JP2005231366A - 可変長プレパルスを使用する熱流体ジェット液滴の体積制御方法及び装置 - Google Patents
可変長プレパルスを使用する熱流体ジェット液滴の体積制御方法及び装置 Download PDFInfo
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Abstract
【課題】 熱流体ジェット流体噴出ヘッドの液滴体積を制御するための方法及び装置を提供する。
【解決手段】 流体噴出ヘッドは複数の液滴噴出器を有し、複数の液滴噴出器の各々は、流体噴出ヘッドからインク滴を噴出するために、入力信号に応答して作動する加熱素子を有する。該方法は、流体ジェットアセンブリが作成する画像に対応する複数の印字信号を流体噴出ヘッドに印加することと、異なる期間の少なくとも二つのプレパルス信号を流体噴出ヘッドに印加することと、少なくとも二つのプレパルス信号および複数の印字信号を使用して、所望の液滴体積が得られるように加熱素子を作動させることと、を含む。
【選択図】図2
【解決手段】 流体噴出ヘッドは複数の液滴噴出器を有し、複数の液滴噴出器の各々は、流体噴出ヘッドからインク滴を噴出するために、入力信号に応答して作動する加熱素子を有する。該方法は、流体ジェットアセンブリが作成する画像に対応する複数の印字信号を流体噴出ヘッドに印加することと、異なる期間の少なくとも二つのプレパルス信号を流体噴出ヘッドに印加することと、少なくとも二つのプレパルス信号および複数の印字信号を使用して、所望の液滴体積が得られるように加熱素子を作動させることと、を含む。
【選択図】図2
Description
本発明は、熱流体ジェットプリンタに使用される方法及び装置に関する。即ち、少なくとも一つの流体噴出ヘッドを有する熱流体ジェットアセンブリを使用する方法、及び、熱流体滴噴出器に関する。
熱流体ジェット流体噴出ヘッドは、複数の液滴エミッタから流体の液滴を選択的に噴出して、紙などの画像受容部材上に所望の画像を形成する。流体噴出ヘッドは一般的に、流体を画像受容部材へ運ぶ液滴エミッタのアレイを含む。キャリッジ型流体ジェット流体噴出ヘッドでは、流体噴射ヘッドは画像受容部材に対して相対的に往復移動して、帯状に画像を印字する。
あるいは、アレイを画像受容部材の幅全体にわたって延在させ、全幅流体噴出ヘッドを形成する。画像受容部材が液滴エミッタのアレイに略直角の方向に移動する際、全幅流体噴出ヘッドは静止したままである。
熱流体ジェット流体噴出ヘッドは一般的に、毛管チャネルのような複数の流体通路を含む。各チャネルは液滴エミッタを有し、流体供給マニホルドに接続される。マニホルドからの流体は各チャネル内に保持される。次いで、各チャネル内の抵抗加熱素子に印加される適切な信号に応答して、加熱素子に隣接するチャネル部分の流体が急速に加熱される。チャネル内の流体の一部の急速な加熱および蒸発により気泡が発生し、これによって、インク滴または主インク滴および、より小さいサテライト滴のような、或る量の流体が、エミッタから画像受容部材に噴出する。特許文献1(ホーキンス)は、典型的な流体ジェット流体噴出ヘッドの一般的構成を示しており、本明細書中にこの開示を参照によって全体として援用する。
特許文献2(スミス等)は、インクを噴出するためだけでなく、温度を予め定められた値の近くに維持するためにも、流体噴出ヘッドの加熱素子を使用することによって流体噴出ヘッドの温度を一定に維持する、流体ジェットシステムを開示しており、本明細書中にこの開示を参照によって全体として援用する。流体噴出ヘッドの温度は流体噴出ヘッドの熱モデルと比較して、流体噴出ヘッドの温度を制御するための情報が提供される。低温時には、流体の液滴を噴出させる電圧閾値未満の低エネルギパルスが、各チャネルまたはノズルに送られる。あるいは、流体噴出ヘッドは、或る量のインク滴を画像受容部材の表面上にではなく、外部チャンバまたは「スピツーン」中に発射することで加熱される。
特許文献3は、記録ヘッドの発熱要素によって生じる熱エネルギによってインクを噴出させる、流体ジェット記録方法および装置を開示しており、本明細書中にこの開示を参照によって全体として援用する。特許文献3では、噴出される全てのインク滴に対し、複数の駆動パルスを駆動回路が熱発生要素に印加する。複数の駆動パルスは、加熱器に隣接するインクの温度を気泡を発生させることなく上昇させるために使用される第一駆動パルス、および第一駆動パルスに続く、インクを噴出するための第二駆動パルスを含む。加えて、第一駆動パルスの幅は、噴出されるインクの量を変化させるために調整可能である。
特許文献4は、記録ヘッドの温度の変動に基づき、記録ヘッドに供給される駆動パルスを変更することによってインク噴出量を制御する、熱流体ジェット記録方法および装置を開示しており、本明細書中にこの開示を参照によって全体として援用する。インク温度を制御するために予熱パルスがインクに印加され、インク気泡を形成させない値に設定される。所定時間間隔後に主加熱パルスが印加され、これによりインク気泡が形成されて、インクの主滴およびサテライト滴のような一つまたはそれ以上の液滴が、インクチャネルから噴出する。
特許文献5には、広範囲にわたるプリントヘッド作動温度で、プリントヘッドノズルから噴出されるインク液滴の体積を制御するサーマルインクジェットプリントヘッドが記載されている。特許文献6には、プレパルスを用いて液滴体積を制御するサーマルインクジェットプリントヘッドが記載されている。
米国特許第4,774,530号
米国特許第4,791,435号
欧州特許第0496525号
欧州特許第0505154号
米国特許第6,422,677号
米国特許第6,698,862号
本発明は、複数の液滴噴出器を有する流体噴出ヘッドを使用するための方法および装置を提供する。
本発明は、プレパルスの期間を変化させるためのシステムおよび方法を更に提供する。
本発明は、プレパルスの期間を変化させて、流体噴出器を順次予熱して発射するためのシステムおよび方法を更に提供する。
様々な例示的実施形態で、第一の組のプレパルスは第二の後続の組のプレパルスより期間が長く、それによって所定のエネルギ入力に対する液滴体積を最大化する。
様々な例示的実施形態で、複数のプレパルスを有するパルス列を使用して、最初に長いプレパルスを使用し、その後に、インク層の温度が上昇したところで、続いてより小さいプレパルスを用いる。長いプレパルスは最初に、エネルギがインクへより深く浸透する結果となり、したがって、生じる液滴はより大きくかつ高速になる。この結果、インク/加熱器境界層の温度がより一貫して制御され、早期の気泡核形成の可能性が低減される。
様々な例示的実施形態で、各噴出器は、或る量の流体を流体噴出ヘッドから画像受容部材に向けて放出するために、入力またはデータ信号に応答して作動可能な加熱素子を有する。一連の可変期間プレパルスから成るパルス列が、入力信号として使用される。パルス列は、例えば流体噴出ヘッドの温度に基づいて決定することができる。
様々な例示的実施形態で、流体噴出ヘッド全体における選択されたチャネルの、順次および累積的な、プレパルスの発信(点弧)、及び最終または液滴形成パルスの発信は、可能な速度の中で最速の液滴速度を達成する方法で実行される。
様々な例示的実施形態で、流体噴出ヘッド全体における選択されたチャネルの、順次および累積的な、プレパルスの発信、及び最終または液滴形成パルスの発信は、プリンタ制御装置から印字データアレイに画像データをロードすることによって実行される。加熱素子は次いで、流体噴出ヘッド制御装置で発生するパルス列によって制御される順序で点弧(加熱)される。パルス列は、結果的に可能な最大液滴体積範囲が得られるような方法で、加熱素子の点弧を順序付けるようにクロック制御される。
本発明の様々な例示的実施形態で、可変長プレパルスと共に波形を使用することにより、液滴質量を実質的温度およびパルス列の範囲にわたって安定させることができる。これらの任意の波形を、流体噴出ヘッド回路設計が読み取る。
本発明の他の目的、利点、および特徴は、本発明の例示的実施形態を開示する添付の図面に関連して述べる、以下の詳細な説明から明らかになるであろう。
本発明の請求項1に記載の発明は、少なくとも一つの流体噴出ヘッドを有する熱流体ジェットアセンブリを使用する方法であって、前記少なくとも一つの流体噴出ヘッドが複数の流体噴出器を有し、前記複数の流体噴出器の各々が、前記少なくとも一つの流体噴出ヘッドから流体滴を噴出させるためにデータ信号に応答して作動する加熱要素を有しており、受け取ったデータ信号に応答して、複数の可変期間プレパルスを前記少なくとも一つの流体噴出ヘッドに印加することと、前記複数の流体噴出器のうちの選択された流体噴出器を作動させる少なくとも一つのパルスを、前記少なくとも一つの流体噴出ヘッドに印加することと、を含むことを特徴とする。
本発明の請求項2に記載の発明は、請求項1に記載の発明において、前記流体噴出ヘッドへの前記複数のプレパルスのうちの少なくとも二つが異なる期間を有することを特徴とする。
本発明の請求項3に記載の発明は、請求項1に記載の発明において、前記複数のプレパルスの波形を制御して、前記少なくとも一つの流体噴出ヘッドから噴出される流体滴の所望の体積を達成することをさらに含むことを特徴とする。
本発明の請求項4に記載の発明は、請求項1に記載の発明において、前記複数のプレパルスの波形を制御して、受容媒体上で所望のグレーレベルを達成することをさらに含むことを特徴とする。
本発明の請求項5に記載の発明は、請求項1に記載の発明において、前記複数のプレパルスが、後続の第二の組のプレパルスより期間が長い第一の組のプレパルスを含むことを特徴とする。
本発明の請求項6に記載の発明は、請求項1に記載の発明において、前記複数の可変期間プレパルスをルックアップテーブルから読み出すことをさらに含むことを特徴とする。
本発明の請求項7に記載の発明は、請求項1に記載の発明において、前記流体噴出ヘッドへの前記複数の可変期間プレパルスが、前記流体噴出ヘッドを加熱することを特徴とする。
本発明の請求項8に記載の発明は、請求項1に記載の発明において、前記流体噴出ヘッドの前記複数の可変期間プレパルスが、前記流体噴出ヘッド内に含まれる流体を加熱することを特徴とする。
本発明の請求項9に記載の発明は、請求項8に記載の発明において、前記流体がインクまたは薬剤であることを特徴とする。
本発明の請求項10に記載の発明は、請求項1に記載の発明において、前記複数の可変期間プレパルスが、前記流体噴出ヘッドの温度、使用される流体の種類、印字モードの種類、および前記流体噴出ヘッドの物理的特性のうちの少なくとも一つに基づいて決定されることを特徴とする。
本発明の請求項11に記載の発明は、請求項10に記載の発明において、前記流体噴出ヘッドの前記物理的特性の一つが、流体噴出ヘッドの種類、流体噴出ヘッドの面積、流体噴出ヘッドの形状、または流体噴出ヘッドの層構造を含むことを特徴とする。
本発明の請求項12に記載の発明は、請求項1に記載の発明において、前記流体噴出ヘッドがプリントヘッドであることを特徴とする。
本発明の請求項13に記載の発明は、請求項1に記載の発明において、流体ジェットアセンブリが作成する画像に対応する複数の印字信号を前記流体噴出ヘッドに印加することをさらに含むことを特徴とする。
本発明の請求項14に記載の発明は、請求項1に記載の発明において、前記複数の可変期間プレパルスが複数の可変期間非核形成電気プレパルスであることを特徴とする。
本発明の請求項15に記載の発明は、請求項1に記載の発明において、前記少なくとも一つのパルスが少なくとも一つの核形成電気パルスであることを特徴とする。
本発明の請求項16に記載の発明は、プリンタ制御装置から印字データを受け取るように構成された印字データ格納要素と、流体噴出ヘッド制御装置または前の液滴噴出器のいずれかから異なる期間の少なくとも二つのプレパルスおよび少なくとも一つのパルスを含むパルスデータを受け取り、前記パルスデータを所定の遅延後に次の液滴噴出器に送るように構成されたパルスデータ遅延要素と、加熱要素と、前記データ格納要素が印字データを含み、かつ前記パルスデータ遅延要素がパルスデータを含むときに、前記印字データおよび前記パルスデータに従って前記加熱要素を作動させる組合せ要素と、を備えたことを特徴とする。
本発明の請求項17に記載の発明は、請求項16に記載の発明において、前記少なくとも二つのプレパルスが少なくとも二つの非核形成電気プレパルスであることを特徴とする。
本発明の請求項18に記載の発明は、請求項16に記載の発明において、前記少なくとも一つのパルスが少なくとも一つの核形成電気パルスであることを特徴とする。
本発明の請求項19に記載の発明は、請求項16に記載の発明において、前記パルスデータが、前記加熱要素に印加される前に、前記パルス遅延要素によって格納されることを特徴とする。
本発明の請求項20に記載の発明は、請求項16に記載の発明において、前記少なくとも一つのパルス信号を印加する前に、前記印字データが前記印字データ格納要素によって格納されることを特徴とする。
本発明の請求項21に記載の発明は、請求項16に記載の発明において、前記パルスデータが受容媒体上で所望のグレーレベルを達成することを特徴とする。
本発明の請求項22に記載の発明は、請求項16に記載の発明において、前記パルスデータがルックアップテーブルに格納されることを特徴とする。
本発明の請求項23に記載の発明は、請求項17に記載の発明において、異なる期間の前記少なくとも二つの非核形成電気プレパルスが、噴出器の温度、使用されるインクの種類、行われる印刷の種類、および噴出器の物理的特性のうちの少なくとも一つに基づいて決定されることを特徴とする。
本発明の請求項24に記載の発明は、請求項23に記載の発明において、前記噴出器の物理的特性が、噴出器の種類、噴出器の面積、噴出器の形状、または噴出器の層構造を含むことを特徴とする。
本発明の請求項25に記載の発明は、請求項17に記載の発明において、前記少なくとも二つの非核形成電気プレパルスが前記噴出器を加熱することを特徴とする。
本発明の請求項26に記載の発明は、請求項17に記載の発明において、前記少なくとも二つの非核形成電気プレパルスが前記噴出器内に含まれる流体を加熱することを特徴とする。
本発明の請求項27に記載の発明は、請求項16に記載の発明において、前記パルスデータが、前記噴出器から噴出される流体滴の所望の体積に基づくことを特徴とする。
本発明の請求項28に記載の発明は、請求項16に記載の発明において、前記組合せ要素が非隣接加熱要素を同時に作動させることを特徴とする。
本発明を図面に関連して説明するが、図面において同様の参照番号は同様の要素を示す。
単純かつ明快にするために、本発明に係るシステムおよび方法の様々な例示的実施形態の動作原理および設計要素について、図1に示すキャリッジ型流体ジェットプリンタ2の一つの例示的実施形態、および図2に示す流体噴出ヘッド30の一つの例示的実施形態を参照しながら説明する。
流体ジェットプリンタ2および流体噴出ヘッド30の動作の基本的説明は、本発明を組み込む如何なる流体噴出システムの理解および設計にも当てはまる。本発明のシステムおよび方法を流体ジェットプリンタ2および流体噴出ヘッド30に関連して説明するが、本発明に係るシステムおよび方法は、いずれかの他の公知または今後開発される流体ジェット噴出システムにも使用することができる。
図1は、キャリッジ型熱流体ジェットプリンタ装置2を示す。液滴生成チャネルの線形アレイは、二つの平行なガイドレール22に取り付けられた流体噴出ヘッド4に収容される。あるいは、液滴生成チャネルの線形アレイは、受容媒体8の幅全体にわたって延在する。流体噴出ヘッド4が矢印14で示される走査軸に沿って受容媒体8を横切るたびに、受容媒体8に向かって、複数のインクまたは薬剤液滴6が発射される。受容媒体8はシート状の紙等であり、予め選択された距離だけ、矢印12で示される処理方向にモータ10によって用紙送りされる。受容媒体8は供給ロール16に収めることができ、モータ10または当業者に公知の他の手段によって巻取りロール18に用紙送りすることができる。
流体噴出ヘッド4は、二つの平行なガイドレール22に沿って往復運動する支持ベース20上に不動に取り付けられる。あるいは、様々な例示的実施形態では、支持ベース20は単一の軸に沿って往復運動し、この際スロットが回転を防止する(図示せず)。流体噴出ヘッド4はケーブル24および一対のプーリ26によって往復運動し、プーリの一方は可逆モータ28によって動力を供給される。あるいは、様々な他の例示的実施形態では、流体噴出ヘッド4はモータ駆動ベルト(図示せず)によって移動する。流体噴出ヘッド4は一般的に、受容媒体8がモータ10によって移動する方向に対して直角に、受容媒体8を横切って移動する。言うまでもなく、キャリッジアセンブリ5を往復運動させるために使用可能ないずれかの他の公知または今後開発される実施形態を、熱流体ジェットプリンタ装置2に使用することができる。
図2は、典型的な流体ジェット流体噴出ヘッド4の一実施形態のインク滴エミッタまたは噴出器30の一つの例示的実施形態を示す。典型的な熱流体ジェット流体噴出ヘッド4には上述のようなエミッタ30が複数備えられる。図2はサイドシュータ型エミッタを示すが、ルーフシュータ型エミッタなど、他のエミッタを同様に、本発明に係るシステム、方法、およびアーキテクチャと共に使用することができる。例示的実施形態では、エミッタ30は、1インチ当たり300個以上の線形アレイの大きさとされ、配列される。当業者には周知の通り、他の寸法を使用することができる。
複数のインクチャネルを有するシリコン部材は、「ダイモジュール」または「チップ」として知られている。各ダイモジュールは、300分の1インチ以下の間隔で、数百個、数千個、またはそれ以上のエミッタ30を含むことができる。例示的全幅熱流体ジェット流体噴出ヘッドは、画像が印字される受容媒体の全幅にわたって延在する全幅アレイを形成する、一つまたはそれ以上のダイモジュールを有する。複数のダイモジュールを有する流体噴出ヘッドでは、ダイモジュールが各々インク供給マニホルドを含み、あるいは複数のダイモジュールが共通インク供給マニホルドを共用する。
各エミッタ30は、オリフィスまたはノズル34で終端する毛管チャネル32を含む。毛管チャネル32は、インクなどの流体36を或る量保持するが、この流体はインクに限らず、流体の液滴が放出されるときまで毛管チャネル32内に維持する。各毛管チャネル32は、流体供給マニホルド(図示せず)からの流体の供給部に接続される。上部基板38は厚膜層44に隣接して配置され、厚膜層44は、一方では下部基板42に隣接する。
アドレス電極52は厚膜層44と下部基板42との間に位置する。アドレス電極52は、厚膜層44の開口54内に配置された一つまたはそれ以上の電気加熱素子46への電流を制御し、かつ通電する。流体噴出ヘッド内の噴出器30の各々は、各自の加熱素子46および個々のアドレス電極52を有する。様々な例示的実施形態で、アドレス電極52はパッシベーション層40および絶縁層50によって保護される。各アドレス電極52および対応する加熱素子46は、以下で詳述するように、制御回路機構によって選択的に制御されて、加熱素子46と接触する流体36の加熱により流体36の蒸気泡を形成し成長させて、その後、インクの液滴56が流体噴出ヘッド4から噴出される。流体噴出ヘッドの他の公知または今後開発される実施形態も、本発明の範囲内で使用される。
動作中、熱流体ジェット流体噴出ヘッドは、各流体液滴を噴出するために、複数のパルスを加熱素子に印加する。零またはそれ以上の可変長前駆パルスすなわち加熱パルスまたはプレパルスが加熱素子によって印加されて、加熱素子に隣接する流体が加熱される。その後、印字パルス、すなわち駆動パルス、点弧パルス、または主パルスが加熱素子に印加される。流体液滴は、印字パルスによって噴出される。プレパルスは、加熱素子に隣接する流体の温度を上昇させるために使用され、加えて、流体液滴の体積を制御するために使用される。プレパルスには、流体液滴を放出させるのに充分なエネルギが含まれず、流体が当初から充分に高い温度である場合には、プレパルスを印加する必要は全くない。
より詳細には、本発明に係る熱流体ジェット印字プロセスにおいて、制御回路機構を使用して電源からアドレス電極に信号が印加されると、加熱素子は通電される。これによって、加熱素子の温度のみならず、加熱素子と物理的に接触している流体の温度も、非常に急速に上昇する。インクの温度は、沸点より高くなるまで上昇する。インクの温度が上昇し続けると、加熱素子が充分な大きさおよび/または持続時間で通電された場合、加熱素子の周りの流体は過熱状態になる。すなわち、この流体の通常の沸点温度を越えて加熱される。この時点で、加熱素子に直接隣接する流体は気化し、流体の気化した気泡57(図2の参照番号57)が形成される。
蒸気泡は、様々な例示的実施形態で数十または数百気圧となり得る初期の高い蒸気圧下で膨張し始め、慣性作用のため膨張し続ける。
蒸気泡のサイズが大きくなるにつれて、一つには蒸気泡の体積増加のために、蒸気泡の圧力が低下する。しかし、蒸気泡の圧力は、初期膨張時の蒸気泡との界面に存する流体による冷却のためにも低下する。この冷却は、気泡−流体界面における流体の蒸発のためだけでなく、蒸気泡から周囲の流体への熱伝達のためにも発生する。
蒸気泡の初期成長の後、加熱素子は流体と接触しなくなる。その結果、蒸気泡のその後の成長は、本質的に加熱素子の温度に影響されない。従って蒸気泡の最終的な大きさ、そしてノズルから噴出される流体の液滴の大きさは、蒸気泡の核形成時に加熱素子と接触していた過熱流体の層に蓄えられたエネルギに依存する。流体噴出ヘッドおよびインクの温度が高い方が、インク温度が核形成値に達したときに加熱素子に隣接する過熱流体に蓄えられるエネルギは多い。
加えて、流体の粘性は流体の温度に依存する。特に、流体温度が高いと粘性は低くなり、同様に流れ抵抗が低減する。こうして温度が高いことによって、より多くのエネルギが流体内の過熱層に蓄えられ、流体液滴の噴出に関わる瞬間的な流れに対する抵抗がより低くなる。その結果、液滴体積は流体噴出ヘッドの温度と共に増加する。
蒸気泡の核形成および流体液滴の生成に利用されるのは、加熱素子で放散されるエネルギのごく一部だけである。残りの熱はダイへ流れ、また、流体噴出ヘッドまたは印字ヘッドの他の部分へ流れ、温度を上昇させる。したがって、サーマルインクジェット流体噴出ヘッドを連続使用すると、サーマルインクジェット流体噴出ヘッドの温度が上昇する。液滴質量の変化を防止する何らかのデバイス、構造、または装置を設けない限り、サーマルインクジェット流体噴出ヘッドの連続使用により、液滴の質量は増大し、これによって印字品質が低下する。加えて、サーマルインクジェット流体噴出ヘッドを使用するのは、ある範囲の周囲温度内においてである。周囲温度の変動は、上述した自己加熱効果のため、液滴質量の変動を悪化させる。
流体噴出ヘッドの温度変化に応じて単純にパルス幅または電圧を変化させる方法は、サーマルインクジェット流体噴出ヘッドの温度が変化する時に液滴体積を一定に維持する方法としては、高価な方法である。上記の生じる理由は、ひとたび蒸気泡が形成されると、蒸気泡によって加熱素子が流体から分離されるためであり、また、その電圧未満では液滴が生成されない最小またはしきい電圧が存在するためである。
加熱パルスを二つまたはそれ以上のセグメントに分割することによって、加熱素子に入力するエネルギを変動させて、蒸気泡の核形成時に過熱流体の層に蓄えられる様々なエネルギ量を提供することができる。この方法に従って、流体を局所的に加熱する一つまたはそれ以上のプレパルスを介して、エネルギが加熱素子および流体に供給される。様々な例示的実施形態で、流体は、流体の通常の沸点を超える温度に加熱されて、幾分過熱状態の流体となるが、蒸気泡を形成し成長するのに必要な温度までは加熱されない。こうして、加熱素子に隣接する流体は予熱され、比較的短いオフ時間により熱は流体内に深く拡散でき、一方、加熱素子に隣接する流体の温度は低下する。その後主または点弧パルスが、これはおそらくより長い期間を有するパルスであるが、加熱素子に提供されて、加熱素子に隣接する流体を核形成温度まで再加熱し、蒸気泡が形成され、流体の液滴が噴出される。
図3は、サーマルインクジェット流体噴出ヘッドで、従来、プレパルスおよび点弧信号がエミッタまたはエミッタの列に印加する方法を示すタイミング図である。期間T1を有する非核形成プレパルス58の後に、時間間隔T2が続き、その後次に同じく期間T1を有する一つまたはそれ以上のプレパルス58が続き、エミッタまたはエミッタ列Aに印加されて、流体を加熱し、かつ/または噴出される流体滴の大きさを制御する。この後に、期間T3を有する緩和時間間隔64が続く。次いで、期間T4を有する印字パルス60が特定のエミッタまたはエミッタ列Aに印加される。同時に、またはその後に、期間T1を有するパルス58の後に、時間間隔T2が続き、その後次に、同じく期間T1を各々有する一つまたはそれ以上の前駆パルス58が続き、その後に第二緩和時間間隔64が続き、印字パルス60がエミッタまたはエミッタ列Bに印加される。流体滴を噴出する必要のあるすべてのエミッタまたはすべてのエミッタ列がアドレス指定されるまで、流体噴出ヘッド全体にわたってこのプロセスは順次続く。
図4は、従来の、図3に示したプレパルス波形によって駆動される流体噴出ヘッドの加熱素子に隣接する流体の温度対時間経過グラフを示す。図4はまた、加熱素子の温度140、流体またはインクの温度150、および流体36に供給された電流160に対応するプロットを示す。図4に示す通り、加熱素子の温度140は各プレパルスの終了時にピーク値をとり、ピーク値レベルは増加の一途をたどる。流体噴出を要するまでの間、加熱素子の温度140は初期の核生成温度未満に常に維持されなければならないので、最も重要なプレパルスは、プレパルス列の終端に向かうプレパルスであることを理解すべきである。
図5は、熱流体ジェット流体噴出ヘッドにおける複数のプレパルスに対する、最適な加熱素子温度履歴対時間のグラフを示す。加熱素子の温度140が、時間単位0と0.2との間に示されるように、Teの直下まで非常に速く上昇し、主点弧パルスが時間単位4で印加されるまで、Teの直下の温度で一定に維持され、主点弧パルスの印加により加熱素子の温度140が核形成温度Teを越えて上昇し、これによって流体の液滴が受容媒体8に噴出されるように、プレパルス列を調整することが最適である。したがって、最適化された波形によって、比較的短時間で加熱面の温度が上昇し、核形成温度Te直下の一定温度を維持し、次いで加熱素子の温度140が核形成温度まで上昇する。最適な方法によって、大量の熱ではあるが核を形成しない量の熱が初期にもたらされるので、インク内に深く伝播できるだけの時間が有る。これによって過熱流体の体積が最大になり、早期核形成キャップの直下の温度が維持され、結果的に過熱流体層のエネルギおよびその結果生じる蒸気泡の大きさが最大になる。
上述のような最適波形を形成するために、様々な要素を考慮することができる。種々の例示的実施形態で、これらの要素には例えば、流体噴出ヘッドの形状、印字モードに依存する噴出すべき流体の量、チャネルの形状、加熱素子の形状、流体の特性等が含まれる。加熱素子の形状には例えば、加熱素子の型、加熱素子の面積、加熱素子の形、および加熱素子の層構造が含まれる。上記要素の一つまたはそれ以上を利用して、どのプレパルスを使用するかを決定することができる。
さらに、最適波形を得るために、次の要因も考慮可能である。すなわち、所望の液滴速度、所望の液滴体積、プレパルスモデル化、および図8から図10に関連して後述するように実証試験を用いて生成された実際の収集データを考慮することもできる。
図6は、熱流体ジェット流体噴出ヘッドにおける複数のプレパルスに対する、効果的な加熱器温度履歴対時間をプロットしたグラフを示す。図6は、プレパルス間の時間間隔が一定で、プレパルス加熱勾配が一定で、かつプレパルス間の冷却勾配が逐次小さくなる、加熱器の温度履歴のグラフを示す。逐次小さくなる冷却勾配とは、新しいプレパルスが各々それ前のプレパルスの何れよりも高い温度から始まることを意味し、これによって、主点弧パルスが発射される時間になるまで、核形成温度Teを超えるのを防止するために、短いプレパルスが生成される。
この加熱器の温度特性または挙動は、時間0から時間0.5までの温度上昇部を促進する初期パルス、例えばプレパルスを使用することによって達成される。時間0.5で初期パルスが無くなると、加熱素子は冷却し始め、次いで加熱素子は時間1で第二プレパルスにより再び作動(加熱)される。第二プレパルスが供給されるときに加熱素子はより高い温度になっているので、第二プレパルスは一般的に、最初のプレパルスより短いプレパルスになる。この第二プレパルスにより加熱素子は臨界核形成温度Teに向けて加熱される。次いで第二プレパルスは時間1.5で供給が停止する。次に、加熱素子は時間1.8で第三プレパルスにより再び作動(加熱)され、臨界核形成温度に向けて再び加熱される。次いで第三プレパルスは時間2.3で供給が停止する。加熱素子は再び冷却し始め、時間4.5で主点弧パルスを発射する時間になるまで、第四、第五等のプレパルスが同様に印加される。次いで、時間4.5で加熱素子の温度は急上昇し、核形成温度Teを超え、これによって蒸気泡が核形成され、流体液滴が生成される。
図7は、本発明に係る可変長プレパルス列の一つの例示的実施形態を示す。プレパルスP1からP7、例えば非核形成パルスの印加目的は、主パルス、例えば核形成パルスを印加して過熱流体層をより厚くすることを達成する前に、加熱素子の加熱器表面に隣接する流体層を予熱することである。過熱層をより厚くすることで、結果的により大きな蒸気泡が生じ、次いでより高速かつより大きな液滴を生じる。
熱流体ジェット加熱器を駆動するパルス列を設計するときに一般的に考慮する必要のある現象の一つは干渉である。これはプレパルス印加段階中に小さな蒸気泡が核形成することを指し、早期核形成としても知られる。早期核形成が発生すると、主パルスを印加する結果生じる蒸気泡は、実際には、プレパルスの無い場合より小さくなることがあり得る。これは、主パルスが印加されたときに、プレパルス印加段階中に生成された蒸気泡が、最終的にインクを加熱器から熱的に分離することになるためである。たとえ主パルスが印加されるときまでに小さな早期核形成気泡が崩壊しても、加熱素子の加熱器表面に隣接する温度勾配の外乱は、蒸気泡の大きさに対し悪影響を及ぼすに充分である。
熱シミュレーションと組み合わせたオープンプール実験により、早期核形成が一般的にインクの核形成温度(〜300℃)より優に低い加熱器表面温度で発生することが示される。これは、気泡の成長が開始しやすい早期核形成部位として働く割れ目および不純物が、加熱器表面に存在するためであると考えられている。
より実際的性質の別の制約で、パルス列の設計に際し考慮に入れる必要のあるのは、パルス列がデジタルビットまたは有限サイズの電子クロックのチックから形成されるという事実である。典型的なチックは期間が0.1μsのオーダーである。
プレパルス印加の目的は効果的な噴出機構を得ることであるので、正確な液滴質量および正確な液滴速度を得るために必要な最小量のエネルギだけを与えることが有利である。図7に示すように、これは最初の長いプレパルスP1およびP2の後に、短いプレパルスP3、P4、P5、P6が続き、次いで最後に一つの長いパルスP7が続くことによって達成される。この実施形態は、単に長さP7の一つの主パルスだけを有するより効率的であり、かつ、図3に示すような一定の長さの多くのプレパルスおよび次に一つの主パルスを有するより効率的である。
様々な例示的実施形態では、本発明は一定の液滴体積を維持するために利用され、さらに、本発明は液滴体積を制御するために利用される。したがって、小さな液滴が所望されるときは小さな液滴を発射することができ、大きな液滴が所望されるときは、大きな液滴を形成することができる。
図8は、最適な主点弧パルス長を決定するために使用することができる、液滴速度対時間のグラフを示す。横軸の単位はマイクロ秒であり、縦軸の単位はメートル毎秒である。主パルス長に対して動作電圧を選択する。この動作電圧で、例えば1マイクロ秒の主パルス長に対して液滴速度を測定する。次いで、主パルス長を増加して(例えば1マイクロ秒から1.1マイクロ秒に)、液滴速度を再び測定する。このプロセスを最大パルス長まで、例えば4マイクロ秒まで続行する。この特定のグラフでは、1マイクロ秒から1.1マイクロ秒まで、液滴速度は増加している。1.6マイクロ秒後、液滴速度は低下する。流体噴出ヘッドで気泡干渉があるときに、加熱素子上の全ての蒸気泡が同時にバーストすることはないので、曲線は低下し始める。最適液滴速度となるのは最高液滴速度においてであり、これは1.6マイクロ秒の主パルス長で発生し、したがってこの特定の例では1.6マイクロ秒が最適な主点弧パルス長である。
図9は、流体噴出ヘッドに対する最適波形を決定するために使用される、例示的プレパルス列の実施形態のリストである。タイプ1ないし6は、プレパルスP1ないしP6を用いて様々にマッピングしたプレパルスを表し、ここでP1は最先のプレパルスであり、P6は最後のプレパルスである。P1ないしP6の下の数字はプレパルスの期間を表す。各プレパルス期間に示された単位は0.1マイクロ秒である。
例えば、タイプ1のプレパルス列の場合、単一期間のプレパルスしか無い。例えばタイプ2のプレパルス列の場合、最初のプレパルスは、タイプ2のパルス列の他のプレパルスの二倍の長さである。例えばタイプ3の場合、第一のプレパルスP1は0.3マイクロ秒であり、第二のプレパルスP2は0.2マイクロ秒であり、残りのプレパルスP3ないしP6は全て0.1マイクロ秒の長さである。例えばタイプ4の場合、第一のプレパルスP1は0.4マイクロ秒であり、第二のプレパルスP2は0.3マイクロ秒であり、第三のプレパルスP3は0.2マイクロ秒の長さであり、残りのプレパルスP4ないしP6は全て0.1マイクロ秒の長さである。例えばタイプ5の場合、第一のプレパルスP1は0.5マイクロ秒であり、第二のプレパルスP2は0.4マイクロ秒であり、第三のプレパルスP3は0.3マイクロ秒の長さであり、第四のプレパルスP4は0.2マイクロ秒の長さであり、残りのプレパルスP5およびP6は両方とも0.1マイクロ秒の長さである。例えばタイプ6の場合、第一のプレパルスP1は0.6マイクロ秒であり、第二のプレパルスP2は0.5マイクロ秒であり、第三のプレパルスP3は0.4マイクロ秒の長さであり、第四のプレパルスP4は0.3マイクロ秒の長さであり、第五のプレパルスP5は0.2マイクロ秒の長さであり、第六のプレパルスP6は0.1マイクロ秒の長さである。
図9では、主パルス長も0.1マイクロ秒単位で示す。この主パルス長は図8で決定された最適な主パルス長である。
図10は、図9に示したプレパルスの数(横軸)およびプレパルスのタイプ(縦軸)から生成された液滴速度の等高線図の例示的実施形態である。グラフの最左端部分は、7〜8メートル毎秒(m/s)の液滴速度を表す領域を示す。グラフの最左端部分から一つ右側は、8〜9m/sの液滴速度を表す領域を示す。次いで8〜9m/s領域の右側は、9〜10m/sの液滴速度を図示する。さらに右に向かうと、グラフは10〜11m/s、11〜12m/sの液滴速度を表す領域、および達成される最高速度である12〜13m/sの液滴速度を表す領域を示す。12〜13m/s領域の右に向かって続けると、グラフの速度は低下する。
最適可能(イネーブル)波列は一般的に、最初低温の流体噴出ヘッドに関連して使用するときに最適であり、一般的に最速部分(図10で最も明るい色の部分として示される)、つまり12〜13m/sの液滴速度が存在するグラフの部分にある。この特定のグラフの領域/部分では、最適波列または波形は、六つのプレパルスを持つ場合のタイプ4、および五つのプレパルスを持つ場合のタイプ5である。これらの二つの最適波形の中で、最大数のプレパルスを持つもの(すなわち六個のプレパルスを持つ場合のタイプ4)が、より多くのプレパルスを有するので、最大範囲の制御を有利に達成する。したがって、流体噴出ヘッドが高い温度で始動し、加熱があまり必要とされない場合には、プレパルスが除去される。
決定された最適可能波列は、流体噴出ヘッド回路が読み出すようにルックアップテーブルに格納される。
本発明を好適な実施形態に関連して説明したが、多くの変更および変形が本発明の記載より明らかであり、このような変更および変形は全て、添付の特許請求の範囲で規定する本発明の範囲内に含まれることを意図する。
Claims (28)
- 少なくとも一つの流体噴出ヘッドを有する熱流体ジェットアセンブリを使用する方法であって、前記少なくとも一つの流体噴出ヘッドが複数の流体噴出器を有し、前記複数の流体噴出器の各々が、前記少なくとも一つの流体噴出ヘッドから流体滴を噴出させるためにデータ信号に応答して作動する加熱要素を有しており、
受け取ったデータ信号に応答して、複数の可変期間プレパルスを前記少なくとも一つの流体噴出ヘッドに印加することと、
前記複数の流体噴出器のうちの選択された流体噴出器を作動させる少なくとも一つのパルスを、前記少なくとも一つの流体噴出ヘッドに印加することと、
を含む方法。 - 前記流体噴出ヘッドへの前記複数のプレパルスのうちの少なくとも二つが異なる期間を有する、請求項1に記載の方法。
- 前記複数のプレパルスの波形を制御して、前記少なくとも一つの流体噴出ヘッドから噴出される流体滴の所望の体積を達成すること、をさらに含む、請求項1に記載の方法。
- 前記複数のプレパルスの波形を制御して、受容媒体上で所望のグレーレベルを達成すること、をさらに含む、請求項1に記載の方法。
- 前記複数のプレパルスが、後続の第二の組のプレパルスより期間が長い第一の組のプレパルスを含む、請求項1に記載の方法。
- 前記複数の可変期間プレパルスをルックアップテーブルから読み出すことをさらに含む、請求項1に記載の方法。
- 前記流体噴出ヘッドへの前記複数の可変期間プレパルスが、前記流体噴出ヘッドを加熱する、請求項1に記載の方法。
- 前記流体噴出ヘッドの前記複数の可変期間プレパルスが、前記流体噴出ヘッド内に含まれる流体を加熱する、請求項1に記載の方法。
- 前記流体がインクまたは薬剤である、請求項8に記載の方法。
- 前記複数の可変期間プレパルスが、前記流体噴出ヘッドの温度、使用される流体の種類、印字モードの種類、および前記流体噴出ヘッドの物理的特性のうちの少なくとも一つに基づいて決定される、請求項1に記載の方法。
- 前記流体噴出ヘッドの前記物理的特性の一つが、流体噴出ヘッドの種類、流体噴出ヘッドの面積、流体噴出ヘッドの形状、または流体噴出ヘッドの層構造を含む、請求項10に記載の方法。
- 前記流体噴出ヘッドがプリントヘッドである、請求項1に記載の方法。
- 流体ジェットアセンブリが作成する画像に対応する複数の印字信号を前記流体噴出ヘッドに印加すること、をさらに含む、請求項1に記載の方法。
- 前記複数の可変期間プレパルスが複数の可変期間非核形成電気プレパルスである、請求項1に記載の方法。
- 前記少なくとも一つのパルスが少なくとも一つの核形成電気パルスである、請求項1に記載の方法。
- プリンタ制御装置から印字データを受け取るように構成された印字データ格納要素と、
流体噴出ヘッド制御装置または前の液滴噴出器のいずれかから異なる期間の少なくとも二つのプレパルスおよび少なくとも一つのパルスを含むパルスデータを受け取り、前記パルスデータを所定の遅延後に次の液滴噴出器に送るように構成されたパルスデータ遅延要素と、
加熱要素と、
前記データ格納要素が印字データを含み、かつ前記パルスデータ遅延要素がパルスデータを含むときに、前記印字データおよび前記パルスデータに従って前記加熱要素を作動させる組合せ要素と、
を備えた熱流体滴噴出器。 - 前記少なくとも二つのプレパルスが少なくとも二つの非核形成電気プレパルスである、請求項16に記載の熱流体滴噴出器。
- 前記少なくとも一つのパルスが少なくとも一つの核形成電気パルスである、請求項16に記載の熱流体滴噴出器。
- 前記パルスデータが、前記加熱要素に印加される前に、前記パルス遅延要素によって格納される、請求項16に記載の熱流体滴噴出器。
- 前記少なくとも一つのパルス信号を印加する前に、前記印字データが前記印字データ格納要素によって格納される、請求項16に記載の熱流体滴噴出器。
- 前記パルスデータが受容媒体上で所望のグレーレベルを達成する、請求項16に記載の熱流体滴噴出器。
- 前記パルスデータがルックアップテーブルに格納される、請求項16に記載の熱流体滴噴出器。
- 異なる期間の前記少なくとも二つの非核形成電気プレパルスが、噴出器の温度、使用されるインクの種類、行われる印刷の種類、および噴出器の物理的特性のうちの少なくとも一つに基づいて決定される、請求項17に記載の熱流体滴噴出器。
- 前記噴出器の物理的特性が、噴出器の種類、噴出器の面積、噴出器の形状、または噴出器の層構造を含む、請求項23に記載の熱流体滴噴出器。
- 前記少なくとも二つの非核形成電気プレパルスが前記噴出器を加熱する、請求項17に記載の熱流体滴噴出器。
- 前記少なくとも二つの非核形成電気プレパルスが前記噴出器内に含まれる流体を加熱する、請求項17に記載の熱流体滴噴出器。
- 前記パルスデータが、前記噴出器から噴出される流体滴の所望の体積に基づく、請求項16に記載の熱流体滴噴出器。
- 前記組合せ要素が非隣接加熱要素を同時に作動させる、請求項16に記載の熱流体滴噴出器。
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