JP2005232881A - 電気錠システム - Google Patents
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Abstract
【課題】 鍵の不正複製と、ピッキングおよび盗難鍵や紛失鍵による不正解錠を防止する。
【解決手段】 鍵10を錠20に挿入時に、錠側接点23はスプリング23aにて鍵側接点13に押し当てられる。錠20は、鍵10との接触時に、錠側回路22によって、特定の接点から鍵10へ予め定められた電位の電圧を供給する。電源電圧を供給された鍵10は、鍵側回路22によって供給された電位に応じた電位の電圧を各接点に供給する。錠20は、各接点の電位をパターンデータとして取り込んで錠側回路22で照合し、鍵10を認証した場合には解錠システム25に解錠信号を発信して解錠制御を行う。鍵側回路12と錠側回路22の回路構成は、鍵側回路変更用接点14を鍵接続用接点24に接続し、回路変更システム24a動作させることによって自由に変更可能である。
【選択図】 図1
【解決手段】 鍵10を錠20に挿入時に、錠側接点23はスプリング23aにて鍵側接点13に押し当てられる。錠20は、鍵10との接触時に、錠側回路22によって、特定の接点から鍵10へ予め定められた電位の電圧を供給する。電源電圧を供給された鍵10は、鍵側回路22によって供給された電位に応じた電位の電圧を各接点に供給する。錠20は、各接点の電位をパターンデータとして取り込んで錠側回路22で照合し、鍵10を認証した場合には解錠システム25に解錠信号を発信して解錠制御を行う。鍵側回路12と錠側回路22の回路構成は、鍵側回路変更用接点14を鍵接続用接点24に接続し、回路変更システム24a動作させることによって自由に変更可能である。
【選択図】 図1
Description
本発明は、鍵と錠とを含む電気錠システムに関する。
従来の鍵としては、形状や構造は様々であるものの、一般に、錠の鍵穴に鍵を差し込んで施錠・解錠するシリンダ錠が用いられている。しかしながら、従来のシリンダ錠には、ピッキングや鍵の複製による不正解錠の問題がある。
このような従来のシリンダ錠における不正解錠の問題を防ぐため、例えば特許文献1には、シリンダ錠のような機械的構造に加えて、電子鍵のような電気的構造を取り入れた錠前用シリンダが開示されている。この錠前用シリンダは、外筒部材内に鍵挿入部が設けられた第1の回動部材と、錠本体の施解錠機構に連結される第2の回動部材とが設けられ、電気信号に応答して第1の回動部材と第2の回動部材とが連結されて、鍵による施解錠機構の操作が可能になっている。この錠前用シリンダによれば、鍵の複製を困難にすることができ、さらに、挿入された鍵が正当な場合にのみ解錠が可能になるため、ピッキングによる不正解錠が防止される。
特開平8−158715号公報
しかしながら、上述した特許文献1に開示されている錠前用シリンダでは、盗難鍵や紛失鍵による不正解錠を防止することはできない。したがって、このような盗難鍵や紛失鍵による不正解錠を防止するためには、鍵および錠を交換することが必要になる。
本発明は、上記従来の問題を解決するもので、耐ピッキング性を向上させると共に鍵複製の困難性を向上させることができ、かつ鍵の交換を必要とせずに盗難鍵や紛失鍵などによる不正解錠を防止することができる電気錠システムを提供することを目的とする。
本発明の電気錠システムは、一または複数の接点に予め定められた電圧をパターンデータとして出力する出力手段が設けられた鍵と、該鍵の鍵側接点からの電圧が該予め定められた電圧であるか否かをパターンデータとして照合して一致した場合に、解錠制御信号を出力制御する制御手段が設けられた錠とを有する電気錠システムであって、該錠は、該制御手段の照合用のパターンデータを変更可能とするパターン変更手段を有しており、そのことにより上記目的が達成される。
また、好ましくは、本発明の電気錠システムにおける制御回路は、電源電圧、接地電圧およびこれら以外の一または複数の特定電圧のうち少なくとも該電源電圧または特定電圧を供給する電圧供給回路と、前記鍵からのパターンデータを照合するパターンデータ照合回路とを有する。
さらに、好ましくは、本発明の電気錠システムにおけるパターンデータ照合回路は前記錠に内蔵されたハードウェア回路で構成されており、前記パターン変更手段は、該錠のハードウェア回路の回路構成を変更することにより該制御手段の照合用のパターンデータを変更する。
さらに、好ましくは、本発明の電気錠システムにおける出力手段は、電源電圧および接地電圧が供給されることにより、前記予め定められた電圧をパターンデータとして出力可能とするパターンデータ出力回路を有する。
さらに、好ましくは、本発明の電気錠システムにおけるパターンデータ出力回路は前記鍵に内蔵されたハードウェア回路で構成されており、該鍵のハードウェア回路の回路構成が変更されることにより該出力手段のパターンデータが変更される。
さらに、好ましくは、本発明の電気錠システムにおけるパターンデータ照合回路およびパターンデータ出力回路のうち少なくともパターンデータ照合回路は、前記ハードウェア回路の回路構成の変更が可能なフィールドプログラマブルゲートアレイで構成されている。
さらに、好ましくは、本発明の電気錠システムにおけるパターン変更手段は回路変更システムで構成されており、前記制御手段の照合用のパターンデータに応じて、前記出力手段のパターンデータを変更可能とする。
さらに、好ましくは、本発明の電気錠システムにおける出力手段の変更用接点を、前記制御手段が前記回路変更システムを介して接続された鍵接続用接点に接続することにより、該回路変更システムが、該制御手段の照合用のパターンデータに対応した回路構成に該出力手段の回路構成を変更可能とする。また、好ましくは、本発明の電気錠システムにおける出力手段の変更用接点を、前記制御手段が前記回路変更システムを介して接続された鍵接続用接点に接続する場合にのみ、該回路変更システムが、該制御手段の照合用のパターンデータに対応した回路構成を変更可能とすると共に、変更した該制御手段の回路構成に該出力手段の回路構成を変更可能とする。
さらに、好ましくは、本発明の電気錠システムにおける出力手段の変更用接点は、前記錠の鍵穴に挿入されない前記鍵の外壁部分に設けられている。
さらに、好ましくは、本発明の電気錠システムにおける鍵の接点は、前記予め定められた電圧が供給される一または複数のレベル入力接点と、該レベル入力接点から供給された電圧を用いて前記パターンデータとして電圧出力する一または複数のパターン出力接点とを有する。
さらに、好ましくは、本発明の電気錠システムにおける出力手段は、前記レベル入力接点から供給された電圧をそのままの電圧で前記パターン出力接点から前記パターンデータとして出力する。
さらに、好ましくは、本発明の電気錠システムにおける出力手段は、前記レベル入力接点から供給された電圧を用いて、前記パターン出力接点から前記パターンデータとして一または複数の異なる電圧を出力する。
さらに、好ましくは、本発明の電気錠システムにおける錠には前記鍵を挿入可能とする鍵穴が設けられ、該鍵が該鍵穴に挿入されたときに、一または複数の錠側接点から、それ毎に対応した鍵側接点に予め定められた電圧を供給可能とする。
さらに、好ましくは、本発明の電気錠システムにおける錠には前記鍵を挿入可能とする鍵穴が設けられ、該鍵が該鍵穴に挿入されたときに、前記出力手段は、一または複数の錠側接点から、それ毎に対応した鍵側接点に電源電圧が供給され、一または複数の錠側接点から、それ毎に対応した鍵側接点に接地電圧が供給されて駆動する。
さらに、好ましくは、本発明の電気錠システムにおける錠には前記鍵を挿入可能とする鍵穴が設けられ、該鍵が該鍵穴に挿入されたときに、前記出力手段から予め定められた電圧がパターンデータとして一または複数の鍵側接点から、それ毎に対応した錠側接点に供給可能とする。
さらに、好ましくは、本発明の電気錠システムにおける出力手段は、錠側接点から鍵側接点に印加された予め定められた電圧を用いて前記鍵のパターンデータを生成する。
さらに、好ましくは、本発明の電気錠システムにおける予め定められた電圧は、電源電圧、接地電圧および、これら以外の一または複数の特定電圧のうち少なくとも該電源電圧または特定電圧である。
さらに、好ましくは、本発明の電気錠システムにおける錠は、前記制御手段からの解錠制御信号によって解錠動作を行う解錠手段を更に有する。
上記構成により、以下に、本発明の作用について説明する。
本発明にあっては、パターン変更手段(回路変更システム)から制御手段および出力手段のうち少なくとも制御手段に書き換え制御用信号(信号電圧)を供給することにより、制御手段および出力手段のうちの少なくとも制御手段の回路構成を変更してパターンデータを自由に変更することができる。これにより、盗難鍵や紛失鍵などを無効にして不正解錠を防止することができる。
錠におけるパターンデータは、鍵のパターンデータと同時に変更する場合にのみ変更可能とすることによって、解錠可能な鍵が存在しないという状態が発生することを防止することができる。
鍵のパターンデータは、鍵に内蔵されたハードウェア回路の回路構成で決定することによって、鍵のパターンデータの不正読み取りを困難にすることができる。また、錠は、パターンデータの照合を錠に内蔵されたハードウェア回路の回路構成で行うことによって、錠のパターンデータの不正読み取りを困難にすることができる。
鍵のパターンデータの変更は、鍵に内蔵されたハードウェア回路の回路構成を変更することによって、鍵のパターンデータの不正読み取りを困難にすることができると共に、鍵のパターンデータの複雑性を高めることができる。また、錠のパターンデータの変更は、錠に内蔵されたハードウェア回路の回路構成を変更することで行うことによって、錠のパターンデータの不正変更を防止することができる。
照合用接点による接触と書き換え制御用接点による接触とが同時に発生しなように、照合時に書き換え制御用接点を接触させないことによって、照合時に鍵のパターンデータが誤って書き換えられることを防止することができる。
鍵と錠とが接点を介して接触したときに、鍵に設けられた出力手段(鍵側パターン回路)から、予め定められた電位の電圧をパターンデータとして鍵と錠との接点に出力する。錠に設けられた制御手段(錠側パターン回路)によって、鍵と錠との接点が予め定められた電位であるか否かをパターンデータとして照合して鍵の正当性を判断し、鍵が正当であると判断された場合には解錠制御処理を行う。これによって、ピッキングによる不正解錠を防止することが可能となる。
一または複数の任意の接点によって錠から鍵へ電源電圧Vccを供給し、一または複数の任意の接点によって錠から鍵へ接地電圧GNDを供給することによって、電源電圧および接地電圧を供給する接点位置を知ることが困難である。これによって、この対応した錠以外の他の手段から鍵に電源電圧を供給することが困難となる。
鍵が錠へ挿入されたときにのみ、鍵の出力手段からパターンデータを出力させることによって、錠と非接触の鍵からは各接点の電位を読み取ることができなくなり、鍵の複製が困難となる。
鍵と錠の一または複数の接点によって錠から鍵に予め定められた電位の電圧を供給し、鍵の出力手段ではその電圧を用いてパターンデータを生成することによって、パターンデータの電位を自由に設定することができる。これによって、パターンデータの複雑性を向上させることができる。
本発明によれば、鍵と錠のうち少なくとも錠のパターンデータを自由に変更可能とすることによって、パターンデータを変更して盗難鍵や紛失鍵を無効にすることができ、これらによる不正解錠を防止することができる。
錠のパターンデータの変更は、鍵のパターンデータの変更と同時に行う場合にのみ実行可能とすることによって、解錠可能な鍵が存在しない状態が発生することを防止することができる。
鍵のパターンデータは、鍵に内蔵されたハードウェア回路の回路構成で決定されることによって、鍵のパターンデータの不正読み取りを困難にすることができる。また、錠のパターンデータの照合は、錠に内蔵されたハードウェア回路の回路構成で行うことによって、錠のパターンデータの不正読み取りを困難にすることができる。
鍵のパターンデータの変更は、鍵に内蔵されたハードウェア回路の回路構成を変更することで行うことによって、鍵のパターンデータの不正読み取りを困難にすることができる。また、錠のパターンデータの変更は、錠に内蔵されたハードウェア回路の回路構成を変更することで行うことによって、錠のパターンデータの不正変更を防止することができる。
鍵の照合時は、パターンデータ変更用接点による接触がないことによって、鍵の照合時に誤ってパターンデータが変更されることを防止することができる。
解錠動作は、電気信号によるパターンデータの照合および認証によって行われるため、ピッキングによる不正解錠を防止することができる。
錠が鍵に電源電圧を供給する接点を不明にすることにより、錠以外による鍵への電源電圧の供給を困難にすることができる。
鍵のパターンデータが出力されるのは、鍵が錠へ挿入されたときのみであるため、錠と非接触の鍵から各接点の電位を読み取って鍵が複製されることを防止することができる。
パターンデータの電位は、鍵と錠とによって自由に設定することができるため、パターンの複雑性を向上させることができる。
以下に、本発明の電気錠システムの実施形態について、図面を参照しながら説明する。
図1は、本発明の電気錠システムの実施形態において、鍵が錠の鍵穴へ挿入された状態を示す断面図である。
図1に示すように、電気錠システム30は、鍵10と、鍵を挿入するための鍵穴21を備えた錠20とを有している。
まず、鍵10の構成について図2を用いて説明する。
図2は、図1の電気錠システム30における鍵10の要部構成を示す断面図である。
図2に示すように、鍵10は、絶縁体からなる外型11中に、出力手段としての鍵側パターン回路12と、鍵側パターン回路12にそれぞれ接続された錠20との複数の鍵側接点13と、書き込み制御用接点としての鍵側パターン回路12の変更用接点14とを有している。
本実施形態では、鍵10と錠20との解錠時の接点を各10個有しており、鍵10には鍵側接点13として10個のA〜Jが設けられている。なお、図2の例では、鍵穴21への挿入部分の上下両端に鍵側接点13が5個ずつ並んでいるが、本発明では、鍵10の形状および鍵側接点13の位置については特定されるものではない。また、本実施形態では、鍵の外型11を絶縁体によって構成しているが、各鍵側接点13が互いに絶縁状態であれば、鍵10の外型11を全て絶縁体によって構成する必要はなく、その材料構成は絶縁体だけに限定されない。
鍵側接点13は、10個のうちの一つがVcc入力接点に設定され、他の一つがGND入力接点に設定されている。これらのVcc入力接点およびGND入力接点は、鍵10が錠20と鍵穴21内で接触したときに、鍵側パターン回路12を動作(駆動)させる電源電圧を供給するために用いられる。
鍵側接点13の10個のうちVcc入力接点およびGND入力接点以外の接点は、鍵10が錠20と接触して鍵側パターン回路12に電源電圧が供給されて鍵10が動作したときに、鍵側パターン回路12の内部構成によって、レベル入力接点およびパターン出力接点のいずれかに設定される。
このうち、レベル入力接点には、錠20から予め定められた電位の出力電圧が供給される。なお、各レベル入力接点から供給される電圧は、セキュリティ性を向上させるため、全て異なる電位であることが望ましいが、同じ電位であってもよい。
鍵側パターン回路12は、レベル入力接点、Vcc入力接点またはGND入力接点から供給された各電位を、その内部構成に応じて、各パターン出力接点からそれぞれパターンデータ(電圧)として出力することによって、これらの各鍵側接点13にそれぞれ対応した各錠側接点23をそれぞれ介して、パターンデータを錠20へ送信する。鍵側パターン回路12では、特定のレベル入力接点から供給された電位をそのままパターンデータとしてパターン出力接点から出力させてもよいが、パターンデータの複雑性を高めるため、複数のレベル入力接点からの電位を用いてパターンデータとして出力させる電位を作成してもよい。また、鍵側パターン回路12は、電源電圧Vccおよび接地電圧GNDが供給されることにより、予め定められた電圧をパターンデータとして出力可能とするパターンデータ出力回路(図示せず)を有する。
本実施形態では、その一例として、接点AをVcc入力接点、接点BをGND入力接点、接点Cおよび接点Dをレベル入力接点、それ以外の接点E〜Jをパターン出力接点として設定する。接点Aから電源電圧Vccが供給され、接点Bから接地電圧GNDが供給されることによって、接点Eおよび接点Fから接点Cの電位が出力され、接点Gおよび接点Hから接点Dの電位が出力され、接点IからVccの電位が出力され、接点JからGNDの電位が出力されるものとする。
このように、鍵10では、錠20の錠側接点23との接触によって錠20側から鍵側パターン回路12に電源電圧が供給されなければ、鍵側接点13のうち各パターン出力接点にパターンデータが出力されないため、鍵10の各パターン出力接点の電位を調べて複製鍵を作成することは困難である。また、どの接点がVcc入力接点およびGND入力接点であり、どの接点が各パターン出力接点であるかを不明にすることによって、錠20以外による鍵10への電源電圧供給が困難となり、鍵複製の困難性をさらに高めることができる。
なお、本実施形態では、Vcc入力接点およびGND入力接点を一つずつとしたが、セキュリティ性を向上させるために、それぞれ二つ以上としてもよい。また、Vcc入力接点とGND入力接点との数が同じである必要はなく、異なる数であってもよい。
次に、錠20の構成について図3を用いて説明する。
図3は、図1の電気錠システム30における錠20の要部構成を示す断面図である。
図3に示すように、錠20は、鍵穴21と、制御手段としての錠側パターン回路22と、鍵10との錠側接点23と、錠側接点23を鍵に押し当てるためのスプリング23aと、鍵接続用接点24を有するパターン変更手段としての回路変更システム24aと、解錠手段としての解錠システム25とを有している。
本実施形態では、錠20は、鍵側接点13としてA〜Jに対応する錠側接点23としてA’〜J’が設けられている。
これらの錠側接点23のうち、鍵側接点13のVcc入力接点およびGND入力接点に対応する接点はそれぞれ、Vcc供給接点およびGND供給接点に設定され、鍵10と錠20との接触時に、鍵10の鍵側パターン回路12に電源電圧Vccおよび接地電圧GNDを供給する。これにより、鍵側パターン回路12が駆動して、各パターン出力接点に所定のパターンデータとして各電圧を出力する。
また、錠側パターン回路22の回路構成は、鍵側パターン回路12の回路構成と対応しており、複数の錠側接点23のうち、鍵側接点13のレベル入力接点に対応する接点は、レベル供給接点に設定され、予め定められた電位をレベル入力接点に供給する。これにより、パターンデータのレベル値を任意の電位に設定することができ、パターンデータの複雑性を高めることができる。
さらに、複数の錠側接点23のうち、鍵側接点13のパターン出力接点に対応する接点は、パターン入力接点に設定され、鍵10の各パターン出力接点からパターンデータ(電圧)の各電圧値をそれぞれ受け取る。錠側パターン回路22は、受け取ったパターンデータの電圧値を各パターン入力接点毎に照合する。その照合結果が全て一致して、挿入された鍵10が正当であると認証した場合には、錠側パターン回路22から解錠システム25へ解錠制御信号を発信して解錠システム25を作動させることによって、解錠制御処理を行う。
本実施形態では、その一例として、接点A’がVcc供給接点、接点B’がGND供給接点、接点C’および接点D’がレベル供給接点、それ以外の接点E’〜J’がパターン入力接点に設定されている。接点E’および接点F’の電位が接点C’の供給電位と等しく、また、接点G’および接点H’の電位が接点D’の供給電位と等しく、接点I’の電位が電源電圧Vccと等しく、接点J’の電位がGNDと全て等しい場合に、錠側パターン回路22から解錠システム25へ解錠制御信号を発信し、解錠制御信号を受信した解錠システム25によって解錠動作(解錠制御処理)が行われる。
なお、本実施形態では、電源電圧および特定電位を供給する回路とパターンデータを照合する回路とを錠側パターン回路22として、一つの回路によって実現しているが、これらは複数の回路によって構成されていてもよい。また、錠側パターン回路22は、電源電圧、接地電圧およびこれら以外の一または複数の特定電圧の少なくとも電源電圧または特定電圧を供給する電圧供給回路(図示せず)と、鍵からのパターンデータを照合するパターンデータ照合回路(図示せず)とを有するように構成してもよい。
本実施形態において、錠側パターン回路22は、ALTERA社ACEXシリーズをはじめとするフィールドプログラマブルゲートアレイ(FPGA;Field Programmable Gate Array)のように、ハードウェア回路の変更が可能なデバイスなどによって構成されている。この錠側パターン回路22は、回路変更システム24aによってランダムに回路構成を変更することができる。
また、鍵側パターン回路12も、錠側パターン回路22と同様に、ハードウェア回路の変更が可能なデバイスなどによって構成されている。この鍵側パターン回路12は、書き込み制御用接点としての鍵側パターン回路変更用接点14を鍵接続用接点24に接続し、回路変更システム24aを動作させることによって、錠側パターン回路22に対応した回路構成に変更することができる。正当な合鍵が必要な場合には、図2に示すような鍵10を用意して、同様の方法で回路変更システム24aを用いて鍵側パターン回路12の回路構成を変更することによって、合鍵を作製することができる。
このように、錠側パターン回路22および鍵側パターン回路12の回路構成を自由に変更可能とすることによって、鍵10から出力されるパターンデータおよび錠20で照合に用いられるパターンデータを変更し、盗難鍵や紛失鍵を無効にすることができる。また、錠側パターン回路22は、鍵接続用接点24に鍵10の鍵側パターン回路12の変更用接点14を接続し、鍵側パターン回路12と同時に変更する場合のみ変更可能とすることによって、解錠可能な鍵が存在しない状態を防止することができる。
以上により、本実施形態によれば、鍵10は、絶縁体からなる外型11に、鍵側パターン回路12と、鍵側接点13と、鍵側回路変更用接点14を備えている。鍵10を錠20の鍵穴21内に挿入した時に、錠側接点23はスプリング23aにて鍵側接点13に押し当てられる。錠20の錠側接点23は、鍵10の鍵側接点13との接触時に、錠側パターン回路22によって、特定の接点から鍵10に予め定められた電位の電圧を供給する。電源電圧を供給された鍵10は、鍵側パターン回路12を駆動させて、その供給電位に応じた電圧を各接点に供給する。錠20は、各接点の電位をパターンデータとして取り込んで錠側パターン回路22で照合し、鍵10が正当であることを認証した場合には、解錠システム25に解錠制御信号を発信して解錠制御処理を行う。鍵側パターン回路12と錠側パターン回路22の各回路構成は、鍵側パターン回路変更用接点14を鍵接続用接点24に接続し、回路変更システム24a動作させることによって自由に変更可能である。これによって、鍵10の不正複製と、ピッキングおよび盗難鍵や紛失鍵による不正解錠を防止することが可能な電気錠システム30を得ることができる。
なお、本実施形態では、鍵側パターン回路変更時における鍵10と錠20の接点(鍵側パターン回路変更用接点14と鍵接続用接点24)が、解錠時における鍵10と錠20の接点(鍵側接点13と錠側接点23)と同時に接続せず、両接点の接触が同時に発生しないようにして、鍵側パターン回路変更用接点14を鍵接続用接点24に接続することで、鍵側パターン回路12の変更を行っているが、解錠時における鍵10と錠20の接点に、鍵側パターン回路変更時における鍵10と錠20の接点も含めて、鍵穴21に鍵10を挿入したときに鍵側パターン回路12の変更を行うようにしてもよい。また、鍵側パターン回路12および錠側パターン回路22の回路構成の変更は、回路変更システム24aによって自動的かつランダムに変更後の回路構成を作製して実行しているが、本発明は、回路構成の作製方法および回路構成変更の実行方法を限定するものではない。
以上のように、本発明の好ましい実施形態を用いて本発明を例示してきたが、本発明は、この実施形態に限定して解釈されるべきものではない。本発明は、特許請求の範囲によってのみその範囲が解釈されるべきであることが理解される。当業者は、本発明の具体的な好ましい実施形態の記載から、本発明の記載および技術常識に基づいて等価な範囲を実施することができることが理解される。本明細書において引用した特許、特許出願および文献は、その内容自体が具体的に本明細書に記載されているのと同様にその内容が本明細書に対する参考として援用されるべきであることが理解される。
鍵と錠とを含む電気錠システムの分野において、電気信号によるパターンデータの照合および認証を行うことによって、ピッキングによる不正解錠を防止することができる。また、パターンデータを複雑にしたり、パターンデータの読み取りを困難にすることによって、鍵の不正複製を困難にすることができる。さらに、パターンデータを変更することによって、鍵や錠の交換を必要とせずに、盗難鍵や紛失鍵による不正解錠を防止することができる。このように、本発明は、耐ピッキング性や複製困難性が向上した安全性が高い電気錠システム30を、盗難や紛失が生じても交換せずに利用することができるため、非常に有用である。
10 鍵
11 絶縁体で構成された鍵の外型
12 鍵側パターン回路
13 鍵側接点
14 鍵側パターン回路変更用接点
20 錠
21 鍵穴
22 錠側パターン回路
23 錠側接点
23a スプリング
24 鍵接続用接点
24a パターン回路変更システム
25 解錠システム
30 電気錠システム
11 絶縁体で構成された鍵の外型
12 鍵側パターン回路
13 鍵側接点
14 鍵側パターン回路変更用接点
20 錠
21 鍵穴
22 錠側パターン回路
23 錠側接点
23a スプリング
24 鍵接続用接点
24a パターン回路変更システム
25 解錠システム
30 電気錠システム
Claims (19)
- 一または複数の接点に予め定められた電圧をパターンデータとして出力する出力手段が設けられた鍵と、該鍵の鍵側接点からの電圧が該予め定められた電圧であるか否かをパターンデータとして照合して一致した場合に、解錠制御信号を出力制御する制御手段が設けられた錠とを有する電気錠システムであって、
該錠は、該制御手段の照合用のパターンデータを変更可能とするパターン変更手段を有する電気錠システム。 - 前記制御回路は、電源電圧、接地電圧およびこれら以外の一または複数の特定電圧のうち少なくとも該電源電圧または特定電圧を供給する電圧供給回路と、前記鍵からのパターンデータを照合するパターンデータ照合回路とを有する請求項1に記載の電気錠システム。
- 前記パターンデータ照合回路は前記錠に内蔵されたハードウェア回路で構成されており、前記パターン変更手段は、該錠のハードウェア回路の回路構成を変更することにより該制御手段の照合用のパターンデータを変更する請求項2に記載の電気錠システム。
- 前記出力手段は、電源電圧および接地電圧が供給されることにより、前記予め定められた電圧をパターンデータとして出力可能とするパターンデータ出力回路を有する請求項1または2に記載の電気錠システム。
- 前記パターンデータ出力回路は前記鍵に内蔵されたハードウェア回路で構成されており、該鍵のハードウェア回路の回路構成が変更されることにより該出力手段のパターンデータが変更される請求項4に記載の電気錠システム。
- 前記パターンデータ照合回路およびパターンデータ出力回路のうち少なくともパターンデータ照合回路は、前記ハードウェア回路の回路構成の変更が可能なフィールドプログラマブルゲートアレイで構成されている請求項3または5に記載の電気錠システム。
- 前記パターン変更手段は回路変更システムで構成されており、前記制御手段の照合用のパターンデータに応じて、前記出力手段のパターンデータを変更可能とする請求項1または6に記載の電気錠システム。
- 前記出力手段の変更用接点を、前記制御手段が前記回路変更システムを介して接続された鍵接続用接点に接続することにより、該回路変更システムが、該制御手段の照合用のパターンデータに対応した回路構成に該出力手段の回路構成を変更可能とする請求項7に記載の電気錠システム。
- 前記出力手段の変更用接点を、前記制御手段が前記回路変更システムを介して接続された鍵接続用接点に接続する場合にのみ、該回路変更システムが、該制御手段の照合用のパターンデータに対応した回路構成を変更可能とすると共に、変更した該制御手段の回路構成に該出力手段の回路構成を変更可能とする請求項7に記載の電気錠システム。
- 前記出力手段の変更用接点は、前記錠の鍵穴に挿入されない前記鍵の外壁部分に設けられている請求項8または9に記載の電気錠システム。
- 前記鍵の接点は、前記予め定められた電圧が供給される一または複数のレベル入力接点と、該レベル入力接点から供給された電圧を用いて前記パターンデータとして電圧出力する一または複数のパターン出力接点とを有する請求項1に記載の電気錠システム。
- 前記出力手段は、前記レベル入力接点から供給された電圧をそのままの電圧で前記パターン出力接点から前記パターンデータとして出力する請求項11に記載の電気錠システム。
- 前記出力手段は、前記レベル入力接点から供給された電圧を用いて、前記パターン出力接点から前記パターンデータとして一または複数の異なる電圧を出力する請求項11に記載の電気錠システム。
- 前記錠には前記鍵を挿入可能とする鍵穴が設けられ、該鍵が該鍵穴に挿入されたときに、一または複数の錠側接点から、それ毎に対応した鍵側接点に予め定められた電圧を供給可能とする請求項1に記載の電気錠システム。
- 前記錠には前記鍵を挿入可能とする鍵穴が設けられ、該鍵が該鍵穴に挿入されたときに、前記出力手段は、一または複数の錠側接点から、それ毎に対応した鍵側接点に電源電圧が供給され、一または複数の錠側接点から、それ毎に対応した鍵側接点に接地電圧が供給されて駆動する請求項1または4に記載の電気錠システム。
- 前記錠には前記鍵を挿入可能とする鍵穴が設けられ、該鍵が該鍵穴に挿入されたときに、前記出力手段から予め定められた電圧がパターンデータとして一または複数の鍵側接点から、それ毎に対応した錠側接点に供給可能とする請求項1、14および15のいずれかに記載の電気錠システム。
- 前記出力手段は、錠側接点から鍵側接点に印加された予め定められた電圧を用いて前記鍵のパターンデータを生成する請求項1、14〜16のいずれかに記載の電気錠システム。
- 前記予め定められた電圧は、電源電圧、接地電圧および、これら以外の一または複数の特定電圧のうち少なくとも該電源電圧または特定電圧である請求項1、14〜17のいずれかに記載の電気錠システム。
- 前記錠は、前記制御手段からの解錠制御信号によって解錠動作を行う解錠手段を更に有する請求項1に記載の電気錠システム。
Priority Applications (1)
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JP2004045536A JP2005232881A (ja) | 2004-02-20 | 2004-02-20 | 電気錠システム |
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JP2004045536A Withdrawn JP2005232881A (ja) | 2004-02-20 | 2004-02-20 | 電気錠システム |
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Cited By (1)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
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CN103774924A (zh) * | 2014-02-14 | 2014-05-07 | 成都泰然科技有限公司 | 防盗锁芯及解锁的方法 |
-
2004
- 2004-02-20 JP JP2004045536A patent/JP2005232881A/ja not_active Withdrawn
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