JP2005243586A - 画像表示装置 - Google Patents
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Abstract
【課題】コントラストが良好でかつ耐電圧特性に優れた薄型の画像表示装置を提供する。
【解決手段】本発明の画像表示装置は、フェースプレートと、このフェースプレートと対向配置されたリアプレートと、このリアプレート上に形成された多数の電子放出素子と、前記フェースプレートの前記リアプレートに対向する内面に形成された光吸収層と蛍光体層を備えた画像表示装置であり、光吸収層がマトリックス格子状のパターンを有し、かつ蛍光体層がストライプ状のパターンを有する。光吸収層の厚さを2μm以下と薄くし、かつこの光吸収層のパターン上に、隣接するストライプ間に隙間がないように蛍光体層のパターンが形成されていることが望ましい。
【選択図】図2
【解決手段】本発明の画像表示装置は、フェースプレートと、このフェースプレートと対向配置されたリアプレートと、このリアプレート上に形成された多数の電子放出素子と、前記フェースプレートの前記リアプレートに対向する内面に形成された光吸収層と蛍光体層を備えた画像表示装置であり、光吸収層がマトリックス格子状のパターンを有し、かつ蛍光体層がストライプ状のパターンを有する。光吸収層の厚さを2μm以下と薄くし、かつこの光吸収層のパターン上に、隣接するストライプ間に隙間がないように蛍光体層のパターンが形成されていることが望ましい。
【選択図】図2
Description
本発明は、画像表示装置に係わり、特に、アノード側のフェースプレートとカソード側のリアプレートとが近接して配置され、スポット形状を有する電子ビームにより蛍光面を発光させる電界放出型表示装置(フィールドエミッションディスプレイ;FED)などの薄型画像表示装置に関する。
従来から、FEDのような画像表示装置では、光吸収層と蛍光体層から成る蛍光体スクリーン(蛍光面)を有するフェースプレートと、マトリックス状に形成された多数の電子放出素子を有するリアプレートとを、極めて狭い間隔(1mm〜数mm程度)をおいて対向・配置し、電子放出素子から放出される電子ビームをスポット状に無走査で蛍光体層に投射し、蛍光体を励起して発光させる方式が採られている。
そして、このような画像表示装置では、表示画像のコントラストを上げるために、光吸収層を格子状のパターンに形成することが行われている。
しかし、光吸収層と隣接する蛍光体層との間に急峻な段差が発生しやすかった。そのため、フェースプレートとリアプレートとが極めて狭い間隔で対向・配置されたFEDでは、急峻な段差部が放電のトリガとなり、異常放電が発生しやすいという問題があった。
また、蛍光体スクリーンの上にAl等の金属膜(メタルバック層)を設けた構造では、蛍光体層と光吸収層との間の段差により、メタルバック層に凹凸やしわが生じ易く、メタルバック層の密着性が十分でないため、耐電圧特性が低いなどの問題があった。
さらに、蛍光体スクリーンを平坦化するために光吸収層の上に段差調整層を形成し、耐圧特性を向上させる提案がなされているが(例えば、特許文献1参照)、この方法では、蛍光体層の形成工程の後に段差調整層を形成しているので、工程数が増加し煩雑になるという問題があった。
特開2003−229075公報
本発明は、これらの問題を解決するためになされたもので、コントラストが良好でありかつ耐電圧特性に優れた薄型平面型の画像表示装置を提供することを目的とする。
本発明の画像表示装置は、フェースプレートと、該フェースプレートと対向配置されたリアプレートと、該リアプレート上に形成された多数の電子放出素子と、前記フェースプレートの前記リアプレートに対向する内面に形成された光吸収層および蛍光体層を備えた画像表示装置であり、前記光吸収層が格子状のパターンを有し、かつ前記蛍光体層がストライプ状のパターンを有することを特徴とする。
本発明の画像表示装置においては、光吸収層が格子状のパターンを有し、その上にストライプ状の蛍光体層のパターンが形成されているので、表示コントラストが高いうえに、蛍光面(蛍光体スクリーン)を構成する層間の急峻な段差の発生を抑制することができ、耐電圧特性を大幅に向上させることができる。また、蛍光面の急峻な段差が抑えられているので、比較的強度の弱い蛍光体層上にもスペーサーを設置することができる。
以下、本発明を実施するための形態について説明する。図1は、本発明の画像表示装置の一実施形態であるFEDの概略構成を示す断面図である。
このFEDにおいては、透明基板1上に蛍光体スクリーン(蛍光面)2を有するフェースプレート3と、基板4上に多数の電子放出素子がマトリックス状に配列された電子放出源5を有するリアプレート6とが、1mm〜数mmの狭い間隙をおいて対向・配置され、これらの間の空間が支持枠(側壁)7を介して気密に封止されている。そして、フェースプレート3とリアプレート6との間に5〜15kVの高電圧が印加されるように構成されている。
なお、図中符号8は、蛍光体スクリーン2の上に形成されたメタルバック層を示す。メタルバック層8は、Al膜などの金属膜からなり、蛍光体層で発生した光のうち、リアプレート6方向に進む光を反射して輝度を向上させるものである。また、メタルバック層8は、フェースプレート3の画像表示領域に導電性を与えて電荷が蓄積されるのを防ぐ機能を有し、リアプレート6の電子放出源5に対してアノード電極の役割を果たす。さらに、メタルバック層8は、真空容器(外囲器)内に残留したガスが電子線で電離して生成するイオンにより蛍光体層が損傷することを防ぐ機能をも有している。
フェースプレート3は、図2(a)〜(d)に示すように、ガラス基板などの透明基板1上に、カーボン等の黒色顔料からなる光吸収層11と、赤色(R)、緑色(G)、青色(B)の3色の蛍光体層12R,12G,12Bがそれぞれ形成された蛍光体スクリーン2を備えている。光吸収層11は、x軸およびy軸に沿ったマトリックス格子状のパターンを有し、その上に、例えばy軸方向に沿ったストライプ状のパターンを有する蛍光体層12が形成されている。
光吸収層11の厚さは2μm以下とし、かつこの光吸収層11のパターンの上を覆うように、蛍光体層12のパターンを、隣接するストライプ間にできるだけ隙間がないように形成することが望ましい。また、隣接する3色の蛍光体層12R,12G,12Bの厚さの差も、2μm以下とすることが望ましい。
ここで、光吸収層11のパターンの形成は、フォトリソ法あるいは黒色顔料を含むペーストをスクリーン印刷するなどの方法で行うことができる。また、3色の蛍光体層12R,12G,12Bのパターンの形成は、ZnS系、Y2O3系、Y2O2S系などの蛍光体を含む樹脂ペーストをスクリーン印刷する方法、あるいは感光性材料を含む蛍光体スラリーを塗布し、フォトリソ法によりパターニングする方法で行うことができる。
蛍光体スクリーン2の上にメタルバック層8を形成するには、例えば、スピン法でニトロセルロース等の有機樹脂からなる薄い膜を形成し、その膜の上にAl膜などの金属膜を真空蒸着し、さらに焼成(ベーキング)して有機物を除去する方法(ラッカー法)を採ることができる。
また、転写用の積層フィルム(転写フィルム)を使用してメタルバック層8を形成することもできる。転写フィルムは、ベースフィルム上に離型剤層(必要に応じて保護膜)を介してAl等の金属膜と接着剤層が順に積層された構造を有し、この転写フィルムを、接着剤層が蛍光体層12に接するように配置し、スタンプ方式、ローラー方式などで押圧処理を施す。こうして転写フィルムを加熱しながら押圧し、金属膜を接着してからベースフィルムを剥ぎ取った後、加熱焼成し有機分を分解・除去することにより、蛍光体スクリーン2上にメタルバック層8を形成することができる。
このように構成されるFEDにおいては、蛍光体スクリーン2を構成する光吸収層11がマトリックス格子状のパターンを有し、その上を覆うように蛍光体層12のパターンが、ストライプ状でかつ隣接するストライプ間に隙間がないように形成されているので、蛍光体スクリーン2の上面における層間の段差が小さくなっているうえに、放電のトリガとなるおそれがある微細かつ急峻な段差も大幅に低減している。したがって、電界集中に起因する異常放電が起こりにくく、耐電圧特性が向上する。また、光吸収層11がマトリックス格子状のパターンを有しているので、蛍光体層12の発光面積に対する遮光部の面積が十分に大きくなっており、表示コントラストにも優れている。
次に、本発明をFEDに適用した具体的実施例について説明する。
実施例
ガラス基板上に黒色顔料からなるマトリックス格子状の光吸収層(平均厚2μm)をフォトリソ法により形成した。なお、光吸収層の格子状パターンのサイズは、x軸方向の遮光幅50μm、開口幅150μmで、y軸方向の遮光幅350μm、開口幅250μmとした。
ガラス基板上に黒色顔料からなるマトリックス格子状の光吸収層(平均厚2μm)をフォトリソ法により形成した。なお、光吸収層の格子状パターンのサイズは、x軸方向の遮光幅50μm、開口幅150μmで、y軸方向の遮光幅350μm、開口幅250μmとした。
次いで、この光吸収層のパターンの上に、赤(R)、緑(G)、青(B)の3色の蛍光体を含む樹脂ペーストをそれぞれスクリーン印刷し、y軸方向に沿ったストライプ状の蛍光体層(平均厚6μm)を形成した。なお、蛍光体層のパターン(ストライプ)の幅は200μmであり、各ストライプが隙間なく接するように形成した。こうして、図2(a)〜(d)に示す形状および構造を有する蛍光体スクリーン2を形成した。
形成された蛍光体スクリーン2において、光吸収層11と蛍光体層12との間の段差の最大値を測定したところ、2μmであった。また、両層の間の急峻な段差の有無を調べたところ、x軸方向には急峻な段差があるがy軸方向にはなかった。
次いで、このような蛍光体スクリーン2の上に、Al膜(膜厚100μm)のメタルバック層をラッカー法により形成し、メタルバック付き蛍光面を有する基板を得た。
こうして得られたメタルバック付き蛍光面を有する基板を使用し、FEDを作製した。すなわち、基板上に表面伝導型電子放出素子をマトリクス状に多数形成した電子放出源を背面ガラス基板に固定してリアプレートとし、このリアプレートと前記した基板(フェースプレート)とを、支持枠およびスペーサーを介して対向・配置し、フリットガラスにより封着した。フェースプレートとリアプレートとの間隙は2mmとした。次いで、真空排気、封止など必要な処理を施し、FEDを完成した。なお、このFEDにおいて、電子放出素子から放出される電子ビーム(EB)の蛍光体層への投射サイズは、直径120μmであり、図2(a)において破線で示す位置に投射されるものとする。
次いで、得られたFEDの表示コントラストの良否を常法により調べた。また、耐電圧特性(限界保持電圧)を常法により測定した。測定結果を表1に示す。
また、比較例1〜4として、光吸収層のパターン形状、層厚、パターンのx、y各軸方向の遮光部および開口部のサイズ、蛍光層のパターン形状、層厚、パターンのx、y各軸方向のサイズを、それぞれ表1に示すように設計し、実施例と同様にしてメタルバック付き蛍光面を形成した。
比較例1における光吸収層11のパターン形状を図3(a)に、蛍光体層12のパターン形状を図3(b)に、蛍光体スクリーン2のx軸方向の断面構造を図3(c)に、y軸方向の断面構造を図3(d)にそれぞれ示す。同様に、比較例2〜4における光吸収層11のパターン形状を図4(a)〜図6(a)に、蛍光体層12のパターン形状を図4(b)〜図6(b)に、蛍光体スクリーン2のx軸方向の断面構造を図4(c)〜図6(c)に、y軸方向の断面構造を図4(d)〜図6(d)にそれぞれ示す。
このような比較例1〜4の蛍光体スクリーン2において、光吸収層11と蛍光体層12との間の段差の最大値を測定するとともに、両層の間の急峻な段差の有無を調べた。
次いで、比較例1〜4で得られたメタルバック付き蛍光面を有する基板を使用し、実施例と同様にしてFEDを作製した後、表示コントラストおよび耐電圧特性(限界保持電圧)を常法により測定した。測定結果を表1に示す。なお、表1において、BMは光吸収層を、SCは蛍光体層をそれぞれ表すものとする。
表1に示す測定結果から、以下のことが確かめられた。すなわち、実施例で得られたFEDは、蛍光体スクリーンを構成する層間の最大段差が2μmと小さくなっているうえに、層間の微細かつ急峻な段差もy軸方向には全く存在しないので、限界保持電圧が15kVと極めて高く、耐電圧特性に優れている。また、光吸収層がマトリックス格子状のパターンを有しているので、表示コントラストも良好である。
これに対して、比較例1で得られたFEDは、蛍光体スクリーンを構成する層間の最大段差が1μm以下と小さいが、矩形ドット状に形成された蛍光体層と光吸収層との間に微細ではあるが急峻な段差があるため、実施例に比べて耐電圧特性が低くなっている。
また、比較例2および3で得られたFEDは、いずれも耐電圧特性は実施例と同等に優れているが、表示コントラストが悪くなっている。これは、光吸収層がストライプ状に形成されているので、電子ビームによる蛍光体層の発光面積に対して遮光部の面積が十分に採られていないためと考えられる。
さらに、比較例4で得られたFEDは、蛍光体スクリーンにおける層間の段差が大きくなっているので、限界保持電圧が著しく低く耐電圧特性が悪くなっている。
本発明によれば、コントラストが良好で耐電圧特性に優れた画像表示装置を得ることができる。この表示装置は、FEDのような薄型で平面型の画像表示装置として極めて有用である。
1…透明基板、2…蛍光体スクリーン、3…フェースプレート、5…電子放出源、6…リアプレート、7…支持枠、8…メタルバック層、11…光吸収層、12…蛍光体層。
Claims (3)
- フェースプレートと、該フェースプレートと対向配置されたリアプレートと、該リアプレート上に形成された多数の電子放出素子と、前記フェースプレートの前記リアプレートに対向する内面に形成された光吸収層および蛍光体層を備えた画像表示装置であり、
前記光吸収層が格子状のパターンを有し、かつ前記蛍光体層がストライプ状のパターンを有することを特徴とする画像表示装置。 - 前記光吸収層の厚さが2μm以下であり、かつこの光吸収層の上に前記蛍光体層のパターンが、隣接するストライプ間に隙間がないように形成されていることを特徴とする請求項1記載の画像表示装置。
- 前記蛍光体層のパターンにおいて、隣接する各ストライプの厚さの差が2μm以下であることを特徴とする請求項1または2記載の画像表示装置。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
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JP2004055576A JP2005243586A (ja) | 2004-02-27 | 2004-02-27 | 画像表示装置 |
Applications Claiming Priority (1)
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Publications (1)
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Family Applications (1)
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JP2004055576A Abandoned JP2005243586A (ja) | 2004-02-27 | 2004-02-27 | 画像表示装置 |
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2004
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