JP2005239783A - 医療用ポリウレタンおよびその製造方法 - Google Patents

医療用ポリウレタンおよびその製造方法 Download PDF

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Abstract

【課題】 低刺激の医療用ポリウレタンを提供する。
【解決手段】 ヘキサンで抽出される物質の含有量が0.04質量%以下である、医療用ポリウレタンである。バルク重合によって得られたポリウレタンをアセトンなどの有機溶媒で洗浄すると、ヘキサン抽出物含有量が0.04質量%のポリウレタンとすることができる。ヘキサン抽出物含有率を指標にすると、溶出物試験に適合する安全性の高いポリウレタンとすることができ、医療用に好適に使用することができる。
【選択図】 なし

Description

本発明は、医療用ポリウレタンおよびその製造方法に関し、より詳細には、ヘキサン抽出物の含有量が0.04質量%以下である、低刺激性、安全性に優れる医療用ポリウレタンおよびその製造方法に関する。
ポリウレタンは、−NCO基を2個以上もつポリイソシアネート化合物と、活性水素含有基を2個以上有する化合物、すなわちポリオール化合物、ポリカルボン酸化合物またはポリオキシカルボン酸化合物との反応物である。主原料となるポリイソシアネートやポリオール化合物等の種類を変えることで様々な特性をもつものを得ることができる。また、発泡体やエラストマー等に成形することで、特有の機械的物性、機能を発現させることができる。このため、電気電子分野、自動車分野、土木建築分野、工業資材分野、生活用品、スポーツ、衣料分野等に利用されている。また、ハードセグメントとソフトセグメントからなるポリウレタンは、高い耐疲労特性と優れた血液適合性を有し、ミクロ相分離構造を形成し、ストッキング、人工血管、人工心臓ポンプなどの医用材料に使用されている。
例えば、手術用縫合糸、人工皮膚、人工骨などの医療用具として使用されるポリウレタンとして、触媒の存在下に少なくとも2個の水酸基を有するヒドロキシ化合物にラクチド類を開環重合させて得られるラクチド系ポリオールと有機ジイソシアネートとを反応させて得られるポリウレタンが記載されている(特許文献1)。手術用縫合糸、人工皮膚、人工骨等の医療用材料は、柔軟性、弾性、耐久性に優れることに加えて、目的に応じた期間の後には生体内で分解されることが必要である。上記公報は、このため生分解性のポリウレタンとして開発されたものであり、紫外線吸収剤、光安定剤、酸化防止剤、着色剤などを含んでいてもよい、としている。
また、X線に対して非透過性でありかつ耐熱劣化性が優れたカテーテルとして、プラスチックに造影剤と、硫黄原子を含まないフェノール系酸化防止剤とを均一に混合したプラスチック組成物をチューブ状に成形したプラスチックカテーテルがある(特許文献2)。プラスチックをX線に対して非透過性にするには造影剤を配合すればよいが熱劣化しやすく加工性も低下する。このため酸化防止剤を添加するが、このような造影剤と酸化防止剤とを配合すると、チューブ成形時の熱履歴によって変色するため実使用が困難となる。そこで、硫黄原子を含まないフェノール系酸化防止剤を酸化防止剤として使用することで、耐熱劣化性と非透過性とを確保したというものである。
また、スポーツウェアなどの屋外での光による脆化を防止するため紫外線吸収剤を配合すると着色や変色が生じる点に鑑みて、ポリウレタン弾性糸に金属不活性剤を含有させることで、繊維や衣料の加工仕上げや日常の洗濯による着色や変色を防止し、かつ優れた耐光性および耐ガス性などを具備するポリウレタン組成物やポリウレタン弾性糸が開示されている(特許文献3)。
更に、安全性の高い高分子組成物を構成成分として含有する医療用具として、ウレタン結合を分子内に有する直鎖状高分子であって、生理食塩水による抽出操作による抽出液中の総有機炭素濃度が400ppm以下である高分子を含む医療用具も開示されている(特許文献4)。生体内埋め込みや一定期間の留置に使用される医療器具は高い安全性が要求されるが、材料の分解反応により生成するオリゴマーや残留原料、添加剤、副生成物などの溶出物の有無やその量についての検討は十分でないとし、ASTM F619(メディカル・プラスチックの抽出方法)に記載された抽出条件に準拠し、生理食塩水によって抽出を行った抽出液中の総有機炭素濃度(TOC)が特定の値以下である場合に、高分子の安全性が高いとしている。実施例では、医療用具としてダイアライザーの性能評価試験を行っている。
特開平5−295075号公報 特開平9−38194号公報 特開2000−169700号公報 特開2003−147194号公報
一般に、医用高分子材料は、生きている細胞と直接接触する材料であり、機能性に加えて生体安定性や生体適合性、可滅菌性が要求される。生体内に半永久的に埋め込んだり、一定期間留置する場合には、低刺激性や血液や生体組織との適合性などの評価が特に重要である。これに対して、ポリウレタン自体は医療用にも使用され、一般的な利用分野での態様に適するように様々の添加剤が添加されている。例えば、酸化防止剤や紫外線吸収剤等は、自動車部品のように太陽光線に暴露されるような環境では必須であるが、医療用の埋め込み品またはディスポ品など紫外線に被爆されることが少ない場合には不要である。一方、紫外線吸収剤のなかには生体に対する刺激性や感作性が問題とされ、医療用材料としてのポリウレタンにはこれら添加剤を使用しない事が望ましく、または使用しても必要最小限に留める必要がある。
また、ポリウレタンは高分子材料であるが、単量体の重合物であるため比較的溶出しやすい低分子量物や未反応原料等が僅かに含まれている場合がある。これらの物質もやはり医療用材料として考えた場合、極力少ない方がのぞましい。
上記現状に鑑みて、本発明は、添加剤および低分子量、未反応物の量を極力削減した次世代の医療用ポリウレタン材料を提供する事にある。
医療用に加工するポリウレタン樹脂自体には、保存時の品質維持のために紫外線吸収剤や酸化防止剤が配合されることが一般的である。従って、医療用途に加工する際の添加物の配合がない場合であっても、製品中にこれら紫外線吸収剤や酸化防止剤が含まれている。本発明者は、このようなポリウレタン樹脂であっても、ヘキサン抽出物質量が特定範囲に減少したものは低刺激性で安全性に優れること、およびこのようなポリウレタン樹脂は、特定の有機溶媒で洗浄したり特定の重合方法によって製造できること見出し、本発明を完成させた。
本発明によれば、低刺激性、安全性に優れる医療用ポリウレタンが提供される。
また、本発明によれば、簡便な方法で、上記特性に優れる医療用ポリウレタンを製造することができる。
本発明の第一は、ヘキサンで抽出される物質の含有量が0.04質量%以下であることを特徴とする、医療用ポリウレタンである。
ポリウレタンの中でも医療用に使用されるものは、生体内埋設や一定期間の留置、血液透析など生体内組織と長期に亘り接触するものが多く、不純物や添加物の溶出による影響が発生する。本発明では、このような医療用に使用されるポリウレタンとして、特に体内埋め込み材料、血液処理フォルターに使用される場合には、ヘキサンで抽出される物質の含有量が0.04質量%以下であると、溶出物などの影響を排除することができ、該数値が低刺激性の基準となりうることを見出した。より好ましくは0.02質量%以下、特に好ましくは0.01質量%以下である。なお、本発明のヘキサンで抽出される物質の含有量は、後記する実施例での測定方法によるものとする。
本発明のポリウレタンは、ポリイソシアネート化合物とポリオール化合物とから調製される。本発明で好ましく使用できるポリイソシアネート化合物としては、芳香族系ポリイソシアネート、脂肪族系ポリイソシアネート(脂環族系ジイソシアネートを含む)に大別される。
脂肪族系ポリイソシアネートとしては、例えば、エチレンジイソシアネート、トリメチレンジイソシアネート、テトラメチレンジイソシアネート、ペンタメチレンジイソシアネート、ヘキサメチレンジイソシアネート、オクタメチレンジイソシアネート、デカメチレンジイソシアネート、ドデカメチレンジソシアネート、3,3’−ジイソシアナトプロピルエーテル、シクロペンタンジイソシアネート、シクロヘキサンジイソシアネート、4,4’-メチレンビス(シクロヘキシルイソシアネート)などがある。これらのうち、テトラメチレンジイソシアネート、ヘキサメチレンジイソシアネート、オクタメチレンジイソシアネートが好ましく、テトラメチレンジイソシアネートが特に好ましい。
また、芳香族系ポリイソシアネートとは、トリレンジソシアネート、キシリレンジイソシアネート、フェニレンジイソシアネート、ナフタレンジイソシアネート、イソシアナトベンジルイソシアネート、4,4’−メチレンビス(フェニルイソシアネート)などがある。また、ジイソシアネートを形成する炭化水素骨格の水素原子が他の原子や官能基などで置換されていてもよい。これらのうち、4,4’-メチレンビス(フェニルイソシアネート)が特に好ましい。
使用される脂肪族系ポリイソシアネート、芳香族系ポリイソシアネートはそれぞれ1種のジイソシアネートを使用しても、2種類以上を混合して使用してもよい。本発明では、芳香族系ポリイソシアネートを使用することが好ましい。芳香族系ポリイソシアネートは比較的反応性が高いため、得られるポリウレタンおよびポリウレタンウレアの分子量が向上するためである。
ポリオール化合物としては、例えば、エチレングリコール、プロピレングリコール、テトラメチレングリコール、ジエチレングリコール、トリエチレングリコール、ペンタメチレングリコール、ヘキサメチレングリコール、オクタメチレングリコール、デカメチレングリコール、2,2−ジメチルトリメチレングリコール、1,4−ジヒドロキシシクロヘキサン、1,4−ジヒドロキシメチルシクロヘキサンなどの一般式HO−[(CH−O−]−H(n、mは1〜30の整数である。)で示される低分子量ジオール、これら低分子量ジオールとジカルボン酸またはそのエステル形成性誘導体(例えば、シュウ酸、マロン酸、コハク酸、グルタル酸、アジピン酸、セバチン酸、ドデカンジカルボン酸、テレフタル酸、イソフタル酸またはこれらの酸ハライド、活性エステル、アミドなど)を反応させて得られるポリカルボン酸エステルジオール、ε−カプロラクトンなどの開環重合によって得られるポリラクトンジオールがある。ポリエチレングリコール、ポリプロピレングリコール、ポリテトラメチレングリコールなどのポリエーテルジオール、ポリブタジエンジオール、ポリイソプレンジオール、水添ポリイソプレンジオールなどのポリアルキレンジオール、および各種ポリカーボネートジオールなどが例示される。これらのうちポリエーテルジオールが特に好ましい。
本発明のポリウレタンには、上記ポリイソシアネート化合物とポリオール化合物に加えて、鎖長延長剤を配合してもよい。このような鎖長延長剤としては、エチレンジアミン、プロピレンジアミン、ブチレンジアミン、ヘキサメチレンジアミン、キシリレンジアミン、フェニレンジアミン、4,4’−メチレンビス(フェニルアミン)などのジアミン、2−アミノエタノール、3−アミノプロパノール、4−アミノブタノールなどのアミノアルコール、さらには、ジヒドラジド(例えばシュウ酸ジヒドラジド、マロン酸ジヒドラジド、コハク酸ジヒドラジド、アジピン酸ジヒドラジド、セバシン酸ジヒドラジド、イソフタル酸ジヒドラジド)など広義のジアミンなどが例示される。これらの鎖長延長剤は単独で使用しても、2種以上を混合して使用してもよい。
本発明におけるポリウレタンは、特定用途への応用のために特定の成分を導入してもよい。例えば、医療用具に抗菌性を付与する目的で、抗菌剤を導入すること、血液適合性の向上を念頭に置きヘパリン固定化用の第3級アミノ基を導入すること、細胞膜構成成分であるホスホリルコリン類似構造を有する成分を導入すること、さらに、人工肺用膜への応用を念頭に置きポリジメチルシロキサンを導入することなどが例示される。
本発明のポリウレタンは、上記原料を直接気相で急激に反応させるバルク重合や溶媒中で比較的穏やかに反応させる溶液重合によって製造することができる。これらの中でも、コスト面等ではバルク重合が有利であり、低分子量物や残留イソシアネート、オリゴマーなどの未反応物量が少ない点では溶液重合が優れている。本発明では特に溶液重合でポリウレタンを製造することが好ましい。
溶液重合は、ポリオール化合物とポリイソシアネートとをNMP、DMAc、DMFなどの溶媒中で混合して反応させプレポリマーを調製し、ついで鎖長延長剤を添加して高分子量のポリウレタンとする。ポリイソシアネートの中でも芳香族系ポリイソシアネートは活性が高いため、反応温度を低く設定することができ、このため未反応原料の残存や高温分解物の発生を抑制することができ好ましい。
なお、該ポリウレタン類を製造する際には、重合を効率的に行うために重合触媒を添加してもよい。重合触媒としては、例えば、ジブチルジラウリン酸スズなどのスズ系触媒、テトラブトキシチタンなどのチタン系触媒などが例示される。
本発明におけるポリウレタンがポリイソシアネート成分として芳香族系ポリイソシアネートを使用し、ポリオールが一般式HO−[(CH−O−]−H(n、mは1〜30の整数である。)で示される低分子量ジオールから得られるポリウレタン類である。
反応に使用される溶媒は、特に制限されないが、原料に対して不活性であり、原料の溶解性に優れる溶媒が好ましい。具体的には、例えば、N−メチルホルムアミド、N,N−ジメチルホルムアミド、N,N−ジメチルアセトアミド、N−メチルピロリドン、ヘキサメチルリン酸トリアミド、テトラヒドロフラン、ジオキサン、ジメチルスルホキシド、トルエンなどが例示され、中でもN,N−ジメチルホルムアミド、N,N−ジメチルアセトアミド、N−メチルピロリドンが好ましい。溶媒は単独で使用しても、2種以上を混合して使用してもよい。
本発明のポリウレタンは、ヘキサンで抽出される物質の含有量が0.04質量%以下である。合成後のポリウレタンのヘキサン抽出物量が0.04質量%以上の場合には、該ポリウレタンを、アセトン、ヘキサン、メタノール、エタノール、クロロホルムおよびフロンから選択される溶媒の少なくとも1種で洗浄することで、該数値を0.04質量%未満に調整する事ができる。従来のポリウレタンとして、例えば特開2003−147194号公報のものは、4.0gのポリウレタンを生理食塩水20mlの浴比で50℃にて72時間抽出した時の総有機炭素濃度が400ppmであり、ポリウレタンに対する抽出率は0.2質量%である。なお、洗浄溶媒を上記に限定したのは、ポリウレタンの溶解性、膨潤性の点で好適だからである。本発明では、ヘキサンによる抽出率が0.04質量%以下に限定するが、これを評価基準としたのは溶出物試験の適合性に合致させるためである。
一般には、溶液重合またはバクル重合などで得たポリウレタンを、必要に応じて平均粒子径2〜3mmに粉砕し、これをポリウレタンに対して1〜10質量倍の上記溶媒に温度20〜30℃で0.5〜24時間攪拌し洗浄すればよい。これにより、未反応原料、合成系に添加した鎖長延長剤などの重合触媒、その他を添加した場合であっても、これらをポリウレタンから除去することができる。
なお、溶媒重合の際の溶媒量を過量に調整してポリウレタンを重合するなど、重合方法の種類によってはオリゴマーなどの低分子化合物が副生されず、このため上記洗浄工程を行うことなく本発明の医療用ポリウレタンとすることができる。このようなポリウレタンにあっては、溶媒による洗浄を行わなくてもよい。一方、市販のポリウレタンには、紫外線吸収剤や酸化防止剤が配合されているが、上記洗浄操作を行うことによって抽出率が0.04質量%以下の医療用ポリウレタンに調製することができる。
本発明の医療用ポリウレタンは、例えば、人工血管、縫合糸などの体内埋め込み材料、白血球除去膜、血漿分離膜などの血液処理フィルター、創傷被覆材、カテーテル、細胞分離膜、細胞培養支持体などの体液と接触する材料として使用することができる。
次に実施例を挙げて本発明を具体的に説明するが、これらの実施例は何ら本発明を制限するものではない。なお、ヘキサン抽出物は、下記の方法によった。
(ヘキサン抽出物の測定)
平均粒子径2〜3mmのポリウレタン10gについて、ヘキサン100mlで24時間攪拌して室温で抽出を行った。溶液を瀘別し、濾液を温度40℃で251mmHgの減圧で乾燥した。得られた乾燥物を秤量し、ポリウレタンに対する質量百分率で評価した。
(実施例1)
ポリエーテル型ウレタン50gを、アセトン500mlで1回洗浄した。このアセトン洗浄ポリエーテル型ウレタン10gについて、ヘキサン100mlで24時間、室温で抽出を行い、その抽出物量の乾燥重量を測定した。表1に、元のペレットに対する比率(抽出率%)を示す。
(実施例2)
ポリエーテル型ウレタン50gを、アセトン500mlで1回洗浄した。このアセトン洗浄ポリエーテル型ウレタン10gについて、ヘキサン100mlで24時間、室温で抽出を行い、その抽出物量の乾燥重量を測定した。表1に、元のペレットに対する比率(抽出率%)を示す。
(実施例3)
ポリエーテル型ウレタン50gを、アセトン500mlで1回洗浄した。このアセトン洗浄ポリエーテル型ウレタン10gについて、ヘキサン100mlで24時間、室温で抽出を行い、その抽出物量の乾燥重量を測定した。表1に、元のペレットに対する比率(抽出率%)を示す。
(実施例4)
ポリエーテル型ウレタン50gを、アセトン500mlで1回洗浄した。このアセトン洗浄ポリエーテル型ウレタン10gについて、ヘキサン100mlで24時間、室温で抽出を行い、その抽出物量の乾燥重量を測定した。表1に、元のペレットに対する比率(抽出率%)を示す。
(実施例5)
ポリエーテル型ウレタン10gについて、ヘキサン100mlで24時間、室温で抽出を行い、その抽出物量の乾燥重量を測定した。表1に、元のペレットに対する比率(抽出率%)を示す。
(比較例1)
ポリエーテル型ウレタン10gについて、ヘキサン100mlで24時間、室温で抽出を行い、その抽出物量の乾燥重量を測定した。表1に、元のペレットに対する比率(抽出率%)を示す。
Figure 2005239783
(実施例6)
実施例2および実施例4でアセトン洗浄したポリエーテル型ウレタンを加速劣化試験(85℃、2週間)を行った。いずれも外観異常はなく、日本薬局方の溶出物試験に適合した。
Figure 2005239783
(結果)
実施例1〜5においてはいずれも比較例にくらべヘキサン抽出物率が低下していた。特に、実施例1〜3に示すように、バルク重合で調製し、かつ紫外線吸収剤および/または酸化防止剤を添加しても、アセトン洗浄によってヘキサン抽出物含有量を0.04質量%以下に調整することができた。
また、実施例4と実施例1とを比較すると、溶液重合の場合はバクル重合よりもヘキサン抽出物率が低い。これは、溶液重合の方がオリゴマーなどの低分子化合物の発生が少ないためと考えられる。
実施例5から明らかなように、溶液重合の場合には溶媒洗浄を行うことなく、ヘキサン抽出物率を0.04質量%以下に調整することができる。
また、実施例6に示すように、実施例2および4のポリウレタンを溶媒洗浄したものは、外観異常も発生せず、溶出物試験にも適合し、安全性が高いことが立証された。
以上のようにヘキサン抽出物の含有量が少ないと医療材料に求められる生物学的安全性に優れ、特に感作性等のリスクを減少させることができる。
従って、本発明により紫外線吸収剤、酸化防止剤等の添加剤を含まないポリウレタンは、これら添加物によるリスクを排除できる。また、例えこれらを含有する場合であっても、ペレット状態での洗浄によってこれらを除去することができる。さらには重合方法も一般的なバルク重合よりリスクの低い溶液重合を採用すると、未反応物量を低減でき、生物学的安全性の高い医療用のポリウレタンを得ることができる。
本発明の医療用ポリウレタンは、低刺激で安全性が高く、体内埋め込み材料、血液処理フィルターなどの医療用に有用である。

Claims (6)

  1. ヘキサンで抽出される物質の含有量が0.04質量%以下であることを特徴とする、医療用ポリウレタン。
  2. 前記ポリウレタンが、バルク重合で製造されたものである、請求項1記載の医療用ポリウレタンの製造方法。
  3. 前記ポリウレタンが、溶液重合で製造されたものである、請求項1記載の医療用ポリウレタンの製造方法。
  4. ポリウレタンを、アセトン、ヘキサン、メタノール、エタノール、クロロホルムおよびフロンから選択される溶媒の少なくとも1種で洗浄し、ヘキサン抽出物質の含有量が0.04質量%以下とすることを特徴とする、医療用ポリウレタンの製造方法。
  5. 前記ポリウレタンは、バルク重合で製造されたものである、請求項4記載の医療用ポリウレタンの製造方法。
  6. 前記ポリウレタンは、溶液重合で製造されたものである、請求項4記載の医療用ポリウレタンの製造方法。
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