JP2005233645A - 温度計測器 - Google Patents
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Abstract
【課題】PVD、CVD、ドライエッチング等の工程におけるプラズマ発生環境下において、安定した正確な温度計測が可能で、かつ高温域で温度計測する場合にも雰囲気を汚染せず、精度の良い温度計測が可能な温度計測器を提供すること。
【解決手段】永久磁石と強磁性体合金との組合せからなり、計測温度感知部としての前記強磁性体合金はキュリー温度が計測目標温度となるように設定され、前記強磁性体合金の温度が前記計測目標温度未満の場合には前記永久磁石と前記強磁性体合金とは磁界によって接着し、前記強磁性体合金の温度が前記計測目標温度に達した場合に前記永久磁石と前記強磁性体合金とが分離することによって前記計測目標温度に達したことを表示することを特徴とする温度計測器。
【選択図】 図3
【解決手段】永久磁石と強磁性体合金との組合せからなり、計測温度感知部としての前記強磁性体合金はキュリー温度が計測目標温度となるように設定され、前記強磁性体合金の温度が前記計測目標温度未満の場合には前記永久磁石と前記強磁性体合金とは磁界によって接着し、前記強磁性体合金の温度が前記計測目標温度に達した場合に前記永久磁石と前記強磁性体合金とが分離することによって前記計測目標温度に達したことを表示することを特徴とする温度計測器。
【選択図】 図3
Description
本発明は、温度計測器に関するものでり、特に、半導体デバイス製造やディスプレイパネル製造のためのPVD、CVD、ドライエッチング等の工程における温度管理に使用される温度計測器に関するものである。
半導体デバイス製造やディスプレイパネル製造のためのPVD、CVD、ドライエッチング等の半導体基板上への薄膜形成処理、半導体基板上の薄膜加工処理は、微細な精密加工が要求される半導体デバイスやディスプレイパネルの製造工程にとっては不可欠なものである。
ここで、PVD、CVD工程における成膜速度、膜質、およびドライエッチング工程におけるエッチング速度、エッチング形状は、チャンバー内の雰囲気温度に影響を受けることが知られている。
したがって、半導体デバイスやディスプレイパネルの品質向上を図るためには、チャンバー内の温度管理は重要な因子となる。
従来のPVD、CVD、ドライエッチング等の工程におけるチャンバー内の温度管理には、2種類の金属線の接合点間の温度差によって生じる熱起電力を利用して温度計測をする熱電対や被測定物が発する赤外線をとらえて温度に変換する放射温度計が使用されている。
ここで、PVD、CVD工程における成膜速度、膜質、およびドライエッチング工程におけるエッチング速度、エッチング形状は、チャンバー内の雰囲気温度に影響を受けることが知られている。
したがって、半導体デバイスやディスプレイパネルの品質向上を図るためには、チャンバー内の温度管理は重要な因子となる。
従来のPVD、CVD、ドライエッチング等の工程におけるチャンバー内の温度管理には、2種類の金属線の接合点間の温度差によって生じる熱起電力を利用して温度計測をする熱電対や被測定物が発する赤外線をとらえて温度に変換する放射温度計が使用されている。
しかし、PVD、CVD、ドライエッチング等の工程においてこれらの温度計測器を使用する場合、プラズマ発生の環境下での使用となるため、以下のような問題があった。
熱電対をプラズマが発生する環境下で使用する場合には、プラズマ発生のための高周波が補償導線上に乗り、それがノイズとなり正確な温度計測ができない。
また、放射温度計をプラズマが発生する環境下で使用する場合には、熱電対のように補償導線を必要としないため、上記熱電対を使用する場合の問題はないが、放射温度計は、被測定物表面が発する赤外線をとらえて温度計測をするものであり、被測定物と放射温度計との間でプラズマがノイズとなり正確な温度計測ができない。
熱電対をプラズマが発生する環境下で使用する場合には、プラズマ発生のための高周波が補償導線上に乗り、それがノイズとなり正確な温度計測ができない。
また、放射温度計をプラズマが発生する環境下で使用する場合には、熱電対のように補償導線を必要としないため、上記熱電対を使用する場合の問題はないが、放射温度計は、被測定物表面が発する赤外線をとらえて温度計測をするものであり、被測定物と放射温度計との間でプラズマがノイズとなり正確な温度計測ができない。
ところで、特許文献1には、強磁性から常磁性への転移が生ずる温度、すなわちキュリー温度を利用し、被測定部位の温度をリモート状態で計測可能とする温度計測素子の発明が開示されている。この温度計測素子は、温度計測素子からの漏洩磁束を磁気センサで検出し、その出力に基づいて被測定部位の温度を計測するものである。
したがって、プラズマが発生する環境下で使用する場合には、プラズマ発生のための高周波が磁気センサに影響を及ぼし、正確な温度計測ができない。
したがって、プラズマが発生する環境下で使用する場合には、プラズマ発生のための高周波が磁気センサに影響を及ぼし、正確な温度計測ができない。
PVD、CVD、ドライエッチング等の工程において使用できる温度計測器、すなわちプラズマが発生する環境下においても使用できる温度計測器として、感温ラベル(例えば、特許文献2参照。)やサーモペイント(例えば、特許文献3参照。)がある。これらは、感熱性の素子(顔料)を耐熱性フィルムの中に密閉し、規定温度に達した場合、感温物質が変色することを利用して、温度計測を行うものであり、前述した熱電対や放射温度計のように、プラズマが発生する環境下においても温度計測が可能である。
しかし、PVD、CVD、ドライエッチング等を雰囲気温度が250℃〜600℃という高温において行う場合には、有機物を多用しているこれらの温度計測器は、焼損や昇華によってチャンバー内の雰囲気を汚染するという問題があった。
また、上述したように、半導体デバイスやディスプレイパネルの品質向上のためには、成膜速度、膜質、エッチング速度、エッチング形状等の面からチャンバーの雰囲気温度管理は重要であるが、これらの温度計測器は、ある規定の温度を超えた場合に、感温物質の変色によってだいたいの温度を推定するものであり、精度の良い温度管理はすることができないという問題もあった。
しかし、PVD、CVD、ドライエッチング等を雰囲気温度が250℃〜600℃という高温において行う場合には、有機物を多用しているこれらの温度計測器は、焼損や昇華によってチャンバー内の雰囲気を汚染するという問題があった。
また、上述したように、半導体デバイスやディスプレイパネルの品質向上のためには、成膜速度、膜質、エッチング速度、エッチング形状等の面からチャンバーの雰囲気温度管理は重要であるが、これらの温度計測器は、ある規定の温度を超えた場合に、感温物質の変色によってだいたいの温度を推定するものであり、精度の良い温度管理はすることができないという問題もあった。
本発明は、以上のような従来の問題点に鑑みてなされたものであり、その目的は、PVD、CVD、ドライエッチング等の工程におけるプラズマ発生環境下において、安定した正確な温度計測が可能で、かつ高温域で温度計測する場合にも雰囲気を汚染せず、精度の良い温度計測が可能な温度計測器を提供することである。
本発明に係る温度計測器は、永久磁石と強磁性体合金との組合せからなり、計測温度感知部としての前記強磁性体合金はキュリー温度が計測目標温度となるように設定され、前記強磁性体合金の温度が前記計測目標温度未満の場合には前記永久磁石と前記強磁性体合金とは磁界によって接着し、前記強磁性体合金の温度が前記計測目標温度に達した場合に前記永久磁石と前記強磁性体合金とが分離することによって前記計測目標温度に達したことを表示することを特徴とする。
ここで、強磁性体合金とは、強磁性を有する合金である。強磁性とは、外から加えた磁場の向きに強く磁化し、磁場を取り去っても磁化を残す性質である。また、永久磁石とは、残留磁化および保磁力が大で、外部からの磁気的攪乱によっても残留磁化の強さが容易に変わらない強磁性体をいう。また、キュリー温度とは、強磁性体が常磁性体に転移するときの温度をいう。
ここで、強磁性体合金とは、強磁性を有する合金である。強磁性とは、外から加えた磁場の向きに強く磁化し、磁場を取り去っても磁化を残す性質である。また、永久磁石とは、残留磁化および保磁力が大で、外部からの磁気的攪乱によっても残留磁化の強さが容易に変わらない強磁性体をいう。また、キュリー温度とは、強磁性体が常磁性体に転移するときの温度をいう。
本発明に係る温度計測器は、永久磁石と第一の強磁性体合金と第二の強磁性体合金との組合せからなり、前記永久磁石は前記第一の強磁性体合金と前記第二の強磁性体合金との間で磁界による相互作用によって移動可能に前記第一の強磁性体合金と磁界によって接着した状態に配置され、前記第一の強磁性体合金はキュリー温度が計測目標温度となるように設定され、前記第二の強磁性体合金は前記計測目標温度よりも高いキュリー温度を有し、前記第一の強磁性体合金が計測温度感知部とされることを特徴とする。
係る構成を有することによって、第一の強磁性体合金の温度が計測目標温度未満の場合には、永久磁石と第一の強磁性体合金とは磁界により接着した状態であり、第一の強磁性体合金の温度が計測目標温度に達した場合には、第一の強磁性体合金は常磁性へと転移するので、永久磁石は第二の強磁性体合金との磁界によって第一の強磁性体合金とは分離し、第二の強磁性体合金側へと移動する。このように、永久磁石は第一の強磁性体合金と前記第二の強磁性体合金との磁界による相互作用によって両者の間を移動する。したがって、本発明によれば、永久磁石の移動によって、計測目標温度に達したことが確認できる。
また、本発明に係る温度計測器は、前記第二の強磁性体合金が永久磁石であることを特徴とする。本構成でも、上述した温度計測器と同様の作用効果が発揮される。
係る構成を有することによって、第一の強磁性体合金の温度が計測目標温度未満の場合には、永久磁石と第一の強磁性体合金とは磁界により接着した状態であり、第一の強磁性体合金の温度が計測目標温度に達した場合には、第一の強磁性体合金は常磁性へと転移するので、永久磁石は第二の強磁性体合金との磁界によって第一の強磁性体合金とは分離し、第二の強磁性体合金側へと移動する。このように、永久磁石は第一の強磁性体合金と前記第二の強磁性体合金との磁界による相互作用によって両者の間を移動する。したがって、本発明によれば、永久磁石の移動によって、計測目標温度に達したことが確認できる。
また、本発明に係る温度計測器は、前記第二の強磁性体合金が永久磁石であることを特徴とする。本構成でも、上述した温度計測器と同様の作用効果が発揮される。
本発明に係る温度計測器は、二つの永久磁石と第一の強磁性体合金と第二の強磁性体合金との組合せからなり、前記第一の強磁性体合金は前記第二の強磁性体合金と接合され前記二つの永久磁石の間で磁界による相互作用によって移動可能に前記永久磁石の一方と磁界によって接着した状態に配置され、第一の強磁性体合金はキュリー温度が計測目標温度となるように設定され、前記第二の強磁性体合金は前記計測目標温度よりも高いキュリー温度を有し、前記第一の強磁性体合金は計測温度感知部とされることを特徴とする。
係る構成を有することによって、第一の強磁性体合金の温度が計測目標温度未満の場合には、一方の永久磁石と第一の強磁性体合金とは磁界により接着した状態であり、第一の強磁性体合金の温度が計測目標温度に達した場合には、第一の強磁性体合金は常磁性へと転移するので、第二の強磁性体合金と他方の永久磁石との磁界によって第一の強磁性体合金は一方の永久磁石と分離し、接合された第一の強磁性体合金と第二の強磁性体合金は他方の永久磁石側へと移動する。このように、接合された第一の強磁性体合金と第二の強磁性体合金は二つの永久磁石との磁界による相互作用によって両者の間を移動する。したがって、本発明によれば、接合された第一の強磁性体合金と第二の強磁性体合金の移動によって、計測目標温度に達したことが確認できる。
また、本発明に係る温度計測器は、前記第二の強磁性体合金が永久磁石であることを特徴とする。本構成でも、上述した温度計測器と同様の作用効果が発揮される。
係る構成を有することによって、第一の強磁性体合金の温度が計測目標温度未満の場合には、一方の永久磁石と第一の強磁性体合金とは磁界により接着した状態であり、第一の強磁性体合金の温度が計測目標温度に達した場合には、第一の強磁性体合金は常磁性へと転移するので、第二の強磁性体合金と他方の永久磁石との磁界によって第一の強磁性体合金は一方の永久磁石と分離し、接合された第一の強磁性体合金と第二の強磁性体合金は他方の永久磁石側へと移動する。このように、接合された第一の強磁性体合金と第二の強磁性体合金は二つの永久磁石との磁界による相互作用によって両者の間を移動する。したがって、本発明によれば、接合された第一の強磁性体合金と第二の強磁性体合金の移動によって、計測目標温度に達したことが確認できる。
また、本発明に係る温度計測器は、前記第二の強磁性体合金が永久磁石であることを特徴とする。本構成でも、上述した温度計測器と同様の作用効果が発揮される。
本発明に係る温度計測器は、計測目標温度範囲内にて格別に設定されたキュリー温度を各々有する計測温度感知部としての複数の強磁性体合金と永久磁石とからなり、前記複数の強磁性体合金はキュリー温度が一方向に上昇する位置関係で配列され、一方前記永久磁石は前記複数の強磁性体合金との磁界による相互作用によって位置決め可能に配置されることを特徴とする。
係る構成を有することによって、強磁性体合金の温度が計測目標温度範囲内にて上昇または下降した場合、強磁性体合金の強磁性から常時性への転移は配列に従って連続的に移動する。したがって、永久磁石は強磁性体合金との磁界によって強磁性体合金に対して相対的に移動する。このように、強磁性体合金と永久磁石との磁界による相互作用によって永久磁石は強磁性体合金に対して相対的に移動し位置決めされる。
以上のように、本発明によれば、強磁性体合金に対する永久磁石の位置を確認することによって温度計測を行うことができる。
係る構成を有することによって、強磁性体合金の温度が計測目標温度範囲内にて上昇または下降した場合、強磁性体合金の強磁性から常時性への転移は配列に従って連続的に移動する。したがって、永久磁石は強磁性体合金との磁界によって強磁性体合金に対して相対的に移動する。このように、強磁性体合金と永久磁石との磁界による相互作用によって永久磁石は強磁性体合金に対して相対的に移動し位置決めされる。
以上のように、本発明によれば、強磁性体合金に対する永久磁石の位置を確認することによって温度計測を行うことができる。
本発明に係る温度計測器は、計測目標温度範囲内にて格別に設定されたキュリー温度を各々有する計測温度感知部としての複数の強磁性体合金と永久磁石とからなり、前記複数の強磁性体合金はキュリー温度が一方向に上昇する位置関係で回転体円周上に配列され、一方前記永久磁石は前記複数の強磁性体合金との磁界による相互作用によって前記複数の強磁性体合金を位置決めするように配置されることを特徴とする。
係る構成を有することによって、強磁性体合金の温度が計測目標温度範囲内にて上昇または下降した場合、強磁性体合金の強磁性から常時性への転移は回転体円周上の配列に従って連続的に移動する。したがって、強磁性体合金を円周上に有する回転体は、永久磁石との磁界によって永久磁石に対して相対的に回転する。このように、強磁性体合金と永久磁石との磁界による相互作用によって回転体は永久磁石に対して相対的に移動し位置決めされる。
以上のように、本発明によれば、永久磁石に対する回転周上の強磁性体合金の位置を確認することによって温度計測を行うことができる。
係る構成を有することによって、強磁性体合金の温度が計測目標温度範囲内にて上昇または下降した場合、強磁性体合金の強磁性から常時性への転移は回転体円周上の配列に従って連続的に移動する。したがって、強磁性体合金を円周上に有する回転体は、永久磁石との磁界によって永久磁石に対して相対的に回転する。このように、強磁性体合金と永久磁石との磁界による相互作用によって回転体は永久磁石に対して相対的に移動し位置決めされる。
以上のように、本発明によれば、永久磁石に対する回転周上の強磁性体合金の位置を確認することによって温度計測を行うことができる。
以上の発明によれば、計測温度感知部である強磁性体合金のキュリー温度が計測目標温度または計測目標温度範囲内となるように設定されるため、強磁性体合金または永久磁石の移動を目視することによって、温度計測を行うことができる。したがって、従来の温度計測器のように補償導線等を使用せずに温度計測ができるため、PVD、CVD、ドライエッチング等の工程におけるチャンバー内雰囲気温度を計測する場合でもプラズマ発生のための高周波やプラズマ中の電子、イオン、ラジカル等の影響は受けず、正確な温度計測ができる。
また、温度計測器を構成する材料が金属であるため、高温域での使用が可能であり、焼損や昇華によるチャンバー内雰囲気の汚染がない。
また、温度計測器を構成する材料が金属であるため、高温域での使用が可能であり、焼損や昇華によるチャンバー内雰囲気の汚染がない。
本発明に係る温度計測器は、前記組合せを二以上有し、前記計測目標温度が二以上設定されることを特徴とする。
複数の強磁性体合金の組成を調整し、キュリー温度を設定することによって、計測目標温度を二以上有する温度計測器が構成される。したがって、本発明によれば、計測目標温度を一定の温度間隔となるように設定することも可能となるため、高温域でも精度良く温度管理ができ、PVD、CVD、ドライエッチング等の工程におけるチャンバー内雰囲気温度管理に本発明に係る温度計測器を使用すれば、半導体デバイスやディスプレイパネルの品質向上に寄与することとなる。
なお、複数の強磁性体合金の計測目標温度(キュリー温度)間隔は、強磁性体合金の組成を調整することによって、最小で1℃が可能である。
複数の強磁性体合金の組成を調整し、キュリー温度を設定することによって、計測目標温度を二以上有する温度計測器が構成される。したがって、本発明によれば、計測目標温度を一定の温度間隔となるように設定することも可能となるため、高温域でも精度良く温度管理ができ、PVD、CVD、ドライエッチング等の工程におけるチャンバー内雰囲気温度管理に本発明に係る温度計測器を使用すれば、半導体デバイスやディスプレイパネルの品質向上に寄与することとなる。
なお、複数の強磁性体合金の計測目標温度(キュリー温度)間隔は、強磁性体合金の組成を調整することによって、最小で1℃が可能である。
本発明に係る温度計測器は、前記組合せのうち少なくとも一組が、鉄系合金を介して磁気的閉回路を形成することを特徴とする。
本発明によれば、強磁性体合金の温度が計測目標温度(キュリー温度)未満の場合、強磁性体合金と永久磁石との組合せが、鉄系金属を介して磁気的閉回路を形成するので、漏洩磁束が少なく隣の強磁性体合金および永久磁石への影響が抑えられる。したがって、正確な温度計測が可能となり、信頼性のある温度計測器が実現される。
本発明によれば、強磁性体合金の温度が計測目標温度(キュリー温度)未満の場合、強磁性体合金と永久磁石との組合せが、鉄系金属を介して磁気的閉回路を形成するので、漏洩磁束が少なく隣の強磁性体合金および永久磁石への影響が抑えられる。したがって、正確な温度計測が可能となり、信頼性のある温度計測器が実現される。
本発明に係る温度計測器は、前記計測温度感知部である強磁性体合金を保持する保持体がアルミニウム系合金製または純アルミニウム製であることを特徴とする。
また、本発明に係る温度計測器は、前記回転体がアルミニウム系合金製または純アルミニウム製であることを特徴とする。
本発明によれば、計測温度感知部である強磁性体合金が熱伝導率の大きいアルミニウム系合金または純アルミニウムの保持体に接して配置されるため、強磁性体合金が正確に温度を感知し、信頼性のある温度計測器が実現される。
また、アルミニウムは、CVD、エッチャー等におけるフッ素系ガスに対して安定であるという利点もある。
また、本発明に係る温度計測器は、前記回転体がアルミニウム系合金製または純アルミニウム製であることを特徴とする。
本発明によれば、計測温度感知部である強磁性体合金が熱伝導率の大きいアルミニウム系合金または純アルミニウムの保持体に接して配置されるため、強磁性体合金が正確に温度を感知し、信頼性のある温度計測器が実現される。
また、アルミニウムは、CVD、エッチャー等におけるフッ素系ガスに対して安定であるという利点もある。
本発明に係る温度計測器は、移動可能な前記強磁性体合金または移動可能な前記永久磁石がガラス、石英、または透明セラミックスからなる部材に配置されることを特徴とする。
本発明によれば、永久磁石または強磁性体合金がガラス、石英、または透明セラミックスからなる部材上を移動するため、摩擦が少なく、スムーズに移動することができる。したがって、正確な温度計測が可能となり、信頼性のある温度計測器が実現される。ここで、部材とは円筒管や平板等の形状を有するものである。
本発明によれば、永久磁石または強磁性体合金がガラス、石英、または透明セラミックスからなる部材上を移動するため、摩擦が少なく、スムーズに移動することができる。したがって、正確な温度計測が可能となり、信頼性のある温度計測器が実現される。ここで、部材とは円筒管や平板等の形状を有するものである。
本発明に係る温度計測器は、前記回転体の表面にアルマイト処理が施されてなることを特徴とする。
また、本発明に係る温度計測器は、前記保持体の底面にアルマイト処理が施されてなることを特徴とする。
本発明によれば、熱の吸収を促進するためのアルマイト処理が回転体または保持体の底面に施されるため、計測温度感知部である強磁性体合金が被測定物の温度をより正確に感知できる。
また、本発明に係る温度計測器は、前記保持体の底面にアルマイト処理が施されてなることを特徴とする。
本発明によれば、熱の吸収を促進するためのアルマイト処理が回転体または保持体の底面に施されるため、計測温度感知部である強磁性体合金が被測定物の温度をより正確に感知できる。
本発明に係る温度計測器は、前記保持体は底部と側部とからなり、前記底部には移動可能な前記強磁性体合金または移動可能な前記永久磁石を収納するケースが配置され、可視光が透過する領域である窓が前記ケースに設けられていることを特徴とする。
本発明によれば、従来の温度計測器のように補償導線等を用いずとも、窓から強磁性体合金または永久磁石の移動を視認することによって、容易に温度計測をすることができる。
本発明によれば、従来の温度計測器のように補償導線等を用いずとも、窓から強磁性体合金または永久磁石の移動を視認することによって、容易に温度計測をすることができる。
本発明に係る温度計測器は、前記計測目標温度が250℃から600℃の範囲内であることを特徴とする。
PVD、CVD等の工程においては、チャンバー内雰囲気温度は、成膜速度、膜質等の面から250℃〜600℃の温度範囲が最適であるが、従来PVD、CVD等におけるプラズマが発生する環境下では、その温度範囲でチャンバー内雰囲気温度を計測できる温度計測器は存在しなかった。しかし、本発明に係る温度計測器は、温度計測器を構成する材料が金属であるため、プラズマの影響を受けることがなく、また雰囲気の汚染という問題がない。したがって、本発明によれば、PVD、CVD等の工程において250℃から600℃の範囲内の温度管理が可能となり、半導体デバイスやディスプレイパネルの品質向上に寄与する。
PVD、CVD等の工程においては、チャンバー内雰囲気温度は、成膜速度、膜質等の面から250℃〜600℃の温度範囲が最適であるが、従来PVD、CVD等におけるプラズマが発生する環境下では、その温度範囲でチャンバー内雰囲気温度を計測できる温度計測器は存在しなかった。しかし、本発明に係る温度計測器は、温度計測器を構成する材料が金属であるため、プラズマの影響を受けることがなく、また雰囲気の汚染という問題がない。したがって、本発明によれば、PVD、CVD等の工程において250℃から600℃の範囲内の温度管理が可能となり、半導体デバイスやディスプレイパネルの品質向上に寄与する。
本発明に係る温度計測器は、前記強磁性体合金がCo系合金、Ni系合金、Fe系合金、Mn系合金のいずれかであることを特徴とする。
本発明によれば、本合金の組成を調整することによって、キュリー温度を250℃以上に設定することができ、高温域において使用可能な温度計測器が実現される。
Co系合金としては、例えばCo−Ni合金の場合、図13に示すようにCo:100%ではキュリー温度は1115℃であり、Ni:100%ではキュリー温度は360℃であるため、CoとNiの組成を調整することによってキュリー温度を360℃〜1115℃の範囲で設定することができる。
また、Co−Pd合金の場合、キュリー温度は0℃〜1119℃の範囲で設定可能であり、Co−Pt合金の場合、キュリー温度は0℃〜1120℃の範囲で設定可能である。
Ni系合金としては、例えばCu−Ni合金の場合、キュリー温度は−300℃から368℃の範囲で設定可能である。
Fe系合金としては、例えばFe−Pt合金の場合、キュリー温度は300℃から500℃の範囲で設定可能であり、Fe−Ni合金の場合、キュリー温度は354℃〜612℃の範囲で設定可能である。
Mn系合金としては、例えばMn−Pt合金の場合、キュリー温度は−200℃から400℃の範囲で設定可能である。
本発明によれば、本合金の組成を調整することによって、キュリー温度を250℃以上に設定することができ、高温域において使用可能な温度計測器が実現される。
Co系合金としては、例えばCo−Ni合金の場合、図13に示すようにCo:100%ではキュリー温度は1115℃であり、Ni:100%ではキュリー温度は360℃であるため、CoとNiの組成を調整することによってキュリー温度を360℃〜1115℃の範囲で設定することができる。
また、Co−Pd合金の場合、キュリー温度は0℃〜1119℃の範囲で設定可能であり、Co−Pt合金の場合、キュリー温度は0℃〜1120℃の範囲で設定可能である。
Ni系合金としては、例えばCu−Ni合金の場合、キュリー温度は−300℃から368℃の範囲で設定可能である。
Fe系合金としては、例えばFe−Pt合金の場合、キュリー温度は300℃から500℃の範囲で設定可能であり、Fe−Ni合金の場合、キュリー温度は354℃〜612℃の範囲で設定可能である。
Mn系合金としては、例えばMn−Pt合金の場合、キュリー温度は−200℃から400℃の範囲で設定可能である。
本発明に係る温度計測器は、前記永久磁石がアルニコ磁石であることを特徴とする。
本発明によれば、アルニコ磁石は雰囲気温度が約600℃まで使用可能であるため、高温域において使用可能な温度計測器が実現される。
本発明によれば、アルニコ磁石は雰囲気温度が約600℃まで使用可能であるため、高温域において使用可能な温度計測器が実現される。
本発明に係る温度計測器は、前記強磁性体合金が急冷薄帯製造法またはメカニカルアロイング法によって製造されることを特徴とする。
通常の溶解による合金の製造方法では、冷却中に成分の偏析が起こり、採取する部分によって組成が変わってしまうのに対し、本発明における急冷薄帯製造法またはメカニカルアロイング法によれば、均一な組成の合金が製造できる。したがって、正確な温度計測が可能となり、信頼性のある温度計測器が実現される。
通常の溶解による合金の製造方法では、冷却中に成分の偏析が起こり、採取する部分によって組成が変わってしまうのに対し、本発明における急冷薄帯製造法またはメカニカルアロイング法によれば、均一な組成の合金が製造できる。したがって、正確な温度計測が可能となり、信頼性のある温度計測器が実現される。
本発明に係る温度計測器は、前記強磁性体合金または前記永久磁石の少なくともいずれか一方にセラミックスのコーティングが施されてなることを特徴とする。
本発明によれば、酸化による強磁性体合金の組成の変化を防止することができ、かつ高温にて強磁性体合金と永久磁石とが長時間接触した場合においても、両者の凝着・拡散を防止することができる。したがって、正確な温度計測が可能となり、信頼性のある温度計測器が実現される。
本発明によれば、酸化による強磁性体合金の組成の変化を防止することができ、かつ高温にて強磁性体合金と永久磁石とが長時間接触した場合においても、両者の凝着・拡散を防止することができる。したがって、正確な温度計測が可能となり、信頼性のある温度計測器が実現される。
本発明に係る温度計測器は、計測温度感知部である強磁性体合金のキュリー温度が計測目標温度または計測目標温度範囲内となるように設定されるため、強磁性体合金または永久磁石の移動を目視することによって、温度計測を行うことができる。したがって、従来の温度計測器のように補償導線等を使用せずに温度計測ができるため、PVD、CVD、ドライエッチング等の工程におけるチャンバー内雰囲気温度を計測する場合でもプラズマ発生のための高周波やプラズマ中の電子、イオン、ラジカル等の影響は受けず、正確な温度計測ができる。
また、本発明に係る温度計測器は、温度計測器を構成する材料が金属であるため、高温域での使用が可能であり、焼損や昇華によるチャンバー内雰囲気の汚染がない。したがって、従来難しかったPVD、CVD等の工程における高温域(250℃以上)での温度管理が可能となり半導体デバイスやディスプレイパネルの品質向上に寄与する。
さらに、本発明に係る温度計測器における強磁性体合金の組成を調整することによって、複数の強磁性体合金のキュリー温度を一定の温度間隔となるように設定することが可能となる。これにより、高温域でも精度良く温度管理を行うことができるため、半導体デバイスやディスプレイパネルの品質向上に寄与する。
また、本発明に係る温度計測器は、温度計測器を構成する材料が金属であるため、高温域での使用が可能であり、焼損や昇華によるチャンバー内雰囲気の汚染がない。したがって、従来難しかったPVD、CVD等の工程における高温域(250℃以上)での温度管理が可能となり半導体デバイスやディスプレイパネルの品質向上に寄与する。
さらに、本発明に係る温度計測器における強磁性体合金の組成を調整することによって、複数の強磁性体合金のキュリー温度を一定の温度間隔となるように設定することが可能となる。これにより、高温域でも精度良く温度管理を行うことができるため、半導体デバイスやディスプレイパネルの品質向上に寄与する。
以下に、本発明の実施の形態を図面を参照して説明する。なお、本発明の実施の形態は以下に示すものに限定されるものではない。
(実施の形態1)
図1〜図4を用いて、本発明の一実施の形態である温度計測器10について説明する。図1は温度計測器10の外観斜視図、図2は温度計測器10を分解した状態の外観斜視図、図3(a)は温度計測器10の平面図、図3(b)は温度計測器10の側面図、図4(a)は図3(b)のa−a’断面図、図4(b)は図3(a)のb−b’断面図である。
図1に示すように、温度計測器10は、二つの対向する側部25,26と、底部27とからなるコの字形の筐体である保持体14と、コの字形の凹部に収納される第一のケース18と第二のケース20と、対向する側部25,26の内側の壁に形成された段差部31,31’に嵌合するガラスまたは石英からなる透明なカバー23とを備え、これらによって直方体を形成する。
なお、温度計測器10は、透明なカバー23が配置される面の背面である底面24を底面として配置される。
(実施の形態1)
図1〜図4を用いて、本発明の一実施の形態である温度計測器10について説明する。図1は温度計測器10の外観斜視図、図2は温度計測器10を分解した状態の外観斜視図、図3(a)は温度計測器10の平面図、図3(b)は温度計測器10の側面図、図4(a)は図3(b)のa−a’断面図、図4(b)は図3(a)のb−b’断面図である。
図1に示すように、温度計測器10は、二つの対向する側部25,26と、底部27とからなるコの字形の筐体である保持体14と、コの字形の凹部に収納される第一のケース18と第二のケース20と、対向する側部25,26の内側の壁に形成された段差部31,31’に嵌合するガラスまたは石英からなる透明なカバー23とを備え、これらによって直方体を形成する。
なお、温度計測器10は、透明なカバー23が配置される面の背面である底面24を底面として配置される。
次に図2〜図4を用いて、温度計測器10を詳細に説明する。
温度計測器10は、計測温度感知部として機能する強磁性体合金11と移動可能な永久磁石12と固定された永久磁石13との組合せを5組有する。強磁性体合金11は、Co系合金、Ni系合金、Fe系合金、Mn系合金のいずれかで形成され、キュリー温度が計測目標温度となるように組成が調整されたものである。本実施の形態1では、5個の強磁性体合金を500℃〜540℃の範囲で10℃毎にキュリー温度を設定したものとする。また、永久磁石12および永久磁石13には、アルニコ磁石を用いる。
温度計測器10は、計測温度感知部として機能する強磁性体合金11と移動可能な永久磁石12と固定された永久磁石13との組合せを5組有する。強磁性体合金11は、Co系合金、Ni系合金、Fe系合金、Mn系合金のいずれかで形成され、キュリー温度が計測目標温度となるように組成が調整されたものである。本実施の形態1では、5個の強磁性体合金を500℃〜540℃の範囲で10℃毎にキュリー温度を設定したものとする。また、永久磁石12および永久磁石13には、アルニコ磁石を用いる。
保持体14の側部25の内側の壁には5個の凹部28が形成され、それぞれの凹部28には強磁性体合金11がキュリー温度が一方向に上昇する順番で保持体14の表面に直に接して配置される。保持体14には、強磁性体合金11が温度計測器10の周囲の温度を正確に感知できるように、熱伝導率の大きいアルミニウム系合金、好ましくは純アルミニウムが用いられる。また、保持体14の底面24には熱の吸収を促進するための黒色のアルマイト処理が施される。
また、強磁性体合金11が配置された側部25と対向する側部である側部26の内側の壁には凸形状のストッパー35が形成される。
また、強磁性体合金11が配置された側部25と対向する側部である側部26の内側の壁には凸形状のストッパー35が形成される。
第一のケース18は、5個の円柱形状の穴17を有し、その各穴17の中にはガラス円筒管15が収納され、そのガラス円筒管15の中には円柱形状である永久磁石12が固定されることなく移動可能に配置される。
そして第一のケース18は、保持体14の底部27上に第一のケース18の穴17を有する面38と、側部25の内側の壁すなわち凹部28を有する面とが接するように配置される。このとき、ガラス円筒管15の両端部は開放された形状であるため、ガラス円筒管15内に配置された永久磁石12と保持体14の凹部28に配置された強磁性体合金11とは磁界によって接着した状態となる。
また、保持体14と第一のケース18とはスポット溶接等によって固定される。
また、第一のケース18は、保持体14と同様にアルミニウム系合金製、または純アルミニウム製である。
そして第一のケース18は、保持体14の底部27上に第一のケース18の穴17を有する面38と、側部25の内側の壁すなわち凹部28を有する面とが接するように配置される。このとき、ガラス円筒管15の両端部は開放された形状であるため、ガラス円筒管15内に配置された永久磁石12と保持体14の凹部28に配置された強磁性体合金11とは磁界によって接着した状態となる。
また、保持体14と第一のケース18とはスポット溶接等によって固定される。
また、第一のケース18は、保持体14と同様にアルミニウム系合金製、または純アルミニウム製である。
第一のケース18における保持体14の底部27と接する面の背面、すなわち、透明なカバー23と接する面37には、可視光が透過する領域である窓30が5個設けられている。この窓30は各穴17まで貫通しており、各穴17に収納されたガラス円筒管15内を視認できるように形成される。
したがって、透明なカバー23および窓30を通して、永久磁石12がガラス円筒管15内を移動する様子を視認することができる。
したがって、透明なカバー23および窓30を通して、永久磁石12がガラス円筒管15内を移動する様子を視認することができる。
第二のケース20は、5個の円柱形状の穴19を有し、その各穴19の中にはガラス円筒管16が収納され、そのガラス円筒管16内には、円柱形状の永久磁石13と、永久磁石13をガラス円筒管16内で固定するための球形のセラミックスボール21が収納される。このセラミックスボール21は高温接着剤等によってガラス円筒管16内に固定される。ガラス円筒管16の両端部は開放された形状であり、各穴19は蓋22によって塞がれる。
また、第二のケース20は、保持体14と同様にアルミニウム系合金製、または純アルミニウム製である。
また、第二のケース20は、保持体14と同様にアルミニウム系合金製、または純アルミニウム製である。
第二のケース20における穴19を有する面39の両脇には、凸部29および29’が形成され、第二のケース20は、保持体14の底部27上に側部26の内側の壁と、凸部29,29’とが接するように配置される。また、第一ケース18と第二のケース20とは、ケース18の各穴17とケース20の各穴19とがそれぞれ一致するように配置される。
ここで、第一ケース18の各穴17および第二のケース20の各穴19は、貫通せずそれぞれ薄肉部32および薄肉部33を残した状態で形成される。したがって、ガラス円筒管15内の永久磁石12とガラス円筒管16内の永久磁石13とは、直接には接着せず、薄肉部32および薄肉部33を介して磁界によって対向する構造となっている。
なお、ケース20は保持体14には固定されず、保持体14の側部26に添って移動可能なように配置されている。
ここで、第一ケース18の各穴17および第二のケース20の各穴19は、貫通せずそれぞれ薄肉部32および薄肉部33を残した状態で形成される。したがって、ガラス円筒管15内の永久磁石12とガラス円筒管16内の永久磁石13とは、直接には接着せず、薄肉部32および薄肉部33を介して磁界によって対向する構造となっている。
なお、ケース20は保持体14には固定されず、保持体14の側部26に添って移動可能なように配置されている。
強磁性体合金11、永久磁石12、および永久磁石13の表面にはセラミックスのコーティングが施されている。これにより、上記のように、強磁性体合金11と永久磁石12とが直に接触する場合、または強磁性体11、永久磁石12、永久磁石13が、それぞれ保持体14、第一のケース18、第二のケース20と接触した場合においても、双方の金属の凝着や拡散を防止することができる。さらに、計測温度感知部である強磁性体合金11の酸化も防ぐことができるため、キュリー温度の変化等を防止することができる。したがって、温度計測器の信頼性が向上する。
本実施の形態1では、永久磁石12は、移動をし易くし、高温から保護するため、摩擦係数が小さく、かつ熱伝導率の小さいガラス製の円筒管内に配置し、また、永久磁石13は、高温から保護するため熱伝導率の小さいガラス円筒管内に配置した。ここで円筒管の材料としてガラスの代わりに石英または透明セラミックスを用いても、同様の効果が得られる。
また、本実施の形態1では、第一のケース18の穴17および第二のケース20の穴19は、円柱形状としたが、円柱の代わりに四角柱等の形状としてもよい。この場合、ガラス円筒管15、16に代わり、永久磁石12および永久磁石13をガラス平板上に配置することもできる。
また、本実施の形態1では、第一のケース18の穴17および第二のケース20の穴19は、円柱形状としたが、円柱の代わりに四角柱等の形状としてもよい。この場合、ガラス円筒管15、16に代わり、永久磁石12および永久磁石13をガラス平板上に配置することもできる。
次に、図5を用いて温度計測器10の動作について説明する。図5(a)は温度計測前の状態を示す模式図である。図5(b)は温度計測中の状態を示す模式図である。
なお、ここで強磁性体合金11のうち500℃、510℃、520℃、530℃、540℃のキュリー温度を有する強磁性体合金をそれぞれ11a、11b、11c、11d、11eとし、それに対応する永久磁石12をそれぞれ12a、12b、12c、12d、12eとする。
温度計測器10は、PVD、CVD、ドライエッチング等の工程においては、保持体14の底面24がチャンバー内のSi基板上またはガラス基板上に接触するように配置される。温度計測中のチャンバー内雰囲気は真空、アルゴン、成膜ガス、またはエッチングガスである。保持体14、第一のケース18、および第二のケース20はアルミニウム合金製または純アルミニウム製であり、アルミニウムはエッチングガス中のフッ素ガスに安定であるため、保持体14、第一のケース18、第二のケース20に収納された強磁性体合金11、永久磁石12、永久磁石13はエッチングガスから保護される。
なお、永久磁石12と永久磁石13とはS極とN極とが対向するように設置され、かつ隣り合う永久磁石12の磁石の向きが逆になるように配置されている。
なお、ここで強磁性体合金11のうち500℃、510℃、520℃、530℃、540℃のキュリー温度を有する強磁性体合金をそれぞれ11a、11b、11c、11d、11eとし、それに対応する永久磁石12をそれぞれ12a、12b、12c、12d、12eとする。
温度計測器10は、PVD、CVD、ドライエッチング等の工程においては、保持体14の底面24がチャンバー内のSi基板上またはガラス基板上に接触するように配置される。温度計測中のチャンバー内雰囲気は真空、アルゴン、成膜ガス、またはエッチングガスである。保持体14、第一のケース18、および第二のケース20はアルミニウム合金製または純アルミニウム製であり、アルミニウムはエッチングガス中のフッ素ガスに安定であるため、保持体14、第一のケース18、第二のケース20に収納された強磁性体合金11、永久磁石12、永久磁石13はエッチングガスから保護される。
なお、永久磁石12と永久磁石13とはS極とN極とが対向するように設置され、かつ隣り合う永久磁石12の磁石の向きが逆になるように配置されている。
温度計測前は、全ての強磁性体合金11の温度は、計測目標温度(キュリー温度)未満であり、図5(a)のように全ての強磁性体合金11は永久磁石12との磁界によって永久磁石12と接着している状態である。したがって、この時、窓30からは永久磁石12を視認することができない。
雰囲気温度上昇に伴って、強磁性体合金11の温度が計測目標温度(キュリー温度)に達した場合には、強磁性体合金11は常磁性へと転移するため、強磁性体合金11と永久磁石12との間の引力は低下する。したがって、永久磁石12は永久磁石13との間の磁界によって強磁性体合金11と分離し永久磁石13側に移動し、永久磁石13と対向する。この時、窓30にて移動した永久磁石12を視認することができ、その移動した永久磁石12の組合せにおける強磁性体合金11の計測目標温度(キュリー温度)を特定することによって、現在の温度計測器10の周囲の温度、すなわちチャンバー内雰囲気温度を知ることができる。
図5(b)の場合には、500℃〜520℃の計測目標温度(キュリー温度)を有する強磁性体合金11a、11b、11cに対応する永久磁石12a、12b、12cが窓部30から視認でき(永久磁石13と対向)、530℃、540℃の計測目標温度(キュリー温度)を有する強磁性体合金11d、11eに対応する永久磁石12d、12eは窓部30から視認できないため(強磁性体合金11と接着した状態)、現状の雰囲気温度が520℃以上530℃未満であることが確認できる。
以上のように、永久磁石12の移動を窓30を通じて視認することにより、現状の雰囲気温度を計測することができる。
図5(b)の場合には、500℃〜520℃の計測目標温度(キュリー温度)を有する強磁性体合金11a、11b、11cに対応する永久磁石12a、12b、12cが窓部30から視認でき(永久磁石13と対向)、530℃、540℃の計測目標温度(キュリー温度)を有する強磁性体合金11d、11eに対応する永久磁石12d、12eは窓部30から視認できないため(強磁性体合金11と接着した状態)、現状の雰囲気温度が520℃以上530℃未満であることが確認できる。
以上のように、永久磁石12の移動を窓30を通じて視認することにより、現状の雰囲気温度を計測することができる。
次に、図6(a)(b)を用いて、温度計測終了後すなわち全ての強磁性体合金11の温度が計測目標温度(キュリー温度)未満の状態に戻った後に行う温度計測器のリセット方法を説明する。
図6(a)に示すように、第二のケース20を外部からの作用によって、保持体14の底部27上を側部26に添ってスライドさせる。このとき、保持体14のストッパー35に第二のケース20の凸部29が引っ掛かることによって第二のケース20のスライドは停止する。この停止位置では、永久磁石12と永久磁石13とは永久磁石12’すなわち永久磁石12のうちスライド方向とは逆の端の永久磁石を除いて全てS極同士あるいはN極同士が対向する状態となる。
したがって、永久磁石12は磁界の反発力によって永久磁石13と離れ、永久磁石12’を除いた全ての永久磁石12は強磁性体合金11との磁界によって強磁性体合金11と接着する。
その後、図6(b)に示すように、最初とは逆側に第二のケース20をスライドさせることによって、ストッパー35に第二のケース20の凸部29’が引っ掛かる。このとき、第二のケース20は、永久磁石12’が永久磁石13’すなわち永久磁石13のうち永久磁石12’と隣の組合せにおける永久磁石と対向する位置でS極同士(またはN極同士)が向き合うように停止する。これにより、永久磁石12’は磁界の反発力によって永久磁石13’と離れ、永久磁石12’の組合せにおける強磁性体合金11’との磁界によって強磁性体合金11’と接着する。
以上の動作によって、全ての永久磁石12は強磁性体合金11と接着した状態となる。そして、スライドさせたケース20を元の位置に戻すことによって、温度計測器10は計測前と同じ状態(図5(a))となる。
図6(a)に示すように、第二のケース20を外部からの作用によって、保持体14の底部27上を側部26に添ってスライドさせる。このとき、保持体14のストッパー35に第二のケース20の凸部29が引っ掛かることによって第二のケース20のスライドは停止する。この停止位置では、永久磁石12と永久磁石13とは永久磁石12’すなわち永久磁石12のうちスライド方向とは逆の端の永久磁石を除いて全てS極同士あるいはN極同士が対向する状態となる。
したがって、永久磁石12は磁界の反発力によって永久磁石13と離れ、永久磁石12’を除いた全ての永久磁石12は強磁性体合金11との磁界によって強磁性体合金11と接着する。
その後、図6(b)に示すように、最初とは逆側に第二のケース20をスライドさせることによって、ストッパー35に第二のケース20の凸部29’が引っ掛かる。このとき、第二のケース20は、永久磁石12’が永久磁石13’すなわち永久磁石13のうち永久磁石12’と隣の組合せにおける永久磁石と対向する位置でS極同士(またはN極同士)が向き合うように停止する。これにより、永久磁石12’は磁界の反発力によって永久磁石13’と離れ、永久磁石12’の組合せにおける強磁性体合金11’との磁界によって強磁性体合金11’と接着する。
以上の動作によって、全ての永久磁石12は強磁性体合金11と接着した状態となる。そして、スライドさせたケース20を元の位置に戻すことによって、温度計測器10は計測前と同じ状態(図5(a))となる。
以上の実施の形態1では、強磁性体合金11、永久磁石12、永久磁石13の組合せを5組とし、強磁性体合金のキュリー温度は500℃〜540℃の範囲で10℃毎に設定したが、組合せの数、キュリー温度の範囲、およびキュリー温度の間隔は本実施例に限定されるものではなく、自由に設定することができる。
また、温度計測器10において、永久磁石13を強磁性体合金とし、その強磁性体合金のキュリー温度を計測目標温度よりも高く設定することによって、その強磁性体合金は計測目標温度範囲内では強磁性の性質を維持するため、実施の形態1と同様の機能を有する温度計測器を構成することができる。
また、温度計測器10において、永久磁石13を強磁性体合金とし、その強磁性体合金のキュリー温度を計測目標温度よりも高く設定することによって、その強磁性体合金は計測目標温度範囲内では強磁性の性質を維持するため、実施の形態1と同様の機能を有する温度計測器を構成することができる。
(実施の形態2)
図7を用いて、本発明の一実施の形態である温度計測器50について説明する。図7は、温度計測器50の断面図である。以下に説明する構成以外の構成については、実施の形態1における温度計測器と同様の構成である。
本発明に係る温度計測器50は、計測温度感知部として機能する移動可能な強磁性体合金51と、強磁性合金51と接合された強磁性体合金52と、固定された永久磁石53および永久磁石54とを備える。
強磁性体合金51は、キュリー温度が計測目標温度となるように組成が調整されたものであり、強磁性体合金52は、キュリー温度が計測目標温度よりも高く設定されたものである。すなわち、強磁性体合金52は計測目標温度範囲内では強磁性の性質を維持する。
なお、強磁性体合金51と強磁性体合金52とは、EB溶接、レーザ溶接、高温接着剤等によって接合された一体構造を形成する。
図7を用いて、本発明の一実施の形態である温度計測器50について説明する。図7は、温度計測器50の断面図である。以下に説明する構成以外の構成については、実施の形態1における温度計測器と同様の構成である。
本発明に係る温度計測器50は、計測温度感知部として機能する移動可能な強磁性体合金51と、強磁性合金51と接合された強磁性体合金52と、固定された永久磁石53および永久磁石54とを備える。
強磁性体合金51は、キュリー温度が計測目標温度となるように組成が調整されたものであり、強磁性体合金52は、キュリー温度が計測目標温度よりも高く設定されたものである。すなわち、強磁性体合金52は計測目標温度範囲内では強磁性の性質を維持する。
なお、強磁性体合金51と強磁性体合金52とは、EB溶接、レーザ溶接、高温接着剤等によって接合された一体構造を形成する。
計測温度感知部である強磁性体合金51およびそれに接合された強磁性体合金52は、実施の形態1のようにガラス円筒管内に配置してもよいが、本実施の形態では、熱伝導率の大きいアルミニウム系合金または純アルミニウムからなるケース55の穴56内に、ケース55の表面に直に接触して配置するのが好ましい。これにより、強磁性体合金51は温度計測器50の周囲の温度を、ケース55を通じて正確に感知することができる。
なお、強磁性体合金51および強磁性体合金52にセラミックスのコーティングを施すことによって、強磁性体合金51、強磁性体合金52とケース55との凝着や拡散を防止することができる。さらに、計測温度感知部である強磁性体合金51の酸化も防ぐことができるため、キュリー温度の変化等を防止することができる。したがって、温度計測器の信頼性が向上する。
なお、強磁性体合金51および強磁性体合金52にセラミックスのコーティングを施すことによって、強磁性体合金51、強磁性体合金52とケース55との凝着や拡散を防止することができる。さらに、計測温度感知部である強磁性体合金51の酸化も防ぐことができるため、キュリー温度の変化等を防止することができる。したがって、温度計測器の信頼性が向上する。
次に、実施の形態2における温度計測器50の動作について説明する。
温度計測前は、全ての強磁性体合金51の温度は、計測目標温度(キュリー温度)未満であり、全ての強磁性体合金51は永久磁石53との磁界によって永久磁石53と接着している状態である。
そして、雰囲気温度上昇に伴って、強磁性体合金51の温度が計測目標温度(キュリー温度)に達した場合には、強磁性体合金51は常磁性へと転移するため、強磁性体合金51と永久磁石53との間の引力は低下する。したがって、強磁性体合金52と永久磁石54との間の磁界によって、強磁性体合金51と永久磁石53とは分離し、一体構造の強磁性体合金51と強磁性体合金52とは永久磁石54側に移動し、強磁性体合金52と永久磁石54とが対向する。
このように、一体構造の強磁性体合金51と強磁性体合金52との移動を窓30から視認することによって、実施の形態1と同様に温度計測を行うことができる。
温度計測前は、全ての強磁性体合金51の温度は、計測目標温度(キュリー温度)未満であり、全ての強磁性体合金51は永久磁石53との磁界によって永久磁石53と接着している状態である。
そして、雰囲気温度上昇に伴って、強磁性体合金51の温度が計測目標温度(キュリー温度)に達した場合には、強磁性体合金51は常磁性へと転移するため、強磁性体合金51と永久磁石53との間の引力は低下する。したがって、強磁性体合金52と永久磁石54との間の磁界によって、強磁性体合金51と永久磁石53とは分離し、一体構造の強磁性体合金51と強磁性体合金52とは永久磁石54側に移動し、強磁性体合金52と永久磁石54とが対向する。
このように、一体構造の強磁性体合金51と強磁性体合金52との移動を窓30から視認することによって、実施の形態1と同様に温度計測を行うことができる。
以上の実施の形態2において、強磁性体合金52を永久磁石とすることによっても、実施の形態2と同様の機能を有する温度計測器を構成することができる。
(実施の形態3)
図8および図9を用いて、本発明の一実施の形態である温度計測器60について説明する。図8(a)は温度計測器60の平面図、図8(b)は温度計測器60の側面図、図9(a)は図8(b)のa−a’断面図、図9(b)は図8(a)のb−b’断面図、図9(c)は図8(a)のc−c’断面図である。
温度計測器60は、計測温度感知部として機能するN個の強磁性体合金61と、一つの移動可能な永久磁石62と、温度計測器の筐体である保持体63と、ガラス円筒管64と、透明なカバー65とを備える。
なお、温度計測器60は、透明なカバー65が配置される面の背面である底面66を底面として配置される。
強磁性体合金61は、キュリー温度が計測目標温度となるように組成が調整されたものであり、本実施の形態では250℃〜600℃の範囲で10℃毎にキュリー温度を設定したものとする。また、永久磁石62にはアルニコ磁石を用いる。
図8および図9を用いて、本発明の一実施の形態である温度計測器60について説明する。図8(a)は温度計測器60の平面図、図8(b)は温度計測器60の側面図、図9(a)は図8(b)のa−a’断面図、図9(b)は図8(a)のb−b’断面図、図9(c)は図8(a)のc−c’断面図である。
温度計測器60は、計測温度感知部として機能するN個の強磁性体合金61と、一つの移動可能な永久磁石62と、温度計測器の筐体である保持体63と、ガラス円筒管64と、透明なカバー65とを備える。
なお、温度計測器60は、透明なカバー65が配置される面の背面である底面66を底面として配置される。
強磁性体合金61は、キュリー温度が計測目標温度となるように組成が調整されたものであり、本実施の形態では250℃〜600℃の範囲で10℃毎にキュリー温度を設定したものとする。また、永久磁石62にはアルニコ磁石を用いる。
保持体63は、凹部69を有し、その凹部69は底部71と周壁である側部70とからなる。
また、側部70の内側の壁には段差部68が形成され、その段差部68にガラスまたは石英からなる透明なカバー65が嵌合される。
また、側部70の内側の壁には段差部68が形成され、その段差部68にガラスまたは石英からなる透明なカバー65が嵌合される。
断面が半円弧形状である強磁性体合金61は、保持体63の底部71に形成された断面が半円形状の溝部67にキュリー温度が一方向に上昇する位置関係で収納され、かつ保持体63の表面に直に接して配置される。そして、隣り合った強磁性体合金61は、それぞれスポット溶接等によって接合された一体構造を形成している。
保持体63には、強磁性体合金61が温度計測器60の周囲の温度を正確に感知できるように、熱伝導率の大きいアルミニウム系合金、好ましくは純アルミニウムが用いられる。また、保持体63の底部71の背面である底面66には熱の吸収を促進するための黒色のアルマイト処理が施されている。
保持体63には、強磁性体合金61が温度計測器60の周囲の温度を正確に感知できるように、熱伝導率の大きいアルミニウム系合金、好ましくは純アルミニウムが用いられる。また、保持体63の底部71の背面である底面66には熱の吸収を促進するための黒色のアルマイト処理が施されている。
強磁性体合金61の表面にはセラミックスのコーティングが施されている。これにより、上記のように、強磁性体合金61と保持体63とが直に接触する場合においても、双方の金属の拡散や凝着を防止することができる。さらに、計測温度感知部である強磁性体合金61の酸化を防ぐことができるため、キュリー温度の変化等を防止することができる。したがって、温度計測器の信頼性が向上する。
円柱形状である永久磁石62は、強磁性体合金61上に配置されたガラス円筒管64内に固定されることなく移動可能に配置される。ガラスは、摩擦係数が小さく、熱伝導率の小さいため、永久磁石62はガラス円筒管64内をスムーズに移動することができ、かつ熱から保護される。
また、永久磁石62の移動する様子は、透明なカバー65を通して確認される。
また、永久磁石62の移動する様子は、透明なカバー65を通して確認される。
次に、実施の形態3における温度計測器60の動作について説明する。
なお、ここで、強磁性体合金61のうち250℃のキュリー温度を有する強磁性体合金を61a、260℃のキュリー温度を有する強磁性体合金を61bとする。
温度計測器60は、PVD、CVD、ドライエッチング等の工程においては、保持体63の底面66がチャンバー内のSi基板上またはガラス基板上に接触するように配置される。温度計測中のチャンバー内雰囲気は真空、アルゴン、成膜ガス、またはエッチングガスである。保持体63はアルミニウム合金製または純アルミニウム製であり、アルミニウムはエッチングガス中のフッ素ガスに安定であるため、保持体63の凹部69に収納された強磁性体合金61、永久磁石62はエッチングガスから保護される。
なお、ここで、強磁性体合金61のうち250℃のキュリー温度を有する強磁性体合金を61a、260℃のキュリー温度を有する強磁性体合金を61bとする。
温度計測器60は、PVD、CVD、ドライエッチング等の工程においては、保持体63の底面66がチャンバー内のSi基板上またはガラス基板上に接触するように配置される。温度計測中のチャンバー内雰囲気は真空、アルゴン、成膜ガス、またはエッチングガスである。保持体63はアルミニウム合金製または純アルミニウム製であり、アルミニウムはエッチングガス中のフッ素ガスに安定であるため、保持体63の凹部69に収納された強磁性体合金61、永久磁石62はエッチングガスから保護される。
温度計測前は、永久磁石62を250℃のキュリー温度を有する強磁性体合金61aの上部に配置する。このとき、強磁性体合金61aの温度は、計測目標温度(キュリー温度:250℃)未満であり、永久磁石62は強磁性体合金61aとの磁界によって強磁性体合金61aとガラス円筒管64を介して対向した状態で配置される。
雰囲気温度上昇に伴い、強磁性体合金61aの温度が250℃に到達した場合には、強磁性体合金61aは常磁性へと転移するため、永久磁石62と強磁性体合金61aとの間の引力は低下する。したがって、永久磁石62は、強磁性体合金61aの隣の強磁性体合金61bとの磁界によって強磁性体合金61b側に移動し、ガラス円筒管64を介して強磁性体合金61bと対向する。
このように雰囲気温度上昇に伴い、永久磁石62は強磁性体合金61との磁界によってガラス円筒管64上を移動し位置決めされる。そして、永久磁石62の移動が停止した位置での永久磁石62に対向する強磁性体合金61の計測目標温度(キュリー温度)を特定することによって、現在の温度計測器60の周囲の温度、すなわちチャンバー内雰囲気温度を知ることができる。
以上のように、永久磁石62の移動を透明なカバー65を通じて視認することにより、現状の雰囲気温度を計測することができる。
このように雰囲気温度上昇に伴い、永久磁石62は強磁性体合金61との磁界によってガラス円筒管64上を移動し位置決めされる。そして、永久磁石62の移動が停止した位置での永久磁石62に対向する強磁性体合金61の計測目標温度(キュリー温度)を特定することによって、現在の温度計測器60の周囲の温度、すなわちチャンバー内雰囲気温度を知ることができる。
以上のように、永久磁石62の移動を透明なカバー65を通じて視認することにより、現状の雰囲気温度を計測することができる。
実施の形態3における他の構成を図9(d)を用いて説明する。図9(d)は図9(c)に対応する断面の図である。
以上で説明した実施の形態3では、強磁性体合金61は断面を半円弧形状とし、ガラス円筒管64を強磁性体合金61上に直接配置する構成としたが、強磁性体合金61の断面を溝部67の断面と同一形状の半円形状とし溝部67に収納し、保持体63の凹部69に、ガラス円筒管64を収納する直方体のケース73を配置する構成でもよい。
このとき、直方体のケース73における保持体63の底部71と接する面の背面には、可視光が透過する領域である窓74が設けられる。この窓はケース内のガラス円筒管64まで貫通しており、ガラス円筒管64内を視認できるように形成される。
したがって、本構成の温度計測器の場合には、透明なカバー65および窓74を通して、永久磁石62がガラス円筒管64内を移動する様子を視認することができる。
以上で説明した実施の形態3では、強磁性体合金61は断面を半円弧形状とし、ガラス円筒管64を強磁性体合金61上に直接配置する構成としたが、強磁性体合金61の断面を溝部67の断面と同一形状の半円形状とし溝部67に収納し、保持体63の凹部69に、ガラス円筒管64を収納する直方体のケース73を配置する構成でもよい。
このとき、直方体のケース73における保持体63の底部71と接する面の背面には、可視光が透過する領域である窓74が設けられる。この窓はケース内のガラス円筒管64まで貫通しており、ガラス円筒管64内を視認できるように形成される。
したがって、本構成の温度計測器の場合には、透明なカバー65および窓74を通して、永久磁石62がガラス円筒管64内を移動する様子を視認することができる。
(実施の形態4)
図10および図11を用いて、本発明の一実施の形態である温度計測器80について説明する。図10(a)は温度計測器80の平面図、図10(b)は温度計測器80の正面図、図11(a)は図10(b)のa−a’断面図、図11(b)は図10(a)のb−b’断面図である。
本発明に係る温度計測器80は、計測温度感知部として機能するN個の強磁性体合金81と、一つの固定された永久磁石82と、温度計測器の筐体である保持体83と、永久磁石82が収納されるガラス円筒管84と、円周上に強磁性体合金81を備える回転体85と、透明なカバー86とを備える。
なお、温度計測器80は、透明なカバー86が配置される面の背面である底面87を底面として配置される。
強磁性体合金81は、キュリー温度が計測目標温度となるように組成が調整されたものであり、本実施の形態では、250℃〜600℃の範囲で10℃毎にキュリー温度を設定したものとする。また、永久磁石82にはアルニコ磁石を用いる。
図10および図11を用いて、本発明の一実施の形態である温度計測器80について説明する。図10(a)は温度計測器80の平面図、図10(b)は温度計測器80の正面図、図11(a)は図10(b)のa−a’断面図、図11(b)は図10(a)のb−b’断面図である。
本発明に係る温度計測器80は、計測温度感知部として機能するN個の強磁性体合金81と、一つの固定された永久磁石82と、温度計測器の筐体である保持体83と、永久磁石82が収納されるガラス円筒管84と、円周上に強磁性体合金81を備える回転体85と、透明なカバー86とを備える。
なお、温度計測器80は、透明なカバー86が配置される面の背面である底面87を底面として配置される。
強磁性体合金81は、キュリー温度が計測目標温度となるように組成が調整されたものであり、本実施の形態では、250℃〜600℃の範囲で10℃毎にキュリー温度を設定したものとする。また、永久磁石82にはアルニコ磁石を用いる。
各強磁性体合金81は、スポット溶接等によって回転体85の円周上にキュリー温度が一方向に上昇する位置関係で直に接着され、その回転体85は、保持体83に設けられた凹部88に収納され、セラミックス製回転軸89を中心に回転可能なように配置されている。
回転体85および保持体83は、強磁性体合金81が温度計測器80の周囲の温度を正確に感知できるように、熱伝導率の大きいアルミニウム系合金、好ましくは純アルミニウムが用いられる。また、回転体85の全体および保持体83の底面87には、熱の吸収を促進するために黒色のアルマイト処理が施されている。
回転体85および保持体83は、強磁性体合金81が温度計測器80の周囲の温度を正確に感知できるように、熱伝導率の大きいアルミニウム系合金、好ましくは純アルミニウムが用いられる。また、回転体85の全体および保持体83の底面87には、熱の吸収を促進するために黒色のアルマイト処理が施されている。
強磁性体合金81の表面にはセラミックスのコーティングが施されている。これにより、上記のように、強磁性体合金81と回転体85とが直に接触する場合においても、双方の金属の拡散や凝着を防止することができる。さらに、計測温度感知部である強磁性体合金81の酸化を防ぐことができるため、キュリー温度の変化等を防止することができる。したがって、温度計測器の信頼性が向上する。
円柱形状である永久磁石82は、一端が開放されたガラス円筒管84に収納され、このガラス円筒管84は保持体83の側面に設けられた円柱形状の穴90内に収納される。永久磁石82は、高温接着材等でガラス円筒管84内に固定されたセラミックスボール91によって固定される。
これにより、強磁性体合金81と永久磁石82とは、保持体83の薄肉部92とガラス円筒管84の一端とを介して磁界によって対向することになる。
これにより、強磁性体合金81と永久磁石82とは、保持体83の薄肉部92とガラス円筒管84の一端とを介して磁界によって対向することになる。
保持体83の凹部88の内側の壁には、段差部93が形成され、その段差部93にガラスまたは石英からなる透明なカバー86が嵌合される。
したがって、透明なカバー86を通して、回転体85の円周上に配置された強磁性体合金81が回転する様子を視認することができる。
したがって、透明なカバー86を通して、回転体85の円周上に配置された強磁性体合金81が回転する様子を視認することができる。
次に、実施の形態4における温度計測器80の動作について説明する。
なお、ここで、強磁性体合金81のうち250℃のキュリー温度を有する強磁性体合金を81a、260℃のキュリー温度を有する強磁性体合金を81bとする。
温度計測器80は、PVD、CVD、ドライエッチング等の工程においては、保持体83の底面87がチャンバー内のSi基板上またはガラス基板上に接触するように配置される。温度計測中のチャンバー内雰囲気は真空、アルゴン、成膜ガス、またはエッチングガスである。保持体83はアルミニウム合金製または純アルミニウム製であり、アルミニウムはエッチングガス中のフッ素ガスに安定であるため、保持体83の凹部88に収納された強磁性体合金81、および保持体の側面の穴90に収納された永久磁石82はエッチングガスから保護される。
なお、ここで、強磁性体合金81のうち250℃のキュリー温度を有する強磁性体合金を81a、260℃のキュリー温度を有する強磁性体合金を81bとする。
温度計測器80は、PVD、CVD、ドライエッチング等の工程においては、保持体83の底面87がチャンバー内のSi基板上またはガラス基板上に接触するように配置される。温度計測中のチャンバー内雰囲気は真空、アルゴン、成膜ガス、またはエッチングガスである。保持体83はアルミニウム合金製または純アルミニウム製であり、アルミニウムはエッチングガス中のフッ素ガスに安定であるため、保持体83の凹部88に収納された強磁性体合金81、および保持体の側面の穴90に収納された永久磁石82はエッチングガスから保護される。
温度計測前は、永久磁石82の対向する位置に250℃のキュリー温度を有する強磁性体合金81aを配置する。このとき、強磁性体合金81aの温度は、計測目標温度(キュリー温度:250℃)未満であり、強磁性体合金81aは永久磁石82との磁界によって永久磁石82と薄肉部92を介して磁界によって対向した状態で配置される。
雰囲気温度上昇に伴い、強磁性体合金81aの温度が250℃に到達した場合には、強磁性体合金81aは常磁性へ転移するため、強磁性体合金81aと永久磁石82との間の引力は低下する。したがって、永久磁石82は、強磁性体合金81aの隣の強磁性体合金81bとの磁界によって引き合う。この強磁性体合金81bと永久磁石82との間の引力によって回転体85は回転し(図11(a)では半時計方向に回転)、強磁性体合金81bと永久磁石82とが磁界によって対向した状態となる。
このように雰囲気温度上昇に伴い、回転体85は回転し位置決めされる。そして、回転体85が停止した位置での永久磁石82に対向する強磁性体合金81の計測目標温度(キュリー温度)を特定することによって、現在の温度計測器80の周囲の温度、すなわちチャンバー内雰囲気温度を知ることができる。
以上のように、回転体85の移動を透明なカバー86を通じて視認することにより、現状の雰囲気温度を計測することができる。
このように雰囲気温度上昇に伴い、回転体85は回転し位置決めされる。そして、回転体85が停止した位置での永久磁石82に対向する強磁性体合金81の計測目標温度(キュリー温度)を特定することによって、現在の温度計測器80の周囲の温度、すなわちチャンバー内雰囲気温度を知ることができる。
以上のように、回転体85の移動を透明なカバー86を通じて視認することにより、現状の雰囲気温度を計測することができる。
以上の実施の形態1〜4では、強磁性体合金のキュリー温度を10℃間隔としたが、合金の組成を調整することによって、温度間隔を小さくすることが可能であり、最小1℃間隔まで可能である。そうすることにより、より精度の良い温度計測が可能となる。
また、以上の実施の形態では、半導体デバイス製造やディスプレイパネル製造におけるPVD、CVD等を考慮し、キュリー温度を250℃〜600℃の範囲で設定したが、本発明に係る温度計測器は、半導体デバイス製造やディスプレイパネル製造における使用に限るものではなく、他の広い技術分野においても使用可能である。例えば、低いキュリー温度を有する合金を使用することによって、低温域の温度計測も可能であり、一例として、Cu−Ni合金を用いれば組成を調整することによって、液体ヘリウムの沸点である−269℃までキュリー温度を設定することが可能となる。このように、本発明に係る温度計測器は合金を任意に選択し、その合金の組成を調整することによって任意の温度範囲で温度計測が可能となる。
また、以上の実施の形態では、半導体デバイス製造やディスプレイパネル製造におけるPVD、CVD等を考慮し、キュリー温度を250℃〜600℃の範囲で設定したが、本発明に係る温度計測器は、半導体デバイス製造やディスプレイパネル製造における使用に限るものではなく、他の広い技術分野においても使用可能である。例えば、低いキュリー温度を有する合金を使用することによって、低温域の温度計測も可能であり、一例として、Cu−Ni合金を用いれば組成を調整することによって、液体ヘリウムの沸点である−269℃までキュリー温度を設定することが可能となる。このように、本発明に係る温度計測器は合金を任意に選択し、その合金の組成を調整することによって任意の温度範囲で温度計測が可能となる。
図12は、実施の形態1における強磁性体合金と永久磁石とが磁気的閉回路を形成する一態様を表すものであり、図4(b)と同じ断面の図である。なお、本図において、図4(b)における保持体、ケース、ガラス円筒管等は省略している。
強磁性体合金101と移動可能な永久磁石102と固定された永久磁石103との組合せにおいて、強磁性体合金101と永久磁石103とをL次型の鉄系金属104を介してつなぐ。この時、強磁性合金101の温度が計測目標温度(キュリー温度)未満の場合には、強磁性体合金101と永久磁石102とは磁界によって接着した状態であるため、本組合せにおける磁束は、永久磁石103→永久磁石102→強磁性体合金101→L字型の鉄系金属104→永久磁石103・・・いう閉回路を形成することになる。これにより本組合せから漏洩する磁束は減少するため、隣接する他の強磁性体合金および永久磁石への影響が抑制され、より正確な温度計測が可能となる。したがって、温度計測器の信頼性が向上する。
強磁性体合金101と移動可能な永久磁石102と固定された永久磁石103との組合せにおいて、強磁性体合金101と永久磁石103とをL次型の鉄系金属104を介してつなぐ。この時、強磁性合金101の温度が計測目標温度(キュリー温度)未満の場合には、強磁性体合金101と永久磁石102とは磁界によって接着した状態であるため、本組合せにおける磁束は、永久磁石103→永久磁石102→強磁性体合金101→L字型の鉄系金属104→永久磁石103・・・いう閉回路を形成することになる。これにより本組合せから漏洩する磁束は減少するため、隣接する他の強磁性体合金および永久磁石への影響が抑制され、より正確な温度計測が可能となる。したがって、温度計測器の信頼性が向上する。
本発明に係る温度計測器は、半導体デバイス製造やディスプレイパネル製造のためのPVD、CVD、ドライエッチング等の工程における温度管理に利用することができる。
11,51,61,81,101 計測温度感知部である強磁性体合金
11,51、52、61,81,101 強磁性体合金
12、13、53、54、62、82,102,103 永久磁石
14,63,83 保持体
18,20,73 ケース
27,66,87 保持体底面
15,16,64,84 ガラス円筒管
30,74 窓
23,65,86 透明カバー
段差部 31,31’,68,93
104, 鉄系金属
11,51、52、61,81,101 強磁性体合金
12、13、53、54、62、82,102,103 永久磁石
14,63,83 保持体
18,20,73 ケース
27,66,87 保持体底面
15,16,64,84 ガラス円筒管
30,74 窓
23,65,86 透明カバー
段差部 31,31’,68,93
104, 鉄系金属
Claims (19)
- 永久磁石と強磁性体合金との組合せからなり、計測温度感知部としての前記強磁性体合金はキュリー温度が計測目標温度となるように設定され、前記強磁性体合金の温度が前記計測目標温度未満の場合には前記永久磁石と前記強磁性体合金とは磁界によって接着し、前記強磁性体合金の温度が前記計測目標温度に達した場合に前記永久磁石と前記強磁性体合金とが分離することによって前記計測目標温度に達したことを表示することを特徴とする温度計測器。
- 永久磁石と第一の強磁性体合金と第二の強磁性体合金との組合せからなり、前記永久磁石は前記第一の強磁性体合金と前記第二の強磁性体合金との間で磁界による相互作用によって移動可能に前記第一の強磁性体合金と磁界によって接着した状態に配置され、前記第一の強磁性体合金はキュリー温度が計測目標温度となるように設定され、前記第二の強磁性体合金は前記計測目標温度よりも高いキュリー温度を有し、前記第一の強磁性体合金が計測温度感知部とされることを特徴とする温度計測器。
- 二つの永久磁石と第一の強磁性体合金と第二の強磁性体合金との組合せからなり、前記第一の強磁性体合金は前記第二の強磁性体合金と接合され前記二つの永久磁石の間で磁界による相互作用によって移動可能に前記永久磁石の一方と磁界によって接着した状態に配置され、第一の強磁性体合金はキュリー温度が計測目標温度となるように設定され、前記第二の強磁性体合金は前記計測目標温度よりも高いキュリー温度を有し、前記第一の強磁性体合金は計測温度感知部とされることを特徴とする温度計測器。
- 前記第二の強磁性体合金が永久磁石であることを特徴とする請求項2または請求項3に記載の温度計測器。
- 計測目標温度範囲内にて格別に設定されたキュリー温度を各々有する計測温度感知部としての複数の強磁性体合金と永久磁石とからなり、前記複数の強磁性体合金はキュリー温度が一方向に上昇する位置関係で配列され、一方前記永久磁石は前記複数の強磁性体合金との磁界による相互作用によって位置決め可能に配置されることを特徴とする温度計測器。
- 計測目標温度範囲内にて格別に設定されたキュリー温度を各々有する計測温度感知部としての複数の強磁性体合金と永久磁石とからなり、前記複数の強磁性体合金はキュリー温度が一方向に上昇する位置関係で回転体円周上に配列され、一方前記永久磁石は前記複数の強磁性体合金との磁界による相互作用によって前記複数の強磁性体合金を位置決めするように配置されることを特徴とする温度計測器。
- 前記組合せを二以上有し、前記計測目標温度が二以上設定されることを特徴とする請求項1乃至請求項4のいずれか一に記載の温度計測器。
- 前記組合せのうちの少なくとも一組が、鉄系合金を介して磁気的閉回路を形成することを特徴とする請求項7に記載の温度計測器。
- 前記計測温度感知部である強磁性体合金を保持する保持体がアルミニウム系合金製または純アルミニウム製であることを特徴とする請求項1乃至請求項5のいずれか一に記載の温度計測器。
- 移動可能な前記強磁性体合金または移動可能な前記永久磁石がガラス、石英、または透明セラミックスからなる部材に配置されることを特徴とする請求項1乃至請求項5のいずれか一に記載の温度計測器。
- 前記回転体がアルミニウム系合金製または純アルミニウム製であることを特徴とする請求項6に記載の温度計測器。
- 前記回転体の表面にアルマイト処理が施されてなることを特徴とする請求項6または請求項11に記載の温度計測器。
- 前記保持体の底面にアルマイト処理が施されてなることを特徴とする請求項9に記載の温度計測器。
- 前記保持体は底部と側部とからなり、前記底部には移動可能な前記強磁性体合金または移動可能な前記永久磁石を収納するケースが配置され、可視光が透過する領域である窓が前記ケースに設けられていることを特徴とする請求項9に記載の温度計測器。
- 前記計測目標温度が250℃から600℃の範囲内であることを特徴とする請求項1乃至請求項14のいずれか一に記載の温度計測器。
- 前記計測温度感知部である強磁性体合金がCo系合金、Ni系合金、Fe系合金、Mn系合金のいずれかであることを特徴とする請求項1乃至請求項15のいずれか一に記載の温度計測器。
- 前記永久磁石がアルニコ磁石であることを特徴とする請求項1乃至請求項16のいずれか一に記載の温度計測器。
- 前記強磁性体合金が急冷薄帯製造法またはメカニカルアロイング法によって製造されることを特徴とする請求項1乃至請求項17のいずれか一に記載の温度計測器。
- 前記強磁性体合金または前記永久磁石の少なくともいずれか一方にセラミックスのコーティングが施されてなることを特徴とする請求項1乃至請求項18のいずれか一に記載の温度計測器。
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Cited By (2)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
EP3184981A4 (en) * | 2014-08-21 | 2018-04-04 | Universidade de Santiago de Compostela | Temperature-measuring device, method for manufacturing the device, and system for measuring the point of impact incorporated in the device |
CN110779637A (zh) * | 2019-10-29 | 2020-02-11 | 广州供电局有限公司 | 基于金属薄膜热效应的等离子体辐射能量测量薄膜量热计 |
-
2004
- 2004-02-17 JP JP2004039540A patent/JP2005233645A/ja active Pending
Cited By (2)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
EP3184981A4 (en) * | 2014-08-21 | 2018-04-04 | Universidade de Santiago de Compostela | Temperature-measuring device, method for manufacturing the device, and system for measuring the point of impact incorporated in the device |
CN110779637A (zh) * | 2019-10-29 | 2020-02-11 | 广州供电局有限公司 | 基于金属薄膜热效应的等离子体辐射能量测量薄膜量热计 |
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