JP2005239896A - インク組成物およびインクジェット記録方法 - Google Patents
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Abstract
【解決手段】 分散媒および少なくとも色材を含む荷電粒子を含有するインク組成物において、前記荷電粒子が特定構造の繰り返し単位を有する重合体を少なくとも1種含有することを特徴とするインク組成物、及び、該インク組成物を、静電界を利用したインクジェット記録方式でインク滴として飛翔させるインクジェット記録方法。
【選択図】 なし
Description
一方、静電界を利用する方式は、インク滴の飛翔方向を静電界により制御するため、望ましい位置へインク滴を正確に着弾させることが可能であり、高画質の画像形成物(印刷物)を作成でき優れている。
a1、a2は互いに同じでも異なっていてもよく、それぞれ水素原子、ハロゲン原子、シアノ基、置換基を有していてもよい炭化水素基を表す。
Xは単結合又はC、H、N、O、S、Pから選ばれる2種以上の原子からなる総原子数50個以下の2価の連結基を表す。
R1は炭素数4以上の脂肪族炭化水素基を表す。
a1、a2は互いに同じでも異なっていてもよく、それぞれ水素原子、ハロゲン原子、シアノ基、置換基を有していてもよい炭化水素基を表す。
Xは単結合又はC、H、N、O、S、Pから選ばれる2種以上の原子からなる総原子数50個以下の2価の連結基を表す。
R1は炭素数4以上の脂肪族炭化水素基を表す。
[被覆剤]
本発明のインク組成物において、顔料等の色材は、分散媒に直接、分散(粒子化)するよりも、被覆剤により被覆された状態で分散(粒子化)することが好ましい。被覆剤で被覆することにより、色材が持つ荷電を遮蔽し望ましい荷電特性を付与することができる。また、本発明においては、被記録媒体へインクジェット記録した後、ヒートローラ等の加熱手段により定着するが、この際被覆剤が熱により溶融し、効率よく定着できる。
本発明は、被覆剤成分として下記一般式(A)で表される繰り返し単位を有する重合体を少なくとも1種含有することを特徴とする。
a1、a2は互いに同じでも異なっていてもよく、それぞれ水素原子、ハロゲン原子、シアノ基、置換基を有していてもよい炭化水素基を表す。
Xは単結合又はC、H、N、O、S、Pから選ばれる2種以上の原子からなる総原子数50個以下の2価の連結基を表す。
R1は炭素数4以上の脂肪族炭化水素基を表す。
R1で表される脂肪族炭化水素基は、炭素数4以上の脂肪族炭化水素基であり、好ましくは炭素数6〜30の置換されてもよい炭化水素基である。
脂肪族炭化水素基としては、例えば置換されていてもよいアルキル基が挙げられ、具体的にはブチル基、イソブチル基、t−ブチル基、ヘプチル基、ヘキシル基、エチルヘキシル基、オクチル基、デシル基、ドデシル基、トリデシル基、テトラデシル基、ヘキサデシル基、オクタデシル基などが挙げられる。
多分散度(重量平均分子量/数平均分子量;Mw/Mn)は好ましくは1.0〜7.0であり、より好ましくは1.0〜5.0、さらに好ましくは1.0〜4.0の範囲である。
さらに定着の容易さの観点からガラス転移点または融点が40〜120℃の範囲内にある重合体であることが好ましい。
ここで、重合体物性としての動的弾性率は、重合体の変形しやすさや流動性を示し、その挙動はレオロジ−と呼ばれる学問体系に属している。そして、動的弾性率は、インク粒子の熱的流動性、すなわちフロー性、上に重ねられた記録紙への画像の裏移りのしにくさ、すなわち耐ブロッキング性、そしてインク画像の熱定着時におけるヒートローラへ画像の一部が転移するオフセット等と深く関係すると考えられる。
すなわち、動的弾性率が50℃で106Pa以上であることにより、定着されたインク画像の耐ブロッキング性が良好となり、100℃で103Pa以上105Pa以下であることにより、インク粒子のフロ−性が良好となり、さらにオフセット性が改善される。
さらに具体的には、例えば試料の微粉砕物3gをUBM社製レオメ−タ−「Rheosol−G1000型」の試料チャンバ−内にセットし、所定の測定方法に則りまず200℃でこれを溶融させたのち、温度を降下させながらロ−タ−を周波数1Hzで振動させ自動的に「温度ー動的弾性率曲線」を記録し、動的弾性率を測定することができる。この動的弾性率曲線の好ましい挙動として、40℃〜100℃の範囲において2箇所の変曲点を有していることが好ましい。
他の成分としては特に限定されないが、(メタ)アクリル系ポリマー、スチレン/(メタ)アクリル系ポリマーや、結晶性ポリエステル、結晶性ポリエチレンなどの融点を有する高分子化合物、結晶性化合物などの融点を有する低分子成分であることが特に好ましい。融点(Tm)は30〜120℃の範囲が好ましく、より好ましくは、30〜110℃の範囲、さらに好ましくは、40〜100℃の範囲である。この融点(Tm)の温度範囲において、画像の定着性が一層高まる。
分散媒は、高い電気抵抗率、具体的には1010Ωcm以上を有する誘電性の液体であることが好ましい。仮に電気抵抗率の低い分散媒を使用すると、隣接する記録電極間で電気的導通を生じさせるため、本形態には不向きである。また、誘電性液体の比誘電率は5以下が好ましく、より好ましくは4以下、更に好ましくは3.5以下である。このような比誘電率の範囲とすることによって、誘電性液体中の荷電粒子に有効に電界が作用されるため好ましい。
本発明に用いる色材としては、公知の染料および顔料を使用することができ、用途や目的に応じて選択することができる。例えば、記録された画像記録物(印刷物)の色調の観点からは、顔料を用いることが好ましい(例えば、技術情報協会発行 「顔料分散安定化と表面処理技術・評価」 2001年12月25日 第1刷参照。以下「非特許文献1」とも称する)。色材を変更することにより、イエロー、マゼンタ、シアン、墨(ブラック)の4色のインクを作成することができる。特に、オフセット印刷用インクやプルーフに用いられる顔料を使用するとオフセット印刷物と同様な色調が得られるので好ましい。
更にマイクロリス−A,−K,−Tなどのマイクロリス顔料に代表される加工顔料も好適に使用できる。その具体例としてはマイクロリスイエロー4G−A,マイクロリスレッドBP−K,マイクロリスブルー4G−T,マイクロリスブラックC−Tなどが挙げられる。
また、白インク用の顔料として炭酸カルシウムや酸化チタン顔料を、銀インク用としてアルミニウム粉を、金インク用として銅合金を用いる等、必要に応じて各種の顔料を使用することができる。
インク組成物全体に対する顔料の含有量は、0.1〜50質量%の範囲内であることが好ましい。0.1質量%以上において、顔料量が充足し、印刷物において充分良好な発色が得られ、また、50質量%以下において、色材を含有する粒子を分散媒に良好に分散させることができる。さらに好ましくは、1〜30質量%である。
本発明では、例えば色材および被覆剤の混合物を分散媒中に分散(粒子化)するが、粒子直径を制御し、かつ粒子の沈降を抑制するために分散剤を使用することがさらに好ましい。
好適な分散剤としては、ソルビタンモノオレエート等のソルビタン脂肪酸エステルや、ポリオキシエチレンジステアレート等のポリエチレングリコール脂肪酸エステルに代表される界面活性剤が挙げられる。また、例えば、スチレンとマレイン酸のコポリマー、およびそのアミン変性物、スチレンと(メタ)アクリル化合物のコポリマー、(メタ)アクリル系ポリマー、ポリエチレンと(メタ)アクリル化合物のコポリマー、ロジン、BYK−160、162、164、182(ビックケミー社製のポリウレタン系ポリマー)、EFKA−401、402(EFKA社製のアクリル系ポリマー)、ソルスパース17000,24000(ゼネカ社製のポリエステル系ポリマー)等が挙げられる。本発明においては、インク組成物の長期間保存安定性の観点から、重量平均分子量が1,000〜1,000,000の範囲内であり、かつ多分散度(重量平均分子量/数平均分子量)が、1.0〜7.0の範囲内であるポリマーが好ましい。さらに、グラフトポリマーまたはブロックポリマーを用いることが最も好ましい。
また、一般式(2)に対応するラジカル重合性モノマーとしては、例えば、(メタ)アクリル酸ヘキシル、(メタ)アクリル酸オクチル、(メタ)アクリル酸2−エチルヘキシル、(メタ)アクリル酸ドデシル、(メタ)アクリル酸ステアリル、等が挙げられる。
これらのグラフトポリマーの具体例としては、下記の構造式で示されるポリマーが挙げられる。
本発明においては、色材および被覆剤の混合物を、分散剤を用いて分散媒中に分散(粒子化)することが好ましく、粒子の荷電量を制御するために荷電調整剤を併用することがさらに好ましい。
好適な荷電調整剤としては、ナフテン酸ジルコニウム塩、オクテン酸ジルコニウム塩等の有機カルボン酸の金属塩、ステアリン酸テトラメチルアンモニム塩等の有機カルボン酸のアンモニム塩、ドデシルベンゼンスルホン酸ナトリウム塩、ジオクチルスルホコハク酸マグネシウム塩等の有機スルホン酸の金属塩、トルエンスルホン酸テトラブチルアンモニウム塩等の有機スルホン酸のアンモニウム塩、スチレンと無水マレイン酸のコポリマーをアミンで変性したカルボン酸基を含有するポリマー等の側鎖にカルボン酸基を有するポリマー、メタクリル酸ステアリルとメタクリル酸のテトラメチルアンモニウム塩の共重合体等の側鎖にカルボン酸アニオン基を有するポリマー、スチレンとビニルピリジンの共重合体等の側鎖に窒素原子を有するポリマー、メタクリル酸ブチルとN−(2−メタクリロイルオキシエチル)−N,N,N−トリメチルアンモニウムトシラート塩との共重合体等の側鎖にアンモニウム基を有するポリマー等が挙げられる。粒子に付与される荷電は、正荷電であっても負荷電であってもよい。インク組成物全体に対する荷電調整剤の含有量は、0.0001〜10質量%の範囲内であることが好ましい。なお、本発明のインク組成物の電気伝導度は、10nS/m〜300nS/m、荷電粒子の電気伝導度は、インク組成物の電気伝導度の50%以上であるのが好ましい。これらの条件は、荷電調整剤の含有量の増減によって、容易に調整できる。
本発明においては、さらに、腐敗防止のために防腐剤や、表面張力を制御するための界面活性剤等を目的に応じて含有することができる。
以上の成分を用い、色材および被覆剤を分散(粒子化)することにより、本発明の粒子を含有するインク組成物を作成することができる。分散(粒子化)する方法としては、例えば下記の方法が挙げられる。
(1)色材および被覆剤をあらかじめ混合した後、分散剤と分散媒を用いて分散(粒子化)し、荷電調整剤を加える。
(2)色材、被覆剤、分散剤と分散媒を同時に用いて分散(粒子化)し、荷電調整剤を加える。
(3)色材、被覆剤、分散剤、荷電調整剤と分散媒を同時に用いて分散(粒子化)する。
本発明では、以上記述したインク組成物を、インクジェット記録方式により、被記録媒体へ記録する。本発明においては、静電界を利用したインクジェット記録方式を用いることが好ましい。静電界を利用するインクジェット記録方式は、制御電極と被記録媒体背面の背面電極間に電圧を印加することにより、インク組成物の荷電粒子を静電力によって吐出位置に濃縮し、吐出位置から記録媒体へ飛翔させる方式である。制御電極と背面電極間に印加する電圧は、例えば荷電粒子が正の場合、制御電極が正極であり背面電極が負極となる。背面電極へ電圧を印加する代わりに被記録媒体に帯電を行っても同様の効果が得られる。
まずは、図1に示す記録媒体に片面4色印刷を行う装置の概要について説明する。
図1に示されるインクジェット記録装置1は、フルカラー画像形成を行うための4色分の吐出ヘッド2C、2M、2Yおよび2Kから構成される吐出ヘッド2にインクを供給し、さらに吐出ヘッド2からインクを回収するインク循環系3、図示されないコンピュータ、RIP等の外部機器からの出力により吐出ヘッド2を駆動させるヘッドドライバ4、位置制御手段5を備える。またインクジェット記録装置1は、3つのローラ6A、6B、6Cに張架された搬送ベルト7、搬送ベルト7の幅方向の位置を検知可能な光学センサなどで構成された搬送ベルト位置検知手段8、記録媒体Pを搬送ベルト上に保持するための静電吸着手段9、画像形成終了後に記録媒体Pを搬送ベルト7から剥離するための除電手段10および力学的手段11を備える。搬送ベルト7の上流、下流には、記録媒体Pを図示されないストッカーから搬送ベルト7に供給するフィードローラ12およびガイド13、剥離後の記録媒体Pへインクを定着させると共に図示されない排紙ストッカーに搬送する定着手段14およびガイド15が配置されている。またインクジェット印刷装置1の内部には、搬送ベルト7を挟んで吐出ヘッド2に対向する位置には、記録媒体位置検出手段16を有し、さらにインク組成物から発生する溶媒蒸気を回収するための排出ファン17および溶媒蒸気吸着材18からなる溶媒回収部が配置され、装置内部の蒸気は該回収部を通って装置外部に排出される。
本発明で好適に使用されるインクジェットヘッドは、インク流路内での荷電粒子を電気泳動させて開口付近のインク濃度を増加させ、吐出を行うインクジェット方法であり、主に記録媒体または記録媒体背面に配置された対向電極に起因する静電吸引力によりインク滴の吐出を行うものである。従って、記録媒体または対向電極がヘッドに対向していない場合や、ヘッドと対向する位置にあっても記録媒体または対向電極に電圧が印加されていない場合には、誤って吐出電極に電圧が印加された場合や振動が与えられた場合でもインク滴の吐出は起こらず、装置内を汚すことはない。
その際、第1吐出電極46と第2吐出電極56の両者にパルス電圧が印加された場合にのみインク滴Gが吐出するように、第1吐出電極46と第2吐出電極56とに印加する電圧値を調整しておく。
静電界を利用したインクジェット記録方式では、インク組成物中の荷電粒子が濃縮されて吐出する。従って、長時間インク組成物の吐出を行うと、インク組成物中の荷電粒子が減量し、インク組成物の電気伝導度が低下する。また、荷電粒子の電気伝導度とインク組成物の電気伝導度との割合が変化する。さらに、吐出の際、直径の小さな荷電粒子よりも大きな荷電粒子が優先して吐出する傾向にあるため、荷電粒子の平均直径が小さくなる。また、インク組成物中の固形物の含有量が変化するため、粘度も変化する。
これらの物性値の変化により、結果として、吐出不良を起こしたり、記録された画像の光学濃度の低下やインクのにじみが発生する。このため、当初インクタンクへ仕込んだインク組成物よりも、高濃度(固形分濃度の高い)のインク組成物を補充することにより、荷電粒子の減量を防止し、インク組成物の電気伝導度や、荷電粒子の電気伝導度とインク組成物の電気伝導度の割合を一定の範囲に留めることができる。また、平均粒子直径や粘度を維持することができる。さらに、インク組成物の物性値を一定の範囲内に保つことにより、インク吐出が長時間安定して均一に行われる。この際の補充は、例えば、使用しているインク液の電気伝導度や光学濃度等の物性値を検出し、不足量を算出して、機械的または人力で成されることが好ましい。また、画像データを基に使用するインク組成物の量を算出し、機械的または人力で成されてもよい。
本発明においては、用途に応じて様々な被記録媒体を用いることができる。例えば、紙、プラスチックフィルム、金属、および、プラスチックまたは金属がラミネートまたは蒸着された紙、金属がラミネートまたは蒸着されたプラスチックフィルム等を用いれば、インクジェット記録することにより、直接印刷物を得ることができる。また、アルミニウムなどの金属を粗面化した支持体等を用いれば、オフセット印刷版を得ることができる。さらに、プラスチック支持体等を用いれば、フレキソ印刷版や液晶画面用のカラーフィルターを得ることができる。被記録媒体の形状は、シート状のように平面的であっても、円筒形状のように立体的であってもよい。また、シリコンウエハーや配線基板を被記録媒体として用いれば、半導体やプリント配線基板の製造に適用できる。
1−メトキシ2−プロパノ−ル(MFG)46.6gを入れた500ml三口フラスコに、メチルメタクリレ−ト75g(0.749mol)、ステアリルメタクリレ−ト20g(0.059mol)、モノマー(M−1)5g(0.0146mol)、ジメチル2、2'−アゾビス(2−メチルプロピオネ−ト)(和光純薬工業(株)製、V−601)9.47g(41.13mmol)、MFG186.4gの混合溶媒を窒素雰囲気下、80℃で2.5時間かけて滴下し、さらに2.5時間反応後、90℃に昇温し2時間反応した。この反応液を水で再沈、真空乾燥して下記構造の重合体(AP−1)を93g得た。重量平均分子量は、16,000であり、多分散度(重量平均分子量/数平均分子量)は、2.0であった。
1−メトキシ2−プロパノ−ル(MFG)46.6gを入れた500ml三口フラスコに、エチルメタクリレ−ト80g(0.701mol)、ドデシルメタクリレ−ト15g(0.059mol)、モノマー(M−1)5g(0.0146mol)、ジメチル2、2'−アゾビス(2−メチルプロピオネ−ト)(V−601)8.92g(38.73mmol)、MFG186.4gの混合溶媒を窒素雰囲気下、80℃で2.5時間かけて滴下し、さらに2.5時間反応後、90℃に昇温し2時間反応した。この反応液を水で再沈、真空乾燥して下記構造の重合体(AP−2)を90g得た。重量平均分子量は、19,000であり、多分散度(重量平均分子量/数平均分子量)は、2.4であった。
ジメチルアセトアミド(DMAc)46.6gを入れた500ml三口フラスコに、下記モノマー(M−2)20g(0.0884mol)、ブチルメタクリレート60g(0.422mol)ステアリルメタクリレート20g(0.088mol)、ジメチル2,2'−アゾビス(2−メチルプロピオネート)(V−601)2.75g(11.96mmol)、DMAc186.4gの混合溶媒を窒素雰囲気下、80℃で2.5時間かけて滴下し、さらに2.5時間反応後、90℃に昇温し2時間反応した。この反応液を水で再沈、真空乾燥して下記構造のポリマー(AP−3)を88g得た。重量平均分子量は、36,000であり、多分散度(重量平均分子量/数平均分子量)は、1.9であった。
1−メトキシ2−プロパノール(MFG)46.6gを入れた500ml三口フラスコに、エチルメタクリレート85g(0.745mol)、ステアリルメタクリレート10g(0.0295mol)、モノマー(M−1)5g(0.0146mol)、ジメチル2,2'−アゾビス(2−メチルプロピオネート)(V−601)3.63g(15.78mmol)、MFG184.4g、水2gの混合溶媒を窒素雰囲気下、80℃で2.5時間かけて滴下し、さらに2.5時間反応後、90℃に昇温し2時間反応した。この反応液を水で再沈、真空乾燥して下記ポリマー(AP−4)を93g得た。重量平均分子量は、33,000であり、多分散度(重量平均分子量/数平均分子量)は、2.0であった。
1−メトキシ2−プロパノール(MFG)46.6gを入れた500ml三口フラスコに、メチルメタクリレート38g(0.379mol)、ブチルメタクリレート47g(0.330mol)、ステアリルメタクリレート10g(0.0295mol)、モノマー(M−1)5g(0.0146mol)、ジメチル2,2'−アゾビス(2−メチルプロピオネート)(V−601)3.468g(15.06mmol)、MFG184.4g、水2グラムの混合溶媒を窒素雰囲気下、80℃で2.5時間かけて滴下し、さらに2.5時間反応後、90℃に昇温し2時間反応した。この反応液を水で再沈、真空乾燥してポリマー(AP−5)を93g得た。重量平均分子量は、28,000であり、多分散度(重量平均分子量/数平均分子量)は、1.88であった。
トルエン46.6gを入れた500ml三口フラスコに、メチルメタクリレート70g(0.699mol)、MM−8[東亜合成(株)製(メタノール再沈後使用)Mw12,000]30g(2.5mmol)、ジメチル2,2'−アゾビス(2−メチルプロピオネート)(V−601)3.23g(14.03mmol)、トルエン186.4gの混合溶媒を窒素雰囲気下、80℃で2.5時間かけて滴下し、さらに2.5時間反応後、90℃に昇温し2時間反応した。この反応液をメタノールで再沈、真空乾燥してポリマー(AP−6)を80g得た。重量平均分子量は、29,000であり、多分散度(重量平均分子量/数平均分子量)は、2.2であった。
1−メトキシ2−プロパノール(MFG)46.6gを入れた500ml三口フラスコに、スチレン75g(0.725mol)、ステアリルメタクリレート20g(0.059mol)、モノマー(M−1)5g(0.0146mol)、ジメチル2,2'−アゾビス(2−メチルプロピオネート)(V−601)3.65g(15.87mmol)、MFG186.4gの混合溶媒を窒素雰囲気下、80℃で2.5時間かけて滴下し、さらに2.5時間反応後、90℃に昇温し2時間反応した。この反応液を水で再沈、真空乾燥してポリマー(AP−7)を93g得た。重量平均分子量は、36,000であり、多分散度(重量平均分子量/数平均分子量)は、2.0であった。
<使用した材料>
本実施例1においては、下記の材料を使用した。
・被覆剤 [被覆剤重合体AP−1、上記合成例1参照]
・分散剤 [BZ−2]
・荷電調整剤 [CT−1]
・分散媒 アイソパーG(エクソン社(株)製)
荷電調整剤[CT−1]は、1−オクタデセンと無水マレイン酸のコポリマーに、1−ヘキサデシルアミンを反応させることにより得た。重量平均分子量は、17,000であった。
シアン顔料10g、被覆剤重合体[AP−1]20gを、入江商会(株)製卓上型ニ−ダ−PBV−0.1に入れ、ヒ−タ−温度を100℃に設定し2時間加熱混合した。得られた混合物30gをトリオサイエンス(株)製トリオブレンダ−にて粗粉砕し、さらに協立理工(株)製SK−M10型サンプルミルにて微粉砕した。得られた微粉砕物30gを、分散剤[BZ−2]7.5g、アイソパ−G75g、および直径約3.0mmのガラスビ−ズと共に、東洋精機製作所(株)製ペイントシェ−カ−にて予備分散した。ガラスビ−ズを除去した後、直径約0.6mmのジルコニアセラミックビ−ズと共に、シンマルエンタ−プライゼズ(株)製TypeKDLダイノミルにて、内温を25℃に保ちながら5時間、引き続き45℃で5時間、2、000rpmの回転数で分散(粒子化)した。得られた分散液からジルコニアセラミックビ−ズを除去し、アイソパ−G316gと荷電調整剤[CT−1]0.6gを加え、インク組成物[EC−1]を得た。
図1〜3に示すインクジェット記録装置に、実施例1のインク組成物[EC−1]をインクタンクに充填した。ここでは吐出ヘッドとして図2に示すタイプの150dpi(チャンネル密度50dpiの3列千鳥配置)、833チャンネルヘッドを使用し、また定着手段として1kWのヒータを内蔵したシリコンゴム性ヒートローラを使用した。インク温度管理手段として投げ込みヒータと攪拌羽をインクタンク内に設け、インク温度は30℃に設定し、攪拌羽を30rpmで回転しながらサーモスタットで温度コントロールした。ここで攪拌羽は沈澱・凝集防止用の攪拌手段としても使用した。またインク流路を一部透明とし、それを挟んでLED発光素子と光検知素子を配置し、その出力シグナルによりインクの希釈液(アイソパーG)あるいは濃縮インク(上記インク組成物の固形分濃度を2倍に調整したもの)投入による濃度管理を行った。被記録媒体としてオフセット印刷用微コート紙を使用した。エアーポンプ吸引により被記録媒体表面の埃除去を行った後、吐出ヘッドを画像形成位置まで被記録媒体に近づけ、記録すべき画像データを画像データ演算制御部に伝送し、搬送ベルトの回転により被記録媒体を搬送させながら吐出ヘッドを逐次移動しながらインク組成物を吐出して2400dpiの描画解像力で画像を形成した。搬送ベルトとして、金属ベルトとポリイミドフィルムを張り合わせたものを使用し、このベルトの片端付近に搬送方向に沿ってライン状のマーカーを配置し、これを搬送ベルト位置検知手段で光学的に読みとり、位置制御手段を駆動して画像形成を行った。この際、光学的ギャップ検出装置による出力により吐出ヘッドと記録媒体の距離は0.5mmに保った。また吐出の際には被記録媒体の表面電位を−1.5kVとしておき、吐出をおこなう際には+500Vのパルス電圧を印加し(パルス巾50μsec)、15kHzの駆動周波数で画像形成を行った。
得られたグレースケール画像記録物(印刷物)は、筋ムラ、インクのにじみがなく極めて鮮明な画像であった。画像形成不良等は全く見られず、また外気温の変化、記録時間の増加によってもドット径変化等による画像劣化は全く見られず、良好な画像形成が可能であった。
画像記録後すぐに、ヒートローラを用いて定着し、定着時のコート紙の温度を60〜100℃まで5℃刻みで変化させ定着をおこない、被覆剤がフローする温度(フロー開始温度)とヒートローラへのオフセットが発生しない上限温度(耐上限オフセット温度)を定着性の評価基準とした。
すなわち、フロー開始温度が低温で達成され、高温までオフセットが発生しないインクが望ましい。なお、ここでいう「フロー」とは、被覆剤が溶融し、流動した後に、被膜化した状態を表す。
結果を表1に示す。
耐上限オフセット温度:ヒートローラへのオフセット発生は、オフセットした画像をヒートローラから紙へ再転写させ、紙上で目視評価した。
なお、溶媒が被記録媒体(コート紙)に残存した状態においても上記と同様にしてフロー開始温度および耐上限オフセット温度を測定し、定着性評価を行った。
試料の微粉砕物3gをUBM社製レオメ−タ−「Rheosol−G1000型」の試料チャンバ−内にセットし、所定の測定方法に則りまず200℃でこれを溶融させたのち、温度を降下させながらロ−タ−を周波数1Hzで振動させ自動的に「温度−動的弾性率曲線」を記録し、100℃、50℃における動的弾性率を読み取った。
さらに少なくとも40〜100℃の温度範囲内において「温度−動的弾性率曲線」に2箇所の変曲点を有することを確認した。
使用素材として、被覆剤[AP−1]を[AP−2]〜[AP−7]に変えた以外は、実施例1とまったく同素材にて、同様な方法にてインク[EC−2]〜[EC−7]を作成し、インクジェット描画、定着評価を実施した。
使用素材として、実施例1の被覆剤[AP−1]の代わりに、[AP−2]18g、ビフェニル(和光純薬(株)製、Tm70℃)2gを使用した以外は、実施例1とまったく同素材にて、同様な方法にてインク[EC−8]を作成し、インクジェット描画、定着評価を実施した。
使用素材として、実施例1の被覆剤[AP−1]の代わりに、[AP−5]18g、バイロン220(東洋紡製、Tm80℃)2gを使用した以外は、実施例1とまったく同素材にて、同様な方法にてインク[EC−9]を作成し、インクジェット描画、定着評価を実施した。
実施例1の被覆剤[AP−1]を比較重合体、ポリメチルメタクリレート(Mw15,000、Aldrich製)[BP−1]に変えた以外は実施例1と同様にして、インク組成物[RC−1]を作成し、インクジェット描画、定着評価を実施した。
実施例1の被覆剤[AP−1]を比較共重合体ベンジルメタクリレート/メチルメタクリレート(モル比75/25)[アルドリッチ社製][BP−2]に変えた以外は実施例1と同様にして、インク組成物[RC−2]を作成、インクジェット描画、定着評価を実施した。
○:フロー開始温度70℃以下、かつ耐オフセット上限温度80℃以上
△:フロー開始温度75℃以上80℃未満、かつ耐オフセット上限温度80℃以上
×:フロー開始温度80℃以上、又は耐オフセット上限温度80℃未満
(耐ブロッキング性評価)
○:転写物なし
△:転写物若干あり
×:転写物かなりあり
P 被記録媒体
Q インク流
R 荷電粒子
1 インクジェット記録装置
2、2Y、2M、2C、2K 吐出ヘッド
3 インク循環系
4 ヘッドドライバ
5 位置制御手段
6A、6B、6C 搬送ベルト張架ローラ
7 搬送ベルト
8 搬送ベルト位置検知手段
9 静電吸着手段
10 除電手段
11 力学的手段
12 フィードローラ
13 ガイド
14 画像定着手段
15 ガイド
16 記録媒体位置検知手段
17 排出ファン
18 溶媒蒸気吸着材
38 インクガイド
40 支持棒部
42 インクメニスカス
44 絶縁層
46 第1吐出電極
48 絶縁層
50 ガード電極
52 絶縁層
56 第2吐出電極
58 絶縁層
62 浮遊導電板
64 被覆膜
66 絶縁部材
70 インクジェットヘッド
72 インク流路
74 基板
75、75A、75B 開口
76、76A、76B 吐出部
78 吐出部
Claims (3)
- 請求項1記載の一般式(1)で表される繰り返し単位を有する重合体の、50℃での動的弾性率が106Pa以上、かつ100℃での動的弾性率が103Pa以上105Pa以下であることを特徴とする請求項1に記載のインク組成物。
- 静電界を利用したインクジェット記録方式でインク組成物をインク滴として飛翔させるインクジェット記録方法において、使用するインク組成物が、分散媒および少なくとも色材を含む荷電粒子を含有し、かつ該荷電粒子が、下記一般式(A)で表される繰り返し単位を有する重合体を少なくとも1種含有することを特徴とするインクジェット記録方法。
a1、a2は互いに同じでも異なっていてもよく、それぞれ水素原子、ハロゲン原子、シアノ基、置換基を有していてもよい炭化水素基を表す。
Xは単結合又はC、H、N、O、S、Pから選ばれる2種以上の原子からなる総原子数50個以下の2価の連結基を表す。
R1は炭素数4以上の脂肪族炭化水素基を表す。
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JP2014224252A (ja) * | 2013-04-26 | 2014-12-04 | キヤノン株式会社 | 樹脂組成物の製造方法及び樹脂組成物 |
-
2004
- 2004-02-26 JP JP2004052185A patent/JP2005239896A/ja active Pending
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CN103642317B (zh) * | 2013-12-20 | 2015-07-15 | 佛山市三水区康立泰无机合成材料有限公司 | 一种低温陶瓷喷墨墨水 |
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