JP2005236686A - 適応アレーアンテナによる通信システムおよび通信方法 - Google Patents
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Abstract
【解決手段】基地局bは、各端末mが要求する伝送速度と各端末m間の干渉量から端末mの送信アンテナ素子を決定する端末送信素子決定部9を具備する。また、各端末mは、基地局bの端末送信素子決定部9から命令を受けることで、M(Mは2以上の整数)本のアンテナ素子よりJ(Jは1以上、M以下の整数)のアンテナ素子を選択する端末送信素子選択部10を具備する。
【選択図】 図1
Description
また、時間方向に分割したスロットを各ユーザに割り当てる時間分割多重アクセス(TDMA:Time Division Multiple Access)する手法も提案されている。
更に、比較的広い周波数帯域に情報をユーザ固有の符号を割り当てて拡散して送信し、受信側で同じ符号を用いて拡散した周波数成分を合成する符号分割多重アクセス(CDMA:Code Division Multiple Access)なども提案されている。
上記FDMA、TDMA、CDMAの各手法は商用のシステムに既に導入されている。
このためには、数十M〜数百Mbpsの通信が必要となる。無線LANなどの今後の利便性の向上を考えると、無線LANにおいても今後加入者が増大し、セルラシステムと同様の問題が発生すると考えられる。すなわち、将来の無線通信システムでは、高速伝送を実現しながら周波数利用効率を高めるための技術が必要になると考えられる。
適応アレーアンテナは、複数のアンテナ(1a1〜1aN)を配置し、各アンテナに入力された信号Xi(iは、1からNまでのいずれかの整数)に対し、干渉波を低減し、所望波を合成するような重み付けWiを乗算することで、同一周波数の干渉波が到来する環境下で、良好な伝送品質を得ることができる。
Monzingo et al, 「Introduction to the Adaptive Arrays」, John Willy & Sons, 1980年, p.6−8 A. Paulraj et. Al, 「Introduction to Space Time Wireless Communications」, CAMBRIDGE UNIVERSITY PRESS, 2003年, p.86−111 唐沢他, 「MIMO 空間・偏波融合伝送における伝搬チャネルモデリングとその研究課題」, 第475回電波研連F分科会, [online], [平成16年2月10日検索], インターネット<URL:http://www2.crl.go.jp/pub/ursi-f/annai475.html>
アンテナ1素子あたりのSNR(Signal to Noise Ratio:信号と雑音の電力比)を20dBとした。基地局bに到来する角度広がりは5度とし、到来波は、角度広がりの中に、等振幅・ランダム位相波を100波発生させた。基地局bの素子数をそれぞれ4と8とし、素子間隔を0.5λとした。基地局bと端末アンテナの偏波は垂直とした。
図10より、ユーザ数が増加すると、SINRが劣化することが確認できる。特に、素子数が8の場合は、ユーザ数が6以上でSINR<0dBとなることがわかる。
図11に角度広がりとSDMの特性を示す。図11は、図10と角度広がり以外は同じ環境で計算した。この計算で端末アンテナは2素子とし、端末アンテナの素子間隔は0.5λとした。
以上より、SDMを用いたとしても、ユーザの増加に伴い、伝送特性の劣化が大きくなることがわかる。したがって、高速伝送を実現しながら周波数利用効率を高めるためには何らかの新規技術が必要となる。
本実施形態では、直交する2個の偏波として垂直偏波と水平偏波を用いているが、これは、±45°偏波を用いたり、円偏波(右遷、左遷偏波)を用いてもよい。また、すべてのアンテナの偏波を垂直偏波など同一となってもよい。また、図1の構成では、垂直偏波素子と水平偏波素子を同一の数としているが、垂直偏波素子と水平偏波素子の数を同数とすることに限定するものではない。
したがって、本実施形態を用いることで、端末mの伝送速度を低下させることなく、周波数利用効率を向上させることができる。
図2では、適応アレーアンテナ1aが6素子の場合の構成を示しているが、この場合に限定されるものではない。アンテナ素子も垂直偏波素子1avおよび水平偏波素子1ahが3素子ずつあるが、これらの数に限定されるものではない。また、図2において、指向性形成部8(8a〜8d)の数を4としているが、これは、ユーザ数がKとすると、K個必要となる。
本制御方法では、各端末が要求する伝送速度とSDMAを行う際に問題となる端末間の干渉量を測定し、端末の要求する伝送速度を満たしながら各端末m間の干渉が小さくなるような制御を基地局b側で行うものである。以下、図4のフローチャートに従い、説明を行う。
ステップS3で選択された端末は、全部のアンテナ素子を用いてSDM送信を行う。ステップS3で選択されなかった端末は、ステップS4およびS5に示すように他の端末と干渉しないようなアンテナ素子を選択して送信を行う。
ステップS4では、まずステップS3で選択された端末は全アンテナ素子を用いてSDM送信を行うので、ステップS3での選択端末が他の端末と干渉しないように、ステップS3で選択されなかった端末とステップS3で選択された端末間の干渉量を測定し、干渉が生じない素子をステップS3で選択されなかった端末の送信すべき素子の候補とする。
ただし、式(3)において、演算Fk・F* mはベクトルの内積を表している。
最後に、ステップS5において、ステップS4で選択された端末m間のアンテナ素子で空間相関ρを求め、各端末が干渉しないようなアンテナ素子を選択する。
以上、図4におけるステップS1〜S5の制御を行い、この結果を図2の端末送信素子決定部9を通じて端末に送信すべき素子を命令することで、端末の要求する伝送速度を満たしながら各端末間の干渉が小さくなるような端末の送信すべきアンテナ素子を決定することができる。
一方、本実施形態の手法では、端末の要求する伝送速度に応じて、最低限必要となるアンテナ素子数を決定した上で、各端末が干渉しないように送信する端末アンテナ素子を決定するため、全端末のすべてのアンテナで空間相関ρを求める必要がなく、空間相関ρの演算量削減の観点からも有効である。
これに対し、本実施形態では、端末の伝送速度に関係なく、SINRが14dB以上得られており、基地局の素子数が端末数と等しくなる環境でも十分にSDMAが実現できることが確認できる。
2・・・周波数変換器
3・・・A/D変換器
4a、4b・・・指向性制御部
5・・・偏波共用アンテナ
6a、6b・・・送受信装置
7・・・振幅・位相制御部
8・・・指向性形成部
9・・・端末送信素子決定部
10・・・端末送信素子選択部
11・・・信号処理部
12・・・伝送速度監視部
13・・・空間相関測定部
14・・・端末送信素子制御部
b・・・基地局
m・・・端末
Claims (7)
- N(Nは2以上の整数)本のアンテナ素子が配列された第1のアンテナアレーと、
前記各アンテナ素子ごとに接続される第1の送受信装置と、
該第1の送受信装置に接続され前記各アンテナ素子からの信号に振幅および位相の重みづけを行った後、合成を行うことでアレー指向性を構成する指向性形成部と、
該指向性形成部の振幅および位相を制御する振幅・位相制御部と、
から構成される基地局と、
M(Mは2以上の整数)本のアンテナ素子が配列された第2のアンテナアレーと、
前記各アンテナ素子ごともしくはいづれかの前記アンテナ素子に接続される少なくとも1つの第2の送受信装置で構成される2台以上の端末と
からなる通信システムにおいて、
前記基地局は、前記各端末が要求する伝送速度と各端末間の干渉量から端末の送信アンテナ素子を決定する端末送信素子決定部を具備し、
前記各端末は、前記基地局の前記端末送信素子決定部から命令を受けることで、前記M本のアンテナ素子よりJ(Jは1以上、M以下の整数)のアンテナ素子を選択する端末送信素子選択部を具備する
ことを特徴とする通信システム。 - 前記基地局は、
前記各端末の信号から前記各端末間の干渉量を求める空間相関測定部と、
端末が要求する伝送速度を監視する伝送速度監視部を具備する
ことを特徴とする請求項1に記載の通信システム。 - 前記端末は、前記基地局の前記端末送信素子決定部からの命令に基づき、前記端末の前記端末送信素子選択部に送信すべきアンテナ素子を指示する端末送信素子制御部を具備する
ことを特徴とする請求項1に記載の通信システム。 - 前記第1のアンテナアレーのうち、K(Kは1以上、N−1以下の整数)本のアンテナ素子は同一の偏波特性を有し、
残りのN−K本のアンテナ素子は前記偏波特性と直交する偏波特性を有し、
前記第2のアンテナアレーのうち、L(Lは1以上、M−1以下の整数)本のアンテナ素子は同一の偏波特性を有し、
残りのN−L本のアンテナ素子は前記偏波特性と直交する偏波特性を有する
ことを特徴とする請求項1に記載の通信システム。 - 前記伝送速度監視部と、前記空間相関測定部を基地局ではなく、端末側に設けたことを特徴とする請求項2に記載の通信システム。
- 前記各端末は、前記基地局から命令を受けずに、前記アンテナ素子の偏波を一定間隔でランダムに送信することを特徴とする請求項1に記載の通信システム。
- 請求項2に記載の基地局を用いた通信方法であって、
前記伝送速度監視部において前記各端末から要求される伝送速度を求める処理S1と、
前記伝送速度監視部において、伝送速度があるしきい値以下となる端末を抽出する処理S2と、
前記処理S2から前記各端末から端末のすべてのアンテナ素子を送信アンテナとして用いる端末を抽出する処理S3と、
前記処理S2で抽出された前記端末と、前記処理S3で抽出された前記端末のすべてのアンテナ素子間で、前記空間相関測定部において式(1)で与えられる空間相関ρを演算し、該空間相関ρがあるしきい値以下となるアンテナ素子を有する前記端末を選択する処理S4と、
前記処理S4で選択された前記端末のアンテナ素子間で、式(1)で与えられる空間相関ρを演算し、空間相関ρがあるしきい値以下となる前記端末のアンテナ素子を選択する処理S5を具備する
ことを特徴とする通信方法。
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