JP2005234256A - トナー - Google Patents

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Abstract

【課題】 画像一枚あたりのトナー消費量が少なく、少量のトナーで高寿命を達成でき、
どのような環境においても優れた現像性を有するトナーを提供することにある。
【解決手段】 結着樹脂、磁性体を少なくとも含有するトナーであって、該トナーのフロー式粒子像測定装置で計測される円相当径3μm以上400μm以下のトナーの平均円形度が0.930以上0.970未満であり、該トナー40mgを界面活性剤水溶液5mlに分散させ、さらに6mol/lの塩酸5mlを加え該トナーの表面磁性体を30分間抽出した溶液において、該磁性体に由来する吸収340nmでの吸光度が2.30〜3.50であることを特徴とする。
【選択図】 なし

Description

本発明は、電子写真,静電荷像を顕像化するための画像形成方法に使用されるトナー及びトナージェットに使用されるトナーに関する。
近年、電子写真法を用いた機器は、オリジナル原稿を複写するための複写機以外にも、コンピューターの出力用のプリンター、ファクシミリなどにも使われ始めた。そのため、より小型、より軽量、より高速、より高信頼性が厳しく追及されており、機械は様々な点でよりシンプルな要素で構成されるようになってきている。その結果、トナーに要求される性能はより高度になり、トナーの性能向上が達成できなければより優れた機械が成り立たなくなってきている。
特許文献1〜4に、噴霧造粒法、溶液溶解法、重合法といった製造方法によってトナーの形状を球形に近づける技術が開示されている。しかし、これらの技術はいずれもトナー製造に大掛かりな設備が必要となり、生産効率の点において好ましくないばかりでなく、トナーの消費量を十分に低減させるには至っていない。
特許文献5〜7に、流動性付与あるいは帯電性制御等の目的でトナー母体に添加する技術が開示されている。しかしこれらの方法でトナーの性質を改良しても、現像性はまだ十分といえず、またどれもトナー母体へ付着させるものであることから、磁性体が遊離しやすく、様々な弊害をもたらす場合があった。
特開平3−84558号公報 特開平3−229268号公報 特開平4−1766号公報 特開平4−102862号公報 特開平2−269362号公報 特開平3−67268号公報 特開平7−230182号公報
本発明の目的は、上記の従来技術の問題点を解決したトナーを提供することにある。
本発明の目的は、画像一枚あたりのトナー消費量が少なく、少量のトナーで高寿命を達成できるトナーを提供することにある。
本発明の目的は、どのような環境においても優れた現像性を有するトナーを提供することにある。
本発明の目的は、ブロッチ、尾引きを発生しないトナーを提供することにある。
本発明の目的は、画像流れ、ドラム融着、白筋を発生しないトナーを提供することにある。
本発明は、結着樹脂、磁性体を少なくとも含有するトナーであって、該トナーのフロー式粒子像測定装置で計測される円相当径3μm以上400μm以下のトナーの平均円形度が0.930以上0.970未満であり、該トナー40mgを界面活性剤水溶液5mlに分散させ、さらに6mol/lの塩酸5mlを加え該トナーの表面磁性体を30分間抽出した溶液において、該磁性体に由来する吸収340nmでの吸光度が2.30〜3.50であることを特徴とするトナーに関する。
画像一枚あたりのトナー消費量が少なく、少量のトナーで高寿命を達成することができ、またどのような環境においても優れた現像性を維持し、ブロッチ、尾引き、画像流れ、ドラム融着、白筋を発生しないトナーを提供することができる。
本発明者らは鋭意検討の結果、トナーの円形度を制御し、且つ、トナー表面の磁性体量を制御することで、トナーの現像特性をコントロールできることを見出した。
本発明のトナーは、粒径3μm以上のトナーにおいて、平均円形度が0.930以上0.970未満、好ましく0.935以上0.965未満、より好ましくは0.935以上0.960未満、より好ましくは0.940以上0.955未満であることにより、画像面積あたりのトナーの消費量を低減することができる。トナーの円形度が高くなると、トナーの流動性が増すので個々のトナーが自由に動きやすくなる。紙などの転写材上に現像されたトナーは、円形度が高いトナーほど一つ一つのトナー単位で現像される確率が高くなるため、転写材上での画像高さが低くなり、トナーの消費量を低減することができる。この時に、トナーの円形度が十分に高くないと、トナーは凝集体としての挙動を示しやすくなり、凝集体として転写材上に現像されやすくなる。そのような画像は転写材からの画像高さが高くなり、同じ面積を現像する場合において流動性の優れたトナーよりも多くのトナーが現像されてしまい、トナーの消費量が増加する。また、円形度の高いトナーは現像された画像においてより密な状態をとりやすい。その結果、転写材に対するトナーの隠蔽率が高くなり、少ないトナー量でも十分な画像濃度を得ることができる。平均円形度が0.930未満だと、現像された画像の高さが高くなり、トナーの消費量が増加する。また、トナー間の空隙が増え、現像された画像上においても十分な隠蔽率が得られないため、必要な画像濃度を得るためにはより多くのトナー量を必要とし、結果的にトナー消費量を増加させてしまう。さらにトナーの飛び散りを生じやすく、ドット再現性も悪化する。平均円形度が0.970以上だと、現像スリーブ上にトナーが過剰に供給されることによってスリーブ上に不均一にトナーがコートされてしまい、結果としてブロッチが発生する。
本発明における平均円形度は、粒子の形状を定量的に表現する簡便な方法として用いたものであり、本発明ではシスメックス社製フロー式粒子像分析装置FPIA−2100を用いて23℃,60%RHの環境下で測定を行い、円相当径0.60μm〜400μmの範囲内の粒子を測定し、そこで測定された粒子の円形度を下式(1)により求め、更に円相当径3μm以上400μm以下の粒子において、円形度の総和を全粒子数で除した値を平均円形度と定義する。
円形度a=L0/L (1)
〔式中、L0は粒子像と同じ投影面積を持つ円の周囲長を示し、Lは512×512の画像処理解像度(0.3μm×0.3μmの画素)で画像処理した時の粒子投影像の周囲長を示す。〕
本発明に用いている円形度はトナーの凹凸の度合いの指標であり、トナーが完全な球形の場合1.00を示し、表面形状が複雑になるほど円形度は小さな値となる。なお、本発明で用いている測定装置である「FPIA−2100」は、各粒子の円形度を算出後、平均円形度の算出にあたって、得られた円形度によって、粒子を円形度0.4〜1.0を61分割したクラスに分け、分割点の中心値と頻度を用いて平均円形度の算出を行う算出法を用いている。しかしながら、この算出法で算出される平均円形度の値と、各粒子の円形度の総和を用いる算出式によって算出される平均円形度の誤差は、非常に少なく、実質的には無視できる程度であり、本発明においては、算出時間の短縮化や算出演算式の簡略化の如きデータの取り扱い上の理由で、各粒子の円形度の総和を用いる算出式の概念を利用し、一部変更したこのような算出法を用いても良い。さらに本発明で用いている測定装置である「FPIA−2100」は、従来よりトナーの形状を算出するために用いられていた「FPIA1000」と比較して、シースフローの薄層化(7μm→4μmに)及び処理粒子画像の倍率の向上、さらに取り込んだ画像の処理解像度を向上(256×256→512×512)することによりトナーの形状測定の精度が上がっており、それにより微粒子のより確実な捕捉を達成している装置である。従って、本発明のように、より正確に形状及び粒度分布を測定する必要がある場合には、より正確に形状及び粒度分布に関する情報が得られるFPIA2100の方が有用である。
具体的な測定方法としては、予め容器中の不純物を除去した水200〜300ml中に分散剤として界面活性剤、好ましくはアルキルベンゼンスルフォン酸塩を0.1〜0.5ml加え、更に測定試料を0.1〜0.5g程度加える。試料を分散した懸濁液は超音波発振器で2分間分散し、分散液濃度を0.2〜1.0万個/μlとして粒子の円形度分布を測定する。超音波発振器としては、例えば以下の装置を使用し、以下の分散条件を用いる。
UH−150(株式会社エス・エム・テー社製)
OUTPUT レベル:5
コンスタントモード
測定の概略は、以下の通りである。
試料分散液は、フラットで扁平なフローセル(厚み約200μm)の流路(流れ方向に沿って広がっている)を通過させる。フローセルの厚みに対して交差して通過する光路を形成するように、ストロボとCCDカメラが、フローセルに対して、相互に反対側に位置するように装着される。試料分散液が流れている間に、ストロボ光がフローセルを流れている粒子の画像を得るために1/30秒間隔で照射され、その結果、それぞれの粒子は、フローセルに平行な一定範囲を有する2次元画像として撮影される。それぞれの粒子の2次元画像の面積から、同一の面積を有する円の直径を円相当径として算出する。それぞれの粒子の2次元画像の投影面積及び投影像の周囲長から上記の円形度算出式を用いて各粒子の円形度を算出する。
また、本発明においては、フロー式粒子像測定装置で計測される円相当径0.6μm以上400μm以下のトナー粒子における個数基準の粒径分布において0.6μm以上3μm未満のトナー粒子比率が0個数%以上20個数%未満、好ましくは0個数%以上17個数%未満、より好ましくは1個数%以上15個数%未満であることが好ましい。ここで測定に用いたトナー粒子とは、無機微粉体または疎水性無機微粉体を外添する前の母体のことを指す。以降、0.6μm以上3μm未満の超微粉は外添前のトナー母体(トナー粒子)のことを指すものとする。0.6μm以上3μm未満のトナー粒子は、トナーの現像性、特にカブリ特性に大きな影響を与える。このような微粒子トナーは過度に高い帯電性を有しており、トナーの現像時に過剰に現像されやすく、画像上にカブリとして現れる。しかし本発明においてはこのような微粒子トナーの比率が少ないことによってカブリを低減することができる。
次に、本発明の特徴とするトナーを得るための好ましい方法として、トナー構成材料を熱混練機を用いて混練する際の条件について説明する。混練条件として、混練温度、スクリュー軸回転数が挙げられる。
本発明において混練温度、スクリュー軸回転数を適切な値に設定することで、トナー混練物中の磁性体の分散を改良することがき、表面改質処理後のトナー表面に適切な量の磁性体が露出している状態を形成できる。
混練温度は設定温度が70〜180℃であることが好ましい。溶融トナー温度としては100〜200℃であることが好ましい。設定温度が70℃未満だと磁性体の分散が悪化すると共に、結着樹脂の分子鎖の切断が進行するため耐オフセット性が悪化する。設定温度が180℃より高いと、ワックスの分散が極端に悪化してしまう。
スクリュー軸回転数は110〜160rpmであることが好ましい。スクリュー軸回転数が110rpm未満だと磁性体の分散が悪化する。スクリュー軸回転数が160rpmより大きいと結着樹脂の分子鎖の切断が進行するため耐オフセット性が悪化する。
混練機としては、KRCニーダー(栗本鉄工所社製);ブス・コ・ニーダー(Buss社製);TEM型押し出し機(東芝機械社製);TEX二軸混練機(日本製鋼所社製);PCM混練機(池貝鉄工所社製);三本ロールミル、ミキシングロールミル、ニーダー(井上製作所社製);ニーデックス(三井鉱山社製);MS式加圧ニーダー、ニダールーダー(森山製作所社製);バンバリーミキサー(神戸製鋼所社製)が挙げられる。
次に、本発明の特徴とするトナー粒子を得るための好ましい方法として、表面改質工程を用いたトナー粒子製造方法について説明する。以下に、表面改質工程で使用される表面改質装置及び表面改質装置を利用したトナー粒子の製造方法について、図面を参照しながら具体的に説明する。
図1は、本発明に使用する表面改質装置の一例を示し、図2は図1において高速回転する回転子の上面図の一例を示す。
図1に示す表面改質装置では、ケーシング、冷却水或いは不凍液を通水できるジャケット(図示しない)、表面改質手段である、ケーシング内にあって中心回転軸に取り付けられた、上面に角型のディスク或いは円筒型のピン40を複数個有し、高速で回転する円盤上の回転体である分散ローター36、分散ローター36の外周に一定間隔を保持して配置されている表面に多数の溝が設けられているライナー34(尚、ライナー表面上の溝はなくても構わない)、更に、表面改質された原料を所定粒径に分級するための手段である分級ローター31、更に、冷風を導入するための冷風導入口35、被処理原料を導入するための原料供給口33、更に、表面改質時間を自在に調整可能となるように、開閉可能なように設置された排出弁38、処理後の粉体を排出するための粉体排出口37、更に、分級手段である分級ローター31と表面改質手段である分散ローター36−ライナー34との間の空間を、分級手段へ導入される前の第一の空間41と、分級手段により微粉を分級除去された粒子を表面改質手段へ導入するための第二の空間42に仕切る案内手段である円筒形のガイドリング39とから構成されている。分散ローター36とライナー34との間隙部分が表面改質ゾーンであり、分級ローター31及びローター周辺部分が分級ゾーンである。
尚、分級ローター31の設置方向は図1に示したように縦型でも構わないし、横型でも構わない。また、分級ローター31の個数は図1に示したように単体でも構わないし、複数でも構わない。
以上のように構成してなる表面改質装置では、排出弁38を閉とした状態で原料供給口33から原料トナー粒子を投入すると、投入された原料トナー粒子は、まずブロワー(図示しない)により吸引され、分級ローター31で分級される。その際、分級された所定粒径以下の微粉は装置外へ連続的に排出除去され、所定粒径以上の粗粉は遠心力によりガイドリング39の内周(第二の空間42)に沿いながら分散ローター36により発生する循環流にのり表面改質ゾーンへ導かれる。表面改質ゾーンに導かれた原料は分散ローター36とライナー34間で機械式衝撃力を受け、表面改質処理される。表面改質された表面改質粒子は、機内を通過する冷風にのって、ガイドリング39の外周(第一の空間41)に沿いながら分級ゾーンに導かれ、分級ローター31により、再度微粉は機外へ排出され、粗粉は、循環流にのり、再度表面改質ゾーンに戻され、繰り返し表面改質作用を受ける。一定時間経過後、排出弁38を開とし、排出口37より表面改質粒子を回収する。
本発明においては、トナー粒子表面改質工程において、トナー粒子の表面改質と同時に微粉成分を除去できることを特徴とする。それにより、トナー粒子中に存在する超微粒子がトナー粒子表面に固着することがなく、所望の円形度、及び超微粒子量を有するトナー粒子を効果的に得ることができる。表面改質と同時に微粉を除去することができない場合、表面改質後のトナー粒子中の超微粒子量が多く存在してしまう上に、トナー粒子表面改質工程において、機械的、熱的な影響により、適正な粒径を有するトナー粒子の表面に超微粒子成分が固着してしまう。その結果、トナー粒子の表面に、固着した微粉成分による突起が生成し、所望の円形度を有するトナー粒子が得られない。
本発明者が検討した結果、表面改質装置における表面改質時間(=サイクルタイム)としては、5秒以上180秒以下、更に好ましくは、15秒以上120秒以下であることが好ましい。表面改質時間が5秒未満の場合、改質時間が短時間過ぎるため、表面改質トナー粒子が十分に得られない場合がある。また、改質時間が180秒を超えると、改質時間が長時間過ぎるため、表面改質時に発生する熱による機内融着の発生、及び処理能力の低下を招く場合がある。
更に、本発明のトナー粒子の製造方法においては、該表面改質装置内に導入する冷風温度T1を5℃以下とすることが好ましい。該表面改質装置内に導入する冷風温度T1を5℃以下、より好ましくは、0℃以下、更に好ましくは、−5℃以下とすることにより、表面改質時に発生する熱による機内融着を防止することができる。該表面改質装置内に導入する冷風温度T1が5℃を超えると、表面改質時に発生する熱による機内融着を起こす場合がある。
尚、該表面改質装置内に導入する冷風は、装置内の結露防止という面から、除湿したものであることが好ましい。除湿装置としては公知のものが使用できる。給気露点温度としては、−15℃以下が好ましく、更には−20℃以下が好ましい。
更に、本発明のトナー粒子の製造方法においては、該表面改質装置内は、機内冷却用のジャケットを具備しており、該ジャケットに冷媒(好ましくは冷却水、更に好ましくはエチレングリコール等の不凍液)を通しながら表面改質処理することが好ましい。該ジャケットによる機内冷却により、トナー粒子表面改質時における熱による機内融着を防止することができる。
尚、表面改質装置の該ジャケット内に通す冷媒の温度は5℃以下とすることが好ましい。表面改質装置内の該ジャケット内に通す冷媒の温度を5℃以下、より好ましくは、0℃以下、更に好ましくは、−5℃以下とすることにより、表面改質時に発生する熱による機内融着を防止することができる。該ジャケット内に導入する冷媒の温度が5℃を超えると、表面改質時に発生する熱による機内融着を起こす場合がある。
更に、本発明のトナー粒子の製造方法においては、該表面改質装置内の分級ローター後方の温度T2を60℃以下とすることが好ましい。該表面改質装置内の分級ローター後方の温度T2を60℃以下、好ましくは50℃以下とすることにより、表面改質時に発生する熱による機内融着を防止することができる。該表面改質装置内の分級ローター後方の温度T2が60℃を超えると、表面改質ゾーンにおいては、それ以上の温度が影響するため、表面改質時に発生する熱による機内融着を起こす場合がある。
更に、本発明のトナー粒子の製造方法においては、表面改質装置内の該分散ローターとライナーとの間の最小間隔が0.5mm乃至15.0mmとすることが好ましく、更には、1.0mm乃至10.0mmとすることが好ましい。また、該分散ローターの回転周速は75m/sec乃至200m/secとすることが好ましく、更には、85m/sec乃至180m/secとすることが好ましい。更に、表面改質装置内の該分散ローター上面に設置されている角型のディスク或いは円筒形のピンの上部と、該円筒型のガイドリングの下部との間の最小間隔が2.0mm乃至50.0mmとすることが好ましく、更には、5.0mm乃至45.0mmとすることが好ましい。
本発明において、該表面改質装置内の分散ローター、角型のディスク或いは円筒形のピン及びライナーの粉砕面は耐摩耗処理されていることがトナー粒子の生産性上好ましい。ピン及びライナーの母材には、S54C等の炭素鋼やSCM材等のクロムモリブデン鋼などが用いられることが多いが、母材のままでは耐磨耗性能に問題がある。耐磨耗性を有するめっきでコーティングすることにより、表面硬さが大きく耐磨耗性が高くなる。本発明に用いるめっきの種類としては、トナーを表面処理するのに必要な耐磨耗性を有していれば特に限定されず、例えばニッケルめっき、クロムめっき、ロジウムめっき、ルテニウムめっき、これらを多層に重ねた多層めっき等を使用することができる。耐磨耗性に優れるという点でクロムめっき(硬質クロムめっき)が好ましく、特に好ましく用いられるのは、少なくとも炭化クロムを含有するクロム合金めっきである。クロム合金に存在する、分子間結合力の強い炭化クロムが母体表面との密着性を高め、剥離やクラックといった現象の発生頻度を極力少なくすることができる。
該表面改質装置内の分散ローター及びライナーの刃形状に関しては、何ら限定されるものではない。
本発明のトナー粒子製造方法としては、あらかじめ所望の粒径付近に微粒子化された原料トナー粒子を、気流式分級機を用いて微粉及び粗粉をある程度除去した上で、表面改質装置によってトナー粒子の表面改質及び超微粉成分の除去を行うことが好ましい。あらかじめ微粉を除去しておくことにより、表面改質装置内でのトナー粒子の分散が良好になる。特に、トナー粒子中の微粉成分は、比表面積が大きく、他の大きなトナー粒子と比較して相対的に帯電量が高いために他のトナー粒子からの分離がされにくく、分級ローターで適正に超微粉成分が分級されない場合があるが、あらかじめトナー粒子中の微粉成分を除去しておくことによって、表面改質装置内で個々のトナー粒子が分散しやすくなり、超微粉成分が適正に分級ローターによって分級され、所望の粒度分布を有するトナー粒子を得ることができる。気流式分級機によって微粉を除去されたトナーは、コールターカウンター法を用いて測定される粒度分布において、4μm未満のトナー粒子の個数平均基準の粒径分布の累積値が10個数%以上50個数%未満、好ましくは15個数%以上45個数%未満、より好ましくは15個数%以上40個数%未満であることが好ましく、本発明の表面改質装置によって効果的に超微粉成分を除去することができる。本発明で用いられる気流式分級機としては、エルボージェット(日鉄工業社製)等があげられる。
本発明において、磁性体は結着樹脂100質量部に対し、20〜200質量部で用いられる。好ましくは50〜130質量部で用いられる。
本発明においては,磁性トナーに用いる磁性体がSi元素を磁性体を基準として0.3〜0.9質量%含有しており、さらに鉄以外の金属元素としてMn、Zn、Cu、Al及びMgからなるグループから選択される1種以上の金属元素(他種金属元素)を磁性体を基準として0.4〜1.2質量%含有していることを特徴の一つとする。
本発明において、磁性体にSi元素を含ませることで磁性体の流動性を向上させることができる。Si元素を磁性体を基準として0.3〜0.9質量%、好ましくは0.4〜0.8質量%含有していることが良い。Si元素が0.3質量%より小さいと充分な流動性が得られず、凝集しやすく現像性が悪化する。Si元素が0.9質量%より大きいと電気抵抗、残留磁化、保持力、流動性の改善効果は充分に得られるものの、高湿下において吸湿により現像性が低下してしまう。
Si元素と共に他種金属元素を用いることで磁性体の流動性、帯電性、吸湿性、磁気特性を改善することができる。他種金属元素は磁性体を基準として0.4〜1.2質量%、好ましくは0.6〜1.0質量%含有していることが良い。含有量が0.4質量%未満だと流動性改良効果が少なく、1.2質量%より多い場合には電気抵抗が大きくなり、トナーの帯電特性に悪影響を与える。
本発明において、磁性体の個数平均粒径は0.05〜1.0μmが好ましく、更には0.1〜0.4μmのものが好ましい。磁性体の個数平均粒径が0.05μmよりも小さい場合には、磁性体粒子間の付着力が強まり、結着樹脂中への分散性が悪化する。磁性体の個数平均粒径が1.0μmよりも大きい場合には、トナー中に含まれる磁性体粒子の個数が減るために、結着樹脂中への磁性体の分散に偏りが生じやすく帯電の均一性が損なわれる。
磁性体のBET比表面積は7〜16m2/gであると現像の環境安定性が向上する。
個数平均粒径は、透過電子顕微鏡等により拡大撮影した写真をデジタイザー等で測定することにより求めることができる。
BET比表面積は、BET法に従って、比表面積測定装置オートソープ1(湯浅アイオニクス社製)を用いて試料表面に窒素ガスを吸着させ、BET多点法を用いて比表面積を算出することができる。
本発明の磁性体は、磁場795.8kA/mにおける飽和磁化が40〜110Am2/kg、好ましくは70〜100Am2/kgであることが必要である。これは、現像装置内に磁気力発生手段を設けることで磁性トナーの漏れを防止でき、磁性トナーの搬送性または攪拌性を高められるばかりでなく、磁性トナーが穂立ちを形成するためにトナーの飛散を防止することが容易となる。しかし、磁性体の磁場795.8kA/mにおける飽和磁化が40Am2/kg未満であると、上記の効果が得られず、磁性トナー担持体上に磁力を作用させると磁性トナーの穂立ちが不安定となり、磁性トナーへの帯電付与が均一に行えないことによるカブリ、画像濃度ムラを生じる易くなる。一方、磁性体の磁場795.8kA/mにおける飽和磁化が110Am2/kgよりも大きいと、磁性トナーに磁力を作用させると磁気凝集により磁性トナーの流動性が著しく低下し、現像性が低下し、磁性トナーがダメージを受けやすくなり、トナー劣化が著しくなる。また、磁性トナーの磁気凝集により、特に、高温高湿下での耐久性が劣るものとなる。
磁性体の磁場79.6kA/mにおける残留磁化は2〜8Am2/kgである磁性体であることが好ましい。残留磁化が2Am2/kgに満たない場合は、転写残トナーが粒子一個一個に散らばった状態で存在しやすく、帯電部材で捕捉されにくく、その結果として正規に帯電されにくくなってしまうことがあり好ましくない。一方、残留磁化が8Am2/kgを超えた場合、転写残トナー同士が磁気凝集してしまいトナーの凝集体としてふるまいやすく、帯電部材と感光体との間で摺擦されることで感光体表面を傷つけることがあり好ましくない。すなわち、磁性トナーが好ましい残留磁化を持つことで、転写残トナーが適度に凝集した状態で存在することにより、感光体を傷つけることなく、適正にされるのである。
磁性体の磁場79.6kA/mにおける抗磁力は5〜8kA/mであると、高画質画像を得ることができる。
磁性トナーの磁化の強さ(飽和磁化、残留磁化、抗磁力)は、含有する磁性粉体の量、磁性粉体の飽和磁化、残留磁化、抗磁力により任意に変えることが可能である。本発明において磁性トナーの飽和磁化、残留磁化及び抗磁力の強さは、例えば振動型磁力計VSM P−1−10(東英工業社製)を用いて測定することができる。上記装置を使用する場合では、25℃の室温にて外部磁場79.6kA/mで測定する。また、磁性粉体の磁気特性についても、振動型磁力計VSM P−1−10(東英工業社製)を用いて、25℃の室温にて外部磁場796kA/mで測定することができる。
本発明に用いた表面改質装置では、トナー粒子の表面改質の際に表面改質ゾーンに導かれた原料は、分散ローターとライナー間で機械式衝撃力を受け表面改質処理される。トナー粒子は表面処理の際に表面に強い衝撃を受けるため、トナー粒子表面の弾性を有する結着樹脂やワックスは削られ、それに伴い結着樹脂やワックスに覆われていた磁性体粒子の一部がトナー粒子表面に露出する。表面処理は超微粉を切りながら行われるので、トナー粒子表面への超微粉の付着や埋め込みがない。
本発明のトナー40mgを界面活性剤水溶液5mlに分散させ、さらに6mol/lの塩酸5mlを加え該トナーの表面磁性体を30分間抽出した溶液において、該磁性体に由来する吸収340nmにおける吸光度が2.30〜3.50、好ましくは2.40〜3.30、より好ましくは2.50〜3.20、さらに好ましくは2.55〜3.10であるとトナーの耐ブロッキング性に対して優れており、高温高湿下での長期の使用でもトナーが劣化しない。
該磁性体に由来する吸収340nmにおける吸光度が3.50より大きい場合、これはトナー粒子表面に磁性体が多くしていることを示す。トナー表面の磁性体の露出量が多い場合、トナーの吸湿性が強くなり、現像性や耐久性に悪影響を及ぼす。
一方、該磁性体に由来する吸収340nmにおける吸光度が2.30よりも小さい場合、これはトナー粒子表面に磁性体がほとんど露出していないことを示す。つまりトナー表面には結着樹脂やワックスの割合が多い。そのためトナーの流動性が低下するため、ドット再現性が悪くなり現像性が悪化する。
尚、本発明の吸光度とは、試料セルに光を入射させた時の入射光の強さI0と透過光の強さIの差である透過率I/I0の逆数の常用対数 log(I0/I)で表される。
本発明におけるトナー粒子表面の磁性体の存在量は以下のようにして求める。
<トナー表面の磁性体量の測定>
予め容器中の不純物を除去した水に界面活性剤、好ましくはアルキルベンゼンスルフォン酸塩を1.23vol%となるように調製した分散剤を準備する。サンプル瓶に試料40mgを入れ、分散剤を5ml加えて試料を十分に分散させる。続いて6mol/lの塩酸5mlを加え30分間放置する。
放置後の溶液を、サンプル処理フィルター(ポアサイズ0.45〜0.5μm、例えば、マイショリディスクH−25−5 東ソー社製、エキクロディスク25CR ゲルマン サイエンス ジャパン社製などが利用できる)に通過させ、吸光度測定試料とする。
そのろ液を分光光度計により測定する(例えば、島津製作所 UV−3100PC)。このとき対照セルには上記分散剤5mlと6mol/l塩酸5mlの混合溶液を入れておく。
測定条件:スキャン速度(中速),スリット幅(0.5nm),サンプリングピッチ(2nm),測定範囲(600〜250nm)
本発明に用いた表面改質装置では、トナーの表面改質の際に表面改質ゾーンに導かれた原料は、分散ローターとライナー間で機械式衝撃力を受け表面改質処理される。トナー粒子は表面処理の際に表面に強い衝撃を受けるため、トナー粒子表面の弾性を有する結着樹脂やワックスは削られ、それに伴い結着樹脂やワックスに覆われていた磁性体粒子の一部がトナー粒子表面に露出する。そのためトナー粒子表面では相対的に磁性体の割合が増加する。本発明のトナー粒子は、トナー粒子表面の結着樹脂やワックスが削られて磁性体が表面に露出するため、磁性体の大部分は埋もれていて、一部しか表面に露出していないものも存在する。このような磁性体を塩酸のみで溶解させようとすると、近傍にある疎水性の結着樹脂やワックスの影響を大きく受けてしまい、塩酸のみでは十分に馴染ますことができず、トナー粒子表面の磁性体量を正確に知ることは難しい。このような表面状態を有する本発明のトナーの表面磁性体量を正確に判断するために、塩酸に界面活性剤を添加することが有効である。
本発明のような円形度を有するトナーにおいて、表面改質処理でトナー表面に磁性体を露出させることにより、プロセススピード200mm/secの高速機での長期の使用においても、高温高湿下で画像流れや、ドラム融着を、低温低湿下で白筋(ドラム表面上に筋が形成され画像に白い筋が現れる)の発生を防止できることを発見した。
本発明のような高い平均円形度を有するトナーは、ドラム上で非常に密に詰まった状態をとることができる。さらに本発明のトナーは表面に磁性体が露出しているため、磁性体が研磨剤の役割を果たし、ドラム表面を均一に削ることができる。この効果としてプロセススピード200mm/secの高速機での長期の使用においても、高温高湿下で画像流れや、ドラム融着を、低温低湿下で白筋(ドラム表面上に筋が形成され画像に白い筋が現れる)の発生を防ぐことが可能となった。
トナー表面からの溶出磁性体による吸光度が3.50より大きくなると、ドラム表面と接触する磁性体が増加するため、ドラム表面を均一に研磨することが困難になり削れにむらが発生し、トナーの埋め込みによりドラム融着が発生して画像に影響を及ぼす。トナー表面からの溶出磁性体による吸光度が2.30より小さくなると、ドラム表面と接触する磁性体が減少するため、ドラムの研磨効果が低下するため、画像流れや白筋が発生する。またすり抜けによるクリーニング不良やワックスによるドラム融着も発生しやすくなる。
更に磁性体に上記金属を適度に添加することで、プロセススピード200mm/secの高速機での長期の使用においても、高温高湿下で尾引き防ぐことが可能になった。磁性体中にSi元素を磁性体を基準として0.3〜0.9質量%、及び1種以上の他種金属元素、好ましくはZn元素を磁性体を基準として0.4〜1.2質量%含むことで磁性体の流動性が向上するとともに適度な表面抵抗を持たせることができる。本発明のトナーは円形度が高いため、現像時には磁力によってスリーブ上に密なトナーの穂が生じる。磁性体が適度な表面抵抗を持っていると、トナーが密な状態においても電荷のリークが起こりにくく、安定した電荷を持つ穂を形成できる。線画像では、トナーの穂により画像後端の尾引きが発生することがあるが、磁性体の流動性が高いと、磁力で形成された密なトナーの穂において、トナーの穂は容易にほぐれ、現像に必要なトナーだけがドラムに飛翔することができるので尾引きが発生しない。
磁性体中のSi元素が0.3質量%未満、または1種以上の他種金属元素が0.4質量%未満だと磁性体は流動性を失い、磁力で形成されたトナーの穂において、トナー間での磁気的凝集力が勝り、穂がほぐれないままドラムへ飛翔するために尾引きが発生する。磁性体中のSi元素が0.9質量%より多く、または1種以上の他種金属元素が1.2質量%より多いとトナーの電気抵抗が高くなりすぎ、磁力で形成されたトナーの穂において、トナー間での静電凝集力が強くなり、穂がほぐれないままドラムへ飛翔するために尾引きが発生する。
平均円形度が高く、トナー表面に磁性体が露出していて、かつ磁性体にSi元素及び1種以上の他種金属元素を含むことでスリーブ上にはトリボが均一でかつ優れた流動性を有するトナーの層ができる。文字等の線画を現像する際、文字等での線画の静電潜像は、エッジ効果により、そのエッジ部に電界が集中しやすい。そして粒径の小さいトナーは、文字等のエッジ部に集中して現像されやすい特徴を持っている。したがって、トナー粒子中に0.6μm以上3μm未満の粒径の超微粉が多いと、0.6μm以上3μm未満の粒径の超微粉は、文字等のエッジ部に集中して現像されやすいため、文字等の静電潜像のエッジ部と中部とでは、画像濃度に差が生じてしまう。本発明のようにトナー中の0.6μm以上3μm未満の粒径の超微粉が少ないと、均一なトリボを持ち流動性に優れているトナーは、エッジ効果を受けることなく静電潜像に向かって均一に飛翔することができ忠実に静電潜像を再現することができる。
0.6μm以上3μm未満のトナー粒子比率が20個数%より多い場合、文字等の線画を現像するとエッジ効果が大きく現れ、文字等のエッジ部と中部との画像濃度に極端な差が生じてしまう。
本発明のトナーは磁性体を含有する。磁性体は着色剤の役割をかねることもできる。本発明に使用される磁性体の構成及び製造法について説明する。
本発明に係るケイ素元素を有する磁性体は、例えば下記方法で製造される。第一鉄塩水溶液に所定量のMn、Zn、Cu、Al及びMgから選ばれる1種以上の金属塩及びケイ酸塩を添加した後に、鉄成分に対して当量以上の水酸化ナトリウムの如きアルカリを加え、水酸化第一鉄を含む水溶液を調製する。調製した水溶液のpHをpH7以上(好ましくはpH8乃至10)に維持しながら空気を吹き込み、水溶液を70℃以上に加温しながら水酸化第一鉄の酸化反応をおこない、磁性体粒子の芯となる種晶をまず生成する。
次に、種晶を含むスラリー状の液に前に加えたアルカリの添加量を基準として第1当量の硫酸第一鉄を含む水溶液を加える。液のpHを6乃至10に維持しながら空気を吹き込みながら水酸化第一鉄の反応をすすめ種晶を芯にして磁性体粒子を成長させる。酸化反応がすすむにつれて液のpHは酸性側に移行していくが、液のpHは6未満にしない方が好ましい。酸化反応の終期に液のpHを調整することにより、磁性体粒子の表層および表面に他の金属化合物を所定量偏在させることが好ましい。
添加に用いるケイ酸塩としては、ケイ酸ナトリウム及びケイ酸カリウムが例示される。添加に用いる鉄以外の金属塩としては、硫酸塩、硝酸塩、塩化物が使用できる。第一鉄塩としては、一般的に硫酸法チタン製造に副生する硫酸鉄、銅板の表面洗浄に伴って副生する硫酸鉄の利用が可能であり、更に塩化鉄等可能である。
水溶液法による磁性体の製造方法は一般に反応時の粘度の上昇を防ぐこと、及び、硫酸鉄の溶解度から鉄濃度0.5乃至2mol/リットルが用いられる。硫酸鉄の濃度は一般に薄いほど製品の粒度が細かくなる傾向を有する。反応に際しては、空気量が多い程、そして反応温度が低いほど微粒化しやすい。
上述の製造方法により、透過電顕写真による観察で、ケイ酸元素及び他種の金属元素を有する磁性体粒子が、主に板状面を有さない曲面で形成された球形状粒子から構成され、八面体粒子を殆ど含まない磁性体を生成し、その磁性体を磁性トナーに使用することが好ましい。
本発明のトナーに使用し得るその他の着色剤としては、任意の適当な顔料又は染料が挙げられる。顔料としてカーボンブラック、アニリンブラック、アセチレンブラック、ナフトールイエロー、ハンザイエロー、ローダミンレーキ、アリザリンレーキ、ベンガラ、フタロシアニンブルー、インダンスレンブルー等が挙げられる。これらは定着画像の光学濃度を維持するのに必要充分な量が用いられ、結着樹脂100質量部に対し0.1〜20質量部、好ましくは0.2〜10質量部の添加量が良い。染料としては、アゾ系染料、アントラキノン染料、キサンテン系染料、メチン系染料等が挙げられる。染料は結着樹脂100質量部に対し、0.1〜20質量部、好ましくは0.3〜10質量部の添加量が良い。
本発明に使用される結着樹脂の種類としては、スチレン系樹脂、スチレン系共重合樹脂、ポリエステル樹脂、ポリオール樹脂、ポリ塩化ビニル樹脂、フェノール樹脂、天然変性フェノール樹脂、天然樹脂変性マレイン酸樹脂、アクリル樹脂、メタクリル樹脂、ポリ酢酸ビニール、シリコーン樹脂、ポリウレタン樹脂、ポリアミド樹脂、フラン樹脂、エポキシ樹脂、キシレン樹脂、ポリビニルブチラール、テルペン樹脂、クマロンインデン樹脂又は石油系樹脂が挙げられる。
スチレン系共重合体のスチレンモノマーに対するコモノマーとしては、ビニルトルエンの如きスチレン誘導体;アクリル酸、アクリル酸メチル、アクリル酸エチル、アクリル酸ブチル、アクリル酸ドデシル、アクリル酸オクチル、アクリル酸2−エチルヘキシル、アクリル酸フェニルの如きアクリル酸エステル;メタクリル酸、メタクリル酸メチル、メタクリル酸エチル、メタクリル酸ブチル、メタクリル酸オクチルの如きメタクリル酸エステル;マレイン酸;マレイン酸ブチル、マレイン酸メチル、マレイン酸ジメチルの如き二重結合を有するジカルボン酸エステル;アクリルアミド、アクリロニトリル、メタクリロニトリル、ブタジエン;塩化ビニル、酢酸ビニル、安息香酸ビニルの如きビニルエステル;エチレン、プロピレン、ブチレンの如きエチレン系オレフィン;ビニルメチルケトン、ビニルヘキシルケトンの如きビニルケトン;ビニルメチルエーテル、ビニルエチルエーテル、ビニルイソブチルエーテルの如きビニルエーテルが挙げられる。これらのビニル系単量体が単独もしくは2つ以上用いられる。
本発明においては、スチレン−アクリル酸エステル−アクリル酸共重合体、スチレン−アクリル酸エステル共重合体、スチレン−アクリル酸エステル−メタクリル酸共重合体が特に好ましい結着樹脂として用いられ、それによりトナー粒子の円形度を適切な値に制御しやすくなる。
本発明において、トナーは、「カルボキシル基を有するビニル樹脂」と「カルボキシル基とエポキシ基とが反応して形成された結合を部分構造として有するビニル樹脂」とを結着樹脂として含有することがより好ましい。このような樹脂構成にすることで、より高い帯電性能が得られ、画像濃度が低下することなく、長期間にわたり安定した画像が得られるのである。これは、結着樹脂中に負極性をもつ残存カルボキシル基やカルボキシル基とエポキシ基が反応して形成されたエステル部がトナー粒子表面で樹脂同士もしくは負帯電性制御剤と相互作用し、トナー表面における樹脂および負帯電性制御剤の分散状態を向上させるためである。
結着樹脂として用いられる「カルボキシル基とエポキシ基とが反応して形成された結合を部分構造として有するビニル樹脂」は、カルボキシル基を有するビニル樹脂とエポキシ基を有するビニル樹脂におけるカルボキシル基とエポキシ基とが結合したものであるか、カルボキシル基及びエポキシ基とを有するビニル樹脂におけるカルボキシル基とエポキシ基とが結合したものであることが好ましく、中でも、前者のほうがより好ましい。
「カルボキシル基とエポキシ基とが反応して形成された結合」とは、例えば、エポキシ基としてグリシジル基を有する化合物を用いる場合には、
Figure 2005234256
となり、架橋構造を形成するものである。
本発明に係る「カルボキシル基を有するビニル樹脂」、或いは「カルボキシル基とエポキシ基とが反応して形成された結合を部分構造として有するビニル樹脂」を得るために用いることのできるカルボキシル基を有する単量体として、以下のものが挙げられる。例えば、アクリル酸、メタクリル酸、α−エチルアクリル酸、クロトン酸、ケイヒ酸、ビニル酢酸、イソクロトン酸、チグリン酸及びアンゲリカ酸の如き不飽和モノカルボン酸;これらの不飽和モノカルボン酸のα−あるいはβ−アルキル誘導体;フマル酸、マレイン酸、シトラコン酸、アルケニルコハク酸、イタコン酸、メサコン酸、ジメチルマレイン酸、ジメチルフマル酸の如き不飽和ジカルボン酸;不飽和ジカルボン酸のモノエステル誘導体、無水物及びα−或いはβ−アルキル誘導体が挙げられる。上記のカルボキシル基を有する単量体は、単独あるいは混合して用いることができ、また他のビニル系モノマーと公知の重合方法により共重合させて用いることもできる。
次に、「カルボキシル基とエポキシ基とが反応して形成された結合を部分構造として有するビニル樹脂」を得る際に用いられるエポキシ基を有するビニル樹脂について説明する。本発明におけるエポキシ基とは、酸素原子が同一分子内の異なる炭素原子と結合し、環状エーテル構造を形成している官能基である。
本発明において用いることのできるエポキシ基を有する単量体としては、以下のものが挙げられる。
アクリル酸グリシジル、メタクリル酸グリシジル、アクリル酸β−メチルグリシジル、メタクリル酸β−メチルグリシジル、アリルグリシジルエーテル、アリルβ−メチルグリシジルエーテル等が挙げられる。また、一般式(1)で表されるグリシジルモノマーが好ましく用いられる。
Figure 2005234256
(一般式(1)において、R1、R2及びR3は、水素原子、又は、アルキル基、アリール基、アラルキル基、カルボキシル基及びアルコシキカルボニル基からなるグループより選ばれる官能基を示す。)
このようなエポキシ基を有する単量体は、単独であるいは複数種を混合して重合を行っても良く、また、他のビニル系単量体と公知の重合方法により共重合させることによって、エポキシ基を有するビニル樹脂を得ることができる。
カルボキシル基及びエポキシ基を有するビニル樹脂は、カルボキシル基を有するモノマーとエポキシ基を有するモノマーを混合し、他のビニルモノマーと公知の重合方法により共重合させることにより得られる。
本発明で使用する結着樹脂は、保存性の観点から、ガラス転移温度(Tg)が45〜80℃、好ましくは50〜70℃である。Tgが45℃より低いと高温雰囲気下でのトナーの劣化や定着時でのオフセットの原因となりやすい。また、Tgが80℃を超えると、定着性が低下する傾向にある。
・ガラス転移点(Tg)
昇温時のDSC曲線において比熱変化の現われる前後のベースラインの中間点を結ぶ線とDSC曲線の交点の温度。
Tgの測定方法は、TAインスツルメンツ社製Q−1000を用いて、ASTM D3418−82に準じて行う。本発明に用いられるDSC曲線は、1回昇温、降温させ前履歴を取った後、昇温速度10℃/minで、昇温させた時に測定されるDSC曲線を用いる。定義は次のように定める。
本発明の結着樹脂の重合法としては、溶液重合法、乳化重合法や懸濁重合法が挙げられる。
本発明に用いられる結着樹脂は、以下に例示する様な多官能性重合開始剤単独あるいは単官能性重合開始剤と併用して生成することが好ましい。
多官能構造を有する多官能性重合開始剤の具体例としては、1,1−ジ−t−ブチルパーオキシ−3,3,5−トリメチルシクロヘキサン、1,3−ビス−(t−ブチルパーオキシイソプロピル)ベンゼン、2,5−ジメチル−2,5−(t−ブチルパーオキシ)ヘキサン、2,5−ジメチル−2,5−ジ−(t−ブチルパーオキシ)ヘキサン、トリス−(t−ブチルパーオキシ)トリアジン、1,1−ジ−t−ブチルパーオキシシクロヘキサン、2,2−ジ−t−ブチルパーオキシブタン、4,4−ジ−t−ブチルパーオキシバレリックアシッド−n−ブチルエステル、ジ−t−ブチルパーオキシヘキサハイドロテレフタレート、ジ−t−ブチルパーオキシアゼレート、ジ−t−ブチルパーオキシトリメチルアジペート、2,2−ビス−(4,4−ジ−t−ブチルパーオキシシクロヘキシル)プロパン、2,2−t−ブチルパーオキシオクタン及び各種ポリマーオキサイドの1分子内に2つ以上のパーオキサイド基の如き重合開始機能を有する官能基を有する多官能性重合開始剤;及びジアリルパーオキシジカーボネート、t−ブチルパーオキシマレイン酸、t−ブチルパーオキシアリルカーボネート及びt−ブチルパーオキシイソプロピルフマレート等の1分子内に、パーオキサイド基の如き重合開始機能を有する官能基と重合性不飽和基の両方を有する多官能性重合開始剤から選択される。
これらの内、より好ましいものは、1,1−ジ−t−ブチルパーオキシ−3,3,5−トリメチルシクロヘキサン、1,1−ジ−t−ブチルパーオキシシクロヘキサン、ジ−t−ブチルパーオキシヘキサハイドロテレフタレート、ジ−t−ブチルパーオキシアゼレート、2,2−ビス−(4,4−ジ−t−ブチルパーオキシシクロヘキシル)プロパン、及びt−ブチルパーオキシアリルカーボネートである。
これらの多官能性重合開始剤は、トナー用バインダーとして要求される種々の性能を満足する為には、単官能性重合開始剤と併用されることが好ましい。特に該多官能性重合開始剤の半減期10時間を得る為の分解温度よりも低い半減期10時間を有する重合開始剤と併用することが好ましい。
具体的には、ベンゾイルパーオキシド、1,1−ジ(t−ブチルパーオキシ)−3,3,5−トリメチルシクロヘキサン、n−ブチル−4,4−ジ(t−ブチルパーオキシ)バレレート、ジクミルパーオキシド、α,α’−ビス(t−ブチルパーオキシジイソプロピル)ベンゼン、t−ブチルパーオキシクメン、ジ−t−ブチルパーオキシドの如き有機過酸化物;アゾビスイソブチロニトリル、ジアゾアミノアゾベンゼン等のアゾおよびジアゾ化合物が挙げられる。
これらの単官能性重合開始剤は、前記多官能性重合開始剤と同時にモノマー中に添加しても良いが、該多官能性重合開始剤の効率を適正に保つ為には、重合工程において該多官能性重合開始剤の示す半減期を経過した後に添加するのが好ましい。
これらの重合開始剤は、効率の点からモノマー100質量部に対し0.05〜2質量部で用いるのが好ましい。
結着樹脂は架橋性モノマーで架橋されていることも好ましい。
架橋性モノマーとしては主として2個以上の重合可能な二重結合を有するモノマーが用いられる。具体例としては、芳香族ジビニル化合物(例えば、ジビニルベンゼン、ジビニルナフタレン等);アルキル鎖で結ばれたジアクリレート化合物類(例えば、エチレングリコールジアクリレート、1,3−ブチレングリコールジアクリレート、1,4−ブタンジオールジアクリレート、1,5−ペンタンジオールジアクリレート、1,6−ヘキサンジオールジアクリレート、ネオペンチルグリコールジアクリレート、及び以上の化合物のアクリレートをメタクリレートに代えたもの);エーテル結合を含むアルキル鎖で結ばれたジアクリレート化合物類(例えば、ジエチレングリコールジアクリレート、トリエチレングリコールジアクリレート、テトラエチレングリコールジアクリレート、ポリエチレングリコール#400ジアクリレート、ポリエチレングリコール#600ジアクリレート、ジプロピレングリコールジアクリレート、及び以上の化合物のアクリレートをメタクリレートに代えたもの);芳香族基及びエーテル結合を含む鎖で結ばれたジアクリレート化合物類(例えば、ポリオキシエチレン(2)−2,2−ビス(4−ヒドロキシフェニル)プロパンジアクリレート、ポリオキシエチレン(4)−2,2−ビス(4−ヒドロキシフェニル)プロパンジアクリレート、及び、以上の化合物のアクリレートをメタクリレートに代えたもの);更には、ポリエステル型ジアクリレート化合物類(例えば、商品名MANDA(日本化薬))が挙げられる。多官能の架橋剤としては、ペンタエリスリトールアクリレート、トリメチロールエタントリアクリレート、トリメチロールプロパントリアクリレート、テトラメチロールプロパントリアクリレート、テトラメチロールメタンテトラアクリレート、オリゴエステルアクリレート、及び以上の化合物のアクリレートをメタクリレートに代えたもの;トリアリルシアヌレート、トリアリルトリメリテート;等が挙げられる。
これらの架橋剤は、他のモノマー成分100質量部に対して、0.00001〜1質量部、好ましくは0.001〜0.05質量部の範囲で用いることが好ましい。
結着樹脂組成物を製造する方法として、溶液重合法により高分子量重合体と低分子量重合体を別々に合成した後にこれらを溶液状態で混合し、次いで脱溶剤する溶液ブレンド法、また、押出機等により溶融混練するドライブレンド法、溶液重合法等により得られた低分子量重合体を溶解した高分子量重合体を構成するモノマーに溶解し、懸濁重合を行い、洗浄・乾燥し、樹脂組成物を得る二段階重合法等が挙げられる。但し、ドライブレンド法では、均一な分散・相溶の点で改善すべき点がある。二段階重合法だと均一な分散性等に利点が多いが、低分子量分を高分子量分以上に増量することができ、分子量の大きい高分子量重合体の合成ができ、不必要な低分子量重合体が副生成するという問題が少ないことから、溶液ブレンド法が最も好適である。また、低分子量重合体成分に所定の酸価を導入する場合には、水系媒体を使用する重合法に比べて酸価の設定が容易である溶液重合が好ましい。
本発明のトナーには、荷電制御剤を含有させることが好ましい。
トナーを負荷電性に制御するものとして下記化合物が挙げられる。
例えば有機金属錯体、キレート化合物が有効であり、モノアゾ金属錯体、アセチルアセトン金属錯体、芳香族ハイドロキシカルボン酸、芳香族ダイカルボン酸系の金属錯体がある。他には、芳香族ハイドロキシカルボン酸、芳香族モノ及びポリカルボン酸及びその金属塩、無水物、エステル類、ビスフェノールの如きフェノール誘導体類などがある。
中でも、下記一般式(1)で表わされるアゾ系金属錯体が好ましい。
Figure 2005234256
特に中心金属としてはFeが好ましく、置換基としてはハロゲン、アルキル基又はアニリド基が好ましく、カウンターイオンとしては水素、アルカリ金属、アンモニウム又は脂肪族アンモニウムが好ましい。またカウンターイオンの異なる錯塩の混合物も好ましく用いられる。
あるいは次の一般式(2)に示した塩基性有機酸金属錯体も負帯電性を与える荷電制御剤として好ましい。
Figure 2005234256
特に中心金属としてはFe,Cr,Si,Zn又はAlが好ましく、置換基としてはアルキル基、アニリド基、アリール基、ハロゲンが好ましく、カウンターイオンは水素、アンモニウム、脂肪族アンモニウムが好ましい。
トナーを正荷電性に制御するものとして下記の化合物がある。
ニグロシン及び脂肪酸金属塩による変成物;トリブチルベンジルアンモニウム−1−ヒドロキシ−4−ナフトスルフォン酸塩、テトラブチルアンモニウムテトラフルオロボレートの如き四級アンモニウム塩、及びこれらの類似体であるホスホニウム塩の如きオニウム塩及びこれらのレーキ顔料、トリフェニルメタン染料及びこれらのレーキ顔料(レーキ化剤としては、りんタングステン酸、りんモリブデン酸、りんタングステンモリブデン酸、タンニン酸、ラウリン酸、没食子酸、フェリシアン化物、フェロシアン化物など);高級脂肪酸の金属塩;ジブチルスズオキサイド、ジオクチルスズオキサイド、ジシクロヘキシルスズオキサイドなどのジオルガノスズオキサイド;ジブチルスズボレート、ジオクチルスズボレート、ジシクロヘキシルスズボレートの如きジオルガノスズボレート;グアニジン化合物、イミダゾール化合物。これらを単独で或いは2種類以上組合せて用いることができる。これらの中でも、トリフェニルメタン化合物、カウンターイオンがハロゲンでない四級アンモニウム塩が好ましく用いられる。また一般式(3)
Figure 2005234256
[式中、R1はH又はCH3を示し、R2及びR3は置換または未置換のアルキル基(好ましくはC1〜C4)を示す。]
で表わされるモノマーの単重合体:前述したスチレン、アクリル酸エステル、メタクリル酸エステルの如き重合性モノマーとの共重合体を正荷電性制御剤として用いることができる。この場合これらの荷電制御剤は、結着樹脂(の全部または一部)としての作用をも有する。
特に下記一般式(4)で表わされる化合物が本発明の正荷電制御剤として好ましい。
Figure 2005234256
具体的な商品名としてはニグロシン系染料、ナフテン酸または高級脂肪酸の金属塩、アルコキシル化アミン、第4級アンモニウム塩化合物、アゾ系金属錯体、サリチル酸金属塩あるいはその金属錯体等が挙げられる。
負帯電用として好ましいものは、例えばSpilon Black TRH、T−77、T−95(保土谷化学社)、BONTRON(登録商標)S−34、S−44、S−54、E−84、E−88、E−89(オリエント化学社)があげられ、正帯電用としては好ましいものとしては、例えばTP−302、TP−415(保土谷化学社)、BONTRON(登録商標)N−01、N−04、N−07、P−51(オリエント化学社)、コピーブルーPR(クラリアント社)が例示できる。
電荷制御剤をトナーに含有させる方法としては、トナー粒子内部に添加する方法とトナー粒子の外部に外添する方法がある。これらの電荷制御剤の使用量としては、結着樹脂の種類、他の添加剤の有無、分散方法を含めたトナー製造方法によって決定されるもので、一義的に限定されるものではないが、好ましくは結着樹脂100質量部に対して0.1〜10質量部、より好ましくは0.1〜5質量部の範囲で用いられる。
本発明のトナーはワックスを含有してもよい。本発明に用いられるワックスには次のようなものがある。例えばパラフィンワックスおよびその誘導体、モンタンワックスおよびその誘導体、マイクロクリスタリンワックスおよびその誘導体、フィッシャートロプシュワックスおよびその誘導体、ポリオレフィンワックスおよびその誘導体、カルナバワックスおよびその誘導体などである。誘導体には酸化物やビニル系モノマーとのブロック共重合物、グラフト変性物を含む。本発明のトナーは少なくとも極性を有するワックスを含有することが好ましい。ワックスが極性を有することで結着樹脂との相溶性を高められ、熱混練時において結着樹脂中にワックスを微粒子状に分散でき、偏析することがないため、表面改質時にトナー表面を削る際に、磁性体を均一に露出させることが可能である。ワックスが非極性の場合、結着樹脂との相溶性が悪くなり熱混練時に偏析してしまうため、粉砕時に樹脂とワックスが界面で割れやすくなり、表面改質時にトナー表面を削り磁性体を露出させるのが困難になる。極性を有するワックスとしては特にパラフィン系ワックスの酸化物を加水分解したアルコール変性パラフィンワックスが好ましく用いられる。
ワックスの具体的な例としては、ビスコール(登録商標)330−P、550−P、660−P、TS−200(三洋化成工業社)、ハイワックス400P、200P、100P、410P、420P、320P、220P、210P、110P(三井化学社)、サゾールH1、H2、C80、C105、C77(シューマン・サゾール社)、HNP−1、HNP−3、HNP−9、HNP−10、HNP−11、HNP−12(日本精鑞株式会社)、ユニリン(登録商標)350、425、550、700、ユニシッド(登録商標)、ユニシッド(登録商標)350、425、550、700(東洋ペトロライト社)、木ろう、蜜ろう、ライスワックス、キャンデリラワックス、カルナバワックス(株式会社セラリカNODAにて入手可能)等があげられる。
本発明のトナーにおいては、これらのワックス総含有量は、結着樹脂100質量部に対し、0.1〜15質量部で用いられ、好ましくは0.5〜12質量部で用いるのが効果的である。
これらのワックスは、示差熱分析測定装置(DSC)を用いて測定される融点が65℃以上130℃未満、好ましくは70°以上120℃未満、更に好ましくは70℃以上110℃未満、更に好ましくは75℃以上100℃未満であることが好ましい。トナー粒子中にこのような融点を有するワックスは適度な硬さを有しており、トナー粒子の表面改質工程において所望の円形度、粒度分布、表面面粗さを有するトナー粒子を効果的に得ることができる。ワックスの融点が65度未満の場合、トナーの保存性が悪化する場合がある。ワックスの融点が130℃を超えると、トナー粒子が硬くなりすぎて表面改質されたトナーの生産性が悪化する場合がある。
<ワックスの融点の測定方法>
試料:0.5〜2mg、好ましくは1mg
測定法:試料をアルミパン中に入れ、リファレンスとして空のアルミパンを用いる。
温度曲線:昇温I(20℃〜180℃、昇温速度10℃/min)
降温I(180℃〜10℃、降温速度10℃/min)
昇温II(10℃〜180℃、昇温速度10℃/min)
上記温度曲線において昇温IIで測定される吸熱ピーク温度を融点とする。
本発明のトナー粒子には、無機微粉体または疎水性無機微粉体が外添されることが好ましい。例えば、シリカ微粉末、酸化チタン微粉末又はそれらの疎水化物が挙げられる。それらは、単独あるいは併用して用いることが好ましい。
シリカ微粉体としては、ケイ素ハロゲン化合物の蒸気相酸化により生成された乾式法またはヒュームドシリカと称される乾式シリカ、及び、水ガラス等から製造される湿式シリカの両方が挙げられる。表面及び内部にあるシラノール基が少なく、製造残渣のない乾式シリカの方が好ましい。
さらにシリカ微粉体は疎水化処理されているものが好ましい。疎水化処理するには、シリカ微粉体と反応あるいは物理吸着する有機ケイ素化合物で化学的に処理することによって付与される。好ましい方法としては、ケイ素ハロゲン化合物の蒸気相酸化により生成された乾式シリカ微粉体をシラン化合物で処理した後、あるいはシラン化合物で処理すると同時にシリコーンオイルの如き有機ケイ素化合物で処理する方法が挙げられる。
疎水化処理に使用されるシラン化合物としては、ヘキサメチルジシラザン、トリメチルシラン、トリメチルクロルシラン、トリメチルエトキシシラン、ジメチルジクロルシラン、メチルトリクロルシラン、アリルジメチルクロルシラン、アリルフェニルジクロルシラン、ベンジルジメチルクロルシラン、ブロムメチルジメチルクロルシラン、α−クロルエチルトリクロルシラン、β−クロルエチルトリクロルシラン、クロルメチルジメチルクロルシラン、トリオルガノシランメルカプタン、トリメチルシリルメルカプタン、トリオルガノシリルアクリレート、ビニルジメチルアセトキシシラン、ジメチルエトキシシラン、ジメチルジメトキシシラン、ジフェニルジエトキシシラン、ヘキサメチルジシロキサン、1,3−ジビニルテトラメチルジシロキサン、1,3−ジフェニルテトラメチルジシロキサンが挙げられる。
有機ケイ素化合物としては、シリコーンオイルが挙げられる。好ましいシリコーンオイルとしては、25℃における粘度がおよそ30〜1,000mm2/sのものが用いられる。例えばジメチルシリコーンオイル、メチルフェニルシリコーンオイル、α−メチルスチレン変性シリコーンオイル、クロルフェニルシリコーンオイル、フッ素変性シリコーンオイルが好ましい。
シリコーンオイル処理の方法は、シラン化合物で処理されたシリカ微粉体とシリコーンオイルとをヘンシェルミキサーの如き混合機を用いて直接混合しても良いし、ベースとなるシリカへシリコーンオイルを噴射する方法によっても良い。あるいは適当な溶剤にシリコーンオイルを溶解あるいは分散せしめた後、ベースのシリカ微粉体とを混合し、溶剤を除去して作製しても良い。
シリカ微粉体の好ましい疎水化処理として、ヘキサメチルジシラザンで処理し、次いでシリコーンオイルで処理することにより調製する方法が挙げられる。
上記のようにシリカ微粉体をシラン化合物で処理し、後にオイル処理することが疎水化度を効果的に上げることができ、好ましい。
上記シリカ微粉体における疎水化処理、更には、オイル処理を酸化チタン微粉体に施したものも、シリカ系同様に好ましい。
本発明のトナー粒子には、必要に応じてシリカ微粉体又は酸化チタン微粉体以外の添加剤を外添してもよい。
例えば帯電補助剤、導電性付与剤、流動性付与剤、ケーキング防止剤、熱ロール定着時の離型剤、滑剤、研磨剤の働きをする樹脂微粒子や無機微粒子である。
樹脂微粒子としては、その平均粒径が0.03〜1.0μmのものが好ましい。その樹脂を構成する重合性単量体としては、スチレン;o−メチルスチレン,m−メチルスチレン,p−メチルスチレン,p−メトキシスチレン,p−エチルスチレン誘導体;アクリル酸;メタクリル酸;アクリル酸メチル,アクリル酸エチル,アクリル酸n−ブチル,アクリル酸イソブチル,アクリル酸n−プロピル,アクリル酸n−オクチル,アクリル酸ドデシル,アクリル酸2−エチルヘキシル,アクリル酸ステアリル,アクリル酸2−クロルエチル,アクリル酸フェニルの如きアクリル酸エステル;メタクリル酸メチル,メタクリル酸エチル,メタクリル酸n−プロピル、メタクリル酸n−ブチル,メタクリル酸イソブチル,メタクリル酸n−オクチル,メタクリル酸ドデシル,メタクリル酸2−エチルヘキシル,メタクリル酸ステアリル,メタクリル酸フェニル,メタクリル酸ジメチルアミノエチル,メタクリル酸ジエチルアミノエチルの如きメタクリル酸エステル;アクリロニトリル,メタクリロニトリル,アクリルアミド等の単量体が挙げられる。
重合法としては、懸濁重合、乳化重合、ソープフリー重合が挙げられる。より好ましくは、ソープフリー重合によって得られる粒子が良い。
その他の微粒子としては、ポリ弗化エチレン、ステアリン酸亜鉛、ポリ弗化ビニリデンの如き滑剤(中でもポリ弗化ビニリデンが好ましい);酸化セリウム、炭化ケイ素、チタン酸ストロンチウムの如き研磨剤(中でもチタン酸ストロンチウムが好ましい);酸化チタン、酸化アルミニウムの如き流動性付与剤(中でも特に疎水性のものが好ましい);ケーキング防止剤;カーボンブラック、酸化亜鉛、酸化アンチモン、酸化スズの如き導電性付与剤が挙げられる。さらに、トナーと逆極性の白色微粒子及び黒色微粒子を現像性向上剤として少量用いても良い。
トナーと混合される樹脂微粒子または無機微粉体または疎水性無機微粉体は、トナー100質量部に対して0.01〜5質量部(好ましくは0.01〜3質量部)使用するのが良い。
本発明のトナーは、好ましくは重量平均粒径を2.5〜10.0μm、好ましくは5.0〜9.0μm、より好ましくは6.0〜8.0μmとした場合に十分な効果が発揮され、好ましい。
トナーの重量平均粒径及び粒度分布はコールターカウンター法を用いて行うが、例えばコールターマルチサイザー(コールター社製)を用いることが可能である。電解液は1級塩化ナトリウムを用いて1%NaCl水溶液を調製する。例えばISOTON R−II(コールターサイエンティフィックジャパン社製)が使用できる。測定法としては、前記電解水溶液100〜150ml中に分散剤として界面活性剤(好ましくはアルキルベンゼンスルフォン酸塩)を0.1〜5ml加え、更に測定試料を2〜20mg加える。試料を懸濁した電解液は超音波分散器で約1〜3分間分散処理を行い、前記測定装置によりアパーチャーとして100μmアパーチャーを用いて、2.00μm以上のトナー粒子の体積・個数を測定して体積分布と個数分布とを算出する。それから本発明に係る体積分布から求めた重量基準の重量平均粒径(D4)を算出する。チャンネルとしては、2.00〜2.52μm未満;2.52〜3.17μm未満;3.17〜4.00μm未満;4.00〜5.04μm未満;5.04〜6.35μm未満;6.35〜8.00μm未満;8.00〜10.08μm未満;10.08〜12.70μm未満;12.70〜16.00μm未満;16.00〜20.20μm未満;20.20〜25.40μm未満;25.40〜32.00μm未満;32.00〜40.30μm未満の13チャンネルを用いる。
本発明に係るトナーを作製するには、上述したようなトナー構成材料をボールミルその他の混合機により十分混合した後、熱ロール,ニーダー,エクストルーダーの如き熱混練機を用いてよく混練し、冷却固化後粗粉砕を行った後に微粉砕、分級を行った後に表面改質装置を用いてトナー粒子の表面改質を行う方法が好ましい。さらに必要に応じ所望の添加剤をヘンシェルミキサーの如き混合機により十分混合し、本発明に係るトナーを製造することができる。
例えば混合機としては、ヘンシェルミキサー(三井鉱山社製);スーパーミキサー(カワタ社製);リボコーン(大川原製作所社製);ナウターミキサー、タービュライザー、サイクロミックス(ホソカワミクロン社製);スパイラルピンミキサー(太平洋機工社製);レーディゲミキサー(マツボー社製)が挙げられ、粉砕機としては、カウンタージェットミル、ミクロンジェット、イノマイザ(ホソカワミクロン社製);IDS型ミル、PJMジェット粉砕機(日本ニューマチック工業社製);クロスジェットミル(栗本鉄工所社製);ウルマックス(日曹エンジニアリング社製);SKジェット・オー・ミル(セイシン企業社製);クリプトロン(川崎重工業社製);ターボミル(ターボ工業社製);スーパーローター(日清エンジニアリング社製)が挙げられる。分級機としては、クラッシール、マイクロンクラッシファイアー、スペディッククラッシファイアー(セイシン企業社製);ターボクラッシファイアー(日清エンジニアリング社製);ミクロンセパレータ、ターボフレックス(ATP)、TSPセパレータ(ホソカワミクロン社製);エルボージェット(日鉄鉱業社製)、ディスパージョンセパレータ(日本ニューマチック工業社製);YMマイクロカット(安川商事社製)が挙げられる。粗粒などをふるい分けるために用いられる篩い装置としては、ウルトラソニック(晃栄産業社製);レゾナシーブ、ジャイロシフター(徳寿工作所杜);バイブラソニックシステム(ダルトン社製);ソニクリーン(新東工業社製);ターボスクリーナー(ターボ工業社製);ミクロシフター(槙野産業社製);円形振動篩い等が挙げられる。
以下、実施例を示して、本発明を更に詳しく説明するが、本発明は何らこれらに限定されるものではない。
本発明で使用する磁性体について述べる。
<磁性体の製造例1>
硫酸第一鉄水溶液中に、Si元素の含有量が磁性体を基準として0.62質量%となるようにケイ酸ソーダを添加し、更に亜鉛元素の含有率が磁性体を基準として0.6%となるように硫酸亜鉛を添加した後、鉄イオンに対して1.0〜1.1当量の苛性ソーダ溶液を混合し、水酸化第一鉄を含む水溶液を調製した。
次いでFe(OH)2を含む第一鉄塩水溶液に温度90℃において空気を通気して酸化反応をすることにより、Si元素、Zn元素を含有する磁性体粒子を生成した。
更にこの懸濁液に、ケイ酸ソーダ0.1%(磁性体を基準としてSi元素換算)を溶解した水酸化ナトリウム水溶液を残存Fe2+に対して1.05当量添加して、更に温度90℃で加熱しながら、酸化反応してSi元素を含有した磁性体粒子を生成させた。
次に硫酸アルミニウムを加え、pHを6〜8の範囲に調整して、磁性体の表面処理を行い、生成した磁性体粒子を常法により洗浄、ロ過、乾燥し、次いで凝集している磁性体粒子を解砕処理(圧密粉砕処理)し、表1に示すような特性を有する磁性体1を得た。尚、磁性体1の平均粒径は0.18μmであった。
<磁性体の製造例2>
製造例1と同様、Si元素量、Al元素量、Zn元素量を変え表1に示す物性の磁性体2を得た。
<磁性体の製造例3>
製造例1と同様、Si元素量、Al元素量、Zn元素量を変え、さらに硫酸銅をCuが磁性体を基準として0.17質量%となるように添加し、表1に示す物性の磁性体3を得た。
<磁性体の製造例4>
製造例1と同様、Si元素量、Al元素量、Zn元素量を変え表1に示す物性の磁性体4を得た。
<磁性体の製造例5>
製造例1と同様、Si元素量、Al元素量、Zn元素量を変え、さらに硫酸銅をCuが磁性体を基準として0.22質量%となるように添加し、表1に示す物性の磁性体5を得た。
<磁性体の製造例6>
製造例1と同様、Si元素量、Al元素量、Zn元素量を変え、さらに硝酸マンガンをMnが磁性体を基準として0.45質量%となるように添加し、表1に示す物性の磁性体6を得た。
本発明で使用するワックスは以下の通りである。
アルコール変性パラフィンワックス・・・融点90℃
ポリエチレンワックス・・・融点120℃
Figure 2005234256
[トナー1の調製]
結着樹脂:(スチレン−アクリル酸nブチル−メタクリル酸共重合体) 100質量部
磁性体1: 95質量部
負荷電性制御剤:(鉄アゾ化合物、保土谷化学社製:T−77) 2質量部
ワックス:(アルコール変性パラフィンワックス) 4質量部
上記混合物をヘンシェルミキサーで前混合した後、表2に基づき、140℃に加熱された2軸エクストルーダで溶融混練し、冷却した混練物をハンマーミルで粗粉砕してトナー粗粉砕物を得た。得られた粗粉砕物を、機械式粉砕機ターボミル(ターボ工業社製;回転子および固定子の表面に炭化クロムを含有したクロム合金めっきでコーティング(めっき厚150μm、表面硬さHV1050))を用いて、機械式粉砕させて微粉砕し、得られた微粉砕物をコアンダ効果を利用した多分割分級装置(日鉄鉱業社製エルボジェット分級機)で微粉及び粗粉を同時に分級除去した。そこで得られた原料トナー粒子のコールターカウンター法で測定される重量平均粒径(D4)は6.6μm、4μm未満のトナー粒子の個数基準の粒径分布の累積値は25.3個数%であった。
その原料トナー粒子を、図1に示す表面改質装置で表面改質及び微粉除去を行った。その際、本実施例においては、分散ローター上部に炭化クロムを含有したクロム合金めっきでコーティングした角型のディスクを16個設置し、ガイドリングと分散ローター上角型ディスクの間隔を60mm、分散ローターとライナーとの間隔を4mmとした。また分散ローターの回転周速を140m/secとし、ブロワー風量を30m3/minとした。また微粉砕品の投入量を300kgとし、サイクルタイムを45secとした。またジャケットに通す冷媒の温度を−15℃、冷風温度T1を−20℃とした。更に、分級ローターの回転数を制御することにより、0.6μm以上3μm未満の粒子比率を所望の値とした。以上の工程を経て、コールターカウンター法で測定される重量平均粒径(D4)6.8μm、4μm未満のトナー粒子の個数基準の粒径分布の累積値が18.1個数%の負帯電性トナー粒子1を得た。
このトナー粒子100質量部と、ヘキサメチルジシラザン処理し、次いでジメチルシリコーンオイル処理を行った疎水性シリカ微粉体1.2質量部とを、ヘンシェルミキサーで混合して負帯電性トナー1を調製した。
トナー粒子1の、FPIA2100で測定された物性(0.6μm以上3μm未満粒子率)、及びトナー1のFPIA2100で測定された物性(円形度)、塩酸−界面活性剤溶液による溶出磁性体の吸光度を表3に示す。
[トナー2〜10の調製]
用いる磁性体、ワックスを表2のようにして、更に熱混練機の混練条件を表2に示すように変更し、ターボミルの微粉砕条件を変更し、多分割分級装置での分級条件を変更し、更に表面改質装置の条件を表2に示すようにした以外はトナー1と同様にしてトナー2〜10を得た。トナー粒子2〜10の、FPIA2100で測定された物性(0.6μm以上3μm未満粒子率)、及びトナー2〜10のFPIA2100で測定された物性(円形度)、塩酸−界面活性剤溶液による溶出磁性体の吸光度を表3に示す。
[トナー11の調製]
用いる磁性体、ワックスを表2のようにして、更に熱混練機の混練条件を表2に示すように変更し、ターボミルの微粉砕条件を変更し、多分割分級装置での分級条件を変更し、更に表面改質装置による表面改質を行わなかった以外はトナー1と同様にしてトナー11を得た。トナー粒子11の、FPIA2100で測定された物性(0.6μm以上3μm未満粒子率)、及びトナー11のFPIA2100で測定された物性(円形度)、塩酸−界面活性剤溶液による溶出磁性体の吸光度を表3に示す。
[トナー12の調製]
用いる磁性体、ワックスを表2のようにして、更に熱混練機の混練条件を表2に示すように変更し、機械式粉砕機を用いずにジェット気流式粉砕機を用い、多分割分級装置での分級条件を変更し、更に表面改質装置の条件を表2に示すようにした以外はトナー1と同様にしてトナー12を得た。トナー粒子12の、FPIA2100で測定された物性(0.6μm以上3μm未満粒子率)、及びトナー12のFPIA2100で測定された物性(円形度)、塩酸−界面活性剤溶液による溶出磁性体の吸光度を表3に示す。
[トナー13の調製]
用いる磁性体、ワックスを表2のようにして、更に熱混練機の混練条件を表2に示すように変更し、機械式粉砕機を用いずにジェット気流式粉砕機を用い、多分割分級装置での分級条件を変更し、更に表面改質装置による表面改質を行わなかった以外はトナー1と同様にしてトナー13を得た。トナー粒子13の、FPIA2100で測定された物性(0.6μm以上3μm未満粒子率)、及びトナー13のFPIA2100で測定された物性(円形度)、塩酸−界面活性剤溶液による溶出磁性体の吸光度を表3に示す。
Figure 2005234256
Figure 2005234256
<実施例1〜8、比較例1〜5>
次に、調製されたトナーを用いて、以下に示すような方法によって評価を行った。評価結果を表4に示す。
Hewlett−Packard社製レーザービームプリンターLaser Jet4300nを用いて以下の評価を行った。
(1)トナー消費量
常温・常湿環境下(23℃,50%RH)で印字比率4%の画像で複写機用普通紙(A4サイズ:75g/m2)に18000枚の画出し試験を行う前後で、トナー容器内のトナー量を測定し、画像1枚あたりのトナー消費量を測定した。
(2)ドット再現性
常温・常湿環境下(23℃,50%RH)において、図3に示すチェッカー模様をプリントアウトし、ドット再現性を以下の評価基準に基づいて評価した。
A:非常に良好(欠損2個以下/100個)
B:良好(欠損3〜5個/100個)
C:普通(欠損6〜10個/100個)
D:悪い(欠損11個以上/100個)
(3)ブロッチ
低温・低湿環境下(15℃,10%RH)での耐久において、画出し中の現像スリーブ上のトナーコート状態及びプリント画像から、ブロッチの評価を行った。
A 現像スリーブ上にブロッチが全く見られない。
B 現像スリーブ上にわずかに見られるが、画像上にはその影響は現れない。
C 現像スリーブ上に見られ、画像上にもその影響がかすかに現れる。
D 現像スリーブ上にブロッチが見られ、画像上に著しくその影響が現れる。
(4)画像流れ
画像面積比率約3%の画像を高温・高湿環境下(32.5℃,80%RH)で2,500枚連続プリントアウトした後、2,500枚後の画像流れの程度により評価した。本評価においては、経験上、画像流れが発生し易いタルクを填料として用いている紙(32.5℃、80%RHで吸湿量10%にしたもの)を評価用紙とした。尚、紙の吸湿量は、Infrared Engineering製MOISTREX MX 5000を用いて測定した。評価は、下記の基準によって行なった。
A:画像流れが全く発生しない。
B:AとCの中間レベル。
C:画像流れが発生しているが、文字が何か判別できる。
D:CとEの中間レベル。
E:画像流れが発生し、文字が何か判別できない。
(5)ドラム融着
画像面積比率約3%の画像を、高温・高湿環境下(32.5℃,80%RH)で2,500枚連続してプリントアウトした後、A4サイズの記録紙全面にベタ黒画像を形成し、ベタ黒画像上に生ずる白点の発生の程度を評価した。評価は、下記の基準によって行なった。
A:A4サイズの記録紙上に白点が全く発生しない。
B:AとBの中間レベル。
C:A4サイズの記録紙上に白点が10点程度みられる。
D:CとEの中間レベル。
E:A4サイズの記録紙上に白点が100点以上見られる。
(6)白筋
低温・低湿環境下(15℃,10%RH)において画像面積比率約3%の画像を2500枚連続プリントアウトし、2500枚後のハーフトーン画像(副走査方向1ドット・2スペース)により、白筋のレベルを評価した。
A:白筋が全く発生しない。
B:白筋が発生しているが肉眼で明確に把握できない。
C:白筋の発生が肉眼で多数本明確に把握できる。
(7)尾引き
画像面積比率約3%の横線のみからなる画像パターンで高温・高湿環境下(30℃,80%RH)において、6000枚連続プリントアウトした後、同じ横線を現像中にマシンを止め、現像後の静電荷像担持体上の文字部の尾引き状況を以下の基準に従い目視で判断したものである。
A:尾引きは未発生。
B:わずかに尾引きは発生しているものの、良好な画像。
C:尾引きは発生しているものの、実用的には問題のない画質。
D:尾引きがひどく、実用上好ましくない画像。
(8)画像濃度、カブリ
低温・低湿環境下(15℃,10%RH)、高温高湿環境下(32.5℃,80%RH)の各環境下で、2枚/10秒のプリント速度、印字比率3%で複写機用普通紙(A4サイズ:75g/m2)に9000枚の画出し試験を行い、一日放置して再び9000枚、計18000枚の画出し試験を行った。結果を表4に示す。
画像濃度は「マクベス反射濃度計」(マクベス社製)を用いて、原稿濃度が0.00の白地部分のプリントアウト画像に対する相対濃度を測定した。
リフレクトメーター(東京電色(株)製)により測定した転写紙の白色度と、ベタ白をプリント後の転写紙の白色度との比較からカブリを算出した。
Figure 2005234256
本発明の表面改質工程において使用される一例の表面改質装置の概略的断面図である。 図1に示す分散ローターの上面図の一例を示す概略図である。 ドット再現性評価に用いたチェッカー模様の説明図である。
符号の説明
31 分級ローター
32 微粉回収
33 原料供給口
34 ライナー
35 冷風導入口
36 分散ローター
37 製品排出口
38 排出弁
39 ガイドリング
40 角型ディスク
41 第一の空間
42 第二の空間

Claims (4)

  1. 結着樹脂、磁性体を少なくとも含有するトナーであって、該トナーのフロー式粒子像測定装置で計測される円相当径3μm以上400μm以下のトナーの平均円形度が0.930以上0.970未満であり、該トナー40mgを界面活性剤水溶液5mlに分散させ、さらに6mol/lの塩酸5mlを加え該トナーの表面磁性体を30分間抽出した溶液において、該磁性体に由来する吸収340nmでの吸光度が2.30〜3.50であることを特徴とするトナー。
  2. 該トナーに用いる磁性体がSi元素を磁性体を基準として0.3〜0.9質量%含有しており、さらに鉄以外の金属元素としてMn、Zn、Cu、Al及びMgからなるグループから選択される1種以上の金属元素(他種金属元素)を磁性体を基準として0.4〜1.2質量%含有していることを特徴とする請求項1に記載のトナー。
  3. 該トナー粒子のフロー式粒子像測定装置で計測される円相当径0.6μm以上400μm以下のトナー粒子における個数平均粒径分布個数基準の粒径分布において、0.6μm以上3μm未満のトナー粒子比率が0個数%以上20個数%未満であることを特徴とする請求項1または2に記載のトナー。
  4. 該トナーが極性を有するワックスを含有することを特徴とする請求項1乃至3のいずれかに記載のトナー。
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