JP2005236382A - Dslモデム装置及びdsl通信制御方法 - Google Patents

Dslモデム装置及びdsl通信制御方法 Download PDF

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Abstract

【課題】 データ通信開始後にエコーキャンセラーのトレーニングをやり直す必要が生じた場合、イニシャライズ手順を全部やり直すのではなく、エコーキャンセラーのトレーニングだけを実行できるようにしてデータ通信の中断期間を短縮化すること。
【解決手段】 ADSLモデム装置2においてADSL通信のための通信制御を行う方法/装置であって、データ通信開始後に通信エラーが所定値を超えた場合、データ通信を中断して相手ADSLモデム装置に対して無音送信を要求することを示す特定パターンの無音送信要求パターン信号をデータ通信帯域にて送信し、相手ADSLモデム装置が無音送信を開始したらトレーニング信号を送信して自己DSLモデム装置に備えたエコーキャンセラー36のトレーニングを行い、トレーニング終了後にデータ通信を再開する。
【選択図】 図7

Description

本発明は、メタルケーブルを使用したデジタル通信に適用可能なDSLモデム装置及びDSL通信制御方法に関する。
既設の電話線(メタルケーブル)を使うxDSLは、高い周波数の信号を使って高速通信を実現している。xDSLのうち、ADSLと呼ばれる方式は、高速通信を実現するため、広い周波数帯域幅で複数のキャリア(サブキャリア)を用いるDMT(discrete multi tone)変調方式が採用されている。
例えば、ADSL規格の一つであるG.992.1(G.dmt)では、25kHzから1.1MHzの帯域を256個の搬送波(サブキャリア)に分割する。サブキャリアには周波数の低い方から順番にインデックス番号(#)が付される。そして、図9に示すように、局側となるセンター(ATU−C)から加入者宅側となるリモート(ATU−R)に対する送信(ダウンストリーム)では、#6から#255のサブキャリアを使用し、ATU−RからATU−Cに対する送信(アップストリーム)では、#6から#31のサブキャリアを使用する方式を採用できる。
図9に示す方式では、ATU−CとATU−Rの双方で#6から#31のサブキャリアを使用している。ATU−Rでは自己の送信信号の回り込みを除去するためにエコーキャンセラーを用いる。エコーキャンセラーを用いる場合、自己の送信信号の回り込みを事前に学習する必要がある(例えば、特許文献1参照)。ATU−Cでエコーキャンセラーを学習する場合、#6から#255のサブキャリアで送信して、#6から#255の各サブキャリアの回り込みを検出する。このとき、ATU−Rから送信があると#6から#31のサブキャリアで干渉が生じるのでATU−Rの送信は止めている。一方、ATU−Rでエコーキャンセラーを学習する場合、#6から#31のサブキャリアで送信して、#6から#31の各サブキャリアの回り込みを検出する。ATU−CがPILOT信号に使用する#64のサブキャリアを除いて、ATU−Cの送信は止めている。ATU−RはATU−Cの送信するPILOT信号に基づいて同期を取っているのでPILOT信号の送信を停止させない。G.992.1(G.dmt)で勧告されたイニシャライズシーケンスではC−ECT、R−ECT信号を用いてエコーキャンセラーをトレーニングしている。以上のイニシャライズシーケンスにおいてエコーキャンセラーをトレーニングし、通信速度を決定した後、ショータイムと呼ばれるデータ通信を開始する。
特表2003−521194号公報
ところで、DSL通信においてデータ通信開始後に受信状態が変化した場合、エコーキャンセラーの精度が低下して通信エラーが発生する率が高くなる。通信エラーが許容値を超えた場合(いわゆるIパターンの歪みが許容範囲を超えたとき)は、エコーキャンセラーのトレーニングをやり直す必要がある。エコーキャンセラーのトレーニング手順はイニシャライズ手順の中に存在するので、一旦データ通信を打ち切り、イニシャライズ手順を再度実行することになる。
しかしながら、イニシャライズ手順を全部実行すると、数秒程度の時間ロスが生じるので、データ通信が長時間に亘り中断される。
本発明は、以上のような実情に鑑みてなされたもので、データ通信開始後にエコーキャンセラーのトレーニングをやり直す必要が生じた場合、イニシャライズ手順を全部やり直すのではなく、エコーキャンセラーのトレーニングだけを実行できるようにしてデータ通信の中断期間を短縮化したDSLモデム装置及びDSL通信制御方法を提供することを目的とする。
本発明は、DSLモデム装置においてDSL通信のための通信制御を行う方法/装置であって、データ通信開始後に通信エラーが所定値を超えた場合、データ通信を中断して相手DSLモデム装置に対して無音送信を要求することを示す特定パターンの要求信号をデータ通信帯域にて送信し、相手DSLモデム装置が無音送信を開始したらトレーニング信号を送信して自己DSLモデム装置に備えたエコーキャンセラーのトレーニングを行い、トレーニング終了後にデータ通信を再開するものとした。
本発明によれば、データ通信開始後にエコーキャンセラーのトレーニングをやり直す必要が生じた場合、イニシャライズ手順を全部やり直すのではなく、エコーキャンセラーのトレーニングだけを実行できるようにしてデータ通信の中断期間を短縮化したDSLモデム装置及びDSL通信制御方法を提供できる。
本発明の第1の態様は、加入者宅のDSLモデム装置においてDSL通信のための通信制御を行う通信制御方法であって、データ通信開始後に通信エラーが所定値を超えた場合、データ通信を中断して局側のDSLモデム装置に対して無音送信を要求することを示す特定パターンの要求信号をデータ通信帯域にて送信し、局側のDSLモデム装置が無音送信を開始したらトレーニング信号を送信して加入者宅のDSLモデム装置に備えたエコーキャンセラーのトレーニングを行い、トレーニング終了後にデータ通信を再開するDSL通信制御方法である。
本発明の第2の態様は、加入者宅に設置されDSL通信のための通信制御を行うDSLモデム装置であって、データ通信中に発生する通信エラーを検出するエラー検出手段と、データ通信開始後に通信エラーが所定値を超えた場合、データ通信を中断して局側のDSLモデム装置に対して無音送信を要求することを示す特定パターンの要求信号をデータ通信帯域にて送信する無音送信要求手段と、局側のDSLモデム装置が無音送信を開始したらトレーニング信号を送信するトレーニング信号発生手段と、このトレーニング信号を用いて受信信号からエコー成分を除去するようにトレーニングが行われるエコーキャンセラーと、前記エコーキャンセラーのトレーニング終了後に局側のDSLモデム装置に対してデータ通信の再開を要求する再開要求手段と、を具備するDSLモデム装置である。
このように構成されたDSL通信制御方法又はDSLモデム装置によれば、加入者宅のDSLモデム装置において、通信エラーが所定値を超える場合には、局側のDSLモデム装置を無音送信にした上でエコーキャンセラーのトレーニングを行い、トレーニング終了後にデータ通信を再開するので、イニシャライズシーケンスを全部やり直すのではなく、エコーキャンセラーのトレーニングだけを実行できる。しかも、アップストリームのデータ通信帯域で特定パターンの要求信号を送信するので、局側のDSLモデム装置は本来のデータ通信帯域内の信号を処理すれば無音送信の要求を検知できる。なお、アップストリームのデータ通信帯域外の信号を用いる場合、局側のDSLモデム装置をアップストリームのデータ通信帯域外の信号まで検出できるように設定する必要が生じる。
本発明の第3の態様は、局側のDSLモデム装置においてDSL通信のための通信制御を行う通信制御方法であって、データ通信開始後に通信エラーが所定値を超えた場合、データ通信を中断して加入者宅のDSLモデム装置に対して無音送信を要求することを示す特定パターンの要求信号をデータ通信帯域にて送信し、加入者宅のDSLモデム装置が無音送信を開始したらトレーニング信号を送信して局側のDSLモデム装置に備えたエコーキャンセラーのトレーニングを行い、トレーニング終了後にデータ通信を再開するDSL通信制御方法である。
本発明の第4の態様は、局側に設置されDSL通信のための通信制御を行うDSLモデム装置であって、データ通信中に発生する通信エラーを検出するエラー検出手段と、データ通信開始後に通信エラーが所定値を超えた場合、データ通信を中断して加入者宅のDSLモデム装置に対して無音送信を要求することを示す特定パターンの要求信号をデータ通信帯域にて送信する無音送信要求手段と、加入者宅のDSLモデム装置が無音送信を開始したらトレーニング信号を送信するトレーニング信号発生手段と、このトレーニング信号を用いて受信信号からエコー成分を除去するようにトレーニングが行われるエコーキャンセラーと、前記エコーキャンセラーのトレーニング終了後に加入者宅のDSLモデム装置に対してデータ通信の再開を要求する再開要求手段と、を具備するDSLモデム装置である。
このように構成されたDSL通信制御方法又はDSLモデム装置によれば、局側のDSLモデム装置において、通信エラーが所定値を超える場合には、加入者宅のDSLモデム装置を無音送信にした上でエコーキャンセラーのトレーニングを行い、トレーニング終了後にデータ通信を再開するので、イニシャライズシーケンスを全部やり直すのではなく、エコーキャンセラーのトレーニングだけを実行できる。しかも、ダウンストリームのデータ通信帯域で特定パターンの要求信号を送信するので、局側のDSLモデム装置は本来のデータ通信帯域内の信号を処理すれば無音送信の要求を検知できる。なお、ダウンストリームのデータ通信帯域(インデックス)に空きが無い場合、いずれかのインデックス番号の信号を要求信号専用に確保しなければならないが、そのような対策を回避することができる。
以下、図面を参照して本発明の実施の形態について具体的に説明する。
図1は、本発明が適用されるATU−R側の通信システムの概略構成を示す図である。同図に示す通信システムは、公衆回線網又はこれと同等の回線網(以下、回線という)がスプリッタ1を介してADSLモデム装置2に接続され、さらにADSLモデム装置2にユーザ端末3が接続されている。なお、ユーザ端末3と電話機4とを1回線で利用する場合にはスプリッタ1が必要となるが、電話機4を使用しない形態であればスプリッタ1は必要ない。また、ユーザ端末3がADSLモデム装置2を内蔵するように構成することも可能である。
ADSLモデム装置2は、ADSL通信を実行するトランシーバ11と、このトランシーバ11を含む全体の動作を制御するホスト12とを備えている。トランシーバ11の回線側端部はアナログフロントエンド13(以下、AFEという)を介してアナログ回路で構成されている。AFE13のDA変換部13−1に対してアナログフィルタ14を介してドライバ15が接続され、ドライバ15で増幅されたアナログ信号がハイブリッド16を介して回線へ送出されるように構成されている。また、回線から到来したアナログ信号はハイブリッド16を介してレシーバ17で受信されアナログフィルタ18を介してAFE13のAD変換部13−2に入力されるように構成されている。AFE13は、AD変換部13−2から出力されるサンプリングデータをトランシーバ11へ出力する。
図2はトランシーバ11の機能ブロック図である。プロセッサ20は、ハンドシェイク手順、イニシャライズ手順を実行し、データ通信(ショータイム)中の通信制御を実行する機能を備える部分である。
トランシーバ11の送信系は、エラーチェックのための冗長ビットを付加するリードソロモン符号化部21、リードソロモン復号時のバーストエラーに対する訂正を可能とするためデータの並べ替えを行うインターリーブ部22、トレリス符号化によるデータの畳み込みを行うトレリス符号化部23、各キャリアに対するビット数の割付けを行うトーンオーダリング部24、送信データの位相をコンステレーション座標上に割り付けるコンステレーション符号化部25、コンステレーション符号化されたデータを逆高速フーリエ変換(以下、IFFTという)するIFFT部26、及びトレーニング信号を発生するトレーニング信号発生部35を含んで構成されている。
トランシーバ11の受信系は、受信信号のサンプリングデータを高速フーリエ変換(以下、FFTという)するFFT部27、FFT出力信号のコンステレーションからデータを復号し、かつコンステレーション座標上での位相を補正するコンステレーション復号化/FEQ部28、送信側でトーンオーダリングされた各キャリアに割り付けられているデータを元に戻すトーンデオーダリング部29、受信データをビタビ復号するビタビ復号化部30、送信側で並べかえられたデータを元に戻すデインターリーブ部31、送信側で付加された冗長ビットを削除するリードソロモン復号化部32を含んで構成されている。
RAM33は、プロセッサ20のワークエリアであり、ハンドシェイク手順、イニシャライズ手順の実行時に使用することができる。トランシーバ11は、ホストインターフェース(I/F)34を介してホスト12と接続される。
図3は、AFE13の内部構造を示すブロック図である。AFE13は、DA変換部13−1、AD変換部13−2、エコーキャンセラー36、加減算器37を備えている。エコーキャンセラー36は、IFFT部26からDA変換部13−1へ供給される信号(送信信号)の一部を取り込んでいる。またエコーキャンセラー36は、AD変換部13−2の出力信号Zからエコーキャンセラー36から出力されるレプリカYを減算した値Eを取り込んでいる。そして、Y=C*X(*は畳み込み演算の意味)の計算をしてレプリカYを生成する。CはC(n+1)=C(n)+u×E×Xで計算される係数である。インデックス番号1からインデックス番号256のそれぞれに対応した係数Cが存在する。
上記ADSLモデム装置2に対してメタリックケーブルを介してセンター側のADSLモデム装置が接続される。センター側のADSLモデム装置は、上記ADSLモデム装置2と同様の構成を備えている。センター側は、通信事業者の設置した交換機である場合、電話機4は存在しない。
次に以上のように構成された本実施の形態の動作について具体的に説明する。
ATU−Rの電源を投入すると、図4に示すシーケンスの先頭部分のハンドシェイク手順を実行する。まず、ATU−CとATU−Rとの間でG.994.1に基づいたハンドシェイク手順を実行してモード選択を行う。同図に示す例であればG.dmtをイニシャライズ手順のモードとして選択している。
ATU−Cは、イニシャライズ手順を開始すると、インデックス#64及びインデックス#48を使用してC−PILOT1信号又はC−PILOT1A信号を送信する。
ATU−Rは、イニシャライズ手順を開始してインデックス#64及びインデックス#48で信号エネルギーを検出すると、当該PILOT信号に基づいてハイパーフレームの同期を合わせる処理を実行する。ハイパーフレームの同期確立後、R−REVERB1信号を送信する。
ATU−Cは、R−REVERB1信号を検出するとC−REVERB1信号をリモートに対して送信する。
ATU−Cは、R−REVERB1信号を検出すると、C−REVERB1、C−PILOT2、C−ECT、C−REVERB2の順に所定シンボル数の信号を送信する。ATU−Cでは、トランシーバ11及びエコーキャンセラー36が、C−ECTの期間に送信するトレーニング信号(及びそのエコー信号)にてエコーキャンセラー36のトレーニングを行う。
ATU−Rは、C−REVERB1又はC−REVERB2に基づいてシンボルの同期を合わせる処理を実行する。そして、C−REVERB2でシンボル同期を確立後にR−ECTを送信する。ATU−Rでは、トランシーバ11及びエコーキャンセラー36が、R−ECTの期間に送信するトレーニング信号(及びそのエコー信号)にてエコーキャンセラー36のトレーニングを行う。
そして、ATU−CはC−REVERB3を送信した後、ATU−RはR−REVERB2を送信した後に、互いに同一のタイミングでC−SEGUE1、R−SEGUE1を複数シンボル送信する。これ以降は、ショータイムでのパラメータを決める重要な信号が交換されるため、各シンボルにはサイクリックプレフィックスと呼ばれるデータが付加される。サイクリックプレフィックス付きのRATES信号、MSG信号にて通信速度、符号化パラメータ、トーンオーダリング情報をやり取りして、各種通信パラメータを決定する。以降のシーケンスは省略されているが、通信パラメータを決定したことを互いに確認しあった後、データ通信であるショータイムを実行する。
ここで、データ通信中(ショータイム期間)に通信品質が低下した場合にイニシャライズ手順に戻らずエコーキャンセラー36のトレーニングを実行するための原理について説明する。
図5はATU−Rのエコーキャンセラー36をトレーニングする場合のタイミング図であり、図6はATU−Cのエコーキャンセラー36をトレーニングする場合のタイミング図である。
ATU−Rにおいてデータ通信中に通信エラー量が許容値を超えた場合、ATU−RからATU−Cに対してATU−Rのエコーキャンセラーをトレーニングするための要求信号を送信する。ATU−Cにおいて要求信号を検出したら応答信号を返信するとともに、無音送信に切り替える。これにより、ATU−Rではトレーニング信号を送信すれば自己のエコーキャンセラーをトレーニングすることができる。トレーニング終了後に、トレーニングが終了したことをATU−Cに通知する終了信号を送信する。ATU−Cにおいて終了信号を検出したら応答信号を返信した後、データ通信を再開する。
図9に示すように、ATU−RからATU−Cに向けて送信するアップストリームは#6から#31の帯域を使用してデータ通信している。本実施の形態では、#6から#31のデータ通信帯域内のインデックス番号のサブキャリアを使用して要求信号を送信することとしているが、データ通信帯域内の予め定められたサブキャリアのみを使用して要求信号を送信しても良い。しかし、アップストリームで使用しているデータ通信帯域内のサブキャリアを用いた場合、受信側であるATU−Cでは通常のデータ通信との区別がつかない。そこで、無音送信に切り替えることを要求することを示す特定パターン(以下、無音送信要求パターン信号という)の信号を生成して送る。受信側のATU−Cは当該無音送信要求パターン信号を検知した場合は、無音送信の要求であると認識するように構成しておく。例えば、無音送信要求パターン信号のパターンとして図8に示すIQ平面における4点の内(1,1)点と(−1,1)点を交互に繰り返し送信する。
また、図9に示すように、ATU−CからATU−Rに向けて送信するダウンストリームは#6から#255を使用してデータ通信している。本実施の形態では、#6から#255のデータ通信帯域内のサブキャリアを使用して応答信号を送信することとしているが、データ通信帯域内の予め定められたサブキャリアのみを使用して要求信号を送信しても良い。しかし、ダウンストリームで使用しているデータ通信帯域内のサブキャリアを用いた場合、受信側であるATU−Rでは通常のデータ通信との区別がつかない。そこで、応答信号であることを示す特定パターン(以下、応答パターン信号という)の信号を生成して送る。受信側のATU−Rは当該応答パターン信号を検知した場合は、要求(無音送信要求/再開要求)に対する応答であると認識するように構成しておく。例えば、応答パターン信号のパターンとして図8に示すIQ平面における4点の内(1,−1)点と(−1,−1)点を交互に繰り返し送信する。
終了信号も無音送信要求パターン信号と同様の特定パターンの信号を使用することができる。終了信号のパターンは無音送信要求パターン信号と同じであっても良いし、異なっていても良い。なお、ATU−Rが終了信号を送信する段階では、ATU−Cは無音送信からトーン送信に切り替わることとなるので、そのトーン信号(#6から#255のいずれかの信号)を応答信号として用いることもできる。すなわち、ATU−Rを、無音受信の状態から最初に受信したトーン信号を応答信号として認識するように構成する。
一方、ATU−Cにおいてデータ通信中に通信エラー量が許容値を超えた場合、図6に示すように、ATU−CからATU−Rに対してATU−Cのエコーキャンセラーをトレーニングするための要求信号を送信する。この要求信号には無音送信要求パターン信号を用いることができる。ダウンストリームのデータ通信帯域(#6から#255)内のインデックス番号のサブキャリアを用いて無音送信要求パターン信号を送ることとしているが、データ通信帯域内の予め定められたサブキャリアのみを使用して要求信号を送信しても良い。
ATU−Rでは、無音送信要求パターン信号を検出した場合、応答信号を返信して無音送信に切り替える。この応答信号には応答パターン信号を用いることができる。アップストリームのデータ通信帯域(#6から#31)内のインデックス番号のサブキャリアを用いて応答パターン信号を送ることとしているが、データ通信帯域内の予め定められたサブキャリアのみを使用して要求信号を送信しても良い。これにより、ATU−Rが無音送信の状態になるので、ATU−Cではトレーニング信号を送信すれば自己のエコーキャンセラーをトレーニングすることができる。トレーニング終了後に、トレーニングが終了したことをATU−Rに通知する終了信号を送信する。この終了信号は無音送信要求パターン信号と同様の特定パターンの信号を使用することができる。終了信号のパターンは無音送信要求パターン信号と同じであっても良いし、異なっていても良い。ATU−Rでは、終了信号を検出した場合、応答信号を返信してATU−Cと同期してデータ通信を再開する。なお、ATU−Cが終了信号を送信する段階では、ATU−Rは無音送信からトーン送信に切り替わることとなるので、そのトーン信号(#6から#31のいずれかの信号)を応答信号として用いることもできる。すなわち、ATU−Cを、無音受信の状態から最初に受信したトーン信号を応答信号として認識するように構成する。
図7は、ATU−Rがデータ通信中(ショータイム期間)にイニシャライズ手順に戻らずにATU−Cと同期してエコーキャンセラー36のトレーニングを実行し、再びデータ通信に戻るフロー図である。
データ通信開始後、ATU−Rでは、トランシーバ11のプロセッサ20が、通信エラー量を監視している。例えば、QAM変調方式の場合であれば、図8に示すIQ平面における4点(1,1)(1,−1)(−1,−1)(−1,1)のいずれかに受信号信号が現れる。しかし、エコーキャンセラー36の設定が現実の通信環境に合致しなくなると、本来の受信点からずれた位置に受信信号が現れる。4点(1,1)(1,−1)(−1,−1)(−1,1)から一定距離以上離れた位置で受信した信号はデータの信頼性が低いので廃棄する。この場合は通信エラーとして処理する。通信エラーの発生率はエラー量として利用できる。又、本来の受信点と実際の受信点とのずれ量を計算し、単位時間あたりのずれ量を通信エラー量として利用する。そのほか、エコーキャンセラー36の設定の適否を判断することができるパラメータであれば使用することができる。
ATU−Rでは、プロセッサ20がエラー検出手段として通信エラー量を監視し(S100)、プロセッサ20が無音送信要求手段として通信エラー量が許容値を超えたところで要求信号を送信開始する(S102)。図7のフローでは要求信号として無音送信要求パターン信号を使用する。無音送信要求パターン信号を検知したATU−Cは、データ送信を中断して無音送信に切り替えるので、要求信号の送信は無音送信の要求と同じ意義を持つ。
ATU−Cでは、データ通信中は#6から#31の信号を待ち受けている。#6から#31の各帯域で受信した信号は受信データとして処理する。このとき、プロセッサ20は、受信データの信号パターンを監視し、無音送信要求パターン信号を検知したら要求信号として扱う。ATU−Cでは、プロセッサ20が要求信号を検出すると(S200)、応答信号の送信を開始する(S201)。応答信号には応答パターン信号を用いる。応答パターン信号を送信したら無音送信状態に切り替える(S202)。
ATU−Rでは、要求信号送信後は、応答信号の受信を待つ(S103)。受信データの中から応答パターン信号を検知したら、ATU−Rに設置しているエコーキャンセラー36のトレーニングを実施する。ATU−Rがデータ通信(ショータイム)で使用する全てのサブキャリア(インデックス)についてエコーキャンセラー36のトレーニングを行っている。本実施の形態では、トレーニング信号発生部35が#6から#31のサブキャリアを使ってトレーニング信号(送信データ)を生成してIFFT部26へ入力する。
IFFT部26は#6から#31のサブキャリアのそれぞれに送信データが乗るように変調したデジタル変調信号(トレーニング信号)を生成する。このトレーニング信号がDA変換部13−1でアナログ信号に変換された後、アナログフィルタ14でアナログ的にフィルタリングされて波形成形される。波形成形したトレーニング信号がドライバ15を介して回線へ送出される。
一方、レシーバ17には上記トレーニング信号のエコー信号が受信される。かかるエコー信号はアナログフィルタ18で波形成形された後、AD変換部13−2でデジタルエコー信号に変換される。このデジタルエコー信号は加減算器37へ入力される。
加減算器37には、エコーキャンセラー36から自己の送信した#6から#31の送信データ(トレーニング信号)が供給される。送信データのレプリカYとそのエコー信号Zとの差Eを検出し、検出結果に基づいてエコー信号に相当するレプリカYを生成するための最適な係数Cを決定する。この処理をエコーキャンセラーのトレーニングと呼ぶ。
このとき、自己の送信信号(トレーニング信号)に対するエコー信号にATU−C側からの送信信号が影響すると最適な係数を見つけることができない。そのため、ATU−Cは無音送信の状態に制御している。
このように、無音送信によってATU−Cによる送信信号との干渉がない状態で、エコー信号から送信データをエコー信号と同じレプリカYに変換するための最適な係数を見つけ、その係数をエコーキャンセラー36に設定する。
ATU−Rでは、ステップS104による処理でエコーキャンセラー36のトレーニングが終了したら、プロセッサ20は再開要求手段として終了信号を送信する(S105)。終了信号を受けたATU−Cは所定のタイミングでATU−Rと同期を取った上でデータ通信を再開するので、終了信号の送信はデータ通信の再開を要求するのと同じ意義がある。
ATU−Cでは、無音送信の状態であるところに終了信号を受信する(S203)。終了信号を受信したら応答信号(応答パターン信号)を送信した後(S204)、所定期間経過したらデータ通信を開始する(S205)。
ATU−Rでは、終了信号送信後に応答パターン信号を検知したら(S106)、ATU−C側と同期してデータ通信を開始する(S107)。
以上の説明はATU−Rで通信エラー量を検出して、ATU−R側のエコーキャンセラー36をトレーニングする場合であったが、ATU−Cで通信エラー量を検出して、ATU−C側のエコーキャンセラー36をトレーニングする場合も同様の処理となる。この場合、ATU−CのADSLモデム装置に備えたプロセッサ20がエラー検出手段、無音送信要求手段、再開要求手段として機能する。
このように、本実施の形態によれば、データ通信中にイニシャライズ手順に戻らずにATU−C(ATU−R)と同期してエコーキャンセラー36のトレーニングを実行し、再びデータ通信に戻ることができる。
以上の説明ではADSLモデムを例に説明したが、他のタイプのDSLに適用されるxDSLモデムにも同様に適用可能である。
本発明は、データ通信開始後にエコーキャンセラーのトレーニングをやり直す必要が生じた場合、イニシャライズシーケンスを全部やり直すのではなく、エコーキャンセラーのトレーニングだけを実行できるようにしてデータ通信の中断期間を短縮化でき、メタルケーブルを使用したデジタル通信に適用可能である。
本発明の一実施の形態に係る通信システムの概略構成図 図1に示すトランシーバの機能ブロック図 図1に示すAFE部分の機能ブロック図 ハンドシェイク手順及びイニシャライズ手順の前半部を示すシーケンス図 ATU−Rのエコーキャンセラーを学習する場合のタイミング図 ATU−Cのエコーキャンセラーを学習する場合のタイミング図 ATU−Rのエコーキャンセラーを学習する場合のフロー図 QAM変調方式におけるIQ平面での受信状況を示す図 アップストリームとダウンストリームの使用帯域を示す図
符号の説明
1 スプリッタ
2 ADSLモデム装置
3 ユーザ端末
4 電話機
11 トランシーバ
12 ホスト
13 AFE
14 アナログフィルタ
15 ドライバ
16 ハイブリッド
17 レシーバ
18 アナログフィルタ
20 プロセッサ
21 リードソロモン符号化部
22 インターリーブ部
23 トレリス符号化部
24 トーンオーダリング部
25 コンステレーション符号化部
26 IFFT部
27 FFT部
28 コンステレーション復号化/FEQ部
29 トーンデオーダリング部
30 ビタビ復号化部
31 デインターリーブ部
32 リードソロモン復号化部
33 RAM
35 トレーニング信号発生部
36 エコーキャンセラー

Claims (8)

  1. 加入者宅のDSLモデム装置においてDSL通信のための通信制御を行う通信制御方法であって、データ通信開始後に通信エラーが所定値を超えた場合、データ通信を中断して局側のDSLモデム装置に対して無音送信を要求することを示す特定パターンの要求信号をデータ通信帯域にて送信し、局側のDSLモデム装置が無音送信を開始したらトレーニング信号を送信して加入者宅のDSLモデム装置に備えたエコーキャンセラーのトレーニングを行い、トレーニング終了後にデータ通信を再開するDSL通信制御方法。
  2. 局側のDSLモデム装置が送信する応答信号を検知し、この応答信号をトリガにしてエコーキャンセラーのトレーニングを開始することを特徴とする請求項1記載のDSL通信制御方法。
  3. 加入者宅のDSLモデム装置は、局側のDSLモデム装置が無音送信要求に対する応答信号として返信する特定パターンの応答パターン信号を監視し、当該応答パターン信号を検知した場合、エコーキャンセラーのトレーニングを開始することを特徴とする請求項2記載のDSL通信制御方法。
  4. 局側のDSLモデム装置においてDSL通信のための通信制御を行う通信制御方法であって、データ通信開始後に通信エラーが所定値を超えた場合、データ通信を中断して加入者宅のDSLモデム装置に対して無音送信を要求することを示す特定パターンの要求信号をデータ通信帯域にて送信し、加入者宅のDSLモデム装置が無音送信を開始したらトレーニング信号を送信して局側のDSLモデム装置に備えたエコーキャンセラーのトレーニングを行い、トレーニング終了後にデータ通信を再開するDSL通信制御方法。
  5. 加入者宅のDSLモデム装置が送信する応答信号を検知し、この応答信号をトリガにしてエコーキャンセラーのトレーニングを開始することを特徴とする請求項4記載のDSL通信制御方法。
  6. 局側のDSLモデム装置は、加入者宅のDSLモデム装置が無音送信要求に対する応答信号として返信する特定パターンの応答パターン信号を監視し、当該応答パターン信号を検知した場合、エコーキャンセラーのトレーニングを開始する請求項5記載のDSL通信制御方法。
  7. 加入者宅に設置されDSL通信のための通信制御を行うDSLモデム装置であって、データ通信中に発生する通信エラーを検出するエラー検出手段と、データ通信開始後に通信エラーが所定値を超えた場合、データ通信を中断して局側のDSLモデム装置に対して無音送信を要求することを示す特定パターンの要求信号をデータ通信帯域にて送信する無音送信要求手段と、局側のDSLモデム装置が無音送信を開始したらトレーニング信号を送信するトレーニング信号発生手段と、このトレーニング信号を用いて受信信号からエコー成分を除去するようにトレーニングが行われるエコーキャンセラーと、前記エコーキャンセラーのトレーニング終了後に局側のDSLモデム装置に対してデータ通信の再開を要求する再開要求手段と、を具備するDSLモデム装置。
  8. 局側に設置されDSL通信のための通信制御を行うDSLモデム装置であって、データ通信中に発生する通信エラーを検出するエラー検出手段と、データ通信開始後に通信エラーが所定値を超えた場合、データ通信を中断して加入者宅のDSLモデム装置に対して無音送信を要求することを示す特定パターンの要求信号をデータ通信帯域にて送信する無音送信要求手段と、加入者宅のDSLモデム装置が無音送信を開始したらトレーニング信号を送信するトレーニング信号発生手段と、このトレーニング信号を用いて受信信号からエコー成分を除去するようにトレーニングが行われるエコーキャンセラーと、前記エコーキャンセラーのトレーニング終了後に加入者宅のDSLモデム装置に対してデータ通信の再開を要求する再開要求手段と、を具備するDSLモデム装置。
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