JP2005230611A - 旧塗膜の補修方法 - Google Patents

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Abstract

【課題】 旧塗膜上に、耐汚染性や、耐候性、耐温水性(外観、密着性)、耐凍害性に優れた塗料組成物を塗布し乾燥硬化することで補修塗膜を形成する、旧塗膜の補修方法を提供することにある。
【解決手段】 旧塗膜上の汚染物質を除去した後に、エポキシ基を有するシリカゾル複合オルガノポリシロキサンを結合剤とする塗料組成物を塗布し、乾燥硬化することを特徴とする旧塗膜の補修方法。
【選択図】 なし

Description

本発明は、旧塗膜の補修方法に関し、詳しくは旧塗膜の汚染物質の除去処理後に、耐汚染性、耐候性、耐温水性(外観、密着性)、耐凍害性に優れた補修塗膜を形成するための旧塗膜の補修方法に関する。
既設の外装建材等では、環境中の水性及び油性の汚染物質が付着し、外装建材等の表面に施した塗膜の劣化とともに変色していく。昨今では、雨の流れに沿って筋状に汚染物質が付着する雨筋汚染が、景観の悪化等の理由により問題視されてきている。これら汚染物質は高圧水洗浄、カセイソーダ等を用いたアルカリ洗浄、無機又は有機酸を用いた酸性洗浄、又は、ケレン等による補修洗浄等により除去されている。これらの処理により、変色した塗膜は、ほぼ初期状態に近いものとなるが、再び汚染物質が付着することにより長期間に亘る汚染防止ができないのが現状であった。
また、旧塗膜上の汚染物質を除去後、シリケート及び/又はオルガノシランの部分加水分解縮合物を含有する補修塗料を塗布することにより、その塗膜形成過程においてシリケート及び/又はオルガノシランの部分加水分解縮合物が塗膜表面に移行し、層分離した塗膜を形成するため、耐汚染性のある補修塗膜を形成することは知られている。しかしながら、当技術では塗膜表面へのシリケート及び/又はオルガノシランの部分加水分解縮合物の表面移行が十分でなく、市場が要求する十分な耐汚染性に優れた塗膜を形成するには至っていない。
旧塗膜上にポリイソシアネート化合物を含有する補修剤を塗布し、旧塗膜を再溶解後、硬化させることによって、下地層を形成し、この上にトップコート層を形成する外壁塗装の補修方法がある(例えば、特許文献1参照)。しかし、補修後の塗膜については、汚染防止の効果はさほど期待できない。また、フッ素樹脂系塗膜の補修方法として、シランカップリング剤含有アクリル系塗料を旧塗膜上に塗装後、フッ素樹脂系塗料を塗装する補修塗装方法がある(例えば、特許文献2参照)。しかし、フッ素樹脂系の旧塗膜への密着性や補修後のフッ素樹脂系塗膜の耐候性は期待しうるが、汚染防止に対する効果は低いことが懸念される。
特開2001−207652号公報 特開平10−298486号公報
本発明の目的は、このような従来技術の課題を背景になされたもので、旧塗膜上に、耐汚染性や、耐候性、耐温水性(外観、密着性)、耐凍害性に優れた塗料組成物を塗布し乾燥硬化することで補修塗膜を形成する、旧塗膜の補修方法を提供することにある。
本発明に従って、旧塗膜上の汚染物質を除去した後に、エポキシ基を有するシリカゾル複合オルガノポリシロキサンを結合剤とする塗料組成物を塗布し、乾燥硬化することを特徴とする旧塗膜の補修方法が提供される。
本発明の補修方法により、旧塗膜上に耐汚染性や、耐候性、耐温水性(外観、密着性)、耐凍害性に優れた補修塗膜を形成させることが可能となった。
以下、本発明において補修塗料に使用する塗料組成物について、詳細に説明する。
結合剤成分:エポキシ基を有するシリカゾル複合オルガノポリシロキサンからなる結合剤であり、例えば、以下に説明する結合剤が好適である。
すなわち、
(イ)一般式 R Si(OR4−n (1)
(式中、Rは炭素数1〜12のアルキル基、シクロアルキル基及びアリール基からなる群より選ばれた有機基を示し、Rは炭素数1〜6のアルキル基を示し、nは1又は2である)
で示されるオルガノシラン及び/又はその部分加水分解縮合物と、
(ロ)コロイド状シリカを親水性有機溶剤に分散したシリカゾルと、
(ハ)エポキシ基と加水分解性アルコキシシリル基双方を有する化合物とを、
加水分解縮合反応させて得られる生成物を結合剤とする。
結合剤中の(イ)成分について説明する。
上記式(1)において、Rとしての有機基としては、例えば、アルキル基や、シクロアルキル基及びアリール基等が挙げられる。
ここで、アルキル基としては、直鎖でも分岐したものでもよい。アルキル基としては、例えば、メチル基や、エチル基、n−プロピル基、i−プロピル基、n−ブチル基、i−ブチル基、s−ブチル基、t−ブチル基、ペンチル基、ヘキシル基、ヘプチル基、オクチル基及びドデシル基等のアルキル基が挙げられる。好ましいアルキル基は、炭素数が1〜4個のものである。
シクロアルキル基としては、例えば、シクロヘキシル基や、シクロヘプチル基及びシクロオクチル基等が挙げられる。
アリール基としては、例えば、フェニル基等が挙げられる。
上記各官能基は、任意に置換基を有してもよい。このような置換基としては、例えば、ハロゲン原子(例えば、塩素原子や、臭素原子、フッ素原子等)や、(メタ)アクリロイル基、メルカプト基及び脂環式基等が挙げられる。
としてのアルキル基としては、直鎖でも分岐したものでもよい。このようなアルキル基としては、例えば、メチル基や、エチル基、n−プロピル基、i−プロピル基、n−ブチル基、i−ブチル基、s−ブチル基、t−ブチル基及びペンチル基等が挙げられ、好ましいアルキル基は、炭素数が1〜2個のものである。
式(1)で示されるオルガノシランの具体例としては、例えば、メチルトリメトキシシランや、メチルトリエトキシシラン、エチルトリメトキシシラン、エチルトリエトキシシラン、n−プロピルトリメトキシシラン、n−プロピルトリエトキシシラン、i−プロピルトリメトキシシラン、i−プロピルトリエトキシシラン、γ−クロロプロピルトリメトキシシラン、γ−クロロプロピルトリエトキシシラン、3,3,3−トリフルオロプロピルトリメトキシシラン、3,3,3−トリフルオロプロピルトリエトキシシラン、シクロヘキシルトリメトキシシラン、フェニルトリメトキシシラン、フェニルトリエトキシシラン、ジメチルジメトキシシラン、ジメチルジエトキシシラン、ジエチルジメトキシシラン、ジエチルジエトキシシラン、ジフェニルジメトキシシラン、ジフェニルジエトキシシラン、メチルフェニルジメトキシシラン及びジメチルジプロポキシシラン等が挙げられ、好ましくは、メチルトリメトキシシラン、フェニルトリメトキシシラン、メチルトリエトキシシラン及びジメチルジメトキシシランである。
(イ)成分は、これらオルガノシランの1種単独、もしくは、2種以上混合したもの、あるいは、これらを加水分解縮合反応して得られた部分加水分解縮合物である。部分加水分解縮合物の分子量は、ポリスチレン換算重量平均分子量で、例えば、300〜5000が好ましく、より好ましくは500〜3000が適当であり、このような分子量の縮合物を使用することにより、重合安定性、貯蔵安定性を悪化させることなく、密着性の良い塗膜が得られる。
また、オルガノシランの部分加水分解縮合物は、ケイ素原子に結合した−OH基や−OR基を、例えば、1個以上、好ましくは3〜30個有するものが適当である。
このような縮合物の具体例としては、市販品として東レ・ダウコーニング社製のSH6018や、DC223、SR2402、DC3037、DC3074;信越化学工業(株)製のX40−9220や、KR−211、KR−212、KR−213、KR−214、KR−215、KR−216、KR−218;東芝シリコーン(株)製のTSR−145や、TSR−160、TSR−165、YR−3187等が挙げられる。
(イ)成分は、結合剤中に固形分換算で10〜89.5質量%使用するのが適当である。
また、式(1)で示されるオルガノシランの部分加水分解縮合物と縮合反応していないオルガノシランとは、前者100質量部に対し後者10〜150質量部併用するのが、両者の割合に応じて、得られる補修塗膜の硬度の調整が可能となるので好ましい。
結合剤中の(ロ)シリカゾル成分について説明する。
(ロ)シリカゾル成分は、無水ケイ酸をメタノール、エタノール、イソプロパノール等のアルコール類やエチレングリコールモノエチルエーテル、エチレングリコールモノブチルエーテル等のアルコールエーテル類やアセトン、メチルエチルケトン等のケトン類等の親水性有機溶媒に分散したコロイド状シリカである。(ロ)シリカゾルは、通常平均粒径5〜30μmが好ましく、より好ましくは10〜20μmの無水ケイ酸を固形分濃度で10〜40質量%、上記親水性有機溶媒に分散したものである。
このような(ロ)シリカゾルの市販品としては、日産化学工業社製のイソプロパノールシリカゾルやメタノールシリカゾル、触媒化成工業社製のオスカル等が挙げられる。
(ロ)シリカゾル成分は、得られる補修塗膜の耐汚染性を向上させるため、結合剤中に固形分換算で、10〜60質量%が好ましく、より好ましくは20〜50質量%使用するのが適当である。(ロ)成分が10質量%より少ないと補修塗膜の耐汚染性が十分ではなく、また、(ロ)成分が60質量%より過剰になると補修塗膜にクラックが生じ易くなり、また、補修塗膜の耐水性が低下するので好ましくない。
結合剤中の(ハ)成分について説明する。
(ハ)成分はエポキシ基と加水分解性アルコキシシリル基双方を有する化合物であり、旧塗膜との密着性をより向上する目的で使用される。
このような化合物としては、γ−グリシドキシプロピルトリメトキシシランや、γ−グリシドキシプロピルトリエトキシシラン、β−(3,4−エポキシシクロヘキシル)エチルトリメトキシシラン及びγ−グリシドキシプロピルメチルジエトキシシラン等のエポキシ化合物等が代表的なものとして挙げられる。
(ハ)成分は、好ましくは結合剤中に固形分換算で0.5〜30質量%、より好ましくは2〜10質量%用いることにより、旧塗膜との密着性や補修塗膜の耐汚染性を付与することができるため好適である。
(イ)成分、(ロ)成分及び(ハ)成分の加水分解縮合反応は、これらの混合物と水、触媒の存在下で、既存の方法により調製することができる。
添加する加水分解水の量は、結合剤成分中の官能基(Si−OR基)の1当量に対し、0.2〜1.0当量が適当である。
また、反応を促進させるために、酢酸、塩酸、硝酸及び蟻酸等の酸を必要に応じ添加してもよい。
加水分解及び部分縮合反応は、通常40〜80℃が好ましく、より好ましくは45〜65℃で、2〜15時間反応させるのが適当であるが、常温下で反応させることも可能である。
本発明に使用される塗料組成物は、主剤成分となる結合剤と、必要に応じて塗料の硬化を促進する硬化促進剤、塗料の貯蔵安定性や塗装作業性を良くするための有機溶媒、充填剤、染料、更には、紫外線吸収剤、光安定剤、酸化防止剤、増粘剤、顔料分散剤、レベリング剤、防カビ剤、防腐剤等の各種添加剤等を配合したものから構成される。
前記硬化促進剤としては、オクチル酸スズ、ジブチルスズジラウレート、ジブチルスズジマレート及びトリブチルスズラウレート等の有機スズ化合物や、エチレンジアミン、ジエチレントリアミン、ピペリジン、フェニレンジアミン及びトリエチルアミン等のアミン化合物等が代表的なものとして挙げられる。これら硬化促進剤は、塗料組成物を比較的低い温度でより速く硬化させるために添加するのが好ましく、その量は、塗料組成物100質量部に対し、0.01〜15質量部が適当である。
有機溶媒としては、メタノールや、エタノール、プロパノール、ブタノール等のアルコール類、エチレングリコールモノエチルエーテル、エチレングリコールモノブチルエーテル等のアルコールエーテル類、アセトン、メチルエチルケトン等のケトン類等の親水性有機溶媒や、トルエン、キシレン、酢酸エチル、酢酸ブチル等の疎水性の各種塗料用有機溶媒との混合有機溶媒が使用可能である。有機溶媒の配合量は、塗料組成物中、0〜95質量%が好ましく、より好ましくは5〜90質量%が適当である。
充填剤としては、タルクや、炭酸バリウム、炭酸カルシウム、ベントナイト、酸化チタン、カーボンブラック、ベンガラ及びリトポン等の各種塗料用体質顔料や着色顔料が使用可能である。充填剤の配合量は、塗料組成物の固形分中、0〜70質量%が好ましく、より好ましくは0〜50質量%が適当である。
本発明において、旧塗膜の最上層に使用された塗膜は、比較的、耐候性に優れる樹脂系の塗膜が好ましい。
具体的には、アクリル樹脂、アクリルウレタン樹脂、ウレタン樹脂、フッ素樹脂、有機無機複合系樹脂等溶剤系及び水系樹脂塗膜が挙げられるが、中でも、アクリル樹脂、アクリルウレタン樹脂、ウレタン樹脂、無機系樹脂を結合剤とする塗膜が好ましい。
旧塗膜上の汚染物質の除去方法には、高圧水洗浄や、カセイソーダ等のアルカリ洗浄、無機酸又は有機酸による酸性洗浄、過塩素酸等の漂白剤を用いた洗浄、ケレン等による補修洗浄等がある。
<補修塗膜の形成方法>
本発明は、旧塗膜上の汚染物質を除去した後に、エポキシ基を有するシリカゾル複合オルガノポリシロキサンを結合剤とする塗料組成物を塗布し、乾燥硬化することを特徴とする旧塗膜の補修方法である。この際、塗料の塗装手段としては、刷毛、スプレー、ロールコーター又はフローコーター等により、1回塗りで乾燥膜厚1〜50μm、2〜3回塗りで2〜100μmの塗膜を形成することが適当であり、常温で乾燥することにより塗膜を形成することが可能である。
以下、本発明を実施例により更に詳細に説明する。
なお、実施例中「部」、「%」は、特に断わらない限り、質量基準で示す。
(シリカゾル複合オルガノポリシロキサン−1の調製)
還流冷却器、撹拌機を備えた反応器に、メチルトリメトキシシランの部分加水分解縮合物(信越化学工業(株)製、X40−9220、固形分100%、ポリスチレン換算重量平均分子量1400)70部、メチルトリメトキシシラン20部、γ−グリシドキシプロピルトリメトキシシラン10部と、イソプロパノール40部を加え混合した後、シリカゾル(日産化学工業(株)製、イソプロパノールシリカゾル、固形分30質量%)230部を加え、次に撹拌しながらイオン交換水38部を加え、60℃で3時間反応させた後イソプロパノール100部とn−ブタノール200部を加え室温まで冷却し、エポキシ基を有するシリカゾル複合オルガノポリシロキサン−1(固形分20質量%)を得た。得られたシリカゾル複合オルガノポリシロキサン−1のシリカゾル含有量は、固形分換算で50質量%であった。また、アルコキシシリル基及びエポキシ基を有する化合物の含有量は、固形分換算で5.5質量%であった。
(シリカゾル複合オルガノポリシロキサン−2の調製)
還流冷却器、撹拌機を備えた反応器に、メチルトリメトキシシランの部分加水分解縮合物(東レ・ダウコーニング(株)製、SR2402、固形分100%、ポリスチレン換算重量平均分子量1300)40部、メチルトリメトキシシラン40部、ジメチルジメトキシシラン10部、γ−グリシドキシプロピルトリメトキシシラン10部と、イソプロパノール80部を加え混合した後、シリカゾル(日産化学工業(株)製、イソプロパノールシリカゾル、固形分30質量%)92部を加え、次に撹拌しながらイオン交換水44部を加え、60℃で3時間反応させた後イソプロパノール50部とn−ブタノール100部を加え室温まで冷却し、エポキシ基を有するシリカゾル複合オルガノポリシロキサン−2(固形分20質量%)を得た。得られたシリカゾル複合オルガノポリシロキサン−2のシリカゾル含有量は、固形分換算で30質量%であった。また、アルコキシシリル基及びエポキシ基を有する化合物の含有量は、固形分換算で8.0質量%であった。
(シリカゾル複合オルガノポリシロキサン−3の調製)
還流冷却器、撹拌機を備えた反応器に、メチルトリメトキシシランの部分加水分解縮合物(東レ・ダウコーニング(株)製、SR2402、固形分100%)40部、メチルトリメトキシシラン50部、ジメチルジメトキシシラン10部と、イソプロパノール80部を加え混合した後、シリカゾル(日産化学工業(株)製、イソプロパノールシリカゾル、固形分30質量%)92部を加え、次に撹拌しながらイオン交換水48部を加え、60℃で3時間反応させたのちイソプロパノール40部とn−ブタノール100部を加え室温まで冷却し、シリカゾル複合オルガノポリシロキサン−3(固形分20質量%)を得た。得られたシリカゾル複合オルガノポリシロキサン−3のシリカゾル含有量は、固形分換算で30質量%であった。
(オルガノポリシロキサン−4の調製)
還流冷却器、撹拌機を備えた反応器に、メチルトリメトキシシランの部分加水分解縮合物(信越化学工業(株)製、X40−9220、固形分100%)70部、メチルトリメトキシシラン20部、ジメチルジメトキシシラン10部と、イソプロパノール40部を加え混合した後、撹拌しながらイオン交換水38部を加え、60℃で3時間反応させた後イソプロパノール80部とn−ブタノール100部を加え室温まで冷却し、オルガノポリシロキサン−4(固形分20質量%)を得た。
<補修塗膜の性能評価試験>
上塗り塗料としてアクリルシリコン系塗料が塗布され、8年間屋外に放置し雨筋汚染された建築外壁基材(旧塗膜)を、クエン酸溶液による酸性処理及び水洗により汚染物質を除去後、前述の各樹脂組成物に有機溶媒、硬化促進剤等を表1に示す配合で添加し、それぞれの塗料を調製し、塗着量が70〜80g/m(wet質量)、膜厚15μmとなるようにスプレーで吹付塗装した。これらを室温で3日間乾燥し、得られた補修塗膜の外観、耐温水性、耐汚染性、耐候性、耐凍害性の各試験を行い、その結果を表1に示した。
なお、試験方法及び評価基準は、以下に基づいて行った。
<外観>
試験前の補修塗膜を、以下のように目視で評価した。
○…良好(透明な膜)
×…悪い(白濁した膜)
<耐温水性:外観>
上記のように作製した塗板を60℃の温水中に24時間浸漬した後の塗膜外観を、浸漬中及び塗膜乾燥後において、以下のように目視判定した。
◎…浸漬中及び塗膜乾燥後共に変化なし
○…浸漬中軽微な白化はあるが、塗膜乾燥後では変化なし
△…浸漬中での白化がひどく、塗膜乾燥後では光沢低下、白化等の軽微な変化あり
×…浸漬中での白化がひどく、塗膜乾燥後では光沢低下、白化等の変化大
<耐温水性:密着性>
塗板を60℃の温水中に24時間浸漬した後、取り出した塗板の塗膜にカッターナイフを用いて、2mm間隔で25個のゴバン目を作り、セロファン粘着テープを貼り付け、引き剥がしを行い、塗膜剥離のない目の個数を測定した。
<耐汚染性>
塗板上に赤、黒マジックインキで描いて24時間後に、n−ブタノールで濡らした布で拭き取り、その除染性を以下のように目視判定した。
◎…完全除去
○…極く軽微な汚染
△…少し汚染
×…汚染著しい
<耐候性>
サンシャインウェザー−オーメーターにより2000時間行い、その耐候性を以下のように判定した。
○…塗膜外観に変化はなく、光沢保持率95%以上
△…塗膜外観の変化が軽微にあり、光沢保持率80〜94%
×…塗膜外観の変化が著しく、光沢保持率80%未満
<耐凍害性>
ASTM−C666A法により、40サイクルと80サイクルの耐凍害性を測定し、以下のように目視判定した。
◎…クラックの発生なし
○…極く軽微なクラック発生
△…クラック発生又は塗膜の部分剥離
×…著しいクラック発生又は塗膜剥離
Figure 2005230611
表1より明らかの通り、本発明に用いられるエポキシ基を有するシリカゾル複合オルガノポリシロキサンを結合剤とする塗料を使用した実施例1及び実施例2は、優れた塗膜性能を有していた。
一方、エポキシ基を有しないシリカゾル複合オルガノポリシロキサン−3を用いた比較例1は、特に耐温水性(密着)と耐候性が悪かった。また、シリカゾル成分を含有しないオルガノポリシロキサン−4を用いた比較例2は、耐汚染性が悪かった。オルガノポリシロキサン−4とイソプロパノール分散シリカゾルを単に混合した比較例3は、塗膜の外観が透明でなく、また耐温水性(外観、密着性)、耐凍害性が非常に悪かった。
本発明の旧塗膜の補修方法は、旧塗膜の表面に、耐汚染性や、耐候性、耐温水性(外観、密着性)、耐凍害性に優れた補修塗膜を形成する手段として有用である。

Claims (3)

  1. 旧塗膜上の汚染物質を除去した後に、エポキシ基を有するシリカゾル複合オルガノポリシロキサンを結合剤とする塗料組成物を塗布し、乾燥硬化することを特徴とする旧塗膜の補修方法。
  2. 前記結合剤が、オルガノシラン、その部分加水分解縮合物の一方又は両方と、シリカゾルと、アルコキシシリル基及びエポキシ基を有する化合物とを反応させて得た生成物であり、シリカゾルを固形分換算で結合剤中に10〜60質量%含有する、請求項1に記載の旧塗膜の補修方法。
  3. 前記結合剤が、アルコキシシリル基及びエポキシ基を有する化合物を固形分換算で結合剤中に0.5〜30質量%含有する、請求項1又は2に記載の旧塗膜の補修方法。
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