JP2005231262A - 紫外線照射装置、紫外線照射方法、紫外線照射条件設定プログラム及びコンピュータで読み取り可能な記録媒体並びに記憶した機器 - Google Patents

紫外線照射装置、紫外線照射方法、紫外線照射条件設定プログラム及びコンピュータで読み取り可能な記録媒体並びに記憶した機器 Download PDF

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Abstract

【課題】対象物や紫外線硬化型樹脂の温度を制御し、温度上昇を抑制可能な紫外線照射装置等を提供する。
【解決手段】紫外線照射装置は、紫外線を照射可能な一以上の半導体素子150を備える一以上のヘッド部120と、ヘッド部120が紫外線を照射する対象物Wの上限温度を含めた紫外線照射条件を設定可能な設定部140と、設定部140で設定された紫外線照射条件に従い半導体素子150を駆動するための制御部114と、半導体素子150に駆動電力を供給するための電源部112とを備えるコントローラ部110と、ヘッド部120とコントローラ部110とを電気的に接続するための電気信号線を備えるケーブル部130と、半導体素子150から紫外線が照射された対象物Wまたは対象物Wに塗布された紫外線硬化型樹脂の温度を検出するための温度検出部113とを備える。
【選択図】図1

Description

本発明は、小物部品の接着等に使用される紫外線硬化型の樹脂を硬化させる等の用途で紫外線を照射する紫外線照射装置、紫外線照射方法、紫外線照射条件設定プログラム及びコンピュータで読み取り可能な記録媒体並びに記憶した機器に関する。
従来より、医療分野での生体内外部の紫外線照射による殺菌、治療、分光(発光)診断や、鉱物や古墳深部の観察等の分野、あるいは電子部品の組み立て作業における紫外線硬化型の樹脂を硬化させる目的等に、紫外線照射装置が利用されている。この内、紫外線硬化型の樹脂を硬化させる紫外線照射装置は、レジスト皮膜の形成や印刷の分野から光ピックアップ等の組立工程における小物部品の接着固定の分野まで広く使用されている紫外線硬化型の樹脂に対して紫外線を照射する目的で利用される。このタイプの紫外線照射装置は、電源回路等を内蔵した装置本体であるコントローラと、紫外線を照射するヘッドと、これらを接続するケーブルとを備えている。コントローラに紫外線源である高圧水銀ランプや水銀キセノンランプ、メタルハライドランプ等を内蔵し、コントローラとヘッドを接続するケーブルに内蔵された石英ガラス等の光ファイバでヘッドまで紫外線を伝達して、ヘッドから樹脂が塗布された接着部に照射される。このような紫外線照射装置を用いた小物部品の接着固定方法の従来例が特許文献1に記載されている。
しかしながら、このようなランプ方式の紫外線照射装置では、ランプから照射される熱によって樹脂を塗布した対象物の温度が上昇して熱ストレスを生じるという問題があった。温度条件によっては対象物の温度が100℃以上まで上昇し、例えば光ピックアップの組み立て作業においてはレンズのコーティング剥がれやレンズ自体の変形、歪み等で不良品化するおそれがあった。この対策として、紫外線硬化型樹脂の硬化に関係のない帯域をカットする熱線カットフィルタを装着することが考えられる。しかしながら、熱線カットフィルタを挿入することにより紫外線領域の光量も低下してしまう。またこのようなフィルタでは定量的に温度上昇を抑制することが困難であり、対象物に応じて所望の温度とするような制御はできない。さらに高圧水銀ランプ等は立ち上がり、立ち下がりの反応が遅くON/OFFによる光量調整ができないため、照度調整は機械的なシャッタや絞りの開閉で行う必要があるが、微調整や高速制御ができないという問題もあった。一方で紫外線硬化型樹脂や接着材は、紫外線の照射を受けると化学反応により硬化するが、硬化反応時に反応熱を生じるため、反応が急激に進むと対象物の温度が急激に上昇し塑性変形を起こしてひずみや破損を生じることもある。
また、このような対象物の温度上昇を監視するために熱電対や放射温度計で対象物の温度を測定しようとしても、高圧水銀ランプ等は発熱が激しく、紫外線を伝達するケーブルに内蔵された光ファイバも発熱するため、対象物の近傍に熱源が存在することにより正確な温度測定が困難であった。
特開平10−209492号公報
本発明は、従来のこのような問題点を解決するためになされたものである。本発明の主な目的は、対象物や紫外線硬化型樹脂の温度を制御し、温度上昇を抑制可能な紫外線照射装置、紫外線照射方法、紫外線照射条件設定プログラム及びコンピュータで読み取り可能な記録媒体並びに記憶した機器を提供することにある。
上記の目的を達成するために、本発明の紫外線照射装置は、紫外線硬化型樹脂を硬化するための紫外線を照射する紫外線照射装置であって、紫外線源として紫外線を照射可能な一以上の半導体素子150を備える一以上のヘッド部120と、ヘッド部120が紫外線を照射する対象物Wの上限温度を含めた紫外線照射条件を設定可能な設定部140と、設定部140で設定された紫外線照射条件に従い半導体素子150を駆動するための制御部114と、半導体素子150に駆動電力を供給するための電源部112とを備えるコントローラ部110と、ヘッド部120とコントローラ部110とを電気的に接続するための電気信号線を備えるケーブル部130と、半導体素子150から紫外線が照射された対象物Wまたは対象物Wに塗布された紫外線硬化型樹脂の温度を検出するための温度検出部113とを備える。この紫外線照射装置は、温度検出部113で検出された温度に基づき、対象物Wが上限温度を超えて上昇するのを抑制するように、制御部114が半導体素子150から照射される紫外線を制御する。これによって、対象物の実際の温度をモニタしながら上限温度を超えないような紫外線照射の正確な制御が可能となり、熱による影響から対象物を確実に保護した信頼性の高い紫外線照射が実現される。
また本発明の他の紫外線照射装置は、温度検出部113で紫外線硬化型樹脂の温度の低下を検出することにより、該紫外線硬化型樹脂の硬化終了を検出可能に構成している。半導体素子を紫外線源とする紫外線照射装置においては対象物の温度上昇の主因は紫外線硬化型樹脂の反応熱であるため、温度の低下を検出することで硬化反応が終了し樹脂が硬化したことを判定できる。
さらに本発明の他の紫外線照射装置は、制御部114が半導体素子150から照射される紫外線を制御する方法がデューティの調整である。これによって、照射パターンの振幅や波形を変更することなくユーザの意図した照射パターンを維持しつつ実効的な紫外線照射量を低減して温度上昇を抑制でき、対象物を熱の影響から保護できる。
さらにまた本発明の他の紫外線照射装置は、温度検出部113で検出された温度が所定の温度を超えたとき、制御部114が半導体素子150から照射される紫外線のデューティ比をユーザの設定可能な最小時間より小さい範囲でパルス動作させるよう制御する。これによって、デューティのOFF時間を微少単位で増減でき、ユーザの意図した照射パターンを損なうことなくより精密な制御が可能となる。
さらにまた本発明の他の紫外線照射装置は、温度検出部113が対象物W又は対象物Wに塗布された紫外線硬化型樹脂と非接触で温度を検出可能な非接触式温度計で構成される。これによって対象物との接触部分を新たに設けることなく簡素な構成で温度検出が可能となり、容易に温度抑制制御が実現される。
さらにまた本発明の他の紫外線照射装置は、温度検出部113がヘッド部120と一体に構成されている。これによって温度検出部を別部材で用意することなく、紫外線照射部分と温度検出部分を一体としたヘッド部というコンパクトな構成で温度を検出して対象物の温度上昇を抑制できる。
さらにまた本発明の他の紫外線照射装置は、温度検出部113が放射温度計で構成される。これによって簡素な構成で温度検出が実現でき、対象物の温度上昇を抑制できる。
さらにまた本発明の他の紫外線照射装置は、コントローラ部110が複数のヘッド部120に対して紫外線照射条件を個別に設定可能に構成している。これによって、複数のヘッド部で独立して紫外線照射が可能となり、温度を抑制したい特定の部位のみで温度制御を行うといった個別制御も可能となり、より高度で柔軟性の高い紫外線照射制御が可能となる。
さらにまた本発明の他の紫外線照射装置は、半導体素子150が紫外線発光ダイオード151である。紫外線発光ダイオードはその出力光の波長が比較的急峻なピーク値を持ち、熱線などの成分を殆ど含まないため、対象物を加熱することなく紫外線を効果的に照射できる。また紫外線発光ダイオードは小型、低消費電力であり、しかも反応が高速であるためパルス制御によるON/OFF等を電気的に行うことができ、従来の紫外線源に高圧水銀ランプ等を使用した紫外線照射装置に比べてシャッタの開閉といった機械的動作がないため劣化や寿命の問題を解消し、信頼性高く安定して使用できる利点が得られ、温度抑制のための正確な制御が可能となる。
さらにまた本発明の他の紫外線照射装置は、設定部140がヘッド部120に紫外線照射条件を入力するための操作パネル144と、操作パネル144で設定された設定内容を表示させる表示部142を含んでいる。また操作パネル144で入力される紫外線照射条件は、紫外線の最大出力または/および照射パルスのデューティ比を含む。これにより、ユーザは紫外線の最大出力や照射パルスのデューティ比といった理解し易いパラメータで容易に紫外線出力を指定でき、また指定した紫外線照射条件を表示部で確認できる。
さらにまた本発明の他の紫外線照射装置は、設定部140で設定された紫外線照射条件に従い、検出された温度が上限温度を超えないような紫外線の照射パターンを生成するためのテスト照射モードを備える。これにより、実際の生産ライン等での紫外線照射に際して温度制御を行わずとも、予めテスト照射モードを実行して温度上昇を考慮した最適な紫外線照射条件を設定しておき、この条件に従って本番の紫外線照射は温度検出などの処理を行うことなく最適化された条件にて紫外線照射を実行するといった利用が可能となり、紫外線照射装置のより効率的な運用が可能となる。
さらにまた本発明の他の紫外線照射装置は、テスト照射モードにおいて、設定部140で設定された紫外線照射条件では検出された温度が上限温度を超えて上昇しない紫外線の照射パターンを生成できないとき、紫外線照射条件の内変更可能なパラメータを決定する優先度を設定部140から指定可能に構成している。これにより、紫外線照射条件の内ユーザが変更したくないパラメータや変更を許容できるパラメータといった峻別や優先順位の設定が可能で、所望の条件に沿った紫外線照射を得ることができる。
さらにまた本発明の他の紫外線照射装置は、テスト照射モードにおいて、設定部140で設定された紫外線照射条件では検出された温度が上限温度を超えて上昇しない紫外線の照射パターンを生成できないとき、紫外線照射条件の内最大出力または照射パルスのデューティ比の少なくともいずれかを小さく変更した照射パターンを設定するように制御部114が処理を行う。これによって、照射パターンを大きく変更することなく対象物の温度上昇を抑える制御を自動的に行わせることができる。
さらにまた本発明の他の紫外線照射装置は、テスト照射モードにおいて、対象物Wが上限温度を超えて上昇しない紫外線の照射パターンを生成後、前記温度検出部113で測定された対象物Wの最大温度または所要時間の少なくともいずれかを前記表示部142に表示可能に構成している。これによって、ユーザは得られた照射パターンの主要な条件を表示部で視覚的に確認することができる。
さらにまた本発明の他の紫外線照射装置は、テスト照射モードにおいて、対象物Wが上限温度を超えて上昇しない紫外線の照射パターンを生成後、制御部114が該照射パターンを保存可能に構成している。これによって、生成された照射パターンを保存し、この条件に従って実際の生産ライン等本番の紫外線照射を、温度検出を行うことなく最適な条件で実行できる。
また本発明の紫外線照射方法は、紫外線硬化型樹脂を硬化するための紫外線を照射する紫外線照射方法であって、紫外線を照射する対象物Wの上限温度を含む紫外線照射条件を設定するステップと、該紫外線照射条件に従って紫外線源である半導体素子150を備えるヘッド部120から紫外線照射を開始すると共に、対象物Wまたは対象物Wに塗布された紫外線硬化型樹脂の温度を測定できるように配置された温度検出部113で温度を検出するステップと、温度検出部113で検出された温度に基づき、対象物Wが上限温度を超えて上昇するのを抑制するように、半導体素子150から照射される紫外線の照射パターンを制御するステップとを有する。これによって、対象物の実際の温度をモニタしながら上限温度を超えないような紫外線照射の正確な制御が可能となり、熱による影響から対象物を確実に保護した信頼性の高い紫外線照射が実現される。
さらにまた本発明の他の紫外線照射方法は、さらに設定された紫外線照射条件に従い検出された温度が上限温度を超えないような紫外線の照射パターンを生成するテスト照射モードに移行するステップを有する。これにより、実際の生産ライン等での紫外線照射に際して温度制御を行わずとも、予めテスト照射モードを実行して温度上昇を考慮した最適な紫外線照射条件を設定しておき、この条件に従って本番の紫外線照射は温度検出などの処理を行うことなく最適化された条件にて紫外線照射を実行するといった利用が可能となり、紫外線照射装置のより効率的な運用が可能となる。
さらにまた本発明の他の紫外線照射方法は、テスト照射モードにおいて、設定部140で設定された紫外線照射条件では検出された温度が上限温度を超えて上昇しない紫外線の照射パターンを生成できないとき、紫外線照射条件の内最大出力または照射パルスのデューティ比の少なくともいずれかを小さく変更した照射パターンを設定するステップを有する。これによって、照射パターンを大きく変更することなく対象物の温度上昇を抑える制御を自動的に行わせることができる。
さらにまた本発明の他の紫外線照射方法はさらに、テスト照射モードにおいて、対象物Wが上限温度を超えて上昇しない紫外線の照射パターンを生成後、温度検出部113で測定された対象物Wの最大温度または所要時間の少なくともいずれかを表示部142に表示するステップを有する。これによって、ユーザは得られた照射パターンの主要な条件を表示部で視覚的に確認することができる。
さらにまた本発明の他の紫外線照射方法はさらに、テスト照射モードにおいて、対象物Wが上限温度を超えて上昇しない紫外線の照射パターンを生成後、制御部114が該照射パターンを保存するか否かを確認するステップを有する。これによって、ユーザは生成された照射パターンが所望の条件に合致するものであるか否かを確認でき、必要に応じて再度異なる照射パターンを生成することもできる。また所望の条件を保存することで、この条件に従って実際の生産ライン等本番の紫外線照射を、温度検出を行うことなく最適な条件で実行できる。
また本発明の紫外線照射条件設定プログラムは、紫外線硬化型樹脂を硬化するための紫外線を照射する条件を設定する紫外線照射条件設定プログラムであって、コンピュータに、紫外線を照射する対象物Wの上限温度を含む紫外線照射条件を設定する機能と、該紫外線照射条件に従って紫外線源である半導体素子150を備えるヘッド部120から紫外線照射を開始すると共に、対象物Wまたは対象物Wに塗布された紫外線硬化型樹脂の温度を測定できるように配置された温度検出部113で温度を検出する機能と、温度検出部113で検出された温度に基づき、対象物Wが上限温度を超えて上昇するのを抑制するように、半導体素子150から照射される紫外線の照射パターンを制御する機能とを実現させるためのプログラムである。これによって、対象物の実際の温度をモニタしながら上限温度を超えないような紫外線照射の正確な制御が可能となり、熱による影響から対象物を確実に保護した信頼性の高い紫外線照射が実現される。
さらにまた本発明の他の紫外線照射条件設定プログラムは、さらに設定された紫外線照射条件に従い検出された温度が上限温度を超えないような紫外線の照射パターンを生成するテスト照射モードに移行する機能を実現させる。これにより、実際の生産ライン等での紫外線照射に際して温度制御を行わずとも、予めテスト照射モードを実行して温度上昇を考慮した最適な紫外線照射条件を設定しておき、この条件に従って本番の紫外線照射は温度検出などの処理を行うことなく最適化された条件にて紫外線照射を実行するといった利用が可能となり、紫外線照射装置のより効率的な運用が可能となる。
さらにまた本発明の他の紫外線照射条件設定プログラムは、さらにテスト照射モードにおいて、設定部140で設定された紫外線照射条件では検出された温度が上限温度を超えて上昇しない紫外線の照射パターンを生成できないとき、紫外線照射条件の内最大出力または照射パルスのデューティ比の少なくともいずれかを小さく変更した照射パターンを設定する機能を実現させる。これによって、照射パターンを大きく変更することなく対象物の温度上昇を抑える制御を自動的に行わせることができる。
さらにまた本発明の他の紫外線照射条件設定プログラムは、さらにテスト照射モードにおいて、対象物Wが上限温度を超えて上昇しない紫外線の照射パターンを生成後、温度検出部113で測定された対象物Wの最大温度または所要時間の少なくともいずれかを表示部142に表示する機能を実現させる。これによって、ユーザは得られた照射パターンの主要な条件を表示部で視覚的に確認することができる。
さらにまた本発明の他の紫外線照射条件設定プログラムは、さらにテスト照射モードにおいて、対象物Wが上限温度を超えて上昇しない紫外線の照射パターンを生成後、制御部114が該照射パターンを保存するか否かを確認する機能を実現させる。これによって、ユーザは生成された照射パターンが所望の条件に合致するものであるか否かを確認でき、必要に応じて再度異なる照射パターンを生成することもできる。また所望の条件を保存することで、この条件に従って実際の生産ライン等本番の紫外線照射を、温度検出を行うことなく最適な条件で実行できる。
また本発明のコンピュータで読み取り可能な記録媒体または記憶した機器は、請求項21から25のいずれかに記載された紫外線照射条件設定プログラムを格納するものである。記録媒体には、CD−ROM、CD−R、CD−RWやフレキシブルディスク、磁気テープ、MO、DVD−ROM、DVD−RAM、DVD−R、DVD+R、DVD−RW、DVD+RW、Blu−ray、HD DVD(AOD)等の磁気ディスク、光ディスク、光磁気ディスク、半導体メモリその他のプログラムを格納可能な媒体が含まれる。またプログラムには、上記記録媒体に格納されて配布されるものの他、インターネット等のネットワーク回線を通じてダウンロードによって配布される形態のものも含まれる。さらに記憶した機器には、上記プログラムがソフトウェアやファームウェア等の形態で実行可能な状態に実装された汎用もしくは専用機器を含む。さらにまたプログラムに含まれる各処理や機能は、コンピュータで実行可能なプログラムソフトウエアにより実行してもよいし、各部の処理を所定のゲートアレイ(FPGA、ASIC)等のハードウエア、又はプログラムソフトウエアとハードウェアの一部の要素を実現する部分的ハードウエアモジュールとが混在する形式で実現してもよい。
本発明の紫外線照射装置、紫外線照射方法、紫外線照射条件設定プログラム及びコンピュータで読み取り可能な記録媒体並びに記憶した機器によれば、紫外線を照射する対象物の温度上昇を抑制して、熱による破損などの問題を解消した信頼性の高い紫外線照射が実現される。それは、本発明が温度検出部を使って実際に対象物の温度を測定することにより、上限温度を超えないように紫外線照射を制御可能としているからである。またこの方法では、従来の高圧水銀ランプのようなランプ光源を使用した紫外線照射装置のように機械式のシャッタや絞りを使用せず、電気的な制御によってパルスを生成しているため高速な動作が可能であり、信頼性が高く機械的な劣化も生じないといった優れた利点が得られる。
以下、本発明の実施の形態を図面に基づいて説明する。ただし、以下に示す実施の形態は、本発明の技術思想を具体化するための紫外線照射装置、紫外線照射方法、紫外線照射条件設定プログラム及びコンピュータで読み取り可能な記録媒体並びに記憶した機器を例示するものであって、本発明は紫外線照射装置、紫外線照射方法、紫外線照射条件設定プログラム及びコンピュータで読み取り可能な記録媒体並びに記憶した機器を以下のものに特定しない。さらに、本明細書は、特許請求の範囲を理解し易いように、実施の形態に示される部材に対応する番号を、「特許請求の範囲の欄」、及び「課題を解決するための手段の欄」に示される部材に付記している。ただ、特許請求の範囲に示される部材を、実施の形態の部材に特定するものでは決してない。なお、各図面が示す部材の大きさや位置関係等は、説明を明確にするため誇張していることがある。さらに以下の説明において、同一の名称、符号については同一もしくは同質の部材を示しており、詳細説明を適宜省略する。さらに、本発明を構成する各要素は、複数の要素を同一の部材で構成して一の部材で複数の要素を兼用する態様としてもよいし、逆に一の部材の機能を複数の部材で分担して実現することもできる。
本明細書において紫外線照射装置、紫外線照射方法、紫外線照射条件設定プログラム及びコンピュータで読み取り可能な記録媒体並びに記憶した機器は、紫外線照射の設定を行うシステムそのもの、ならびに紫外線照射条件の設定に関連する入出力、表示、演算、通信その他の処理をハードウェア的に行う装置や方法に限定するものではない。ソフトウェア的に処理を実現する装置や方法も本発明の範囲内に包含する。例えば汎用の回路やコンピュータにソフトウェアやプログラム、プラグイン、オブジェクト、ライブラリ、アプレット、スクリプレット、コンパイラ、モジュール、特定のプログラム上で動作するマクロ等を組み込んで紫外線照射条件の設定そのものあるいはこれに関連する処理を可能とした汎用あるいは専用のコンピュータ、ワークステーション、端末、携帯型電子機器その他の電子デバイスも、本発明の紫外線照射装置、紫外線照射方法、紫外線照射条件設定プログラム及びコンピュータで読み取り可能な記録媒体並びに記憶した機器の少なくともいずれかに含まれる。また本明細書においては、プログラム自体も紫外線照射装置に含むものとする。また本プログラムは単体で使用するものに限られず、特定のコンピュータプログラムやソフトウェア、サービス等の一部として機能する態様や、必要時に呼び出されて機能する態様、OS等の環境においてサービスとして提供される態様、環境に常駐して動作する態様、バックグラウンドで動作する態様やその他の支援プログラムという位置付けで使用することもできる。
図1に、本発明の実施の形態1に係る紫外線照射装置のブロック図を示す。この図に示す紫外線照射装置100は、コントローラ部110とヘッド部120とがケーブル部130で接続される。ヘッド部120には、紫外線硬化型樹脂を硬化させるための紫外線を発する紫外線源として半導体素子150であるUVLED151、および紫外線を集光、変更するためのレンズ部1260が内蔵されている。コントローラ部110は、ヘッド部120の紫外線源を駆動するための電源部112及び制御部114、記憶部116、並びに設定内容等を表示させる表示部142、紫外線照射条件等を設定する設定部140を備え、ケーブル部130を介して紫外線源の駆動信号(電気信号)をヘッド部120に送信する。
(温度検出部113)
さらに紫外線照射装置100は、紫外線を照射する対象物W(ワーク又は試料)または対象物Wに塗布された紫外線硬化型樹脂の温度を検出可能な温度検出部113を備える。温度検出部113は温度検出が可能な温度センサであり、対象物Wまたは紫外線硬化型樹脂の温度を検出してコントローラ部110に送出し、制御部114で温度データを解析、表示などの処理を行う。この図に示す温度検出部113はヘッド部120と別部材として対象物Wの近傍に配置されて、非接触で対象物Wの温度を検出する。このような非接触型の温度検出部113としては、放射温度計や非接触熱電対などが使用できる。別部材の温度検出部は、正確な温度検出ができるよう配置や姿勢、レイアウト等を容易に変更できる利点がある。また対象物の所望の部位の温度検出を行えるよう、方向や姿勢を調整することもできる。さらに図の例では一の温度検出部113を図示しているが、複数の温度検出部を設けて複数の方向から温度を検出し、その平均値などを利用することでより精度の高い温度検出が可能となる。あるいは、複数の温度検出部で複数の異なる領域の温度を検出することも可能である。また本発明の実施の形態2に係る紫外線照射装置200として、温度検出部213は図2に示すようにヘッド部220と一体に構成することもできる。温度検出部を別部材とせずヘッド部と一体とすることで部材の点数を減らしてコンパクトに構成でき、また余分な配線の取り回しの必要もないすっきりした構成で扱い易い紫外線照射装置とできる。図2の温度検出部213はヘッド部220の先端に設けられ、対象物Wの温度を検出できる姿勢に設定される。また、ヘッド部220にヘッド制御部223を設けることで、ヘッド部側で温度制御のための半導体素子250の駆動に必要な演算や処理を行わせることもでき、特に多数のヘッド部を接続する場合のコントローラ部210側の処理の負担を軽減できる。
さらに温度検出部は非接触型に限られず、対象物と接触して温度を検出する接触型の温度センサを利用してもよい。図3に示す本発明の実施の形態3に係る紫外線照射装置300では、対象物Wを載置したステージ(載置台)315の上面に凹部315Aを設け、この凹部315Aに温度検出部として接触型温度センサ313を配置している。接触型温度センサ313は凹部315Aの開口部に突出し、ステージ315の平面よりも若干高い位置に接触型温度センサが突出するように凹部315Aの深さ、形状が設計される。これにより、ステージ315上面から凹部315Aに重なるように載置された対象物Wは、底面が接触型温度センサ313と接触して、この接触面から温度が検出される。これにより対象物Wや紫外線硬化型樹脂の裏面や内部の温度が測定できる。非接触型の温度センサでは表面温度しか測定できず、また接触型温度センサは非接触型の温度センサと比較して一般に精度良く温度測定が行えるため、より正確な温度測定が実行できる。また上述の通り、複数の接触型温度センサを利用することもでき、異なる部位の温度を検出することも可能である。接触型温度センサとしては、接触型の熱電対や抵抗温度計、サーミスタ、半導体温度計などが使用できる。
このような温度検出部を使用することにより、紫外線照射中の対象物の温度を検出できるので、リアルタイムにフィードバック制御を行い温度上昇を抑制することができる。また、対象物や照射条件に応じて事前に試験的に紫外線照射を行って最適な照射条件を決定し、保存することもできる。これにより、実際の運転時は温度検出を行うことなく、温度上昇が生じない最適条件で自動運転できる。さらには、半導体素子を使用する紫外線照射装置においては温度上昇の主因は紫外線硬化型樹脂の反応熱であるため、温度の低下を検出して硬化反応が終了し樹脂が硬化したことを判定できる。紫外線硬化型樹脂は、紫外線の照射を受けている間のみ硬化反応を生じ、硬化反応時には発熱を伴う。硬化反応によって発生した熱は、紫外線硬化型樹脂を塗布した対象物によっては悪影響を及ぼすことがある。急激に反応が進行して高温になることを避けるためには、紫外線の照射量を低減しあるいは停止して、反応が徐々に進むようにする。本発明の実施の形態ではUVLEDなどの半導体素子により必要なスペクトルの紫外光を効率よく照射し、強い照度で紫外線硬化型樹脂の内部まで硬化させ、一方で温度を検出しながら照射量を制御し、温度上昇を抑制できる。
図4に、従来の紫外線照射装置で紫外線源として利用されている高圧水銀ランプから照射される光の波長分布の一例を示す。この図に示すように、紫外線硬化型樹脂の硬化に必要な360〜380nm近傍のピーク以外にも紫外線から赤外線領域まで多くのピークが見られる。これがため、紫外線硬化型樹脂の硬化に不要な成分が多く含まれることとなり、特に赤外線や熱線によって対象物の温度を上昇させ、変形、破損を生じる恐れがあった。このような不要なスペクトル成分を除去、低減するためにコールドミラーや熱線カットフィルタ、バンドパスフィルタなどが使用されているが、これらはいずれも定量的な制御ができず、精度が得られない。また紫外光の成分も弱められる、配置スペースやメンテナンス、コストが余分にかかるといった問題もあった。これに対し、本実施の形態で使用するUVLEDでは、図5に示すように380nm近傍を中心波長とする急峻なピークを得ることができ、極めて効率よく紫外線硬化型樹脂を硬化できる。また、熱線の成分が生じないため、紫外線源で対象物を加熱してしまう問題もない。またUVLEDは長寿命で球切れの心配がないため信頼性が高く、高圧水銀ランプのような交換の必要がなく、ランニングコストを大幅に低減でき、メンテナンスの手間も省力化できる。
また紫外線照射装置は、紫外線照射条件を設定する設定モードと、実際に紫外線を照射する照射モードに加えて、対象物の温度を検出して照射パターンを生成するテスト照射モードを備え、これらを切り替え可能である。設定モードにおいて設定部140で設定された紫外線照射条件は、記憶部116に保存される。設定部140は、複数の紫外線照射条件を設定して記憶部116に保存する。照射モード時に制御部114が記憶部116から必要な紫外線照射条件設定を呼び出し、この設定に従って制御部114は電源部112からヘッド部120に駆動信号を供給し、ヘッド部120の紫外線源を制御する。紫外線照射条件は、各ヘッド部毎に独立して設定可能である。またテスト照射モードにおいては、予めユーザが指定した条件で紫外線照射を行い、その際の対象物の温度を温度検出部で検出し、温度上昇の様子を確認することができる。このモードにおいては、対象物の熱容量や許容温度などから、温度上昇が許容範囲内に収まるよう、紫外線照射条件を変更して最適な照射条件を探索する。照射条件は、ユーザが仮に指定した仮設定の条件内で最適な条件を見出すようコントローラ部110が自動的に設定する他、ユーザが温度の測定結果に応じて手動で条件を指定することもできる。なお、照射モードにおいても対象物の温度をリアルタイムで検出させてもよく、温度上昇を避けるように紫外線照射量やタイミングを制御するフィードバック制御とすることも可能である。
以下、テスト照射モードにおける動作の一例を図6に基づいて説明する。図6は本発明の実施の形態4に係る紫外線照射装置400のブロック図を示している。まずユーザは設定部440から仮紫外線照射条件を設定する。仮紫外線照射条件は、テスト照射を行うための暫定的な条件であり、テスト照射後に最適な条件に修正された後最終的な紫外線照射条件となる。ここでは、使用する対象物Wに応じて上限温度を設定する。また、UVLED451の照射出力や照射時間なども設定する。この設定に基づいて、制御部414は所望の出力を得るために必要な半導体素子の駆動信号を演算する。演算された値はD/A変換部419によってデジタル信号からアナログ信号に変換され、駆動回路418に送出される。駆動回路418は半導体素子を駆動するための回路であり、半導体素子がUVLED451の場合はUVLEDを電流駆動するドライブ回路として定電流回路等で構成される。駆動回路418からケーブル部430を介してヘッド部420に供給された駆動電流は直接、あるいは図示しないヘッド制御部を介してUVLED451に供給される。UVLED451から照射される紫外線で対象物Wに塗布された紫外線硬化型樹脂は硬化し、その反応熱により温度が上昇する。この温度変化を温度検出部413でリアルタイムに検出し、アナログの電気信号がコントローラ部410に送出され、A/D変換部4191でデジタル信号に変換されて制御部414で受信される。制御部414は、受け取った温度データに応じて温度が上限温度を超えないように、照射出力もしくは照射時間を調整するよう駆動信号の制御を行う。なお、リアルタイムに駆動信号の制御を行わず、温度検出部で温度変化の様子のみを測定し、温度変化データが得られた後、このデータに基づいて最適な条件を制御部で予測する、あるいはユーザが指定する構成とすることもできる。またいずれの場合も、検出された温度や設定された紫外線照射条件等を表示部442に表示させることができる。なお、照射モードにおいてフィードバック制御を行う場合、制御部414は受け取った温度データに応じてリアルタイムでUVLED451の出力値もしくはON/OFFパターン等の照射時間を調整して温度が一定になるよう制御する。
(照射出力変更)
次に制御部が半導体素子から照射される紫外線を制御する方法について説明する。まず、本発明の実施の形態5に係る紫外線照射方法として、図7(a)に示すように照射出力を可変にする方法が採用できる。この方法では、検出温度が設定された温度よりも高くなればリアルタイムで照射出力を制御して対象物の温度を設定温度以下に保つ。出力の制御方法としてはアナログ的にパワーを変動させるPID制御やON/OFF制御が利用できる。ON/OFF制御は、温度検出部で対象物の温度をモニタしながら、所定の温度でON/OFFを繰り返す最も原始的な制御方法である。一例として、照射出力のピークを一定値とし、パルス状の照射パターンで紫外線照射を行った実施例を図7(b)に示す。この例では、紫外線硬化型樹脂としてスリーボンド製接着剤3042Bを使用し、厚さt=2mmのポリカーボネート板に直径φ=3mmの穴を穿孔して充填した。また紫外線照射装置は実施の形態1と同じものを使用し、紫外線照射パターンとしては照度100%でON時間0.6s、OFF時間6sでパルス照射を継続した。また比較例として、紫外線強度を上記と同じく照度100%の最大出力で一定として連続照射した。この例では、上限温度を対象物の許容温度として60℃に設定した。上記の実施例の照射パターン及び測定された温度変化を実線で、比較例の温度変化を破線でそれぞれ図7(b)に示す。図から明らかなとおり、紫外線を連続照射すると接着剤が一気に反応して温度は上限温度を超え100℃近くまで急上昇した後、なだらかな低下を示している。これに対してパルス照射の例では、対象物の温度は実線で示すようにピークの度に極大値を示しながらOFF期間で低下するのこぎり波状となり、全体としては上限温度以下に抑えられた。さらに上記のいずれも、時間の経過と共に温度曲線は一致し一定温度を示しており、反応が収束していることを示している。また紫外線照射後の接着剤は完全に硬化していることが確認できた。よって、温度が一定値以上に低下したとき、あるいは温度勾配の上昇が一定値以上に低下した時点を反応の終了と判定し、紫外線硬化型樹脂が硬化したと判定することもできる。また、上記実施例に限られず、対象物の熱容量や反応の遅れ、マージン等を考慮した照射停止温度と、これよりも低い照射再開温度の2つの基準温度を事前に設定し、検出された温度が照射停止温度に達すると紫外線照射を停止し、照射再開温度以下に下がると照射を再開するような制御とすることもできる。またPID制御は、出力の変化値が比例動作、積分動作、微分動作を備えた制御であり、一般にオーバーシュートやハンチングが小さく、オフセットも生じず、また外乱応答性にも優れた制御が実現できる。このような既知の、あるいは将来開発される制御方法の採用によって、より正確かつ安定した紫外線照射が実現でき、温度上昇から対象物を保護できる。
(照射時間変更)
また、本発明の実施の形態6に係る紫外線照射方法として照射時間を可変とする方法も採用できる。この方法では照射出力値を変化させず、照射時間、ここではパルスのデューティ比を制御する。例えば、ユーザにあらかじめ対象物の上限温度を設定させ、対象物の温度が上限温度より高い場合はユーザの設定可能な最小時間より小さい範囲でパルス動作させる。照射時間を変更する制御方法の一例を図8に示す。図8(a)は通常の照射パターンとして連続的な照射出力の照射パターンであり、図8(b)は温度抑制用の照射パターンを示す。すなわち図8(a)がデューティ比100%の状態であり、図8(b)のようにデューティ比を変化させるPWM制御である。対象物の温度が上限温度以上になると図8(a)から図8(b)のようにOFF時間を徐々に拡大していき、上限温度以下になるようにフィードバック制御で紫外線照射を行う。これらの例では、ユーザが紫外線照射条件として指定可能な最小時間単位が100msであり、この最小単位を一周期として、各周期におけるON時間のパルス幅を短く、あるいはOFF時間のパルス幅を広くして実効出力を低下させることにより温度を低下させる。この方法であれば、照射パターンの波形のピーク値等の形状を維持しつつ実効出力値を変化させるため、ユーザの与えたい照射パターンを損なわないという利点がある。またこのような制御方法としては、一周期内で発生させる一定幅のパルスの数を変化させることによって実効出力を制御する方法、あるいは周期や振幅を変化させる方法等も適宜利用できる。さらに、上記を組み合わせて照射出力と照射時間を共に可変とする制御も可能であることはいうまでもない。さらにまた、以上は温度を低下させる方法を説明したが、本発明は温度を低下させる場合のみならず、温度を一定以上に維持したい場合も同様の方法で実現できる。例えば紫外線硬化型樹脂の反応を早めたい場合には、温度を上限温度以下に抑えつつ紫外線照射量を多くして下限温度以上で反応させることもできる。あるいは紫外線硬化型樹脂の種別に応じて反応に適した温度となるよう制御することもできる。
(テスト照射モードにおける設定方法)
次に、本発明の実施の形態7に係る紫外線照射条件設定プログラムを使って紫外線照射条件を設定する手順を、図9のフローチャートに基づいて説明する。なおこの例において紫外線照射条件設定プログラムは、図10に示すように外部接続機器として紫外線照射装置に通信可能な状態で接続されたコンピュータにインストールされて実行される。本発明の実施の形態において使用される紫外線照射装置に接続される操作、制御、入出力、表示、各種処理その他のためのコンピュータや入出力機器その他の周辺機器との接続は、例えばIEEE1394、RS−232xやRS−422、USB等のシリアル接続、パラレル接続、あるいは10BASE−T、100BASE−TX、1000BASE−T等のネットワークを介して電気的に接続して通信を行うことができる。接続は有線を使った物理的な接続に限られず、IEEE802.1x、OFDM方式等の無線LANやBluetooth等の電波、赤外線、光通信等を利用した無線接続等でもよい。また電気や光をはじめとする電磁気の他、圧力、音波、熱等を媒体とする信号データの送受信や各種エネルギーの送受信が可能なように「接続」された状態も本発明に言う接続であるとするものであり、直接接続、間接接続は問わない。さらには、常時接続されている必要はなく、スイッチ回路や切り替え回路にて装置の動作状況に応じて必要時のみ(例えば電荷、電気、電流が通る時のみ)接続されるように構成しても良い。さらにデータの交換や設定の保存等を行うための記録媒体には、メモリカードや磁気ディスク、光ディスク、光磁気ディスク、半導体メモリ等が利用できる。
テスト照射モードを実行する前準備として、表面に紫外線硬化型樹脂を塗布した対象物をステージ上にセットする。また、対象物及び/又は紫外線硬化型樹脂の温度を正確に測定できるよう、温度検出部の位置合わせも行う。なお紫外線硬化型樹脂が一旦硬化すると、続いて紫外線照射を行うには硬化した対象物をステージから除去して新たな対象物をセットする必要がある。このため、一回の照射毎に対象物を交換して試行錯誤を繰り返しながら最適な条件を決定する。
図9のフローチャートにおいて、まずステップS1で仮の紫外線照射条件を設定する。ここでは、図11に示す紫外線照射条件設定プログラムのインターフェース画面上から、仮紫外線照射条件を指定する入力パラメータとして、使用する対象物に応じて対象物の上限温度及び紫外線照射装置の上限出力を指定する。上限温度は摂氏で、上限出力はUVLEDの駆動電流値を正規化したものをパーセントで指定する。ただ、入力値の単位は適宜変更でき、例えば紫外線の照射出力として紫外線の光量に相当するワット数や直流駆動電流値の絶対値を指定するよう構成してもよい。また仮紫外線照射条件としては、上限温度や上限出力以外に、処理時間に相当するUVLEDの照射時間、デューティ比などを指定しても良い。あるいは、照射パターンとして一定出力を一定時間継続する一定照射の他、所定の時間間隔で照射出力が変化する可変照射も指定できる。なお、図11の画面はGUI画面の一例であって、各入力欄や各ボタン等の配置、形状、表示の仕方、サイズ、配色、模様等は適宜変更できることはいうまでもない。デザインの変更によってより見易く、評価や判断が容易な表示としたり操作しやすいレイアウトとすることもできる。例えば各項目をウィザード形式で入力させるようにして、ユーザは質問に答えていくだけで必要な設定ができるようにしても良い。あるいはテキストベースのCUI画面を採用することも可能である。また、以下の説明では設定画面を別ウィンドウで表示させている場合や同一ウィンドウ内に設けている場合があるが、いずれか一方に変更したり両者を併用させても利用できることはいうまでもない。さらに、これらのプログラムのユーザインターフェース画面において、仮想的に設けられたボタン類や入力欄に対するON/OFF操作、数値や命令入力等の指定は、紫外線照射条件設定プログラムをインストールされたコンピュータに設けられた入力デバイスで行う。本明細書において「押下する」とは、ボタン類に物理的に触れて操作する他、入力デバイスによりクリックあるいは選択して擬似的に押下することを含む。入力デバイスはコンピュータと有線もしくは無線で接続され、あるいはコンピュータに固定されている。一般的な入力デバイスとしては、例えばマウスやキーボード、テンキー、スライドパッド、タッチパッド、トラックポイント、タブレット、ジョイスティック、コンソール、ジョグダイヤル、デジタイザ等の各種ポインティングデバイスが挙げられる。またこれらの入力デバイスは、プログラムの操作のみに限られず、紫外線照射装置等のハードウェアの操作にも利用できる。さらに、インターフェース画面を表示するディスプレイ自体にタッチスクリーンやタッチパネル、ライトペン等を利用して、画面上をユーザが直接操作することにより入力や操作を可能としたり、または音声入力その他の既存の入力手段を利用、あるいはこれらを併用することもできる。また、例示した画面はコンピュータのモニタ上に表示されるが、コンピュータを使用せず専用機器、例えばコントローラ部単独で設定する場合は、コントローラ部の表示部に図11と類似の画面を表示させることもできる。またコントローラ部にモニタや入力デバイスを付加して操作する構成も採用可能である。
次に、ステップS2でテスト照射開始を指示する。図11の画面で仮紫外線照射条件の設定が完了後、「テスト照射実行」ボタンを押下すると、設定された仮紫外線照射条件に基づいて自動的に対象物の温度を上限温度以下に抑制した最適な紫外線照射条件の探索が開始される。まずステップS3で、現在の条件に従って紫外線照射を開始する。最初の段階では、仮紫外線照射条件で設定された照射出力で、デューティ比は100%とする。なお、後述するように照射出力及びデューティ比は自動的に調整される機能を備えている。さらに、ステップS4で対象物の温度を検出する。測定された対象物のピーク温度は自動的に保持される。そしてステップS5で、保持されたピーク温度がステップS1で設定された上限温度以下かどうかを判定する。上限温度以下であった場合は、ステップS6(後述)に進む。上限温度を超えている場合はステップS5−1に進み、現在の条件から温度を低下できるか否かを確認する。すなわち、照射出力及びデューティ比が最低レベルにあるかどうかを判定し、既に最低レベルにあってこれ以上温度を低下できない場合はステップS6−1に進み、現在の条件では温度制御ができないことを通知してテスト照射を終了する。ここでは、画面上に「NG」、「エラー」等と表示する。あるいは「現在の条件では温度を維持できません。より低い照射出力を再度入力して下さい」などのメッセージを表示して、ユーザに再設定を促すようにしても良い。一方、最低レベルでない場合はステップS5−2に進み、まずデューティ比が所定の最低レベルにあるか否かを判定する。デューティ比が未だ最低レベルに達していない場合は、ステップS6−3に進み、照射出力を維持したままデューティ比を所定の段階だけ下げる。また一方、デューティ比が既に最低レベルに達している場合は、ステップS6−2に進み、照射出力を所定の段階だけ下げ、同時にデューティ比を100%に戻す。そしてステップS7−2に進み、現在の条件からデューティ比または照射出力を低下した新たな照射条件を確定する。この段階では、図12に示すような画面を表示し、ユーザに新たな設定内容を確認させることができる。この例では、変更前と変更後の条件を対比して表示することで、どのような条件に変更しようとしているのかをユーザに知らせることができる。この画面からユーザに直接新たな条件を指定させるように構成することもできる。また表示項目についても、さらに測定された対象物の温度変化を示すグラフなどを表示しても良い。ユーザは表示された条件を確認後、樹脂が硬化した対象物を取り除き未硬化の紫外線硬化型樹脂を塗布した新たな対象物をセットし、再びテスト照射の開始を指示する。これによって、ステップS2に戻り、上記のループを繰り返す。
なお、デューティ比及び照射出力の変化させる段階は、予め設定される。例えば、最初はデューティ比及び照射出力共100%とし、次にデューティ比を段階的に引き下げる際は、100%→50%→10%と3段階に減少させる。このようなデューティ比の低下では対処できない場合には、照射出力を引き下げる。照射出力を段階的に引き下げる場合は、100%→70%→30%の3段階に設定する。このように、照射出力を維持しつつ、まずデューティ比から引き下げることで当初ユーザに指定された照射パターンの波形を可能な限り維持することができる。もちろん、上記は例示であって、2段階以下、あるいは4段階以上の段階を設けて調整したり、一定の下げ幅として連続的に変化させても良い。あるいは任意の下げ幅をユーザが指定することもできる。
このようにして、実際の照射を行って温度測定と条件の再設定作業を繰り返した後、最終的にステップS5で設定された上限温度以下に対象物のピーク温度を抑えることができれば、ステップS6に進み、紫外線硬化型樹脂の接着時間を測定する。ここで接着時間は、紫外線を照射した時間すなわちタクトタイムとする。あるいは、紫外線硬化型樹脂の反応温度の低下を温度検出部で検出して反応終了と判定し、照射開始から反応終了までの時間を接着時間をとして表示させても良い。さらにステップS7で最終的な紫外線照射条件、および照射パターンの波形、並びに接着に要した時間等を表示する。図13にこの表示画面の一例を示す。ここでも必要に応じて測定された対象物の温度変化を示すグラフなどを表示しても良い。そしてステップS8でユーザは画面に表示された条件及び照射パターンなどを確認し、この設定を保存するか否かを判断する。保存する場合はステップS9で設定された紫外線照射条件をファイルに保存して再呼び出し可能とし、テスト照射を終了する。保存しない場合はそのまま終了する。
なお、上記は一例であって、適宜変更できることはいうまでもない。例えば、上記の例ではデューティ比の変更を照射出力に優先して行っているが、逆に照射出力の調整をデューティ比よりも優先して行わせても良い。また試行パターンにおけるデューティ比、照射出力の引き下げ幅なども変更できる。あるいは、ステップS5でピーク温度が上限温度を超えた段階で、ユーザが所望の照射条件を新たに指定可能とすることもできる。あるいはまた、ステップS6で紫外線硬化型樹脂の接着時間を測定する作業を省略しても良い。
次に、本発明の実施の形態8として、紫外線照射条件の入力パラメータに優先度を設ける例について、図14のフローチャートに基づいて説明する。この方法は、紫外線照射条件の内でユーザが特に変更したくない入力パラメータについては変更しない、あるいは極力変更を避けるように、指定された上限温度内で実行可能な紫外線照射条件を探索するものである。まず、ステップS’1で上記ステップS1と同様、仮の紫外線照射条件を設定する。この例では、図15に示すような入力画面から紫外線照射条件を構成する入力パラメータをそれぞれ指定する。さらに、各パラメータには、変更したくない項目、および優先度の高い、すなわち変更を後回しにしたい項目を指定できる。図15の例では、「MUST」欄のチェックボックスを選択すると、必須条件として自動的にパラメータの値が変更されない項目として指定される。また、「優先度」欄の数字を選択すると、数字の高い項目ほど尊重され、数字の低い項目から順に変更されることとなる。なお、このステップを経た段階では以下に説明するテスト照射の回数はリセットされる。
次に、ステップS’2でテスト照射を開始する。なおテスト照射の実行に先立ち、予めユーザは紫外線硬化型樹脂を塗布した対象物のセットおよび温度検出部の位置合わせを手動で行っておく。これらの準備完了後、図15の画面からテスト照射「開始」ボタンを押下すると、ステップS’3に進み紫外線照射が開始される。ここでは、ステップS’1で指定された条件に従って紫外線照射を行いながら温度検出部でリアルタイムに対象物の温度を検出する。そして、各入力パラメータの優先度、必須条件の指定に従いながら、新たな条件を制御部が自動的に演算する。この例では、ステップS’3内では一の条件のみを新たに設定して、その照射条件を保持する。ステップS’3のテスト照射終了後、ステップS’4に進みテスト照射の回数をカウントする。そしてステップS’5で予め設定されたカウント値に達したかどうかを判定する。未だ達していない場合はステップS’2に戻り、上記ループを繰り返す。再度ステップS’2を経る段階で、ユーザは新たな紫外線硬化型樹脂を塗布した対象物をセットする。また、ステップS’3を経ることでテスト照射の回数が更にカウントされる。このようにして何度かのテスト照射を繰り返し、所定のカウント値に達した時点でステップS’5からステップS’6に進む。カウント値は、例えば4回などと予め設定される。このように設定された回数のテスト照射を繰り返しながら、設定条件に最も合致した照射パターンを模索する。ステップS’6では、テスト照射で得た各照射条件を比較し、指定された条件に最も近い照射パターンを制御部が選択し、画面上に表示する。この段階で、ユーザの指定した条件に近い順に各照射条件を一覧表示しても良い。そしてステップS’7で、提示された照射条件がユーザの要求を満たすかどうかを判断する。要求を満たさない場合は処理を終了し、満たす場合はステップS’8に進みその設定内容を保存するかどうかを判断する。保存する場合はステップS’9に進んで保存作業を行って処理を終了し、保存しない場合はそのまま終了する。以上の手順によって、ユーザの意図する条件に沿った範囲内で最も適した紫外線照射条件を得ることができる。
以上のようにして設定された照射条件は、コンピュータに保存され、再度呼び出し可能となる。これによって、様々な紫外線硬化型樹脂や対象物を使用する場合の最適な紫外線照射条件を予めテスト照射モードで確定し保存しておき、実際の生産ライン等の使用現場において登録された照射条件を呼び出し、温度制御のフィードバックなどを行うことなく適切な条件で紫外線照射を実行できる。またこの場合は、実際の現場において使用される紫外線照射装置にはテスト照射モードを設けずともよく、事前の設定の際にのみ本実施の形態に係るテスト照射機能を備える紫外線照射装置を利用することもできる。この態様では、テスト照射モードを実行するための温度検出部等を備える設定用の機器を一台乃至数台用意し、現場で使用される数十台〜数百台の紫外線照射装置はこれらの部材や機能を省いた廉価タイプを使用し、機器のコストやメンテナンス作業を低減できる。また、一台の紫外線照射装置で設定された条件は再利用可能であり、例えば複数台の紫外線照射装置、あるいはこれに接続される複数のヘッド部に、他の紫外線照射装置を使って設定した紫外線照射条件をコピーすることができる。これによって多数の紫外線照射装置やヘッド部を使用する場合の設定作業を大幅に省力化できる。また呼び出した条件を初期条件としたテスト照射を行い、さらに最適な条件に最適化、カスタマイズすることも容易となる。このような設定のコピーは、設定データを保存したコンピュータと紫外線照射装置を接続し、データ通信などにより転送する方法や、紫外線照射装置のコントローラ部同士を直接接続して設定内容を複写する方法、あるいは半導体メモリなどの媒体を介してデータを複写する方法などが適宜利用できる。
次に、紫外線照射装置の動作について図1に戻って説明する。紫外線照射装置は、紫外線照射条件を設定する設定モードと、実際に紫外線を照射する照射モードとを切替可能である。設定モードにおいて設定部140で設定された紫外線照射条件は、記憶部116に保存される。設定部140は、複数の紫外線照射条件を設定して記憶部116に保存する。照射モード時に制御部114が記憶部116から必要な紫外線照射条件設定を呼び出し、この設定に従って制御部114は電源部112からヘッド部120に駆動電流を供給し、ヘッド部120の半導体素子150を制御する。紫外線照射条件は、各ヘッド部毎に独立して設定可能である。
コントローラ部110は、ヘッド部120を接続するためのヘッド部接続部160を設けている。図1の例ではヘッド部を一台のみ接続しているが、複数のヘッド部接続部160を設けて一台のコントローラ部に複数のヘッド部を接続可能とすることができる。複数のヘッド部接続部160は、それぞれ固有のチャンネル番号を割り当てられており、チャンネル番号によって他のヘッド部接続部と区別される。またヘッド部120は、各ヘッド部120をチャンネル毎に区別する識別情報を表示可能な識別部を設けてもよい。識別情報は、チャンネル番号に関する情報を表示することで、ユーザがヘッド部毎に割り当てられたチャンネル番号を理解し、これによって複数のヘッド部を相互に区別する。識別情報の表示は、直接的にチャンネル番号を表示する他、複数の点灯の組み合わせや点灯パターン等が利用できる。したがって、ここでいう表示には、数字や文字情報の表示のみならず、点灯による情報表示も含む。また点灯には、連続的な灯火表示の他、点滅や強弱を付けた点灯表示も含む。ヘッド部120の識別を行うときは、紫外線照射装置に対して識別動作の実行をコントローラ部110の設定部140から指示する。識別動作が指示されると、コントローラ部110の制御部114は識別信号を生成し、ヘッド部120側に送出する。ヘッド部120は、識別信号を受けると識別部に識別情報を表示する。ユーザはヘッド部120の識別部に表示される識別情報を見てチャンネル番号を把握し、これに基づいてヘッド部120を区別できる。識別部は、識別情報を示すための表示を行う部材であり、点灯部を備える。点灯部は発光素子で構成され、例えば電球や半導体発光素子が使用できる。好適にはLEDが使用される。
(紫外線源)
紫外線源である半導体素子150には、発光ダイオード(LED)や半導体レーザ(LD)等の半導体発光素子が利用できる。これらの半導体素子は高圧水銀ランプ等に比して小型で高効率であり発熱量も少なく、長寿命で機械的振動にも強いといった優れた特長を備えており、理想的に使用できる。本実施の形態においては、半導体素子として直接紫外光を照射する紫外線発光ダイオード(UVLED)151を使用する。UVLED151は、例えば活性層(発光層)に一般式がInAlGa1−x−yN(0≦x、0≦y、x+y≦1)で表される窒化物系化合物半導体を使用したものが利用できる。また発光層にはダブルへテロ構造や単一量子井戸構造(SQW)、多重量子井戸構造(MQW)等を適宜採用できる。なお、紫外線を直接照射するUVLEDに限られず、例えば波長変換素子等を使ってLEDの照射光を紫外光に変換する構成も適宜採用できることは言うまでもない。UVLEDは必要時のみ点灯し、言い換えると常時点灯させないことで、電力消費を抑え、UVLEDの寿命を長くできる。半導体素子から出力される紫外線の波長としては、300〜400nm近傍、例えば波長380nm付近、あるいは365nm付近の近紫外線が利用でき、使用される紫外線硬化型樹脂に応じて波長が決定される。
(紫外線硬化型樹脂)
紫外線硬化型樹脂としては、紫外線を照射されると硬化するあらゆる樹脂が採用でき、例えば脂環式エポキシ樹脂及びグリシジル基含有エポキシ樹脂を含むエポキシ樹脂や紫外線活性化カチオン重合触媒、カチオン重合抑制剤を含む樹脂等が利用できる。このような紫外線硬化型樹脂組成物を対象物の表面に塗布した後、紫外線を照射して紫外線硬化型樹脂組成物の硬化皮膜を形成する。
(ケーブル部130)
ケーブル部130は電源線と信号線を束ねたワイヤーハーネスが使用される。このケーブル部130は、光ファイバ等の光路を含まないシンプルな電気信号線であるため、折曲角の制限や光減衰等に起因する全長の制約を受けず、従来の紫外線照射装置で使用されていたフレキシブルケーブルに比して細くて軽くでき、柔軟性が高く取り扱いが極めて容易となる。また全長の制約もなく、長くすることもできる。このため複数台のヘッド部120に異なる紫外線照射条件を設定して使用する際、ケーブルを延長して一台の紫外線照射装置に接続できるので、システムの設計や配置にも柔軟に対応できる。
(ヘッド部120)
次にヘッド部120の外観を、実施の形態9として図16〜図19に示す。図16(a)はヘッド部120の正面図であり、図16(b)は内部構造を示す部分断面図である。また図17〜図19は、ヘッド部120の分解図であり、図17は上方から見た分解斜視図を、図18は図17と逆の下方から見た分解斜視図を、図19は図18の連結コネクタ1231、1244を各々連結した状態を示す斜視図を、それぞれ示す。これらの図に示すヘッド部120は、基端側にケーブル部130が接続されたヘッド本体部122と、その先端側に着脱自在に結合した冷却ブロック124と、その先端側に着脱自在に結合した交換可能なレンズホルダ126とを備えている。ヘッド本体部122はユーザが把持できる程度の大きさとし、図17に示すように、上下に分かれるケース部材1221及び1222と、基端部材1223とが組み合わされた中空箱形のケースを備え、その内部に基板1224が収容されている。基端部材1223にはケーブル部130が接続されるケーブル用コネクタ1225が取り付けられ、ケーブル用コネクタ1225を介してケーブル部130と基板1224が電気的に接続される。
基板1224は、ケーブル部130から受けた駆動電流をUVLED151に供給して駆動制御するための電子部品を備える。基板1224上には、紫外線照射のON/OFF状態を表示するインジケータとして、インジケータLED1226が実装されている。図17の例では、インジケータLED1226を2つ配置して光量を増している。ただ、インジケータとして要求される光量や高輝度のLEDを使用することにより、1のLEDでも良いことは言うまでもない。また、3以上のLEDとすることもできる。
基板1224上には、コントローラ部110の制御部114で生成された駆動信号を受けて、UVLED151に駆動電流を供給するための各種電子部品や、メモリ部1227、調整回路1228等が実装されている。メモリ部1227は、ヘッド部120の稼働時間を記憶し、またUVLED151の初期特性を記録するため等に使用され、不揮発性メモリであるEPROMが好適に利用できる。
(UVLED151の調整作業)
UVLED151等の半導体素子は、駆動電流に対する出力のリニアリティが良いが、使用時間と共に出力が低下する傾向にある。駆動電流の調整は、図16(b)等に示すような半固定抵抗(電流調整用トリマ)等の調整回路1228によって、各ヘッド部120毎に行う。なお図16(b)の例では、調整回路1228を構成する半固定抵抗はヘッド部120内の基板に実装して外部から調整できないよう構成しており、これによって意図しない半固定抵抗の操作によって駆動電流が変更される事態を回避している。ただ、外部から駆動電流の調整作業を行えるような構成を採用することも可能である。例えば、特殊な形状の工具で抵抗値を調整できるようにする、あるいは小さな孔をヘッド部120のケースに開口して、この孔から抵抗値を調整可能とする、あるいはまたコントローラ部110やヘッド部120に設けられた個別設定スイッチの長押し等、特定の操作により調整回路1228の調整機能を呼び出せるようにする等の方法が採用できる。
このような駆動電流の調整を定期的に行うため、各ヘッド部120の使用時間が一定時間に達する毎に、ユーザに報告し、駆動電流の調整作業を促す。各ヘッド部120に設けられたメモリ部1227は、UVLED151の駆動時間の積算値、すなわち駆動積算時間を更新記憶する。コントローラ部110の制御部114は、D/A変換部及びドライブ回路等を介してヘッド部120のUVLED151の駆動を制御すると共に、その駆動時間の積算値をヘッド部120のメモリ部1227に書き込む。この書き込み(更新記憶)は、所定時間ごと(例えば1分ごと)に行われる。そして、制御部114は、メモリ部1227から読み出した駆動積算時間が所定の要調整時間に達すれば、UVLED151の調整作業を行うよう報知出力を行う。報知出力として、例えばLEDの点滅表示やブザー鳴動等が使用される。あるいは、コントローラ部110にメッセージ表示可能な表示器が備えられている場合は、それを用いてUVLED151の調整作業を促すメッセージの表示を行ってもよい。ユーザは報知出力によって調整作業が必要な時期に達したことを把握し、上述の通り調整回路1228を使って電流補正を行う。例えば、基準となる駆動電流に対する出力の低下分を考慮し、駆動電流が多くなるように調整する。さらに、駆動積算時間がUVLED151の寿命に達すると、UVLED151の交換を促す報知出力を行うようにしても良い。
またメモリ部1227は、UVLED151の初期特性に関するデータを記憶して、駆動電流の調整にも利用できる。一般にUVLED151の初期輝度には個体差(ばらつき)があるため、通常はUVLED151のヘッド部120側の駆動回路に初期輝度調整回路1228が必要となる。初期輝度調整回路には、半固定抵抗等が利用され、例えば図16(b)に示す調整回路1228を併用できる。そして、ヘッド部120毎に紫外線照射パワーが所定値となるように、各々のヘッド部120で初期輝度調整回路により初期調整を行う必要がある。
実施の形態9の紫外線照射装置では、各ヘッド部120に実装されたUVLED151の予め測定された初期輝度に関する初期特性データをメモリ部1227に記憶させておくことにより、上記のような初期輝度調整回路やこれを用いた初期調整作業が不要になる。つまり、制御部114がメモリ部1227から初期特性データを読み出し、初期特性データに応じた適切な基本駆動電流(正確にはそれに対応するデジタル値)を決定する。
制御部114から出力される駆動電流に対応するデジタル値は、D/A変換部でアナログ電圧に変換され、ドライブ回路に与えられる。ドライブ回路は、与えられたアナログ電圧に対応する駆動電流でヘッド部120のUVLED151を駆動する。なお、この駆動電流は、設定部によって増減調節することができるので、これによって紫外線照射出力を調整できる。
以上のように、ヘッド部120側にメモリ部1227を設けることで、ヘッド部120に備えられたUVLED151の特性に応じた正確な調整が実現できる。例えば、ヘッド部120を接続するコントローラ部110のヘッド接続部の一形態であるヘッド接続部160のチャンネルを一意的に固定する場合は、コントローラ部110側にメモリ部を設けても上記のような調整は可能である。コントローラ部110側のメモリ部がチャンネル毎に駆動積算時間や初期特性データを記憶できるからである。ただ、ヘッド部120の接続先のチャンネルが変更される場合は、上記の方法では対応できず、必ずヘッド部120毎に接続先の紫外線照射装置及びそのチャンネル番号を何らかの手段でユーザ側が記憶しておく必要があり、手間がかかって使い勝手が悪くなる。従って、上記のようにヘッド部120側にメモリ部1227を設けることで、いずれの紫外線照射装置のいずれのチャンネル番号にヘッド部120が接続されても、ヘッド部120の特性に応じた正確な駆動電流調整が実現され、使い勝手も向上する。
(冷却ブロック124)
なお、紫外線を発するUVLED151は通常の可視光を発するLEDに比べて自己発熱が大きい傾向にあるので、安定して長期間使用できるよう放熱機構をヘッド部120に設けることが好ましい。図16〜図19に示す例では、UVLED151を冷却ブロック124に接続している。冷却ブロック124はUVLED151の動作時の発熱を冷却するヒートシンクとして機能し、アルミニウム等熱伝導の良い金属で構成される。冷却ブロック124の先端面にUVLED151が密着固定されている。図20は、冷却ブロック124の先端面にUVLED151を密着固定する様子を示す図である。この図に示すように、3本の固定ネジ1241によってUVLED151が冷却ブロック124の先端面に密着するように固定される。
(レンズホルダ126)
レンズホルダ126には、UVLED151から発した紫外線を集光するための1又は複数の光学系レンズ1261が収容されている。図21は、レンズホルダ126とその内部構造例を示す分解図である。この例では、レンズを2枚構成として第1のレンズ1261Aと第2のレンズ1261Bがスペーサ1262とレンズ固定キャップ1263によって、レンズホルダ126の内部に固定されている。レンズは1枚で構成することもできるが、屈折率の関係から1枚のレンズではレンズサイズが大きくなる傾向がある。そこで実施の形態9では、光学系レンズ1261を2枚使用して第1のレンズ1261Aと第2のレンズ1261BでUVLED151からの紫外線を外部に照射する構造とすることで、レンズ自体のサイズを小型化でき、ひいてはレンズホルダ126やヘッド部120の小型化に貢献する。
図22は、冷却ブロック124とレンズホルダ126との固定方法の例を示す図である。この例では、3本の固定ネジ1242によって冷却ブロック124とレンズホルダ126とが互いに固定される。また、レンズの合成焦点距離が異なる複数種類のレンズホルダ126を用意して交換可能とすることにより、同一のヘッド部120を使用しながら、ヘッド部120の先端と紫外線照射対象(紫外線硬化型樹脂による接着固定部)との距離が変化する場合に対応することができる。
図17に戻って、冷却ブロック124とヘッド本体部122との固定方法について説明する。上記のようにして冷却ブロック124とレンズホルダ126とを固定した後に、ヘッド本体部122を構成する上ケース部材1221及び下ケース部材1222が互いに合わせられ、先端部分が冷却ブロック124の基端側突出部1243を挟むようにしてそれぞれ固定ネジ1229で冷却ブロック124に固定される。また、上ケース部材1221及び下ケース部材1222の基端面には、基端部材1223が固定ネジ1230を用いて固定される。
図18および図19に示すように、ケーブル用コネクタ1225やUVLED151を含む冷却ブロック124は、それぞれ連結コネクタ1231、1244を介して基板と電気的に接続される。これによってUVLED151はケーブル部130を介してコントローラ部110から電力供給を受け、駆動制御される。このように電気的接続が必要な各ブロックを連結コネクタを介して連結する構造とすることで、各部の分解が容易で交換や修理等のメンテナンス作業を容易に行えるという利点がある。特に図に示すヘッド部120はヘッド本体部122、冷却ブロック124及びレンズホルダ126が順番に結合した構造としており、ユニット毎の分割が容易で、メンテナンス性に優れたヘッド部120が得られる。
また下ケース部材1222には、図18および図19に示すように、ヘッド部120をホルダ等に固定するためのネジ孔である貫通孔1232を開口している。ネジを螺合する等してヘッド部120を固定する際、ネジの先端が基板1224や基板上の実装部品を破損しないように、下ケース部材1221には図17に示すように保護プレート1245が固定されており、貫通孔1232と基板1224との間を遮断している。
(サイドビュータイプの詳細)
次に本発明の実施の形態10に係る紫外線照射装置として、サイドビュータイプの構造を図23〜図28に基づき説明する。図23はサイドビュータイプのヘッド部1720においてレンズ部分が見える方向からの斜視図であり、図24は図23の反対面から見た斜視図である。これらの図に示すヘッド部1720は図16等と同様に角柱状であり、紫外線照射部分であるレンズ部1760の装着位置をヘッド本体部1722の長手方向端面でなく側面の端部に設けている。この例では、角柱状のヘッド本体部1722を延長するように、同型に形成されたサイドビューレンズ装着部1727をヘッド本体部1722の先端に別部材で設けている。また図25〜図28に、レンズ部1760の詳細を示す。図25はサイドビューレンズ装着部1727の分解斜視図であり、図26は図25のサイドビューレンズ装着部1727を、レンズ部を除いて縦方向に切断した状態を示す分解斜視図であり、図27は図26からUVLED1751およびヘッド基板部1754を除き、レンズホルダ1726を付加した分解斜視図であり、図28は図27のレンズホルダ1726を示す断面図である。
これらの図に示すように、サイドビューレンズ装着部1727は、右ケース部材1727Aと左ケース部材1727Bに分割されており、その内部にヘッド基板部1754を収納して3箇所でネジ止めして固定される。ヘッド基板部1754は断面略コ字状に形成し、コ字状の底面にUVLED1751を載置して固定する。またこれらのヘッド基板部1754や左ケース部材1727Bは、熱伝導可能な状態で接触されており、UVLED1751の放熱板として機能する。またヘッド基板部1754の後端には、図25に示すようにヘッド本体部1722とネジ止めにより固定するための突出部1754Aが設けられる。突出部1754Aを左右から挟着するようにヘッド本体部1722の上ケース部材1722Aおよび下ケース部材1722Bが重ね合わされて、突出部1754Aのネジ穴でネジ止めすることによりサイドビューレンズ装着部1727はヘッド本体部1722と固定される。なお、図23〜図25に示すように、ヘッド本体部1722の上ケース部材1722Aおよび下ケース部材1722Bの接合面と、サイドビューレンズ装着部1727の右ケース部材1727Aおよび左ケース部材1727Bの接合面とは90°回転させることで機械的強度を増している。ヘッド基板部1754は、サイドビューレンズ装着部1727の右ケース部材1727Aおよび左ケース部材1727Bを固定するためのネジ穴を上下にそれぞれ3箇所設けると共に、ヘッド本体部1722の上ケース部材1722Aおよび下ケース部材1722Bで固定するためのネジ穴を突出部1754Aの左右に2箇所、それぞれ形成している。
レンズホルダ1726は、右ケース部材1727Aの内面に設けられた円筒状のレンズホルダ挿入部1727Cに挿入されて固定される。レンズホルダ挿入部1727Cは、ここにレンズホルダ1726を挿入した状態でUVLED1751の光軸とレンズホルダ1726にセットされたレンズ部の光軸とが一致するように位置決めされる。レンズホルダ1726には、図28の断面図に示すように、中空円筒状の内ホルダ1726Aを同じく中空円筒状で内径が内ホルダ1726Aの外径よりも若干大きい外ホルダ1726Bに下方から挿入し、その間に光学系レンズ1761を保持する。内ホルダ1726A及び外ホルダ1726Bには、光学系レンズ1761を保持するための段差部が形成される。図25の分解図に示す例では、光学系レンズ1761は2枚のレンズで構成される。レンズホルダ1726は、サイドビューレンズ装着部1727のレンズホルダ挿入部1727Cに脱着可能としており、用途に応じて容易にレンズ部を交換できる。
(細径化)
さらに、本発明の実施の形態11として、ヘッド部の紫外線出力部分の外径を小型化した例を図29〜図33に示す。これらの図に示すヘッド本体部2322は、レンズホルダ2326部分をヘッド本体部2322から突出させると共に、その外径を小さく形成しており、紫外線出力部分を小さな穴に挿入して使用するといった小サイズのヘッド部が要求される態様において好適に使用できる。図29の斜視図に示す例では、角柱型のヘッド本体部2322の先端を、一回り小さい角柱状に突出させた突出部2322Cとし、その端面にさらに小径のレンズホルダ2326を挿入する構成としている。図30はヘッド本体部2322の上ケース部材2322Aを除去した状態を示す分解図であり、図31はさらに各部材を分解した分解斜視図である。これらの図に示すように、ヘッド本体部2322の下ケース部材2322Bを構成する装部材と、UVLED2351と、ヘッド基板部2354と、レンズホルダ2326と、UVLEDホルダ2355とを備える。レンズホルダ2326は、内部に光学系レンズなどを保持する。このレンズホルダ2326はヘッド部120に脱着可能に装着されており、目的に応じたレンズを備えるレンズホルダに容易に交換できる。UVLED2351は、図32および図33の例では底面が略正方形のパッケージタイプを使用し、パッケージに内蔵されたUVLEDチップから所定の波長の紫外線が照射される。ここでは中心ピーク波長が365nmのUVLEDチップを使用した。UVLED2351の裏面すなわちヘッド基板部2354と接触する面には電極2356が形成される。電極2356にはスタッド2357がはんだ付けされ、これをリードとして配線される。またUVLED2351の側面部には放熱用のランド2358が形成される。ヘッド基板部2354は図32に示すように一方の面をUVLED2351の裏面に電気接触する状態で一体的に固定され、他方の面を図30、図31に示すようにUVLED2351と熱伝導する状態に接触される。UVLEDホルダ2355はUVLED2351の放熱を行うヒートシンクとして機能する。装部材である下ケース部材2322Bは、内部にUVLEDホルダ2355などを挿入して保持できる大きさ及び形状に設計され、UVLED2351、ヘッド基板部2354、UVLEDホルダ2355が下ケース部材2322Bにセットされた状態で位置決めされる。これにより、UVLED2351の紫外線出力の光軸がレンズホルダ2326のレンズ部の光軸と一致し、またUVLED2351を固定したヘッド基板部2354はUVLEDホルダ2355と熱伝導する状態で接触し、UVLED2351の発熱がUVLEDホルダ2355を通じて放熱される。またこの例では紫外線の光軸とヘッド本体部の長手方向が略一致したストレートタイプについて説明したが、上記の細径化構造はヘッド本体部の側面から紫外線を出力するサイドビュータイプにも適用できることはいうまでもない。
(コントローラ部110)
次に本発明の実施の形態12として、紫外線照射装置に使用するコントローラ部を図34の正面図に基づいて説明する。この例では、4台のヘッド部120を接続可能な4チャンネルのコントローラ部110を示している。ヘッド部120を接続可能な台数はチャネル数で決定されるが、チャンネル数は3以下とすることも、あるいは5以上とすることもできることはいうまでもない。この図に示すコントローラ部110は、前面パネルにUVLED151の紫外線照射条件を個別に設定するための設定部140として、表示部142及び操作パネル144を設けている。図34において表示部142は前面パネルの上部に配置し、その下に操作パネル144を配置している。
(操作パネル144)
設定部140を構成する操作パネル144は、上下左右の選択スイッチである<、>、∧、∨スイッチ144A、144B、144C、144Dと、エスケープスイッチ144E、エンタースイッチ144Fが各々配置されている。ユーザは、これらのスイッチを操作して所定の手順に従い、UVLED151の紫外線照射条件を設定する。なお、この例に限られず、操作パネル144には十字キーやテンキー、ジョグダイヤル等の各種の入力デバイスが利用できる。また、操作パネルを表示部と一体化したタッチパネルとしても良い。操作パネル144に設けた各種スイッチは、各ヘッド部120の操作に共通して利用でき、各ヘッド部120を接続したチャンネルを切り替えて設定できる。
なお、設定部140のスイッチ類は、コントローラ部110上に固定する必要はなく、コントローラ部110と個別の部材として設けても良い。例えばコンソールやリモートコントローラ、フットスイッチ等、コントローラ部と別体とした設定部にスイッチ類を設け、これらをコントローラ部と有線あるいは無線で接続して操作する形態も本発明の範囲内である。また後述するように、紫外線照射装置に接続された外部接続機器から設定や操作を行えるよう構成してもよい。
また、本明細書において設定部には、紫外線照射条件の設定時以外に使用する態様も包含し、例えば紫外線照射装置の動作時に使用する照射スイッチも、設定部に含む。なお、例えば照射スイッチとしてフットスイッチをコントローラ部110と接続する場合は、外乱によるチャタリングを防止するためにON/OFF入力の遅延を設定することもできる。紫外線のオンタイミング(遅延設定)及びオフタイミング(遅延設定)は、設定部を用いて個別に、あるいは一括して設定することができる。
(表示部142)
また設定部140を構成する表示部142には、LEDや液晶表示器を使用した7セグメント表示器を備える。操作パネル144で設定された紫外線の出力や照射時間等の紫外線照射条件を、表示部142で表示、確認しながらユーザは設定作業を行う。表示部142は、一の画面で各ヘッド部120の設定条件を切り替えて表示する。また、後述するように各ヘッド部120毎に個別に複数の表示部を設けることもできる。なお紫外線出力は、相対的な強度値、例えばUVLED151の駆動デューティファクタで設定、表示しているが、絶対的な出力値(mW等)で表示してもよい。なお、表示部142は液晶や有機ELで構成してアイコン表示等のグラフィカルな表示を可能とできる。またカラー表示可能としても良い。
また、表示部142の下部には、各チャンネル毎にチャンネル表示ランプ145を設けている。これによって、現在選択されて表示部142に表示されているチャンネルが区別できる。図の例では1〜4チャンネルの4つのチャンネル表示ランプ145が設けられる。さらに、これらのチャンネル表示ランプ145に隣接して、紫外線照射ランプ146が配置される。紫外線照射ランプ146は、いずれかのヘッド部120から紫外線が照射(エミッション)状態であることを示すパイロットランプとして機能し、例えばLED等で構成される。すなわち、紫外線照射ランプ146のLEDが点灯しているときは、紫外線が照射中であることがユーザに通知される。
操作パネル144の下部には、電源スイッチ147と一括照射スイッチ148を備える。電源スイッチ147は紫外線照射装置の電源をON/OFFするスイッチである。例えば電源スイッチ147にキースイッチを採用することで、不意にスイッチがONになる事態を回避できる。
(一括照射スイッチ148)
一括照射スイッチ148は、これを押下することで、設定部140で予めヘッド部120毎に設定された各々の紫外線照射条件に従い、すべてのヘッド部120から紫外線を独立して照射できる。
(ヘッド接続部160)
さらに、前面パネルの下部には、各ヘッド部120毎にヘッド接続部160、個別照射ランプ170、個別照射スイッチ180をそれぞれ設けている。図34において左側に縦並びに配置されるヘッド接続部160は、ヘッド部120のケーブルを接続するためのコネクタであってヘッド接続部を構成する。上述の通り、図34のコントローラ部110は4台のヘッド部120を接続可能なように4チャンネルのヘッド接続部160を設けている。もちろん、すべてのチャンネルを使用する必要はなく、使用条件に応じてこの内の任意のチャンネルのみを使用可能であることはいうまでもない。
(個別照射ランプ170)
また、各ヘッド接続部160の右側に隣接して、個別照射ランプ170が配置される。個別照射ランプ170は、各チャンネルに接続されたヘッド部120のUVLED151から紫外線が照射されていることを示すためのランプである。これによってユーザは、どのヘッド部120から現在紫外線が照射されているかを確認できる。個別照射ランプ170にもLED等が利用できる。なお、一括照射スイッチ148を押下すると、すべての個別照射ランプ170が点灯することとなる。
(個別照射スイッチ180)
さらに、個別照射ランプ170の右側に個別照射スイッチ180を配置している。個別照射スイッチ180は、各チャンネルに接続されたヘッド部120の紫外線出力を個別にON/OFFするスイッチである。個別照射スイッチ180をチャンネル毎に設けることで、各々のチャンネルに接続されたヘッド部120の紫外線出力を個別に操作でき、特に専用スイッチを設けることにより少ない操作回数(例えばボタンを押すのみ)で各ヘッド部120の出力をON/OFFできるので、より便利に紫外線照射装置を使用できる。ただ、個別照射スイッチを設けることなく、操作パネル144で各チャンネルのON/OFFを操作するように構成することも可能である。
以上、設定部140のレイアウト配置を図34に基づき説明したが、これらの配置は任意に変更できることはいうまでもない。例えば、図34の例では複数のチャンネルを縦に配置し、横方向にチャンネル毎のヘッド接続部160、個別照射ランプ170、個別照射スイッチ180を配置しているが、他の実施の形態として、横方向にチャンネルを配置し、縦方向にチャンネル毎のヘッド接続部、個別照射ランプ、個別照射スイッチ等を配置することもできる。また、上記実施の形態では照射ランプと照射スイッチを個別に設けたが、オン状態で点灯するバックライト付のスイッチを使用すれば、これらを一部材に統合することもできる。
コントローラ部110は、図1に示すように電源部112及び制御部114を備える。ACインレットから供給される商用電源が、ラインフィルタ、ヒューズ及び電源スイッチ147を経て電源部112に供給され、電源部112で生成された直流安定化電圧が制御部114に供給される。制御部114は、マイクロプロセッサ(MPU)やCPU、LSI、FPGAやASIC等のゲートアレイで実現できる。また制御部114はメモリを備え、予め記憶しているプログラムとユーザの設定操作にしたがって各ヘッド部120からの近紫外線の強さ、照射タイミング等を制御する。制御部114には、端子台基板及び通信用コネクタが接続されており、これらのインターフェイスを用いてコンピュータやPLC(プログラマブル・ロジック・コントローラ)等の外部制御機器をコントローラ部110に接続することができる。外部接続機器は、後述するように紫外線照射条件の設定や紫外線照射装置のON/OFF操作に使用できる。すなわち、紫外線照射装置のコントローラ部110に設けられた設定部140で設定や操作を行う他、外部接続機器からのトリガ入力によって紫外線照射装置のON/OFFを操作することもできる。
例えば、一台のコントローラ部110に4個のヘッド接続部160が制御部114に接続され、これらのヘッド接続部160を介して各ヘッド部120がコントローラ部110の制御部114に接続される。そして、制御部114は各ヘッド部120のUVLED151の駆動制御のための電気信号を各ヘッド部120に与え、各ヘッド部120からの近紫外線の強さや照射タイミングを制御する。さらに、制御部114にはフロントパネル基板が接続されている。フロントパネル基板には、コントローラ部110の前面パネルに設けられた表示部142及び設定部140を構成する表示器や各種スイッチ類が実装されている。ユーザは表示部142及び設定部140を用いて4個のヘッド部120の近紫外線の強さ、照射タイミング等を個別に設定することができる。
[モード切替]
上述の通り、本発明の各実施の形態に係る紫外線照射装置は、コントロール部によって紫外線照射条件を設定する設定モードと、紫外線を照射する照射モードとを切替可能である。設定モードと照射モードの切替は、専用の切替スイッチを設けたり、特定のスイッチの組み合わせや長押し等が利用できる。本実施の形態においては、図34に示す操作パネル144の内、エスケープスイッチ144Eの長押し(例えば3秒以上)によって、設定モードと照射モードを相互に切り替える。
[照射モード]
以下、照射モードの詳細について説明する。まず、本実施の形態においては、紫外線照射装置の照射モード時において、すべてのヘッド部120から紫外線を照射する一括照射モードと、一のヘッド部120から紫外線を照射する個別照射モードとを備えている。そして上述の通り、一括照射スイッチ148を操作すると一括照射モードが実行され、個別照射スイッチ180を操作すると個別照射モードが実行される。
さらに、各照射モードはそれぞれ自動モードと手動モードに区別できる。自動モードとは、予め設定された紫外線照射条件に従って、照射出力や照射時間を変更可能なモードである。すなわち、自動モードにおいては照射開始指令を受けると、事前に各ヘッド部120毎に登録された照射パターンで照射を開始し、終了後は自動的に紫外線照射を停止する。一方、手動モードとは、指定されたタイミングで紫外線照射のON/OFFを切り替えるモードである。すなわち、照射開始指令を受けると、照射停止指令を受けるまで一定の出力にて照射し続ける。照射スイッチをONすると出力が開始され、OFFすると終了する。なお、後述するように手動モードにおいても紫外線出力値は変更可能である。
照射モード時における紫外線の照射開始、及び停止の指令は、上述の通りコントローラ部110に設けた照射スイッチや端子台164からのトリガ入力によって実現される。なお、本実施の形態においては、照射スイッチを一度押下すると照射モードが実行され、再度押下すると中断もしくは停止される。中断の場合は、一時停止状態を維持し、再度スイッチを押下することで照射モードが再開される。
[手動照射モード]
紫外線照射装置は、設定部140で設定される複数の紫外線照射条件を記憶部116に保存できる。さらに、各紫外線照射条件設定毎に動作モードを保存できる。手動モードにおいては、紫外線出力値は各ヘッド部120毎に保存できる。従って、個別手動照射モードでは複数のヘッド部120を異なる紫外線出力で各々照射できる。また一括手動照射モードでは、各ヘッド部120で同時に異なる紫外線出力を開始し、同時に照射終了させることができる。また、各ヘッド部120毎に照射許可/不許可を設定できるので、ヘッド部120が紫外線照射装置に接続されていても、所望のヘッド部120のみから照射することができる。従来の紫外線照射装置では、同一の装置に接続されたヘッドはすべて同じ出力及びタイミングで出力されていたため、装置にヘッドを接続している限り、他のヘッドの出力と共に必ず出力が生じ、照射を停止することができなかった。これに対して、本実施の形態では各ヘッド部120が独立しているため、紫外線照射の許可/不許可を容易に設定できるという利点がある。
[自動照射モード]
また、自動モードにおいても、照射パターンを各ヘッド毎に保存できる。従って、一括自動照射モードでは複数のヘッド部120にて異なる照射パターンで同時に照射を開始して、異なるタイミングで照射を終了させることができる。上述の通り、このような動作も従来の紫外線照射装置では実現できなかった。特にヘッド毎に異なる照射パターン、異なるタイミングで停止することができなかったが、本実施の形態により、独立して各ヘッド部120毎に出力やタイミングを変化させた出力が可能となり、極めて自由度の高い紫外線照射が実現される。上述の通り、各ヘッド部120毎に照射許可/不許可を設定できるため、ヘッド部120が紫外線照射装置に接続されていても、所望のヘッド部120のみから照射させることができる。さらに、照射開始指令をヘッド部毎に入力できるようにすれば、ヘッド部毎に異なるタイミングで紫外線照射を開始させることもできる。例えば、個別照射スイッチをヘッド部の数だけ設けたり、あるいはヘッド部の台数分の端子台トリガ入力を用意すればよい。
以上説明した動作モードをまとめると、一括自動照射モードにおいては、各ヘッド部120毎に予め設定された紫外線出力、照射時間等の紫外線照射条件で、すべてのヘッド部120で紫外線照射を実行する。一括照射スイッチを押下すると、各ヘッド部120から紫外線照射が開始され、様々な異なる出力、時間で独立して紫外線照射が実行される。なお紫外線照射の終了は、各々の設定に応じてヘッド部120毎に異なり、設定が終了するとヘッド部120毎に自動的に終了する。
また一括手動照射モードにおいては、実行するとすべてのヘッド部120から一定値で紫外線が出力される。一括照射スイッチを押下すると、各ヘッド部120から紫外線照射が開始され、再度一括照射スイッチを押下すると各ヘッド部120の紫外線照射が停止される。この場合においても各ヘッド毎に紫外線出力値を変更することはできる。
さらに、個別手動照射モードは、各々のヘッド部120で実行されると、該ヘッド部120から一定値で紫外線が出力される。この場合においても各ヘッド毎の紫外線出力値を変更することはできる。
[個別自動照射モード]
個別自動照射モードは、ヘッド部120毎に紫外線照射条件を設定するモードである。個別自動照射モードに相当する機能は、特に設けなくとも、一括自動照射モードを利用して実質的に実現できる。すなわち、特定のUVLEDについてのみ照射を行い、他のUVLEDの照射を行わないことで、該特定のUVLEDの照射時間や出力等の紫外線照射条件を設定することにより、一括自動照射モード実行時に該UVLEDのみが自動的に設定されたパターンで紫外線照射を実行できる。ただ、この場合は特定のUVLEDのみしか紫外線照射を実行できず、他のUVLEDに個別自動照射モードに相当する動作を実行させるには、複数の一括自動照射モードを並列して実行可能とする必要がある。一方、複数のUVLEDを動作させるように一括自動照射モードを設定することは可能である。ただ、UVLED毎の動作タイミングが変化する場合には対応が困難となる。一方、ユーザによっては各ヘッド部毎に自動照射を設定、実行する方が便利である場合も考えられるので、個別自動照射モードを別途設けることもできる。
[紫外線照射条件の設定方法]
次に、紫外線照射条件の設定方法について、図35に基づき説明する。ここでは、各ヘッド部120から照射される紫外線が、図36(b)に示すように時間と共にステップ状に変化するパターンを得るために、図36(a)に示すように複数の矩形波の組み合わせとして、個々の矩形波の条件を設定する例を考える。なお、図36に示す各矩形波、すなわち一定の照射出力及び照射時間の組み合わせからなる紫外線照射条件のセットを、ここではステップと呼ぶことにする。
[矩形波状照射パターン]
図35は、ヘッド部120が一のUVLED151を備える場合の設定方法の概要を示している。図35において、まず工程1001でヘッド部120の番号を選択する。上述のように本実施の形態ではヘッド部120はチャンネル1〜4まで4台接続されており、どのチャンネルについて設定を行うかをここで選択する。次に工程1002でステップの番号を選択する。ステップは、1から順に設定され、本実施の形態では一の紫外線照射条件設定において20個までステップを設定可能としている。次に選択されたステップにつき、工程1003で紫外線の照射時間を設定する。ここでは、秒数で指定する。さらに工程1004で紫外線の照射出力を指定する。ここではデューティ比で設定する。そして工程1005で設定を一時保存すると共に、ステップ番号の選択ステップに戻り、必要なすべてのステップについて設定が完了するまでループする。このようにして図36のような紫外線照射パターンが設定されると、紫外線照射条件設定が保存される。なお、上記の各工程は、順序を適宜入れ替えることもできる。例えば、先に照射出力を設定した後、照射時間を設定してもよい。
上記工程を、より詳細に示したフローチャートを図37に示す。まず工程1201で紫外線照射条件設定の番号(設定番号)を選択する。本実施の形態では、no0〜no19まで20個の紫外線照射条件設定を記録できる。次に工程1202で照射モードを選択する。照射モードは、U0〜2の3通りであり、一括手動照射モード、個別手動照射モード、一括自動照射モードの別を指定する。なお、本実施の形態では個別自動照射モードに相当するモードを採用していない。次に工程1203で紫外線照射条件を設定するヘッド部120を接続したチャンネル番号を選択する。ここではチャンネル番号CH1〜4の4個から選択する。
次に工程1204では、選択されたチャンネル番号に接続されたヘッド部120に対して、紫外線出力を許可するかどうかを設定する。ヘッド部120毎に紫外線照射の許可/不許可を設定可能とすることで、従来のように接続されたヘッド部120すべてから紫外線が出力されることなく使用することが可能となる。出力を許可する場合は、工程1205に進み、許可しない場合は工程1204−1ですべてのヘッド部120の設定が終了したか否かを判定し、未だの場合は工程1203に戻り他のヘッド部120の設定を継続し、すべてのヘッド部120の設定が終了した場合は工程1211にジャンプする。なお、後述するように複数のUVLEDを備える場合は、各UVLED毎に紫外線照射の許可/不許可を設定することもできる。
次に工程1205で、工程1202で選択された照射モードが自動モードか否かを判定する。自動モードの場合は、次工程1206でステップ番号を選択する。ステップ番号は、S0〜S19まで、最大20個設定できる。自動モードでない場合はステップ番号の選択が不要であるから工程1207にジャンプする。工程1207では照射時間を設定する。ここでは秒数を入力する。次に工程1208で照射出力を設定する。ここではデューティ比で入力する。次に工程1209で必要なステップ番号の設定をすべて完了したか否かを判定し、未だの場合は工程1206に戻り、次のステップ番号の設定を繰り返す。終了した場合は工程1210に進み、すべてのヘッド部120の設定が終了したか否かを判定し、未だの場合は工程1203に戻り他のヘッド部120の設定を繰り返す。終了した場合は工程1211に進み、上記の設定を記憶部116に保存して終了する。
[階層メニュー]
次に、コントローラ部110に設けた表示部142における表示の切り替えについて説明する。本実施の形態においては、階層メニュー方式を採用している。図38に、階層メニューの一例を示す。この図に示すように、紫外線照射装置は照射モードと設定モード、および上述したテスト照射モードに切替可能であり、各々のモードにおいて、さらに各種のメニュー項目が選択できる。また選択されたメニュー項目についても様々な設定項目が存在し得、図38において下方向に示すように各階層に下って各項目を設定する。
[照射モードにおける表示]
次に、図39に基づいて照射モードにおける表示部142の表示例を説明する。照射モードにおいては、図39に示すように運転中設定番号表示、現タイマ値表示、現照射パワー値表示、累積照射時間表示等の項目が切り替えて表示される。項目の切替は、左右の<、>スイッチ144A、144Bで行われる。また、最上位階層を表示中にエスケープスイッチ144Eを長押しすると、上述の通り照射モード、設定モード間のモードが変更される。一方、最上位以外の階層からエスケープスイッチ144Eを長押しすると、そのモードの最上位階層へ遷移する。
(運転中設定番号表示)
運転中設定番号表示は現在選択中の設定番号を表示している。この例ではJ0が選択されている。設定番号はno0〜J19まで最大20個の設定を保存することが可能であり、この内から任意の設定番号を選択する。また図39に示すように、表示部142の下方に設けられたチャンネル表示ランプ145が、現在表示中の設定番号において照射が設定されているヘッド部120を表示する。これによって、選択中の設定番号において紫外線が照射されるヘッド部120がいずれであるかをユーザが容易に把握できる。この例においては、チャンネル1〜4すべてのヘッド部120でUVLED151が動作することを示している。
なお設定番号の変更は、本実施の形態では後述するように設定モードで行う。ただ、照射モードにおいて設定番号を変更できるようにしても良い。例えば図39の画面からエンタースイッチ144Fを押下して設定番号の選択メニューに移行する方法や、図39の画面から∧、∨スイッチ144C、144Dを押下して設定番号を変更する方法等が適宜採用できる。
(現タイマ値表示)
現タイマ値表示は、紫外線の照射時間を表示する。図の例では、チャンネル1に接続されたヘッド部120から12秒間照射するよう設定されていることを示している。該設定番号の紫外線照射条件設定の実行時には、設定された照射時間からカウントダウン式に残りの照射時間が秒数で表示され、ユーザは残り時間を容易に知ることができる。また、照射時間が設定されていないチャンネルを表示する場合は、停止時は−−−で表示し、実行時はカウントアップ式に経過時間を秒数で表示する。これによって、照射時間が現在どの程度経過したかをユーザが確認できる。以上のように、照射時間の設定の有無によって時間の表示方式をカウントダウン式とカウントアップ式に自動切り替えすることにより、ユーザは照射時間の設定の有無、および経過時間、残り時間を知ることができ、紫外線硬化型樹脂の接着状態に際して状況把握等に便利に使用できる。また時間の表示単位は、秒数の他、粉数、時間数あるいは進捗状況の割合での表示等を適宜採用できる。
図39の例では、チャンネル1の照射時間が表示されているが、この状態で∧、∨スイッチ144C、144Dを押下すると、その他のチャンネルの情報に切り替えて表示できる。このように、本実施の形態では、<、>スイッチ144A、144Bはメニューの切替に、∧、∨スイッチ144C、144Dは、項目値の選択、変更にそれぞれ使用される。図39の例では、∧スイッチ144Cを押下するとチャンネル2→3→4→1の順に切り替えられる。同時に、チャンネル表示ランプ145の点灯が該当チャンネルに切り替わって、現在表示中の項目(ここでは照射時間)がいずれのチャンネルに接続されたヘッド部120の情報であるかが判別できる。なお照射が設定されていないチャンネルの情報を表示させると、表示部142に「−−−」と表示される。なお、これらのスイッチ操作を行わず、設定されたチャンネルの情報を自動的に切り替えて順次表示するように構成してもよい。
(現照射パワー値表示)
現照射パワー値表示は、紫外線照射の出力値を表示する。この例ではチャンネル1のUVLEDの駆動デューティ比により相対的な強度を表示しているが、最大出力を100とするパーセント表示や出力ワット数等、その他の単位による表示も適宜採用できる。ここでも上記と同様、∧、∨スイッチ144C、144Dを押下することで、他のチャンネルの情報を切り替えて表示できる。
(累積照射時間表示)
累積照射時間表示は、紫外線の照射時間の累積値、すなわちUVLEDのトータルの使用時間を表示する。これによってUVLEDがどのくらい使用されているか、寿命の把握や駆動電流の調整作業の目安を得ることができる。ここでも∧、∨スイッチ144C、144Dで他のチャンネルの情報を切り替えて表示できる。なお図39において、単位を区別するために「h」と「H」の表示を使い分けており、「h」は×10時間、「H」は×100時間をそれぞれ示している。このように、記号の大文字、小文字の使い分けによって単位の大小等の意味合いを持たせ、少ない表示画面で多くの情報量を表示できるようにしている。
以上、照射モードにおける表示部142の表示例を説明した。もちろん、これ以外の表示項目を追加したり、任意の項目のみを表示するよう構成できることはいうまでもない。
なお図38の例では、照射モードにおいてはメニュー項目は基本的に表示部142の切替として機能するため、更なる階層構造は設けていない。もちろん、表示項目等を階層構造で切り替えるよう構成してもよいことはいうまでもない。
[設定モード]
次に、図40および図41を参照しながら、設定モードにおける紫外線照射条件を設定する方法の詳細を説明する。図40に示すように、設定モードでは運転中設定番号メニューと、設定編集メニューと、通信条件メニューと、その他条件メニューの4つの項目が、<、>スイッチ144A、144Bにより切り替えられる。メニューの選択は、エンタースイッチ144Fを押下することで実行され、選択された項目の設定モードに移行できる。なお、エスケープスイッチ144Eを押下すれば、上位の階層に戻ることができる。
もちろん、複数の項目をまとめたり、他の項目を追加したりしてもよい。例えば通信条件メニューとその他条件メニューを一つにまとめたり、あるいは編集設定メニューを2つに分けても良い。
(運転中設定番号メニュー)
運転中設定番号メニューは、照射モードにおいて使用する紫外線照射条件設定の設定番号を選択する。ここでは、既に設定され保存された紫外線照射条件設定の中から、所望の設定番号を∧、∨スイッチ144C、144Dにて選択する。選択後、エンタースイッチ144Fを押下すると表示部142に「End」と表示され、選択された設定番号が保存されると共に、運転中設定番号メニューに戻る。
なお本実施の形態では、運転中設定番号メニューと後述する設定編集メニューとを個別に設けているが、これらを統合してもよい。この場合は、前回の設定作業の際に選択された番号を保持し、照射モードにおいてこの番号の設定が選択されているものとして扱う。
(設定編集メニュー)
設定編集メニューは、紫外線照射条件を設定するメニューである。設定編集メニューの詳細を図41に示す。設定編集メニューに含まれる大項目としては、編集設定番号選択、照射モード選択の設定画面がある。各々の設定画面での設定が完了しエンタースイッチ144Fを押下すると、次の設定画面に移行する。
(編集設定番号選択)
まず、編集設定番号選択では、設定番号を選択する。本実施の形態では、上述の通りno0〜19まで最大20個の設定を保存できる。もちろん、これ以上あるいは以下の数を設定可能とすることもできる。
(照射モード選択)
次に、選択された設定番号について、照射モードを選択する。照射モードは、上述の通りU0〜2の3通り、すなわち一括手動照射モード、個別手動照射モード、一括自動照射モードのいずれかを選択する。照射モードを選択してエンタースイッチ144Fを押下すると、表示部142に「End」と表示されて上記の設定を一時保存すると共に、編集チャンネル選択に移行する。
編集チャンネル選択では、設定の対象となるヘッド部120が接続されたチャンネル番号をCH1〜4の中から選択する。次に、出力許可選択に進み、上記で選択されたチャンネル番号のヘッド部120につき、紫外線出力を許可するか否かを選択する。許可の場合は「on」、不許可の場合は「off」と表示部142に表示される。この状態でエンタースイッチ144Fを押下すると、照射モード選択画面にて選択した照射モードに応じて、ステップ番号選択画面、もしくはステップ番号選択不可表示に進む。
(一括自動照射モードの詳細設定)
照射モード選択画面において一括自動照射モードを選択した場合は、ステップ番号選択画面に進み、ステップ番号を選択する。上述の通りステップ番号はS0〜19まで最大20個設定可能であり、必要な数だけ順番に設定していく。ステップ番号を選択すると、照射時間設定画面となり、紫外線照射時間を入力する。次に照射出力を同様に入力する。これらの入力値は、∧、∨スイッチ144C、144Dで増減させる。入力の便宜のため、前回の設定値をコピーしてデフォルト値として入力したり、長押しで高速増減を可能にすることもできる。以上の設定が終了すると、エンタースイッチ144Fを押下して設定を一時保存すると共に、ステップ番号選択画面に戻る。このとき、設定されたステップ番号に1を増加させた値がデフォルト値として入力される。すべてのステップ番号の設定が終了すると、エスケープスイッチ144Eを押下すれば、編集設定番号選択画面に戻る。
(一括手動照射モード、個別手動照射モードの詳細設定)
一方、照射モード選択画面において一括手動照射モードまたは個別手動照射モードを選択した場合は、一定値での出力となり、出力を可変とするステップを選択できないので、出力許可選択画面からステップ番号選択不可表示に進む。このとき表示部142には「s.−−−」と表示され、ステップ番号が選択できないことを表示する。手動照射モードでは照射時間も設定しないので、この状態でエンタースイッチ144Fを押下すると、照射出力設定画面となる。上記と同様にデューティ比で出力を設定後、エンタースイッチ144Fを押下すると設定が保存され、編集チャンネル番号選択画面に戻る。以上のようにして、編集設定メニューで紫外線照射条件が設定される。
(通信条件メニュー)
通信条件メニューでは、紫外線照射装置と外部接続機器とをRS−232Cインターフェースで接続する際の通信条件を設定する。図40の例では、通信条件メニューからボーレート選択、ストップビット・パリティ選択、デリミタ・チェックサム選択がそれぞれ設定できる。各々の設定画面での設定が完了しエンタースイッチ144Fを押下すると、次の設定画面に移行する。まずボーレート選択では、予め設定された1200bps、2400bps、4800bps、9600bps、19200bps、38400bpsの選択肢から、∧、∨スイッチ144C、144Dにて選択し、エンタースイッチ144Fで決定する。表示部142においては、「b.384」等、×100にて表示することで表示桁数を節約している。なお、ハードウェア的に対応しておれば、上記以外のボーレート値を設定することもできる。ストップビット・パリティ選択では、ストップビットが1または2、パリティがなし、偶数、奇数をそれぞれ選択できる。図の例では、これらの組み合わせを予め選択肢として提示し、ストップビット1・パリティなし(表示部142における表示「y.1n」)、ストップビット1・パリティ偶数(「y.1E」)、ストップビット1・パリティ奇数(「y.1o」)、ストップビット2・パリティなし(「y.2n」)、ストップビット2・パリティ偶数(「y.2E」)、ストップビット2・パリティ奇数(「y.2o」)の中から∧、∨スイッチ144C、144Dにて選択し、エンタースイッチ144Fで決定する。同様にデリミタ・チェックサム選択では、デリミタとしてCRもしくはETX、チェックサムのあり・なしをそれぞれ選択できる。図の例では、これらの組み合わせとしてデリミタCR・チェックサムなし(表示部142における表示「d.C0」)、デリミタCR・チェックサムあり(「d.C1」)、デリミタETX・チェックサムなし(「d.E0」)、デリミタETX・チェックサムあり(「d.E1」)の中から、∧、∨スイッチ144C、144Dにて選択し、エンタースイッチ144Fで決定する。
(その他条件メニュー)
その他条件メニューにおいては、入力接点選択、点灯アラーム時間編集が設定できる。入力接点選択は、フットスイッチを接続する場合等、チャタリング防止のための遅延時間を設定する。点灯アラーム時間編集は、UVLEDの劣化による警告を行う時間を設定する。上記の階層メニューの構成は一例であって、他の構成も適宜採用できる。例えばメニューの選択には水平方向、選択された項目の設定には垂直方向のスイッチを使用したが、水平方向と垂直方向を入れ替えてもよいことはいうまでもない。
[実施の形態13]
また実施の形態12のように設定部を共通とする構成の他、各ヘッド部毎に個別設定スイッチ290と個別表示部292を設けることもできる。図42に、本発明の実施の形態13に係る紫外線照射装置のコントローラ部210の正面図を示す。この図に示す個別設定スイッチ290は、各ヘッド部から照射される紫外線出力の設定や照射時間の増減に使用され、アップダウンスイッチ等が利用できる。この態様では、個別設定スイッチ290で各チャンネルの紫外線照射条件を設定できる他、上記の操作パネル244を用いて紫外線照射条件を設定することもできる。また、共通の操作パネルを省略して、個別設定スイッチ290のみで設定するよう構成することもできる。個別表示部292は7セグメント表示器等が利用でき、設定された出力や照射時間を表示する。また、個別設定スイッチ290のみ、あるいは個別表示部292のみを各チャンネル毎に設けても良い。
[実施の形態14]
また、各ヘッド部の紫外線出力を調整する個別設定スイッチや個別照射スイッチは、コントローラ部110でなくヘッド部120に設けることもできる。図43〜図44に、本発明の実施の形態14に係る紫外線照射装置のヘッド部320を示す。これらの図に示すように、ヘッド部320にUVLED351からの紫外線照射のON/OFFを行うための個別照射スイッチ380、紫外線の出力レベルを調節するための個別設定スイッチ390を設ける。個別設定スイッチ390は、2個のプッシュスイッチからなるアップダウンスイッチが利用できる。図43(b)や図44に示すように、これらのスイッチ類は基板上に実装される。その他の部材は、上述した図17等と同様の構成が利用できる。この構成は、ユーザが手でヘッド部320を把持して使用する場合に、手元で出力を調整でき、このような態様において好適に利用できる。また図示しないが、7セグメント表示器等の個別表示部をヘッド部にそれぞれ設けることもできる。あるいは、個別設定スイッチまたは個別照射スイッチのみをヘッド部に設け、コントローラ部側に残りの部材を設けても良い。
[実施の形態15]
以上の各実施の形態では、ヘッド本体部の長手方向に沿って、ケーブル部と紫外線の照射方向が略直線状となる態様(ストレートタイプ)とした。これに対して図45に示す本発明の実施の形態15に係る紫外線照射装置のヘッド部420は、UVLED451からの紫外線の照射方向がヘッド部420の長手方向と略直交するように構成したアングル状のタイプとしている。図45はヘッド部420の平面図および断面図を、図46はこのヘッド部420の支持方法の一例を示す斜視図を、それぞれ示している。これらの図に示すように、ヘッド本体部422とレンズホルダ426とが冷却ブロック424を介してアングル状に結合し、アングル形状のヘッド部420が構成されている。
図46に示すように、実施の形態15のアングルタイプのヘッド部420では、ヘッド本体部422を把持するホルダ4202を設け、これによってヘッド部420を固定することができる。この場合、ヘッド部420の上方空間に余裕ができる。つまり、ヘッド部420を設備に固定する際に、設備の関係でヘッド部420の上方に十分なスペースを確保することが困難な場合に適している。また、紫外線照射の対象物(箇所)を上方からヘッド部420越しに観察する際の視認性に優れている。
一方、上述した実施の形態におけるストレートタイプのヘッド部120の支持方法の一例を図47に示す。図47(a)の例では、ヘッド本体部122の背面に螺合によって略直角に固定したポール部材1201をホルダ1202で把持することによってヘッド部120を固定する。図47(b)の例では、ヘッド本体部122の背面に形成した2箇所のネジ孔を用いて、壁面等の固定対象Hに固定ネジ1203によって直接ネジ止めする。いずれの場合も、ヘッド部120の上方にケーブル部130のための空間が必要になる。図45、図46に示した実施の形態15のアングルタイプのヘッド部120の場合は、ケーブル部130が側方へ延びるので、ヘッド部420の上方空間に余裕が無くても問題が生じない。
[実施の形態16]
上記の各実施の形態では、図17等に示すように各ヘッド部がUVLEDを1個備えている。ただ、複数の半導体素子をヘッド部520に設けることもできる。複数の半導体素子を使用することによって、紫外線の照射量を必要に応じて調整することが可能となる。本発明の実施の形態16に係る紫外線照射装置として、図48に複数のUVLED551を備えるヘッド部520を示す。図48(a)は、円柱状の冷却ブロックの底面に、略均一に12個のUVLED551Aを配置した例を示す。図48(b)は略正方形状の冷却ブロックに、3行×3列=9個のUVLED551Bを配置した例を示す。もちろん、UVLED551は1列や2列に並べてもよいし4列以上に並べてもよい。また図48(c)は一方向に延長した略長方形状の冷却ブロックに、2行×3列=6個のUVLED551Cを配置した例を示す。この例の構造では、長手方向に並んだ複数のUVLED551Cによって、細長い領域に塗布された樹脂に一度に紫外線を照射して硬化させることができる。
もちろん、UVLEDの個数や配列パターンや、これ以外にも適宜採用できる。複数のUVLEDを同時にONして使用することで、紫外線量を増やして出力を増大できる。また、複数のUVLEDの内、特定のUVLEDのみをONさせ、他のUVLEDをOFFとし、動作するUVLEDを交互に切り替えて使用することによって、特定のUVLEDの連続使用を避けて各素子の長寿命化を図ることができ、UVLEDの交換時期を延長できる。また各UVLED、あるいはすべてのUVLEDが寿命に達したことを判定してメッセージや表示、音声等で警告を行い、ユーザに交換を促すようにすることもできる。なお寿命による劣化以外に、電気的な接触不良や断線によってもUVLED等の半導体素子の出力が不安定となったり、動作しないこともある。このため、電流の通電状態をモニタし、通電しない場合に警告を発する断線検知機能を付加しても良い。あるいは、半導体素子等の駆動素子の入力側端子と出力側端子の電気的状態に基づいて駆動回路系の動作不良を検出することもできる。これによって、電気接触に起因する問題を容易に検出でき、紫外線照射装置の設置時やメンテナンス作業を容易にできる。
さらに、特性が同一のUVLEDを複数設ける場合のみならず、異なる特性を備えるUVLEDを同一のヘッド部に設けても良い。例えば、波長の異なるUVLEDを切り替えて使用することで、同一のヘッド部から照射可能な紫外線の波長を変更できる。特性の異なるUVLEDを使用する場合は、各UVLEDに応じた駆動電流等を予めヘッド部側で設定しておく。さらにまた、ヘッド部間で異なる特性のUVLEDを各ヘッド部に設けることも可能であることはいうまでもない。
複数の半導体素子をヘッド部520に設ける場合は、ONする素子を他と区別する必要があるので、各半導体素子に個別のID番号等の素子識別情報を割り当る。そして紫外線照射条件を設定する際に、いずれの素子をONするかの素子識別情報も設定する。複数の半導体素子を点灯する場合は、該半導体素子に同一の設定を容易に行えるよう、設定のコピーを可能としてもよい。コピーの対象は同一ヘッド部内に限られず、異なるヘッド部間、あるいは異なる紫外線照射装置間とすることもできる。例えば、遷移画面に設定のコピー画面を表示させ、コピー元のヘッド番号とコピー先のヘッド番号を指定する。また、一のヘッド部で設定した条件をすべてのヘッド部にコピーすることも可能である。例えばコピー先としてヘッド部に割り当てられた番号に代わってallを示す「A」等と指定する。あるいはまた、一のヘッド部に設定された条件を保存しておき、これを呼び出して使用することもできる。このようにして、一のヘッド部で設定した紫外線照射条件を他のヘッド部に容易にコピーして、設定作業の手間を簡略化できる。また、一の設定内ですべての素子をONするような場合は、素子識別情報として「すべて」を指定できるようにする。例えば、設定画面において「A」を入力する。これによって、各素子毎に同じ紫外線照射条件を設定する手間を省くことができる。なお、複数の半導体素子で電流値を変えて紫外線を照射させることも可能であることはいうまでもない。
次に、ヘッド部520が複数のUVLED551を備える場合の、紫外線照射条件の設定方法について、図49に基づき説明する。図49において、工程2401のヘッド部520番号選択ステップ、および工程2402のステップ番号選択ステップは、上述した図35の工程1001、工程1002と同様である。次に工程2402−1で動作対象となるUVLED551の番号を選択する。ヘッド部520に備えられた複数のUVLED551には、上述の通り固有のID番号が予め付与されており、この内駆動させたいUVLED551の番号を選択する。以下の工程は、図35の工程1003、1004、1005と同様である。
[実施の形態17]
また、紫外線照射条件の設定は、上記のように照射時間と照射出力の組をステップ状に指定する方法の他、予め設定された照射パターンを選択することもできる。例えば、関数状の照射パターンを選択する方法や、さらに選択した関数の定数を入力することもできる。これらの設定は、関数番号や定数を数値で指定、選択する方法の他、グラフ図形をグラフィカルに表示して選択する方法等が採用できる。さらに前者の数値による選択方法においても、設定された関数をグラフ図形で確認可能としてもよい。このようなグラフ表示を可能にするには、図形表示が可能な表示部142を用意する。
[関数状照射パターン]
図50は、紫外線の照射時間と照射出力を関数で表示する3つのパターンを示した例を示すグラフである。この図に示すようなパターンでも、本発明の実施の形態は紫外線を照射可能である。図50の例では、関数の例としてF1〜F3の3種類の示している。
F1:P=at+c
F2:P=a*(1−EXP(−b*t))+c
F3:P=a*(EXP(b*t)−1)+c
(a,b,cは条件に応じて設定する定数)
また、これら以外にもn次式の関数を利用することもできる。上記の関数のいずれかを選択した後、定数a,b,cを設定すると照射パターンが決定される。定数は、紫外線照射装置の使用条件に応じて設定される。図50に例示する関数F1〜F3では、紫外線の照射出力を照射時間10秒で70%まで上げる場合に設定される定数として、以下の値を設定している。
F1:P=7t(a=7、c=0)
F2:P=70*(1−EXP(−0.5*t))(a=70、b=0.5、c=0)
F3:P=10*(EXP(0.21*t)−1)(a=10、b=0.21、c=0)
図50のような照射パターンでの紫外線照射条件を設定する手順を、図51に基づき説明する。まず工程2601でヘッド番号を選択し、工程2602でステップ番号を選択する工程は、図35と同様である。次に工程2602−1で、関数番号を選択する。ここでは関数Fの選択肢として、上述したF0〜F3が選択可能である。なおF=0は、上記と同様に照射時間と照射出力を入力するステップ状関数である。工程2602−1でF=0を選択した場合は、工程2603で照射時間、工程2604で照射出力をそれぞれ入力し、工程2605で設定を保存する。また工程2602−1でF=1を選択した場合は、工程2603−1で定数a、工程2604−1で定数bをそれぞれ入力し、工程2605で設定を保存する。さらに工程2602−1でF=2または3を選択した場合は、工程2603−2で定数a、工程2604−2で定数b、cをそれぞれ入力し、工程2605で設定を保存する。
上記以外にも、照射パターンを設定する方法として、例えば照射パターンの波形を選択後、照射時間を入力して自動的に関数の定数を演算し、設定する方法や、紫外線の総照射量や熱量で設定する方法等が適宜利用できる。
従来の紫外線照射装置では、紫外線源として使用する高圧水銀ランプ等に機械的なシャッタを介することにより出力を変更していたため、紫外線出力の最小分解能が粗くなり離散的な変化となって微調整ができず、波形パターンに沿った出力の変更が極めて困難であった。これに対して、駆動電流に対するリニアリティの高い半導体素子を利用する本実施の形態によれば、入力電流を調整してほぼ連続的な出力の変化が実現される。駆動電流に応じて出力をリニアリティ良く変化できるので、上記のようなパターンにも対応できる。なお、紫外線出力と連続波形との近似性は、A/D変換部の分解能に依存することはいうまでもない。
[実施の形態18]
上記の各実施の形態では、紫外線照射条件の設定をコントローラ部の設定部で行っている。ただ、紫外線照射条件の設定は、紫外線照射装置に外部接続された機器にて行うことも可能である。例えば本発明の実施の形態18として、上述した図10に示す構成と同様に紫外線照射装置700のコントローラ部710を、コンピュータやPLC等の外部接続機器7101と接続し、外部接続機器7101側で設定した紫外線照射条件をコントローラ部110に転送することでも設定を行える。紫外線照射装置700は外部接続機器7101と接続するためのインターフェースを備える。インターフェースはコントローラ部710の制御部714と接続され、制御部714で外部接続機器7101との電気信号のやりとりやデータ通信を行う。
従来の紫外線照射装置では、紫外線源として使用する高圧水銀ランプ等に機械的なシャッタを介することにより出力を変更していたため、紫外線出力の最小分解能が粗くなり離散的な変化となって微調整ができず、波形パターンに沿った出力の変更が極めて困難であった。これに対して、駆動電流に対するリニアリティの高い半導体素子を利用する本実施の形態によれば、入力電流を調整してほぼ連続的な出力の変化が実現される。駆動電流に応じて出力をリニアリティ良く変化できるので、様々な照射パターンに対応できる。さらに半導体素子のON/OFFによる制御は反応速度が高く高速な動作が可能であり、しかも機械的な動作を伴わないため信頼性高く安定して使用できる。また、高圧水銀ランプ等を使用する従来の紫外線照射装置でのパルスによるプラズマを発生等の方式と比べて、大電流や複雑な駆動回路を要さず、簡易な回路で安価にかつ容易に実現でき、メンテナンスも容易といった優れた特長が実現される。さらに従来のように高周波を発生させる高周波点灯回路では、高電圧に対する絶縁対策が必要であったり回路構成が複雑で装置が大型化する等の問題があったが、本発明によれば安価にかつ小型化も可能であり、ヘッド部をユーザが手持ち可能なハンディタイプとして好適に利用できる。
本発明の紫外線照射装置、紫外線照射方法、紫外線照射条件設定プログラム及びコンピュータで読み取り可能な記録媒体並びに記憶した機器は、ピックアップ等の電子部品の組み立て作業において、紫外線硬化型樹脂による接着に好適に利用できる。また、半導体ステッパーや光洗浄装置、光乾燥装置等の用途にも利用できる。
本発明の実施の形態1に係る紫外線照射装置を示すブロック図である。 本発明の実施の形態2に係る紫外線照射装置を示すブロック図である。 本発明の実施の形態3に係る紫外線照射装置を示すブロック図である。 高圧水銀ランプから照射される波長スペクトルの分布の一例を示すグラフである。 UVLEDから照射される波長スペクトルの分布の一例を示すグラフである。 本発明の実施の形態4に係る紫外線照射装置を示すブロック図である。 本発明の実施の形態5に係る紫外線照射方法における紫外線照射パターンの一例、および実際に紫外線硬化型樹脂に紫外線照射を行った際の照射パターン及び温度変化を示すグラフである。 本発明の実施の形態6に係る紫外線照射方法における紫外線照射パターンの一例を示す波形図である。 本発明の実施の形態7に係る紫外線照射条件設定プログラムで紫外線照射条件を設定する手順を示すフローチャートである。 図9の紫外線照射条件設定プログラムを実行するための接続状態を示すブロック図である。 図9の紫外線照射条件設定プログラムのインターフェース画面の一例を示すイメージ図である。 新たな照射条件の確認を行うインターフェース画面の一例を示すイメージ図である。 設定された照射条件の保存を行うインターフェース画面の一例を示すイメージ図である。 本発明の実施の形態8に係る紫外線照射条件設定プログラムで紫外線照射条件を設定する手順を示すフローチャートである。 図14の紫外線照射条件設定プログラムのインターフェース画面の一例を示すイメージ図である。 本発明の実施の形態9に係る紫外線照射装置のヘッド部の詳細を示す正面図及び断面図である。 本発明の実施の形態9に係る紫外線照射装置のヘッド部を上方から見た分解斜視図である。 本発明の実施の形態9に係る紫外線照射装置のヘッド部を下方から見た分解斜視図である。 図18のコネクタを各々連結した状態を示す斜視図である。 冷却ブロックの先端面にUVLEDを密着固定する様子を示す図である。 レンズホルダとその内部構造例を示す分解図である。 冷却ブロックとレンズホルダとの固定方法の例を示す図である。 本発明の実施の形態10に係る紫外線照射装置のヘッド部を、紫外線照射部分が見える方向から見た示す斜視図である。 図23のヘッド部を反対側から見た斜視図である。 図23のヘッド部のサイドビューレンズ装着部を示す分解斜視図である。 図25のサイドビューレンズ装着部を、レンズ部を除いて縦方向に切断した状態を示す分解斜視図である。 図26からUVLEDおよびヘッド基板部を除き、レンズホルダを付加した状態を示す分解斜視図である。 図27のレンズホルダを示す断面図である。 本発明の実施の形態11に係る紫外線照射装置のヘッド本体部を示す斜視図である。 図29のヘッド本体部の上ケース部材を除去した状態を示す分解図である。 図29のヘッド本体部を分解した状態を示す分解斜視図である。 図31のUVLEDとヘッド基板部を示す分解斜視図である。 図31のUVLEDとヘッド基板部を接合した状態を示す斜視図である。 本発明の実施の形態12に係る紫外線照射装置のコントローラ部の前面パネルに設けられた表示部及び設定部の配置例を示す正面図である。 本発明の実施の形態12に係る紫外線照射装置で紫外線照射条件の設定方法を示すフローチャートである。 紫外線の照射パターンがステップ状に変化する様子を示すグラフ図である。 図35の紫外線照射条件の設定方法を詳細に示すフローチャートである。 紫外線照射装置に使用される階層メニューの一例を示す状態遷移図である。 照射モードにおける階層メニューの一例を示す状態遷移図である。 設定モードにおける階層メニューの一例を示す状態遷移図である。 設定モードにおける設定編集メニューの詳細を示す状態遷移図である。 本発明の実施の形態13に係る紫外線照射装置のコントローラ部の正面図である。 本発明の実施の形態14に係る紫外線照射装置のヘッド部を示す正面図及び断面図である。 図43のヘッド部を示す分解斜視図である。 本発明の実施の形態15に係る紫外線照射装置のヘッド部を示す平面図および側面断面図である。 図45のヘッド部を示す斜視図である。 ストレートタイプのヘッド部の支持方法の例を示す斜視図である。 本発明の実施の形態16に係る紫外線照射装置のヘッド部を示す底面図である。 本発明の実施の形態16に係る紫外線照射装置における紫外線照射条件の設定方法を示すフローチャートである。 本発明の実施の形態17に係る紫外線照射条件の設定方法において、関数状とした紫外線の照射パターンを示すグラフである。 本発明の実施の形態17に係る紫外線照射条件を設定する手順を示すフローチャートである。
符号の説明
100、200、300、400、700…紫外線照射装置
110、210、310、410、710…コントローラ部
112…電源部
113、213、413…温度検出部
313…接触型温度センサ
114、214、314、414、714…制御部
115、215、315、415…ステージ
315A…凹部
116…記憶部
418…駆動回路
419…D/A変換部
4191…A/D変換部
120、220、320、420、520、1720…ヘッド部
1201…ポール部材
1202、4202…ホルダ 1203…固定ネジ
122、1722、2322、422…ヘッド本体部
1221、1722A、2322A…上ケース部材
1222、1722B、2322B…下ケース部材
2322C…突出部
1223…基端部材
1224…基板
1225…ケーブル用コネクタ
1226…インジケータLED
1227、3227…メモリ部
1228…調整回路
1229…固定ネジ 1230…固定ネジ
223…ヘッド制御部
1231…連結コネクタ
1232…貫通孔
124、424…冷却ブロック
1241…固定ネジ 1242…固定ネジ
1243…基端側突出部
1244…連結コネクタ
1245…保護プレート
126、1726、2326、426…レンズホルダ
1726A…内ホルダ 1726B…外ホルダ
1727…サイドビューレンズ装着部
1727A…右ケース部材 1727B…左ケース部材
1727C…レンズホルダ挿入部
2355…UVLEDホルダ
2356…電極
2357…スタッド
2358…ランド
1260、1760…レンズ部
1261、1761…光学系レンズ
1261A…第1のレンズ 1261B…第2のレンズ
1262…スペーサ
1263…レンズ固定キャップ
130、430…ケーブル部
140、440…設定部
142、442…表示部
144、244…操作パネル
144A、144B、144C、144D…<、>、∧、∨スイッチ
144E…エスケープスイッチ 144F…エンタースイッチ
145…チャンネル表示ランプ
146…紫外線照射ランプ
147…電源スイッチ
148…一括照射スイッチ
150、250…半導体素子
151、351、451、551、551A、551B、551C、1751、2351…UVLED
1754、2354…ヘッド基板部
1754A…突出部
160…ヘッド接続部
170…個別照射ランプ
180、380…個別照射スイッチ 290、390…個別設定スイッチ
292…個別表示部
7101…外部接続機器
U…紫外線
W…対象物
H…固定対象

Claims (26)

  1. 紫外線硬化型樹脂を硬化するための紫外線を照射する紫外線照射装置であって、
    紫外線源として紫外線を照射可能な一以上の半導体素子(150)を備える一以上のヘッド部(120)と、
    前記ヘッド部(120)が紫外線を照射する対象物(W)の上限温度を含めた紫外線照射条件を設定可能な設定部(140)と、前記設定部(140)で設定された紫外線照射条件に従い前記半導体素子(150)を駆動するための制御部(114)と、前記半導体素子(150)に駆動電力を供給するための電源部(112)とを備えるコントローラ部(110)と、
    前記ヘッド部(120)とコントローラ部(110)とを電気的に接続するための電気信号線を備えるケーブル部(130)と、
    前記半導体素子(150)から紫外線が照射された対象物(W)または対象物(W)に塗布された紫外線硬化型樹脂の温度を検出するための温度検出部(113)と、
    を備えており、
    前記温度検出部(113)で検出された温度に基づき、対象物(W)が上限温度を超えて上昇するのを抑制するように、前記制御部(114)が前記半導体素子(150)から照射される紫外線を制御することを特徴とする紫外線照射装置。
  2. 請求項1に記載の紫外線照射装置であって、前記温度検出部(113)で紫外線硬化型樹脂の温度の低下を検出することにより、該紫外線硬化型樹脂の硬化終了を検出可能に構成してなることを特徴とする紫外線照射装置。
  3. 請求項1に記載の紫外線照射装置であって、前記制御部(114)が前記半導体素子(150)から照射される紫外線を制御する方法がデューティの調整であることを特徴とする紫外線照射装置。
  4. 請求項3に記載の紫外線照射装置であって、前記温度検出部(113)で検出された温度が所定の温度を超えたとき、前記制御部(114)が前記半導体素子(150)から照射される紫外線のデューティ比をユーザの設定可能な最小時間より小さい範囲でパルス動作させるよう制御することを特徴とする紫外線照射装置。
  5. 請求項1から4のいずれかに記載の紫外線照射装置であって、前記温度検出部(113)が対象物(W)又は対象物(W)に塗布された紫外線硬化型樹脂と非接触で温度を検出可能な非接触式温度計で構成されることを特徴とする紫外線照射装置。
  6. 請求項1から5のいずれかに記載の紫外線照射装置であって、前記温度検出部(113)が前記ヘッド部(120)と一体に構成されてなることを特徴とする紫外線照射装置。
  7. 請求項5または6に記載の紫外線照射装置であって、前記温度検出部(113)が放射温度計で構成されることを特徴とする紫外線照射装置。
  8. 請求項1から7のいずれかに記載の紫外線照射装置であって、前記コントローラ部(110)が、複数のヘッド部(120)に対して紫外線照射条件を個別に設定可能に構成してなることを特徴とする紫外線照射装置。
  9. 請求項1から8のいずれかに記載の紫外線照射装置であって、前記半導体素子(150)が紫外線発光ダイオード(151)であることを特徴とする紫外線照射装置。
  10. 請求項1から9のいずれかに記載の紫外線照射装置であって、前記設定部(140)が、ヘッド部(120)に紫外線照射条件を入力するための操作パネル(144)と、操作パネル(144)で設定された設定内容を表示させる表示部(142)を含んでおり、前記操作パネル(144)で入力される紫外線照射条件が、紫外線の最大出力または/および照射パルスのデューティ比を含むことを特徴とする紫外線照射装置。
  11. 請求項1から10のいずれかに記載の紫外線照射装置であって、前記設定部(140)で設定された紫外線照射条件に従い、前記温度検出部(113)で検出された温度が上限温度を超えないような紫外線の照射パターンを生成するためのテスト照射モードを備えることを特徴とする紫外線照射装置。
  12. 請求項11に記載の紫外線照射装置であって、テスト照射モードにおいて、前記設定部(140)で設定された紫外線照射条件では前記温度検出部(113)で検出された温度が上限温度を超えて上昇しない紫外線の照射パターンを生成できないとき、紫外線照射条件の内変更可能なパラメータを決定する優先度を前記設定部(140)から指定可能に構成してなることを特徴とする紫外線照射装置。
  13. 請求項11または12に記載の紫外線照射装置であって、テスト照射モードにおいて、前記設定部(140)で設定された紫外線照射条件では前記温度検出部(113)で検出された温度が上限温度を超えて上昇しない紫外線の照射パターンを生成できないとき、紫外線照射条件の内最大出力または照射パルスのデューティ比の少なくともいずれかを小さく変更した照射パターンを設定するように前記制御部(114)が処理を行うことを特徴とする紫外線照射装置。
  14. 請求項11から13のいずれかに記載の紫外線照射装置であって、テスト照射モードにおいて、対象物(W)が上限温度を超えて上昇しない紫外線の照射パターンを生成後、前記温度検出部(113)で測定された対象物(W)の最大温度または所要時間の少なくともいずれかを前記表示部(142)に表示可能に構成してなることを特徴とする紫外線照射装置。
  15. 請求項11から14のいずれかに記載の紫外線照射装置であって、テスト照射モードにおいて、対象物(W)が上限温度を超えて上昇しない紫外線の照射パターンを生成後、前記制御部(114)が該照射パターンを保存可能に構成してなることを特徴とする紫外線照射装置。
  16. 紫外線硬化型樹脂を硬化するための紫外線を照射する紫外線照射方法であって、
    紫外線を照射する対象物(W)の上限温度を含む紫外線照射条件を設定するステップと、
    該紫外線照射条件に従って紫外線源である半導体素子(150)を備えるヘッド部(120)から紫外線照射を開始すると共に、対象物(W)または対象物(W)に塗布された紫外線硬化型樹脂の温度を測定できるように配置された温度検出部(113)で温度を検出するステップと、
    前記温度検出部(113)で検出された温度に基づき、対象物(W)が上限温度を超えて上昇するのを抑制するように、前記半導体素子(150)から照射される紫外線の照射パターンを制御するステップと、
    を有することを特徴とする紫外線照射方法。
  17. 請求項16に記載の紫外線照射方法であって、さらに、設定された紫外線照射条件に従い検出温度が上限温度を超えないような紫外線の照射パターンを生成するテスト照射モードに移行するステップを有することを特徴とする紫外線照射方法。
  18. 請求項17に記載の紫外線照射方法であって、さらに、テスト照射モードにおいて、前記設定部(140)で設定された紫外線照射条件では検出温度が上限温度を超えて上昇しない紫外線の照射パターンを生成できないとき、紫外線照射条件の内最大出力または照射パルスのデューティ比の少なくともいずれかを小さく変更した照射パターンを設定するステップを有することを特徴とする紫外線照射方法。
  19. 請求項17または18に記載の紫外線照射方法であって、さらに、テスト照射モードにおいて、対象物(W)が上限温度を超えて上昇しない紫外線の照射パターンを生成後、前記温度検出部(113)で測定された対象物(W)の最大温度または所要時間の少なくともいずれかを表示部(142)に表示するステップを有することを特徴とする紫外線照射方法。
  20. 請求項17から19のいずれかに記載の紫外線照射方法であって、さらに、テスト照射モードにおいて、対象物(W)が上限温度を超えて上昇しない紫外線の照射パターンを生成後、前記制御部(114)が該照射パターンを保存するか否かを確認するステップを有することを特徴とする紫外線照射方法。
  21. 紫外線硬化型樹脂を硬化するための紫外線を照射する条件を設定する紫外線照射条件設定プログラムであって、コンピュータに、
    紫外線を照射する対象物(W)の上限温度を含む紫外線照射条件を設定する機能と、
    該紫外線照射条件に従って紫外線源である半導体素子(150)を備えるヘッド部(120)から紫外線照射を開始すると共に、対象物(W)または対象物(W)に塗布された紫外線硬化型樹脂の温度を測定できるように配置された温度検出部(113)で温度を検出する機能と、
    前記温度検出部(113)で検出された温度に基づき、対象物(W)が上限温度を超えて上昇するのを抑制するように、前記半導体素子(150)から照射される紫外線の照射パターンを制御する機能と、
    を実現させることを特徴とする紫外線照射条件設定プログラム。
  22. 請求項21に記載の紫外線照射条件設定プログラムであって、さらに、設定された紫外線照射条件に従い検出温度が上限温度を超えないような紫外線の照射パターンを生成するテスト照射モードに移行する機能を実現させることを特徴とする紫外線照射条件設定プログラム。
  23. 請求項22に記載の紫外線照射条件設定プログラムであって、さらに、テスト照射モードにおいて、前記設定部(140)で設定された紫外線照射条件では検出温度が上限温度を超えて上昇しない紫外線の照射パターンを生成できないとき、紫外線照射条件の内最大出力または照射パルスのデューティ比の少なくともいずれかを小さく変更した照射パターンを設定する機能を実現させることを特徴とする紫外線照射条件設定プログラム。
  24. 請求項22または23に記載の紫外線照射条件設定プログラムであって、さらに、テスト照射モードにおいて、対象物(W)が上限温度を超えて上昇しない紫外線の照射パターンを生成後、前記温度検出部(113)で測定された対象物(W)の最大温度または所要時間の少なくともいずれかを表示部(142)に表示する機能を実現させることを特徴とする紫外線照射条件設定プログラム。
  25. 請求項22から24のいずれかに記載の紫外線照射条件設定プログラムであって、さらに、テスト照射モードにおいて、対象物(W)が上限温度を超えて上昇しない紫外線の照射パターンを生成後、前記制御部(114)が該照射パターンを保存するか否かを確認する機能を実現させることを特徴とする紫外線照射条件設定プログラム。
  26. 請求項21から25のいずれかに記載の紫外線照射条件設定プログラムを記録したコンピュータで読み取り可能な記録媒体または記憶した機器。
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