JP2005233163A - ディーゼルエンジンの燃料噴射制御装置 - Google Patents
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Abstract
【課題】 主噴射と後噴射とを適切な噴射間隔で実施して、NOxとスモークの低減を両立できるディーゼルエンジンの燃料噴射制御装置を提供する。
【解決手段】 メイン噴射の後に実施するアフタ噴射及びポスト噴射の合計噴射量を常に2〜8mm3/stの範囲内で制御すると共に、メイン噴射の駆動パルスの立下がりからアフタ噴射の駆動パルスの立上がりまでの噴射間隔Tafter、及びポスト噴射の駆動パルスの立上がりまでの噴射間隔Tpostを400〜2500μsecの範囲内で設定する。
【選択図】 図3
【解決手段】 メイン噴射の後に実施するアフタ噴射及びポスト噴射の合計噴射量を常に2〜8mm3/stの範囲内で制御すると共に、メイン噴射の駆動パルスの立下がりからアフタ噴射の駆動パルスの立上がりまでの噴射間隔Tafter、及びポスト噴射の駆動パルスの立上がりまでの噴射間隔Tpostを400〜2500μsecの範囲内で設定する。
【選択図】 図3
Description
本発明は圧縮上死点近傍での主噴射後に後噴射を実施するディーゼルエンジンの燃料噴射制御装置に関するものである。
理論空燃比に相当する1.0より大幅にリーン側の空気過剰率で運転されるディーゼルエンジンでは、噴射燃料と周囲の圧縮空気との境界の可燃混合気層で燃焼を生じさせる拡散燃焼を主体とした燃焼形態が採られている。当該拡散燃焼では燃焼の緩慢化により燃焼温度を低下させてNOxを抑制できる特徴を有するが、燃料噴射から着火までの期間が短いため筒内で噴射燃料が液滴のまま残存してスートの要因となる傾向があり、スートに起因するスモーク発生を抑制するために燃焼速度を速めるとNOxが増加することから、NOxとスモークとがトレードオフの関係となって両立困難であった。
このような拡散燃焼の問題点を解消するための手法の一つとして、主噴射の後にアフタ噴射やポスト噴射(以下、これらを後噴射と総称する)を実施して、主噴射の燃焼に伴って発生したスートを後噴射の噴射燃料と共に燃焼させる技術が実用化されており、主噴射に対する後噴射の適切な噴射時期として種々の提案がなされている(例えば、特許文献1参照)。
上記特許文献1に開示された技術では、主噴射後の燃焼温度の低下を効率よく抑制できる適切な後噴射の噴射時期として、主噴射の終了から後噴射の開始までの噴射間隔を0〜500μsecの範囲内に設定している。
特開2000−227061号公報
しかしながら、上記特許文献1に開示された技術における後噴射の噴射時期は、本発明者が試験した結果では適切なものとは言い難く、十分なスモーク抑制効果が得られなかった。図5はNOxが略一定となるようにEGR量を調整しながら主噴射(メイン噴射)と後噴射との噴射間隔を増減させたときの排ガス特性の試験結果を示しており、燃料噴射弁の駆動パルスを基準とした主噴射の終了から後噴射の開始までを噴射間隔としている。
試験結果から明らかなように、噴射間隔が0、即ち後噴射を実施しない場合は勿論、後噴射を実施した場合であっても噴射間隔をある程度確保しないと、後噴射の効果が得られずにスモークを抑制できないことが判る。よって、特許文献1に開示された技術では、NOxとスモークの低減を両立できるとは言い難かった。
本発明の目的は、主噴射と後噴射とを適切な噴射間隔で実施して、NOxとスモークの低減を両立させることができるディーゼルエンジンの燃料噴射制御装置を提供することにある。
本発明の目的は、主噴射と後噴射とを適切な噴射間隔で実施して、NOxとスモークの低減を両立させることができるディーゼルエンジンの燃料噴射制御装置を提供することにある。
上記目的を達成するため、請求項1の発明は、燃料噴射制御手段から出力される駆動パルスに基づいて燃料噴射手段を作動させ、圧縮上死点近傍で燃料噴射手段から筒内に燃料を主噴射し、主噴射後に燃料噴射手段から筒内に燃料を後噴射するディーゼルエンジンの燃料噴射制御装置において、燃料噴射制御手段が、主噴射の終了に対応する駆動パルスの立下がりから後噴射の開始に対応する駆動パルスの立上がりまでの噴射間隔を400μsec以上に設定すると共に、後噴射による燃料噴射量を2〜8mm3/stの範囲内で制御するものである。
従って、後噴射による燃料噴射量が2〜8mm3/stの範囲内で制御されることにより、後噴射の噴射量が過少のときのメイン噴射により発生したスートの燃焼不足、及び後噴射の噴射量が過多のときの余剰燃料によるスモーク増加が防止されて、図4に例示した試験結果のようにスモークが大幅に低減される。又、主噴射に対する後噴射の噴射間隔が400μsec以上に設定されることにより、後噴射の噴射時期が早過ぎたときのスートの燃焼不足が防止され、図5に例示した試験結果のようにNOxの増加を抑制した上でスモークが大幅に低減される。
請求項2の発明は、燃料噴射制御手段から出力される駆動パルスに基づいて燃料噴射手段を作動させ、圧縮上死点近傍で燃料噴射手段から筒内に燃料を主噴射し、主噴射後に燃料噴射手段から筒内に燃料を後噴射するディーゼルエンジンの燃料噴射制御装置において、燃料噴射制御手段が、主噴射の終了に対応する上記駆動パルスの立下がりから後噴射の開始に対応する駆動パルスの立上がりまでの噴射間隔を500μsec以上に設定するものである。
従って、主噴射に対する後噴射の噴射間隔が500μsec以上に設定されることにより、後噴射の燃焼タイミングが早過ぎたときのスートの燃焼不足が防止され、図5に例示した試験結果のようにNOxの増加を抑制した上でスモークが大幅に低減される。
請求項3の発明は、請求項1又は請求項2において、燃料噴射制御手段が、主噴射の終了に対応する駆動パルスの立下がりから後噴射の開始に対応する駆動パルスの立上がりまでの噴射間隔を2500μsec以下に設定するものである。
請求項3の発明は、請求項1又は請求項2において、燃料噴射制御手段が、主噴射の終了に対応する駆動パルスの立下がりから後噴射の開始に対応する駆動パルスの立上がりまでの噴射間隔を2500μsec以下に設定するものである。
従って、主噴射に対する後噴射の噴射間隔が2500μsec以下に設定されることにより、後噴射による噴射燃料が未燃のままオイルに混入するオイルダイリューションが抑制される。
以上説明したように請求項1の発明のディーゼルエンジンの燃料噴射制御装置によれば、主噴射と後噴射とを適切な噴射間隔で実施すると共に、後噴射の燃料噴射量を適切に制御し、もってNOxとスモークの低減を両立させることができる。
請求項2の発明のディーゼルエンジンの燃料噴射制御装置によれば、主噴射と後噴射とを適切な噴射間隔で実施し、もってNOxとスモークの低減を両立させることができる。
請求項2の発明のディーゼルエンジンの燃料噴射制御装置によれば、主噴射と後噴射とを適切な噴射間隔で実施し、もってNOxとスモークの低減を両立させることができる。
請求項3の発明のディーゼルエンジンの燃料噴射制御装置によれば、請求項1又は請求項2に加えて、オイルダイリューション量を低減することができる。
以下、本発明をコモンレール式ディーゼルエンジンの燃料噴射制御装置に具体化した一実施形態を説明する。
図1は本実施形態のディーゼルエンジンの燃料噴射制御装置を示す全体構成図であり、図中のディーゼルエンジン1は例えば直列4気筒エンジンとして構成され、その各気筒には燃料噴射弁2が設けられている。各燃料噴射弁2は燃料管路3を介して共通のコモンレール4に接続され、コモンレール4は燃料供給装置5に接続されている。燃料供給装置5から供給された燃料はコモンレール4内に蓄圧されて燃料噴射弁2の開弁に伴って各気筒の筒内に噴射され、圧縮上死点付近で着火・燃焼して機関トルクを発生し、燃焼後の排ガスは排気通路6を経て排出される。
図1は本実施形態のディーゼルエンジンの燃料噴射制御装置を示す全体構成図であり、図中のディーゼルエンジン1は例えば直列4気筒エンジンとして構成され、その各気筒には燃料噴射弁2が設けられている。各燃料噴射弁2は燃料管路3を介して共通のコモンレール4に接続され、コモンレール4は燃料供給装置5に接続されている。燃料供給装置5から供給された燃料はコモンレール4内に蓄圧されて燃料噴射弁2の開弁に伴って各気筒の筒内に噴射され、圧縮上死点付近で着火・燃焼して機関トルクを発生し、燃焼後の排ガスは排気通路6を経て排出される。
一方、車室内には、図示しない入出力装置、制御プログラムや制御マップ等の記憶に供される記憶装置(ROM,RAM等)、中央処理装置(CPU)、タイマカウンタ等を備えたECU(電子制御ユニット)11が設置されている。ECU11の入力側には、アクセル開度θaccを検出するアクセルセンサ12、エンジン回転速度Neを検出する回転速度センサ13等の各種センサ類が接続され、出力側には前記燃料噴射弁2や燃料供給装置5等の各種アクチュエータ類が接続されている。
そして、ECU11は燃料供給装置5を駆動制御してコモンレール4内の燃料圧を調整する一方、エンジン1の運転状態に基づいて燃料噴射弁2を駆動制御して筒内への燃料噴射を実施する。
燃料噴射弁2の燃料噴射はECU11から出力される駆動パルスに基づいて制御され、駆動パルスの立上がりに応じて燃料噴射弁2の励磁により燃料噴射が開始され、駆動パルスの立下がりに応じて燃料噴射弁2の励磁中止により燃料噴射が終了され、これにより所期の燃料噴射時期及び燃料噴射量が達成される。そして、本実施形態では、圧縮上死点近傍で実施するメイン噴射(主噴射)に加えて、メイン噴射の直後のアフタ噴射(後噴射)、及びアフタ噴射後のポスト噴射(後噴射)を実施しており、メイン噴射に対するアフタ噴射とポスト噴射との噴射時期、及びアフタ噴射とポスト噴射との噴射量を所定の範囲内で制御しており、以下、当該処理について詳述する。
燃料噴射弁2の燃料噴射はECU11から出力される駆動パルスに基づいて制御され、駆動パルスの立上がりに応じて燃料噴射弁2の励磁により燃料噴射が開始され、駆動パルスの立下がりに応じて燃料噴射弁2の励磁中止により燃料噴射が終了され、これにより所期の燃料噴射時期及び燃料噴射量が達成される。そして、本実施形態では、圧縮上死点近傍で実施するメイン噴射(主噴射)に加えて、メイン噴射の直後のアフタ噴射(後噴射)、及びアフタ噴射後のポスト噴射(後噴射)を実施しており、メイン噴射に対するアフタ噴射とポスト噴射との噴射時期、及びアフタ噴射とポスト噴射との噴射量を所定の範囲内で制御しており、以下、当該処理について詳述する。
図2はECU11が実行するアフタ噴射及びポスト噴射の噴射時期及び噴射量の設定手順を示すブロック図であり、当該設定処理ではアフタ噴射及びポスト噴射の噴射時期をメイン噴射を基準とした噴射間隔として設定しており、以下、アフタ噴射間隔Tafter及びポスト噴射間隔Tpostと称する。
ECU11の基本噴射量算出部21では所定のマップに基づきアクセル開度θacc及びエンジン回転速度Neから基本噴射量Qbaseが算出され、得られた基本噴射量Qbaseは最終噴射量算出部22に入力される。最終噴射量算出部22では、基本噴射量Qbaseに対してエンジン1のオーバーランを防止するための噴射量制限や冷却水温に応じた補正処理等が実行されて最終噴射量Qfinが算出される。得られた最終噴射量Qfin及び上記エンジン回転速度Neに基づき、アフタ噴射量算出部23では所定のマップからアフタ噴射量Qafterが算出され、アフタ噴射間隔算出部24では所定のマップからアフタ噴射間隔Tafterが算出される。同様に最終噴射量Qfin及びエンジン回転速度Neに基づき、ポスト噴射量算出部25では所定のマップからポスト噴射量Qpostが算出され、ポスト噴射間隔算出部26では所定のマップからポスト噴射間隔Tpostが算出される。
ECU11の基本噴射量算出部21では所定のマップに基づきアクセル開度θacc及びエンジン回転速度Neから基本噴射量Qbaseが算出され、得られた基本噴射量Qbaseは最終噴射量算出部22に入力される。最終噴射量算出部22では、基本噴射量Qbaseに対してエンジン1のオーバーランを防止するための噴射量制限や冷却水温に応じた補正処理等が実行されて最終噴射量Qfinが算出される。得られた最終噴射量Qfin及び上記エンジン回転速度Neに基づき、アフタ噴射量算出部23では所定のマップからアフタ噴射量Qafterが算出され、アフタ噴射間隔算出部24では所定のマップからアフタ噴射間隔Tafterが算出される。同様に最終噴射量Qfin及びエンジン回転速度Neに基づき、ポスト噴射量算出部25では所定のマップからポスト噴射量Qpostが算出され、ポスト噴射間隔算出部26では所定のマップからポスト噴射間隔Tpostが算出される。
そして、本実施形態では、アクセル開度θacc及びエンジン回転速度Neに関わらず上記アフタ噴射量Qafter及びポスト噴射量Qpostの合計の噴射量が常に2〜8mm3/stの範囲内で算出されるように各マップの特性が設定される一方、上記アフタ噴射間隔Tafter及びポスト噴射間隔Tpostが常に400〜2500μsecの範囲内で算出されるように(当然ながら、双方の前後関係からTafter<Tpostである)各マップの特性が設定されている。
尚、メイン噴射量Qmainは、最終噴射量Qfinからアフタ噴射量Qafter及びポスト噴射量Qpostを減算して算出され、メイン噴射時期Tmainはアクセル開度θacc及びエンジン回転速度Neから所定のマップに基づいて算出される。
図3はこのようにして設定された噴射量Qmain,Qafter,Qpost及び噴射時間Tmain,Tafter,Tpostに基づく燃料噴射の実行状況を示すタイムチャートである。ECU11はエンジン1のクランク角が上記メイン噴射時期Tmainに到達したと判定すると、燃料噴射弁2の駆動パルスを立上げてメイン噴射を開始させ、その後にメイン噴射量Qmainに対応する時間が経過すると、駆動パルスを立下げてメイン噴射を終了する。尚、図示はしないが駆動パルスに対して実際の燃料噴射は燃料噴射弁2固有の遅れを伴って実行される。
図3はこのようにして設定された噴射量Qmain,Qafter,Qpost及び噴射時間Tmain,Tafter,Tpostに基づく燃料噴射の実行状況を示すタイムチャートである。ECU11はエンジン1のクランク角が上記メイン噴射時期Tmainに到達したと判定すると、燃料噴射弁2の駆動パルスを立上げてメイン噴射を開始させ、その後にメイン噴射量Qmainに対応する時間が経過すると、駆動パルスを立下げてメイン噴射を終了する。尚、図示はしないが駆動パルスに対して実際の燃料噴射は燃料噴射弁2固有の遅れを伴って実行される。
又、メイン噴射での駆動パルスの立下がりから上記アフタ噴射間隔Tafterが経過すると、ECU11は再び駆動パルスを立上げてアフタ噴射を開始させ、その後にアフタ噴射量Qafterに対応する時間が経過すると、駆動パルスを立下げてアフタ噴射を終了する。更にメイン噴射での駆動パルスの立下がりから上記ポスト噴射間隔Tpostが経過すると、ECU11は再び駆動パルスを立上げてポスト噴射を開始させ、その後にポスト噴射量Qpostに対応する時間が経過すると、駆動パルスを立下げてポスト噴射を終了する。以上で1燃焼分の燃料噴射が終了し、ECU11は各気筒が圧縮上死点付近に到達する毎に当該処理を繰り返す。
そして、上記のようにメイン噴射の駆動パルスの立下がりを基準として、アフタ噴射及びポスト噴射は常に400〜2500μsecの範囲内で開始されると共に、アフタ噴射及びポスト噴射の合計噴射量は常に2〜8mm3/stの範囲内で制御される。
本発明者は、アフタ噴射やポスト噴射の噴射量及び噴射時期がNOx及びスモークの発生に及ぼす影響、及びオイルダイリューション量に及ぼす影響を調査すべく試験を実施した。尚、以下の各試験はメイン噴射後にアフタ噴射又はポスト噴射として単一の後噴射を行うものとし、エンジン回転速度Ne=2000rpm、BMEP(Brake Mean Effective Pressure:正味平均有効圧)=0.6MPaの条件下で実施している。
本発明者は、アフタ噴射やポスト噴射の噴射量及び噴射時期がNOx及びスモークの発生に及ぼす影響、及びオイルダイリューション量に及ぼす影響を調査すべく試験を実施した。尚、以下の各試験はメイン噴射後にアフタ噴射又はポスト噴射として単一の後噴射を行うものとし、エンジン回転速度Ne=2000rpm、BMEP(Brake Mean Effective Pressure:正味平均有効圧)=0.6MPaの条件下で実施している。
図4は後噴射の噴射間隔(上記Tafter,Tpostに相当)を400μsecに固定した上で後噴射の噴射量を増減させたときの排ガス特性の試験結果を示しており、図中の●印は、後噴射を実施しないメイン噴射のみのデータを示している。この試験結果からは、後噴射の噴射量の増加に伴ってBSFC(Break Specific Fuel Consumption:正味燃料消費率)が増加し、NOxが減少し、THCが略一定であるのに対して、スモークは2〜8mm3/stの領域でかなり減少していることが判る。即ち、後噴射の噴射量が過少のときにはメイン噴射の燃焼に伴って発生したスートを十分に燃焼できず、逆に後噴射の噴射量が過多のときにはスート燃焼に利用されなかった後噴射の余剰燃料がスモークの要因になることが推測できる。
又、図5は後噴射の噴射量(上記Qafter,Qpostに相当)を2μsecに固定した上で、NOxが略一定となるようにEGR量を調整しながらメイン噴射と後噴射との噴射間隔を増減させたときの排ガス特性の試験結果を示しており、図4と同じくメイン噴射のみのデータを●印で示している。この試験結果からは、噴射間隔の増加に伴ってBSFC及びTHCが略一定であるのに対して、スモークは噴射間隔400μsec以上の領域で著しく減少していることが判る。即ち、400μsec以前の領域では後噴射の燃焼のタイミングが早過ぎて、メイン噴射で発生したスートを効率的に燃焼できずにスモークを抑制できないことが推測できる。
又、図6は噴射間隔及び噴射量とオイルダイリューションの懸念領域との関係を試験した結果を示している。オイルダイリューションとは噴射燃料が未燃のままピストンクリアランスを経てオイルに混入する現象であり、オイル希釈により潤滑性能を低下させる要因となる。噴射間隔の増加に伴って後噴射の噴射タイミングが遅延するほど未燃燃料が増加することからオイルダイリューション量も増加し、当然ながら後噴射の噴射量が多いほどオイルダイリューション量は増加するが、上記スモークを低減可能な噴射量の上限である8mm3/stでも、後噴射の噴射間隔が2500μsec以下であればオイルダイリューション量を抑制してオイルダイリューション懸念領域を回避できることが判る。
これらの試験結果を受けて本実施形態では、アクセル開度θacc及びエンジン回転速度Neに関わらずアフタ噴射量Qafter及びポスト噴射量Qpostの合計噴射量を常に2〜8mm3/stの範囲内で制御しているため、過不足のないアフタ噴射及びポスト噴射の燃料量によりメイン噴射で発生したスートを効率的に燃焼でき、更にアフタ噴射間隔Tafter及びポスト噴射間隔Tpostを400〜2500μsecの範囲内で制御しているため、アフタ噴射の噴射時期が早過ぎたときのスモークの急増を防止でき、ポスト噴射の噴射時期が遅過ぎたときのオイルダイリューション量の急増を防止することができる。
ここで、アフタ噴射量とポスト噴射量との内訳は、アフタ噴射量を2〜4mm3/stの範囲内で設定し、ポスト噴射量を4〜8mm3/stの範囲内(8mm3/stの場合はポスト噴射のみ)で設定することが望ましく、この範囲に基づいて後噴射を実施すれば上記作用効果を十分に得ることができる。
図7はNOxとスモークとの相関関係を表した試験結果であり、この図に示すように本実施形態のディーゼルエンジン1の燃料噴射制御装置によれば、NOxの増加を抑制した上でスモークを大幅に低減できることにより、結果としてNOxとスモークの低減を両立させることができる。
図7はNOxとスモークとの相関関係を表した試験結果であり、この図に示すように本実施形態のディーゼルエンジン1の燃料噴射制御装置によれば、NOxの増加を抑制した上でスモークを大幅に低減できることにより、結果としてNOxとスモークの低減を両立させることができる。
ここで、本実施形態ではメイン噴射の直後の後噴射をアフタ噴射と称し、より遅延した後噴射をポスト噴射と称して区別したが、これは上記噴射間隔400〜2500μsecの範囲内の何れのタイミングで噴射するかに応じて作用効果が相違するためであり、以下、アフタ噴射及びポスト噴射の作用効果を個別に述べる。
アフタ噴射は主にメイン噴射の拡散燃焼を継続させることでメイン噴射で発生したスートの燃焼作用を奏すると共に、メイン噴射量の減少に伴う燃焼温度の低下によりNOx抑制作用を奏する。一方、ポスト噴射は主に排ガス昇温と還元剤(HC,CO)の供給作用により排気通路6に設けられた図示しないNOx還元触媒やDPFの再生やディーゼル酸化触媒の早期活性化に貢献すると共に、メイン噴射量の減少に伴ってスート発生量を低減する。尚、ポスト噴射自体は膨張行程のため燃焼温度が低くスート発生の要因とはならない。以上のアフタ噴射及びポスト噴射の作用効果が相俟って、上記したNOxとスモークの両立が達成されるのである。
アフタ噴射は主にメイン噴射の拡散燃焼を継続させることでメイン噴射で発生したスートの燃焼作用を奏すると共に、メイン噴射量の減少に伴う燃焼温度の低下によりNOx抑制作用を奏する。一方、ポスト噴射は主に排ガス昇温と還元剤(HC,CO)の供給作用により排気通路6に設けられた図示しないNOx還元触媒やDPFの再生やディーゼル酸化触媒の早期活性化に貢献すると共に、メイン噴射量の減少に伴ってスート発生量を低減する。尚、ポスト噴射自体は膨張行程のため燃焼温度が低くスート発生の要因とはならない。以上のアフタ噴射及びポスト噴射の作用効果が相俟って、上記したNOxとスモークの両立が達成されるのである。
一方、上記試験結果の説明から明らかなように、アフタ噴射及びポスト噴射の噴射量Qafter,Qpost、及び噴射間隔Tafter,Tpostを共に所定範囲内で制御する必要は必ずしもなく、種々に変更しても十分な作用効果を得ることができる。例えば、図6に示したオイルダイリューション懸念領域はエンジンの仕様等に応じて異なるため、エンジン仕様によっては2500μsec以降の噴射間隔Tpostでポスト噴射を実施してもオイルダイリューション懸念領域を回避できる可能性がある。よって、このような場合にはポスト噴射の噴射間隔Tpostを2500μsecを越えた値に設定してもよい。
又、アフタ噴射量Qafter及びポスト噴射量Qpostの合計噴射量を2〜8mm3/stの範囲内で制御したが、上記図4の試験結果において当該噴射量の範囲を多少外れたとしても、図5と同様に所定の噴射間隔以上の領域でスモークが著しく減少する特性が得られることを推測できる。そして、合計噴射量が最適範囲である2〜8mm3/stを多少外れるのを受けて、スモーク減少を期待できる噴射間隔の下限は若干増加することが予測されるため、例えばアフタ噴射量Qafter及びポスト噴射量Qpostの合計噴射量に対する上記2〜8mm3/stの制限を廃止すると共に、噴射間隔の下限増加を受けてアフタ噴射間隔Tafterを500μsec以上に設定してもよい。
以上で実施形態の説明を終えるが、本発明の態様はこの実施形態に限定されるものではない。例えば、上記実施形態ではメイン噴射の後に後噴射としてアフタ噴射及びポスト噴射を実施したが、後噴射の実施態様はこれに限らず、例えばアフタ噴射のみ又はポスト噴射のみを実施したり、或いはアフタ噴射又はポスト噴射を更に複数回に分割して実施するようにしてもよい。このような場合でも噴射量2〜8mm3/stの範囲及び噴射間隔400〜2500μsecの範囲で後噴射を制御すれば、上記実施形態と同様の作用効果を得ることができる。又、アフタ噴射やポスト噴射に加えてメイン噴射に先行してパイロット噴射等を実施してもよい。
2 燃料噴射弁(燃料噴射手段)
11 ECU(燃料噴射制御手段)
11 ECU(燃料噴射制御手段)
Claims (3)
- 燃料噴射制御手段から出力される駆動パルスに基づいて燃料噴射手段を作動させ、圧縮上死点近傍で上記燃料噴射手段から筒内に燃料を主噴射し、該主噴射後に上記燃料噴射手段から筒内に燃料を後噴射するディーゼルエンジンの燃料噴射制御装置において、
上記燃料噴射制御手段は、上記主噴射の終了に対応する上記駆動パルスの立下がりから上記後噴射の開始に対応する駆動パルスの立上がりまでの噴射間隔を400μsec以上に設定すると共に、上記後噴射による燃料噴射量を2〜8mm3/stの範囲内で制御することを特徴とするディーゼルエンジンの燃料噴射制御装置。 - 燃料噴射制御手段から出力される駆動パルスに基づいて燃料噴射手段を作動させ、圧縮上死点近傍で上記燃料噴射手段から筒内に燃料を主噴射し、該主噴射後に上記燃料噴射手段から筒内に燃料を後噴射するディーゼルエンジンの燃料噴射制御装置において、
上記燃料噴射制御手段は、上記主噴射の終了に対応する上記駆動パルスの立下がりから上記後噴射の開始に対応する駆動パルスの立上がりまでの噴射間隔を500μsec以上に設定することを特徴とするディーゼルエンジンの燃料噴射制御装置。 - 上記燃料噴射制御手段は、上記主噴射の終了に対応する上記駆動パルスの立下がりから上記後噴射の開始に対応する駆動パルスの立上がりまでの噴射間隔を2500μsec以下に設定することを特徴とする請求項1又は2記載のディーゼルエンジンの燃料噴射制御装置。
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- 2004-02-23 JP JP2004046706A patent/JP2005233163A/ja active Pending
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