JP2005219024A - 塗膜の形成方法 - Google Patents

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Abstract

【課題】耐汚染性や、耐候性、耐温水性(外観、密着性)、耐凍害性に優れた塗膜を形成させることを可能にする、塗膜の形成方法を提供する。
【解決手段】 無機基材に、(A)下塗り塗料を塗布し、下塗り塗膜を形成し、その上に(B)中塗り塗料を塗布し、中塗り塗膜を形成し、次いで、その上に(C)(i)アミノシラン、(ii)エポキシシラン、(iii)(i)及び(ii)を除くアルコキシシラン化合物及びその縮合物の一方又は両方、を加水分解縮合することによって得られるカチオン系オルガノポリシロキサンを結合剤とする上塗り塗料を塗布し、上塗り塗膜を形成することを特徴とする塗膜の形成方法。
【選択図】なし

Description

本発明は、塗膜の形成方法に関し、更に詳細には無機基材の表面に、耐汚染性や、耐候性、耐温水性(外観、密着性)、耐凍害性に優れた塗膜を形成するための塗膜の形成方法に関する。
シリケート及び/又はオルガノシランの部分加水分解縮合物を上塗り塗料に混合した組成物は、その塗膜形成過程においてシリケート及び/又はオルガノシランの部分加水分解縮合物が塗膜表面に移行し、層分離した塗膜を形成するため、耐汚染性の塗膜を形成することは知られている。しかしながら、当技術では塗膜表面へのシリケート及び/又はオルガノシランの部分加水分解縮合物の表面移行が十分でなく、市場が要求する程度の耐汚染性に優れた塗膜を形成するには至っていない。
そこで、シリカゾル及び/又は金属酸化物と少量の有機結合剤の混合物を塗膜の最上層に塗布する手法も開発されてきているが、塗膜形成能が劣るため、耐汚染性に優れる塗膜形成には至っていない。
また、無機基材上に下塗り塗料として水系ポリシロキサン又は水系シーラーを塗布し、中塗り塗料にアクリルシリコーンエマルション、そして上塗り塗料に水系ポリシロキサンを塗布することにより、無機基材の上に塗膜を形成させることを可能にする塗装方法がある(例えば、特許文献1、2参照)。その特徴は、中塗り塗料にアクリルシリコーンエマルション塗料を用いることにより、該上塗り塗料との密着性を十分なものとしている。しかしながら、中塗り塗料がアクリルシリコーンエマルション以外の塗膜に対する、上塗り塗料の密着性はかならずしも優れたものではない。
特開2002−263559号公報 特開2002−263570号公報
本発明の課題は、耐汚染性や、耐候性、耐温水性(外観、密着性)、耐凍害性に優れた塗膜を形成させることを可能とする、塗膜の形成方法を提供することにある。
即ち、無機基材に、(A)下塗り塗料を塗布し、下塗り塗膜を形成し、次いで、その上に(B)中塗り塗料を塗布し、中塗り塗膜を形成し、次いで、その上に(C)(i)アミノシラン、(ii)エポキシシラン、(iii)(i)及び(ii)を除くアルコキシシラン化合物及びその縮合物の一方又は両方、を加水分解縮合することによって得られるカチオン系オルガノポリシロキサンを結合剤とする上塗り塗料を塗布し、上塗り塗膜を形成することを特徴とする塗膜の形成方法である。
本発明の塗膜の形成方法を、無機基材の表面に適用することにより、耐汚染性や、耐候性、耐温水性(外観、密着性)、耐凍害性に優れた塗膜を形成させることができる。
以下、本発明について、詳細に説明する。
(A)下塗り塗料:本発明に使用される下塗り塗料(A)は、無機基材と(B)中塗り塗膜との長期間密着性を発現させる働きをなすものであり、ビニル樹脂、アクリルスチレン樹脂、エポキシ/ポリアミン樹脂、ウレタン樹脂などを結合剤とする各種の溶剤系又は水系塗料などが挙げられる。
(B)中塗り塗料:本発明に使用される中塗り塗料(B)は、下塗り塗膜(A)と上塗り塗膜(C)の双方に対して長期間の密着性を発現させる働きをなすものであり、一般に上塗り塗料として用いられている塗料を使用することができる。
具体的には、アクリル樹脂、アクリルウレタン樹脂、ウレタン樹脂、フッ素樹脂、有機無機複合系樹脂などを結合剤とする溶剤系又は水系樹脂塗料が挙げられる。
好ましくは、上記(B)中塗り塗料成分として、Si−OR基(Rは水素原子、又は炭素数1〜12の炭化水素基)を有する化合物が、塗膜形成成分換算で0.1〜50質量%含有する中塗り塗料を用いるのが、(C)上塗り塗膜との密着がより優れるため望ましい。
Si−OR基(Rは水素原子、又は炭素数1〜12の炭化水素基)を有する化合物を含有する塗料としては、加水分解性シリル基含有ビニル系塗料や、オルガノポリシロキサン系塗料、更には、シランカップリング剤添加塗料などが挙げられる。
本発明に使用される中塗り塗料は、各種機能を付与させるために、防カビ剤や、防腐剤、紫外線吸収剤、光安定剤、更に体質顔料や、着色顔料、防錆顔料を配合する場合は、分散剤や沈降防止剤、増粘剤等の各種添加剤を配合するのが望ましい。
(C)上塗り塗料:本発明に使用される上塗り塗料(C)は、(i)アミノシラン、(ii)エポキシシラン、(iii)(i)及び(ii)を除くアルコキシシラン化合物及びその縮合物の一方又は両方、を加水分解縮合することによって得られるカチオン系オルガノポリシロキサンを結合剤とする。特に、本発明においては、以下に説明する結合剤(a)が好適である。
結合剤(a):結合剤(a)は、(i)アミノ基と加水分解性アルコキシシリル基双方を有するアミノシラン化合物と、(ii)エポキシ基と加水分解性アルコキシリル基双方を有するエポキシシラン化合物と、
(iii)(i)及び(ii)を除くアルコキシシラン化合物、好ましくは
一般式(1) R Si(OR4−n
(式中、Rは炭素数1〜12のアルキル基、シクロアルキル基、アリール基からなる群から選ばれた有機基、Rは炭素数1〜6のアルキル基、nは1又は2である)で示されるオルガノシラン及びその縮合物の一方又は両方、を加水分解縮合反応させて得られる生成物である。
結合剤(a)の(i)成分について説明する。
(i)成分は、アミノ基と加水分解性アルコキシシリル基双方を有するアミノシラン化合物であり、前記(C)上塗り塗膜と(B)中塗り塗膜との密着性を向上する目的で使用される。
(i)成分は、結合剤中に固形分換算で、2.5〜50質量%使用するのが適当である。
また、結合剤のアミン価を固形分換算で、20〜150mgKOH/g、好ましくは30〜50mgKOH/gに調整するのに用いられる。結合剤のアミン価が20mgKOH/gより小さいと、水への分散性が悪くなる傾向があり、また、アミン価が150mgKOH/gより大きいと、親水性が高くなりすぎて得られる塗膜の耐水性が悪くなるため、好ましくない。
(i)成分の化合物としては、γ−アミノプロピルトリメトキシシランやγ−アミノプロピルトリエトキシシラン、N−(β−アミノエチル)−γ−アミノプロピルトリメトキシシラン、N−(β−アミノエチル)−γ−アミノプロピルメチルジメトキシシラン、N−(β−アミノエチル)−γ−アミノプロピルメチルジエトキシシラン、N−シクロヘキシル−γ−アミノプロピルトリメトキシシラン、N−シクロヘキシル−γ−アミノプロピルトリエトキシシラン、γ−(2−アミノエチル)−アミノプロピルトリメトキシシラン、γ−(2−アミノエチル)−アミノプロピルメチルジメトキシシラン、γ−アニリノプロピルトリメトキシシランなどが挙げられる。
結合剤(a)の(ii)成分について説明する。
(ii)成分は、エポキシ基と加水分解性アルコキシシリル基双方を有するエポキシシラン化合物であり、前記(C)上塗り塗膜と(B)中塗り塗膜との密着性をより向上する目的で使用される。
(ii)成分は、結合剤中に固形分換算で、2.5〜49.5質量%使用するのが適当である。
このような化合物としては、γ−グリシドキシプロピルトリメトキシシランや、γ−グリシドキシプロピルトリエトキシシラン、β−(3,4−エポキシシクロヘキシル)エチルトリメトキシシラン、γ−グリシドキシプロピルメチルジエトキシシランなどのエポキシ化合物等が代表的なものとして挙げられる。
結合剤(a)の(iii)成分について説明する。
上記式(1)において、Rとしての有機基としては、例えば、アルキル基や、シクロアルキル基、アリール基等が挙げられる。
ここで、アルキル基としては、直鎖でも分岐したものでもよい。アルキル基としては、例えば、メチル基や、エチル基、n−プロピル基、i−プロピル基、n−ブチル基、i−ブチル基、s−ブチル基、t−ブチル基、ペンチル基、ヘキシル基、ヘプチル基、オクチル基、ドデシル基等のアルキル基が挙げられる。好ましいアルキル基は、炭素数が1〜4個のものである。
シクロアルキル基としては、例えば、シクロヘキシル基や、シクロヘプチル基、シクロオクチル基等が挙げられる。
アリール基としては、例えば、フェニル基等が挙げられる。
上記各官能基は、任意に置換基を有してもよい。このような置換基としては、例えば、ハロゲン原子(例えば、塩素原子や、臭素原子、フッ素原子等)や、(メタ)アクリロイル基、メルカプト基、脂環式基等が挙げられる。
としてのアルキル基としては、直鎖でも分岐したものでもよい。このようなアルキル基としては、例えば、メチル基や、エチル基、n−プロピル基、i−プロピル基、n−ブチル基、i−ブチル基、s−ブチル基、t−ブチル基、ペンチル基等が挙げられ、好ましいアルキル基は、炭素数が、1〜2個のものである。
式(1)で示されるオルガノシランの具体例としては、例えば、メチルトリメトキシシランや、メチルトリエトキシシラン、エチルトリメトキシシラン、エチルトリエトキシシラン、n−プロピルトリメトキシシラン、n−プロピルトリエトキシシラン、i−プロピルトリメトキシシラン、i−プロピルトリエトキシシラン、γ−クロロプロピルトリメトキシシラン、γ−クロロプロピルトリエトキシシラン、3,3,3−トリフルオロプロピルトリメトキシシラン、3,3,3−トリフルオロプロピルトリエトキシシラン、シクロヘキシルトリメトキシシラン、フェニルトリメトキシシラン、フェニルトリエトキシシラン、ジメチルジメトキシシラン、ジメチルジエトキシシラン、ジエチルジメトキシシラン、ジエチルジエトキシシラン、ジフェニルジメトキシシラン、ジフェニルジエトキシシラン、メチルフェニルジメトキシシラン、ジメチルジプロポキシシランなどが挙げられるが、好ましくは、メチルトリメトキシシラン、フェニルトリメトキシシラン、メチルトリエトキシシラン、ジメチルジメトキシシランである。
(iii)成分は、これらオルガノシランの1種単独、もしくは、2種以上混合したもの、あるいは、これらを加水分解縮合反応させて得られた部分加水分解縮合物である。部分加水分解縮合物の分子量は、ポリスチレン換算重量平均分子量で、例えば、300〜5000、好ましくは、500〜3000が適当であり、このような分子量の縮合物を使用することにより、重合安定性、貯蔵安定性を悪化させることなく、密着性の良い塗膜が得られる。
また、オルガノシランの部分加水分解縮合物は、ケイ素原子に結合した−OH基や−OR基を、例えば、1個以上、好ましくは3〜30個有するものが適当である。
このような縮合物の具体例としては、市販品として東レ・ダウコーニング社製のSH6018や、DC223、SR2402、DC3037、DC3074;信越化学工業(株)製のKR−211や、KR−212、KR−213、KR−214、KR−215、KR−216、KR−218;東芝シリコーン(株)製のTSR−145や、TSR−160、TSR−165、YR−3187等が挙げられる。
(iii)成分は、結合剤中に固形分換算で、0.5〜95質量%使用するのが適当である。
式(1)で示されるオルガノシランの部分加水分解縮合物と縮合反応していないオルガノシランとは、前者100質量部に対し後者1〜40質量部併用するのが、両者の割合に応じて、得られる塗膜の硬度の調整が可能となるので望ましい。
(i)成分、(ii)成分および(iii)成分の加水分解縮合反応は、これらの混合物と水、触媒の存在下で、既存の方法により調製することができる。
添加する加水分解水の量は、(a)結合剤成分中の官能基(Si−OR基)の1当量に対し0.2〜1.0当量、好ましくは0.3〜0.5当量が適当である。
また、反応を促進させるために、酢酸や、塩酸、硝酸、蟻酸等の酸を必要に応じ添加してもよい。
加水分解及び部分縮合反応は通常40〜80℃、好ましくは45〜65℃で、2〜15時間反応させるのが適当であるが、常温下で反応させることも可能である。
本発明に使用される(C)上塗り塗料は、主剤となる結合剤(a)と、必要に応じて塗料の硬化を促進する硬化促進剤、塗料の貯蔵安定性や塗装作業性を良くするための有機溶媒、充填剤、染料、更には、紫外線吸収剤、光安定剤、酸化防止剤、増粘剤、顔料分散剤、レベリング剤、防カビ剤、防腐剤等の各種添加剤などを配合したものから構成される。
前記硬化促進剤としては、オクチル酸スズや、ジブチルスズジラウレート、ジブチルスズジマレート、トリブチルスズラウレートなどの有機スズ化合物の強制乳化品、商品としては、三共有機合成(株)製のSCAT−1Wが挙げられる。また、アルミニウムや、チタン、ジルコニウムなどの金属キレート化合物もその代表的例として挙げられる。これら硬化促進剤は、塗料組成物を比較的低い温度でより速く硬化させるために添加するのが望ましく、その量は、(C)上塗り塗料100質量部に対し、0.01〜15質量部が適当である。
有機溶媒としては、メタノールや、エタノール、プロパノール、ブタノールなどのアルコール類、エチレングリコールモノエチルエーテル、エチレングリコールモノブチルエーテル等のアルコールエーテル類、アセトン、メチルエチルケトン等のケトン類等の親水性有機溶媒や、トルエン、キシレン、酢酸エチル、酢酸ブチル等の疎水性の各種塗料用有機溶媒との混合有機溶媒が使用可能である。有機溶媒の配合量は、(C)上塗り塗料中、0〜95質量%、好ましくは5〜90質量%が適当である。
充填剤としては、タルクや、炭酸バリウム、炭酸カルシウム、ベントナイト、酸化チタン、カーボンブラック、ベンガラ、リトポン等の各種塗料用体質顔料や着色顔料が使用可能である。充填剤の配合量は、上塗り塗料の固形分中、0〜70質量%、好ましくは0〜50質量%が適当である。
被塗物である無機基材としては、例えば、無機系窯業基材や、コンクリート、鉄、アルミニウム等の金属基材などが挙げられる。
<塗膜の形成方法>
本発明は、上記無機基材表面に、まず(A)下塗り塗料(シーラー)を塗布し、下塗り塗膜を形成した後、(B)中塗り塗料を塗布し、中塗り塗膜を形成し、次いで(C)(i)アミノシラン、(ii)エポキシシラン、(iii)(i)及び(ii)を除くアルコキシシラン化合物及びその縮合物の一方又は両方、を加水分解縮合することによって得られるカチオン系オルガノポリシロキサンを結合剤とする上塗り塗料を塗布し、上塗り塗膜を形成する塗膜の形成方法である。この際、無機基材表面への(A)下塗り塗料の塗装手段は、刷毛、スプレー、ロールコーター、フローコーターなどにより、1回塗りで乾燥膜厚5〜60μmの塗膜を形成することができ、常温での乾燥、あるいは30〜150℃の温度で1〜60分間加熱し、乾燥することにより塗膜を形成することが可能である。
(B)中塗り塗料の塗装手段は、刷毛、スプレー、ロールコーター、フローコーター、スクリーン印刷、グラビア印刷、ディッピングなどにより、1回塗りで乾燥膜厚5〜50μm、2〜3回塗りで10〜300μmの塗膜を形成することができ、常温での乾燥、あるいは30〜150℃の温度で1〜60分間加熱し、乾燥することにより塗膜を形成することが可能である。
(C)上塗り塗料の塗装手段は、刷毛、スプレー、ロールコーター、フローコーターなどにより、1回塗りで乾燥膜厚1〜50μm、2〜3回塗りで2〜100μmの塗膜を形成することができ、常温での乾燥、あるいは30〜150℃の温度で1〜60分間加熱し、乾燥することにより塗膜を形成することが可能である。
以下、本発明を実施例によりさらに詳細に説明する。
なお、実施例中の「部」や「%」は、特に断わらない限り、質量基準で示す。
[結合剤−1の調製]
還流冷却器、攪拌機を備えた反応器に、フェニルトリメトキシシランとジメチルジメトキシシランの部分加水分解共縮合物(東レ・ダウコーニング(株)製、DC3074、固形分100%、ポリスチレン換算重量平均分子量1400)46部、及び、メチルトリメトキシシラン3部、ジメチルジメトキシシラン11部、N−(β−アミノエチル)−γ−アミノプロピルメチルジメトキシシラン6部とを加え混合した後、攪拌しながらイソプロパノール5部とイオン交換水4部(合計加水分解性官能基1当量に対し0.6当量に相当)を加え、60℃で3時間加水分解縮合反応させた。得られた溶液100部に対し、イオン交換水130部と乳酸3.3部(アミノ基0.5当量中和する量に相当)を加え、60℃で2時間反応させた。次いで、乳酸4部とイオン交換水130部、γ−グリシドキシプロピルトリメトキシシラン23部を加え、50℃で1時間反応させ、冷却後、イオン交換水92部を加えて、固形分16質量%、pH5.0の結合剤−1を調製した。得られた結合剤−1中のアミン価は固形分換算で、47.3mgKOH/gであった。
[結合剤−2の調製]
還流冷却器、攪拌機を備えた反応器に、メチルトリメトキシシランの部分加水分解縮合物(信越化学工業(株)製、X40−9220、固形分100%、ポリスチレン換算重量平均分子量1400)46部、及び、メチルトリメトキシシラン3部、ジメチルジメトキシシラン11部、N−(β−アミノエチル)−γ−アミノプロピルメチルジメトキシシラン6部とを加え混合した後、攪拌しながらイソプロパノール5部とイオン交換水4部(合計加水分解性官能基1当量に対し0.6当量に相当)を加え、60℃で3時間加水分解縮合反応させた。得られた溶液100部に対し、イオン交換水130部と乳酸3.3部(アミノ基0.5当量中和する量に相当)を加え、60℃で2時間反応させた。次いで、乳酸4部とイオン交換水130部、γ−グリシドキシプロピルトリメトキシシラン23部を加え、50℃で1時間反応させ、冷却後、イオン交換水92部を加えて、固形分16質量%、pH5.0の結合剤−2を調製した。得られた結合剤−2中のアミン価は固形分換算で、47.3mgKOH/gであった。
[結合剤−3の調製]
還流冷却器、攪拌機を備えた反応器に、フェニルトリメトキシシランとジメチルジメトキシシランの部分加水分解共縮合物(東レ・ダウコーニング(株)製、DC3074、固形分100%)46部、及び、ジメチルジメトキシシラン14部、N−(β−アミノエチル)−γ−アミノプロピルメチルジメトキシシラン6部とを加え混合した後、攪拌しながらイソプロパノール5部とイオン交換水4部(合計加水分解性官能基1当量に対し0.6当量に相当)を加え、60℃で3時間加水分解縮合反応させた。得られた溶液100部に対し、イオン交換水130部と乳酸3.3部(アミノ基0.5当量中和する量に相当)を加え、60℃で2時間反応させた。次いで、乳酸4部とイオン交換水130部、γ−グリシドキシプロピルトリメトキシシラン23部を加え、50℃で1時間反応させ、冷却後、イオン交換水92部を加えて、固形分16質量%、pH5.0の結合剤−3を調製した。
得られた結合剤−3中のアミン価は固形分換算で、47.4mgKOH/gであった。
[オルガノポリシロキサン−4の調製]
還流冷却器、撹拌機を備えた反応器に、メチルトリメトキシシランの部分加水分解縮合物(信越化学工業(株)製、X40−9220、固形分100%)70部、及び、メチルトリメトキシシラン20部、ジメチルジメトキシシラン10部、イソプロパノール40部とを加え混合した後、撹拌しながらイオン交換水38部を加え、60℃で3時間反応させた後、イソプロパノール80部とノルマルブタノール100部を加え室温まで冷却し、オルガノポリシロキサン−4(固形分20質量%)を得た。
[オルガノシリケートの加水分解縮合物の調製]
還流冷却器、攪拌機を備えた反応器に、エチルシリケートのオリゴマー体(多摩化学工業(株)製、ES−40、平均重合度4〜5)52部、エタノール115部を加え混合した後、攪拌しながら純水28部と触媒の6%硝酸水溶液36部を加え、加熱還流下に4時間加水分解反応させた。次いで、得られた加水分解反応物中に、イソプロピルアルコール245部と純水560部とを十分に混合し、オルガノシリケートの加水分解縮合物(固形分5.0質量%)を得た。
得られたオルガノシリケートの加水分解縮合物の溶液を十分に撹拌して比較例2の塗料とした。なお、この比較例2の水分量は、オルガノシリケート加水分解縮合物中のSi原子のSiO換算100部に対して、3000部である。
[塗膜の性能評価試験]
塗膜性能試験板の作製:無機素材(無機基材)として石膏スラグパーライト板(厚さ12mm)を用い、その表面に下塗り塗料としてポリイソシアネートプレポリマー溶液シーラー「Vセラン#100シーラー」(大日本塗料(株)製、酢酸ブチル:キシレン=1:1の溶剤で100%希釈品)を塗着量が90〜100g/m(wet質量)となるようにスプレーで吹付塗装した。これを100℃で5分間乾燥した。次いで、中塗り塗料としてアクリルシリコーン樹脂系塗料「Vセラン#500エナメル」(大日本塗料株式会社製、酢酸ブチル:キシレン=1:1の溶剤で40%希釈品)を塗着量が80〜90g/m(wet質量)、膜厚40μmとなるようにスプレーで吹付塗装した。これを120℃で12分間乾燥した。
中塗り塗膜として、Si−OR基含有化合物の量は塗膜形成成分換算で、1.5質量%であった。
次いで、前述の各樹脂組成物に硬化促進剤や有機溶媒を添加し、表1に示す配合で上塗り塗料をそれぞれ調製し、塗着量が70〜80g/m(wet質量)、膜厚15μmとなるようにスプレーで吹付塗装した。これを70℃で10分間乾燥した後、室温で3日間乾燥し、得られた塗膜の外観、耐温水性、耐汚染性、耐候性、耐凍害性の各試験を行い、その結果を表1に示した。
ブランクは上塗り塗料を塗布せず、下塗り塗膜、中塗り塗膜のみで評価した。
なお、試験方法及び評価基準は、以下に基づいて行った。
<外観>
試験前の塗膜を、以下のように目視で評価した。
○…良好(透明な膜)
×…悪い(白濁した膜)
<耐温水性:外観>
上記のように作製した塗板を80℃の温水中に3時間浸漬した後の塗膜外観を、浸漬中及び塗膜乾燥後において、以下のように目視判定した。
◎…浸漬中及び塗膜乾燥後共に変化なし
○…浸漬中軽微な白化はあるが、塗膜乾燥後では変化なし
△…浸漬中での白化がひどく、塗膜乾燥後では光沢低下、白化等の軽微な変化あり
×…浸漬中での白化がひどく、塗膜乾燥後では光沢低下、白化等の変化大
<耐温水性:密着性>
塗板を80℃の温水中に3時間浸漬した後、取り出した塗板の塗膜にカッターナイフを用いて、2mm間隔で25個のゴバン目を作り、セロファン粘着テープを貼り付け、引き剥がしを行い、塗膜剥離のない目の個数を測定した。
<耐汚染性>
塗板上に赤、黒マジックインキで描いて24時間後に、n−ブタノールで濡らした布で拭き取り、その除染性を以下のように目視判定した。
◎…完全除去
○…極く軽微な汚染
△…少し汚染
×…汚染著しい
<耐候性>
サンシャインウェザー−オーメーターにより3000時間行い、その耐候性を以下のように判定した。
○…塗膜外観に変化はなく、光沢保持率95%以上
△…塗膜外観の変化が軽微にあり、光沢保持率80〜94%
×…塗膜外観の変化が著しく、光沢保持率80%未満
<耐凍害性>
ASTM−C666A法により、40サイクルと80サイクルの耐凍害性を測定し、以下のように目視判定した。
◎…クラックの発生なし
○…極く軽微なクラック発生
△…クラック発生又は塗膜の部分剥離
×…著しいクラック発生又は塗膜剥離
Figure 2005219024
表1より明らかの通り、本発明に用いられる(i)アミノシラン、(ii)エポキシシラン、(iii)(i)及び(ii)を除くアルコキシシラン化合物及びその縮合物の一方又は両方、を加水分解縮合することによって得られるカチオン系オルガノポリシロキサンを結合剤とする上塗り塗料を使用した実施例1〜3は、優れた塗膜性能を有していた。
一方、(i)アミノシラン及び(ii)エポキシシランを有しないオルガノポリシロキサン−4を用いた比較例1は、特に耐汚染性が悪かった。また、オルガノシリケートの加水分解縮合物を用いた比較例2は、耐温水性(外観、密着性)と耐凍害性が悪かった。上塗り塗料を塗布しないブランクでは、耐汚染性が非常に悪かった。
本発明の塗膜の形成方法は、無機基材の表面に、耐汚染性や、耐候性、耐温水性(外観、密着性)、耐凍害性に優れた塗膜を形成する手段として有用である。

Claims (3)

  1. 無機基材に、(A)下塗り塗料を塗布し、下塗り塗膜を形成し、次いで、その上に(B)中塗り塗料を塗布し、中塗り塗膜を形成し、次いで、その上に(C)(i)アミノシラン、(ii)エポキシシラン、(iii)(i)及び(ii)を除くアルコキシシラン化合物及びその縮合物の一方又は両方、を加水分解縮合することによって得られるカチオン系オルガノポリシロキサンを結合剤とする上塗り塗料を塗布し、上塗り塗膜を形成することを特徴とする塗膜の形成方法。
  2. 前記(B)中塗り塗料成分として、Si−OR基(Rは水素原子、又は炭素数1〜12の炭化水素基)を有する化合物を塗膜形成成分換算で0.1〜50質量%含有する、請求項1に記載の塗膜の形成方法。
  3. 前記結合剤が固形分換算で、アミン価20〜150mgKOH/gである、請求項1又は請求項2のいずれかに記載の塗膜の形成方法。
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JP2007268343A (ja) * 2006-03-30 2007-10-18 Dainippon Toryo Co Ltd 塗膜の形成方法

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