JP2005229746A - 電流表示装置における親機 - Google Patents

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Abstract

【課題】
親機と子機とからなる電流表示装置において,分岐回路数を低減させることなく電流表示装置を分電盤に設置可能で,使用者の利便性を損なうことのない,なおかつ盤施工時の配線作業に妨げになることのない電流表示装置の親機の提供を行うこと。
【解決手段】
分電盤に配設される親機により電路に流れる電流を監視するとともに,電路の電流使用情報を子機に向けて送信し,子機側で前記電流使用情報の表示や警報を行う電流表示装置において,
分電盤に配設される主開閉器に,少なくとも,電流検出手段と,該電流検出手段からの出力信号を受け電流レベルを演算する信号処理手段と,監視電流を設定する監視電流レベル設定手段と,該監視電流レベル設定手段で設定した監視電流に対する使用電流レベルの割合を前記信号処理手段で演算し得られた電流使用情報を子機に向けて送信する送信手段とを設けて構成したことを特徴として電流表示装置における親機を提供した。
【選択図】図1



Description

本発明は,電路に流れる電流を検出して,住宅などにおいて電気の使い過ぎでブレーカが動作する前に電気の使い過ぎを知らせる親機と子機とから成る電流表示装置の親機に関する。
従来,住宅において電気の使い過ぎでブレーカが動作する前に警報を発するようなものとして,特許文献1のようなものがあった。この装置は分電盤に組込んで使用されるもので,分電盤への組付けや分岐ブレーカとの交換が容易な過電流警報装置および分電盤を提供することを目的としている。該装置の筐体は,横幅寸法を分岐ブレーカの整数倍の2倍もしくは3倍とし,スピーカを設け,ブスバーの電極と電気的接続を得るための第1の開口部の他に,過電流警報装置の取り付けに障害となる電極を収容するための第2の開口部を設けたことで,電極のカットや電極およびビスの取り外しなどの加工を施す必要がなくなり,分電盤への装置の組み付けを容易に行なうことができるようになっている。該装置は,接続された変流器(CT)により電流を検出し,設定した電流を超えて電流を使用すると,スピーカから「ピッピッピッ,電気を使い過ぎています。」というメッセージをメッセージを送出する。
また,特許文献2に示したような,親機と子機とからなる電流表示装置の親機が開発されている。この親機は,分岐開閉器1個分の取付け互換サイズで構成されており,設置する電流表示装置の親機の数と同じ数だけの分岐ブレーカと取り替えればよく,分岐回路数を極力減らすことなく設置を可能とした電流表示装置の親機の提供を行うことを目的としている。また,この親機は,分電盤に配設される親機により電路に流れる電流を監視し,電路の電流使用情報を子機に向けて無線送信し,前記現在使用電流の情報を子機側に表示する電流表示装置において,分電盤に配設される分岐ブレーカ1個分の大きさで,分岐ブレーカと同一の位置に分岐用銅バーに接続される接続端子と,分電盤の表面に露望する面には監視電流レベルを設定する監視電流設定部と,残りのいずれかの面には電流検出手段と電気的に接続される接続部とを有し,分岐ブレーカと併設して分電盤に配設されることを特徴として構成されている。
特開平2001−218313号公報(第0024項,第6図) 特願2003−186184号(第0010項,第1図)
しかしながら,特許文献1の過電流警報装置,および特許文献2の電流表示装置の親機は,いずれも分電盤に配設される分岐開閉器との排他利用を行うものであるため,該装置の取付けにより分岐回路数が低減するということは避けられなかった。
昨今では,電磁調理器や温水器など,負荷容量の大きいものについては専用のブレーカを介して配線を行うことが多いが,分岐回路数が減った場合,その分の負荷を他のブレーカに共用させるよう配線を行うことになる。そのためブレーカの電流容量に余裕がなくなり,場合によっては過電流により遮断動作しやすくなり,使用者に不便が生ずるという課題があった。
また,電流検出用CTと親機との配線が必須で,配線作業にかかる手間が生じたり,盤内の当該配線の引き回しにより,盤施工時における分岐開閉器に配線を行う際に邪魔になるという課題があった。
そこで本件の発明は,上述のような問題を解決するために,親機と子機とからなる電流表示装置において,親機の電流検出機能,信号処理機能,電流レベル設定機能,無線送信機能等を,主開閉器または電流制限器に内装することにより,分岐回路数を低減させることなく電流表示装置を分電盤に設置可能で,使用者の利便性を損なうことのない,なおかつ盤施工時の配線作業に妨げになることのない電流表示装置の親機の提供を行うことを目的としている。
以上のような課題を解決するために,請求項1の発明においては,分電盤に配設される親機により電路に流れる電流を監視するとともに,電路の電流使用情報を子機に向けて送信し,子機側で前記電流使用情報の表示や警報を行う電流表示装置において,
分電盤に配設される主開閉器に,少なくとも,電流検出手段と,該電流検出手段からの出力信号を受け電流レベルを演算する信号処理手段と,監視電流を設定する監視電流レベル設定手段と,該監視電流レベル設定手段で設定した監視電流に対する使用電流レベルの割合を前記信号処理手段で演算し得られた電流使用情報を子機に向けて送信する送信手段とを設けて構成したことを特徴として電流表示装置における親機を提供したものである。
請求項2の発明においては,前記電流検出手段は変流器から成り,該変流器は,主開閉器内に設けられた負荷側導体または主開閉器の2次側に設けられた導体に貫入配置されたことを特徴として請求項1記載の電流表示装置における親機を提供したものである。
請求項3の発明においては,前記監視電流レベル設定手段は,監視電流を択一的に選択する操作部を含み,該操作部は,主開閉器の分電盤の表面に露望する面に設けられたことを特徴として請求項2記載の電流表示装置の親機を提供したものである。
請求項4の発明においては,前記電流使用情報を子機に向けて送信する送信手段は,無線通信を行う無線送信手段にて構成されたことを特徴として請求項1記載の電流表示装置における親機を提供したものである。
請求項5の発明においては,分電盤に配設される親機により電路に流れる電流を監視するとともに,電路の電流使用情報を子機に向けて無線送信し,子機側で前記電流使用情報の表示や警報を行う電流表示装置において,
分電盤に配設される電流制限器に,少なくとも,電流検出手段と,該電流検出手段からの出力信号を受け電流レベルを演算する信号処理手段と,監視電流を設定する監視電流レベル設定手段と,該監視電流レベル設定手段で設定した監視電流に対する使用電流レベルの割合を前記信号処理手段で演算し得られた電流使用情報を子機に向けて無線発信する無線送信手段とを設けて構成したことを特徴として電流表示装置における親機を提供したものである。
第一の課題解決手段においては,分電盤に配設される主開閉器に,少なくとも,電流検出手段と,該電流検出手段からの出力信号を受け電流レベルを演算する信号処理手段と,監視電流を設定する監視電流レベル設定手段と,該監視電流レベル設定手段で設定した監視電流に対する使用電流レベルの割合を前記信号処理手段で演算し得られた電流使用情報を子機に向けて送信する送信手段とを設けて構成したことを特徴として電流表示装置における親機を提供したため,
分岐回路数を低減させることなく電流表示装置を分電盤に設置可能で,使用者の利便性を損なうことのない,なおかつ盤施工時の配線作業に妨げになることのない電流表示装置の親機の提供を行うことが可能である。
第二の課題解決手段においては,前記電流検出手段を変流器にて構成し,該変流器は,主開閉器内に設けられた負荷側導体または主開閉器の2次側に設けられた導体に貫入配置されたことを特徴として請求項1記載の電流表示装置における親機を提供したため,
第一の課題解決手段の効果に加えて,製造時に予めCTを装着しておくことで,電流表示装置の施工時には,あらためて電流検出手段の施工を行う必要がなく,施工の手間がかからないという効果がある。
第三の課題解決手段においては,前記監視電流レベル設定手段は,監視電流を択一的に選択する操作部を含み,該操作部は,主開閉器の分電盤の表面に露望する面に設けたことを特徴として請求項2記載の電流表示装置の親機を提供したため,
第二の課題解決手段の効果に加えて,分電盤に臨んで容易に監視電流の選択操作が行えるという効果がある。
第四の課題解決手段においては,前記電流使用情報を子機に向けて送信する送信手段は,無線通信を行う無線送信手段にて構成したことを特徴として請求項1記載の電流表示装置における親機を提供したため,
第一の課題解決手段の効果に加えて,電流表示装置の子機を使用する際において,使用範囲の制限が少なくなり,利用者の居る付近にて子機の使用が行え,警報が発せられる際により判りやすいという効果がある。
第五の課題解決手段においては,分電盤に配設される親機により電路に流れる電流を監視するとともに,電路の電流使用情報を子機に向けて無線送信し,子機側で前記電流使用情報の表示や警報を行う電流表示装置において,
分電盤に配設される電流制限器に,少なくとも,電流検出手段と,該電流検出手段からの出力信号を受け電流レベルを演算する信号処理手段と,監視電流を設定する監視電流レベル設定手段と,該監視電流レベル設定手段で設定した監視電流に対する使用電流レベルの割合を前記信号処理手段で演算し得られた電流使用情報を子機に向けて無線発信する無線送信手段とを設けて構成したことを特徴として電流表示装置における親機を提供したため,
電流制限器の使用時において,分岐回路数を低減させることなく電流表示装置を分電盤に設置可能で,使用者の利便性を損なうことのない,なおかつ盤施工時の配線作業に妨げになることのない電流表示装置の親機の提供を行うことが可能である。
以下に本件発明を図面を用いて詳細に説明する。図1は本件発明の電流表示装置の親機を内装した主開閉器を配設した分電盤を示した図である。図において1は分電盤,2は主開閉器,3は主開閉器と母線および分岐線により接続された分岐開閉器である。分岐開閉器は複数存在し,本図では上下2段に配置しているが,横一列に配置される場合もある。
次に主開閉器2について説明を行う。図2には本発明の主開閉器の内部ブロック図を示している。図において,Aの側を電源側,Bの側を負荷側として説明を行う。尚,本実施例では主開閉器2として,住宅用分電盤に用いられることの多い3極の単相3線式の回路遮断器を取り上げている。
200は絶縁ケース,201は電流検出手段,202は信号処理手段,203は監視電流レベル設定手段,204は無線送信手段,205は接点装置,206は開閉機構部,207は引き外し装置,208は負荷側の導体部を示している。
絶縁ケース200は主開閉器の外郭部を構成しており,1次側導体を接続するための電源側端子部が3極分と,2次側導体を接続するための負荷側端子部が3極分設けられている。絶縁ケース200内には,固定接触子2051と可動接触子2052からなる接点装置205が配設されている。電源側端子部には固定接触子2051が接続され,この固定接触子2052と対向して可動接触子2052が設けられている。固定接触子2051と可動接触子2052はそれぞれ端子の数だけ,即ち3つずつ設けられている。開閉機構部206はリンクやクロスバー,作動板などで構成され,操作ハンドルと連動して動作し,操作ハンドルを操作することにより,開閉機構部206を介して接点装置205を開閉させる。また,引き外し装置207は作動板に設けられた電磁鉄片や,バイメタル,トリップコイル,トリップ回路(いずれも図示しない)で構成されている。異常電流の発生時には開閉機構部に作用して接点装置205を開極させるよう働く。
通常分電盤は,主開閉器や分岐開閉器からなる内器ユニットを配設するケースと,該ケースに取り付けられるカバーとで構成されている。カバーには主開閉器及び分岐開閉器の操作ハンドルを該カバー前面から操作できるように操作ハンドルを逃げるよう孔が設けられ,該操作ハンドルは分電盤表面に露望している。尚,分電盤に扉を設けている場合には,扉を閉じたときにはカバーならびに操作ハンドルを覆うように扉が配設される。
負荷側端子部と接点装置205は負荷側導体部208で接続されている。この導体部208に,電流検出手段201である変流器が貫入装着されている。なお,本実施例では主開閉器が単相3線式であるので変流器をL1相とL2相にひとつずつ,計二つ装着しているが,先に述べたように分岐開閉器が横一列に配設されるような場合,即ち単相2線式の場合は一つでよい。また,主開閉器の2次側に取り付けられ,分岐開閉器に電力を供給する母線導体に,変流器を貫入装着してもよい。この場合は,該変流器からの出力はリード線により主開閉器内の信号処理手段202に導かれる。
変流器からの出力は信号処理手段202に入力される。ここで,変流器からの出力は導体を流れる電流に起因する誘導電流である。この誘導電流を信号処理手段に設けられた電流電圧変換手段により電圧に変換し,該電圧をA/D変換によりディジタル値に変換する。
また,信号処理手段202には監視電流レベル設定手段203が接続されている。監視電流レベル設定手段203は,監視する電流値を定めるもので,択一的に電流を選択できるように構成されている。本実施例ではロータリー式の操作つまみを設けており,回転させることで監視電流値を択一的に選択できるようにしてある。該操作つまみは前述した主開閉器および分岐開閉器と同様,分電盤のカバー表面に露望しており,分電盤の前面から操作が可能である。
監視電流値は,電流制限器を使用しない場合には,主開閉器の定格電流に合わせて選択する。電流制限器を使用する場合には,電流制限器の定格電流に合わせて選択する。例えば,主開閉器の定格電流が100Aであれば監視電流値を100Aの位置にセットする。なお,監視電流レベル設定手段203はロータリー式の操作つまみで監視電流を手動で選択設定できるよう構成してあるが,予め製造時に1つの値に固定し後から使用者により設定電流値を操作できないよう,絶縁ケース200内に電流設定スイッチを設けて構成してもよい。
ここで,信号処理手段202は,監視電流値に対する変流器から得られた電流の割合を計算し,予め定められた割合の区分,例えば,20%未満,20%以上40%未満,40%以上60%未満,60%以上80%未満,80%以上100%未満,100%以上110%未満,110%以上120%未満,120%以上,に相当する使用電流情報を生成する。各々の割合の区分においては,あらかじめ所定のデータパターンを決めており,そのパターンデータ即ち使用電流情報を送信することにより,現在の使用電流が属する区分のデータを得る。監視電流値が100Aで変流器から得られた電流値が85Aであれば,監視電流値に対する変流器から得られた電流の割合は85%であり,属する区分は80%以上100%未満ということになる。
尚,電流制限器を使用するかしないかを選択するスイッチも設けてあり,電流制限器を使用しない場合には,電圧極側のL1相,L2相の各相毎に電流を検出し,それぞれの電流値と監視電流値の比較割合を計算する。電流制限器を使用する場合には,各相の電流のベクトル合成和を検出し,それぞれの電流値と監視電流値の比較割合を計算する。
このようにして得られた,監視電流と,使用電流の割合がどの区分に属しているかという使用電流情報に,データを送信する際にデータを同期させる目的で使用される同期信号や,子機が複数ある場合には各々の子機のチャンネル信号などのヘッダーを付加して送信手段204に出力する。送信手段204は,無線通信を行う送信手段であり,無線の変調方式には,振幅変調(AM)方式を用いている。送信手段204はこれらのデータを子機に向けて無線送信する。変調方式は,この振幅変調の他,周波数変調(FM)方式や,位相変調(PM)方式を用いて構成してもよい。
図7には電流表示装置のブロック図を示している。電流表示装置の親機の働きを集約して説明すると次のようになる。まず主開閉器2に設けられた監視電流レベル設定手段203を手動で操作して監視電流を主開閉器2の定格電流に合わせておく。導体に夫々貫入装着された電流検出手段201は電路の通電電流に応じた大きさの誘導電流を出力する。202の信号処理手段は,現在使用電流を計算し,監視電流に対する現在電流の割合(%)から,どの割合の区分に相当するかを計算し,相当する使用電流情報を生成し,現在使用電流が主開閉器や,電流制限器を設置する地区などで電流制限器が設置されてある場合には,電流制限器の定格電流に対して上回り,使い過ぎているかどうかの判断などを行う。そして使用電流情報に各種ヘッダーを付加したデータを無線送信部204に送出し,無線送信部204はそのデータを無線信号として子機側に送信する。なお,前記使用電流情報の計算は主開閉器2の電源側に電流制限器が設けられている場合は各相の合計電流で演算され,それ以外は各相毎に演算される。
子機500の働きを集約して説明すると,次のようになる。子機500は,親機からの無線信号(使用電流情報)をアンテナ部513と501の無線受信部で受信し,信号処理部502で使用電流情報を抽出し,該使用電流情報に基づいて,使用電流の属する区分を503の情報表示部に表示し,必要に応じて504の音声発生部を駆動する。
情報表示部503は複数のLEDから成り,例えば,監視電流レベルに対する現在使用電流の割合(%)を段階的に発光表示し,あとどれぐらい電流を使えるかといった余裕情報を視覚的に表示する。
音声発生部504は現在使用電流の割合が設定値を超えた場合に信号処理部402からの指示で音声警報を発生する。現在の使用電流値が主開閉器の定格電流に対して使い過ぎている場合,即ち100%以上である場合にはLEDで発光表示を行うとともに,音声発生部から,「ピッピッ,電気の使い過ぎです。」などと警報を発する。
図3には,主開閉器2の外形図を示している。監視電流レベル設定手段203として,監視電流を択一的に選択するロータリー式の操作部が設けられ,該操作部は,主開閉器2の分電盤のカバー表面に露望するよう設けられている。尚,209は主開閉器2を開閉するための操作ハンドルである。210は電流制限器が併設されて使用される場合の計算の設定と,主開閉器単独で使用される場合の計算の設定を切替るための,電流制限器−主開閉器切替部である。尚,電流制限器−主開閉器切替部210は,信号処理手段202と接続されている(図示しない)。211は動作を確認するための動作確認ランプで,LEDで構成されており,主開閉器2に電源が供給されている場合に点灯表示する。
このように,主開閉器2に,少なくとも,電流検出手段201と,該電流検出手段201からの出力信号を受け電流レベルを演算する信号処理手段202と,監視電流を設定する監視電流レベル設定手段203と,電流使用情報を子機に向けて無線発信する無線送信手段とを設けて構成したことを特徴として電流表示装置における親機を構成したために,分岐回路数を低減させることなく電流表示装置を分電盤に設置可能である。また,分岐回路数の低減がないため,分電盤に配設された最大数の分岐開閉器を利用することができ,使用者の利便性を損なうことがない。なおかつ盤内に変流器の配線が露出しないために,盤施工時の配線作業に妨げになることがない。
図5には,本件発明の電流表示装置の親機を内装した電流制限器を配設した分電盤を示した図である。図において1は分電盤,2は主開閉器,3は主開閉器と母線および分岐線により接続された分岐開閉器,4は電流制限器である。分岐開閉器は複数存在し,本図では上下2段に配置しているが,横一列に配置される場合もある。
電流制限器4は,主開閉器2の一次側に配設され,電力会社との契約電流に応じた定格容量のものが分電盤1に取付けられる。主開閉器2が,各相毎の電流値を検出し,例えば単相3線式の場合には,L1,L2相の各相毎に電流を検出するのに対し,電流制限器4の動作は,電流制限器4は,各相の電流のベクトル合成和を検出し,電路全体で契約電流を超えた場合に動作するものである。
次に電流制限器4について説明を行う。図5には本発明の電流制限器4の内部ブロック図を示している。図において,Aの側を電源側,Bの側を負荷側として説明を行う。尚,本実施例では電流制限器4として,先の例と同じく,住宅用分電盤に用いられることの多い3極の単相3線式の電流制限器を取り上げている。
400は絶縁ケース,401は電流検出手段,402は信号処理手段,403は監視電流レベル設定手段,404は無線送信手段,405は接点装置,406は開閉機構部,407は引き外し装置,408は負荷側の導体部を示している。
絶縁ケース400は電流制限器の外郭部を構成しており,1次側導体を接続するための電源側端子部が3極分と,2次側導体を接続するための負荷側端子部が3極分設けられている。絶縁ケース400内には,固定接触子4051と可動接触子4052からなる接点装置405が配設されている。電源側端子部には固定接触子4051が接続され,この固定接触子4052と対向して可動接触子4052が設けられている。固定接触子4051と可動接触子4052はそれぞれ端子の数だけ,即ち3つずつ設けられている。開閉機構部406はリンクやクロスバー,作動板などで構成され,操作ハンドルと連動して動作し,操作ハンドルを操作することにより,開閉機構部406を介して接点装置405を開閉させる。また,引き外し装置407は電磁コイルを用いて構成されている。異常電流の発生時には開閉機構部に作用して接点装置405を開極させるよう働く。
負荷側端子部と接点装置405は負荷側導体部408で接続されている。この導体部408に,電流検出手段401である変流器が貫入装着されている。なお,本実施例では主開閉器が単相3線式であるので変流器をL1相とL2相にひとつずつ,計二つ装着しているが,先に述べたように分岐開閉器が横一列に配設されるような場合,即ち単相2線式の場合は一つでよい。また,電流制限器と主開閉器とを結ぶ導体に変流器を貫入装着したり,主開閉器の2次側に取り付けられ,分岐開閉器に電力を供給する母線導体に,変流器を貫入装着してもよい。この場合は,該変流器からの出力はリード線により電流制限器内の信号処理手段402に導かれる。
信号処理手段402,監視電流レベル設定手段403,無線送信手段404等については,先に説明した主開閉器2に設けられた信号処理手段202,監視電流レベル設定手段203,無線送信手段204等と同様であるので,説明は省略する。
図5には,電流制限器4の外形図を示している。監視電流レベル設定手段403は,監視電流を択一的に選択するロータリー式の操作部が設けられ,該操作部は,主開閉器の分電盤の表面に露望する面に設けられている。尚,409は電流制限器4を開閉するための操作ハンドルである。電流制限器4の場合,主開閉器2に設けられている,電流制限器−主開閉器切替部210は不要である。何故なら,電流制限器を用いる場合には,分電盤に電流制限器を配設することが前提となっているからである。411は動作を確認するための動作確認ランプで,LEDで構成されており,電流制限器4に電源が供給されている場合に点灯表示する。
このように,電流制限器4に,少なくとも,電流検出手段401と,該電流検出手段401からの出力信号を受け電流レベルを演算する信号処理手段402と,監視電流を設定する監視電流レベル設定手段403と,電流使用情報を子機に向けて無線発信する無線送信手段404とを設けて構成したことを特徴として電流表示装置における親機を構成したために,主開閉器に電流表示装置の親機を構成したと同様,分岐回路数を低減させることなく電流表示装置を分電盤に設置可能である。また,分岐回路数の低減がないため,分電盤に配設された最大数の分岐開閉器を利用することができ,使用者の利便性を損なうことがない。なおかつ盤内に変流器の配線が露出しないために,盤施工時の配線作業に妨げになることがない。
実施例では,単相3線式について説明を行ったが,本発明の適用は本相線式に限定されるものではなく,この他三相3線式や,三相4線式の電路においても電流検出手段を適切に設けることにより適用が可能であることを補足しておく。
主開閉器や電流制限器に適用できるため,住宅盤のみならず,工事現場などで使用する仮設盤において,使用電流警報を行う場合にも適用が考えられる。
本発明の主開閉器を適用した分電盤の図。 主開閉器の内部ブロック図。 主開閉器の概観図。 本発明の電流制限器を適用した分電盤の図。 電流制限器の内部ブロック図。 電流制限器の概観図。 電流表示装置のブロック図。 従来例の特許文献1を示した図。 従来例の特許文献2を示した図。
符号の説明
1 分電盤
2 主開閉器
201 電流検出手段
202 信号処理手段
203 監視電流レベル設定手段
204 無線送信手段
205 接点装置
206 開閉機構部
207 引外し装置
208 負荷側導体部
209 操作ハンドル
210 電流制限器−主開閉器切替部
211 動作確認ランプ
3 分岐開閉器
4 電流制限器
401 電流検出手段
402 信号処理手段
403 監視電流レベル設定手段
404 無線送信手段
405 接点装置
406 開閉機構部
407 引外し装置
408 負荷側導体部
409 操作ハンドル
411 動作確認ランプ
500 子機
501 無線受信部
502 信号処理部
503 情報表示部
504 音声発生部
505 電源プラグ部
506 コンセント部
507 伝導体
508 電源部
513 アンテナ部


Claims (5)

  1. 分電盤に配設される親機により電路に流れる電流を監視するとともに,電路の電流使用情報を子機に向けて送信し,子機側で前記電流使用情報の表示や警報を行う電流表示装置において,
    分電盤に配設される主開閉器に,
    少なくとも,電流検出手段と,
    該電流検出手段からの出力信号を受け使用電流レベルを演算する信号処理手段と,
    監視電流を設定する監視電流レベル設定手段と,
    該監視電流レベル設定手段で設定した監視電流に対する使用電流レベルの割合を前記信号処理手段で演算し得られた電流使用情報を子機に向けて送信する送信手段と
    を設けて構成したことを特徴とする電流表示装置における親機。
  2. 前記電流検出手段は変流器から成り,該変流器は,主開閉器内に設けられた負荷側導体または主開閉器の2次側に設けられた導体に貫入配置されたことを特徴とする請求項1記載の電流表示装置における親機。
  3. 前記監視電流レベル設定手段は,監視電流を択一的に選択する操作部を含み,該操作部は,主開閉器の分電盤の表面に露望する面に設けられたことを特徴とする請求項2記載の電流表示装置の親機。
  4. 前記電流使用情報を子機に向けて送信する送信手段は,無線通信を行う無線送信手段にて構成されたことを特徴とする請求項1記載の電流表示装置における親機。
  5. 分電盤に配設される親機により電路に流れる電流を監視するとともに,電路の電流使用情報を子機に向けて送信し,子機側で前記電流使用情報の表示や警報を行う電流表示装置において,
    分電盤に配設される電流制限器に,
    少なくとも,電流検出手段と,
    該電流検出手段からの出力信号を受け電流レベルを演算する信号処理手段と,
    監視電流を設定する監視電流レベル設定手段と,
    該監視電流レベル設定手段で設定した監視電流に対する使用電流レベルの割合を前記信号処理手段で演算し得られた電流使用情報を子機に向けて送信する送信手段と
    を設けて構成したことを特徴とする電流表示装置における親機。
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