JP2005229849A - 休眠性に関与する遺伝子座に連鎖する遺伝マーカーおよびその利用 - Google Patents

休眠性に関与する遺伝子座に連鎖する遺伝マーカーおよびその利用 Download PDF

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Abstract

【課題】 オオムギ等のイネ科植物のゲノムDNA中に存在し、休眠性に関与する遺伝子座に連鎖する遺伝マーカーとその利用法を提供する。
【解決手段】 オオムギの詳細な連鎖地図を作成し、QTL解析を行うことにより、オオムギ5H染色体上に座乗する休眠性に関与する遺伝子座に連鎖する二組の遺伝子マーカーを見出した。
【選択図】 なし

Description

本発明は、新規遺伝マーカーおよびその利用法に関するものであり、特に、オオムギ等のイネ科植物における休眠性に関与する遺伝子座に連鎖する遺伝マーカーと、その利用に関するものである。
収穫したばかりの種子は休眠性を持っており、すぐには発芽しないことが知られている。野生型のオオムギではこの傾向が強く、栽培種でもある程度の休眠性を持っている。休眠性が全くないと、収穫前の降雨によって種子が穂についたまま発芽してしまう穂発芽という障害が発生する。すなわち、休眠性は穂発芽に対する抵抗性因子として働く形質である。しかしながら、休眠性が深すぎると、圃場で翌年まで発芽せずに雑草化したり、ビール醸造の麦芽を作る際に芽が出ないという問題が生じる。したがって、適度の休眠性を有するように改変することは、重要な育種目標となっている。
従来、作物の育種は目標形質を有する栽培品種や野生種等を交配し、多数の個体を実際に栽培して目標形質を有する個体を選抜し、当該目標形質を遺伝的に固定化しなければならず、広大な圃場や多大な人力、相当の年月が必要であった。例えば、休眠性を目標形質とした場合には、選抜対象集団を栽培し、穂発芽するか否かを調査したり、休眠性が深すぎることがないかを調査した後に、選抜すべき個体を特定しなければならなかった。また、目標形質が栽培環境因子に影響を受けやすい形質であれば、選抜個体が発現している目標形質が遺伝子の表現型であるか否かの判定が困難であった。
そこで、近年は育種期間の短縮、労働力および圃場面積の縮減、有用遺伝子の確実な選抜を図るため、遺伝マーカーを指標とした選抜による育種法が用いられるようになってきた。このような遺伝マーカーによる育種では、マーカーの遺伝子型により幼苗段階で選抜が可能となり、目標形質の有無の確認も容易となる。したがって、遺伝マーカーを利用すれば効率的な育種が実現可能である。そして、遺伝マーカーを利用した育種を実現するためには、目標形質に強く連鎖した遺伝マーカーの開発が必須となる。
ところで、農業上重要な形質の多くは、雑種後代で連続的な変異を示すものが多い。このような形質は、時間や長さなどの量的な尺度で測定されるので量的形質と呼ばれている。上記休眠性も量的形質の1つであることが知られている。量的形質は一般に、単一主働遺伝子支配の形質ではなく、複数の遺伝子の作用によって決定されている場合が多い。作物の育種において改良対象とされる形質の多く、例えば収量や品質・食味等はこの量的形質であることが多い。
このような量的形質を司る遺伝子が染色体上に占める遺伝的な位置をQTL(Quantitative Trait Loci、量的形質遺伝子座)と称する。QTLを推定する方法として、QTLの近傍に存在する遺伝マーカーを利用するQTL解析が用いられる。1980年代後半にDNAマーカーが登場すると、DNAマーカー利用による詳細な連鎖地図作成が大きく進み、その地図に基づいて多くの生物でQTL解析が行われるようになった。
以上のように、目標形質に連鎖する遺伝マーカーの開発は、染色体全体をカバーできる詳細な連鎖地図に基づいた精度の高いQTL解析により可能となり、得られた遺伝マーカーを利用することにより、効率的な育種が実現できるといえる。
上記遺伝マーカーに関する技術としては、オオムギを例に挙げると、1)オオムギにアルミニウム耐性を付与する遺伝子に連鎖する遺伝マーカーとその利用に関する技術(特許文献1参照)や、2)オオムギ染色体由来の核酸マーカーをコムギの背景で検出するための新規なプライマーセット(特許文献2参照)とその利用に関する技術等が、本発明者らによって提案されている。
特開2002−291474号公報(2002(平成14)年10月8日公開) 特開2003−111593号公報(2003(平成15)年4月15日公開)
上述のように、イネ科植物の休眠性は穂発芽の抵抗性因子として働く形質であるため、休眠性の改変は重要な育種目標の1つである。しかし、休眠性は複数の遺伝子座が関与する場合が多いため、実際に休眠性を調査する選抜方法では休眠性に関与する遺伝子(遺伝子座)を確実に選抜しているか否かを確認することが困難である。そこで休眠性を改変した植物の育種には遺伝マーカーを利用することが非常に有効である。休眠性に関与する遺伝子座に連鎖する遺伝マーカーが開発され、利用可能となれば、休眠性改変植物の育種の大幅な効率化を実現することが可能となる。
本発明は、上記課題に鑑みなされたものであって、その目的は、イネ科植物、特にオオムギにおける休眠性に関与する遺伝子座に連鎖する新規遺伝マーカーと、その代表的な利用法とを提供することにある。
本発明者らは、上記課題を解決すべく、発明者らが有するオオムギEST配列に基づいてプライマーセットを設計し、当該プライマーセットにより増幅されるオオムギゲノム断片の多型の有無により遺伝マーカー(DNAマーカー)を開発した。さらに、醸造用オオムギ「はるな二条」と野生オオムギ「H602」の交雑F1から作出した倍加半数体(doubled haploid、以下「DH」と略記する。)集団を材料として、上記遺伝マーカー間の連鎖を検出して、当該DH系統の連鎖地図を作成し、この連鎖地図に基づいて休眠性に関与する遺伝子座のQTL解析を行った。その結果、休眠性に関与する遺伝子座を5H染色体上に2つ検出した。本発明者等はさらに解析を進め、これら休眠性に関与する遺伝子座にそれぞれ連鎖する新規遺伝マーカーを見いだした。すなわち本発明は、上記新規知見により完成されたものであり、以下の発明を包含する。
すなわち本発明にかかる遺伝マーカーは、イネ科植物のゲノムDNA中に存在し、休眠性に関与する遺伝子座に連鎖する遺伝マーカーであって、上記休眠性に関与する遺伝子座から0ないし5センチモルガンの範囲内の距離に位置することを特徴としている。上記遺伝マーカーは、休眠性に関与する遺伝子座に強連鎖するため、当該遺伝マーカーと休眠性に関与する遺伝子座間で分離して組み換えが起こる確率は低い。それゆえ上記遺伝マーカーを用いることによって、例えば休眠性に関与する遺伝子座を含むDNA断片の取得、休眠性改変イネ科植物の生産(作出)・判別等を行うことが可能となる。
さらに本発明にかかる遺伝マーカーは、上記イネ科植物がムギ類であることを特徴としている。それゆえ上記遺伝マーカーを用いることによって、オオムギ・コムギ等のムギ類において休眠性に関与する遺伝子座を含むDNA断片の取得、休眠性改変ムギ類の生産(作出)・判別等を行うことが可能となる。
さらに本発明にかかる遺伝マーカーは、上記ムギ類がオオムギであることを特徴としている。それゆえ上記遺伝マーカーを用いることによって、オオムギにおいて休眠性に関与する遺伝子座を含むDNA断片の取得、休眠性改変オオムギの生産(作出)・判別等を行うことが可能となる。
さらに本発明にかかる遺伝マーカーは、上記ゲノムDNAが5H染色体であることを特徴としている。それゆえ上記遺伝マーカーを用いることによって、オオムギの5H染色体上に存在する休眠性に関与する遺伝子座を含むDNA断片の取得、休眠性改変オオムギの生産(作出)・判別等を行うことが可能となる。
さらに本発明にかかる遺伝マーカーは、配列番号1に示される塩基配列を有するプライマーと、配列番号2に示される塩基配列を有するプライマーとの組み合わせである第一プライマーセットを用いて増幅されることを特徴としている。上記第一プライマーセットを用いてPCR等の増幅反応を行えば当該遺伝マーカーを容易に増幅・検出することが可能となり、休眠性改変イネ科植物の判別を容易に行うことができる。
また本発明にかかる遺伝マーカーは、配列番号3に示される塩基配列を有するプライマーと、配列番号4に示される塩基配列を有するプライマーとの組み合わせである第二プライマーセットを用いて増幅されることを特徴としている。上記第二プライマーセットを用いてPCR等の増幅反応を行えば当該遺伝マーカーを容易に増幅・検出することが可能となり、休眠性改変イネ科植物の判別を容易に行うことができる。
また本発明にかかる遺伝マーカーは、配列番号5に示される塩基配列を有するプライマーと、配列番号6に示される塩基配列を有するプライマーとの組み合わせである第三プライマーセットを用いて増幅されることを特徴としている。上記第三プライマーセットを用いてPCR等の増幅反応を行えば当該遺伝マーカーを容易に増幅・検出することが可能となり、休眠性改変イネ科植物の判別を容易に行うことができる。
また本発明にかかる遺伝マーカーは、配列番号7に示される塩基配列を有するプライマーと、配列番号8に示される塩基配列を有するプライマーとの組み合わせである第四プライマーセットを用いて増幅されることを特徴としている。上記第四プライマーセットを用いてPCR等の増幅反応を行えば当該遺伝マーカーを容易に増幅・検出することが可能となり、休眠性改変イネ科植物の判別を容易に行うことができる。
一方、本発明にかかるDNA断片の単離方法は、上記本発明にかかる遺伝マーカーを用いて休眠性に関与する遺伝子座を含むDNA断片を単離することを特徴としている。本発明にかかる遺伝マーカーは休眠性に関与する遺伝子座に強連鎖するものであり、上記遺伝マーカーを目標にクローニングを行えば、休眠性に関与する遺伝子座を含むDNA断片を容易に単離することが可能となる。
また本発明にかかる休眠性改変イネ科植物の生産方法は、上記本発明にかかるDNA断片の単離方法により得られた上記休眠性に関与する遺伝子座を含むDNA断片を、イネ科植物のゲノムDNAに導入することを特徴としている。上記イネ科植物はムギ類であることが好ましく、オオムギであることがより好ましい。当該生産方法により、休眠性改変イネ科植物を生産することが可能となる。また、当該生産方法により得られた休眠性改変イネ科植物も、本発明に含まれる。
また本発明にかかる休眠性改変イネ科植物を選抜する方法は、上記本発明にかかる遺伝マーカーを指標として、休眠性改変イネ科植物を選抜する方法である。上記本発明にかかる遺伝マーカーは、休眠性に関与する遺伝子座に強連鎖するため、当該遺伝マーカーと休眠性に関与する遺伝子座間で分離して組み換えが起こる確率が非常に低い。それゆえ上記遺伝マーカーを検出することによって、試験対象植物における休眠性に関与する遺伝子座の遺伝子型を容易に判別することができ、選抜すべき個体を容易に見出すことが可能となる。
本発明にかかる遺伝マーカーは、休眠性に関与する遺伝子座と連鎖するため、当該遺伝マーカーを指標として休眠性を改変したイネ科植物の育種を可能とする。したがって、休眠性改変植物の効率的な育種が実現できるという効果を奏する。より具体的には、幼苗段階で目的個体を選抜できるため、実際に植物個体の休眠性を調査した後に目的の個体を選抜する必要がなくなり、育種期間を短縮できるという効果を奏する。また、複数の遺伝子座を同時に選抜できるために、観察によって選抜するよりも、確実に目的とする遺伝子型を得ることができる。さらに、労働力および圃場面積を縮減できるという効果を奏する。
また、本発明にかかる遺伝マーカーを指標として選抜育種を行えば、栽培環境因子による表現型への影響を排除することが可能となる。したがって、有用遺伝子(遺伝子座)の確実な選抜ができるという効果を奏する。
さらに、上記遺伝マーカーを指標として選択的に育種された休眠性改変植物は、穂発芽に対する抵抗性を有しているという効果を奏する。
本発明の実施の一形態について説明すれば、以下のとおりである。なお、本発明はこれに限定されるものではない。
本発明は、イネ科植物における休眠性に関与する遺伝子座に連鎖する遺伝マーカーとその利用の一例とに関するものである。以下、本発明にかかる遺伝マーカー、本発明の利用の一例について説明する。
(1)本発明にかかる遺伝マーカー
本発明にかかる遺伝マーカーは、イネ科植物のゲノムDNA中に存在し、休眠性に関与する遺伝子座に連鎖しているものであればよい。イネ科植物としてはムギ類であることが好ましく、オオムギであることが特に好ましい。イネ科植物とは、オオムギ属、コムギ属、イネ等の植物であればよく、特に限定されるものではない。また、ムギ類とは、例えばオオムギ、コムギ、ライムギ、ライコムギ、エンバク等を意味する。
休眠性とは、収穫後の種子が一定期間発芽しない性質を表す形質を意味する。休眠性の調査は、例えば、収穫から一定期間後の種子の発芽率を調査すること等により行うことができる。休眠性が全くないと穂発芽という障害が発生し、逆に休眠性が深すぎると、圃場で翌年まで発芽せずに雑草化したり、ビール醸造の麦芽を作る際に芽が出ないという問題が生じる。したがって、適度な休眠性を有している品種が、栽培品種として好ましい。そのため、休眠性の改変は重要な育種目標の1つである。
休眠性は量的形質であり、複数の遺伝子座により決定される形質である。量的形質はQTL解析により当該量的形質に関与している遺伝子座の染色体上の位置を推定することができる。以下、本発明者らがオオムギにおいて開発した休眠性に関与する遺伝子座と連鎖する遺伝マーカーについて詳細に説明する。なお、本発明に係る遺伝マーカーはこれらに限定されるものではない。
本発明者らは、醸造用オオムギ「はるな二条」と野生オオムギ「H602」との交雑F1から作出した倍加半数体(DH)集団を用いて、高密度連鎖地図を作成した。すなわち、本発明者らが有するオオムギEST(expressed sequence tag)配列に基づいて設計されたプライマーセットを用いてオオムギゲノムDNAを増幅し、「はるな二条」と「H602」との間に増幅断片長の多型を有するものや、増幅断片長の制限酵素による消化のパターンが異なる多型を有するものを特定し、これらのDNAマーカーを含む約500遺伝子座からなる連鎖地図を構築した。この連鎖地図および本発明者らが測定した上記DH集団93個体についての休眠性のデータに基づいて、休眠性に関与する遺伝子座のQTL解析を行った。その結果、休眠性に関与する遺伝子座を5H染色体上に2つ検出した。本発明に係る遺伝マーカーは5H染色体上に座乗する2つの休眠性に関与する遺伝子座のうち一方の休眠性に関与する遺伝子座を挟み、最も近傍に位置する2つの遺伝マーカーと、他方の休眠性に関与する遺伝子座を挟み、最も近傍に位置する2つの遺伝マーカーである。発明者らは5H染色体上に検出された一方の休眠性に関与する遺伝子座に連鎖する遺伝マーカーを「k04618」および「k00204」、他方の休眠性に関与する遺伝子座に連鎖する遺伝マーカーを「k00101」および「k06472」と命名した。
k04618は、
ATCAGGCATATGACCCAAGG(配列番号1)に示される塩基配列を有するプライマー、および
AGGGAAATGGTGCACAAGAC(配列番号2)に示される塩基配列を有するプライマーとの組み合わせである第一プライマーセットを用いてオオムギゲノムDNAを鋳型として増幅されるDNAマーカーであり、上記5H染色体上に検出された休眠性に関与する遺伝子座から短腕側に2ないし4.5センチモルガン(以下cMと表示する)の距離に座乗している。上記プライマー配列は、発明者らが独自に開発したオオムギEST配列の1つ(ESTクローン名:bah62n12、配列番号15)に基づいて設計されている。図1に当該ESTの塩基配列を示した。下線を付した部分が上記プライマー配列(配列番号1)および上記プライマー配列(配列番号2)の相補配列である。はるな二条の増幅産物とH602の増幅産物との間に断片長多型があり、はるな二条のゲノムDNAを鋳型として増幅される断片のサイズは約600bp、H602のゲノムDNAを鋳型として増幅される断片のサイズは約550bpと異なる。図2に第一プライマーセットを用いてPCRにより増幅した断片の電気泳動像を示した。図2(a)、(b)とも両端は分子量マーカーである。図2(a)は、左端(分子量マーカーを除く)から順に、はるな二条、H602、はるな二条とH602の交雑F1、DH集団の1〜45の増幅断片である。図2(b)は、左端(分子量マーカーを除く)から順に、DH集団の46〜93の増幅断片である。図2から明らかなように、増幅産物のサイズを確認することにより、対象個体が当該5H染色体に座乗する休眠性に関与する遺伝子座の対立遺伝子について、はるな二条型の遺伝子型を有するか、H602型の遺伝子型を有するかを判別できる。
k00204は、
AGCGATAAGTAACCGAGCCA(配列番号3)に示される塩基配列を有するプライマー、および
GGAGGACGACAAGAACTGGA(配列番号4)に示される塩基配列を有するプライマーとの組み合わせである第二プライマーセットを用いてオオムギゲノムDNAを鋳型として増幅される遺伝マーカーであり、上記5H染色体上に検出された休眠性に関与する遺伝子座から長腕側に0ないし2.5cMの距離に座乗している。上記プライマー配列は、発明者らが独自に開発したオオムギEST配列の1つ(ESTクローン名:baak21h06、配列番号16)に基づいて設計されている。図3に当該ESTの塩基配列を示した。下線を付した部分が上記プライマー配列(配列番号3)および上記プライマー配列(配列番号4)の相補配列である。はるな二条の増幅産物とH602の増幅産物との間にSNP(single nucleotide polymorphisms;一塩基多型)がある。図4に両者の増幅産物の塩基配列のうち、上記SNPを含む部分の塩基配列を示した。上がH602の塩基配列(配列番号9)であり、下がはるな二条の塩基配列(配列番号10)である。□で囲んだ塩基がSNPである。下線部が制限酵素HhaIの認識配列(GCGC)を示す。図4から明らかなように、はるな二条の増幅産物は制限酵素HhaIの認識配列(GCGC)を有しているためHhaIで切断されるが、H602の増幅産物は上記認識配列部分のCがGに変異しているため(GCGG)制限酵素HhaIで切断されない。すなわち、本遺伝マーカーk00204は、CAPS(cleaved amplified polymorphic sequence)マーカーであり、上記第二プライマーセットによる増幅と、増幅産物の制限酵素HhaI切断により、対象個体が当該5H染色体に座乗する休眠性に関与する遺伝子座の対立遺伝子について、はるな二条型の遺伝子型を有するか、H602型の遺伝子型を有するかを判別できる。
k00101は、
GCGGTGCTTTGCTCTTTCTA(配列番号5)に示される塩基配列を有するプライマー、および
CTGCAGCTGTTTGCCAAGT(配列番号6)に示される塩基配列を有するプライマーとの組み合わせである第三プライマーセットを用いてオオムギゲノムDNAを鋳型として増幅される遺伝マーカーであり、上記5H染色体上に検出された休眠性に関与する遺伝子座から短腕側に約3.9cMの距離に座乗している。上記プライマー配列は、発明者らが独自に開発したオオムギEST配列の1つ(ESTクローン名:baak15n22、配列番号17)に基づいて設計されている。図5に当該ESTの塩基配列を示した。下線を付した部分が上記プライマー配列(配列番号5)および上記プライマー配列(配列番号6)の相補配列である。はるな二条の増幅産物とH602の増幅産物との間にSNPがある。図6に両者の増幅産物の塩基配列のうち、上記SNPを含む部分の塩基配列を示した。上がH602の塩基配列(配列番号11)であり、下がはるな二条の塩基配列(配列番号12)である。□で囲んだ塩基がSNPである。下線部が制限酵素HhaIの認識配列(GCGC)を示す。図6から明らかなように、はるな二条の増幅産物は制限酵素HhaIの認識配列(GCGC)を有しているためHhaIで切断されるが、H602の増幅産物は上記認識配列部分のGがTに変異しているため(GCTC)制限酵素HhaIで切断されない。すなわち、本遺伝マーカーk00101は、CAPSマーカーであり、上記第三プライマーセットによる増幅と、増幅産物の制限酵素HhaI切断により、対象個体が当該5H染色体に座乗する休眠性に関与する遺伝子座の対立遺伝子について、はるな二条型の遺伝子型を有するか、H602型の遺伝子型を有するかを判別できる。
k06472は、
TTAACCGGGACAGAATGGAA(配列番号7)に示される塩基配列を有するプライマー、および
GGCAATTTACGCTCTTGCTC(配列番号8)に示される塩基配列を有するプライマーとの組み合わせである第四プライマーセットを用いてオオムギゲノムDNAを鋳型として増幅される遺伝マーカーであり、上記5H染色体上に検出された休眠性に関与する遺伝子座から長腕側に約0.8cMの距離に座乗している。上記プライマー配列は、発明者らが独自に開発したオオムギEST配列の1つ(ESTクローン名:BaAK28L22、配列番号18)に基づいて設計されている。図7に当該ESTの塩基配列を示した。下線を付した部分が上記プライマー配列(配列番号7)および上記プライマー配列(配列番号8)の相補配列である。はるな二条の増幅産物とH602の増幅産物との間にSNPがある。図8に両者の増幅産物の塩基配列のうち、上記SNPを含む部分の塩基配列を示した。上がH602の塩基配列(配列番号13)であり、下がはるな二条の塩基配列(配列番号14)である。□で囲んだ塩基がSNPである。下線部が制限酵素AfaIの認識配列(GTAC)を示す。図8から明らかなように、H602の増幅産物は制限酵素AfaIの認識配列(GTAC)を有しているためAfaIで切断されるが、はるな二条の増幅産物は上記認識配列部分のCがGに変異しているため(GTAG)制限酵素AfaIで切断されない。すなわち、本遺伝マーカーk06472は、CAPSマーカーであり、上記第四プライマーセットによる増幅と、増幅産物の制限酵素AfaI切断により、対象個体が当該5H染色体に座乗する休眠性に関与する遺伝子座の対立遺伝子について、はるな二条型の遺伝子型を有するか、H602型の遺伝子型を有するかを判別できる。
ここで、1センチモルガン(1cM)とは、2つの遺伝子座の間に1%の頻度で交叉が起きるときの、両遺伝子座間の距離を表す単位である。
ところで、増幅に際して鋳型として用いられるゲノムDNAは、植物体より従来公知の方法で抽出可能である。具体的には、植物体からゲノムDNAを抽出するための一般法(Murray,M.G. and W.F.Thompson(1980) Nucleic Acids Res.8:4321-4325. など参照)が好適な例として挙げられる。また、上記のゲノムDNAは、根、茎、葉、生殖器官など、オオムギの植物体を構成するいずれの組織を用いても抽出可能である。また、場合によってはオオムギのカルスから抽出してもよい。なお、上記生殖器官には、花器官(雄性・雌性生殖器官を含む)や種子も含まれる。ゲノムDNAの抽出は、例えば、オオムギの幼苗期の葉を用いて行われる。この理由としては、組織の摩砕が比較的容易であり、多糖類などの不純物の混合割合が比較的少なく、また、種子から短期間で育成可能である点が挙げられる。さらに、幼苗段階で個体の選抜が可能となり、育種期間を大幅に短縮できる点が挙げられる。
またオオムギのゲノムDNAを鋳型とし、上記プライマーの組み合わせを用いて増幅する方法は、従来公知のDNA増幅法を採用することができる。一般には、PCR法(ポリメラ−ゼ連鎖反応法)や、その改変法が用いられる。PCR法や、その改変法を用いる際の反応条件は特に限定されるものではなく、通常と同様の条件下で増幅することができる。
(2)本発明の利用
〔休眠性に関与する遺伝子座を含むDNA断片の単離方法〕
上述のとおり本発明にかかる遺伝マーカー(k04618、k00204)は、オオムギ5H染色体上に検出された2つの休眠性に関与する遺伝子座のうち、一方の遺伝子座に連鎖するものであり、本発明にかかる遺伝マーカー(k00101、k06472)は、他方の遺伝子座に連鎖するものである。よって、k04618、k00204の遺伝マーカーを用いることによってオオムギ5H染色体上に検出された2つの休眠性に関与する遺伝子座のうち、一方の遺伝子座を含むDNA断片を単離することができ、k00101、k06472の遺伝マーカーを用いることによって他方の遺伝子座を含むDNA断片を単離することができる。
単離とは、目的のDNA断片、すなわち休眠性に関与する遺伝子座を含むDNA断片をクローニングすることを意味することはいうまでもないが、広義には交雑F1集団から戻し交配等により、両親のうち一方の休眠性に関与する遺伝子座を含むDNA断片を有する個体を選抜し、その遺伝子座領域のみを目的品種に導入する同質遺伝子系統の作製も単離に含まれる。
本発明にかかる遺伝マーカーを用いて休眠性に関与する遺伝子座を含むDNA断片を単離する方法としては特に限定されるものではないが、例えば次のような方法を挙げることができる。
オオムギでは本発明者らが開発を進めている「はるな二条」を含めて、ゲノムDNAのBACライブラリーが2種類作成されており、現在複数のBACライブラリーが開発中である。そこで、このようなBACライブラリーを用いて、従来公知のマップベースクローニングの手法にしたがって、休眠性に関与する遺伝子座と当該遺伝子座に連鎖する本発明の遺伝マーカーとで当該マーカーを含むBACクローンを同定し、そこからBACのコンティグを作成して塩基配列を確定することにより、最終的に休眠性に関与する遺伝子座に到達することができる。
また、上述のように、交雑F1に一方の親を戻し交配することにより、他方の親の休眠性に関与する遺伝子座を含むDNA断片を目的品種に導入して(広義の)単離をすることができる。
なお、上記方法をはじめとする休眠性に関与する遺伝子座を含むDNA断片を単離する際には、目的とする休眠性に関与する遺伝子座に対してなるべく近傍に座乗する遺伝マーカーを選択して用いることが好ましい。目的とする休眠性に関与する遺伝子座と遺伝マーカーの間で組み換えが起こる確率がより低くなり、より確実に休眠性に関与する遺伝子座を含む断片を単離することができるからである。
〔休眠性改変植物の生産方法、および当該生産方法によって得られた休眠性改変植物〕
上記本発明にかかる休眠性に関与する遺伝子座を含むDNA断片の単離方法によって得られた休眠性に関与する遺伝子座を含むDNA断片をイネ科植物のゲノムDNAに導入することによって、休眠性改変イネ科植物を生産することが可能である。イネ科植物としてはムギ類であることが好ましく、オオムギであることが特に好ましい。また、例えば、オオムギから単離された休眠性に関与する遺伝子座を含むDNA断片をオオムギ以外のイネ科植物に導入することも可能であり、同一属間のみでの単離、導入に限定されるものではない。
上記DNA断片を導入する方法は特に限定されるものではなく、公知の方法を適宜選択して用いることができる。より具体的には、例えばアグロバクテリウムまたはパーティクルガンを用いてイネ科植物のゲノムDNAに導入することによって生産すればよく、これにより、休眠性改変品種が得られることとなる。例えば、雑誌The Plant Journal(1997) 11(6),1369-1376 には、Sonia Tingay等により、Agrobacterium tumefaciens を用いてオオムギを形質転換する方法が開示されており、この方法を利用して形質転換オオムギを生産可能である。
また、目的とする休眠性に関与する遺伝子座を含むDNA断片を有する植物個体と、当該DNA断片を導入しようとする植物個体との交雑により、休眠性に関与する遺伝子座を含むDNA断片を、植物に導入することも可能である。この方法では、交雑が可能である限りにおいて、他の種や属の植物が有する休眠性に関与する遺伝子座を含むDNA断片の導入が可能である。
本発明にかかる休眠性改変植物は、上記本発明にかかる生産方法により得られるものである。当該休眠性改変植物は、休眠性を深くする表現型を有する遺伝子座を含むDNA断片を導入した場合には元の品種の休眠性より深い休眠性を有する品種となり、休眠性を浅くする表現型を有する遺伝子座を含むDNA断片を導入した場合には元の品種の休眠性より浅い休眠性を有する品種となる。例えば、休眠性のほとんどない品種に休眠性を深くする表現型を有する遺伝子座を含むDNA断片を導入すれば、穂発芽を生じない品種を得ることができる。また、休眠性の深い品種に休眠性を浅くする表現型を有する遺伝子座を含むDNA断片を導入すれば、収穫後短期間でビール醸造用の麦芽を作ることができるようになり、利用価値の高い品種を得ることができる。
〔休眠性改変イネ科植物の選抜方法〕
本発明にかかる休眠性改変イネ科植物の選抜方法は、上記本発明にかかる遺伝マーカーを指標として休眠性改変イネ科植物を選抜する方法であればよく、その他の工程、条件、材料等は特に限定されるものではない。例えば、従来公知の作物育種法を利用することができる。
より具体的には、例えば、交配等により作出した植物のゲノムDNAを抽出し、本発明に係る遺伝マーカーの遺伝子型を指標として植物を選抜する方法が挙げられる。遺伝マーカーを検出する手段としては、例えば、対象とする植物から抽出したゲノムDNAを鋳型として上記第一ないし第四プライマーセットのいずれかを用いて増幅したDNA断片について、断片長または断片の制限酵素消化パターンの観察を挙げることができる。
なお本発明は上述した各実施形態に限定されるものではなく、請求項に示した範囲で種々の変更が可能であり、異なる実施形態にそれぞれ開示された技術的手段を適宜組み合わせて得られる実施形態についても本発明の技術的範囲に含まれる。
〔使用植物〕
醸造用オオムギ「はるな二条」(Hordeum vulgare ssp. vulgare variety Harunanijo)と野生オオムギ「H602」(Hordeum vulgare ssp. spontaneum H602)との交配から得られたF1の花粉を培養して半数体(haploid)を育成し、自然倍加した倍加半数体(doubled haploid)93個体からなる集団を使用した。
〔連鎖地図の作成〕
本発明者らが有するオオムギEST配列約12万をphredによって再度ベースコールした後、quality score 20でトリミングし、ベクターマスキングを行って3’端約6万配列を得た。これらの配列からphrapによってcontig 8,753、 singlet 6,686からなるUnigeneを作成した。プライマー作成ソフトPrimer3によって、400bpを中心として150-500bpのcDNA配列を増幅するプライマーセット約11,000を作成した。このうち約5,100のプライマーセットについて、はるな二条とH602との間に増幅されるゲノム断片の多型の有無を検出するために、それぞれのゲノムDNAをPCR増幅し、アガロースゲル電気泳動によってバンドの有無、バンド数、バンドサイズを調査し、マーカーとなり得るものを選択した。さらに、バンドサイズに多型のない場合は、増幅断片をダイレクトシークエンスすることにより塩基配列の差異を検出し、39種類の制限酵素に対してCAPS(cleaved amplified polymorphic sequence)化が可能なものをマーカーとして選択した。
以上により、上記はるな二条とH602との交雑F1由来のDH集団について、合計499遺伝子座のマーカーからなる連鎖地図を構築した。この連鎖地図の平均マーカー密度は3.0cM/locus、全長は1,470cMである。
〔遺伝子型の判定〕
DH集団各個体の遺伝子型の判定は、上記DH集団の連鎖地図にマッピングされたマーカーを用いて行った。すなわち、各個体の新鮮な葉の組織から分離したDNAを鋳型として、EST配列に基づいて設計したプライマーセットを用いてPCRを行った。断片長多型マーカーについてはPCR産物の電気泳動により遺伝子型を判定した。CAPS(cleaved amplified polymorphic sequence)マーカーについては、PCR産物を制限酵素で消化し、電気泳動により遺伝子型を判定した。
〔休眠性の調査〕
DH集団の各個体から得られた種子について、5週間または10週間25℃の条件で休眠を覚醒させた後、種子を発芽させ、4日後の発芽粒数を調査してその割合を各DH個体の発芽率(%)とし,その値を休眠性として用いた。覚醒期間5週間後の各DH個体の発芽率の分布を図9(a)に、覚醒期間10週間後の各DH個体の発芽率の分布を図9(b)にそれぞれ示した。図5において、白矢印ははるな二条、黒矢印はH602の発芽率を示し、縦軸は個体数を横軸は発芽率(%)を示す。図9から明らかなように、はるな二条は5週間または10週間の覚醒によりほぼ100%の発芽率を示し、H602はいずれの場合も発芽率は0であった。一方DH集団の各個体は、0〜100%の間に連続的に分布した。
〔QTL解析〕
QTL解析のアルゴリズムには、シンプルインターバルマッピング(simple interval mapping、以下「SIM」と略記する。)とコンポジットインターバルマッピング(composite interval mapping以下「CIM」と略記する。)を用い、解析ソフトウエアにはそれぞれ、MAPMAKER/QTLとQTL Cartographerを用いた。LODスコアの閾値を2に設定し、LODスコアが2を超えた場合に当該2つのマーカー区間内の最もLODの大きな位置にQTLの存在を推定した。
〔結果〕
結果を表1に示した。表1から明らかなように、覚醒期間5週間後のデータからSIMにより休眠性に関与する1つのQTLが検出された。このQTLは5H染色体上に存在し、遺伝マーカーk04618から2.6cMの位置で遺伝マーカーk00204に挟まれる位置に座乗し、LODスコアは19.8である。このQTLで表現型の分散の71.0%を説明できる。また、このQTLの存在で5週間の覚醒処理により68.1%の種子が発芽する。さらに、覚醒期間10週間後のデータからSIMにより休眠性に関与する1つのQTLが検出された。また、CIMにより休眠性に関与する1つのQTLが検出された。SIMにより検出されたQTLは5H染色体上に存在し、遺伝マーカーk04618から3.9cMの位置で遺伝マーカーk00204に挟まれる位置に座乗し、LODスコアは24.6である。このQTLで表現型の分散の74.7%を説明できる。また、このQTLの存在で10週間の覚醒処理により70.4%の種子が発芽する。CIMにより検出されたQTLも5H染色体上に存在し、遺伝マーカーk00101から3.9cMの位置で遺伝マーカーk06472に挟まれる位置に座乗し、LODスコアは4.2である。このQTLで表現型の分散の34.8%を説明できる。また、このQTLの存在で10週間の覚醒処理により56.9%の種子が発芽する。
Figure 2005229849
本発明にかかる遺伝マーカーは、休眠性改変植物の育種、休眠性に関与する遺伝子の単離等に用いることができ、育種の効率化に大きく貢献することが期待される。したがって、広く農業全般に利用可能であり、さらには、オオムギ等を原料とする食品産業においても有効である。また、生物分野の基礎研究、特に植物ゲノム研究等にも利用可能である。
オオムギESTクローン:bah62n12の塩基配列、および当該配列に基づいて設計されたプライマー配列の位置を示す図である。 (a)、(b)は遺伝マーカーk04618における、H602とはるな二条との間の断片長多型を示す電気泳動画像である。(a)は、左から、はるな二条、H602、はるな二条とH602の交雑F1、DH集団1〜45の増幅断片の電気泳動画像であり、(b)は、左から、DH集団46〜93の増幅断片の電気泳動画像である。 オオムギESTクローン:baak21h06の塩基配列、および当該配列に基づいて設計されたプライマー配列の位置を示す図である。 遺伝マーカーk00204における、H602とはるな二条との間のSNPおよびSNP周囲の塩基配列を示す図である。 オオムギESTクローン:baak15n22の塩基配列、および当該配列に基づいて設計されたプライマー配列の位置を示す図である。 遺伝マーカーk00101における、H602とはるな二条との間のSNPおよびSNP周囲の塩基配列を示す図である。 オオムギESTクローン:BaAK28L22の塩基配列、および当該配列に基づいて設計されたプライマー配列の位置を示す図である。 遺伝マーカーk06472における、H602とはるな二条との間のSNPおよびSNP周囲の塩基配列を示す図である。 図9(A)は覚醒期間5週間後のDH集団各個体の休眠性の分布を示すグラフであり、図9(B)は覚醒期間10週間後のDH集団各個体の休眠性の分布を示すグラフである。

Claims (14)

  1. イネ科植物のゲノムDNA中に存在し、休眠性に関与する遺伝子座に連鎖する遺伝マーカーであって、
    上記休眠性に関与する遺伝子座から0ないし5センチモルガンの範囲内の距離に位置することを特徴とする遺伝マーカー。
  2. 上記イネ科植物がムギ類であることを特徴とする請求項1に記載の遺伝マーカー。
  3. 上記ムギ類がオオムギであることを特徴とする請求項2に記載の遺伝マーカー。
  4. 上記ゲノムDNAが5H染色体であることを特徴とする請求項3に記載の遺伝マーカー。
  5. 配列番号1に示される塩基配列を有するプライマーと、配列番号2に示される塩基配列を有するプライマーとの組み合わせである第一プライマーセットを用いて増幅されることを特徴とする請求項1ないし4のいずれか1項に記載の遺伝マーカー。
  6. 配列番号3に示される塩基配列を有するプライマーと、配列番号4に示される塩基配列を有するプライマーとの組み合わせである第二プライマーセットを用いて増幅されることを特徴とする請求項1ないし4のいずれか1項に記載の遺伝マーカー。
  7. 配列番号5に示される塩基配列を有するプライマーと、配列番号6に示される塩基配列を有するプライマーとの組み合わせである第三プライマーセットを用いて増幅されることを特徴とする請求項1ないし4のいずれか1項に記載の遺伝マーカー。
  8. 配列番号7に示される塩基配列を有するプライマーと、配列番号8に示される塩基配列を有するプライマーとの組み合わせである第四プライマーセットを用いて増幅されることを特徴とする請求項1ないし4のいずれか1項に記載の遺伝マーカー。
  9. 請求項1ないし8のいずれか1項に記載の遺伝マーカーを用いて休眠性に関与する遺伝子座を含むDNA断片を単離することを特徴とするDNA断片の単離方法。
  10. 請求項9に記載の単離方法により得られた上記休眠性に関与する遺伝子座を含むDNA断片を、イネ科植物のゲノムDNAに導入することを特徴とする休眠性改変イネ科植物の生産方法。
  11. 上記イネ科植物がムギ類であることを特徴とする請求項10に記載の休眠性改変イネ科植物の生産方法。
  12. 上記ムギ類がオオムギであることを特徴とする請求項11に記載の休眠性改変イネ科植物の生産方法。
  13. 請求項10ないし12のいずれか1項に記載の休眠性改変イネ科植物の生産方法によって得られた休眠性改変イネ科植物。
  14. 請求項1ないし8のいずれか1項に記載の遺伝マーカーを指標として、休眠性改変イネ科植物を選抜する方法。
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