JP2005229842A - 稈長に関与する遺伝子座に連鎖する遺伝マーカーおよびその利用 - Google Patents
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Abstract
【課題】 オオムギ等のイネ科植物のゲノムDNA中に存在し、稈長に関与する遺伝子座に連鎖する遺伝マーカーとその利用法を提供する。
【解決手段】 オオムギの詳細な連鎖地図を作成し、QTL解析を行うことにより、オオムギ2H染色体上に座乗する稈長に関与する遺伝子座に連鎖する2つの遺伝子マーカーと、オオムギ5H染色体上に座乗する稈長に関与する遺伝子座に連鎖する2つの遺伝子マーカーと、オオムギ6H染色体上に座乗する稈長に関与する遺伝子座に連鎖する2つの遺伝子マーカーとを見出した。
【選択図】 なし
【解決手段】 オオムギの詳細な連鎖地図を作成し、QTL解析を行うことにより、オオムギ2H染色体上に座乗する稈長に関与する遺伝子座に連鎖する2つの遺伝子マーカーと、オオムギ5H染色体上に座乗する稈長に関与する遺伝子座に連鎖する2つの遺伝子マーカーと、オオムギ6H染色体上に座乗する稈長に関与する遺伝子座に連鎖する2つの遺伝子マーカーとを見出した。
【選択図】 なし
Description
本発明は、新規遺伝マーカーおよびその利用法に関するものであり、特に、オオムギ等のイネ科植物における稈長に関与する遺伝子座に連鎖する遺伝マーカーと、その利用に関するものである。
イネ科植物の「稈長」とは地際から穂首までの長さのことである。稈長が長いものは風の抵抗を受け易く、降雨時に雨滴が穂に付着して重量を増す結果、倒れやすい傾向があるため、栽培品種においては稈長が適度に短いことが好ましい形質であるといえる。また、あまり稈長が短すぎると、稈に基づいて展開している葉が十分に光を受けることができないばかりか、機械収穫の際に穂の部分を効率よく収穫できなくなる。したがって優良形質を有する品種を育種する際には、稈長を適度な長さに調節する必要がある。
従来、作物の育種は目標形質を有する品種や野生種等を交配し、多数の個体を実際に栽培して目標形質を有する個体を選抜し、当該目標形質を遺伝的に固定化しなければならず、広大な圃場や多大な人力、相当の年月が必要であった。例えば、稈長を目標形質とした場合には、選抜対象集団を栽培し、各個体が出穂した後に稈長を実際に測定することにより、選抜すべき個体を特定しなければならなかった。また、目標形質が栽培環境因子に影響を受けやすい形質であれば、選抜個体が発現している目標形質が遺伝子の表現型であるか否かの判定が困難であった。
そこで、近年は育種期間の短縮、労働力および圃場面積の縮減、有用遺伝子の確実な選抜を図るため、遺伝マーカーを指標とした選抜による育種法が用いられるようになってきた。このような遺伝マーカーによる育種では、マーカーの遺伝子型により幼苗段階で選抜が可能となり、目標形質の有無の確認も容易となる。したがって、遺伝マーカーを利用すれば効率的な育種が実現可能である。そして、遺伝マーカーを利用した育種を実現するためには、目標形質に強く連鎖した遺伝マーカーの開発が必須となる。
ところで、農業上重要な形質の多くは、雑種後代で連続的な変異を示すものが多い。このような形質は、時間や長さなどの量的な尺度で測定されるので量的形質と呼ばれている。上記稈長も量的形質の1つであることが知られている。量的形質は一般に、単一主働遺伝子支配の形質ではなく、複数の遺伝子の作用によって決定されている場合が多い。作物の育種において改良対象とされる形質の多く、例えば収量や品質・食味等はこの量的形質であることが多い。
このような量的形質を司る遺伝子が染色体上に占める遺伝的な位置をQTL(Quantitative Trait Loci、量的形質遺伝子座)と称する。QTLを推定する方法として、QTLの近傍に存在する遺伝マーカーを利用するQTL解析が用いられる。1980年代後半にDNAマーカーが登場すると、DNAマーカー利用による詳細な連鎖地図作成が大きく進み、その地図に基づいて多くの生物でQTL解析が行われるようになった。
以上のように、目標形質に連鎖する遺伝マーカーの開発は、染色体全体をカバーできる詳細な連鎖地図に基づいた精度の高いQTL解析により可能となり、得られた遺伝マーカーを利用することにより、効率的な育種が実現できるといえる。
上記遺伝マーカーに関する技術としては、オオムギを例に挙げると、1)オオムギにアルミニウム耐性を付与する遺伝子に連鎖する遺伝マーカーとその利用に関する技術(特許文献1参照)や、2)オオムギ染色体由来の核酸マーカーをコムギの背景で検出するための新規なプライマーセット(特許文献2参照)とその利用に関する技術等が、本発明者らによって提案されている。
特開2002−291474号公報(2002(平成14)年10月8日公開)
特開2003−111593号公報(2003(平成15)年4月15日公開)
上述のように、イネ科植物の稈長はイネ科植物の倒れにくさ(耐倒伏性)に関与しているため、稈長の改変は重要な育種目標の1つである。しかし、稈長は栽培環境因子に影響を受けやすい形質であり、複数の遺伝子座が関与する場合が多いため、実際に稈長を調査する選抜方法では稈長に関与する遺伝子(遺伝子座)を確実に選抜しているか否かを確認することが困難である。そこで稈長を改変した植物の育種には遺伝マーカーを利用することが非常に有効である。稈長に関与する遺伝子座に連鎖する遺伝マーカーが開発され、利用可能となれば、稈長改変植物の育種の大幅な効率化を実現することが可能となる。
本発明は、上記課題に鑑みなされたものであって、その目的は、イネ科植物、特にオオムギにおける稈長に関与する遺伝子座に連鎖する新規遺伝マーカーと、その代表的な利用法とを提供することにある。
本発明者らは、上記課題を解決すべく、発明者らが有するオオムギEST配列に基づいてプライマーセットを設計し、当該プライマーセットにより増幅されるオオムギゲノム断片の多型の有無により遺伝マーカー(DNAマーカー)を開発した。さらに、醸造用オオムギ「はるな二条」と野生オオムギ「H602」の交雑F1から作出した倍加半数体(doubled haploid、以下「DH」と略記する。)集団を材料として、上記遺伝マーカー間の連鎖を検出して、当該DH系統の連鎖地図を作成し、この連鎖地図に基づいて稈長に関与する遺伝子座のQTL解析を行った。その結果、稈長に関与する遺伝子座を2H染色体上、5H染色体上、6H染色体上にそれぞれ1つづつ検出した。本発明者等はさらに解析を進め、これら稈長に関与する遺伝子座にそれぞれ連鎖する新規遺伝マーカーを見いだした。したがって本発明は、上記新規知見により完成されたものであり、以下の発明を包含する。
すなわち本発明にかかる遺伝マーカーは、イネ科植物のゲノムDNA中に存在し、稈長に関与する遺伝子座に連鎖する遺伝マーカーであって、上記稈長に関与する遺伝子座から0ないし7センチモルガンの範囲内の距離に位置することを特徴としている。上記遺伝マーカーは、稈長に関与する遺伝子座に強連鎖するため、当該遺伝マーカーと稈長に関与する遺伝子座間で分離して組み換えが起こる確率は低い。それゆえ上記遺伝マーカーを用いることによって、例えば稈長に関与する遺伝子座を含むDNA断片の取得、稈長改変イネ科植物の生産(作出)・判別等を行うことが可能となる。
さらに本発明にかかる遺伝マーカーは、上記イネ科植物がムギ類であることを特徴としている。それゆえ上記遺伝マーカーを用いることによって、オオムギ・コムギ等のムギ類において稈長に関与する遺伝子座を含むDNA断片の取得、稈長改変ムギ類の生産(作出)・判別等を行うことが可能となる。
さらに本発明にかかる遺伝マーカーは、上記ムギ類がオオムギであることを特徴としている。それゆえ上記遺伝マーカーを用いることによって、オオムギにおいて稈長に関与する遺伝子座を含むDNA断片の取得、稈長改変オオムギの生産(作出)・判別等を行うことが可能となる。
さらに本発明にかかる遺伝マーカーは、上記ゲノムDNAが2H染色体であることを特徴としている。それゆえ上記遺伝マーカーを用いることによって、オオムギの2H染色体上に存在する稈長に関与する遺伝子座を含むDNA断片の取得、稈長改変オオムギの生産(作出)・判別等を行うことが可能となる。
さらに本発明にかかる遺伝マーカーは、配列番号1に示される塩基配列を有するプライマーと、配列番号2に示される塩基配列を有するプライマーとの組み合わせである第一プライマーセットを用いて増幅されることを特徴としている。上記第一プライマーセットを用いてPCR等の増幅反応を行えば当該遺伝マーカーを容易に増幅・検出することが可能となり、稈長改変イネ科植物の判別を容易に行うことができる。
また本発明にかかる遺伝マーカーは、配列番号3に示される塩基配列を有するプライマーと、配列番号4に示される塩基配列を有するプライマーとの組み合わせである第二プライマーセットを用いて増幅されることを特徴としている。上記第二プライマーセットを用いてPCR等の増幅反応を行えば当該遺伝マーカーを容易に増幅・検出することが可能となり、稈長改変イネ科植物の判別を容易に行うことができる。
また本発明にかかる遺伝マーカーは、上記ゲノムDNAが5H染色体であることを特徴としている。それゆえ上記遺伝マーカーを用いることによって、オオムギの5H染色体上に存在する稈長に関与する遺伝子座を含むDNA断片の取得、稈長改変オオムギの生産(作出)・判別等を行うことが可能となる。
また本発明にかかる遺伝マーカーは、配列番号5に示される塩基配列を有するプライマーと、配列番号6に示される塩基配列を有するプライマーとの組み合わせである第三プライマーセットを用いて増幅されることを特徴としている。上記第三プライマーセットを用いてPCR等の増幅反応を行えば当該遺伝マーカーを容易に増幅・検出することが可能となり、稈長改変イネ科植物の判別を容易に行うことができる。
また本発明にかかる遺伝マーカーは、配列番号7に示される塩基配列を有するプライマーと、配列番号8に示される塩基配列を有するプライマーとの組み合わせである第四プライマーセットを用いて増幅されることを特徴としている。上記第四プライマーセットを用いてPCR等の増幅反応を行えば当該遺伝マーカーを容易に増幅・検出することが可能となり、稈長改変イネ科植物の判別を容易に行うことができる。
また本発明にかかる遺伝マーカーは、上記ゲノムDNAが6H染色体であることを特徴としている。それゆえ上記遺伝マーカーを用いることによって、オオムギの6H染色体上に存在する稈長に関与する遺伝子座を含むDNA断片の取得、稈長改変オオムギの生産(作出)・判別等を行うことが可能となる。
さらに本発明にかかる遺伝マーカーは、配列番号9に示される塩基配列を有するプライマーと、配列番号10に示される塩基配列を有するプライマーとの組み合わせである第五プライマーセットを用いて増幅されることを特徴としている。上記第五プライマーセットを用いてPCR等の増幅反応を行えば当該遺伝マーカーを容易に増幅・検出することが可能となり、稈長改変イネ科植物の判別を容易に行うことができる。
また本発明にかかる遺伝マーカーは、配列番号11に示される塩基配列を有するプライマーと、配列番号12に示される塩基配列を有するプライマーとの組み合わせである第六プライマーセットを用いて増幅されることを特徴としている。上記第六プライマーセットを用いてPCR等の増幅反応を行えば当該遺伝マーカーを容易に増幅・検出することが可能となり、稈長改変イネ科植物の判別が容易に行うことができる。
一方、本発明にかかるDNA断片の単離方法は、上記本発明にかかる遺伝マーカーを用いて稈長に関与する遺伝子座を含むDNA断片を単離することを特徴としている。本発明にかかる遺伝マーカーは稈長に関与する遺伝子座に強連鎖するものであり、上記遺伝マーカーを目標にクローニングを行えば、稈長に関与する遺伝子座を含むDNA断片を容易に単離することが可能となる。
また本発明にかかる稈長改変イネ科植物の生産方法は、上記本発明にかかるDNA断片の単離方法により得られた上記稈長に関与する遺伝子座を含むDNA断片を、イネ科植物のゲノムDNAに導入することを特徴としている。上記イネ科植物はムギ類であることが好ましく、オオムギであることがより好ましい。当該生産方法により、稈長改変イネ科植物を生産することが可能となる。
また本発明にかかる稈長改変イネ科植物は、上記本発明にかかる稈長改変イネ科植物の生産方法によって得られることを特徴としている。特に稈長が適度に短くなった改変イネ科植物は耐倒伏性に優れ、該作物の収穫量が増加させることができる。
また本発明にかかる稈長改変イネ科植物を選抜する方法は、上記本発明にかかる遺伝マーカーを指標として、稈長改変イネ科植物を選抜する方法である。上記本発明にかかる遺伝マーカーは、稈長に関与する遺伝子座に強連鎖するため、当該遺伝マーカーと稈長に関与する遺伝子座間で分離して組み換えが起こる確率が非常に低い。それゆえ上記遺伝マーカーを検出することによって、試験対象植物における稈長に関与する遺伝子座の遺伝子型を容易に判別することができ、選抜すべき個体を容易に見出すことが可能となる。
本発明にかかる遺伝マーカーは、稈長に関与する遺伝子座と連鎖するため、当該遺伝マーカーを指標として稈長を改変したイネ科植物の育種を可能とする。したがって、稈長改変植物の効率的な育種実現できるという効果を奏する。より具体的には、幼苗段階で目的個体を選抜できるため、実際に植物個体の稈長を観察した後に目的の個体を選抜する必要がなくなり、育種期間を短縮できるという効果を奏する。また、複数の遺伝子座を同時に選抜できるために、観察によって選抜するよりも、確実に目的とする遺伝子型を得ることができる。さらに、労働力および圃場面積を縮減できるという効果を奏する。
また、本発明にかかる遺伝マーカーを指標として選抜育種を行えば、栽培環境因子による表現型への影響を排除することが可能となる。したがって、有用遺伝子(遺伝子座)の確実な選抜ができるという効果を奏する。
また、上記遺伝マーカーを指標として選択的に育種された稈長改変植物、特に稈長が短くなった改変植物は耐倒伏性に優れ該作物の収穫量を増加することできるという効果を奏する。さらには稈長を指標として種や品種の識別が容易となり、異種または異品種の混入を排除できるという効果を奏する。
本発明の実施の一形態について説明すれば、以下のとおりである。なお、本発明はこれに限定されるものではない。
本発明は、イネ科植物における稈長に関与する遺伝子座に連鎖する遺伝マーカーとその利用の一例とに関するものである。以下、本発明にかかる遺伝マーカー、本発明の有用性、並びに本発明の利用の一例について説明する。
(1)本発明にかかる遺伝マーカー
本発明にかかる遺伝マーカーは、イネ科植物のゲノムDNA中に存在し、稈長に関与する遺伝子座に連鎖しているものであればよい。イネ科植物としてはムギ類であることが好ましく、オオムギであることが特に好ましい。イネ科植物とは、オオムギ属、コムギ属、イネ等の植物であればよく、特に限定されるものではない。また、ムギ類とは、例えばオオムギ、コムギ、ライムギ、ライコムギ、エンバク等を意味する。
本発明にかかる遺伝マーカーは、イネ科植物のゲノムDNA中に存在し、稈長に関与する遺伝子座に連鎖しているものであればよい。イネ科植物としてはムギ類であることが好ましく、オオムギであることが特に好ましい。イネ科植物とは、オオムギ属、コムギ属、イネ等の植物であればよく、特に限定されるものではない。また、ムギ類とは、例えばオオムギ、コムギ、ライムギ、ライコムギ、エンバク等を意味する。
「稈長」とは、地際から穂首までの長さのことを意味し、実際に長さを測定して調べる。稈長が長いものは風雨等の抵抗を受け易く、その結果倒れやすい傾向があるため、栽培品種においては稈長がある程度短いことが好ましい形質であるといえる。また、葉を立体的に構成して光合成の効率を高めたり、機械収穫の際の効率を良くするためには一定以上の長さの稈長が必要である。したがって優良形質を有する品種を育種する際には、適度な稈長のものを選抜する必要がある。
稈長は量的形質であり、複数の遺伝子座により決定される形質である。量的形質はQTL解析により当該量的形質に関与している遺伝子座の染色体上の位置を推定することができる。以下、本発明者らがオオムギにおいて開発した稈長に関与する遺伝子座と連鎖する遺伝マーカーについて詳細に説明する。なお、本発明に係る遺伝マーカーはこれらに限定されるものではない。
本発明者らは、醸造用オオムギ「はるな二条」と野生オオムギ「H602」との交雑F1から作出した倍加半数体(DH)集団を用いて、高密度連鎖地図を作成した。すなわち、本発明者らが有するオオムギEST(expressed sequence tag)配列に基づいて設計されたプライマーセットを用いてオオムギゲノムDNAを増幅し、「はるな二条」と「H602」との間に増幅断片長の多型を有するものや、増幅断片長の制限酵素による消化のパターンが異なる多型を有するものを特定し、これらのDNAマーカーを含む約500遺伝子座からなる連鎖地図を構築した。この連鎖地図および本発明者らが測定した上記DH集団93個体についての稈長のデータに基づいて、稈長に関与する遺伝子座のQTL解析を行った。その結果、稈長に関与する遺伝子座を2H染色体上、5H染色体上、6H染色体上にそれぞれ1つづつ検出した。本発明にかかる遺伝マーカーは、2H染色体上に座乗する稈長に関与する遺伝子座を挟み、最も近傍に位置する2つの遺伝マーカーと、5H染色体上に座乗する稈長に関与する遺伝子座を挟み、最も近傍に位置する2つの遺伝マーカーと、6H染色体上に座乗する稈長に関与する遺伝子座を挟み、最も近傍に位置する2つの遺伝マーカーである。発明者らは2H染色体上に検出された稈長に関与する遺伝子座に連鎖する遺伝マーカーを「k03044」および「k06489」、5H染色体上に検出された稈長に関与する遺伝子座に連鎖する遺伝マーカーを「k02321」および「k00835」、6H染色体上に検出された稈長に関与する遺伝子座に連鎖する遺伝マーカーを「k07101」および「k03647」と命名した。
k03044は、
GATGGGAGCACACCAGCTAT(配列番号1)に示される塩基配列を有するプライマー、およびTGCTATTCGCAGTGAGGATG(配列番号2)に示される塩基配列を有するプライマーとの組み合わせである第一プライマーセットを用いてオオムギゲノムDNAを鋳型として増幅されるDNAマーカーであり、上記2H染色体上に検出された稈長に関与する遺伝子座から短腕側に約0.4センチモルガン(以下cMと表示する)の位置に座乗している。上記プライマー配列は、発明者らが独自に開発したオオムギEST配列の1つ(ESTクローン名:bags35a12、配列番号21)に基づいて設計されている。図1に上記ESTの全塩基配列を示す。下線を付した部分が上記プライマー配列(配列番号1)および上記プライマー配列(配列番号2)の相補配列である。
GATGGGAGCACACCAGCTAT(配列番号1)に示される塩基配列を有するプライマー、およびTGCTATTCGCAGTGAGGATG(配列番号2)に示される塩基配列を有するプライマーとの組み合わせである第一プライマーセットを用いてオオムギゲノムDNAを鋳型として増幅されるDNAマーカーであり、上記2H染色体上に検出された稈長に関与する遺伝子座から短腕側に約0.4センチモルガン(以下cMと表示する)の位置に座乗している。上記プライマー配列は、発明者らが独自に開発したオオムギEST配列の1つ(ESTクローン名:bags35a12、配列番号21)に基づいて設計されている。図1に上記ESTの全塩基配列を示す。下線を付した部分が上記プライマー配列(配列番号1)および上記プライマー配列(配列番号2)の相補配列である。
はるな二条の増幅産物とH602の増幅産物との間には、SNP(single nucleotide polymorphisms;一塩基多型)がある。図2に両者の増幅産物の塩基配列のうち、上記SNPを含む部分の塩基配列を示した。上がH602の塩基配列(配列番号13)であり、下がはるな二条の塩基配列(配列番号14)である。□(四角)で囲んだ塩基がSNPである。下線部が制限酵素HapIIの認識配列(CCGG)を示す。図2から明らかなように、はるな二条の増幅産物は制限酵素HapIIの認識配列(CCGG)を有しているためHapIIで切断されるが、H602の増幅産物は上記認識配列部分のGがAに変異しているため(CCAG)制限酵素HapIIで切断されない。すなわち、本遺伝マーカーk03044は、CAPS(cleaved amplified polymorphic sequence)マーカーであり、上記第一プライマーセットによる増幅と、増幅産物の制限酵素HapII切断により、対象個体が当該2H染色体に座乗する稈長に関与する遺伝子座の対立遺伝子について、はるな二条型の遺伝子型を有するか、H602型の遺伝子型を有するかを判別できる。
ここで、栽培品種である「はるな2条」は稈長が短い形質(以下適宜「短稈長型」と称する)を有し、野生品種である「H602」は稈長が長い形質(以下適宜「長稈長型」と称する)を有する。よって第一プライマーセットを用いて得られる増幅産物が、制限酵素HapIIによって切断されれば、当該試験対象植物はるな二条型、すなわち短稈長型であると判別でき、逆に当該制限酵素によって切断されなければH602型、すなわち長稈長型であると判断できる。
上記制限酵素による切断の有無の確認は、特に限定されるものではないが、例えば上記制限酵素HapIIで消化したものと、未消化のものを電気泳動にかけ、そのときにみられるDNA断片バンドの数が未消化のものに比して増加していれば上記HapIIで切断されたと判断でき、変化がなければ上記HapIIで切断されないと判断できる。なお以下に示す他のプライマーセットを用いたその他の遺伝マーカーの検出・判別においても同様に行なえばよい。
またk06489は、
CTCGCATTAACAAGGCATGA(配列番号3)に示される塩基配列を有するプライマー、および
AGAGGGTGGCAACGTTGTAG(配列番号4)に示される塩基配列を有するプライマーとの組み合わせである第二プライマーセットを用いてオオムギゲノムDNAを鋳型として増幅される遺伝マーカーであり、上記2H染色体上に検出された稈長に関与する遺伝子座から長腕側に約6.5cM離れた位置に座乗している。上記プライマー配列は、発明者らが独自に開発したオオムギEST配列の1つ(ESTクローン名:BaAK36B07、配列番号22)に基づいて設計されている。図3に上記ESTの全塩基配列を示す。下線を付した部分が上記プライマー配列(配列番号3)および上記プライマー配列(配列番号4)の相補配列である。
CTCGCATTAACAAGGCATGA(配列番号3)に示される塩基配列を有するプライマー、および
AGAGGGTGGCAACGTTGTAG(配列番号4)に示される塩基配列を有するプライマーとの組み合わせである第二プライマーセットを用いてオオムギゲノムDNAを鋳型として増幅される遺伝マーカーであり、上記2H染色体上に検出された稈長に関与する遺伝子座から長腕側に約6.5cM離れた位置に座乗している。上記プライマー配列は、発明者らが独自に開発したオオムギEST配列の1つ(ESTクローン名:BaAK36B07、配列番号22)に基づいて設計されている。図3に上記ESTの全塩基配列を示す。下線を付した部分が上記プライマー配列(配列番号3)および上記プライマー配列(配列番号4)の相補配列である。
はるな二条の増幅産物とH602の増幅産物との間にはSNPがある。図4に両者の増幅産物の塩基配列のうち、上記SNPを含む部分の塩基配列を示した。上がH602の塩基配列(配列番号15)であり、下がはるな二条の塩基配列(配列番号16)である。□で囲んだ塩基がSNPである。下線部が制限酵素MboIの認識配列(GATC)を示す。図4から明らかなように、H602の増幅産物は制限酵素MboIの認識配列(GATC)を有しているためMboIで切断されるが、はるな二条の増幅産物は上記認識配列部分のGがTに変異しているため(TATC)制限酵素MboIで切断されない。すなわち、本遺伝マーカーk06489は、CAPS(cleaved amplified polymorphic sequence)マーカーであり、上記第二プライマーセットによる増幅と、増幅産物の制限酵素MboI切断により、対象個体が当該2H染色体に座乗する稈長に関与する遺伝子座の対立遺伝子について、はるな二条型の遺伝子型を有するか、H602型の遺伝子型を有するかを判別できる。
またk02321は、
CCAGACTGACGATTTGGGAT(配列番号5)に示される塩基配列を有するプライマー、および
GTGAAGCAATTCATGCAAGC(配列番号6)に示される塩基配列を有するプライマーとの組み合わせである第三プライマーセットを用いてオオムギゲノムDNAを鋳型として増幅される遺伝マーカーであり、上記5H染色体上に検出された稈長に関与する遺伝子座から短腕側に約5.7cM離れた位置に座乗している。上記プライマー配列は、発明者らが独自に開発したオオムギEST配列の1つ(ESTクローン名:bags19i06、配列番号23)に基づいて設計されている。図5に上記ESTの全塩基配列を示す。下線を付した部分が上記プライマー配列(配列番号5)および上記プライマー配列(配列番号6)の相補配列である。
CCAGACTGACGATTTGGGAT(配列番号5)に示される塩基配列を有するプライマー、および
GTGAAGCAATTCATGCAAGC(配列番号6)に示される塩基配列を有するプライマーとの組み合わせである第三プライマーセットを用いてオオムギゲノムDNAを鋳型として増幅される遺伝マーカーであり、上記5H染色体上に検出された稈長に関与する遺伝子座から短腕側に約5.7cM離れた位置に座乗している。上記プライマー配列は、発明者らが独自に開発したオオムギEST配列の1つ(ESTクローン名:bags19i06、配列番号23)に基づいて設計されている。図5に上記ESTの全塩基配列を示す。下線を付した部分が上記プライマー配列(配列番号5)および上記プライマー配列(配列番号6)の相補配列である。
はるな二条の増幅産物とH602の増幅産物との間にはSNPがある。図6に両者の増幅産物の塩基配列のうち、上記SNPを含む部分の塩基配列を示した。上がH602の塩基配列(配列番号17)であり、下がはるな二条の塩基配列(配列番号18)である。□(四角)で囲んだ塩基がSNPである。下線部が制限酵素AfaIの認識配列(GTAC)を示す。図6から明らかなように、H602の増幅産物は制限酵素MboIの認識配列(GTAC)を有しているためMboIで切断されるが、はるな二条の増幅産物は上記認識配列部分のCがTに変異しているため(GTAT)制限酵素MboIで切断されない。
すなわち、本遺伝マーカーk02321は、CAPS(cleaved amplified polymorphic sequence)マーカーであり、上記第三プライマーセットによる増幅と、増幅産物の制限酵素AfaI切断により、対象個体が当該5H染色体に座乗する稈長に関与する遺伝子座の対立遺伝子について、はるな二条型の遺伝子型を有するか、H602型の遺伝子型を有するかを判別できる。
すなわち、本遺伝マーカーk02321は、CAPS(cleaved amplified polymorphic sequence)マーカーであり、上記第三プライマーセットによる増幅と、増幅産物の制限酵素AfaI切断により、対象個体が当該5H染色体に座乗する稈長に関与する遺伝子座の対立遺伝子について、はるな二条型の遺伝子型を有するか、H602型の遺伝子型を有するかを判別できる。
またk00835は、
TCCATGTTCCCAGCTACACA(配列番号7)に示される塩基配列を有するプライマー、およびAGGAACACATTGGTTCTGGC(配列番号8)に示される塩基配列を有するプライマーとの組み合わせである第四プライマーセットを用いてオオムギゲノムDNAを鋳型として増幅される遺伝マーカーであり、上記5H染色体上に検出された稈長に関与する遺伝子座から長腕側に約5.8cM離れた位置に座乗している。上記プライマー配列は、発明者らが独自に開発したオオムギEST配列の1つ(ESTクローン名:baak46e06、配列番号24)に基づいて設計されている。図7に上記ESTの全塩基配列を示す。下線を付した部分が上記プライマー配列(配列番号7)および上記プライマー配列(配列番号8)の相補配列である。
TCCATGTTCCCAGCTACACA(配列番号7)に示される塩基配列を有するプライマー、およびAGGAACACATTGGTTCTGGC(配列番号8)に示される塩基配列を有するプライマーとの組み合わせである第四プライマーセットを用いてオオムギゲノムDNAを鋳型として増幅される遺伝マーカーであり、上記5H染色体上に検出された稈長に関与する遺伝子座から長腕側に約5.8cM離れた位置に座乗している。上記プライマー配列は、発明者らが独自に開発したオオムギEST配列の1つ(ESTクローン名:baak46e06、配列番号24)に基づいて設計されている。図7に上記ESTの全塩基配列を示す。下線を付した部分が上記プライマー配列(配列番号7)および上記プライマー配列(配列番号8)の相補配列である。
はるな二条の増幅産物とH602の増幅産物との間に断片長多型があり、はるな二条のゲノムDNAを鋳型として増幅される断片のサイズは約890bp、H602のゲノムDNAを鋳型として増幅される断片のサイズは約870bpと異なる。図8に第四プライマーセットを用いてPCRにより増幅した断片の電気泳動像を示した。図8(a)及び(b)の両端は分子量マーカーである。図8(a)は、左端(分子量マーカーを除く)から順に、はるな二条、H602、はるな二条とH602の交雑F1、DH集団の1〜45の増幅断片である。図8(b)は、左端(分子量マーカーを除く)から順に、DH集団の46〜93の増幅断片である。図8から明らかなように、増幅産物のサイズを確認することにより、対象個体が当該5H染色体に座乗する稈長に関与する遺伝子座の対立遺伝子について、はるな二条型の遺伝子型を有するか、H602型の遺伝子型を有するかを判別できる。
またk07101は、
CGGAAACAACACCAACTTCC(配列番号9)に示される塩基配列を有するプライマー、および
CATCTCCACAACTGCACACC(配列番号10)に示される塩基配列を有するプライマーとの組み合わせである第五プライマーセットを用いてオオムギゲノムDNAを鋳型として増幅される遺伝マーカーであり、上記6H染色体上に検出された稈長に関与する遺伝子座から短腕側に約2.3cM離れた位置に座乗している。上記プライマー配列は、発明者らが独自に開発したオオムギEST配列の1つ(ESTクローン名:BaAL15B12、配列番号25)に基づいて設計されている。図9に上記ESTの全塩基配列を示す。下線を付した部分が上記プライマー配列(配列番号9)および上記プライマー配列(配列番号10)の相補配列である。
CGGAAACAACACCAACTTCC(配列番号9)に示される塩基配列を有するプライマー、および
CATCTCCACAACTGCACACC(配列番号10)に示される塩基配列を有するプライマーとの組み合わせである第五プライマーセットを用いてオオムギゲノムDNAを鋳型として増幅される遺伝マーカーであり、上記6H染色体上に検出された稈長に関与する遺伝子座から短腕側に約2.3cM離れた位置に座乗している。上記プライマー配列は、発明者らが独自に開発したオオムギEST配列の1つ(ESTクローン名:BaAL15B12、配列番号25)に基づいて設計されている。図9に上記ESTの全塩基配列を示す。下線を付した部分が上記プライマー配列(配列番号9)および上記プライマー配列(配列番号10)の相補配列である。
はるな二条の増幅産物とH602の増幅産物との間にはSNPがある。図10に両者の増幅産物の塩基配列のうち、上記SNPを含む部分の塩基配列を示した。上がH602の塩基配列(配列番号19)であり、下がはるな二条の塩基配列(配列番号20)である。□で囲んだ塩基がSNPである。下線部が制限酵素FokIの認識配列(CATCC)を示す。図10から明らかなように、H602の増幅産物は制限酵素FokIの認識配列(CATCC)を有しているためFokIで切断されるが、はるな二条の増幅産物は上記認識配列部分のTがGに変異しているため(CAGCC)制限酵素FokIで切断されない。すなわち、本遺伝マーカーk07101は、CAPS(cleaved amplified polymorphic sequence)マーカーであり、上記第五プライマーセットによる増幅と、増幅産物の制限酵素FokI切断により、対象個体が当該6H染色体に座乗する稈長に関与する遺伝子座の対立遺伝子について、はるな二条型の遺伝子型を有するか、H602型の遺伝子型を有するかを判別できる。
またk03647は、
TTCATGCTATTCTCCACCCC(配列番号11)に示される塩基配列を有するプライマー、および
ATCGATGGAATCTTTCACGC(配列番号12)に示される塩基配列を有するプライマーとの組み合わせである第六プライマーセットを用いてオオムギゲノムDNAを鋳型として増幅される遺伝マーカーであり、上記6H染色体上に検出された稈長に関与する遺伝子座から長腕側に約2.2cM離れた位置に座乗している。上記プライマー配列は、発明者らが独自に開発したオオムギEST配列の1つ(ESTクローン名:bah15l24、配列番号26)に基づいて設計されている。図11に上記ESTの全塩基配列を示す。下線を付した部分が上記プライマー配列(配列番号11)および上記プライマー配列(配列番号12)の相補配列である。
TTCATGCTATTCTCCACCCC(配列番号11)に示される塩基配列を有するプライマー、および
ATCGATGGAATCTTTCACGC(配列番号12)に示される塩基配列を有するプライマーとの組み合わせである第六プライマーセットを用いてオオムギゲノムDNAを鋳型として増幅される遺伝マーカーであり、上記6H染色体上に検出された稈長に関与する遺伝子座から長腕側に約2.2cM離れた位置に座乗している。上記プライマー配列は、発明者らが独自に開発したオオムギEST配列の1つ(ESTクローン名:bah15l24、配列番号26)に基づいて設計されている。図11に上記ESTの全塩基配列を示す。下線を付した部分が上記プライマー配列(配列番号11)および上記プライマー配列(配列番号12)の相補配列である。
はるな二条の増幅産物とH602の増幅産物との間に断片長多型があり、H602のゲノムDNAを鋳型として増幅される断片のサイズは約2000bpであるが、はるな二条にはこの断片の増幅が認められない。図12に第六プライマーセットを用いてPCRにより増幅した断片の電気泳動像を示した。図12(a)及び(b)の両端は分子量マーカーである。図12(a)は、左端(分子量マーカーを除く)から順に、はるな二条、H602、はるな二条とH602の交雑F1、DH集団の1〜45の増幅断片である。図12(b)は、左端(分子量マーカーを除く)から順に、DH集団の46〜93の増幅断片である。図12から明らかなように、増幅産物のサイズを確認することにより、対象個体が当該5H染色体に座乗する稈長に関与する遺伝子座の対立遺伝子について、はるな二条型の遺伝子型を有するか、H602型の遺伝子型を有するかを判別できる。
ここで、1センチモルガン(1cM)とは、2つの遺伝子座の間に1%の頻度で交叉が起きるときの、両遺伝子座間の距離を表す単位である。
ところで、増幅に際して鋳型として用いられるゲノムDNAは、植物体より従来公知の方法で抽出可能である。具体的には、植物体からゲノムDNAを抽出するための一般法(Murray,M.G. and W.F.Thompson(1980) Nucleic Acids Res.8:4321-4325. など参照)が好適な例として挙げられる。また、上記のゲノムDNAは、根、茎、葉、生殖器官など、オオムギの植物体を構成するいずれの組織を用いても抽出可能である。また、場合によってはオオムギのカルスから抽出してもよい。なお、上記生殖器官には、花器官(雄性・雌性生殖器官を含む)や種子も含まれる。ゲノムDNAの抽出は、例えば、オオムギの幼苗期の葉を用いて行われる。この理由としては、組織の摩砕が比較的容易であり、多糖類などの不純物の混合割合が比較的少なく、また、種子から短期間で育成可能である点が挙げられる。さらに、幼苗段階で個体の選抜が可能となり、育種期間を大幅に短縮できる点が挙げられる。
またオオムギのゲノムDNAを鋳型とし、上記プライマーの組み合わせを用いて増幅する方法は、従来公知のDNA増幅法を採用することができる。一般には、PCR法(ポリメラ−ゼ連鎖反応法)や、その改変法が用いられる。PCR法や、その改変法を用いる際の反応条件は特に限定されるものではなく、通常と同様の条件下で増幅することができる。
(2)本発明の利用
〔稈長に関与する遺伝子座を含むDNA断片の単離方法〕
上述のとおり本発明にかかる遺伝マーカー(k03044、k06489)は、オオムギ2H染色体上に検出された稈長に関与する遺伝子座に連鎖するものであり、本発明にかかる遺伝マーカー(k02321、k00835)は、オオムギ5H染色体上に検出された稈長に関与する遺伝子座に連鎖するものであり、本発明にかかる遺伝マーカー(k07101、k03647)は、オオムギ6H染色体上に検出された稈長に関与する遺伝子座に連鎖するものである。よって、k03044、k06489の遺伝マーカーを用いることによってオオムギ2H染色体上に検出された一方の稈長に関与する遺伝子座を含むDNA断片を単離することができ、k02321、k00835の遺伝マーカーを用いることによってオオムギ5H染色体上に検出された稈長に関与する遺伝子座を含むDNA断片を単離することができ、k07101、k03647の遺伝マーカーを用いることによってオオムギ6H染色体上に検出された稈長に関与する遺伝子座を含むDNA断片を単離することができる。
〔稈長に関与する遺伝子座を含むDNA断片の単離方法〕
上述のとおり本発明にかかる遺伝マーカー(k03044、k06489)は、オオムギ2H染色体上に検出された稈長に関与する遺伝子座に連鎖するものであり、本発明にかかる遺伝マーカー(k02321、k00835)は、オオムギ5H染色体上に検出された稈長に関与する遺伝子座に連鎖するものであり、本発明にかかる遺伝マーカー(k07101、k03647)は、オオムギ6H染色体上に検出された稈長に関与する遺伝子座に連鎖するものである。よって、k03044、k06489の遺伝マーカーを用いることによってオオムギ2H染色体上に検出された一方の稈長に関与する遺伝子座を含むDNA断片を単離することができ、k02321、k00835の遺伝マーカーを用いることによってオオムギ5H染色体上に検出された稈長に関与する遺伝子座を含むDNA断片を単離することができ、k07101、k03647の遺伝マーカーを用いることによってオオムギ6H染色体上に検出された稈長に関与する遺伝子座を含むDNA断片を単離することができる。
単離とは、目的のDNA断片、すなわち稈長に関与する遺伝子座を含むDNA断片をクローニングすることを意味することはいうまでもないが、広義には交雑F1集団から戻し交配等により、両親のうち一方の稈長に関与する遺伝子座を含むDNA断片を有する個体を選抜し、その遺伝子座領域のみを目的品種に導入する同質遺伝子系統の作製も単離に含まれる。
本発明にかかる遺伝マーカーを用いて稈長に関与する遺伝子座を含むDNA断片を単離する方法としては特に限定されるものではないが、例えば次のような方法を挙げることができる。
オオムギでは本発明者らが開発を進めている「はるな二条」を含めて、ゲノムDNAのBACライブラリーが2種類作成されており、現在複数のBACライブラリーが開発中である。そこで、このようなBACライブラリーを用いて、従来公知のマップベースクローニングの手法にしたがって、稈長に関与する遺伝子座と当該遺伝子座に連鎖する本発明の遺伝マーカーとで当該マーカーを含むBACクローンを同定し、そこからBACのコンティグを作成して塩基配列を確定することにより、最終的に稈長に関与する遺伝子座に到達することができる。
また、上述のように、交雑F1に一方の親を戻し交配することにより、他方の親の稈長に関与する遺伝子座を含むDNA断片を目的品種に導入して(広義の)単離をすることができる。
なお、上記方法をはじめとする稈長に関与する遺伝子座を含むDNA断片を単離する際には、目的とする稈長に関与する遺伝子座に対してなるべく近傍に座乗する遺伝マーカーを選択して用いることが好ましい。目的とする稈長に関与する遺伝子座と遺伝マーカーの間で組み換えが起こる確率がより低くなり、より確実に稈長に関与する遺伝子座を含む断片を単離することができるからである。
〔稈長改変植物の生産方法、および当該生産方法によって得られた稈長改変植物〕
上記本発明にかかる稈長に関与する遺伝子座を含むDNA断片の単離方法によって得られた稈長に関与する遺伝子座を含むDNA断片をイネ科植物のゲノムDNAに導入することによって、稈長改変イネ科植物を生産することが可能である。イネ科植物としてはムギ類であることが好ましく、オオムギであることが特に好ましい。また、例えば、オオムギから単離された稈長に関与する遺伝子座を含むDNA断片をオオムギ以外のイネ科植物に導入することも可能であり、同一属間のみでの単離、導入に限定されるものではない。
上記本発明にかかる稈長に関与する遺伝子座を含むDNA断片の単離方法によって得られた稈長に関与する遺伝子座を含むDNA断片をイネ科植物のゲノムDNAに導入することによって、稈長改変イネ科植物を生産することが可能である。イネ科植物としてはムギ類であることが好ましく、オオムギであることが特に好ましい。また、例えば、オオムギから単離された稈長に関与する遺伝子座を含むDNA断片をオオムギ以外のイネ科植物に導入することも可能であり、同一属間のみでの単離、導入に限定されるものではない。
上記DNA断片を導入する方法は特に限定されるものではなく、公知の方法を適宜選択して用いることができる。より具体的には、例えばアグロバクテリウムまたはパーティクルガンを用いてイネ科植物のゲノムDNAに導入することによって生産すればよく、これにより、稈長改変品種が得られることとなる。例えば、雑誌The Plant Journal(1997) 11(6),1369-1376 には、Sonia Tingay等により、Agrobacterium tumefaciens を用いてオオムギを形質転換する方法が開示されており、この方法を利用して形質転換オオムギを生産可能である。
また、目的とする稈長に関与する遺伝子座を含むDNA断片を有する植物個体と、当該DNA断片を導入しようとする植物個体との交雑により、稈長に関与する遺伝子座を含むDNA断片を、植物に導入することも可能である。この方法では、交雑が可能である限りにおいて、他の種や属の植物が有する稈長に関与する遺伝子座を含むDNA断片の導入が可能である。
本発明にかかる稈長改変植物は、上記本発明にかかる生産方法により得られるものである。当該稈長改変植物は、稈長を長くする表現型(長稈長型)を有する遺伝子座を含むDNA断片を導入した場合には、元の品種の稈長より長い稈長を有する品種となり、稈長を短くする表現型(短稈長型)を有する遺伝子座を含むDNA断片を導入した場合には、元の品種の稈長より短い稈長を有する品種となる。上述のごとく、耐倒伏性および光合成効率・機械化収穫の観点から栽培品種としては一定の範囲の稈長を有する品種が好ましい。
〔稈長イネ科植物の選抜方法〕
本発明にかかる稈長改変イネ科植物の選抜方法は、上記本発明にかかる遺伝マーカーを指標として稈長改変イネ科植物を選抜する方法であればよく、その他の工程、条件、材料等は特に限定されるものではない。例えば、従来公知の作物育種法を利用することができる。
本発明にかかる稈長改変イネ科植物の選抜方法は、上記本発明にかかる遺伝マーカーを指標として稈長改変イネ科植物を選抜する方法であればよく、その他の工程、条件、材料等は特に限定されるものではない。例えば、従来公知の作物育種法を利用することができる。
より具体的には、例えば、交配等により作出した植物のゲノムDNAを抽出し、本発明に係る遺伝マーカーの遺伝子型を指標として植物を選抜する方法が挙げられる。遺伝マーカーを検出する手段としては、例えば、対象とする植物から抽出したゲノムDNAを鋳型として上記第一ないし第六プライマーセットのいずれかを用いて増幅したDNA断片について、断片長または断片の制限酵素消化パターンの観察を挙げることができる。
なお本発明は上述した各実施形態に限定されるものではなく、請求項に示した範囲で種々の変更が可能であり、異なる実施形態にそれぞれ開示された技術的手段を適宜組み合わせて得られる実施形態についても本発明の技術的範囲に含まれる。
〔使用植物〕
醸造用オオムギ「はるな二条」(Hordeum vulgare ssp. vulgare variety Harunanijo)と野生オオムギ「H602」(Hordeum vulgare ssp. spontaneum H602)との交配から得られたF1の花粉を培養して半数体(haploid)を育成し、自然倍加した倍加半数体(doubled haploid)93個体からなる集団を使用した。
醸造用オオムギ「はるな二条」(Hordeum vulgare ssp. vulgare variety Harunanijo)と野生オオムギ「H602」(Hordeum vulgare ssp. spontaneum H602)との交配から得られたF1の花粉を培養して半数体(haploid)を育成し、自然倍加した倍加半数体(doubled haploid)93個体からなる集団を使用した。
〔連鎖地図の作成〕
本発明者らが有するオオムギEST配列約12万をphredによって再度ベースコールした後、quality score 20でトリミングし、ベクターマスキングを行って3’端約6万配列を得た。これらの配列からphrapによってcontig 8,753、 singlet 6,686からなるUnigeneを作成した。プライマー作成ソフトPrimer3によって、400bpを中心として150-500bpのcDNA配列を増幅するプライマーセット約11,000を作成した。このうち約5,100のプライマーセットについて、はるな二条とH602との間に増幅されるゲノム断片の多型の有無を検出するために、それぞれのゲノムDNAをPCR増幅し、アガロースゲル電気泳動によってバンドの有無、バンド数、バンドサイズを調査し、マーカーとなり得るものを選択した。さらに、バンドサイズに多型のない場合は、増幅断片をダイレクトシークエンスすることにより塩基配列の差異を検出し、39種類の制限酵素に対してCAPS(cleaved amplified polymorphic sequence)化が可能なものをマーカーとして選択した。
本発明者らが有するオオムギEST配列約12万をphredによって再度ベースコールした後、quality score 20でトリミングし、ベクターマスキングを行って3’端約6万配列を得た。これらの配列からphrapによってcontig 8,753、 singlet 6,686からなるUnigeneを作成した。プライマー作成ソフトPrimer3によって、400bpを中心として150-500bpのcDNA配列を増幅するプライマーセット約11,000を作成した。このうち約5,100のプライマーセットについて、はるな二条とH602との間に増幅されるゲノム断片の多型の有無を検出するために、それぞれのゲノムDNAをPCR増幅し、アガロースゲル電気泳動によってバンドの有無、バンド数、バンドサイズを調査し、マーカーとなり得るものを選択した。さらに、バンドサイズに多型のない場合は、増幅断片をダイレクトシークエンスすることにより塩基配列の差異を検出し、39種類の制限酵素に対してCAPS(cleaved amplified polymorphic sequence)化が可能なものをマーカーとして選択した。
以上により、上記はるな二条とH602との交雑F1由来のDH集団について、合計499遺伝子座のマーカーからなる連鎖地図を構築した。この連鎖地図の平均マーカー密度は3.0cM/locus、全長は1,470cMである。
〔遺伝子型の判定〕
DH集団各個体の遺伝子型の判定は、上記DH集団の連鎖地図にマッピングされたマーカーを用いて行った。すなわち、各個体の新鮮な葉の組織から分離したDNAを鋳型として、EST配列に基づいて設計したプライマーセットを用いてPCRを行った。断片長多型マーカーについてはPCR産物の電気泳動により遺伝子型を判定した。CAPS(cleaved amplified polymorphic sequence)マーカーについては、PCR産物を制限酵素で消化し、電気泳動により遺伝子型を判定した。
DH集団各個体の遺伝子型の判定は、上記DH集団の連鎖地図にマッピングされたマーカーを用いて行った。すなわち、各個体の新鮮な葉の組織から分離したDNAを鋳型として、EST配列に基づいて設計したプライマーセットを用いてPCRを行った。断片長多型マーカーについてはPCR産物の電気泳動により遺伝子型を判定した。CAPS(cleaved amplified polymorphic sequence)マーカーについては、PCR産物を制限酵素で消化し、電気泳動により遺伝子型を判定した。
〔稈長の測定〕
DH集団の各個体について、稈長を物差しで測定し記録した。稈長の分布を図13に示した。また、白矢印ははるな二条、黒矢印はH602の稈長を示している。図13において、縦軸は個体数を横軸は稈長を示す。本DH集団の稈長は600〜1100mmの間に分布した。
DH集団の各個体について、稈長を物差しで測定し記録した。稈長の分布を図13に示した。また、白矢印ははるな二条、黒矢印はH602の稈長を示している。図13において、縦軸は個体数を横軸は稈長を示す。本DH集団の稈長は600〜1100mmの間に分布した。
〔QTL解析〕
QTL解析のアルゴリズムには、シンプルインターバルマッピング(simple interval mapping、以下「SIM」と略記する。)とコンポジットインターバルマッピング(composite interval mapping以下「CIM」と略記する。)を用い、解析ソフトウエアにはそれぞれ、MAPMAKER/QTLとQTL Cartographerを用いた。LODスコアの閾値を2に設定し、LODスコアが2を超えた場合に当該2つのマーカー区間内の最もLODの大きな位置にQTLの存在を推定した。
QTL解析のアルゴリズムには、シンプルインターバルマッピング(simple interval mapping、以下「SIM」と略記する。)とコンポジットインターバルマッピング(composite interval mapping以下「CIM」と略記する。)を用い、解析ソフトウエアにはそれぞれ、MAPMAKER/QTLとQTL Cartographerを用いた。LODスコアの閾値を2に設定し、LODスコアが2を超えた場合に当該2つのマーカー区間内の最もLODの大きな位置にQTLの存在を推定した。
〔結果〕
結果を表1に示した。
結果を表1に示した。
表1から明らかなように、SIMおよびCIMにより稈長に関与する3つのQTLが検出された。2H染色体上に存在するQTLは、k03044およびk06489によって挟まれる位置に座乗し、k03044から長腕側に約0.4cM、k06489から短腕側に約6.5cMの距離に位置していた。LODスコアは2.3である。このQTLで表現型の分散の11.5%を説明できる。また、このQTLの存在で稈長が65.2mm短くなる。
また5H染色体上に存在するQTLは、k02321およびk00835によって挟まれる位置に座乗し、k02321から長腕側に約5.7cM、k00835から短腕側に約5.8cMの距離に位置していた。LODスコアは2.3である。このQTLで表現型の分散の12.6%を説明できる。また、このQTLの存在で稈長が68.2mm短くなる。
また6H染色体上に存在するQTLは、k07101およびk03647によって挟まれる位置に座乗し、k07101から長腕側に約2.3cM、k03647から短腕側に約2.2cMの距離に位置していた。LODスコアは4.5である。このQTLで表現型の分散の69.1%を説明できる。また、このQTLの存在で稈長が34.3mm短くなる。
本発明にかかる遺伝マーカーは、稈長改変植物の育種、稈長に関与する遺伝子の単離等に用いることができ、育種の効率化に大きく貢献することが期待される。したがって、広く農業全般に利用可能であり、さらには、オオムギ等を原料とする食品産業においても有効である。また、生物分野の基礎研究、特に植物ゲノム研究等にも利用可能である。
Claims (18)
- イネ科植物のゲノムDNA中に存在し、稈長に関与する遺伝子座に連鎖する遺伝マーカーであって、
上記稈長に関与する遺伝子座から0ないし7センチモルガンの範囲内の距離に位置することを特徴とする遺伝マーカー。 - 上記イネ科植物がムギ類であることを特徴とする請求項1に記載の遺伝マーカー。
- 上記ムギ類がオオムギであることを特徴とする請求項2に記載の遺伝マーカー。
- 上記ゲノムDNAが2H染色体であることを特徴とする請求項3に記載の遺伝マーカー。
- 配列番号1に示される塩基配列を有するプライマーと、配列番号2に示される塩基配列を有するプライマーとの組み合わせである第一プライマーセットを用いて増幅されることを特徴とする請求項1ないし4のいずれか1項に記載の遺伝マーカー。
- 配列番号3に示される塩基配列を有するプライマーと、配列番号4に示される塩基配列を有するプライマーとの組み合わせである第二プライマーセットを用いて増幅されることを特徴とする請求項1ないし4のいずれか1項に記載の遺伝マーカー。
- 上記ゲノムDNAが5H染色体であることを特徴とする請求項3に記載の遺伝マーカー。
- 配列番号5に示される塩基配列を有するプライマーと、配列番号6に示される塩基配列を有するプライマーとの組み合わせである第三プライマーセットを用いて増幅されることを特徴とする請求項1または2または3または7に記載の遺伝マーカー。
- 配列番号7に示される塩基配列を有するプライマーと、配列番号8に示される塩基配列を有するプライマーとの組み合わせである第四プライマーセットを用いて増幅されることを特徴とする請求項1または2または3または7に記載の遺伝マーカー。
- 上記ゲノムDNAが6H染色体であることを特徴とする請求項3に記載の遺伝マーカー。
- 配列番号9に示される塩基配列を有するプライマーと、配列番号10に示される塩基配列を有するプライマーとの組み合わせである第五プライマーセットを用いて増幅されることを特徴とする請求項1または2または3または10に記載の遺伝マーカー。
- 配列番号11に示される塩基配列を有するプライマーと、配列番号12に示される塩基配列を有するプライマーとの組み合わせである第六プライマーセットを用いて増幅されることを特徴とする請求項1または2または3または10に記載の遺伝マーカー。
- 請求項1ないし12のいずれか1項に記載の遺伝マーカーを用いて稈長に関与する遺伝子座を含むDNA断片を単離することを特徴とするDNA断片の単離方法。
- 請求項13に記載の単離方法により得られた上記稈長に関与する遺伝子座を含むDNA断片を、イネ科植物のゲノムDNAに導入することを特徴とする稈長改変イネ科植物の生産方法。
- 上記イネ科植物がムギ類であることを特徴とする請求項14に記載の稈長改変イネ科植物の生産方法。
- 上記ムギ類がオオムギであることを特徴とする請求項15に記載の稈長改変イネ科植物の生産方法。
- 請求項14ないし16のいずれか1項に記載の稈長改変イネ科植物の生産方法によって得られた稈長改変イネ科植物。
- 請求項1ないし12のいずれか1項に記載の遺伝マーカーを指標として、稈長改変イネ科植物を選抜する方法。
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Cited By (1)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
WO2007020983A1 (ja) * | 2005-08-18 | 2007-02-22 | Japan Science And Technology Agency | オオムギest配列を利用して作製された二倍体コムギ遺伝地図を用いるコムギの育種方法 |
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2004
- 2004-02-17 JP JP2004040639A patent/JP2005229842A/ja active Pending
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WO2007020983A1 (ja) * | 2005-08-18 | 2007-02-22 | Japan Science And Technology Agency | オオムギest配列を利用して作製された二倍体コムギ遺伝地図を用いるコムギの育種方法 |
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