JP2005237190A - アクチュエータ構造体及び光デバイス - Google Patents

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Abstract

【課題】 温度変化による電極の変位を補償することができるアクチュエータ構造体及び光デバイスを提供する。
【解決手段】 アクチュエータ構造体5は、電極7,8間に静電気力を発生させることで電極7を電極8に対して動かすものである。電極7は、基板の上面に固定された固定部10と、この固定部10に支持された接続部11と、接続部11に支持された櫛状部12とを有する。電極8は、基板の上面に固定された固定部15と、この固定部15に接続部16を介して結合された櫛状部17とを有する。櫛状部17は、櫛状部12と対向している。
【選択図】 図2

Description

本発明は、光スイッチや光可変減衰器等といった光デバイスに備えられるアクチュエータ構造体及び光デバイスに関するものである。
光スイッチや光可変減衰器に使用されるアクチュエータ構造体としては、例えば下記非特許文献1に記載されているように、微小電子機械システム(MEMS)技術を用いて形成された静電アクチュエータが知られている。
Sensors and Materials,Vol.10,No.6(1998)351-362,"Silicon Micromechanics for the Fiber-Optic Information Highway"
しかしながら、静電アクチュエータを構成する可動電極及び固定電極のそれぞれが櫛型電極の場合には、可動電極と固定電極との間に印加する電圧が一定でも、温度変化によって可動電極が変位することがある。この場合には、光デバイスの光学的特性が変わってしまう可能性がある。
本発明の目的は、温度変化による電極の変位を補償することができるアクチュエータ構造体及び光デバイスを提供することである。
本発明は、基板に固定された第1固定部と、第1固定部に支持された第1接続部と、第1接続部を介して第1固定部と接続されている第1櫛歯部とを有する第1電極と、基板に固定された第2固定部と、第2固定部に支持された第2接続部と、第2接続部を介して第2固定部と接続され、第1櫛歯部と対向する第2櫛歯部とを有する第2電極と、第1電極と第2電極との間に静電気力を発生させる手段とを備えることを特徴とするものである。
すなわち、本発明のアクチュエータ構造体は、第1電極と、第2電極と、静電気力を発生させる手段とを備えている。第1電極は、第1固定部と、第1接続部と、第1櫛状部とを有する。第1固定部は、基板に固定されている。第1接続部は第1固定部に支持されている。第1櫛状部は、第1接続部を介して第1固定部と接続されている。第2電極は、第2固定部と、第2接続部と、第2櫛状部とを有する。第2固定部は上記基板に固定されている。第2接続部は第2固定部に支持されている。第2櫛状部は、第2接続部を介して第2固定部と接続されており、第1櫛状部と対向している。静電気力を発生させる手段は、第1電極と第2電極との間に静電気力を発生させる。第1櫛状部、第2櫛状部、第1接続部、及び第2接続部は、上記基板と離間している。
第1櫛状部及び第2櫛状部それぞれは、所定方向に延びるアームと、アームの側面に接続されており上記所定方向に交差する方向に延びている複数の電極指とを有する。第1櫛状部のアームと第2櫛状部のアームは対向しており、第1櫛状部の電極指と第2櫛状部の電極指も対向している。すなわち、第1櫛状部と第2櫛状部とによって構成される構造は、インターディジタル構造(interdigital structure)である。
このようなアクチュエータ構造体において、第2電極が第1電極に対して可動な構造となっている場合、温度変化によって第2電極が熱膨張すると、第2電極の第2櫛歯部は熱膨張により変位する。一方、第1電極の第1固定部は基板に固定されているため、温度変化による第1固定部の熱膨張量は第2電極の熱膨張量に比べて小さい。しかし、第1電極の第1櫛歯部は、基板に固定されずに第1接続部を介して第1固定部とつながっているので、第1接続部が第1櫛歯部を第2電極の熱膨張方向と同じ方向に変位させるような構成となっていれば、熱膨張によって第1電極の第1櫛歯部も第2電極の第2櫛歯部と同じように変位する。この場合には、第2電極が熱膨張しても、第1櫛歯部の櫛歯と第2櫛歯部の櫛歯とのギャップがほぼ一定に保たれるため、第1電極と第2電極との間の電界もほぼ一定に保たれる。これにより、温度変化による第2電極の変位を補償することができる。
すなわち、本発明のアクチュエータ構造体では、第1櫛状部及び第2櫛状部が基板と離間しているので、第2櫛状部のアーム及び第1櫛状部のアームそれぞれが長手方向(即ち、所定方向)へ熱膨張した場合でも、第2櫛状部の電極指(即ち、櫛歯)及び第1櫛状部の電極指(即ち、櫛歯)が同様に変位する。したがって、第1櫛状部の電極指と第2櫛状部の電極指との間のギャップが一定に保たれるので、第1電極と第2電極との間の電界もほぼ一定に保たれる。これにより、温度変化による第2電極の変位を補償することができる。
好ましくは、第1接続部は、弾性変形可能な材料からなっている。この場合には、より温度変化に追随させて、第1櫛歯部を第2櫛歯部と同じように変位させることができる。すなわち、温度変化に追随させて、第1櫛状部の電極指を第2櫛状部の電極指と同様に上記所定方向へ変位させることができる。
このとき、第1接続部は、ばね構造を有するのが好ましい。この場合には、更に温度変化に追随させて、第1櫛歯部を第2櫛歯部と同じように変位させることができる。すなわち、温度変化に追随させて、第1櫛状部の電極指を第2櫛状部の電極指と同様に上記所定方向へ変位させることができる。
第1接続部は、第1櫛状部を当該第1櫛状部の長手方向へ変形可能に支持する梁構造を有することが好ましい。すなわち、第1接続部は、第1櫛状部のアームを、その長手方向(即ち、所定方向)へ弾性変形可能に支持する梁構造を有していることが好ましい。この場合においても、温度変化に追随させて、第1櫛状部の電極指を第2櫛状部の電極指と同様に上記所定方向へ変位させることができる。
また、好ましくは、第2櫛状部は、前記第2接続部を介して第2固定部に片持ち支持されている。この場合に、第2電極は、第2櫛状部が第2接続部の支持点回りに移動する構造となる。
また、第2櫛状部は、第2接続部を介して、第2固定部に両持ち支持されている構成であってもよい。すなわち、第2櫛状部のアームの長手方向の両側が、第2接続部を介して第2固定部に支持されていてもよい。この場合には、第2櫛状部を、第2接続部による各支持点間を結ぶ直線に対して実質的に直交する方向に移動可能な構造とすることができる。
さらに、好ましくは、第1電極と第2電極との間に静電気力を発生させる前後での第2櫛歯部の変位量が第1櫛歯部の変位量よりも大きくなるように構成されている。これにより、第2櫛歯部の位置を大きく変化させることが可能となる。すなわち、第2櫛状部の変位量が第1櫛状部の変位量よりも大きくなるように構成されていることによって、第2櫛状部を第1櫛状部へ向けて大きく変位させることができる。
本発明の光デバイスは、上記のアクチュエータ構造体と、アクチュエータ構造体の第2電極に接続された光部品とを備えることを特徴とするものである。このように上述したアクチュエータ構造体を設けることにより、温度変化による第2電極の変位を補償することができる。これにより、光学特性の温度依存性を低減することが可能となる。
本発明によれば、第1電極の第1櫛状部を、基板に固定された第1固定部と第1接続部を介して接続されている構成としたので、温度変化による第2電極の変位を補償することができる。これにより、光デバイスの光学的特性の変動を低減することが可能となる。
以下、本発明に係わるアクチュエータ構造体及び光デバイスの好適な実施形態について図面を参照して説明する。
図1は、本発明に係わるアクチュエータ構造体の第1の実施形態を備えた光スイッチを示す構成図である。図1に示す光スイッチ1は、2×2(2入力2出力)型のスイッチである。光スイッチ1は、石英ガラス等で形成された平面導波路2を有している。この平面導波路2には、光導波路コア3A〜3Dが溝部4を挟んで略クロス状に形成されている。
このような平面導波路2上には、微小電子機械システム(MEMS)技術を用いて製作されたアクチュエータ構造体5が設けられている。図2は、アクチュエータ構造体5の拡大図であり、図3は、アクチュエータ構造体5の垂直方向断面図であり、図12は、アクチュエータ構造体5の斜視図である。
図2、図3、及び図12に示すアクチュエータ構造体5は、Si基板6を有する。このSi基板6の上面には、導電性を有するSiで形成された電極7,8が接合されている。アクチュエータ構造体5は、電極7,8間に静電気力を発生させることにより、電極7を電極8に対して動かすものである。
電極7は、SiO膜9を介してSi基板6の上面に固定された固定部10と、この固定部10に片持ち支持された片持ち梁構造の接続部11とを有し、接続部11は、Si基板6に対して浮いた状態となっている。接続部11の先端側部分には、櫛状部12が設けられている。
櫛状部12は、アーム12aと複数の電極指12bとを有している。アーム12aは、接続部11に連続している。電極指12bは、アーム12aの側面に接続されており、アーム12aの長手方向(所定方向)に交差する方向に延びている。
また、接続部11の先端、即ちアーム12aの先端には、光導波路コア3A,3Cからの光を光導波路コア3B,3Dに向けて反射させるミラー13が固定されている。
電極8は、電極7の接続部11と対向するようにSi基板6上に配置されている。電極8は、SiO膜14を介してSi基板6の上面に固定された固定部15と、この固定部15に主接続部16aを介して結合された櫛状部17とを有している。
櫛状部17は、アーム17aと複数の電極指17bを有している。電極指17bは、アーム17aの側面に接続されており、アーム17aの長手方向(所定方向)に交差する方向に延びている。
櫛状部17は、電極7の櫛状部12と対向している。主接続部16a及び櫛状部17は、Si基板6に対して浮いた状態となっている。櫛状部12の電極指12bは、櫛状部17の各電極指17b間に配置されている。すなわち、櫛状部17のアーム17aと櫛状部12のアーム12aとが対向しており、櫛状部17の電極指17bと櫛状部12の電極指12bとが対向している。かかる櫛状部12と櫛状部17とによって構成される構造は、インターデジタル構造である。
主接続部16aは、固定部15の一端部(電極7の固定部10側の端部)に設けられている。主接続部16aは、弾性変形可能な材料からなっている。
また、固定部15と櫛状部17とは、主接続部16aの他に、主接続部16aと同じ材料で形成された複数の可動ばね16bでつながれている。すなわち、電極8の接続部16は、主接続部16aと可動ばね16bとを有している。かかる構成の接続部16は、基板6と離間しており、アーム17aを長手方向に変形可能に支持する梁構造となっている。これにより、櫛状部17の基部17a、即ちアーム17aの剛性がそれほど高くない場合であっても、電極7,8間に生じる静電気力によって櫛状部17が撓むことは殆どない。
このようなアクチュエータ構造体5を平面導波路2に組み付けるときは、アクチュエータ構造体5を図3に示す状態からひっくり返して、図1に示すように電極7のミラー13が平面導波路2の溝部4内に入り込むように、電極7の固定部10と電極8の固定部15とを平面導波路2の上面に接合する。
電極7と電極8とは電圧源21を介して接続されている。そして、この電圧源21により電極7,8間に所定の電圧を印加することで、両者間に静電気力を発生させ、電極7を動かす。このとき、電極7の櫛状部12は、接続部11の支持点回りに移動可能である。ここで、電極7,8は、いずれも櫛型電極となっているので、電極7,8間に生じる静電気力が増大し、これにより低電圧で電極7を駆動することができる。
また、電極7は、片持ち梁構造の接続部11及びアーム12aを有しているので、アクチュエータ構造体5の幅寸法(接続部11の長手方向に垂直な方向の寸法)を小さくすることができる。これにより、光スイッチ1の小型化及び集積化に有利となる。
以上のように構成した光スイッチ1において、電圧源21により電圧を印加しない初期状態では、図1に示すように、電極7の接続部11及びアーム12aが真っ直ぐに延びている。この状態では、光導波路コア3Aから出射された光は、ミラー13で反射して光導波路コア3Bに入射され、光導波路コア3Cから出射された光は、ミラー13で反射して光導波路コア3Dに入射される。
一方、電圧源21により電極7,8間に所定の電圧を印加すると、図4に示すように、両者間に生じる静電気力によって電極7の接続部11及びアーム12aが電極8側に撓み、これに伴ってミラー13が電極8側に移動する。この状態では、光導波路コア3Aから出射された光は、溝部4内をスルーして光導波路コア3Dに入射され、光導波路コア3Cから出射された光は、溝部4内をスルーして光導波路コア3Bに入射される。
ここで、比較例として、他のアクチュエータ構造体を図5に示す。図5において(a)には、アクチュエータ構造体100の平面図が示されており、(b)には、アクチュエータ構造体100の拡大平面図が示されている(参照符号Aによって指示された部分の拡大平面図)。図5に示すアクチュエータ構造体100は、電極101,102を備えている。電極101は、上記の電極7と同様の構造を有している。電極102は、上記の電極8における固定部15に複数の電極指17bが直接結合された構造を有しており、上記の電極8における主接続部16a及び可動ばね16bは設けられていない。
このようなアクチュエータ構造体100において、電極101,102は、温度上昇によって熱膨張する。このとき、電極102の電極指17bは、Si基板(図示せず)に固定された固定部15と直接結合されているが、電極101の接続部11及びアーム12aはSi基板に固定されていないため、電極指17bの熱膨張による変位量は接続部11及びアーム12aの熱膨張量に比べて小さい(図中の矢印参照)。このため、熱膨張による電極指17bの移動量と電極指12bの移動量とが異なることになるので、櫛状部12の電極指12bと櫛状部17の電極指17bとの間のギャップGが変わってしまい、電極101と電極102との間に生じる電界が変化する。この場合には、接続部11及びアーム12aのばね力と静電力の釣り合いの位置が変化するため、電圧源21による印加電圧が一定であっても、接続部11及びアーム12aが変位する。その結果、温度変化によって光スイッチ1の光学的特性が変わってしまう虞がある。
これに対し本実施形態では、電極8の固定部15と櫛状部17とを主接続部16a及び可動ばね16bでつなぐような構成としたので、櫛状部17の熱膨張量は電極7の櫛状部12の熱膨張量と同等になる。このとき、主接続部16aは固定部15の一端部に設けられているので、櫛状部17は櫛状部12と同様に、図2に示す矢印方向に熱膨張する。このため、電極7の櫛状部12の移動と同様に電極8の櫛状部17が移動するようになる。従って、櫛状部12の電極指12bと櫛状部17の電極指17bとの間のギャップGは均一に保たれるため、電極7,8間に生じる電界バランスがほぼ一定になり、接続部11及びアーム12aのばね力と静電力の釣り合いの位置が殆ど変化することはない。これにより、温度変化による櫛状部12の変位が補償されるため、光スイッチ1の光学的特性の変動を防止することができる。このとき、電極7,8間に静電気力を発生させる前後での櫛状部17の変位量が櫛状部12の変位量よりも大きいのが好ましい。
図6は、本発明に係わるアクチュエータ構造体の第2の実施形態を備えた光スイッチを示す構成図である。図中、第1の実施形態と同一または同等の部材には同じ符号を付し、その説明を省略する。
図6に示すアクチュエータ構造体30は、上述した電極8の代わりに、電極31を備えている。この電極31における櫛状部17の基部17a、即ちアーム17aは、静電力によって撓まない剛性を有している。この場合には、上述した可動ばね16bが不要となるため、電極の構成を簡素化することができる。
図7は、本発明に係わるアクチュエータ構造体の第3の実施形態を示す構成図である。
図7に示すアクチュエータ構造体40は、電極41,42を備えている。電極41は、Si基板(図示せず)の上面に固定された2つの固定部43と、これらの固定部43に支持されたばね状の接続部44、接続部44によって両持ち支持された櫛状部45とを有している。この櫛状部45は、アーム45aと、複数の電極指45bとを有している。アーム45aは、その長手方向の両側部に接続された接続部44を介して固定部43に両持ち支持されている。電極指45bは、アーム45aの側面に接続されており、アーム45aの長手方向に交差する方向、即ち電極42側に延びている。また、アーム45aの上記側面と反対側の側面には、連結部材46を介してミラー47が固定されている。なお、接続部44及び櫛状部45は、Si基板に対して浮いた状態となっている。
電極42は、Si基板(図示せず)の上面に固定された固定部48と、この固定部48に複数の可動ばね(接続部)49を介して結合された櫛状部50とを有している。櫛状部50は、電極41の櫛状部45に対向している。すなわち、この櫛状部50は、アーム50aと複数の電極指50bとを有している。電極指50bは、アーム50aの側面に接続されており、アーム50aの長手方向に交差する方向、即ち電極41側に延びている。アーム45aとアーム50aとは対向しており、電極指45bと電極指50bとが対向している。かかる櫛状部45及び櫛状部50によって構成される構造は、インターデジタル構造である。なお、可動ばね49及び櫛状部50は、Si基板に対して浮いた状態となっている。
アクチュエータ構造体40は、電極41,42間に静電気力を発生させることにより、電極41を電極42に対して動かすものである。このとき、電極41の櫛状部45は、接続部44の各支持点間を結ぶ直線に対して実質的に直交する方向に移動可能である。
このように構成したアクチュエータ構造体40では、温度上昇があったときには、電極42の櫛状部50が容易に電極41の櫛状部45と同じように熱膨張するようになる(図中の矢印参照)。このため、上述したように、温度変化があっても、櫛状部45の電極指45bと櫛状部50の電極指50bとの間のギャップは均一に保たれるため、電極41の変位を補償することができる。
図8は、本発明に係わるアクチュエータ構造体の第4の実施形態を示す構成図である。図中、第3の実施形態と同一または同等の部材には同じ符号を付し、その説明を省略する。
図8に示すアクチュエータ構造体60は、上述した電極42の代わりに、電極61を備えている。この電極61における固定部48と櫛状部50とは、1本の棒状や板状等の接続部62でつながれている。つまり、接続部62は、固定部48に片持ち支持された片持ち梁構造を有し、その接続部62の先端に櫛状部50が結合されている。接続部62は、櫛状部50を静電力によって撓ませないような剛性を有している。この場合にも、温度変化による電極41の変位を補償することができる。
図9は、上述したアクチュエータ構造体5を備えた光可変減衰器を示す構成図である。
図9に示す光可変減衰器70は、図1に示す光スイッチ1と同じ構造を有している。光可変減衰器70は、電極7,8間に印加する電圧をアナログ的に変えて、ミラー13での反射光量を可変させることにより、光減衰量を調整する。
具体的には、電圧源21による印加電圧がゼロである初期状態では、光導波路コア3Aから出射された光がミラー13で全反射して光導波路コア3Bに入射される。これにより、光減衰量が最小となる。電圧源21により電極7,8間に電圧を印加すると、電極7,8間に生じる静電気力によってミラー13が電極8側に移動するため、光導波路コア3Aから出射された光の一部はミラー13で反射されずに光導波路コア3Dに入射される。このため、ミラー13で反射されて光導波路コア3Bに入射される光が少なくなるので、光減衰量が増大する。
図10は、上述したアクチュエータ構造体5に類似するアクチュエータ構造体を備えた分散補償器を示す構成図である。
図10に示す分散補償器80は、入力された信号光に対して位相シフトを与えて、信号光の分散補償を行うものである。分散補償器80は、信号光Liを波長成分毎に分波させる回折格子81と、複数のアクチュエータ構造体82と、回折格子81と複数のアクチュエータ構造体82との間に配置されたレンズ83とを有している。アクチュエータ構造体82の構成を図11に示す。
アクチュエータ構造体82は、波長毎に分波された信号光Liを反射させるミラー84と、このミラー84の両端部に結合された2つの略L字型の電極85と、各電極85と対向するように配置された2つの電極86とを有している。
ミラー84の中心部は、Si基板(図示せず)に固定されている。これにより、ミラー84は、その中心部を軸として湾曲状に変形自在となる。ミラー84の中心部は、電極85の固定部84aとなっている。電極85には、電極86側に延びる電極指87bが設けられている。
すなわち、電極85は、接続部89と、この接続部89に支持されている櫛状部87とを有している。接続部89及び櫛状部87とは基板と離間している。接続部89は、ミラー84の側部に接続されることによって、上記固定部84aに支持されている。櫛状部87は、アーム87aと複数の電極指87bとを有する。アーム87aは、接続部89に連続しており、ミラー84に交差する方向へ延びている。電極指87bは、アーム87aの側面に接続されており、アーム87aの長手方向に交差する方向へ延びている。すなわち、電極指87bは、対応の電極86側へ延びている。
なお、電極86は、上述したアクチュエータ構造体5の電極8と同様の構造を有している。
電極85と電極86とは電圧源88を介して接続されている。この電圧源88により電極85,86間に電圧を印加すると、両者間に生じる静電気力により電極85が電極86側に引き寄せられ、これに伴ってミラー84が凹状に撓むようになる。このとき、電圧源88による印加電圧を変えることで、ミラー84の撓み量が変化する。
このような分散補償器80において、入力された信号光Liは、回折格子81により波長帯域毎に分波される。そして、この分波された信号光は、レンズ83を介して各アクチュエータ構造体82まで伝搬され、各ミラー84で反射される。このとき、各ミラー84は、波長毎に分波された信号光に対して所望の位相差を与えて分散を補償するように撓み量が制御されている。各ミラー84で反射された信号光は、再びレンズ83を介して回折格子81まで伝搬され、この回折格子81により合波されて信号光Loとして出力される。
なお、本発明は、上記実施形態に限定されるものではない。例えば、電極8,31,42,61の固定部と櫛状部とをつなぐ接続部は、上記の構造に限らず、静電力によって櫛状部が撓むことなく、櫛状部を電極7,41と同じように熱膨張または熱収縮させるような構造であれば良い。
また、上記実施形態では、アクチュエータ構造体を2×2(2入力2出力)型の光スイッチ、光可変減衰器及び分散補償器に備える構成としたが、本発明のアクチュエータ構造体は、ON/OFFスイッチや1×2スイッチ等の光スイッチ、その他の光デバイスにも適用可能であることは言うまでもない。
本発明に係わるアクチュエータ構造体の第1の実施形態を備えた光スイッチを示す構成図である。 図1に示すアクチュエータ構造体の拡大図である。 図1に示すアクチュエータ構造体の垂直方向断面図である。 図1に示すアクチュエータ構造体の動作状態を示す図である。 比較例として、他のアクチュエータ構造体を示す構成図である。 本発明に係わるアクチュエータ構造体の第2の実施形態を示す構成図である。 本発明に係わるアクチュエータ構造体の第3の実施形態を示す構成図である。 本発明に係わるアクチュエータ構造体の第4の実施形態を示す構成図である。 図2に示すアクチュエータ構造体を備えた光可変減衰器を示す構成図である。 図2に示すアクチュエータ構造体に類似するアクチュエータ構造体を備えた分散補償器を示す構成図である。 図10に示すアクチュエータ構造体の構成図である。 図1に示すアクチュエータ構造体の斜視図である。
符号の説明
1…光スイッチ(光デバイス)、5…アクチュエータ構造体、6…Si基板、7…電極(第2電極)、8…電極(第1電極)、10…固定部(第2固定部)、11…接続部(第2接続部)、12…櫛状部(第2櫛状部)、13…ミラー(光部品)、15…固定部(第1固定部)、16…接続部(第1接続部)、17…櫛状部(第1櫛状部)、30…アクチュエータ構造体、31…電極(第1電極)、40…アクチュエータ構造体、41…電極(第2電極)、42…電極(第1電極)、43…固定部(第2固定部)、44…接続部(第2接続部)、45…櫛状部(第2櫛状部)、47…ミラー(光部品)、48…固定部(第1固定部)、49…可動ばね(第1接続部)、50…櫛状部、60…アクチュエータ構造体、61…電極(第1電極)、62…接続部(第1接続部)、70…光可変減衰器(光デバイス)、80…分散補償器(光デバイス)、82…アクチュエータ構造体、84…ミラー(光部品)、85…電極(第2電極)、86…電極(第1電極)、87…櫛状部(第2櫛状部)。

Claims (9)

  1. 基板に固定された第1固定部と、前記第1固定部に支持された第1接続部と、前記第1接続部を介して前記第1固定部と接続されている第1櫛状部とを有する第1電極と、
    前記基板に固定された第2固定部と、前記第2固定部に支持された第2接続部と、前記第2接続部を介して前記第2固定部と接続されており前記第1櫛状部と対向している第2櫛状部とを有する第2電極と、
    前記第1電極と前記第2電極との間に静電気力を発生させる手段と、
    を備え、
    前記第1櫛状部、前記第2櫛状部、前記第1接続部、及び前記第2接続部は、前記基板と離間している、
    アクチュエータ構造体。
  2. 前記第1櫛状部の剛性が、前記第2櫛状部の剛性より大きい、請求項1記載のアクチュエータ構造体。
  3. 前記第1接続部は、弾性変形可能な材料からなることを特徴とする請求項1又は2記載のアクチュエータ構造体。
  4. 前記第1接続部は、ばね構造を有することを特徴とする請求項3記載のアクチュエータ構造体。
  5. 前記第1接続部は、前記第1櫛状部を当該第1櫛状部の長手方向へ変形可能に支持する梁構造を有する、請求項3記載のアクチュエータ構造体。
  6. 前記第2櫛状部は、前記第2接続部を介して前記第2固定部に片持ち支持されていることを特徴とする請求項1記載のアクチュエータ構造体。
  7. 前記第2櫛状部は、前記第2接続部を介して前記第2固定部に両持ち支持されていることを特徴とする請求項1記載のアクチュエータ構造体。
  8. 前記第1電極と前記第2電極との間に静電気力を発生させる前後での前記第2櫛状部の変位量が前記第1櫛状部の変位量よりも大きくなるように構成されていることを特徴とする請求項1〜7のいずれか一項記載のアクチュエータ構造体。
  9. 請求項1〜8のいずれか一項記載のアクチュエータ構造体と、
    前記アクチュエータ構造体の第2電極に接続された光部品と、
    を備えることを特徴とする光デバイス。
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