例1の四塩化炭素と同様に実施が可能である。ただし、ベンゼンはKrFエキシマレーザーの波長(248nm)に強い吸収があり、KrFエキシマレーザーでは使用できない。水銀ランプのi線(波長365nm)では使用可能である。また、ベンゼンは発火しやすい有機液体である。排気は確実に行う必要がある。
(実施例3)
液体11として、実施例1の四塩化炭素の代わりにパラフィン油を用いる。図3に示すようにパラフィン油は比重のわりに屈折率が大きい。また、油のなかでもパラフィン油は変質しにくく、紫外線を用いる露光には適している。
パラフィン油は揮発性が少ないため、排気口14は不要である。
露光後、パラフィン油がウェハーに付いたままなので、ポストイックスポージャベーク前にパラフィン油をウェハーからおとす洗浄が必要になる。
従来のステッパーの全体図 (a)空気中での結像、(b)液体中での結像 液体の屈折率 ステッパーの全体図 ウェハー断面 プロセスフロー ヘリウム減圧チャック レンズ・ウェハー間距離の説明 レンズ・ウェハー間距離
符号の説明
1 照明光学系
2 ミラー
3 レティクル
4 投影レンズ
5 最終レンズ
6 ウェハーステージ
7 チャック
8 液体供給口
9 液体排出口
10 ウェハー
11 液体
12 光
13 液体容器
14 排気口
15 フォトレジスト
16 カバー膜
17 ヘリウム導入口
18 真空排気口
19 ぺルチェ素子

Claims (16)

  1. マスクパターンを基板上に転写する投影露光装置において、前記基板の表面と最終レンズとの間を屈折率1.5以上1.9以下の液体で満たすことを特徴とするパターン結像方法。
  2. 前記高屈折率の液体はハロゲン化メタンであることを特徴とする請求範囲1のパターン結像方法。
  3. 前記基板の表面と最終レンズとの間を排気することを特徴とする請求範囲2のパターン結像方法。
  4. 前記排気量で前記液体の温度を制御することを特徴とする請求範囲3のパターン結像方法。
  5. 前記高屈折率の液体は分子構造にベンゼン環を含む有機液体であることを特徴とする請求範囲1のパターン結像方法。
  6. 前記基板の表面と最終レンズとの間を排気することを特徴とする請求範囲5のパターン結像方法。
  7. 前記排気量で前記液体の温度を制御することを特徴とする請求範囲6のパターン結像方法。
  8. 前記高屈折率の液体はパラフィン油であることを特徴とする請求範囲1のパターン結像方法。
  9. 前記パラフィン油を前記基板の表面と最終レンズとの間に表面張力を利用して満たすことを特徴とする請求範囲8のパターン結像方法。
  10. 露光後に洗浄を行うことを特徴とする請求範囲10のパターン結像方法。
  11. 感光性樹脂であるレジストの上に上記有機液体に耐性のある膜でおおうことを特徴とする請求範囲1の方法。
  12. 上記の有機液体に耐性のある膜は水溶性であることを特徴とする請求範囲11の方法。
  13. 上記の有機液体に耐性のある水溶性膜は現像前に水リンスでとることを特徴とする請求範囲12の方法。
  14. 液体の温度を測定し、排気量を制御することを特徴とする請求範囲1のパターン結像方法。
  15. 真空チャック内を減圧ヘリウム雰囲気にし、熱伝導をよくしたチャックでウェハーの温度制御をすることを特徴とする請求範囲1のパターン結像方法。
  16. 請求項14と請求項15真空の両方を用いて温度制御をすることを特徴とする請求範囲1のパターン結像方法。
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